SDSホールディングスグループは、SDSホールディングス及び子会社4社(連結子会社3社、非連結子会社1社)で構成されております。
SDSホールディングスの主な事業の内容は省エネルギー事業の推進により、顧客企業にエネルギー・ソリューション・サービスの提供と不動産に関する販売及びコンサルティング業務を行っております。
子会社である株式会社省電舎は省エネルギー関連における設備導入、企画、設計、販売、施工及びコンサルティング業務を行っており株式会社イエローキャピタルオーケストラはリノベーション及びリノベーション後の物件販売、資産運用に関するコンサルティング、宅地建物取引業、不動産の分譲、売買、賃貸及び管理並びにそれらの仲介及びコンサルティングを行っております。
当連結会計年度より連結した株式会社ONE EXEでは、太陽光設備を保有し売電事業を行っております。
事業系統図は次の通りとなっております。
非連結子会社株式会社SDSおひさま1号並びに 関連会社である株式会社HARUMI TRUSTは重要性がないため事業系統図への記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、SDSホールディングスグループが判断したものであります。
(1)会社の対処すべき課題
① コーポレート・ガバナンスの充実
SDSホールディングスは、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくためには、コーポレート・ガバナンスの確立が不可欠であると認識しております。SDSホールディングスでは、SDSホールディングスグループのコーポレート・ガバナンスのあり方について、独立役員3名(社外取締役監査等委員)を選任して客観的かつ中立的な視点から経営監視を依頼することなどにより、コーポレート・ガバナンスの充実を図っておりますが、社外役員への情報提供のより一層の充実を図るなど、今後も、持株会社として、グループ各社のコーポレート・ガバナンスを徹底することで、連結経営の基盤強化、企業体質の健全性を高めてまいります。
② 財務基盤の強化
SDSホールディングスグループは、長年に渡る事業赤字の計上により、2024年3月末における連結純資産は782百万円まで棄損しており、経営成績のみによる連結純資産の急速な回復は困難な状況であります。このため、SDSホールディングスグループが、業容拡大、収益力の強化を推し進めるためには、著しく減少している連結純資産の増強が喫緊の課題であり、早期に新株発行による増資を行い、連結純資産の増強を目指します。
③ 低コスト体制の徹底
企業間競争が進む中で、低コスト体制の徹底は極めて重要な課題と認識しております。SDSホールディングスグループでは、コスト管理に注力を続け、低コスト体制の強化に取り組んでまいります。
④ 人材の確保・育成
業績の回復、業容の拡大及び経営体質の強化を図っていく上で、優秀な人材の確保・育成は極めて重要なものと認識しております。そこで、SDSホールディングスグループは、社員のスキル育成のための効果的な仕組みを構築するとともに、省エネルギーシステム、設備構築を確実にマネジメントし、技術的な問題等を理解し、解決できる人材については積極的に確保を図ってまいります。
⑤ 事業基盤の強化
SDSホールディングスグループでは、常に進展する技術等に対応し、より幅広い顧客層を開拓するため、パートナー企業とのより強固な連携が課題となっております。特に、商材の開発及び顧客開拓においては、これまでの業務提携先、取引先等と積極的な事業協力を行ってまいります。
(2)買収防衛策について
該当事項はありません。
以下において、SDSホールディングスグループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、SDSホールディングスグループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、投資判断は以下の特別記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行なわれる必要があります。また、以下の記載は投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありませんのでご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において、SDSホールディングスグループが判断したものであります。
(1)外部環境によるリスク
①法的規制について
SDSホールディングスグループが施工業務を行うにあたり、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによる適正な施工品質の維持や発注者の保護等を定めた建設業法の規制を受けております。建設業法第3条第1項の規定により建設工事の種類ごとの許可制となっているため、SDSホールディングスグループは以下に記載する特定建設業許可を取得しております。
SDSホールディングスグループの主要な事業活動の継続には下記許可が必要ですが、現時点において、SDSホールディングスは建設業法第8条、第28条及び第29条に定められる免許の取消(SDSホールディングスの役員が禁固以上の刑に処せられ、あるいは傷害、脅迫、背任等の罪により罰金の刑に処されたとき等)、営業停止(請負契約に関し不誠実な行為をしたとき等)又は更新欠格(免許の取消事由に該当する場合及び許可の有効期限までに更新を行わなかった場合等)事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、将来、許可の取消し等の事由が生じた場合、SDSホールディングスグループの事業遂行に支障をきたし、SDSホールディングスの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
SDSホールディングスグループは施工業務に係る経営資源をSDSホールディングスの100%子会社である株式会社省電舎に集約し、事業を推進してまいります。このため、株式会社省電舎で新たに電気工事業、管工事業、土木工事業他さまざまな工事業に係る建設業許可を取得しております。
