マイクロアド(9553)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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マイクロアド(9553)の株価チャート マイクロアド(9553)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 

 マイクロアドグループ(マイクロアド、マイクロアドの子会社及び関連会社)は、マイクロアド、連結子会社15社(株式会社エンハンス、株式会社cory、MicroAd Taiwan, Ltd.他12社)で構成され、「Redesigning The Future Life」というビジョンのもと、データとテクノロジーの力によって、マーケティングを変革し、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることを目指して事業運営を行ってまいりました。

 マイクロアドグループの事業はデータプラットフォーム事業の単一セグメントでありますが、セグメントを構成する主要なサービスとして、①データプロダクトサービス、②コンサルティングサービスの2つのサービスによって事業展開しております。

 「データプロダクトサービス」は、自社開発したプロダクト販売による収穫逓増型のビジネスモデルの事業にあたり、「コンサルティングサービス」は、主に他社の広告サービスの代理販売を軸とした労働集約的なビジネスモデルの事業になります。それぞれのビジネスモデルと、提供する事業の関係は下図のとおりです。特にマイクロアドでは収益性の高い「データプロダクトサービス」に属する「UNIVERSE」へ注力しており、当該領域のプロダクト開発への投資を積極的に行うことで、データプラットフォーム事業の拡大を目指してまいります。

 

 「データプロダクトサービス」は、企業のマーケティング課題を解決するための、デジタル広告ソリューション群になります。外部から仕入れたデータを活用し、消費者の行動特性をとらえ、その行動データに基づいた広告配信を行うことで、企業の様々なマーケティング課題の解決をおこなう「UNIVERSE」と、デジタルサイネージによる広告配信サービスを提供しております。なお、マイクロアドは2024年10月31日付で、マイクロアドが保有する株式会社MADSの株式の一部を譲渡いたしました。これに伴い、株式会社MADSはマイクロアドの連結子会社から外れ、持分法適用会社となりました。「データプロダクトサービス」に属する「UNIVERSE」のビジネスモデルは下図の通りです。

「データプロダクトサービス」に属する「デジタルサイネージ」のビジネスモデルは下図の通りです。

 「コンサルティングサービス」は、企業のデジタルマーケティングにおける課題を解決する為にマイクロアドグループの製品に加え、他社の製品を組み合わせて提供することで、企業のマーケティング活動の支援を行う海外向けコンサルティングサービスと、インターネットメディア企業の広告収益の最大化を支援するメディア向けコンサルティングサービスを提供しております。それぞれのビジネスモデルは下図の通りです。

 

 

また、マイクロアドのデータプラットフォーム事業を構成する、二つのサービスそれぞれの特徴は以下のとおりです。

 

(1)データプロダクトサービス

データプロダクトサービスは、1.UNIVERSE、2. 株式会社MADSが提供する「デジタルサイネージサービス」の二つのサービスを総称したものを指します。

 

1.UNIVERSE

 消費者の購買行動や消費行動のプロセスは、業界や業種によって多種多様であり、消費者は多様なプロセスを経て、企業の製品やサービスの認知・購買に至ります。UNIVERSEは、そのような多様な購買・消費行動を分析し、その分析データを活用して、顧客企業の様々なマーケティングの課題解決を行うサービスです。UNIVERSEでは、自社開発した二つのプラットフォームによって構成されております。

一つ目がデータプラットフォームである「UNIVERSE DATA PLATFORM」になります。「UNIVERSE DATA PLATFORM」では、消費者のライフスタイルの変化をとらえるデータや、消費者の性別・年齢等を推定したデモグラフィックデータなどの一般的なデータ群と、様々な購買・消費行動をとらえるための、業界・業種に特化したデータ群が蓄積されております。具体的なデータ例としては、自動車購買までの消費行動を分析する際に活用するデータとして、各種自動車関連のインターネットメディアの閲覧履歴等のデータや、飲料・食品業界の消費行動を分析する際に活用するデータとして、コンビニ、スーパーマーケット等の実店舗での決済データやポイント利用データ等になります。これらのデータは、2025年9月時点で225の外部データ保有企業・メディアからデータを収集・集約して構成されております。また2024年第3四半期から(株)UNCOVER TRUTH(以下、UT社)が連結化したことにより、UT社が保有する企業の顧客データなどの分析や活用が可能になりました。それら大量のデータを組み合わせて分析を行うことで、消費者の様々な購買消費行動の分析を行います。

