第一カッター興業(1716)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


第一カッター興業(1716)の株価チャート 第一カッター興業(1716)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3【事業の内容】

 第一カッター興業グループは、第一カッター興業(第一カッター興業株式会社)、連結子会社4社(株式会社ウォールカッティング工業、株式会社新伸興業、株式会社アシレ、株式会社ユニペック)、持分法適用関連会社2社(ダイヤモンド機工株式会社、株式会社ムーバブルトレードネットワークス)で構成されております。

第一カッター興業グループでは、切断・穿孔工事事業及びビルメンテナンス事業を展開しており、事業における第一カッター興業及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

なお、前連結会計年度において、第一カッター興業の連結子会社であった株式会社ムーバブルトレードネットワークスの一部株式を譲渡したため、同社を連結の範囲から除外し、持分法適用会社としております。これに伴い、当連結会計年度よりリユース・リサイクル事業を報告セグメントから除外しております。

(1)切断・穿孔工事事業

 切断・穿孔工事とは、道路等の各種舗装、及びコンクリート構造物の解体、撤去等に必要な切断工事、穿孔工事のことであります。

 第一カッター興業グループの切断・穿孔工事事業は、工業用ダイヤモンドを使用したダイヤモンド工法及び、水圧を利用したウォータージェット工法を中心に事業を展開しております。

 第一カッター興業グループにおいては、第一カッター興業、株式会社ウォールカッティング工業、株式会社新伸興業、株式会社アシレ、株式会社ユニペック及びダイヤモンド機工株式会社が切断・穿孔工事事業を行っております。第一カッター興業は主に東日本全域に、株式会社ウォールカッティング工業は主に東海地方に、株式会社新伸興業は沖縄県に、株式会社アシレは主に関東地方に、株式会社ユニペックは主に近畿地方に、ダイヤモンド機工株式会社は九州地方に営業基盤を有しております。

 第一カッター興業グループの切断・穿孔工事事業の事業形態は、主として専門工事業者としての下請契約であり、主要な得意先は総合建設業者、道路建設業者及び設備業者等の民間企業であります。これらの企業は公共事業関連工事を中心に事業展開しており、第一カッター興業グループの施工する工事も大半が公共事業関連工事であります。一方、公共事業関連工事以外の工事としては、化学工場・石油プラント・発電所等のメンテナンスや洗浄等が挙げられます。

 また、これらを工事の種類別に分類すると、土木工事、建築関連工事、都市土木工事、道路・空港工事、生産設備メンテナンスに分類されます。

 各工事の分類別の内容については、以下のとおりであります。

①土木工事

 土木工事では、橋梁工事、港湾工事、ダム関連工事といった、大型構造物の補修・撤去工事を行っております。

 具体的には、橋梁工事においては高架橋切断・撤去、コンクリート片剥離防止対策、橋脚劣化コンクリート除去や表面処理等、港湾工事においては護岸・桟橋の改築に伴う切断・撤去、ダム関連工事においては砂防ダムスリット化、魚道開口構築といった作業を行っております。また、水中など特殊な環境下での切断・穿孔作業の場合にも、専属のオペレーターによる施工をしております。

②建築関連工事

 建築関連工事では、建物解体工事、免震工事、耐震工事、改修工事、新築工事といった、解体・リニューアル工事に伴う各種作業を行っております。

 具体的には、建物解体工事においてはブロック解体・撤去、建物基礎の静的破壊、免震工事においては免震装置取付の杭切断、耐震工事においては耐震用スリットの構築、改修工事においては各種切断、鉄筋はつり出し、エレベーター改造に伴う機械撤去、外壁洗浄、塗装剥離、床表面処理等、新築工事においては誘発目地、タイル貼り下地処理といった作業を行っております。また、周辺施設への環境負荷軽減にマッチした施工方法で、従来工法では困難な施工でも対応しております。

③都市土木工事

 都市土木工事では、鉄道工事、廃棄物処理施設工事、上下水道施設工事といった、都市基盤施設における土木関連工事を行っております。

 具体的には、鉄道工事においては階段切断撤去、擁壁ブロック解体・撤去、廃棄物処理施設工事においては煙突内洗浄やダイオキシン類洗浄、上下水道施設工事においてはピット内部劣化コンクリート除去、エポキシ系樹脂塗膜除去といった作業を行っております。また、環境関連工事においては計画立案から施工までトータルで対応しております。

