日本リーテックグループは、日本リーテック、子会社8社及び関連会社3社(2025年3月31日現在)で構成され、電気設備工事業(鉄道電気設備工事、道路設備工事、屋内外電気設備工事、送電線設備工事)、兼業事業及び不動産賃貸事業を主な内容として事業活動を展開している。
日本リーテック及び日本リーテックの関係会社の事業における日本リーテック及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりである。なお、セグメントと同一の区分である。
事業の系統図は次のとおりである。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、日本リーテックグループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
日本リーテックグループは、「日本リーテックは、鉄道の技術から発展した総合電気工事会社として、安全を第一に、品質の向上と技術の研鑽に努め、変革に挑み続けます。そして、卓越した技術と誠実な施工により、お客様から信頼され、共に成長し、広く社会基盤の構築に貢献することで、持続可能な社会を目指します。」という経営理念を掲げ、お客様の期待と信頼に応え、社会に貢献していく。また、以下の3つの基本方針を掲げ、時代の変遷に対応するため、「変革と挑戦」への意識改革の取組みをより一層強化するとともに、会社の変革を目指して社員一人ひとりが仕事の仕組みを変え、会社を変革し続けることにより企業価値の向上を図っていく。
(安全)
安全は経営の根幹である。労働災害及び重大事故ゼロを目指して、役員、社員一人ひとりが自らの職責を全うして安全を築き上げます。
(意識改革で会社・社会の発展)
役員、社員一人ひとりが、常にチャレンジ精神で自ら考え行動することにより、競争力と収益力に優れた企業として、持続的に成長し企業価値と社会価値の向上を目指します。
(社員の働きがい)
役員、社員一人ひとりが、仕事に誇りを持って自らの成長に努め、社会への貢献を通じて、仕事と生活の調和のとれた働きがいのある職場を実現します。
(2)環境基本理念
日本リーテックグループは、「工事を通じてインフラを支え、社会に貢献する」ことを使命とし、これまでも「エネルギー」や「まちづくり」などの分野で、環境を巡る課題解決と親和性の高い事業を行ってきた中、2022年度に以下に掲げる環境基本理念を定め、これまで以上に環境に対する事業活動を力強く推進していくこととした。
(環境基本理念)
日本リーテックグループは「広く社会基盤の構築に貢献する」という経営理念のもと、地球環境に対する継続的改善を経営の重要課題と位置づけ、事業活動の全ての場面において、環境負荷の低減に努め、持続可能な社会の実現に向けて貢献いたします。
(3)中長期的な経営環境と対処すべき課題への取り組み
今後の日本経済については、内需回復の柱とされる個人消費や設備投資等に支えられ、引き続き景気は緩やかな回復基調で推移するものと想定される。しかしながら、景気の下振れ要因は多く、中でも不安定な国際情勢や円安が懸念材料となっており、海外経済の減速や人手不足による供給制約等が加わることで回復の遅れが懸念される状況となっている。
このような中、日本リーテックグループは資材価格の高騰や労務費の上昇等による建設コストの増加影響もあり、利益の確保については厳しい状況が続いているものの、受注の回復を背景に業績は改善に向かっている。そして社会経済活動が正常化してきた中、今後は日本リーテックグループの成長力が試される時期に入ったものと認識している。
2024年度は中期経営計画「Change and Innovation RIETEC 2024」の最終年度となるが、経営資源の最適化やDX・イノベーションの推進等により更なる生産性の向上を図り、柔軟かつ効率的な経営を実現していく。そして早期の業績回復はもとより、資本効率の向上によるROEの改善を目指すとともに、株主価値の向上に努めていく。
(中期経営計画「Change and Innovation RIETEC 2024」の骨子)
① 全ての基盤である「NR安全の樹」
経営の根幹である「安全」は、安全品質№1企業を目指し、日本リーテックの安全ポリシー「NR安全の樹」を企業文化として、そのこころをグループ一人ひとりがアイデンティティとなるまでに高めること、そして、安全を支える活力ある職場作りを通じ、私たちの仕事が社会を支えているという高い志「NR品質・NRプライド」を持つ人材の育成に取り組み、お客様から更なる信頼をいただけるよう努める。
② 持続可能な社会とNRグループの新たな成長を目指す「NRサステナビリティ」
近年、サステナビリティを巡る課題解決に向けた企業活動の取り組みが高まっている中で、特に日本リーテックグループにとって重要な社会課題である「環境」に重点を置き、「環境基本理念」を制定するとともに、TCFD提言に基づく気候関連の情報開示を行い、具体的取り組みを策定した。「環境」をキーワードとする日本リーテックグループの新たな成長戦略によりサステナブルな社会の実現に貢献するとともに、既存分野においても近年目覚ましい発展を遂げるデジタル技術を活用した生産性向上に取り組み、成長軌道としてのGX(グリーン・トランスフォーメーション)とDX(デジタル・トランスフォーメーション)を実現していくものとする。