二つ目が広告プラットフォームである「UNIVERSE Ads」になります。顧客企業のマーケティング課題を解決する為に「UNIVERSE DATA PLATFORM」によって分析されたデータを活用し、UNIVERSE Adsを通して適切な消費者に広告配信を行います。UNIVERSE Adsは「RTB(Real Time Bidding)」(注1)という技術を用いて、消費者毎にリアルタイムに最適な広告を選択し、オークション形式で広告配信を行うプラットフォームです。UNIVERSE Adsでは社内外の様々なSSP(注2)と接続することで、多くの消費者へ広告配信を行うことが可能です。広告配信技術であるRTBでは、オークションによって広告配信金額が決定する為、顧客企業のマーケティングの費用対効果を最大化する為には、最適な消費者に、最適な金額でオークションへの入札を行う必要があります。そこで、UNIVERSE Adsでは、AIを活用した最適化アルゴリズムを導入しております。AIによる分析では、企業の製品・サービスのカテゴリ、掲載面の品質やコンテンツの内容、配信を行う時間、広告クリエイティブ(注3)の種類(静止画・動画・ネイティブ広告(注4)等)など、広告の費用対効果を決定づける数十の変数を解析し、最適なアルゴリズムのモデルを構築することで、リアルタイムに最適解を導き出し、広告配信(入札)を行っております。この独自のAIアルゴリズムは配信・入札アルゴリズムを改善するための専任のデータサイエンティストが、様々なモデルの比較検討を行いながら日々改良を重ねております。加えて、UNIVERSE DATA PLATFORMとのリアルタイムなデータ連携によって、特定の製品カテゴリの比較検討を開始した消費者や、最終的な購買検討段階に移行した消費者、特定商品の購買意欲が急激に高まった瞬間など、消費者ひとりひとりの製品認知・購買プロセスの段階に応じて広告配信を行うことで、顧客企業のマーケティング課題を解決します。

顧客企業へのサービス提供を行う際には、業界・業種毎のプロダクトとして、二つのプラットフォームを組み合わせた製品を多数展開しております。主要なプロダクトとして、BtoB業種に特化した「シラレル」、飲料・食品業界に特化した「Pantry」、医療・製薬業界に特化した「IASO」、自動車業界に特化した「IGNITION」、エンタメ業界に特化した「Circus」などがあります。これらのプロダクトを顧客企業が利用し、広告配信を行う上で、「UNIVERSE」のアカウントを発行いたします。なお、マイクロアドプロダクトを利用する企業は、その企業が提供する製品ブランドやサービス毎に広告宣伝費を設定しているケースが多いため、単一企業であっても製品ブランドやサービス毎に複数のアカウントを発行しております。

UNIVERSEにおける、二つのプラットフォームと各プロダクトの構造を図示したものが下記になります。

 

また、2025年9月時点で、これらの業界業種毎のプロダクトは19業種まで拡大しております。それぞれの業種毎の売上シェアは下図の通りとなっております。特定の企業や業種に大きく依存することなく、様々な企業に対して、マイクロアド製品を提供しております。※売上シェアは2025年度9月期実績

 

 

 広告代理店との取引においては2025年度9月期実績で約920社の代理店と取引を行っております。

また、これらの販売チャネルを通じて開設された「UNIVERSE」のアカウント数は2025年度9月期実績で、約3,300アカウントとなっております。

 

2. デジタルサイネージサービス

屋外広告や、交通広告のデジタル化の促進と、インターネットを通じたネットワーク化による一元的な広告配信サービスとして、株式会社MADSによる「MONOLITHS」の提供を行っております。「MONOLITHS」はデジタルサイネージ(注5)を設置しているロケーションオーナー(注6)向けのCMS(注7)で、ロケーションオーナーは「MONOLITHS」によりデジタルサイネージに掲出するコンテンツをWebブラウザよりリアルタイムで配信管理することができます。「MONOLITHS」の機能の一つとして広告配信機能があり、ロケーションオーナーは「MONOLITHS」の管理画面上より広告枠の設定が可能で、ロケーションオーナー独自でデジタルサイネージ広告事業を展開する際のアドサーバーとしての機能と、その広告枠をアドネットワーク(注8)の広告在庫として提供する機能を有しています。

株式会社MADSは「MONOLITHS」を通じた広告在庫をアドネットワーク化しており、これらの広告枠を広告主企業や広告代理店に販売しております。「MONOLITHS」アドネットワークは、天気、気温などの外部データとの連携が可能で、従来の屋外広告・交通広告では実現が難しかった天気、気温などの変化によってサイネージに掲出する広告内容をリアルタイムに変更させるなどの配信管理が可能です。
 また、広告業界の流れとしてPC,スマートフォンといったデバイスのみならずデジタルサイネージ広告枠への既存DSP経由での広告配信もスタートしており、その際には「MONOLITHS」はSSPとしての役割を果たします。現在「MONOLITHS」は複数のDSP(注9)との接続を果たしており、今後もその接続先を拡充していく計画です。

なお、マイクロアドは2024年10月31日付で、マイクロアドが保有する株式会社MADSの株式の一部を譲渡いたしました。これに伴い、株式会社MADSはマイクロアドの連結子会社から外れ、持分法適用会社となりました。

 

(2)コンサルティングサービス
コンサルティングサービスは1.メディア向けコンサルティングサービス、2. 海外向けコンサルティングサービスの二つのサービスを総称したものを指します。

