(1)事業の特徴
<報告セグメント別の事業内容と特徴>
明豊ファシリティワークスは、オフィスや各種施設に関わるCM(コンストラクション・マネジメント)手法を用いた発注者支援事業を展開しており、そのサービスの内容等から、「オフィス事業」「CM事業」「CREM事業」及び「DX支援事業」の4つに区分しております。
なお、事業区分はセグメント区分と同一であります。
①オフィス事業
オフィスの移転・新設・改修のプロジェクト・マネジメント、各顧客に最適な移転後のオフィスの床面積の提案、ICT・データセンターの構築、働き方改革、維持費削減を狙ったスペースの削減等、オフィスづくりと運用に関するあらゆる業務をサポートしております。 オフィス移転等のコストは、明豊ファシリティワークスに蓄積したコストデータベースに基づく見積査定と、CM手法による入札仕様書の作成、競争環境を構築した中での入札、その後の交渉を通して、コストミニマムの実現に努めております。
②CM事業
公共庁舎や教育施設、生産施設、医療施設、鉄道駅施設、商業施設、オフィスビルその他各種施設の建設・運用に関する業務を、CM手法を用いて、基本計画の作成から、入札仕様書作成、入札実施、設計マネジメント、施工マネジメントまで、プロセスを可視化した中で、発注者のプロジェクトの成功をサポートしております。 オフィス事業同様、コストミニマムの実現に努め、プロが発注者側につくことによる迅速な意思決定と工期短縮、発注プロセスの可視化による透明性の向上等、顧客本位のサービスを提供しております。
③CREM事業
発注者が自社保有資産の最適化を行うCREM(コーポレート・リアルエステート・マネジメント)について、明豊ファシリティワークスは発注者が行う保有資産の管理・運用業務や保有方針に関する意思決定の助言、多拠点施設の同時統廃合業務等について、CM会社としてその最適化業務を支援するサービス等を提供しております。発注者が行うCREMの中で、中長期修繕計画の策定支援等も行っております。
④DX支援事業
社員のアクティビティ可視化による働き方改革やプロジェクト・マネジメント情報の可視化システム、顧客における多拠点の発注プロセスのシステム化等、顧客側で行うDXについて、明豊ファシリティワークスに培われたノウハウを活用する方法にてサービスを提供しております。
<オフィス事業・CM事業・CREM事業に共通するサービス内容と特徴>
明豊ファシリティワークスのセグメントの内オフィス事業・CM事業・CREM事業につきましては、対象となる施設及びCREMサービスであるかに応じて3事業に区分しておりますが、明豊ファシリティワークスが発注者へ提供する発注者支援事業の内容は共通しており、その内容と特徴は以下の通りであります。
①基本計画の策定
発注者の経営課題や要望に応じて、発注者の施設の調査・分析を明豊ファシリティワークスが行い、施設の新築や改修、その実施方法等に基づいた複数の課題解決プランを、概算コストと想定される期間等の情報を含めて発注者へ提示し、発注者が選んだプランに基づき、明豊ファシリティワークスが基本計画の策定を支援します。
②入札仕様書の作成
設計会社と施工会社を分けて入札する方法と、設計も可能な施工会社へ設計施工一括で発注することを前提とした入札方法について、明豊ファシリティワークスが発注者へメリットとデメリットを説明し、発注者が入札方法を決定します。
また、単に応札コストによる比較のみではなく、応札者の実績や独自の提案等、発注者にとって魅力のある区分ごとに配点を予め定めた総合評価表を発注者とともに作成し、これに基づき比較します。
発注者が決めた入札方法に応じた入札を行うため、明豊ファシリティワークスは、応札者へ配布する入札仕様書を基本計画書に基づき作成し、発注者へ提供します。
発注者にとってコストミニマムにつながる専門性の高いものであることが特徴であります。
③入札の実施
応札者が他の応札者の状況を分からないように明豊ファシリティワークスが入札環境を工夫して設けることにより、競争環境における低い入札額を期待できます。また、各応札者の強みに関するアピールも受け付けるため、発注者にとって、単に金額だけではない総合評価方式による入札を行えることが特徴であります。
④発注者による発注先決定の支援
発注者が比較判断しやすい形式にて、明豊ファシリティワークスが応札情報を資料にまとめます。
発注者は明豊ファシリティワークスがまとめた比較資料を用いて、専門用語等に関する情報や、応札者の実績等の情報を明豊ファシリティワークスから入手した上で、自ら発注先を選定することが出来ます。
明豊ファシリティワークスは発注者に対して、発注先を推奨することはなく、発注者の意思決定を支援する役割であることが特徴であります。
