北陸電力グループは、北陸電力及び関係会社58社(子会社34社、関連会社24社)で構成されている。
北陸電力はその中心として、主に北陸三県[富山県、石川県、福井県(一部を除く)]と岐阜県の一部に電気を供給することを主たる事業としている。
北陸電力の関係会社には、発電事業を行い主に北陸電力へ供給している会社をはじめ、北陸域内における一般送配電事業を営んでいる会社、主に電力の供給に必要な設備の建設・補修や資機材の製造を行っている会社、北陸電力が保有する技術等を活用して情報・通信事業を営んでいる会社、更に、北陸電力の事業運営に付随するサービス業務等に携わっている会社がある。
(発電・販売事業)
北陸電力
子会社 :日本海発電(株)、北陸電力ビズ・エナジーソリューション(株)、(株)加賀ふるさとでんき
関連会社:黒部川電力(株)、富山共同自家発電(株)、舟橋蓄電所(同)(注1)、(株)なんとエナジー、
氷見ふるさとエネルギー(株)、入善マリンウィンド(同)、仙台港バイオマスパワー(同)、
越前吉野瀬川水力(同)、(同)黒滝沢小水力発電所(注2)
(送配電事業)
子会社 :北陸電力送配電(株)
(その他)
○ 設備保守及び建設工事
(発電・送電・配電・業務設備等の保守・運営・管理、電力設備等の保守及び建設工事の受託・請負)
子会社 :北陸プラントサービス(株)、日本海建興(株)、北電テクノサービス(株)、中山建設(株)、
大井工業(株)(注3)、(株)フェイスワン(注4)、セブンプライド(株)
関連会社:北陸電気工事(株)(注5)
○ 資機材等の製造・販売
(コンクリート製品・電力量計・開閉器・変圧器等電力関連資機材)
子会社 :日本海コンクリート工業(株)
関連会社:北陸計器工業(株)、北陸電機製造(株)、協和アスコン(株)(注3)、北陸エナジス(株)
○ 情報・通信事業
(専用通信回線サービス、データ伝送回線サービス、ソフトウェアの開発、データセンター事業、
有線テレビ放送サービス)
子会社 :北陸通信ネットワーク(株)、(株)パワー・アンド・IT、北電情報システムサービス(株)、
(株)江守情報マネジメント、(株)江守情報コーポレーション、(株)江守情報、
日本ケミカルデータベース(株)、(株)イー・アイ・エル、(株)アイティーエス、
(株)ブレイン
関連会社:(株)ケーブルテレビ富山
○ エネルギー、事業投資、不動産管理、海外電気事業等
(エネルギー、事業投資、不動産管理、エネルギーソリューション、環境調査、土木・建築工事の調査・設計、
家庭向け営業業務、シェアードサービス、オフィスサポート業務、農産物の生産など)
子会社 :北陸エルネス(株)、北陸電力ビジネス・インベストメント(同)、北電産業(株)、
北電産業小松ビル(同)、日本海環境サービス(株)、北電技術コンサルタント(株)、
(株)北陸電力リビングサービス、北電パートナーサービス(株)、北陸電力ウィズスマイル(株)、(株)フレデリッシュ、Hokuriku International Investment,Inc.、(株)ジェスコ
関連会社:金沢エナジー(株)、福井都市ガス(株)、F3 Holding company B.V.、F3 O&M Company Ltd、
National Carbon Technologies-California,LLC、
Formosa Seagull Power Investment Co., Ltd.、北配電業(株)、福電興業(株)、
Sun-eee Pte. Ltd.
