富士ピー・エス(1848)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 富士ピー・エス及び富士ピー・エスの関係会社は、富士ピー・エス、子会社3社、その他の関係会社1社により構成され、PC技術を用いた建設業を主な事業の内容としております。 富士ピー・エス及び富士ピー・エスの関係会社の事業内容及び富士ピー・エスと関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。土木事業 富士ピー・エスは、PC技術を用いた土木工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC土木製品の製造・ 販売を行っております。 駿河技建㈱(連結子会社)は、コンクリート構造物の診断及び補修・補強を行っております。 太平洋セメント㈱(その他の関係会社)からは、同社製品のセメント等を購入しております。 建築事業 富士ピー・エスは、PC技術を用いた建築工事の請負、企画、設計、施工監理及びPC建築製品の製造・ 販売を行っております。 太平洋セメント㈱(その他の関係会社)からは、同社製品のセメント等を購入しております。 その他 富士ピー・エスは、不動産の賃貸・管理等及び海外事業、建設資機材のリース等を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 ※関係会社の一部は複数の事業を行っており、上記は主な事業内容を掲載しております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 富士ピー・エスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、富士ピー・エスグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針富士ピー・エスグループは、「企業は社会の公器、企業の社会的責任遂行」という言葉を明確に自覚し、株主を始め、顧客、富士ピー・エスグループ社員、協力会社並びに地域社会からの信頼を得て、社会資本整備を通して「信頼と利益」の調和の取れた企業経営を目指しております。企業である限り競争は必然であり、そのためにより高度で特化した技術が必要であることを認識し、人材教育と技術開発を推進しております。 (経営理念)・福祉国家建設の一翼を担って社会に奉仕する・技術を究め創意をこらし自己の責任を完遂する・和信協同し企業の繁栄と共に幸福を創り出す (経営方針)技術の研鑽と創意に努め、安全と安心の企業ブランドのもと、社会資本整備を通して国家建設に貢献するとともに、利益追求と社会的責任の調和を実現する。 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題 富士ピー・エスグループが事業対象とする市場環境につきましては、土木分野においてこれまで市場を牽引してきた高速道路会社の大規模更新事業が僅かに縮小へ向かう傾向にあるものの、政府の「第1次国土強靱化実施中期計画」の始動により、老朽化インフラの更新や災害対策事業の拡大が見込まれ、市場全体としては引き続き堅調に推移するものと判断しております。また建築分野では、首都圏を中心とする都市再開発需要が継続する中、深刻な人手不足を背景に、現場の省力化を実現する富士ピー・エス独自製品「FR板」への需要がさらに高まる見通しです。その一方で、原材料価格や労務コストの高止まり、及び受注競争の激化など、予断を許さない状況が続いています。また富士ピー・エスグループは現在、2030年度を最終年度とする第5次中期経営計画「VISION2030」を推進しております。外部環境の変化に伴い、中間目標(売上高350億円、営業利益率5%)の達成時期を2027年3月期へと1年延長いたしましたが、第75期はこの目標完遂に向けた「稼ぐ力」を最大化させる極めて重要な年です。これまでのアクションプランを通じ、九州小竹工場のリニューアルやDX環境の整備、メンテナンス事業会社のM&Aなど、着実な成果を上げてまいりました。しかしながら、人的リソースの拡充においては慢性的な担い手不足が足かせとなり、想定した成果を十分に上げるには至っておりません。これらの状況を踏まえ、富士ピー・エスグループは以下の課題に重点的に対処してまいります。①人的リソースの拡充と定着(「量」から「質」への転換) 担い手不足が深刻化する中、人材戦略を従来の「量」の確保から個々の「質の向上」をより重視する施策へと抜本的に転換いたします。実践に即した教育研修を通じて現場運営の高度化を実現するとともに、既存社員の定着(離職防止)を経営の最優先課題の一つに掲げます。具体的には、健康経営の活動深化、リ・ブランディング活動を通じたエンゲージメント向上に加え、i-con戦略ラボの活動を加速・実装させることで、現場の負担軽減を図ります。これらを通じて「働き続けたい企業」としての基盤を固め、担い手の確保と育成の両立を目指します。②サステナブルな工場事業に向けた再編の検討 全国6工場のネットワークは、安定的に製品需要に応えることができる富士ピー・エスグループの強みのひとつです。しかし、一部の工場においては老朽化による更新費用の増大や、敷地の狭小性による機能拡張の限界など、長期的な採算性の観点から課題も顕在化しております。今後、工場製品への需要がさらに高まる中、事業の継続性と効率性を両立させるべく、統廃合をも視野に入れた「最適配置と生産体制の再構築」の検討を推進し、次世代を支える強固な事業としての生産基盤を確立いたします。③収益性のさらなる改善と業務アライアンスの実装 「工事工場利益改善プロジェクト」による徹底した原価管理と適正な価格転嫁を継続し、高水準の収益性を安定的に維持できる経営体制を確立いたします。あわせて、大豊建設株式会社との業務提携を具体的な収益へと繋げる「実装フェーズ」を加速させます。PC技術の相互補完や共同技術開発を深化させ、自社単独では困難であった新事業分野への展開や受注競争力の強化を早期に実現いたします。 ④企業価値向上に向けた戦略的アプローチ 持続的な成長と資本効率の向上を通じて、ステークホルダーからの社会的評価を高める取り組みを強化いたします。東証の要請(PBR1.0以上の早期達成)を真摯に受け止め、収益性の改善と市場との対話の深化を実行することで、外的環境に左右されない「自律的な経営環境」を強固なものといたします。 