⑤設計マネジメント
発注者によって選ばれた設計会社が、発注者の意思に沿う設計を行っているか、設計の品質を維持するための社内レビュー等のプロセスを行っているか等を明豊ファシリティワークスが定期的に確認し、発注者へ報告致します。
明豊ファシリティワークスは善管注意義務を負う中で高度な専門性に基づき設計会社をマネジメントし、設計責任は設計会社が負うことが特徴であります。
⑥施工マネジメント
発注者によって選ばれた施工会社が、発注者の意思に沿う施工を行っているか、施工の品質を維持するための各種プロセスを行っているか等を明豊ファシリティワークスが定期的に確認し、発注者へ報告致します。施工後、発注者の意思により、工事内容が追加変更されることも多く、コストの変更履歴を明豊ファシリティワークスが整理して発注者へ報告致します。
明豊ファシリティワークスは、多くのコスト管理実績から、報告内容について発注者から高い評価を得ていることが特徴であります。
※オフィス事業では、原則としてオフィスの設計を明豊ファシリティワークスが実施しますが、CM事業、CREM事業では原則として明豊ファシリティワークスは設計いたしません。
<DX支援事業のサービス内容と特徴>
明豊ファシリティワークスでは、1994年にデジタル化オフィス構築の機会を得て、その後現在に至るまで、プロジェクト・マネジメントに関する情報や、社員の働き方、業務効率向上による生産性向上、経営状況等の全ての情報をデジタル化し、関係者でセキュアに共有すること等によって、サービス品質向上を通じた顧客満足度向上を通じて発注者支援事業を拡大してきました。この明豊ファシリティワークスにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支えてきた明豊ファシリティワークスシステムの自社開発体制はアジャイル方式によるもので、実践的なノウハウを多く蓄積しております。特に、社員のアクティビティを可視化共有することによって社員自らが行動を見直すことが出来る明豊マンアワーシステムや、多拠点を含めたプロジェクトに関する提案、発注、請求、回収プロセスの可視化や、各プロジェクトの日々の予算と実績とを比較する管理会計の仕組みを有するプロジェクト・マネジメントシステム等を経営の中心においたDX推進体制を構築しております。
昨今、DX導入に取り組む企業や団体が増えている中、明豊ファシリティワークスのアクティビティ改善に関するシステムや、プロジェクト・マネジメントシステムへの関心が高まっており、社員のアクティビティ可視化による働き方改革実現やプロジェクト・マネジメント情報の可視化システム、多拠点に亘る大量の発注プロセス等のプロジェクト管理や維持保全のシステム化等、顧客側で行うこれらDXについて、明豊ファシリティワークスに培われたノウハウを活用する事業として、DX支援事業を2021年4月に新設いたしました。
(2)サービス提供に関する契約形態の特徴
明豊ファシリティワークスサービスを発注者が利用する上で、発注者がプロジェクト毎に契約形態を選択することが出来ますが、当事業年度は全てピュアCM方式による契約であり、その契約関係は次の通りであります。
明豊ファシリティワークスが提供する「設計&PMサービス」の全てが、CM方式による「設計&PM/CMサービス」であります。
①設計&PM/CMサービス(ピュアCM方式)
CM方式による「設計&PMサービス」であって、顧客が施工者と工事請負契約を締結し、明豊ファシリティワークスは顧客とCM業務委託契約を締結してマネジメントフィーのみを売上計上する形態であります。マネジメントフィーについては、原則として事前に顧客との間で業務内容毎にマンアワー(※)ベースで計算した固定フィーが取り決められます。なお、工期・品質・コストなどが発注者の期待を超えて達成されたとき、明豊ファシリティワークスに対する業務のインセンティブとして「ボーナスの支払い」を契約上定めておく場合もあります。
(※)マンアワー
サービス提供のために要した時間に、サービスを提供した社員の管理会計上の時間単価を乗じたアクティビティコストです。明豊ファシリティワークスでは毎日の全従業員の全アクティビティコストを定量化することで、プロジェクト毎の採算を的確に把握するマンアワーコスト管理システムを導入しています。
ピュアCM方式の契約関係は図1のとおりであります。
(図1)
②カスタマーセンターサービス
前述の各サービス後の什器備品等の補給やレイアウト変更などの対応をカスタマーセンターと呼ぶ専門のチームが対応するサービスで、リピート受注と顧客との関係強化を目指しております。その契約関係は、設計&PMサービス実行時の形態に準じるケースが主です。プロジェクト実行時の基本計画に基づいて維持保全業務も行うという、ファシリティマネジメント本来の考え方に基づくサービスであります。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2024年3月31日)現在において明豊ファシリティワークスが判断したものであります。