③ 成長基盤の根幹となる「人間企業NR」
日本リーテックグループの企業力の源泉は、社員一人ひとりの技術力の集積であり、継続的に成長していくためには、社員一人ひとりが成長し続けていかなければならない。人を育て、人を大切にする「人間企業NR」として、引き続き働き方改革を進めるとともに、総合研修センターを中心とした教育・研修体制の充実を図り、規律ある優秀な技術者の育成に努める。優秀な人材を確保するため、採用の強化、ダイバーシティへの取り組み、社員の待遇改善等、日本リーテックグループの社員であることに誇りを持てる仕組みを構築して、将来を見据えた人材育成に取り組む。
④ ガバナンス体制の維持と企業価値の向上「NRガバナンス」
日本リーテックグループは、社会基盤構築に貢献する企業として安全最優先の企業風土、コンプライアンスとリスクマネジメント力の強化を図り、ステークホルダーからの信頼を確固たるものにしていく。
日本リーテックグループは合併後財務体力強化に努め、強固な財務基盤を構築してきた。今後は、積み上げた財務体力を積極的に活用し、「NRサステナビリティ」で取り組む新規事業への進出や生産性向上に必要な成長投資を行う。この中期経営計画を通して、各種社会インフラ基盤整備事業への参画により、社会に必要とされる企業グループとして持続的な成長を目指す。一方で、経営環境の大きな変化を踏まえ、既存事業における効率化と生産性向上に向けた取り組みを加速させ、企業価値向上を目指す。
(中期経営計画の目指す方向性 ~3つのS(Safety Smart Sustainability))
新型コロナウイルス感染症の蔓延や世界情勢の悪化により、社会経済は大きな影響を受けた。お客様の経営環境が激変するとともに、地球温暖化による災害増加は私たちの暮らしそのものに大きな影響を与え始めており、これらは日本リーテックにとって大きなリスクとなっている。しかしながら、発足以来一貫して工事を通してインフラを支えることで社会に貢献することを使命としている日本リーテックグループにとっては、これらのリスクをチャンスに変え、新たなニーズをビジネスに繋げていくことで、グループの持続的成長と持続可能な未来の暮らしづくりの両立に向けて、3つのS(Safety Smart Sustainability)に取り組むことが重要であると捉え、3つのSの課題解決へと取り組んでいく。
取組むべき重要課題(Safety Smart Sustainability=3つのS)
(中期経営計画の経営数値目標)
当面、厳しい経営環境が予想される中、既存事業の生産性向上と環境を中心とした新規事業にチャレンジするため、積極的な成長投資による持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指す。
中期経営計画最終年度(2024年度)における経営数値目標については、2024年5月14日に下表の数値に修正し東京証券取引所へ開示を行った。売上高については、現在の繰越工事高や今後の受注見込みを踏まえ、当初計画を上回る見通しとなった。一方、営業利益につきましては、建設コストや人件費の上昇をはじめ、中期経営計画策定時に前提としていた経営環境が大きく変化しており、当初計画を下回る見通しとなった。なお、中期経営計画に掲げている基本方針や経営戦略等に変更はない。引き続き持続的な成長と企業価値の向上に努めていく。
(資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について)
日本リーテックは、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の策定にあたり、取締役会において現状の分析・評価を行うとともに、持続的な企業価値向上に向けた方針・目標、具体的な取り組みについての議論を重ね、2023年12月21日に東京証券取引所へ開示を行った。
詳細は日本リーテックホームページ(https://www.j-rietec.co.jp/ir/plan/)を参照されたい。なお、本計画策定時の売上高・ROEの目標水準及び2023年度の実績は下記のとおりである。
ROEについては、早期に株主資本コストを上回る水準への回復を目指すこととし、当面の目標(第1ステップ)として、遅くとも2027年度には、ROE=5.5%を達成することを目標とし、できるだけ前倒しでの実現を目指す。
第1ステップを収益力強化の基盤作りの期間と位置づけ、第2ステップとして、ROE=8.0%以上の水準を目指す。
ROE=5.5%の目標達成のために目指すべき業績水準は、売上高=630億円、営業利益=45億円と想定しており、早期達成を目指す。
2024年3月期のROEは4.8%となっており(前期比1%改善)、計画策定時の想定ラップを上回る水準で推移している。