上記の課題解決を加速させることで、「社会に必要とされる100年企業」への道筋を確かなものにし、中長期的な企業価値の最大化に邁進する方針です。 (3)中期経営計画「VISION2030」について 富士ピー・エスグループは、2021年に向こう10年を見据えて、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした「VISION2030」を策定いたしました。 「VISION2030」では、通過点である2025年までの5年間で高収益体制の実現、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築を目指すべきゴールとして、「稼ぐ力」を蓄えるためのハード・ソフト両面での環境整備を集中的に行い、その後、2030年に向かってこれをテコに「急成長を成し遂げる期間」としております。 2030年にあるべき姿として「価値を創造するエンジニアリング企業」「顧客の要望にワンストップで応える企業」「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業」を目標としております。 この「VISION2030」を達成するための方針として、次の4つを掲げております。事業方針: (ⅰ)2030年度のゴールに向けて、2025年度までに高収益体質が実現し、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築している状態を目指す (ⅱ)2030年度のゴールを、売上高450億円超・営業利益率5%超とし、2025年度に売上高350億円超・営業利益率5%超を目指し、選別受注及び利益優先主義を継続する (ⅲ)人員増加施策だけでなく、生産性の向上を図るため、大規模な設備増強や現場負荷軽減のための仕組みづくりに注力する投資方針: (ⅰ)工場を中心に5年間で集中的な投資を行い、生産性の向上、製品売上比率の向上を図る (ⅱ)将来の工場製品売上の増加見通しに伴い、必要な時期において工場の生産能力の増強を検討する (ⅲ)継続的な研究開発を行うために売上高の0.3%を開発費に充てる財務方針: (ⅰ)財務の健全性を重視し、投資は利益の範囲内とする (ⅱ)将来、大規模な投資が必要となった場合は、保有資産の活用も視野に入れる (ⅲ)ROEは7%超の維持を目標とする株主還元方針:配当性向20%超の維持 また、「VISION2030」においては、SDGsの17の目標への取り組みについても掲げております。 富士ピー・エスグループは、2015年に国連サミットで採択されたSDGsに対し、富士ピー・エス事業の重要な様相としてSDGsを位置付け、「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を目標に掲げ、SDGsが描く未来の現実に取り組むことで、さらなる社会貢献を図ること、及び事業活動を通じて、課題抽出と技術革新に取り組み環境負荷軽減を達成することは重要な課題と捉えております。 また、外部環境の変化を受け中期経営計画「VISION2030」の一部をアップデートし、中長期的な企業価値の向上に向けて、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行うことを2024年5月15日に公表いたしました。 世界的なインフレによる原材料、労務費、輸送費等の建設コストの高騰など外部環境の変化の影響を受け、「VISION2030」に掲げたROE7%超の維持が未達、PBR(株価純資産倍率)が1.0を割り込んでいる状況であることから、主要セグメントである土木事業・建築事業の収益性確保により「VISION2030」の業績目標を達成し、株主還元の充実、IR活動の強化などによる株価の向上に向けた取り組みの実施により、ROEとPBRの改善・向上に繋げてまいります。 具体的な目標・取り組みは以下のとおりです。(ⅰ)利益確保によるROEの改善 「VISION2030」に計画する工場設備投資等による既存事業の充実に加え、新規事業への挑戦・拡大を図るとともに、「工事工場利益改善プロジェクト」にて策定した諸施策の遂行により、売上高350億円超、営業利益率5%超の実現することにより、ROE8%超の実現を目指す (ⅱ)株価向上施策によるPBRの向上①配当政策の見直し株主還元強化による株価向上施策の一環として、配当性向40%を目指す②自己株式の取得資本効率向上と株主還元強化の一環として、自己株式の取得を検討③IR活動の強化積極的な情報開示とIR活動の強化 (ⅲ)他社との協業による企業価値の向上 富士ピー・エスは、2025年6月に主力分野の異なる大豊建設株式会社と将来的な企業価値の向上を目指す施策の一環として、業務提携を行いました。 主力分野の異なる企業との協業は、シナジー効果によって企業価値を安定的に高め、対象市場を拡大し、コスト競争力を強化できるものと考えております。 業務提携の主な目的と内容等は次のとおりです。①プレキャスト化の推進②メンテナンス工事におけるトータル対応の実現
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において富士ピー・エスグループが判断したものであります。(1)公共事業の市場環境の影響について 富士ピー・エスグループの事業は公共土木事業への依存度が7割程度であります。国土強靭化策などにより公共事業は増加基調にありますが、わが国の財政事情などから、この増加基調が中長期的に継続するか否かは不透明であります。富士ピー・エスグループは公共事業に偏らない土木・建築を両輪とした安定的な事業構造への転換を進めておりますが、建築事業の拡大が進展しない場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、公共事業以外の受注活動も強化することで、リスクの軽減を図っております。 (2)現場での労災事故について 建設業界は高所作業など危険作業が多く、産業界でも重大事故発生率が最も高い産業であります。富士ピー・エスグループは「安全なくして生産なし」をスローガンとして掲げ、グループを挙げてゼロ災害に取り組んでおります。