1.メディア向けコンサルティングサービス

 メディア向けコンサルティングサービスは、インターネット広告を掲載するメディア企業向けの広告収益最大化サービスとして、「MicroAd COMPASS」の提供を行っております。MicroAd COMPASSは2025年9月時点で2,100を超えるインターネットメディアに導入されており、RTBを通じて様々なDSP(注9)と接続しております。RTBによるオークションによってリアルタイムに最も収益が見込まれる広告を瞬時に選択することで、メディア企業の広告収益の拡大に貢献しております。MicroAd COMPASSでは、メディア企業へ支払われる広告収益の一部をプラットフォーム利用料として自社の収益としています。

2. 海外向けコンサルティングサービス

 海外コンサルティングサービスは、海外子会社(台湾:台湾微告股份有限公司)が、現地企業及び進出済日系企業にデジタルマーケティングの総合的なコンサルティングサービスを提供しております。また、昨今の訪日観光客の急速な増加に伴い日本国内の企業向けに海外の訪日観光客に向けたインバウンドマーケティングのコンサルティングサービスも提供しております。加えて、新規事業として2025年9月期第2四半期より、海外消費者向けに日本の人気VTuberなどのIP(知的財産)とメーカーの商品とのタイアップ企画から販売までを行う株式会社IPmixerを設立し、海外消費者向けの物販事業を新たに開始しております。

 

[事業系統図]

 

(注)1.RTB:Real Time Biddingの略称。広告主側でオーディエンスごとにリアルタイムに広告枠の入札を行うことが可能な仕組み。補足説明を参照。

2.SSP:Supply Side Platformの略称。RTBによる広告取引を行う際のメディア企業側のプラットフォーム。DSPからの入札のオークション機能と広告配信機能を備える。RTBの補足説明を参照。

3.広告クリエイティブ:広告として制作されたコンテンツ。

4.ネイティブ広告:デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告。

5.デジタルサイネージ:屋外・店頭・交通機関などあらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器

を使って情報を発信するメディアの総称

6.ロケーションオーナー:デジタルサイネージの設置場所を提供及びデジタルサイネージを管理運営する企

業等

7.CMS:Contents Management Systemの略称。デジタルサイネージに配信するコンテンツや広告の放映管理を

オンラインで提供するシステム

8.アドネットワーク:複数の企業の提供する広告枠をインターネットを通じてネットワーク化し、配信条件

に合致した広告枠に対して一斉に広告配信を可能にするシステム

9.DSP:Demand Side Platformの略称。RTBによる広告取引を行う際の広告主側のプラットフォーム。SSPによるオークションへの入札機能と広告配信機能を備える。RTBの補足説明を参照。

 

 

<補足説明:RTBによるインターネット広告の配信の仕組み>

 RTBによる広告配信は、広告枠が設置されたWEBサイトにユーザーがアクセスすると、その広告枠の1回表示毎にユーザーの興味関心に適した、広告掲載メディアにとって最も高単価な広告をオークション方式で選択し配信する仕組みです。

 

 広告主企業はDSP(Demand Side Platform)と呼ばれるサービスに、オークションへの入札条件や、広告素材の入稿、どのようなユーザーに広告を配信すべきかといった条件を予め設定します。ユーザーが広告枠の設置されたWEBサイトを閲覧すると、SSP(Supply Side Platform)と呼ばれるサービスに広告リクエストが送信されます。SSPは広告リクエストを受け取ると、接続された複数のDSPへ入札リクエストを送信します。DSPはSSPから受け取った入札リクエストを基に、そのユーザーに最も適した広告を選択しSSPへ入札します。SSPは複数のDSPから入札された広告でオークションを行い、最も高い価格の広告をその広告枠とユーザーへ配信します。この一連の処理をおよそ0.1秒で実行します。

 

 RTBによって、広告主は1回の広告配信毎に、最も適したユーザーへ広告配信が可能になり、広告効果の最大化が期待できます。メディア企業は、1回の広告表示毎に最も高単価な広告を配信することが可能になり、広告収益の最大化が期待できます。

 

 

 


有価証券報告書(2024年9月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

マイクロアドグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてマイクロアドグループが判断したものであります。

(1)経営方針

 マイクロアドグループは、「Redesigning The Future Life」というビジョンのもと、データとテクノロジーの力によって、マーケティングを変革し、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることを目指して事業を展開しております。スマートフォン等の個人携帯デバイスの進化や、IoT(Internet of Things)などによるセンシングデバイス(注1)の日常生活への浸透、5Gを始めとした通信インフラの劇的な能力の向上によって、人々の生活のデジタル化は急速に進んでおります。そのようなデジタル社会の到来によって、消費者の消費購買行動は常に変化・多様化しており、マーケティング施策においてもその変化に対応する様々なソリューションが日々新しく生み出され、急速に発展し続けております。これら多様化し分断されている各種マーケティング施策を、様々なデータとAIによる独自の分析基盤によって集約・統合することで、多様な消費行動やその変化を常に把握し、的確に企業の製品・サービスの情報を消費者に届け、人々の生活をより良いものに、より充実したものにすることがマイクロアドグループの使命であると考えております。