日本リーテックグループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において日本リーテックグループが判断したものである。
(1) 市場の動向及び競合
日本リーテックグループの事業は、主として建設業に属しているため、公共投資及び民間の設備投資等の動向により市場が著しく縮小する可能性があり、この場合受注額が減少し業績等に影響を及ぼす可能性がある。
また、競合する他社との受注競争の激化等により、低採算化、収益力の低下等、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 法令違反
日本リーテックグループは、法令遵守及び企業倫理を確立し、その意識を社内に徹底させるため、コンプライアンス担当役員及びコンプライアンス委員会を設置して企業倫理の強化を図っているが、法令・諸規則に違反する行為又は疑義を持たれる行為が万一発生した場合は、受注状況及び業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(3) 工事における事故の発生
日本リーテックグループは、工事の安全を全てに優先し各種工事の施工を行っているが、施工過程において事故や労働災害を発生させた場合、顧客からの信用を失墜させる恐れがあり、受注環境に多大な影響を与えることから、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 工事における品質不良の発生
日本リーテックグループは、品質管理には万全を期しているが、万一、重大な契約不適合が発生し、その修復に多大な費用負担が生じた場合には、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(5) 東日本旅客鉄道株式会社との関係について
日本リーテックと東日本旅客鉄道㈱との間の主な関係等については、下記「① 資本関係について」から「④ 東日本旅客鉄道グループとの取引関係について」に記載のとおりであるが、日本リーテックの重要事項決定等に際して東日本旅客鉄道㈱への報告や決裁を必要とするといった事業活動上の制約等は受けていない。また、鉄道電気設備工事の施工についても、特別な取引条件等はなく、一般的な取引内容の範囲を逸脱するものではないことから、日本リーテックの独立性は十分に確保されていると判断している。
これらの東日本旅客鉄道㈱との関係について、何らかの理由により関係が現実に悪化した場合又は悪化したと受け取られた場合には、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
① 資本関係について
東日本旅客鉄道㈱は、当連結会計年度末現在において日本リーテック発行済株式総数の持株比率16.9%を所有する「その他の関係会社」で筆頭株主である。また、日本リーテックは東日本旅客鉄道㈱の持分法適用会社となっている。なお、日本リーテックと同様に鉄道電気設備工事を施工する東日本旅客鉄道㈱の持分法適用会社が存在するが、当該持分法適用会社及び日本リーテックそれぞれが独自で受注活動を行っている。
② 取引関係について
日本リーテックは、東日本旅客鉄道㈱の鉄道事業分野において、列車の安全・安定輸送を支えるための電気設備を施工するパートナー会社として位置付けられており、事業上の協力関係にある。東日本旅客鉄道㈱との取引は関連当事者との取引に該当するが、当該取引の内容、合理性、取引条件の妥当性等について独立社外取締役が3分の1以上を構成する日本リーテック取締役会にて定期的に検証を行い、取引の健全性及び適正性を確保する体制としている。東日本旅客鉄道㈱に対する売上高は、日本リーテックグループの売上高構成で大きな割合を占めていることから、同社の設備投資等の計画が、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
③ 人的交流について
日本リーテックグループの売上高構成で鉄道電気設備工事は大きな割合を占めていることから、鉄道に関する安全や技術をはじめとした幅広い知識や経験は、日本リーテックグループの事業戦略上、必須となるものである。従って、日本リーテックと東日本旅客鉄道㈱の間において、マネジメント強化、人材育成、業務習得等の観点から人事交流が行われており、出向社員の派遣及び受入れを行っている。また、専門的・客観的な視野による助言を得ることで、これら事業戦略をより一層強固なものとすべく、東日本旅客鉄道㈱より社外取締役1名を選任している。
④ 東日本旅客鉄道グループとの取引関係について
日本リーテックグループは、鉄道軌道上の工事用車両をリースするJR東日本レンタリース㈱等、東日本旅客鉄道グループ内の各社と取引を行っている。これら東日本旅客鉄道グループ内各社との取引は関連当事者との取引に該当するが、当該取引の内容、合理性、取引条件の妥当性等について検証を行い、取引の健全性及び適正性を確保する体制としている。
(6) 人材の確保と育成