しかしながら、万一、労災事故が発生した場合は、工事成績評点へのマイナス影響や、関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、各支店に安全衛生委員会を設置し、安全パトロールや作業員に対する安全衛生教育を定期的に実施するとともに、日常の安全衛生活動では、安全朝礼、ツールボックス・ミーティング、危険予知活動(KY活動)を行い労災事故の防止に努めております。 (3)契約不適合責任及び製造物責任について 「安全と安心」を企業ブランドとして掲げ、品質管理にはグループを挙げて万全を期しておりますが、万一、契約不適合責任及び製造物責任による損害賠償や補修工事などが発生した場合は、多額の補修費用の発生や関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、工事受注後から設計照査を行い、品質パトロールを定期的に実施するなど、プロセスチェックを実施する品質管理体制により、厳密な品質管理を徹底することで、リスクの軽減を図っております。 (4)PC建築製品製作のための工場設備について 富士ピー・エスグループの事業安定化のためには建築事業の拡大が不可欠であり、その主力製品は工場部材であることから、各地域市場に供給する工場設備の保有が必要であります。民間建築投資は景気、物価、賃金、雇用動向等に大きく影響を受けることから、景気の低迷等による需要低下で工場の稼働率が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、公共事業を中心とする土木事業のプレキャスト化を推進することで、民間建築投資に過度に依存しない体制を構築し、リスクの軽減を図っております。 (5)官公需法の影響について 官公需法とは、地元企業育成のために地元中小企業に優先的に公共事業を発注する制度を定めた法律であります。特に地方自治体は地域振興策を強化しており、官公需法の運用が堅持・強化された場合は、富士ピー・エスグループはこれら地元中小企業の下請けになるケースや地元企業との共同企業体となるケースが増加することなどが考えられます。 元請けや共同企業体構成員となった地元企業が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、契約前に取引先の信用調査を適切に実施することで、リスクの軽減を図っております。(6)資材価格や外注労務単価変動の影響について 様々な要因で資材の購入単価や外注労務単価が高騰し、契約条件にある請負金額のスライド条項などが適用されない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、発注者との交渉を密にし、スライド条項が適用されるように働きかけることで、リスクの軽減を図っております。(7)建設技術者や技能労働者の不足について 少子高齢化の進展や建設産業の構造的な問題により、建設技術者や技能労働者の不足が顕著な問題となっております。労働者不足に関しては国をあげた課題として取り組まれており、この問題に適切に対応できない場合は施工能力が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、建設技術者や技能労働者不足に対応するために、現場工事のプレキャスト化の推進や、女性技術者及び外国人技術者の採用を積極的に行うことで、リスクの軽減を図っております。 (8)大規模自然災害等 地震や台風等大規模な自然災害の発生や感染症の流行により、富士ピー・エスグループの事業遂行に直接的または間接的な影響を受ける可能性があり、富士ピー・エスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、事業継続に重大な影響を及ぼす大規模自然災害や感染症等の不測の事態に備え事業継続計画を策定するとともに、大規模災害を想定した避難訓練、安否確認訓練を実施し、リスクの軽減を図っております。 (9)情報セキュリティについて 富士ピー・エスグループの事業活動において、施工物件や知的財産に関する情報など、多様な電子データを取り扱っており ます。近年、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃が増加し、富士ピー・エスグループ内で同様の事象が生じた場合、 機密情報や個人情報などの漏洩に加え、事業活動の継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、情報セキュリティ研修によるリテラシー向上や、マルウェア検知ソフトの導入、他拠点バッ クアップによるデータ保護を行っています。さらに、感染時や感染が疑われる場合に、適切な連絡体制を通じて速 やかな報告を行い、定められた手順に従って迅速に対応して情報システム環境の復旧と適切な情報発信を行うこと を事業継続計画に定め、リスクの軽減を図っております。 (10)法的規制等について 富士ピー・エスグループの事業は、建設業法、建築士法、建築基準法等の法的規制を受けております。主要な事業であります土木・建築事業は、建設業法に基づき、特定建設業許可を受けておりますが、不正な手段による許可の取得や経営管理者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなります。 富士ピー・エスグループでは、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、現時点において、これらの免許の取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、富士ピー・エスグループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 富士ピー・エスグループでは、法務部門が当該許可の諸条件や法令等を遵守していることを定期的に確認することでリスクの軽減を図っております。 (許認可等の状況)法令等許認可等有効期限取消事由建設業法特定建設業の許可国土交通大臣許可(特—4)第2301号2022年11月26日から2027年11月25日まで(5年ごとの更新)建設業法第29条
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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