テレビ東京ホールディングス(9413)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


テレビ東京ホールディングス(9413)の株価チャート テレビ東京ホールディングス(9413)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

 

テレビ東京ホールディングスの企業集団(以下、「テレビ東京ホールディングスグループ」という。)はテレビ東京ホールディングス、連結子会社15社及び関連会社5社で構成されており、主として㈱テレビ東京及び㈱BSテレビ東京を中心とした「地上波・BS放送事業」、放送番組等を二次的に利用する権利その他放送番組等から派生する権利を利用した事業を行う「アニメ・配信事業」、テレビ通販やeコマース及びグループ全体のサポートを行う「ショッピング・その他事業」を行っております。

また、テレビ東京ホールディングスはその他の関係会社である㈱日本経済新聞社とも継続的な事業上の関係を有しております。

なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。

 

(1) 地上波・BS放送事業

地上波・BS放送事業はテレビ東京ホールディングスグループ各社が行う放送事業となっております。

 

[地上波放送事業]

地上波放送は㈱テレビ東京による放送事業です。教育、教養、娯楽及び報道の各ジャンルの調和を基本としてテレビ番組を企画編成し、健全なエンターテインメント番組や経済情報を中心にした客観的かつ公正な報道番組等を視聴者に提供する一方で、広告主に対して広告枠の販売を行っております。

 

広告枠の販売形態

タイムセールス……1つの番組の放送時間の途中で放送する広告枠を販売する形態。広告主は原則として当該番組の制作費を負担し、又は他の広告主と分担します。

スポットセールス…前の番組と次の番組が始まる間や特定の番組と関係なく広告枠を販売する形態。広告主は広告放送の時間帯や期間、地域等を選択しつつ広告依頼することとなります。

 

[BS放送事業]

BS放送は、㈱BSテレビ東京による衛星放送事業です。教育、教養、娯楽及び報道の各ジャンルの調和を基本としてテレビ番組を企画編成し、健全なエンターテインメント番組や経済情報を中心にした客観的かつ公正な報道番組等を視聴者に提供する一方で、広告主に対して広告枠の販売を行っております。

 

[国内番組販売]

㈱テレビ東京メディアネットが㈱テレビ東京及び㈱BSテレビ東京と連携をとりながら、テレビ東京ホールディングスグループが制作した番組等を他の国内地上波放送、BS放送、CS放送向け等に販売しております。

 

地上波やBS放送での番組の企画・制作を㈱テレビ東京制作が行っているほか、㈱テレビ東京アートはスタジオの美術セット制作や照明技術、バーチャル・CGデザインを、また中継を含めた各種技術業務や編集スタジオの運営を㈱テクノマックスが担うなど番組制作を中心とした事業を展開しております。

 

 

(2) アニメ・配信事業

アニメ・配信事業は㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し放送による広告以外に収入を上げている「ライツ事業」や、㈱テレビ東京コミュニケーションズ、㈱エー・ティー・エックスなどのグループ会社が行うアニメのCS放送や音楽関連ビジネス事業を指します。

 

[ライツ事業]

放送番組やオリジナルのコンテンツにかかる周辺権利(インターネットによる動画配信、ビデオグラム化、出版化、ゲーム化、玩具その他の商品化等の権利等)を利用するビジネス部門です。この中でもインターネット配信のプラットフォーム向けにコンテンツを供給する「配信ビジネス事業」と、国内放送だけでなく海外向けのコンテンツ供給や商品化ビジネスを展開する「アニメ事業」をテレビ東京グループの成長エンジンと位置づけ、放送収入だけに頼らない収益構造の改革を進めます。

また、映画への出資を通じて、興行権のみならず、映画に関わる周辺権利を取得し、事業展開を行うことによって収益を上げる「映画出資事業」も行っております。

「イベント事業」では、自社コンテンツに連動したイベントや、ゴルフ、eスポーツ等のスポーツ競技、音楽コンサート、美術展等のイベントの主催、共催、後援又は協賛による各種収入を得ております。

 

[その他アニメ・配信事業]

番組の主題歌やエンディング曲などの著作権管理は㈱テレビ東京ミュージックが担っており、また音楽番組やコンサート・イベント等の企画・制作、音楽原盤への出資などの音楽関連ビジネス事業にも取り組んでおります。

