カネコ種苗(1376)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 カネコ種苗グループは、カネコ種苗及び子会社2社で構成され、種苗の生産・販売及び造園・法面工事の請負施工、花き園芸用品、農薬・被覆肥料等の販売、農業資材の販売及び養液栽培プラント・温室の設計・施工を行っております。カネコ種苗グループの各事業の内容と、カネコ種苗及び関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1)種苗事業野菜種子や牧草種子、ウイルスフリー苗及び種イモの委託生産・仕入・販売及び造園・法面工事の請負施工を行っております。・野菜種子耐病虫性・収量性・良食味等の高品質な特性を備えた自社開発品種を中心に、日本国内はもとより海外へも販売しております。また、その委託生産の一部と海外販売の一部を連結子会社であるフィリピーナス・カネコ・シーズ・コーポレーション及び非連結子会社であるカネコ・シーズ・タイランド・カンパニー・リミテッドが行っております。・牧草種子飼料作物種子・緑肥作物種子・緑化工事用種子・芝草種子を自社開発又は仕入れて、全国ネットや一部海外で販売しております。また、その委託生産の一部を連結子会社であるフィリピーナス・カネコ・シーズ・コーポレーション及び非連結子会社であるカネコ・シーズ・タイランド・カンパニー・リミテッドが行っております。 ・ウイルスフリー苗及び種イモ収量性・良食味等の高品質な形質を備えた品種を自社開発し、サツマイモのウイルスフリー苗やヤマノイモ類のウイルスフリー種イモを全国ネットで販売しております。 ・造園・法面工事の請負施工主に群馬県内において、造園工事や法面工事の請負施工を行っております。 (2)花き事業 家庭園芸愛好家向けに花き園芸用品や家庭菜園向けの野菜種苗等の販売を行っているほか、営利栽培農家向けに自社開発品種の販売を行っております。 ・家庭園芸向け販売ホームセンター・園芸専門店・園芸卸会社等を通じて、花苗、家庭菜園向け野菜種苗、球根、花・野菜のタネ、関連の家庭園芸資材を全国ネットで販売しております。・営利栽培農家向け販売ユーストマ・カーネーション・デルフィニウム等の自社開発品種を全国の花き生産者向けや一部海外に販売しております。 (3)農材事業 農薬の販売を中心に被覆肥料等の販売も行っております。・農薬の販売農産物の安定生産に欠かせない農薬を全国ネットで販売しております。・被覆肥料等の販売住友化学株式会社とカネコ種苗が共同開発した各種肥料成分を樹脂でコーティングした、効果が長期に持続する被覆肥料「ベストマッチ」を販売しております。 (4)施設材事業農業資材を仕入れ販売しているほか、カネコ種苗独自の養液栽培プラント及び温室を設計・施工し、販売しております。 ・農業資材の販売 農業の効率化や農産物の安定生産に欠かせない農業資材を全国ネットで販売しております。 ・養液栽培プラント・温室の設計・施工種苗会社の中で長年培われた独自の栽培技術を生かし、各作物に合った養液栽培プラント、植物工場及び温室の設計・施工をしております。それに加え、栽培技術指導を行い、肥料、培地などの関連消耗資材も販売しております。 カネコ種苗及びカネコ種苗グループの当該事業における位置付けを図示すると以下のとおりであります。
有価証券報告書(2026年5月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカネコ種苗グループが判断したものであります。(1) 経営方針 カネコ種苗グループは、農業関連の総合企業として、また、グリーン事業のトータルプランナーとして農業及び園芸の発展に努めてまいりました。 カネコ種苗グループは次のものを「信条」に掲げ、社業を推進しております。 「大同に生きる経営」 1.社会に必要とされ、社会に貢献する価値ある会社に育てよう。 2.働くものにとって、その人生を託するに値する生きがいのある職場をつくろう。 3.われわれのあげた成果によって会社の存在意義と価値を高めよう。 厚い蓄積によって安定した会社 適正な配分によって信頼される会社 合理的投資によって成長する会社 その意義は、企業の社会的責任を全うし、社会に必要とされ、貢献できる会社のみが、安定した企業として成長できるという堅い信念を表わしています。 これを実現するため、「ハイテクと国際化」を経営の基本方針として、新商品・新技術の研究開発と、種子の生産・販売両面での積極的な全国展開、海外展開に取り組んでおります。 (2) 経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題カネコ種苗を取り巻く環境カネコ種苗は、農業分野を中心に、家庭園芸の分野などでも事業を展開しております。日本国内においては、労働人口の減少や高齢化により市場は縮小傾向にあり、食料自給率は依然として低位で推移していることから、生産性向上及び国内生産基盤強化の重要性は一層高まっております。また、農業資材価格や物流費、人件費の上昇により生産現場におけるコスト負担が増加しており、省力化や収益性向上への対応も重要な課題となっております。一方、海外においては、人口増加や生活水準の向上による食の多様化、地政学的リスクの高まりや世界的な気候変動により、安定的な食料生産への関心が高まっております。このような環境のもと、各地域のニーズに対応した良質な種苗の需要は拡大しており、カネコ種苗の事業機会も一層広がっております。カネコ種苗は中期経営計画の2年目を迎え、「ハイテクと国際化」の経営方針のもと、さらに研究開発を推進し、グローバル展開の強化に向けて新たな販売体制の構築を進めております。国内外においてイノベーションにより新しい価値を創造することで、農業におけるこうした課題の解決に積極的に取組んでまいります。また、カネコ種苗の社会的責任を果たすべく、温室効果ガス排出抑制や資源循環の推進といった社会的課題にも積極的に取組み、持続可能な社会・持続可能な農業の実現に努めてまいります。 国内農業への対応食料安全保障の観点から過度な輸入依存からの脱却が求められていることや、国民一人一人が確実に食料を入手できるシステムの構築が必要であることから、国内生産の重要性は非常に高まっております。カネコ種苗では野菜種子において、収量性や耐病虫性・高発芽性を備えた品種を開発し、食料の安定生産へ貢献してまいります。また、生産コストの上昇や労働力不足への対応として省力化に資する品種開発を進めるとともに、付加価値を高めた品種開発も進めることで、生産者の収益性向上に努めてまいります。多くを輸入に頼る飼料についても、良質な飼料作物種子を国内で開発し、市場より高い評価を得ております。国内の環境・ニーズに合致した品種を継続して開発し、自給率向上と畜産経営の安定化に貢献してまいります。また、カネコ種苗の主力作物である緑肥作物やカバークロップにおいては、土壌改良や肥料代替効果に加えて環境負荷軽減への貢献も期待されることから、「みどりの食料システム戦略」が目指す持続可能な生産体制構築に向けて普及に努めてまいります。近年は温暖化による新たな病害虫の発生や栽培環境の変化が、農業経営に大きな影響を及ぼしており、その対応は重要な課題となっております。カネコ種苗はスマート農業技術の活用や新たな農業資材の提案を通して、生産性向上と環境負荷軽減の両立を図るとともに、高いコスト競争力と「農業関連の総合企業」としての強みを活かし今後も国内農業に貢献してまいります。また、園芸の分野では、「グリーン事業のトータルプランナー」として、多様化するニーズに対応した苗や園芸資材を、幅広い販売チャネルを通して供給しております。営利栽培農家向けでは、花色や生産性に優れた品種開発を行い、国内のみならず海外のコンクールにおいても最高賞を受賞するなど継続して高い評価を得ており、引き続き付加価値の高い品種を市場に供給してまいります。 海外農業への対応世界的には人口増加による食料需要の増大に加え、温暖化などの気候変動により栽培環境が著しく変化し、食料不足を助長する要因となっております。こうした状況の中、野菜種子関係においてはタマネギやキャベツ、トマト、カボチャを中心として海外市場ニーズを満たす品種の普及を進めることで、安定的な食料生産に貢献してまいります。また、カネコ種苗は海外展開を成長戦略の重要な柱として位置づけており、新たな海外販売拠点の整備を進め、各地域における顧客基盤の強化と市場開拓を進め、海外売り上げの拡大に取組んでまいります。飼料作物や花き種苗においても各地域のニーズを把握し、当地の栽培環境に適した品種の開発・普及に努めてまいります。温暖化などの気候変動は、食料生産の面に加え、種子生産の面でもネガティブな影響を及ぼしております。カネコ種苗は世界各地に採種拠点を設けることで自然災害リスクを分散しており、より安定した種子生産体制を確立していくこともカネコ種苗の重要な課題となります。積極的な設備投資を行い、採種技術や品質管理体制の高度化を進め、生産性の高い高品質種子の供給構造をより一層盤石なものとしてまいります。