 

 また、デジタルマーケティングの世界は、インターネットの誕生をきっかけに、様々な環境変化を経て進化してまいりました。特にその進化の過程において消費者の行動データをマーケティングに活用する動きが活発化しております。一方で、昨今、それらのデータ活用における消費者のプライバシー保護が社会問題化しております。マイクロアドグループでは創業来、独自に開発したテクノロジーによって、さまざまなデジタルマーケティングの環境変化に対応してまいりました。健全なデータ活用によるプライバシーの保護という社会問題に対しても、マイクロアドの積み上げたテクノロジーアセットを活用することで適切に対応し、様々な産業にデータドリブンなソリューションを提供したいと考えております。

 

(注)1.センシングデバイス:スマートフォンのGPSによる位置情報計測や、スマートウォッチなどによるラ

イフログの計測など、IoT(Internet of Things)と呼ばれるインターネットに接続された様々なデ

バイス及び、そのデバイスに内蔵される計測装置。

 

(2)経営戦略

マイクロアドグループの事業はデータプラットフォーム事業の単一セグメントでありますが、セグメントを構成する主要なサービスとして、①データプロダクトサービス、②コンサルティングサービスの2つのサービスによって事業展開しております。

「データプロダクトサービス」は、自社開発したプロダクト販売による収穫逓増型のビジネスモデルの事業にあたり、「コンサルティングサービス」は、主に他社の広告サービスの代理販売を軸とした労働集約的なビジネスモデルの事業になります。それぞれのビジネスモデルと、提供する事業の関係は下図のとおりです。特にマイクロアドでは収益性の高い「データプロダクトサービス」のビジネスモデルに属する「UNIVERSE」へ注力しており、当該領域のプロダクト開発への投資を積極的に行うことで、データプラットフォーム事業の拡大を目指してまいります。

 

 

 

これらビジネスモデル毎の売上総利益率は「コンサルティングサービス」が約20%程度なのに対して、「データプロダクトサービス」は約35%の高い水準を維持しております。(2024年9月期の平均実績)。「コンサルティングサービス」は、労働集約型の広告代理店型ビジネスモデルであるため、人的リソースが豊富な競合他社の大手広告代理店との競争環境の中では、売上高の拡大や収益性の向上が相対的に困難であるのに対し、「データプロダクト」はマイクロアドの強みであるデータと分析力を生かし、業界業種に特化した多種多様なプロダクト展開によって、収穫逓増型の高い収益性のビジネスモデルを構築しております。このような収益性の違いから、マイクロアドは「データプロダクトサービス」の拡大に注力しております。「データプロダクトサービス」の2024年9月期第4四半期における、グループ連結売上高に占める割合は54%となっており、2024年9月期第4四半期における、グループ連結売上総利益に占める「データプロダクト」の割合は59%まで拡大しております。

 

以上から、マイクロアドグループでは、特に「データプロダクトサービス」に属する「UNIVERSE」へ注力しており、当該領域のプロダクト開発や人的リソースへの投資を積極的に行うことで、データプラットフォーム事業全体の拡大を目指してまいります。

 

(3)経営上目標とする客観的な指標

 マイクロアドグループの継続的な企業価値向上を達成するために、経営指標としては売上高、営業利益の成長を重視しております。データプラットフォーム事業の普及・拡大による売上高の拡大と、データとAI技術を活用したサービス性能や効率性の向上によって、高収益な事業を展開していく方針です。

 経営指標を達成する為に「(2)経営戦略」に記載の二つのサービスにおける、データプロダクトの「UNIVERSE」の売上高拡大に注力しており、特にその売上高を構成する要素として、UNIVERSEの「稼働アカウント数(発注件数)」を重視しております。「UNIVERSE」を利用する企業は、一般的に当該企業が提供する製品ブランドやサービス毎に広告宣伝費を設定しているケースが多いため、単一企業であっても製品ブランドやサービス毎に複数のアカウントを開設・利用いたします。アカウント開設後、実際に製品のマーケティングを行う月ごとに発注申し込みを行うことで、当該アカウントによる広告配信が可能になります。この際の月ごとの発注~利用の件数を「稼働アカウント数(発注件数)」として経営指標を達成する為に重視する指標としております。

 

 また、マイクロアドサービスの「UNIVERSE」は、消費行動データを蓄積・分析することで、様々な業界業種に特化したマーケティングプロダクトを提供しております。外部企業から提供される消費行動データの拡大によって、新たな業界業種へ向けたプロダクトを開発することで、取引企業数の拡大を実現してまいりました。

 そのような背景から、データ契約数の拡大により新たな業界業種に特化したプロダクト開発を推進することで、取引企業数の拡大を行いながら、同時にその企業内の取引ブランド数の横展開を戦略的に実現していくことで、アカウント数の拡大を図ってまいります。

 

 

 

 これらのUNIVERSEにおける、業界業種に特化したプロダクトの稼働アカウント数の推移は、以下の通りです。

2024年9月期においては、前年比13%増の拡大となっております。

 