④道路・空港工事

 道路・空港工事では、道路の補修等に伴う各種切断や表面処理、劣化コンクリート除去、空港での滑走路グルービングや灯火設置のためのコアドリリング等作業を行っております。グルービングマシンやコア特装車といった特定条件での切断・穿孔作業が可能な点が第一カッター興業の特徴になります。

⑤生産設備メンテナンス

 生産設備メンテナンスでは、工場メンテナンスに伴う各種設備洗浄、改造工事に伴う無火気切断、床の塗り替え、下地処理等を行っております。第一カッター興業では産業洗浄技能士を常駐させることで、作業の品質と安全を確保しております。

(2)ビルメンテナンス事業

 ビルメンテナンス事業は、集合住宅やオフィスビル等において、給排水設備の保守点検・貯水槽清掃・雑排水管清掃業務を行うものであり、第一カッター興業グループにおいては、第一カッター興業がビルメンテナンス事業を行っております。

 具体的には、排水管清掃、貯水槽清掃、給水設備点検、床清掃、ファイバースコープ調査、機械式ピット清掃などを通じて、得意先・お客様のビルの円滑な運営に貢献することを目指しております。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 


有価証券報告書(2024年6月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針・経営戦略等

第一カッター興業グループは、切断・穿孔工事事業、ビルメンテナンス事業等を全世界を対象に行い、これによって最良の企業となることを基本方針としております。施工に於けるより高いレベルの品質管理、安全管理、工程管理及び研究開発により差別化と市場競争力の強化をはかり、安定した健全な企業の発展を目指しております。環境変化に伴うお客様のニーズの多様化に対応できることが社会への貢献であり株主の皆様に報いることと考えております。

法令遵守はもとより内部統制を確立し、事業の拡大と経営基盤及び財務体質の強化により、業界ナンバーワン企業としてのゆるぎない地位を堅持し、さらなる成長を推し進めてまいります。

第一カッター興業グループが属している建設市場は今までの「モノづくり」から「モノ壊し+モノづくり」の両産業が融合した「モノを造りかえる」リニューアル・補強する時代へと、変化しております。「モノ壊し」に伴う騒音・粉塵・振動は社会問題化しており、それに対応した環境にやさしい「ダイヤモンド工法」及び「ウォータージェット工法」による耐震・免震の改修工事・老朽化したコンクリート構造物のリニューアル化が着実に増加しております。第一カッター興業グループは数年前よりリニューアル市場への営業強化を図っており、今後も成長が見込まれる同分野の拡大を図ってまいります。具体的な経営戦略は以下のとおりです。

① 営業部門・工事部門・管理部門のマニュアルの作成とシステムの確立により内部体質の強化を図り、顧客ニーズに対応できる質の高い営業と技術力により、さらなる受注の拡大を図る。

② 第一カッター興業グループで確立した各部門のマニュアルとシステムを、増設する営業所(M&A先の企業も含む)に適用し、全国展開を図る。

③ 研究開発部門、営業部門の一体化を図り、多様化するお客様のニーズに対応するため、迅速な研究開発を促進し新技術の開発、提案営業の拡大、安全性と効率性の向上と環境にやさしい施工技術の改良を図る。

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の経営環境につきましては、経済活動の正常化が進んだことにより内需は緩やかに回復するものと見込まれますが、一方で世界情勢の緊迫に伴う資源・エネルギー価格の高騰や為替相場の変動等が国内経済に及ぼす影響に対しては引き続き注視が必要になるものと思われます。第一カッター興業グループが主力事業を展開しております建設業界におきましても、今後も建設資材やエネルギー価格の高騰により企業収益の下押しが懸念され、受注環境は厳しくなることが見込まれます。第一カッター興業グループはこのような厳しい経営環境に対処すべく、グループ全体として、①人材採用・育成の強化・拡充、②営業展開の強化、③協力会社ネットワークの強化、④研究開発の強化を基本戦略とし、この基本戦略を念頭に、各事業ごとに以下の取り組みを行ってまいります。
 まず、切断・穿孔工事事業につきましては、公共、民間ともに老朽化対策が推進されるなか、市況の影響を受けにくい高速道路・鉄道などの輸送インフラ、及び長寿命化計画や修繕・改修が不可欠となる産業インフラをターゲットとした営業展開を図ることで、計画的な売上確保・案件獲得を進めてまいります。