また、カネコ種苗は環境やサステナビリティに関する社会的課題についても、農業を通して解決に取組んでまいります。資源循環や再生可能エネルギーの活用を推進するとともに、関係企業との連携を通して環境負荷軽減に取組み、農業と地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてカネコ種苗グループが判断したものであります。 (1) 種子等の品質について種子等の品質管理には万全を期しておりますが、種子等は本質的に生物であり、万全の注意を払って採種や管理を行ったとしても、天候その他予期せざる要因により品質劣化や病害発生のリスクがあります。採種技術の指導体制や種子検査体制の充実を図り、種子の品質確保や品質レベルが低いあるいは病害リスクのある種子の選別廃棄を随時行っております。それでも、ユーザーの求める純度・発芽率・健全性等の条件を満たす種子のみを供給できるものではなく、種子の十分な品質レベルが確保できないことにより販売に支障をきたすなどして、カネコ種苗グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 (2) 種子の作柄についてカネコ種苗グループは、野菜・牧草・花の種子等の販売を事業の主力として営んでおります。これらの生産の多くは、主に国内及び海外の業者に委託しておりますが、その生産の形態は、野外の農地に植えつけることにより採種する場合が大部分であります。こうした形態から、生産量や品質が天候等の自然条件に、おのずと大きく左右されることとなります。作柄が不良となることに備え、比較的長期間の販売に耐えうる在庫量を確保しておくことや、安定的な種子供給のため、地球上の異なる地域・気候を利用して採種することなどの対応を行っております。しかしながら、天候不順等による不作により、種子等が品不足となって販売に支障をきたし、カネコ種苗グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 (3) 育種開発リスクカネコ種苗グループの種子等の開発期間は10年超を要すものもあり、その期間を大幅に短縮することは容易ではありません。また、長期間開発に努力しても、期待する成果が必ずしも得られるものではありません。より良い開発成果を得るためには、優秀な人材と有用な遺伝資源及び新技術に関する情報収集が重要であり、常にそれらに注意を払いリスク回避に努めております。それでも開発成果が得られず、カネコ種苗グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 (4) 人材の確保・育成に関するリスクカネコ種苗グループは「ハイテクと国際化」を経営の基本とし、新商品・新技術の研究開発と種子の生産・販売両面でのグローバル展開を志向しております。これらを実現するためには、研究開発に高度な能力を発揮し、また、困難な環境や多様な文化のなかでも業務を遂行できる有用な人材が必要となり、そのような人材を確保するため、採用活動の充実や入社後の人材育成の強化を図っております。しかしながら、これらの適切な人材が十分に確保・育成ができない場合、長期的な視点からカネコ種苗グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 国内農業に関する影響日本国内の農業の状況は、人口減少と少子高齢化による食料消費の低迷や農業従事者の高齢化といった構造的問題が発生しており、非常に厳しい状況にあります。カネコ種苗グループは、新商品・新技術の研究開発や、得意先のニーズを的確に捉えた営業活動に意を払うことで、業容拡大や業績向上に努めておりますが、カネコ種苗グループの事業の多くが国内農業関連であることから、当該国内農業の状況に少なからず影響を受けております。 (6) 法的規制や制度改革等によるリスクカネコ種苗グループの事業は、種苗法・植物防疫法・農薬取締法・毒物及び劇物取締法・建設業法など、さまざまな法的規制を受けております。コンプライアンス強化に努めておりますが、法令等を遵守できなかった場合や法的規制の変更の場合等で、事業活動が制限されるなどにより、カネコ種苗グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 海外取引に関するリスク各種種子等の生産は、その委託先に多くの海外業者が含まれております。また、販売についても野菜種子を中心に輸出を行っております。