 

 

(4)経営環境

 ・マイクロアドグループのターゲットとする市場

 マイクロアドグループが対象とする主要なマーケットとしては、インターネット広告市場になります。インターネット広告市場においては、2023年の広告費が前年度比で7.8%増の3兆3,330億円と順調に拡大しております。

(出典:株式会社電通「2023年 日本の広告費」)

 マイクロアドグループにおいては、インターネット広告市場の中でも、特に「ディスプレイ広告市場(注1)」が中期的なターゲット市場と判断しております。ディスプレイ広告の市場規模は2023年に7,701億円となり、前年比4.5%増の成長となっております。(出典:株式会社電通「2023年日本の広告費」)加えて、マスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ広告費)においてもデジタルマーケティングへのシフトが進んでおり、マイクロアドでは、今後5年で2,640億円程度の規模になると予測しております。(注2)

 また、屋外広告、交通広告、POP広告(注3)、折り込みチラシ、ダイレクトメールなどの、プロモーションメディアと呼ばれる広告市場は、2023年で1兆6,676億円の規模(出典:株式会社電通「2023年日本の広告費」)となっておりますが、この領域も今後デジタル化が進行していくと判断しております。その中でも特に、屋外広告、交通広告、POP広告などがマイクロアドのデジタルサイネージサービスにおけるターゲット市場と考えておりその規模は、2023年で5,799億円となっております。

 以上を総計し、1兆6,140億円がマイクロアドグループのターゲット市場であると考えております。

 

 

・マイクロアドのポジショニング

 マイクロアドグループは、広告・マーケティング市場における様々な事業を展開しておりますが、マイクロアドはその市場における企業の中でも、様々な消費購買データを活用した、プロダクト化による事業展開に特徴があると考えております。

 専門人材の人的リソースによって、個々の企業の課題を解決する労働集約型の事業モデルに対して、マイクロアドは、それらの課題解決に向けたソリューションを自社のシステム開発によってプロダクト化することで、収穫逓増型のビジネスモデルを実現しております。

 また、消費者の生活のデジタル化に伴って、広告・マーケティング領域においても、マスコミ四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ広告)などをはじめとする、旧来型の広告モデルのデジタル化が進んでおります。特にデータを活用した、データドリブンなソリューションを開発することで、旧来型のマーケティングプロダクトでは実現が難しかった、消費者一人一人に適したマーケティング製品の提供を実現しております。

 

 

 

(注)1.ディスプレイ広告:インターネット広告の中でもバナー(画像)型の広告で、広告効果に

応じて配信設定や条件などを変更することで、広告効果を最大化させる運用が可能な運用型を含む

2.電通発表の『日本の広告費』におけるマスコミ四媒体の新型コロナウイルスの影響を受けていない2017

年~2019年の平均成長率をもとに、向こう5年間でデジタル化される市場規模を独自に算定

3.POP広告:小売店舗の店頭や商品棚などに設置された製品広告

 

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①自社サービスの継続的な強化

 マイクロアドグループのデータプラットフォーム事業における各種サービスは、自社開発によるマイクロアド グループでしか提供できない独自の価値創造に注力してまいりました。特に顧客企業の業界・ 業種に特化したサービス展開を重視しており、業界・業種に最適な消費行動データの拡充、業 界・業種に特化したAIによるデータ分析モデルの構築、様々なデータ活用手段の開発など、 顧客企業の業界・業種毎に最適なサービスを提供できるよう努めております。今後も継続的な サービスの拡大を実現するために、それぞれの業界・業種の課題を的確に把握し、消費行動に 対する深い洞察と仮説設計を行い、AIによる分析モデルの構築につなげ、最適なマーケティ ングソリューションを開発し続け、競争力の強化と企業価値向上に努めてまいります。

 

②新サービス等の継続的な事業創出

 マイクロアドグループのデータプラットフォーム事業においては、業界・業種に特化したサービス開 発を推進していくことを事業戦略の中心に据えておりますが、より多くの顧客企業のマーケティングニーズに応え、事業を拡大していく上では、常に新しい業界・業種のサービス開発を行 っていく必要があると考えております。また、人々の生活のデジタル化が促進され、インター ネットがより身近になっていく環境において、時代に即した新しいデータの獲得手法の開発 と、スマートフォンやPCに限らず、新しいデバイスを活用した情報伝達手法の開発も重要で あると考えております。絶えず消費者の生活の変化、行動の変化を捉え、新しい事業・サービ スの創出に努めてまいります。

 

③プライバシー保護に配慮したデータの利活用

 マイクロアドグループでは、データプロダクトサービスを中心に、外部の提携企業から消費者の行動 データの提供をうけ、独自の分析を行うことで様々なサービス提供を行っております。データ の受領や利活用にあたっては、プライバシーに配慮した細心の注意を払って取り組む必要があると考えております。インターネット上のプライバシー保護にあたっては、継続的に様々な議 論が行われており、その動向は将来にわたって変化していく状態にあります。マイクロアドグループと しては、「個人情報の保護に関する法律」に基づく規制をはじめとして、諸外国の関連法制の 動向把握を積極的に行っていくことで、その変化に迅速に対応してまいります。また、そのような規制に基づいた、社内のデータ利活用及び情報セキュリティに関する規律の強化、社員教 育の徹底、プライバシー・バイ・デザインによるシステム設計を推進することで、プライバシー保護を前提としたサービス開発を推進してまいります。