次に、ビルメンテナンス事業につきましては、今後もエリアの拡大及び作業員の増員を行うことで施工体制の強化・新規顧客の獲得に努めてまいります。

第一カッター興業は、連結子会社で発覚した、過去の不正な資金流用の問題を受け、2021年10月29日に「再発防止策及び関係者の処分に関するお知らせ」を公表し、関係者の処分や再発防止策に取り組んでおり、第一カッター興業グループにおけるコンプライアンス意識の醸成やガバナンスシステムの構築については、今後も、次のような施策に注力してまいります。

 

 

1)コンプライアンスを真ん中に置く企業文化を創る

① 心理的安全性向上のためのコーチング制度を継続する。

② 心理的安全性向上のためのエンゲージメント評価を継続する。

③ 「コンプライアンスを真ん中に置く企業文化を創る」を腹落ちさせるコンテンツを検討し、作成する。

 

2)役員・従業員のガバナンス・コンプライアンスに対する意識改革のための教育

① 幹部育成研修の一環として、会社法や会計の知識を含む、定期的なガバナンス・コンプライアンス教育を実施する。

② グループ全体の役員を含む管理監督者には、役付のタイミングで、各階層に適合したガバナンス・コンプライアンス研修を実施する

③ 定期的にコンプライアンスに関する理解度テストを実施する。

④ 子会社または関係会社へ派遣する役員の職務、職責を明確化する。

⑤ 2021年10月19日公表の「第三者委員会報告書」の内容を理解するコンテンツを検討し、作成する

 

3) グループ全体のガバナンスシステムの構築

① グループ子会社統括業務を行う部署を設置し、情報を定期的に収集したうえで派遣役員に共有する仕組みを構築する。

② 外部から管理本部長を招聘したうえで、社内規程の改定を含め、内部統制システムの見直しと再構築を進める。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した経営成績に関する事項のうち、投資者の投資判断の上で、重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであります。第一カッター興業グループは、これらリスクの発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において第一カッター興業グループが判断したものであります。

(1)建設業界への依存について

第一カッター興業グループの切断・穿孔工事事業の事業形態は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、主として専門工事業者としての下請契約であり、主要な得意先は総合建設業者、道路建設業者及び設備業者等の民間企業であります。これらの企業は公共事業関連工事を中心に事業展開しており、第一カッター興業グループの施工する工事も大半が公共事業関連工事であります。従って、公共事業の削減が第一カッター興業グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。第一カッター興業グループでは引き続き、ウォータージェット工法に注力し、化学工場・石油プラント・発電所等のメンテナンスや洗浄等、建設工事以外の受注の確保により、建設業界への依存度を低下させていく方針でありますが、かかる施策が奏功する保証はありません。

また、建設業界の状況は依然として厳しいものがあり、第一カッター興業グループの予想を上回る得意先の倒産が発生する可能性があります。第一カッター興業グループは多数の得意先と取引しているため、得意先一件当たりの売上債権は少額であり、一顧客の倒産が第一カッター興業グループの損益に与える影響については僅少でありますが、建設業界の倒産件数の動向によっては第一カッター興業グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)経営成績の変動

(業績の季節変動について)

第一カッター興業グループの事業は公共事業関連工事が多いため、特に第3四半期(1月~3月)に売上及び利益が増加する一方で、第4四半期(4月~6月)に落ち込む傾向にあります。

これは、公共工事が4月を年度始めとしていることなどに伴って第一カッター興業グループの第4四半期(4月~6月)の工事量が減少し、工事原価・販売費及び一般管理費等の固定費に伴い利益率が悪化することによるものです。

第一カッター興業グループでは、第4四半期(4月~6月)に施工が多い化学工場、石油プラント、発電所、自動車工場等のメンテナンスや洗浄等のウォータージェット工法を積極的に営業展開し、建設工事以外の分野を伸ばすことで、四半期毎の業績の平準化に取り組む方針であります。

 

(3)特定の取引先で依存度の高い取引について

(仕入先について)