(注)1.2026年1月14日に舟橋蓄電所(同)に出資し、関係会社とした。
2.北陸電力子会社の北陸電力ビジネス・インベストメント(同)が、2025年4月25日に(同)黒滝沢小水力発電所に出資し、関係会社とした。
3.北陸電力子会社の日本海建興(株)が2025年8月29日に大井工業(株)の株式を取得し、子会社とするとともに協和アスコン(株)を関係会社とした。
4.北陸電力子会社の日本海建興(株)が2025年4月1日に(株)フェイスワンを設立し、子会社とした。
5.北陸電気工事(株)は、2025年8月22日付で株式給付信託制度への自己株式35万株の信託完了により、信託された自己株式数に相当する議決権総数が増加し、北陸電力が保有する議決権所有割合が過半数を下回ったため、同社を連結の範囲から除外し、持分法の適用範囲に含めた。これにより、北陸電気工事(株)の子会社である(株)日建、ホッコー商事(株)を連結の範囲から除外した。
北陸電力及び各関係会社の業務を事業系統図で示すと、次のとおりである。
○ 事業系統図
2019年の「北陸電力グループ2030長期ビジョン(以下、長期ビジョン)」の公表以降、燃料価格・卸電力市場価格の高騰やそれに伴う財務基盤の毀損に加え、2050年カーボンニュートラルの実現等、社会環境が変化した。
これらを踏まえ、2023年度には、Ⅰ「安定供給確保と収支改善及び財務基盤強化」、Ⅱ「地域と一体となった脱炭素化の推進」、Ⅲ「持続的成長に向けた新事業領域の拡大」を経営の3本柱とする、新中期経営計画を策定した。
2024年度以降も新中期経営計画の経営の3本柱や財務目標は堅持しつつ、令和6年能登半島地震を踏まえ、電気を安定的にお届けするという使命や、北陸地域と共に歩んできた北陸電力グループのDNAを再認識しながら、災害対応力の更なる向上や、地域やお客さまのBCP対応等を強化した2024年度のアクションプランを策定した。
北陸電力グループは、今回の震災により多大な損害を受けたが、一方で多くの知見を得ることもできた。この大きな震災を乗り越え、そしてこの体験を糧に、2027年度までの新中期経営計画の実現に邁進するとともに、その先にある、「北陸と共に発展し、新たな価値を全国・海外へ」という、長期ビジョンで掲げたありたい姿の実現を目指し、グループの総力を挙げて、更なる企業価値の向上に取り組んでいく。
①北陸電力グループ新中期経営計画<2023~2027年度>
(経営の3本柱)
柱Ⅰ:安定供給確保と収支改善及び財務基盤強化
柱Ⅱ:地域と一体となった脱炭素化の推進
柱Ⅲ:持続的成長に向けた新事業領域の拡大
■経営基盤を支える取組みの強化
(財務目標)
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連結経常利益 |
450億円以上 |
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連結自己資本比率 |
20%以上(2027年度末) |
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連結自己資本利益率(ROE) |
8%以上 |
(成長投資に関する方針)
成長投資については、北陸地域のカーボンニュートラルの推進や成長事業に向けた投資をタイムリーに実施する。(2023~2027年度で総額1,500億円程度)
投資判断に際しては、事業リスクを勘案しつつ、収益性を重視するために、ROIC等の手法を用いた事業評価により投資を厳選する。
(株主還元に関する方針)
株主還元については、毀損した財務基盤の回復を図りつつ、株主の期待にお応えする。
(2024年度アクションプラン)
柱Ⅰ:安定供給確保と収支改善及び財務基盤強化
・被災した設備の早期本格復旧
・震災の知見を踏まえた災害対応力の更なる強化
・志賀原子力発電所2号機に係る取組み 等
柱Ⅱ:地域と一体となった脱炭素化の推進
・電源の脱炭素化
・送配電網の次世代化
・地域の脱炭素化・BCP対策への貢献 等
柱Ⅲ:持続的成長に向けた新事業領域の拡大
・既存電気事業から発展した新たな価値・サービスの提供
・新事業領域の規模拡大及び開拓 等
■経営基盤を支える取組みの強化
・業務改革・DXの推進
・人的資本経営の推進
・コンプライアンスの徹底・強化 等
②2050年の将来像及び2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ
脱炭素社会の実現に向けた社会の動きの加速などを踏まえ、2050年に向けて北陸電力グループが既存の電気事業の枠を超えて事業を展開していく将来像及び2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップを策定し、地域の課題解決及び2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取組みを進めている。
(2050年に向けた北陸電力グループの将来像)
既存の電気事業の枠を超えて事業を展開し、地球温暖化問題への対応及び地域の持続可能な発展とスマート社会の実現という社会課題の解決に貢献していく。
