大氣社(1979)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】大氣社グループは、国内外にわたり、大氣社及び子会社32社並びに関連会社3社で構成されており、「環境システム事業」及び「塗装システム事業」を主たる事業としております。「環境システム事業」は、主に一般事務所等に関連するビル空調設備及び工場等の生産設備や研究所等に関連する産業空調設備の設計・監理・施工並びにこれらに関連する資機材の製造・販売を行っております。「塗装システム事業」は、主に自動車産業に関連する塗装設備の設計・監理・施工並びにこれらに関連する資機材の製造・販売を行っております。なお、これらの事業はセグメント情報に掲げるセグメント区分と同一であります。各事業別の市場・顧客分野は次のとおりであります。環境システム事業:事務所、ホテル、店舗、学校、研究所、劇場、ホール、病院、データセンター等の一般空調設備半導体、電子部品、電池、精密機械、医薬品、食品等の製造工場におけるクリーンルーム等及び植物工場等の産業空調設備塗装システム事業:自動車車体・バンパー等、自動車産業向けのほかに建設車両・鉄道車両・航空機・一般産業機器等の各製造工場における塗装設備 事業の系統図は次のとおりであります。 (注) ※ 持分法非適用関連会社
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、大氣社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針大氣社を取り巻く劇的な事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応し、大氣社グループの経済的価値と社会的価値の長期的・持続的な増大を目指すためには、時代によらず変わらない拠りどころを明確にする必要があると考え、大氣社グループは、理念体系を見直し、「顧客第一」の精神のもと、Purposeとして「大気をまもり、未来をひらく。」を掲げました。 ア. Purpose 大気をまもり、未来をひらく。私たちの技術と創意を通じて、産業社会の高度化と地球環境との調和を図り、人々の豊かな暮らしに貢献する。 「大気社」という社名には、公害問題が大きな社会課題であった時代に日本において「澄んだ空気を取り戻す」という強い志と、揺るぎない決意が込められています。これからの時代においてもお客さま、そしてその先にある社会に対する志を原動力に、より革新的なソリューションを生み出すことで、産業の高度化と地球環境との調和を絶え間なく追求していきます。 イ. Vision 世界の知を、現場のカタチに。「グリーンテクノロジー」と「ロボティクスオートメーション」に先端技術を掛け合わせ、エンジニアリング企業として世界中の現場で最適な解を創り出す。 Purpose実現のために、私たちはエネルギー・空気・水の領域で培ってきた「グリーンテクノロジー」や「ロボティクスオートメーション」、そして世界各地の知見とネットワークを掛け合わせたイノベーション創発を通じて、ひとつひとつの現場に求められる答えを、日々具現化してまいります。 (2) 10年プラン2035(2026年3月期-2035年3月期)大氣社グループは、2025年5月15日に開示しました10年プランにおいて、2035年のありたい姿として、「Be Engineering for a Sustainable Society」(「持続可能な社会の構築」に貢献するグローバルエンジニアリング企業)を掲げております。広範な産業領域での生産革新の進展と脱炭素などのサステナビリティが問われる中、さまざまな工学分野の要素技術の組み合わせにより、最適なシステムを構築することで、社会課題を解決することが大氣社グループの使命と考えております。2035年のありたい姿の実現に向けて、「Innovative Engineering」、「Global Inclusion」の2つの指針を掲げました。また、それら2つの指針の下に大氣社にとっての「8つの戦略的焦点」を定めました。① 2つの指針(ア) 「Innovative Engineering」「さまざまな工学分野の要素技術」を複合化することで求められる機能を発揮するシステム・仕組みを構築し、スマートでカーボンニュートラルな産業発展に貢献する企業を目指します。