第一カッター興業グループの原材料は、その半数近くを旭ダイヤモンド工業株式会社から仕入れており、原材料仕入高に占める同社への依存度は当連結会計年度末において44.7%であります。これは旭ダイヤモンド工業株式会社の研究開発力、安定した品質、特殊現場への対応及び納期の遵守等の理由により、結果的に同社への依存度が高まったものであります。

同社との関係は良好で、今後も安定的な取引が継続できるものと考えておりますが、たとえ同社との取引が継続できなくなったとしても、他社からの原材料の確保は可能であります。しかしながら、同社との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。

(4)法的規制について

第一カッター興業グループが行っている切断・穿孔工事事業は、建設業法に基づく「とび・土工工事業」、「土木工事業」に属しており、「とび・土工工事業」、「土木工事業」は建設業法による規制を受けております。5百万円以上の工事を受注するにあたっては「とび・土工工事業」又は「土木工事業」の許可が必要であり、必要に応じて許可が取得できなかった場合、また更新時に更新できなかった場合には5百万円以上の工事は受注できないこととなります。

(許認可の状況)

許認可等の名称

会社名

許認可番号/有効期間

規制法令

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

一般建設業(許可)

とび・土工工事業

第一カッター興業㈱

(般-2)第5475号

 

2020年11月5日から2025年11月4日まで
以後5年ごとに更新

建設業法

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

㈱ウォールカッティング工業

(般-2)第26082号

 

2020年10月14日から2025年10月13日まで
以後5年ごとに更新

㈱新伸興業

(般-2)第11846号

 

2020年10月21日から2025年10月20日まで
以後5年ごとに更新

㈱アシレ

(般-28)第24360号

 

2022年2月21日から2027年2月20日まで
以後5年ごとに更新

㈱ユニペック

(般-29)第109529号

 

2021年12月20日から2026年12月19日まで
以後5年ごとに更新

特定建設業(許可)

土木工事業

第一カッター興業㈱

(特-2)第5475号

 

2020年11月5日から2025年11月4日まで
以後5年ごとに更新

 

 

(5)事業上のリスクについて

第一カッター興業グループの切断・穿孔工事事業の施工は、主に建築現場、土木工事現場において行われます。このような作業場は、高所からの落下、重機の転倒、構造物の倒壊等、事故の危険性が高いと考えられます。また、切断・穿孔工事事業で使用する機械はコンクリート等の切断、穿孔等を行う機械であり、使用方法を誤った場合や機械が故障した場合等には人身事故につながる可能性があります。

第一カッター興業グループでは作業員に対して安全パトロールを実施し、現場での不安全行為・注意事項を徹底して指導しております。また、定期的に機械等のメンテナンスを行い、機械等の使用方法について作業員を教育しております。しかしながら、このような第一カッター興業グループの予防策にもかかわらず、事故等が発生する可能性を完全に排除することは困難であります。万一の事態に備え、第一カッター興業グループでは損害賠償保険にも加入しておりますが、第一カッター興業グループに起因する事故等が発生した場合、顧客からの信頼が失われる等により業績に悪影響を与える可能性があります。

(6)協力業者について

建設工事は季節的な繁忙、閑散の差が大きいものであります。閑散期に損益が悪化するのを避けるため、第一カッター興業グループでは協力業者(外注先)を積極的に活用し、効率的な事業運営を行うようにしており、事業運営における協力業者への依存度が高くなっております。

建設業界内には代替業者は多数存在しており、協力業者の確保に困難を生じている事実はありませんが、建設業界において慢性的な人材不足が懸念されるなかで、今後、必要に応じた外注業者の確保が出来なかった場合、機会損失が発生することにより、第一カッター興業グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、定期的に協力業者を集めての技術指導等、協力業者の施工レベルの維持、向上を図っておりますが、かかる第一カッター興業グループの施策にもかかわらず、施工ミスや事故等が発生し、業績に悪影響を与える可能性については否定できません。

(7)人材の確保及び育成について

建設業界において慢性的な人材不足が懸念されるなか、第一カッター興業グループを継続的に成長させるためには、技術者の確保や教育、技術の伝承は非常に重要な要素となっております。

第一カッター興業グループは、積極的な採用活動を行うことにより、技術者を含め優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、人材の育成に注力してまいります。しかしながら、人材の確保及び育成が計画どおりに行えなかった場合には、第一カッター興業グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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