 

④3rd Party Cookieの規制に向けた対応

 マイクロアドグループでは、データプロダクトサービスにおいて、外部の提携企業から消費者の行動 データの提供をうける際に、主にWEBブラウザの3rd Party Cookieという技術を活用しております。現在、各WEBブラウザ提供企業において、プライバシー保護の目的の下、この3rd Party Cookieの利用を規制する動きがあります。具体的には、Google社が提供するChrome ブラウザにおいて、3rd Party Cookie の利用可否をユーザー自身が選択可能にする機能の搭載が予告されております。一方で、Google社からは、マイクロアドのような広告事業を行っている企業向けに、 従来のビジネスモデルを継続するための代替技術が提供されます。すでにマイクロアドとしては、その 代替技術への対応を順次進めており、一部の機能においては代替技術の利用が可能になっております。また、3rd Party Cookieに依存しない、新しいデータ活用技術や、広告配信技術の 開発や提供も開始しております。マイクロアドのようなインターネット広告に関連する事業を行っている企業は、全世界で等しく同様の影響を受けるため、いち早く対応することで市場における優 位性が確保できると見込んでおります。

 

⑤アドフラウド、ブランドセーフティへの対策

 デジタル広告市場の急速な拡大に伴って、近年はアドフラウド(広告不正)問題や、不適切なメディアへの広告掲載による広告主企業のブランド毀損問題など、デジタル広告特有の問題が指摘されています。マイクロアドはこれらの問題を深刻に受け止めており、一般社団法人デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)のガイドラインに準拠し、第三者による検証プロセスを経て、JICDAQのアドフラウド認証及びブランドセーフティ認証を取得しております。マイクロアドグループでは、引き続き迅速かつ継続的に適切な対策を講じる事で、安心安全なデジタルマーケティングサービスの実現を目指してまいります。

 

⑥人材の獲得及び、育成による生産性の向上

 マイクロアドグループは、更なる事業拡大を実現していく上で、優秀な人材の採用と、継続的な人材育成、及び組織への長期的な定着が必要不可欠であると考えております。引き続き、中途入社・新卒入社合わせて、積極的な採用活動による優秀な人材確保を推進してまいります。また、従業員の心理的安全性を重視した社内コミュニケーションの制度設計、教育制度の充実、 個々人の能力開発の強化に取り組み、高い生産性を発揮できる組織体制の構築に努めてまいります。

 

⑦内部管理体制の強化

 マイクロアドグループの更なる企業価値向上や事業拡大を実現する上で、各種業務プロセスの効率化や、適切なリスク管理を行うために、業容の拡大に応じた内部管理体制の強化が必要であると考えております。継続的な採用活動による管理部門の組織力強化を推進し、コーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 以下、マイクロアドグループの事業展開において、リスク要因となる可能性がある主な事項を記載しています。また、投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から追加しております。

 なお、当該記載事項は、本書提出日現在においてマイクロアドグループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。マイクロアドグループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。

 

1.業界動向について

 マイクロアドグループでは、データプラットフォーム事業を展開しており、インターネット広告市場を主たる事業対象としております。近年、インターネット広告の市場規模は順調に成長を続けており、今後も堅調に推移するものと予想をしておりますが、広告市場は景気動向や社会情勢の変化の影響を受けやすい傾向があります。様々な業界業種の企業との取引を行うことで、それらの影響を最小限に止めるよう努めてまいりますが、今後、景気悪化に伴う広告主の広告予算削減が生じた場合は、マイクロアドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.競合について

 マイクロアドグループが展開するデータプラットフォーム事業は、データの収集・集約から、独自のAIによる分析基盤の構築、その分析結果を活用した各種サービスの提供と、そのサービス利活用にあたってのコンサルティングまで、データを活用した一連の事業活動を総合的に展開しております。今後も、マイクロアドグループでは、このような総合的なサービスの拡充を進めることによって、強い競争力の獲得と、事業の拡大を実現していく方針です。これらの取り組みが予測通りの成果をあげられない場合や、同様の事業を展開する競合他社の出現によって、マイクロアドグループの競争力が低下し、マイクロアドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.技術革新について

 マイクロアドグループは、インターネット関連技術に基づき事業展開しておりますが、当該分野は技術革新のスピードが速く、新たな技術に基づく新サービスが次々と生み出されております。マイクロアドグループにおいては、インターネット関連技術の最新動向を常に把握し、調査・研究を行う専門部署を設置することで、それらの技術革新へ対応してまいります。マイクロアドグループがこれらの変化への対応に遅れた場合、マイクロアドサービスの陳腐化や競争力の低下等が生じる場合があり、また、技術革新への対応のため、既存システムの改良、新規サービスの開発等のための費用支出が必要となる場合があります。これらによってマイクロアドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.データの取り扱いに関する法的規制等について