テレビ東京ホールディングスグループの強みでもあるアニメ分野においては、㈱エー・ティー・エックスが、CS有料チャンネルへのアニメ番組の提供や番組の企画・制作を行っております。

 

上記に加え、㈱テレビ東京コミュニケーションズがデジタル媒体の開発と運営を通じた動画配信関連事業、クロスメディア広告事業、EC事業、デジタル課金事業を展開しております。

 

(3) ショッピング・その他事業

ショッピング・その他事業は㈱テレビ東京ダイレクトなどが手掛けるテレビ通販やeコマース、グループ全体のサポート事業を指しております。

 

通信販売業務では㈱テレビ東京ダイレクトがテレビ東京ホールディングスグループの核となりテレビ通販を展開しているほか、パソコンやモバイル端末を利用したインターネット通販事業も運営しております。また㈱テレビ東京ダイレクトの子会社である㈱リアルマックスが、ゴルフ関連商品のインターネット通販事業を展開しております。

 

この結果、テレビ東京ホールディングスグループの事業系統図は以下のとおりとなります。

 

事業系統図

 


 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、テレビ東京ホールディングスグループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

テレビ東京ホールディングスは、㈱テレビ東京による地上波放送事業を中核として、BS放送(㈱BSテレビ東京)、CS放送(㈱エー・ティー・エックス)、そしてインターネットによる配信事業を総合的に運用してコンテンツの制作とメディアビジネス展開の戦略機能を担う認定放送持株会社です。

2024年4月のテレビ東京開局60周年を契機に、グループは新しい企業理念「心を温かく、時に熱く。一人ひとりに深く届け、 ちょっといい明日へ。」(パーパス=存在理由)、「『あたりまえ』に挑み、 まだ見ぬ『おもしろい』を共に創る。」(ミッション=果たすべき使命)などを制定しました。この企業理念を体現するため、報道、アニメ、バラエティ、ドラマ、音楽、スポーツ、イベントなど各分野で競争力のあるコンテンツを制作し、「ちょっといい明日」を実現させることで、テレビ東京グループの存在感を一段と高めていきます。

グループの成長戦略といたしましては、アニメ・経済報道・独自IP(知的財産)事業を一段と強化してさらに成長することを中心に据えました。コンテンツ力を新技術の活用などにより高めるとともに、IP事業を国際的に展開する「グローバルIP企業」へと進化します。同時に、新規事業の開発などでフロンティアを開拓し、収益源をさらに多様化させてまいります。

 

(2) 経営環境

2023年の日本の広告費(電通調べ)は3.0%増の7兆3,167億円と過去最高となりました。テレビ広告(地上波・衛星メディア関連の合計)は、1兆7,347億円と前年より3.7%減少しました。一方、ネット広告は2019年にテレビ広告を抜き、2023年も前年比7.8%増の3兆3,330億円となりました。

 

(3) 目標とする経営指標

テレビ東京ホールディングスは各ステークホルダー(視聴者、社会全般、株主、取引先、社員)への責任をバランスよく果たし、企業価値の向上を通じて満足の総和を高めていくことを基本方針としております。2020年代後半にROE(自己資本利益率)8%の達成を目指すとともに、中長期的には配当性向35%を目途とすることにします。テレビ東京ホールディングスは資本コストを含む様々な経営指標を適切に認識しつつ、コーポレートガバナンス・コードを着実に実行してまいります。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

地上波放送事業を中核として、BS放送、CS放送、配信事業を一体的に運用し、放送・配信に加え、アニメ・経済報道・独自IP(知的財産)事業を一段と強化してさらなる成長を目指します。様々なデバイスでコンテンツを提供し、下記の経営戦略を着実に実施することで、放送と配信との相乗効果によりコンテンツの価値を高めていきます。

 

① アニメ事業の国際ビジネス機能を強め、「グローバルIP企業」に進化

アニメ事業はテレビ東京グループの強みであり、グローバルなコンテンツとして主に海外で大きな収益をあげてきました。アニメ事業を巡る競争が激化するなか、先行優位を維持しつつ、世界における「アニメのテレ東」の評価をいっそう高めるためにも、グループを挙げて同事業の拡大に全力を注ぎます。有力アニメ作品の権利獲得、コンテンツ制作+放送・配信、商品化、ゲーム化の好循環で事業を拡大して参ります。