日本リーテックグループの事業拡大にあたっては、電気工事施工管理技士や土木施工管理技士等の公的資格及び顧客固有の資格を有する技術者の確保及び育成が不可欠である。日本リーテックグループは採用活動における多様性の推進、社内外の充実した研修設備による人材育成、個々の働き方に合わせた社内制度拡充等による人材流出の防止に努めているが、工事施工を賄える人材確保、育成ができない場合には、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(7) 自然災害の発生
日本リーテックグループは、今後想定される震災等の大規模災害への備えとして、地震等災害対策要領並びに防災マニュアルを整備しているが、地震・洪水・台風等の自然災害が発生した場合は、事業活動の一時的な停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等により、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(8) 感染症の流行
日本リーテックグループは、感染症の流行にあたり、従業員や協力会社の安全を第一に考え、衛生管理の徹底や時差通勤・テレワーク勤務等を推奨し、可能な限りの感染予防や拡大防止に努めているが、安全や施工体制の維持・確保ができない状況となった場合は、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(9) 資材価格及び労務費の高騰
日本リーテックグループは、原材料価格及び人件費をはじめとした建設コストの上昇に対して、発注者との価格交渉や効率化・生産性向上による原価低減を通じて利益改善に注力しているが、取り組みの成果を上回る建設コストの上昇が続く場合は、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(10) 情報システム障害等の発生
日本リーテックグループは、総務・人事・会計・工事管理等の基幹業務を社内システムにより処理しており、セキュリティ対策は万全を期しているが、万一、そのシステムに人的ミス・自然災害・コンピュータウイルス等により障害が発生した場合は、事業運営に支障をきたす可能性がある。また、情報の流出等が発生した場合は、日本リーテックグループのイメージの低下や損害賠償の発生等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(11) 環境関連法令及び規制等の強化
日本リーテックグループは、有害物質、廃棄物、商品リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けており、グループを挙げて環境問題に取り組んでいるが、サステナブルな社会の実現に向けた意識の高まりに伴い、将来、環境関連法令及び規制等が強化されるなど、日本リーテックグループの環境保全のより一層の取組みが求められる場合には、対応コストの発生等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(12) 気候変動
日本リーテックグループは、公共性が高い社会インフラ整備事業を主体としているため、中長期的な気候変動が工事の受注に与える影響は限定的と考えているが、洪水・台風等の自然災害が発生した場合は、事業活動の一時的な停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等により、日本リーテックグループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。
(13) 特有の法的規制等
日本リーテックグループの売上高構成で約9割を占める電気設備工事業は、建設業法に基づく特定建設業許可を受けているが、不正な手段による許可の取得や経営業務管理責任者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなる。日本リーテックグループでは、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、当連結会計年度末現在において、これらの許可の取消事由に該当する事実はないと認識しているが、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、日本リーテックグループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。
(14) 業績の季節的変動
日本リーテックグループの主たる事業である電気設備工事業の売上高は、契約により工事の完成引渡しが第4四半期に集中するため、第4四半期の売上高が事業年度の売上高の4割程度となる傾向がある。また、販売費及び一般管理費等の固定費は各四半期に概ね均等に発生するため、利益についても第4四半期に偏重する傾向がある。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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