 マイクロアドグループは、Cookie(ウェブサイトを閲覧したユーザーのコンピューターに保存され、ユーザーの識別に利用される識別子)や各種デバイスの端末識別子を用いて消費者の行動データを取得・分析し、マーケティング目的で利用していますが、これらのデータの利活用に関しては、「個人情報の保護に関する法律」に基づく規制が存在します。マイクロアドは当該法令を遵守するため、担当業務や職位等に応じた保有データへのアクセス制限の実施、社内での勉強会の実施、取引先との契約書フォーマットの整備、取引先のサービス利用規約やプライバシーポリシーの確認などを実施しております。現時点で、マイクロアドグループの事業活動が当該法律によって大きく阻害される状況は生じておりませんが、インターネット上のプライバシー保護の在り方とそれを踏まえた「個人情報の保護に関する法律」の改正については、3年ごとの見直し規定に基づき、継続して検討が行われている状態にあります。また、法的規制に限らず、OSやブラウザを提供するプラットフォーム事業者においても、ユーザーのプライバシーを保護する為の様々な機能の検討が継続的に行われております。これらの関連諸法令や、プラットフォーム事業者による機能追加等の動向は法務部門やシステム開発部門の専門部署が常に動向を把握し、調査・研究を行うことで、適切に各種サービスにおける対応を行う体制を整えております。一方、当該法律や関連諸法令の制定・改正の動向、各OSやブラウザのプライバシー保護機能の動向によっては、新たな法令遵守体制の構築や現在提供しているサービスの見直しが必要となり、マイクロアドグループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

5.内部管理体制について

 マイクロアドグループは、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、内部管理体制の整備を進めております。具体的には管理部門の人員の増員、会計・法務等に関する複数の外部専門家との契約、外部セミナーへの参加、専門雑誌の購読等による知見の蓄積などを行っております。現時点では一定の内部管理体制を整えており、業容の拡大に応じて今後も一層の充実を図る予定ですが、急速な新規事業の成長や海外での事業の拡大などにより、事業規模に応じた事業体制、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、マイクロアドグループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

6.特定の役職員への依存及び人材の確保について

 マイクロアドグループの役員、幹部社員等は専門的な知識、技術、経験を有しており、マイクロアドグループの経営戦略の立案・決定や事業開発等において重要な役割を果たしております。このため、何らかの理由によりこれらの役職員がマイクロアドグループから離脱するという事態になった場合には、マイクロアドグループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、マイクロアドグループが今後更なる成長を遂げるには、優秀な人材を確保し、育成していくことが重要であると考えており、マイクロアドグループでは、人材採用と人材育成の強化に力を入れております。しかしながら、インターネットビジネスにおいては人材の流動性が高く、今後退職者の増加や採用の不振等が生じた場合には、将来の事業拡大に必要な人材を十分に確保できず、マイクロアドグループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

7.システム障害について

 マイクロアドグループは、サーバーその他のコンピュータシステムを利用し、インターネットを介してサービス提供を行っており、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等を行い、そのシステムトラブルの防止又は回避に努めております。しかしながら、外部事業者が提供するサービスの障害、役職員の過誤、ソフトウエア又はハードウエアの不具合、コンピュータウイルス、外部からのコンピュータネットワークへの不正アクセス、自然災害、偶発的事故、システムへの一時的な過負荷因等により、重要なデータの漏洩、コンピュータプログラムの不正改ざん、システムダウン、マイクロアドグループのサービス提供の停止等が発生する可能性があります。その結果、第三者からの損害賠償請求、マイクロアドグループの信用毀損、収益機会の損失等により、マイクロアドグループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

8.適切な広告配信を行うための体制について

 マイクロアドグループでは広告主向けのインターネット広告配信事業を提供しておりますが、配信される広告に関しては、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。また、広告主のブランドや信用を毀損しないよう、法令や公序良俗などに違反していない適切なメディアへと広告を配信する必要があります。

 マイクロアドグループでは、法令に基づいた独自の基準を設け、営業部門から独立した監督部署をコーポレート本部内に設置し、適切な広告配信が行われるよう、マイクロアドのDSPを通じて配信されるすべての広告について配信前にチェックし、問題があると判断された広告については、問題点の修正が行われるまで配信されない仕組みを構築しております。しかしながら、これらの対応に不備が生じた場合、第三者からの損害賠償請求、マイクロアドグループの信用毀損等により、マイクロアドグループの業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.季節変動について

 マイクロアドグループの事業は、広告主の月ごとの広告予算に影響を受け、多くの企業の決算月である12月及び3月に集中し、平時よりも約3割程度売上が増加する傾向があります。