(2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ)
地球温暖化対策としての脱炭素社会の実現は大きな社会的課題であり、北陸電力グループは、信頼され選択される責任あるエネルギー事業者として、「電源の脱炭素化」、「送配電網の次世代化」及び「お客さまや地域のゼロエミッション支援」を通じ、2050年カーボンニュートラルに挑戦する。
[主要目標]
・2030年代早期に再エネ開発量を+100万kW以上(+30億kWh/年以上)※1
・2030年度時点での発電電力量に占める非化石電源比率を50%以上
・2030年度時点でのCO2排出量を△50%以上※2
※1:2018年度対比
※2:2013年度対比、小売販売電力量ベース
北陸電力グループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下に記載のとおりである。
なお、記載した将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものである。
(1) 原子力を取り巻く状況について
①志賀原子力発電所の状況
北陸電力は、東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所の事故を受け、早期に安全強化策を取りまとめ、実施してきた。引き続き、新規制基準も踏まえた安全性向上施策に関する工事を進めており、2号機については新規制基準への適合性確認審査を受けている。
安全性向上施策については、先行他社の審査状況を踏まえ得られた知見・評価を反映しながら2号機の工事を進めており、工事完了時期については、今後の審査や工事の進捗を踏まえて決定する。なお、1号機については引き続き検討を進めていく。
また、新規制基準への適合性確認審査の場では、これまで敷地内断層の審査が中心に行われてきたが、2023年3月、敷地内断層は活断層ではないとする北陸電力の評価が認められた。今後も、敷地周辺の断層や地震動、津波などの審査が継続するが、引き続き、先行他社の審査状況及び令和6年能登半島地震による新たな知見を踏まえて新規制基準等に的確に対応し、世界最高水準の安全性を目指していくとともに、安全対策や適合性確認審査の内容を地域の皆さまに適時的確にご説明し、ご理解いただけるよう最大限努力していく。
なお、新規制基準への適合性確認審査の進捗や原子力政策・規制の見直し等によって、原子力発電所の停止が長期化する場合や稼働率が低下する場合、北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
②原子力バックエンド事業
原子力バックエンド事業については、使用済燃料の再処理・放射性廃棄物の処分・原子力施設の廃止措置等に多額の資金と長期にわたる事業期間が必要であり、事業に必要な費用については、国の制度措置等に基づき費用計上・拠出している。
具体的には、使用済燃料の再処理及び放射性廃棄物の処分に係る費用については、法令に基づき事業を実施する各機構から通知される拠出金単価を基に、原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料や特定放射性廃棄物の量に応じた金額を拠出している。
また、原子力施設の廃止措置に係る費用については、法令に基づき算定した原子力発電施設解体費の総見積額を基に、資産除去債務及びこれに対応する費用を計上する制度から、廃炉に要する資金の確保・管理・支弁を行う使用済燃料再処理・廃炉推進機構から通知される拠出金額を当機構に拠出する制度に見直されている。
これらの制度措置等により事業者のリスクは低減されているものの、今後の制度の見直しや将来費用の見積額の変更等がある場合には、北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(2) 電気事業に関わる制度の変更等について
電力システム改革については、小売全面自由化や送配電部門の法的分離が実施された。新市場取引については、非化石価値取引市場、ベースロード市場、容量市場、需給調整市場での取引が開始されており、2023年度には長期脱炭素電源オークションの取引が開始されている。
また、2021年10月に策定された「第6次エネルギー基本計画」において、2050年カーボンニュートラルを見据え、2030年度温室効果ガス排出削減目標及びその実現のためのエネルギーミックスの見通しが示された。加えて、2023年5月に成立した「GX推進法」において、将来的なカーボンプライシングの導入が示されている。
このような北陸電力事業に関連する制度の変更や脱炭素社会の実現に向けた環境規制強化などにより、北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
北陸電力グループとしては「低廉で良質なエネルギーを安定的にお届けする」という社会的使命に変わりはなく、お客さまをはじめステークホルダーの皆さまの視点に立ち、安定供給や更なる経営効率化に不断の努力で取り組むとともに、2021年4月に策定・公表した2050年カーボンニュートラル達成に向けたロードマップに基づき、電源の脱炭素化及びお客さまや地域のゼロエミッション支援などに取り組んでいく。