・産業領域への注力エレクトロニクス、自動車、医薬品、データセンターなどの先端産業領域に対するエンジニアリングを強化し、大気社の「原点」である独自性を発揮します。 ・「Design, Build & Care」の追求デザインの提案から施工、アフターケアまで一貫したサービスを提供することで、高付加価値を創造するエンジニアリングを目指します。・GXとDXの最適化カーボンニュートラルとデジタル化に挑む企業の生産環境の脱炭素化やスマート化を推進し、最先端技術を駆使したソリューションを提供します。(イ) 「Global Inclusion」地球規模(グローバル)の環境・社会課題の解決を目指して世界各地(ローカル)に根差したビジネスを展開し、世界各地の産業・社会・人々と共に繁栄できる企業を目指します。・グローバルネットワーク50年をかけて構築した20カ国・30拠点に及ぶグローバルネットワークを活用し、国内外の産業界との信頼関係を強化します。・グローバル研究開発体制世界各地域の産業界のニーズに応え、課題を解決するエンジニアリングとバリエーションのある高度技術を提供するため、5つのグローバル研究開発拠点を設置し技術革新に挑みます。・グローバル&ローカルコミットメント世界各地の市場ニーズを熟知した人材による事業展開を通じ、地球規模の環境・社会課題の解決に貢献します。 ② 8つの戦略的焦点(ア) 「成長産業」への積極展開半導体・電子部品、モビリティ、バッテリー、バイオ、医薬品、データセンターなどの成長産業市場に注力し、技術革新と市場ニーズに応えることで事業拡大を図ります。これにより、持続可能な社会を支えるエンジニアリングサービスを提供します。(イ) グローバルな「地域戦略」北米、インド、欧州、ASEANなどの海外市場において、求められる技術と製品を提供し、地域特性に合わせた戦略を展開することでグローバルな競争力を強化します。(ウ) 「非日系企業」の開拓大氣社グループの「技術ケイパビリティ」の「見える化」、独自の技術・ノウハウの「標準化」を通してグローバルに成長を遂げる非日系企業の開拓を進めます。それにより日系企業中心の顧客ポートフォリオの変革を目指します。(エ) 「知的資本」の増強産業・社会のCO2削減に貢献する新技術を駆使した新しい事業の開発による「GXエンジニアリング技術」の高度化と、自動車向け塗装システム事業で培った先進的なファクトリーオートメーション技術による「DX・オートメーション技術」の高度化を通して、広範な産業領域における「グリーン化」と「スマート化」に貢献します。(オ) 「人的資本」の増強「急増するビジネス機会」への対応力を強化するため、「人的資本の拡充(数的・質的)」と「ビジネスプロセスの合理・効率化」を図ります。(カ) 「事業推進・モニタリング体制」の強化成長戦略会議やデジタル・イノベーション委員会の新設、デジタル戦略委員会の機能強化、ROIC経営のグループ全体への浸透等により、事業推進とモニタリング体制を強化します。 (キ) 「グループグローバル経営基盤」の強化「グローバル共通システム基盤」の導入や、「ITガバナンス体制」の強化、「アセアン地域管理部」の新設などの取り組みにより、グローバルにガバナンスの強化を図ります。(ク) DX戦略データ分析とシミュレーションを活用した新しい価値の提供、海外拠点間の連携・共創による活性化、業務プロセス改善による業務効率化と高収益化を推進します。 (3) 目標とする経営指標10年プラン2035及び中期経営計画の財務・非財務目標は、以下のとおりであります。 項目実績(2026年3月期)予想(2027年3月期)中期経営計画(2028年3月期)中期経営計画(2031年3月期)中期経営計画(2035年3月期)受注工事高3,517億円3,305億円2,960億円――完成工事高2,861億円3,070億円3,365億円4,000億円5,000億円超経常利益247億円250億円227億円――親会社株主に帰属する当期純利益155億円180億円158億円――自己資本利益率(ROE)10.1%11.0%10.3%11.0%12.0%以上自己資本比率56.1%―40%以上――配当政策(DOE)4.5%(4.0%)4.5%(4.0%)4.5%(4.0%)4.5%5.0%以上自己株式取得50億円50億円50億円――政策保有株式の対純資産比率21.1%15%-20%15%以下――CO2排出量(スコープ1・2)(2022年度比)――26%削減42%削減53%削減CO2排出量(スコープ3)(2022年度比)――15%削減25%削減35%削減従業員数5,525名―――7,200名 ※ 赤字は見直し後の数値目標、カッコ内は2025年5月時点の目標数値 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題大氣社グループは、2035年のありたい姿の実現に向け、2026年3月期から始まる中期経営計画を「変革に向けた再構築」の3年間と位置づけ、財務戦略の実行、成長戦略の実行、成長戦略を支える制度・体制の整備を経営課題と定めております。