 このため、安定的に月次業績が推移する業種に比べ、売上及び利益の変動が起こりやすい傾向があります。マイクロアドでは、季節変動の過去実績を踏まえて計画を策定することで、通期業績への影響を最小限に止めるよう努めております。一方で、季節変動による下振れ幅が想定よりも顕著な場合にはマイクロアドグループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

10.固定資産の減損について

 マイクロアドは、有形固定資産及び無形固定資産等の固定資産を保有しており、これらの資産の取得にあたっては事前に必要性や収益性を十分に検証した上で決定しております。しかしながら、経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、マイクロアドの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

11.海外展開について

 マイクロアドグループでは、台湾、中国、ベトナムなどのアジア地域に子会社を有しております。海外事業においては、各国毎に存在する法規制、商慣習、政府規制への対応が必要になるほか、予期しえない政治・社会情勢の変化、為替変動等のリスクが存在しており、これらのリスクが顕在化した場合には、マイクロアドグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

12.配当政策について

 マイクロアドグループは、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。現在マイクロアドグループは成長過程にあると認識しており、内部留保の充実を図り、収益力強化や事業基盤整備のための投資に充当することにより、なお一層の事業拡大をめざすことが、将来において安定的かつ継続的な利益還元に繋がるものと考えております。将来的には各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案したうえで株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその時期等については未定であります。

 

13.株式価値の希薄化について

 マイクロアドグループでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。

 本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は1,481,000株であり、発行済株式総数の5.3%に相当します。権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、マイクロアド株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

14.投資事業について

 マイクロアドグループでは、事業ポートフォリオの多様化と事業規模の拡大を進めるべく、同業他社との資本業務提携やM&Aの実施に取り組んでおります。また、キャピタルゲインの獲得を主な目的として、スタートアップ企業へのマイノリティ投資も実施しております。投資先の選定にあたっては、マイクロアドグループとの事業上のシナジー、投資先企業による収益貢献等を慎重に検討した上で、投資実行前には財務・法務・ビジネス等に関するデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減に努めております。しかしながら、これらの調査で確認・想定されなかったリスクが投資実行後に判明した場合や、事業計画が想定どおりに進捗しなかった場合等は、会計基準に従って投資先企業の価値の減損損失を計上するなどの必要が生じ、マイクロアドグループの業績、財政状況及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 また、マイクロアドでは、保有するオルタナティブデータと独自のアルゴリズムを活用した上場企業株式投資を行っております。本投資の意思決定にあたっては、社内規程の定めに従い、適切な内部統制のもとで、リスクを抑えた安全かつ効率的な株式投資が行われるように努めております。しかしながら、投資先企業に想定外の事象が生じた場合や株式市場、経済情勢などが急激に変動した場合などは、マイクロアドグループの業績、財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

15.その他の関係会社との関係について

 本書提出日現在、株式会社サイバーエージェントはマイクロアド発行済株式総数の48.2%を保有しており、同社はマイクロアドのその他の関係会社に該当します。サイバーエージェントグループは、2023年9月末現在、メディア事業、ゲーム事業、インターネット広告事業、投資育成事業、その他事業を運営しております。また、マイクロアドとサイバーエージェントグループとは以下②のとおり直接取引が発生しております。マイクロアドはこれらの取引において、他の企業の取引条件との比較等によって、取引の適正性を確保しておりますが、当該取引条件の設定によっては、マイクロアドの利益がマイクロアドの他の株主の利益と一致しない可能性があります。なお、マイクロアドグループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、株式会社サイバーエージェントに対して事前承認を要する事項等はなく、マイクロアドグループの経営の独立性は確保されております。

① サイバーエージェントグループにおけるマイクロアドグループの位置付けについて

 サイバーエージェントグループにおいてマイクロアドと類似したインターネット広告事業を展開しているグループ企業は存在しますが、マイクロアドグループとサイバーエージェントグループでは、顧客へのサービス提供にあたり担っている役割や商品特性等が異なるため類似性が低く、サイバーエージェントグループによって、マイクロアドグループの自由な事業活動や経営判断が阻害されるような状況は生じておらず、マイクロアドグループは自らの意思決定により事業展開しております。また、サイバーエージェントグループからマイクロアドに対する役員や出向者の派遣はなく、人的関係は存在しません。

② サイバーエージェントグループとの取引関係について

 本書提出日現在において、マイクロアドグループとサイバーエージェントグループとの間には、広告売上取引及び広告媒体の仕入取引が存在しており、今後もこれらの取引を継続していく方針です。当該取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引の適正性を確保できております。また、新規の取引を行うにあたっては、関連当事者取引管理規程に従って、定型的な売上取引や仕入取引などの取引条件の適正性が明らかな取引を行う場合は、コーポレート本部長の承認の上取締役会で報告を行い、定型的な売上取引や仕入取引以外の取引や特殊な取引条件の売上取引や仕入取引を行う場合は、取引の内容、当該相手先と取引を行う理由、取引開始の経緯、取引条件の妥当性、などについて、事前に取締役会において承認を得た上で取引を実施いたします。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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