これら海外取引の一部には以下のようなリスクが内在しており、それらが顕在化した場合、カネコ種苗グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 ・ 円安に伴う仕入コストの上昇や、円高に伴う販売金額の目減り等の為替相場変動のマイナス影響 ・ 政治・経済等の不安定 ・ 紛争や政変・クーデター ・ 海運等の物流コストアップ ・ 法律や制度における想定外の制定や改廃 (8) 自然災害、事故、新型コロナウイルス感染症等によるリスク大規模な自然災害や事故が発生し、その影響で広範囲にわたり農業生産が不能あるいは困難となった場合や一般家庭が甚大な被害を受けた場合、農業生産者向けの種苗・農薬・農業資材や一般家庭向けの園芸用品などの販売が減少するケースなどが考えられます。また、新型コロナウイルス感染症が、カネコ種苗グループの従業員に蔓延するなどして、業務が大幅に停滞する事態に陥ることも考えられます。このような場合、カネコ種苗グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 債権管理リスクカネコ種苗グループは、受取手形及び売掛金や電子記録債権などの債権を有しております。農業の業界では、農業生産者が農作物の出荷代金を受領後、農薬等を購入した代金を支払う盆暮勘定(8月と12月支払)の商習慣が一部に残っております。農業生産者から、前記のような形態で代金回収した小売店等が、比較的長いサイトでの支払いをカネコ種苗に対しても行うことがあるため、債権金額が取引金額と比し多額となるケースも発生します。与信管理については、取引管理規程に従い取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、財政状態を随時把握するなど常に充分注意を払っておりますが、場合によっては回収リスクが顕在化する可能性があります。 (10) 保有資産の価額変動リスクカネコ種苗グループは、土地等の有形固定資産や有価証券などを有しております。これらの資産価格の下落によりカネコ種苗グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。 (11)業績の変動についてカネコ種苗グループの業績は、第4四半期において、他の四半期と比較して売上高・利益ともに増加する傾向にあります。これは、春の種まきなどの時期に、それに使用する種苗・農薬・農業資材・家庭園芸用品の需要が増加することや、農薬においては、春に当該シーズンに使用する薬剤の多くを購入する商習慣があることなどによります。したがって、第3四半期までの業績は、年度予算に対する進捗率が低くなる状況にあります。なお、2026年5月期における四半期ごとの業績の概要は以下のとおりとなっております。 (単位:千円) 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期年度合計売上高(構成比 %)15,538,00013,300,89513,258,45325,636,25667,733,605(22.9)(19.6)(19.6)(37.9)(100.0)売上総利益(構成比 %)2,434,1102,022,2451,918,1383,505,3039,879,797(24.6)(20.5)(19.4)(35.5)(100.0)営業利益(構成比 %)387,63198,241△9,9751,273,5911,749,488(22.2)(5.6)(△0.6)(72.8)(100.0) (12)直送取引に関するリスクカネコ種苗グループの売上高のうち、主に施設材事業・農材事業を中心として売上高全体の40%超が仕入先から得意先に商品が直送される取引形態をとっております。直送取引の場合、仕入先からの連絡(出荷情報)に基づき売上高を計上するため、商品の出荷日付を適時に把握できず売上高の計上が遅れる可能性があるなど、結果として売上高の期間帰属を誤るリスクがあります。その対策といたしまして、カネコ種苗グループでは仕入先に対し出荷納品に関する証憑を速やかに送付するように要請しているほか、期末日近くの取引に関しては、仕入先への出荷状況の問合せを行い、当該リスクの軽減に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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