アニメ事業の拡大に向け、㈱テレビ東京ホールディングスに2024年4月、アニメビジネス機能の強化を具現化する組織として「アニメ・IP戦略室」を設置しました。コンテンツやキャラクターなどの豊富な知的財産(IP)をリアルとデジタルの両面で活用し、海外商品化やゲーム化事業をさらに推進します。中国市場の維持に努めると同時に、重点開拓先を北米・アジア・中東などに定めます。

これまでの海外展開のノウハウを活かし、アニメ作品の海外展開を受託するビジネスを進め、アニメ業界の発展にも寄与したいと考えております。

 

 

② 配信事業は「テレ東BIZ」事業の拡大とAVODの営業体制の再構築へ

テレビ東京ホールディングスは、配信分野での収益を最大化するために、SVOD(定額制動画配信)とAVOD(広告付動画配信)の事業について、一体的に戦略を立案しています。配信のために必要な権利処理や収益管理などの実務を一括して効率化しているほか、放送とAVOD、SVODなど配信からのデータを最大限活用して、番組・コンテンツ制作に生かし、放送と配信双方の営業強化につなげています。

配信事業においては、「テレ東BIZ」を成長戦略の柱に据えて、報道局・配信ビジネス局一体で抜本リニューアルいたします。報道局は企業報道(ミクロ経済)やマーケット報道に注力し、報道の「デジタルファースト」を徹底して「経済映像報道ナンバーワン」にまい進します。

報道コンテンツに関してもリニューアルを実施しました。看板番組「WBS」「Newsモーニングサテライト」などは2024年4月から大幅改編し、バーチャルプロダクション(VP)技術を全面活用します。キャスターの刷新や現場取材の豊富な経済記者の積極的な活用などで、躍動感&臨場感のある経済ニュースへとさらに発展させる所存です。金曜日夜は「WBS週末版」として、その週の大きな経済ニュースを深掘りしています。

また、2024年度から「FAST(Free Ad-supported Streaming TV)」の実証事業を本格的に始めました。2024年度は年間3000本の動画を公開して国内外で収益力の高いコンテンツを開発し、2025年度以降の事業化を目指します。

さらに、2023年6月には、テレビ東京ホールディングスなどが手掛けた動画配信サービス「Paravi(パラビ)」と動画配信大手「U-NEXT(ユーネクスト)」の統合により、国内勢首位の有料動画配信サービスが誕生しました。「U-NEXT」を運営する㈱U-NEXTとは包括的な戦略的業務提携を結んでおり、マーケティングからクリエイティブまで幅広い分野で協力を進めることで、売上・利益の最大化を目指しています。

引き続きTVerなどのAVOD事業も拡大します。

 

③ IPビジネスを拡大展開、AI新分野にも進出

㈱テレビ東京が権利を持つ「独自IP」を開発し、事業を拡大することにも力を注ぎます。2024年4月に㈱テレビ東京ホールディングスに「グループIP・新事業統括会議」を設置し、IP・新規事業の司令塔としました。㈱テレビ東京にも「IP・新事業推進会議」を設け、グループ横断で情報を集約し、具体的な施策を定めてスピーディーに事業を実行します

イベント局はIP事業局に改称し、イベント運営事業だけではなく、IPの開発や自社コンテンツと連携したイベント・ビジネスイベントなどを多角的に展開し、利益を拡大します。

テレビ東京グループを代表する独自IPである「シナぷしゅ」は、番組、商品化、映画、コンサートなど、中期計画を立てて利益を拡大する方針です。

ドラマ・バラエティなど番組と連動したIPビジネスについては、番組を活用したIP開発の専従チームを配信ビジネス局に設置し、ドラマIPのマルチ活用を強化します。Z世代に人気のイラストレーターと共同でIPを開発するほか、住友商事㈱と取り組む「エシカルメディアコマース」も事業化いたします。

2023年度から新規事業として始めたAIデジタルヒューマン事業「いしとほしプロジェクト」はキャラクターを量産し、アジアを中心にグローバル展開を進めます。

 

④ 放送事業の収益力強化について

放送広告収入はテレビ東京グループの最大の収益の柱です。放送を取り巻く環境は厳しくなると予想されますが、収益バランス重視の編成方針と新番組の開発などによる新規スポンサーの獲得、営業力強化により、地上波、BSともに放送収入を伸ばしていきます。