① 財務戦略の実行最適な資本バランスを考慮しつつ、政策保有株式の売却、投資前営業キャッシュフロー、分配可能資金、借入金による資金を活用し、将来のキャッシュ創出力を強化するための成長投資、基盤インフラ投資、また、株主還元として配当、自己株式取得を着実に実施してまいります。 (単位:億円)区分項目金額キャッシュイン政策保有株式の売却50基礎キャッシュフロー(投資前営業キャッシュフロー)515分配可能資金(現預金)または借入金の活用165キャッシュイン 合計730キャッシュアウト成長投資事業成長投資(R&D、新規事業関連投資等)65キャピタルアロケーション(M&A等) ※220デジタル成長投資70成長のための人的投資25成長投資 合計380基盤インフラ投資35配当165自社株買い150キャッシュアウト 合計730 ※キャピタルアロケーションの地域別内訳日本70億円北米70億円インド50億円欧州20億円ASEAN10億円合計220億円 ② 成長戦略の実行(ア) 環境システム事業市場戦略としては、半導体・電子部品市場におけるプレゼンスの維持と向上を目指しています。半導体分野では、九州や東アジアでのプロジェクト体制強化、精密温調機器ソリューションの提供を進めます。電子部品分野では、水再利用事業への参入、エネルギーマネジメント事業の強化、海外電気事業の強化を図ります。それらを支える取り組みとしては、日本では人的リソースの増強と最適化、生産性向上、協力会社との関係強化を推進し、ASEANでは組織体制の強化としてシンガポールに統括部を設置し、情報共有や人的リソースの強化、技術イノベーション拠点の設立を進めます。さらに、カーボンニュートラルに向けたGXエンジニアリング技術開発を推進し、エネルギーソリューションの高度化、資源循環対応の強化、環境規制対応の強化を図ります。(イ) 塗装システム事業四輪および非四輪市場におけるプレゼンス維持・向上を目指しています。四輪市場では、グリーンファクトリー化によるドライ加飾技術の実用化、四輪車OEMへの積極展開、スマートファクトリー化によるオートメーション技術の高度化、欧州顧客ポートフォリオの拡大を推進します。非四輪市場では、四輪市場で磨いてきた塗装技術、カーボンニュートラル技術の他産業への展開として、環境システム事業との営業シナジーで産業空調領域のスマート化に貢献していきます。多品種少量生産のスマートファクトリー化、ドライ加飾適応市場の探索、デジタルツイン技術によるコンサルティングからアフターメンテナンスまでの一貫したサービス提供、GHG排出量の削減提案による工場運営コンサルティングの実現を図ります。中でもバッテリー産業においては、環境システム事業と塗装システム事業の技術シナジーを活用し、増加するバッテリー工場建設需要に応える新しい製造ライン構築方法を提案し、新たな価値を創造します。(ウ) 新規事業事業開発本部のもと、調査~研究開発~営業~事業開発まで一貫して担う切れ目のない体制を確立し、中長期的な事業化実現に向け、各プロセスの連動を強化してまいります。事業開発基盤の強化を図るとともに、社内外ネットワークによる多様な技術の融合を通して、技術、産業分野、地域の3つの側面から「未知・未開拓領域」の探索を進めます。具体的には、熱エネルギー・排気処理、サーキュラーエコノミー(循環経済)への貢献、CO2回収などの環境・社会課題を解決する「新しい事業」を推進します。 ③ 成長戦略を支える制度・体制の整備・「事業推進・モニタリング体制」の整備成長戦略会議やデジタル・イノベーション委員会の新設により経営資源配分戦略とデジタル戦略の監督・執行を強化するとともに、デジタル戦略委員会に①全社BIM戦略、②グローバルコミュニケーション、③ITガバナンス・情報セキュリティ、④AI積極的活用、⑤電子購買の「5つの専門部会」を設け、デジタル戦略を推進してまいります。