(3) 経済状況や天候等による販売電力量等の変動について
販売電力量は、経済活動や天候(特に気温)の状況、電力市場における競争状況、企業の海外移転などによる産業空洞化、感染症の流行などによって変動することから、営業収益の増減により北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
また、年間の降雨降雪量の変動により水力発電所の発電量が増減し、火力燃料費等が変動することから、北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
(4) 燃料価格、卸電力市場価格の変動等について
火力燃料は、石炭、原・重油、LNGであり、需給状況や外国為替相場の動向により、火力燃料価格が急激に変動した場合や、調達地域での操業トラブルや政治情勢の変動等により、燃料が円滑に調達できない場合、北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
なお、燃料価格の変動については、価格変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られるが、特定小売供給約款の適用を受ける契約には燃料費調整単価に上限が設けられている。
また、北陸電力グループは、卸電力取引所を通じ、供給余力を活用した販売や不足時の調達を行っているが、需給状況や燃料価格の動向により、卸電力取引所の市場価格が変動した場合、販売収入や調達費用が増減し、北陸電力グループの業績は影響を受ける可能性がある。
なお、卸電力取引所の市場価格の変動については、高圧・特別高圧の契約を対象に価格変動を電気料金に反映させる市場価格調整単価を導入し、業績の変動幅を抑制している。
また、燃料・卸電力市場価格動向や自社の需給状況を評価し、燃料・電力デリバティブ取引の活用や販売ポートフォリオの最適化などにより、最大限、収支変動リスクの抑制を図っていく。
(5) 金融市場の動向について
北陸電力グループの有利子負債残高は、当連結会計年度末で1兆1,928億円であり、市場金利や格付の低下等に伴う調達金利の上昇により、業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債の殆どは中長期的に利率が確定している社債や長期借入金で構成されていることから、金利上昇による業績への影響は限定的と考えられる。
また、企業年金資産等の一部は、株価・金利等の変動により時価が変動することから、業績は影響を受ける可能性がある。
(6) 自然災害・操業トラブルについて
北陸電力グループは、電力供給設備を中心に、多くの設備を保有しており、その保守・保全には万全を期しているが、北陸電力グループの設備及び北陸電力グループが受電している他社の設備において地震・台風等の大規模な自然災害や操業トラブルが発生した場合、修繕費用や代替電源の調達費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。
なお、自然災害については、令和6年能登半島地震を踏まえ、被災した設備の早期本格復旧に加え、災害発生時の設備被害の把握等に資するドローンやデジタル・IoT技術の活用拡大、自治体・企業との連携強化等、震災の知見を活かした災害対応力の更なる強化を図っていく。
また、操業トラブルについては、適正な設備点検補修の実施、AI・IoT技術を活用したトラブル早期検知システムの導入等、トラブルの未然防止及び早期発見・早期復旧に繋がる対策の強化に努めている。
(7) 電気事業以外の事業について
北陸電力グループは、これまでカーボンニュートラルに係る事業・サービスや海外事業などを展開している。また、2023年4月に公表した新中期経営計画においても「地域と一体となった脱炭素化の推進」「持続的成長に向けた新事業領域の拡大」を掲げており、電気事業の枠を超えた事業領域の開拓を進め、挑戦し続けていく。
これらの事業については、その将来性や収益性を十分勘案して取り組んでいるが、他業者との競合進展等の市場環境の変化や、国際情勢などにより、業績は影響を受ける可能性がある。
(8) 企業倫理の遵守等について
企業倫理に反した行為やサイバー攻撃による被害が発生した場合、北陸電力グループへの社会的信用の低下や対応に要する費用の増加等により、業績は影響を受ける可能性がある。
北陸電力グループは、コンプライアンスの徹底を経営方針に掲げ、「行動規範」や「個人情報保護規程」の制定・遵守に加え、コンプライアンス研修を充実するなど、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているとともに、サイバー攻撃の早期発見・早期復旧するための体制構築など、情報セキュリティ対策の強化に努めている。
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