広告主やユーザーのニーズを汲み取るとともに、テレビ東京グループの優良な視聴者層を示す新しい指標を運用することで、放送事業の再成長を目指します。またVP技術による映像の魅力アップなどをテコに広告価値の引き上げを目指します。

 

⑤ 成長のための投資戦略と新規事業の開拓

テレビ東京グループが新たな分野の収益を強固なものとしていくため、2022年度下期から3年間で200億円の「成長投資枠」を設定していましたが、2024中期経営計画の策定に合わせて200億円の「成長投資枠」を新たに設定しました。アニメ事業などを軸にM&A等を検討するほか、デジタル投資も不可欠と考えており、基幹システムの刷新などDXを積極的に進めます。

2022年度から着手している、テレビ東京グループの基幹システムの全面刷新については、2024年度から一部の運用を開始します。新システムへの移行により、編成、営業、コンテンツ制作を支援する新たなソフトの導入や開発も柔軟で迅速な対応が可能になり、配信の収支、配信を含むコンテンツ別の総合収支など経営指標を機動的に算出できることになります。

さらに、AI、メタバースなどのXR(クロスリアリティ=新技術を活用した映像やイベント)、コンピュータグラフィックスを生かしてコンテンツDXを推進していきます。

新規事業については、社内公募でアイデアを集約しすみやかに実証実験につなげることで、事業化を模索します。

 

(5) 会社が対処すべき課題

① コーポレート・ガバナンス強化

コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化は社会の要請であり、テレビ東京グループにとっても重要な課題です。

テレビ東京ホールディングスは取締役の3分の1を独立社外取締役にしており、取締役会の諮問機関として独立社外取締役と代表取締役社長により構成する「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」を設置しております。両委員会とも独立社外取締役が委員の過半数を占め、独立社外取締役を委員長に選任しています。委員会は㈱テレビ東京ホールディングスの取締役の人事案や報酬の方針などについて議論し、取締役会に答申しています。

また、代表取締役社長の助言機関として、社外取締役と代表取締役が出席する「経営懇談会」を設けております。「人事諮問委員会」「報酬諮問委員会」「経営懇談会」があわせて機能することでコーポレート・ガバナンスを強化し、経営の透明度を高めてまいります。

 

② 気候変動リスクへの対応

テレビ東京ホールディングスグループは、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置して、地球環境問題をはじめ、人権の尊重、従業員の健康、労働環境への配慮や公正・適切な処遇を実現するための啓蒙活動などサステナビリティを巡るあらゆる課題に対してグループ全体で取り組んでいます。気候変動への対応については、消費電力の削減や再生可能エネルギーの導入、自社のCO2排出を相殺できる「J-クレジット」等の活用を組み合わせて2023年度にグループ全体のCO2排出量の実質ゼロを達成しました(対象はScope1とScope2)。当初は「2024年度末までのCO2排出ゼロ」を目標に掲げていましたが、1年前倒しで実現しました。

また、テレビ東京ホールディングスは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同し、TCFDが提言するフレームワークを活用して定期的に情報開示をしています。複数の将来シナリオを用いて気候変動が事業に与えるリスクと機会を評価し、気温上昇に伴う事業活動への恒常的な悪化と、緊急的かつ頻発の恐れのある自然災害の影響を分析してBCP(事業継続計画)体制をグループ全体で構築しています。

世界的な課題となっている気候変動リスクへの対応はメディアグループとしても、企業としても重要な課題の1つと認識しています。テレビ東京ホールディングスグループではSDGs(持続可能な開発目標)に本格的に取り組むため、国連が報道機関に協力を呼び掛ける「SDGメディア・コンパクト」に署名・加盟しております。報道機関だからこそ出来る取り組みとして、放送や配信、イベントなどを通じてSDGsを伝えてサステナビリティの浸透に取り組んでいます。

 