今後の見通しにつきましては、増加傾向にある国内建設投資に対して、人的供給力は減少傾向にあり、価格高騰や長納期化が続くと想定されます。事業化やプロジェクト推進において、発注者が単独で意思決定や品質確保を行うことが簡単でなく、CM発注者支援事業に対する社会からの期待は、益々高くなると想定しております。そのような状況の下、一層の事業発展と企業価値向上に向けて、以下の課題に取り組んでまいります。
CMサービスの価値向上
① 明豊ファシリティワークスは、これまで発注者側に立って競争環境を構築し、発注者の利益となる品質、コスト、スピードにおける成果を提供してまいりましたが、社会の変化と共に、サービスレベルを更に一段進化させ、サービスの価値向上を追求します。
1) 建設投資における第三者性とその価値の確立
2) 先見性とリスク管理をCMの基本動作とし、発注者の高度な意思決定を支援する
② CMサービスを変化に対応させ、発注者にとっての価値を向上することで、発注者と持続的な関係を築き、経営基盤の安定化をはかる。
CM事業の新たな価値創造 CM×DX(CMとDXの融合)
① 激しい変化の中、10年先を見据えた発注者支援事業の新たな価値創造に着手する。
② 建設、維持保全、オフィスづくりにおける発注者の意思決定プロセスを発注者にとってより効率的で価値のあるものに変革する。
人的資本の強化
「フェアネス・透明性」の理念の下、CMサービスの価値向上、CM事業の新たな価値創造を支える基盤として、人的資本の強化を重視し、以下のテーマに取り組む。
① 社内のプロによる顧客本位のプロジェクト体制強化
② リーダーの育成
③ 女性活躍推進
④ ナレッジセンターの拡大と完成度向上
⑤ 学び合う風土の醸成
明豊ファシリティワークスの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主なリスクを記載します。明豊ファシリティワークスは、これらリスクの可能性を認識し、リスク管理を行うとともに、最善の対処をいたす所存です。なお、これらは明豊ファシリティワークスの事業に関するリスクのすべてを網羅するものではないことをご留意ください。
文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2024年3月31日)現在において明豊ファシリティワークスが判断したものであります。
①事業環境の変化について
明豊ファシリティワークスは、オフィス構築や、ビル、教育施設、生産施設、研究施設や設備等についてCM(コンストラクション・マネジメント)手法でのPM(プロジェクト・マネジメント)サービスを提供しています。経済環境、景気動向による企業の設備投資意欲の変化、既存建設業者との競合状況の変化、CM手法に対する建設マーケットでの評価などが、明豊ファシリティワークスの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
②フィービジネスの安定性について
フィービジネスでは、資材・設備等の材料費や外注費などのコストや物価変動に収益が左右されることがなく、基本的に安定した収益を確保できると考えられます。ただし、お客様との間で業務内容毎にマンアワーベースで計算し事前に取り決める固定フィーに関して、マンアワーの見積りが不適当であった場合や、プロジェクトに従事する明豊ファシリティワークス社員の労働生産性効率が低下した場合などには、フィービジネスであっても安定した収益を確保できるとは限りません。
③情報共有システムの障害について
明豊ファシリティワークスでは、ウェブ上での情報共有システムを活用し、お客様の企画構想段階から、発注・施工の各プロセス情報を開示・共有化することで、お客様の信頼確保・意思決定支援、明豊ファシリティワークスの業務効率向上に役立てております。また、顧客側のDXを支援するシステムを提供しております。これらシステムの開発・運用・保全には万全を期しておりますが、関連するスキルが不十分な場合や、システム自体に不具合が生じた場合などには、業務効率が低下してマンアワーのコストアップを招くことや、不具合に対するリカバリー対応などで、明豊ファシリティワークスの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④施工物等の瑕疵について
工事請負契約については、明豊ファシリティワークスが施工物に関する契約不適合責任を負っています。