SDSホールディングスグループであるイエローキャピタルオーケストラ社においては、その主たる事業を行うに当たり、「宅地建物取引業法」の許認可を受けております。今後、宅地建物取引業法、及び関連法令の改廃、及び新たな法的規制が生じた場合には、SDSホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、上記許認可には、原則として有効期間があり、SDSホールディングスグループとしては、現時点では許認可の取消しまたは更新拒否の事由に該当する事実はなく、今後もその円滑な更新に努めて参りますが、将来、なんらかの理由で当該許認可等が取り消され、又はそれらの更新が認められない場合には、SDSホールディングスグループの業績に影響を与える可能性があります。
その他に不動産事業において、建物の区分所有等に関する法律等の法的規制を受けるほか、会社法、金融商品取引法、法人税法、独占禁止法など、様々な法的規制を受けており、社会情勢の変化により、改正や新たな法的規制が設けられる可能性があります。その場合には、SDSホールディングスグループの業績等に影響を与える可能性があります。
②競争激化に伴うリスク
SDSホールディングスグループは、価格設定、取引条件などにおいて、他社との競合に晒されております。競合他社が、収益性を度外視した価格設定、取引条件を提示してきた場合、SDSホールディングスは商機を逸する可能性があります。また、競合他社が、SDSホールディングスグループより規模が大きい場合、又は資金調達コストが低い場合など、価格を抑えつつ利益を確保できる可能性があります。SDSホールディングスグループが、これら他社と競り合う場合、利益が減少する可能性があります。このような場合、SDSホールディングスグループの事業活動や財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③国内の住宅市場の動向に関するリスク
SDSホールディングスグループの業績は、国内における住宅市場の動向に大きく依存しております。国内の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落ち込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動、木材等の資材価格の変動による建築コストの変動等も、お客様の住宅購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅市況やコスト構造を悪化させ、SDSホールディングスグループの経営成績等に影響を与える可能性があります。上記リスクに対して、国内の住宅・建築事業では、次のような対策により、SDSホールディングスの独自性を強調し、住宅市場における優位性の確保を図っております。
リノベーション事業への本格的な参入による収益の拡大
不動産の仕入れについては十分な精査をするとともに、収益性を重視し、継続して機動的な事業活動を展開してまいります。しかしながら、これらの施策を講じても、想定外の市場環境の悪化や、予期せぬ事象が発生した場合には、SDSホールディングスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)SDSホールディングスグループの経営基盤に関するリスク
①資金調達に伴うリスク
SDSホールディングスグループは長期に渡って赤字を継続しており、担保として使用できる資産も保有していないため、現状、銀行を始めとする金融機関等からの借り入れによる資金調達は困難な状況であります。このため、SDSホールディングスは、投資家からの借入、エクイティ・ファイナンスなどによる資金調達を図っております。しかしながら、SDSホールディングスグループの業績回復の遅れ、経済情勢の変動などの要因により、資金調達が困難となった場合、又は、通常より著しく不利な条件での資金調達を余儀なくされた場合、SDSホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②財務基盤が脆弱であることによるリスク
SDSホールディングスグループの当連結会計年度末における純資産は782百万円となっており、財務基盤が脆弱な状況となっております。SDSホールディングスは、省エネルギー設備の導入に関連する企画・設計・販売・施工ならびにコンサルティングをコアな業務とする事業展開、低コスト体制の確立などにより業績の回復に注力する一方で、エクイティ・ファイナンスによる資本増強も検討しておりますが、これらの取り組みに遅れが生じた場合、あるいは実現しなかった場合、SDSホールディングスは債務超過となり、SDSホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他のリスク
①役職員の不正によるリスク
SDSホールディングスグループは、役職員に対するコンプライアンスマインドの徹底、内部管理体制の整備を通じ、役職員による不正の探知、又は事前防止に努めておりますが、これによっても防げない不正、予測し得ない不正等によってSDSホールディングスグループに著しい損害が生じた場合には、SDSホールディングスグループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。
②情報漏えいによるリスク
SDSホールディングスグループは、大量の機密情報、顧客情報を取り扱っており、これらの情報漏えいを防止することは重要な経営課題であると認識しております。
しかしながら、機密情報、顧客情報等の漏えいが生じ、損害賠償請求や監督官庁による行政処分等を受けた場合には、損害賠償額の支払や対応コスト等の発生、あるいは、顧客、取引先、株主等からの信用が低下することなどによって、SDSホールディングスグループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③小規模組織であることによるリスク