③ 人材の多様性に向けた取り組み

 テレビ東京グループは女性採用に積極的に取り組んでおり、中核会社である㈱テレビ東京における最近の新卒採用の男女数はおおむね同数で、2024年4月時点の女性社員比率(専門社員を含める)は30.0%となっております。また、女性管理職比率は21.1%となっていて2017年度末の11.2%から増加基調にあり、2025年度末には20%台半ばに引き上げることを目指します。㈱テレビ東京の外国籍の社員は11人が在籍し、今後も事業展開に合わせて採用増に取り組みます。年間採用数のうちキャリア採用(中途採用)の比率は53.8%(2023年度)であり、クリエイティブな人材などの即戦力を随時採用し、組織の活性化と社員全体のスキル向上を進めております。

 組織の潜在能力を引き上げるには人材の多様性が不可欠であると考え、多様な社員が働きやすい環境の構築に努めています。在宅勤務制度、フレックスタイム制度、育児時短勤務制度、パートナーシップ制度などを通じてすべての社員が働きやすく、能力を発揮できる制度の充実を目指します。

 なお、テレビ東京ホールディングスの女性役員比率は10.7%、㈱テレビ東京の女性役員比率は22.6%となっております。(2024年6月20日時点)

  ※女性役員比率は社内における指導的な役割を担う者として、取締役、監査役、執行役員、フェロー等を対象として算出しております。

 

④ 人的資本への投資

   テレビ東京ホールディングスは人材を成長力の源泉と位置づけ、人的資本への投資を強化してまいります。2024年度は基本給を引き上げるベースアップを9社で実施し、㈱テレビ東京では定期昇給分と合わせて平均5.2%の賃上げを行いました。2024年度~26年度の中期経営計画では、業績向上分の社員への還元やリスキリングの強化などを一層進め、人的投資の総額をテレビ東京グループ全体で35億円拡充する方針です。

 

⑤ 人権方針の策定など人権尊重の取り組み

テレビ東京グループは人権尊重の重要性を改めて認識するとともに、社会から信頼される企業集団として認められるよう、「国際人権章典」や「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」といった国際規範に加え、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」「OECD多国籍企業行動指針」および政府による「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に基づき、2023年11月に「人権方針」を定めました。テレビ東京グループはメディア企業としての責任を果たすための「テレビ東京グループ行動規範」における「行動基準」や「報道倫理ガイドライン」で、既に人権尊重の考え方を盛り込んでおりましたが、新たに人権方針を設けることで人権に対する考え方をより明確にしました。同時に人権方針の推進のため「人権委員会」を設置し、取引先を含めた人権侵害の予防や改善に取り組む「人権デューデリジェンス」を実行していきます。

 

⑥ 激動する国際情勢への対応

 国際通貨基金(IMF)によると世界景気の成長は続く見通しですが、金利上昇や原材料高による減速懸念もあります。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、イスラエルのガザ地区侵攻に伴う中東情勢の緊迫化は、世界経済に暗い影を落としています。米中間の緊張が高まり、中国や台湾のビジネス環境の変化を注視する必要もあります。テレビ東京グループは基本的人権を尊重しつつ、公平・公正な報道姿勢を貫くことにより、自由で豊かな社会の実現に貢献することを目指します。

 

⑦ 景気の下振れリスク

インフレ長期化、金利上昇、中国経済の減速、サプライチェーン(供給網)混乱などにより、世界経済の下押し懸念があります。国内では、物価高による消費マインドの低迷、急激な為替の変動、資源高による企業業績への圧迫などにより、景気の下振れリスクが指摘されています。経済の不透明感が増すなかでも、テレビ東京グループは着実な利益の計上に努めます。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

テレビ東京ホールディングスグループの事業その他に関するリスクとして、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。テレビ東京ホールディングスグループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針です。なお、以下の事項のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在においてテレビ東京ホールディングスグループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載はテレビ東京ホールディングス株式への投資に関するリスクをすべて網羅したものではありませんのでご留意ください。

 

(1) テレビ放送事業に関するリスクについて

① テレビ広告収入について

テレビ東京ホールディングスグループの地上波放送事業およびBS放送事業における広告収入は、総売上高の約6割を占めています。

しかし、国内における少子高齢化に伴う低成長という要因に加えて、メディアの多様化やインターネット広告の拡大など外部環境の変化により、広告収入は漸減傾向となっています。

テレビ東京ホールディングスグループは、こうした広告市場の動向を注視しながら、マーケティング機能の強化に加えて広告主ニーズへの対応や新たな営業手法の開発等により、テレビ放送による広告収入の向上を目指してまいりますが、今後の日本経済のマクロ動向や広告市況の動向によりテレビ広告収入が大幅に縮小した場合には、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 視聴環境の変化について