明豊ファシリティワークスは、施工管理の徹底により品質管理には万全を期しておりますが、提供する施工物及びその他製品について重大な契約不適合が発生した場合、経営成績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。
⑤人材の確保について
明豊ファシリティワークスの成長を持続していくためには、優秀な人材の確保と組織力の強化が必要であります。
明豊ファシリティワークスでは、上場企業であることの信用力や知名度を活かし、また業績の向上と処遇面の向上を両立させ、優秀な人材を確保していく方針ですが、優秀な人材の確保に支障をきたした場合は、明豊ファシリティワークス業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑥情報管理について
明豊ファシリティワークスは業務のデジタル化(デジタルな働き方)を導入し、情報の可視化やデータベース活用による情報の利活用によって競争優位性を高めています。明豊ファシリティワークスは情報セキュリティマネジメントシステムを導入し、ISO27001の認証を取得しております。この仕組みは、毎期情報管理に関するリスクを分析し、リスクを低減させる対策を実行し、その結果を評価分析し、新たな対策を講じるというPDCAサイクルで構築されており、明豊ファシリティワークスとしては情報管理に万全を期しておりますが、明豊ファシリティワークスの保有する情報が、外部からの不正アクセスや、内部者による故意又は過失によって喪失した場合、明豊ファシリティワークス業績に影響が及ぶ可能性があります。
⑦業績の季節変動について
明豊ファシリティワークスは、受注したCM業務契約のプロジェクトに関して、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、期間がごく短いプロジェクトを除き、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、当該一定の期間にわたり収益を認識しており、受注したプロジェクトの進捗に応じて売上と売上原価を計上しております。明豊ファシリティワークスの過去の業績は、主にお客様のニーズ(完成時期が下期であったり、下期の工程が多いスケジュール設定などの要望)により、過去の業績は下期偏重となっております。
受注時期を含む受注状況や、受注したプロジェクトの下期の進捗状況によっては、通期の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧法的規制等について
工事請負契約には、「建設業法」、「建築基準法」等の法的規制があります。
今後、これらの法令等の改正や新たな法令等の制定により規制強化が行われた場合、また、法令違反が発生してしまった場合、明豊ファシリティワークスの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、明豊ファシリティワークスは、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において法令違反の事象は発生しておりませんが、将来何らかの理由により、法令違反の事象が発生し、監督官庁より業務の停止や免許の取消し等の処分を受けた場合には、明豊ファシリティワークスの事業活動に支障をきたすとともに明豊ファシリティワークスの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、法的規制について、その有効期間やその他の期限が法令、契約等により定められているものは下表のとおりであります。
(許認可等の状況)
⑨業績予想の変動について
明豊ファシリティワークスは、業績予想を発表するにあたって個々のプロジェクトの現状を確認しておりますが、プロジェクトの進捗過程で顧客の事情等により、プロジェクトの進行予定等が変動する場合には、当該事業年度の売上及び利益に大きな影響を与える可能性があります。
⑩自然災害について
自然災害が発生した場合、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間に亘り生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務できなくなった場合等、契約締結・工事着工・工事進捗が遅延し、明豊ファシリティワークスの業績に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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