SDSホールディングスグループは2024年3月31日現在、役員7名(監査等委員でない取締役4名、監査等委員である社外取締役3名)、従業員18名の小規模組織であり、内部管理体制も現在の組織規模に応じたものとなっております。SDSホールディングスグループは、今後の事業の拡大に伴い人員の増強、内部管理体制の一層の充実に努める方針でありますが、SDSホールディングスグループが必要な人員が確保できない場合や内部管理体制の充実に適切かつ充分な対応ができない場合、SDSホールディングスグループの業務遂行及び事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。また、一方で事業の拡大に向けて組織体制を拡充することは、固定費の増加につながり、SDSホールディングスグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④人的資源が確保できないことによるリスク
SDSホールディングスグループでは、省エネルギー関連事業を展開していくうえで人材が最も重要な経営資源であると考えており、優秀な人材を確保、育成していくことを重視しております。採用した人材が知識と経験を身に付け、これら事業における総合的な提案を実践可能になるには、教育期間が必要であります。
SDSホールディングスグループとしては今後の事業の拡大のため優秀な人材を確保していく方針でありますが、SDSホールディングスグループが求める人材が確保できない場合、または、SDSホールディングスグループから人材が流出するような場合には、SDSホールディングスグループの業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤新型コロナウイルス等、感染拡大によるリスク
SDSホールディングスグループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に操業を停止するなど、SDSホールディングスグループの経営成績、財務状況等に悪影響を与える可能性があります。SDSホールディングスグループではこれらのリスクに対応するため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。
特に今般世界的に感染が拡大した新型コロナウイルスに関しては、代表取締役社長を本部長とする新型コロナウイルス感染対策本部を設置し、以後、「在宅勤務、出張禁止、毎日の検温など、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底」、「マスク、消毒液等の確保」、「感染者が発生した場合のBCP対策」などの施策を通じ、新型コロナウイルスの影響の極小化を図っております。
⑥リスク管理が十分に機能しないリスク
SDSホールディングスグループは、リスク管理の強化に取り組んでおりますが、SDSホールディングスグループが新しい分野へ事業進出した場合、既存事業が急速に拡大した場合、又は外部要因の急速な変化が生じた場合等の要因によりリスク管理が十分に機能しない可能性があります。この場合、SDSホールディングスの事業活動や財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)継続企業の前提に関する重要事象等について
SDSホールディングスグループは、前連結会計年度以前から継続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、損失が継続することで資金繰りに懸念が生じる可能性があります。当連結会計年度の業績においては、営業利益は25,661千円と前期より改善されましたが、経常損失51,085千円、親会社株主に帰属する当期純損失105,390千円を計上しております。当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
SDSホールディングスグループは、上記の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況を解消するために、以下の対応策を講じ、当該状況の解消又は改善に努めてまいります。
①営業利益及びキャッシュ・フローの確保
前連結会計年度に引き続き、各案件の精査を行い、継続的に原価の低減を図り、利益率の向上を進めてまいります。また、商業施設、食品関連設備などへの省エネルギー提案によるクライアント開発を積極的に進め、安定的な売上・利益を確保する体制の構築を進めてまいります。また、前期より進出したリノベーション事業においては、利益の出せる体制となっており更にその拡大に努めます。
②案件精査、利益率確保のための体制
SDSホールディングスグループでは、営業管理・予実管理の実効性を上げるため、営業会議を毎週行い、予算の実行とコンプライアンスの向上に努めております。営業会議での課題・成果などは経営会議で報告され、タイムリーな対応策の検討、情報の共有化を行うことにより、案件の精査や解決策を着実に決定・実行してまいります。
③諸経費の削減
随時、販売費及び一般管理費の見直しを実施し、販売費及び一般管理費の削減を推進し、利益確保に努めてまいります。
④資金調達
2023年12月28日に発行した第9回新株予約権の行使が2024年1月~2024年3月に行われ249,700千円を調達いたしました。今後、全てが行使された場合には204,300千円を調達できる見込みでおります。今後も、財務体質改善のために、将来的な増資の可能性も考慮しつつ、借入金を含めた資金調達の協議を進めております。
⑤事業領域拡大
前連結会計年度より開始したリノベーション事業、今後需要が高まるPPA(※)事業を開始することで事業基盤の確保と収益基盤の獲得を図っております。
(※) PPA(Power Purchase Agreement)モデルとは、電力を使用する需要家が提供する屋根や敷地に、PPA事業者が太陽光発電システムなどを無償で設置・運用し、需要家自身が発電した電気を購入して、その使用料をPPA事業者に支払うビジネスモデル
しかしながら、これらの対応策を講じても、業績及び資金面での改善を図る上で重要な要素となる売上高及び営業利益の確保は外部要因に大きく依存することになるため、また、新株予約権による資金調達は行使が約束されているものではないため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、SDSホールディングスグループの連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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