通信環境の進化、スマートフォンやタブレットそしてコネクテッドテレビの普及により、定額制及び無料広告付き動画配信サービスが身近なものとなり、視聴スタイルの多様化が進むとともに、放送番組のインターネット視聴やタイムシフト視聴も加速しています。ユーザーの可処分時間の奪い合いが激化する中で、放送事業においては、リアルタイム視聴率の獲得は引き続き重要な課題です。

テレビ東京ホールディングスグループは、テレビ放送を軸とし、視聴者に受け入れられ、テレビ東京ホールディングスグループのブランドイメージ向上につながるコンテンツの創出に努めてまいりますが、今後の視聴動向に想定外の変化が生じた場合は、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) テレビ放送事業以外に関するリスクについて

① アニメビジネスにおける海外展開について

テレビ東京ホールディングスグループはアニメビジネスを重要な収益の柱と位置付けており、海外への配信・商品化等でのライセンス展開も積極的に行っています。進出先の法制度やコンテンツ産業政策の変更等によるリスクがあり、計画通りにコンテンツの制作や販売等ができない場合は、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

海外展開に当たっては、現地取引先との連絡を密にし、コンテンツ産業政策に関する現地の最新情報を収集して、可能な限り万全な契約締結等によるリスクの最小化をすすめるとともに、ビジネス展開をはかる地域が偏らないように努めてまいります。

 

② インターネット動画配信事業について

スマートフォン、タブレットといった携帯型高機能端末の普及に伴い、通信を利用した映像コンテンツへの接触頻度はますます拡大しています。

テレビ東京ホールディングスグループは広告付き動画配信として、2015年から「ネットもテレ東」を開始し、同年10月には民放公式のテレビポータルサービス「TVer」によるサービスにも着手しております。他の放送事業者等との共同事業として、2018年4月にサービスを開始した「Paravi(パラビ)」については、動画配信大手「U-NEXT(ユーネクスト)」との統合により、国内勢首位の有料動画配信サービスに発展しました。また、2021年4月に経済動画配信サービス「テレ東BIZ」をスタートさせました。そして2022年4月からは在京他局と並んで「テレ東系リアルタイム配信」を開始し、日本全国でプライムタイムのほとんどの番組をインターネットで視聴できるようになりました。

テレビ東京ホールディングスグループは今後も、映像メディアの多様化に対応したコンテンツの開発やビジネスモデルの構築に取り組んでまいりますが、これら事業は成長分野であると同時に競争環境も厳しく、事業が想定通りに進捗しない場合や動画配信事業の市場環境が大きく変動する場合には投下資本の回収が困難になり、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ イベント事業について

テレビ東京ホールディングスグループは、展覧会、スポーツ・演劇・音楽のライブのほか、オンラインとリアルを組み合わせたイベント事業などに積極的に取り組んでいます。これらイベント事業については、過去の実績や他社事例を踏まえた慎重な収支計画のもと出資判断を行っていますが、不測の事態によりイベント自体が開催できなくなる場合や大幅な計画変更を余儀なくされる場合、イベントのチケット収入や関連グッズの販売収入等が、当初計画した収益を確保できないような場合には、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状況に影響を与える可能性があります。

また、イベントの実施にあたっては、準備段階から事故等のないよう細心の注意を払うとともにイベント保険を付保するなどの危機管理を行っていますが、万が一、事故等が発生した場合には損害賠償責任を負う場合があり、また、社会的な信用の低下を招く可能性があり、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 通信販売事業について

テレビ東京ホールディングスグループは、放送およびインターネットを通じ様々な通信販売事業に積極的に取り組んでおります。販売する商品の選定および品質管理については細心の注意を払っており、商品に関する表示についても適正な表示に努めております。

しかしながら、テレビ東京ホールディングスグループが販売した商品に何らかの不具合や欠陥があった場合、返品や商品の交換、損害賠償等の責任を負う可能性があります。また、販売において不適切な表示があった場合には法令上の処分を受ける可能性があります。このような場合には、テレビ東京ホールディングスグループの社会的信用が低下するとともに、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 著作権等の知的財産権について

テレビ東京ホールディングスグループが制作するテレビ番組等の映像コンテンツは、原作者、脚本家、音楽の作詞家・作曲家、実演家、レコード製作者など(以下「著作権者等」といいます)多くの人々の知的創造の結果としてそれらの人々に生じた著作権や著作隣接権などが組み合わされた創造物になります。

テレビ東京ホールディングスグループは、こうした映像コンテンツを、地上波やBS、CSでの放送だけでなく、インターネットによる配信、DVDやBlu-ray Discでのパッケージ化、コンテンツから派生するキャラクターの商品化、出版化、またはイベント事業の実施などにより、国内および海外において多岐に展開しています。

しかしながら、これにはテレビ番組の制作とは別途に多くの著作権者等の許諾を得ることが必要な場合があり、その権利処理のために多くの時間と費用が必要となる可能性があります。また、結果として権利者等の理解を得られず、円滑に映像コンテンツの利用ができない場合や、意図せず著作権者等に対して不適切な対応をとった場合、収益の減少や訴訟等に伴う費用の増加などが想定され、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

このほか生成AIの普及に伴い、テレビ東京ホールディングスグループは「AI委員会」を設置し、AIの利活用を進めるための ガイドラインの整備や研修を実施しています。しかしながら、AIによる生成物が著作権など第三者の権利を侵害するおそれがあり、その場合はテレビ東京ホールディングスグループの社会的信用が低下するとともに、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 設備・保有財産に関するリスクについて

① 設備について

テレビ東京ホールディングスグループは、放送事業の基幹システムの更新、コンテンツ制作力向上のための放送設備の更新に加え、動画配信事業に伴う新たなシステム開発を行うなど、メディアの多様化に対応するための設備投資や投融資を計画的に実施してまいります。

これらのシステムの導入にあたっては初期費用、運用費用、改修費用等を慎重に精査し、事業における優先順位を勘案して「グループ設備投資委員会」による審議を踏まえて最終的に取締役会の決議により設備投資判断を行います。しかしながら、システム開発の遅延のほか、技術革新などにより投資したシステムが陳腐化することにより追加的な投資が必要となる場合や、投資計画に見合うだけの十分な利益が確保できない場合には、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

また、近年サイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化しており、各種システムのセキュリティリスクは高まっています。テレビ東京ホールディングスグループではサイバーセキュリティ推進会議を設置して様々な対策を講じておりますが、これを超える新たな脅威が発覚し、対策のための費用が高額になった場合、あるいは個人情報、機密情報の漏洩リスクが顕在化した場合には、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績及び財務状態に影響を与える可能性があります。

 

② 投資有価証券の時価評価について

テレビ東京ホールディングスグループは、取引先との関係促進を主な目的として、投資有価証券を保有しております。

新規の投資案件はリスクとリターンを勘案し投資判断を行うとともに、既に保有している投資有価証券についても、投資先との取引や協業の状況および企業業績を精査し、継続保有の是非を定期的に判断することとし、「出資委員会」においてこれらを審議のうえ、最終的に取締役会で決議しています。

しかしながら、これらの投資先の業績や市場評価を正確に予測することは困難であり、投資有価証券の時価評価額の増減に大きな変動があった場合には減損処理等の措置が必要となる可能性があり、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 資本提携・M&Aについて

テレビ東京ホールディングスグループは、将来の成長力強化に資するような企業との資本・業務提携やM&Aを積極的に進めてまいります。新規の資本出資やM&Aに関しては、テレビ東京ホールディングスグループの事業との親和性、シナジー効果等を十分に考慮し、投資リスクと効果を慎重に見極めたうえで「出資委員会」による審議を踏まえて最終的に取締役会の決議により投資判断を行います。

M&Aを行うに当たっては、対象企業の財務状況や事業の成長性についてデューデリジェンスを行い、十分なリスク対策を行うよう努めていますが、対象企業における偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査では把握できない問題が生じる可能性もあります。また、事業環境の変化その他の理由により、対象者の事業展開が計画通りに進捗しない場合には、減損リスクが発生するなど、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) 災害に関するリスクについて

テレビ東京ホールディングスグループは、災害発生時において報道メディアに求められる役割を踏まえ、携わる社員・スタッフの安全を確保しつつ放送の継続が重要であると考えています。また、放送事業者は放送法により、災害が発生した場合またはそのおそれがある場合に、その予防または被害軽減のための放送を義務付けられており、大規模な災害が発生した場合は、予定されていた番組の放送を取り止め、緊急に報道特別番組を放送することがあります。

このような場合、CM放送やテレビ通販番組の休止に伴い、放送事業や通信販売事業の収入が減少する場合があり、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 法的規制等に関するリスクについて

① コンプライアンスについて

コンプライアンスの観点からテレビ東京ホールディングスグループが対処すべき分野は、テレビ東京ホールディングスグループの役職員および派遣社員・スタッフによる放送事故や不祥事、不適切な内容の放送、コンテンツの制作過程における他者の権利侵害を含むトラブルや事故、また、個人情報に関する事故や下請代金支払遅延等防止法への抵触、さらにインサイダー取引の禁止など、多岐に及んでいます。このほか2023年には取引先における人権侵害の問題も浮上しました。

テレビ東京ホールディングスグループでは、「テレビ東京グループ行動規範」をはじめとし「個人情報保護基本規程」「下請法対応マニュアル」「インサイダー取引防止に関する規程」等のルールを定め、定期的な研修等でその周知・徹底を行っています。また、テレビ東京ホールディングスの「リスク管理・コンプライアンス委員会」においてテレビ東京ホールディングスグループ内のさまざまなコンプライアンスリスク低減のための検討をしています。

さらに人権侵害のリスクに対処するため、2023年11月には「人権方針」を定め、人権に対するグループとしての考え方をより明確にしました。同時に人権方針の推進のため、テレビ東京ホールディングスに「人権委員会」を設置し、取引先を含めた人権侵害の予防や改善に取り組む「人権デューデリジェンス」を実行していきます。

テレビ東京ホールディングスグループは、このように不祥事やトラブル、法令違反等への対策を講じていますが、万が一、コンプライアンスに抵触する事態が生じた場合には、テレビ東京ホールディングスグループの社会的信用が低下し、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② テレビ放送事業に関する法的規制について

テレビ東京ホールディングスグループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法、電波法等の法令に規制されています。

このうち放送法は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置などを定めています。また電波法は、無線局に対する免許制度をはじめ、電波を利用するための基本が定められています。

当連結会計年度末において、免許の取消し等の処分を受けることを予測すべき事実はありません。しかしながら、仮に法令で定める免許要件に適合しなくなった場合には、再免許が取り消される可能性があります。このような場合、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 認定放送持株会社に対する法的規制について

認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることにより、複数の地上放送局とBS・CS放送局を子会社として保有することが認められており、テレビ東京ホールディングスは、㈱テレビ東京、㈱BSテレビ東京を子会社とする認定放送持株会社として認定を受けています。

これにより、テレビ東京ホールディングスは、グループとしての経営の効率化や財務基盤の強化を進めてまいりますが、今後、テレビ東京ホールディングスが放送法で定める認定放送持株会社の基準を満たさなくなった場合には、認定を取り消される可能性があり、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 外国人が取得した株式の取扱いについて

放送法により、外国人等が直接間接に占める議決権の合計が、テレビ東京ホールディングスの議決権の5分の1以上を占めることとなる場合は、認定放送持株会社としての認定が取り消されることになります。このため放送法では、このような状態に至る場合、テレビ東京ホールディングスは、外国人等が取得したテレビ東京ホールディングス株式について、株主名簿に記載・記録することを拒むことができ、その議決権は制限されます。ただし、株主名簿に記載・記録されない株式に対しても配当を支払います。

なお、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合は、放送法に基づきその割合を公告しますが、当連結会計年度末において、テレビ東京ホールディングスは公告をすべき状況にはありません。

 

⑤ 個人情報の取り扱いについて

テレビ東京ホールディングスグループは、番組出演者、番組観覧者、視聴者の他、インターネット事業の会員や通信販売事業の顧客、イベント参加者などに関する個人情報を保有しています。これらの個人情報の取扱いについては、関係法令を遵守するとともに社内ルールに基づいた安全管理を徹底し、十分な注意を払っています。

しかしながら、昨今のサイバー攻撃の手口は高度化・巧妙化しており、不正アクセスや不正利用などにより情報の外部流出が発生した場合には、社会的信用が低下し、テレビ東京ホールディングスグループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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