・グローバルガバナンスの強化海外関係会社のナショナルスタッフのトップ(CEO)をグループ経営に参画させる「グループ執行役員制度」、成長投資などの投資インセンティブを高め長期的な投資を継続推進するための「新管理会計制度」、「グローバル共通システム基盤」の導入などによりグローバルガバナンスの強化を図ります。・グローバル人材ポートフォリオマネジメントの構築グローバル人材ポートフォリオマネジメントの構築に向け、まずASEANから海外拠点の人材データベースを構築・運用します。技術カルテによる可視化とマネジメントを実現し、効率的な運用を目指します。新卒およびキャリア採用では、奨学金制度や大学連携、スカウティングを活用し、専門人材を獲得します。さらに、海外向け人材育成体制の強化、魅力ある評価・報酬制度の整備、ロイヤリティ・エンゲージメント向上のための施策を推進し、グローバルな人材基盤を強化します。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が大氣社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大氣社グループが判断したものであります。 (1) 民間設備投資の変動のリスク大氣社グループの事業においては、受注環境の変化が、売上、利益に大きく影響を与える可能性があります。環境システム事業では、海外における日系企業の投資の減少、塗装システム事業では、国内自動車メーカーの国内生産縮小の継続や世界的な自動車販売の低迷による設備投資の減少により、受注工事高が減少し、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、自動車メーカー各社のカーボンニュートラル実現に向けた生産設備の変化への対応が遅れると、顧客離れを招き、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し環境システム事業では、海外において、現地系企業への営業体制の強化、国内営業と連携した日系メーカーへの受注活動の推進を行ってまいります。また、塗装システム事業では、カーボンニュートラル実現に向けた顧客の生産設備に変化をもたらす大氣社の技術開発を加速するとともに、自動化技術を軸に、従来からの四輪・二輪車市場に加え、他の産業への参入を推し進め、オートメーション事業の拡大を目指してまいります。 (2) 大規模自然災害に係るリスク大氣社グループが事業を展開する地域において、地震、津波、風水害等の自然災害や、感染症等の世界的流行が発生したことで損失が発生し、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、大規模・広域な自然災害の発生にあっては、大氣社グループの直接的な物的・人的被害のみならず、顧客の事業活動、ひいては経済情勢にまで影響が及び、その影響が長期化することによって、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し国内外の不測の災害や事故、事件などの発生に備え、危機管理の基本方針を定め、危機管理体制を構築しています。危機が発生した場合、人命や事業継続に対する影響度に応じて対応レベルを3段階に区分し、それぞれのレベルに対応した危機対策を実施することを定めています。 (3) 海外事業及び海外関係会社の管理・統制に関するリスク海外各地において展開している事業については、予期しない法規制の改正、政情不安等が業績に影響を及ぼす可能性があります。外貨建工事契約に係る請負代金の入金及び発注代金の支払いについて為替変動による損失発生の可能性があります。さらに、連結財務諸表作成にあたっては海外関係会社の財務諸表を換算するため、為替相場の変動により大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、客先の倒産による債権の貸し倒れ、事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、海外関係会社の事業計画が達成できず業績が悪化し、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し海外進出先の政治・経済や法令の動向について情報収集を行い、カントリーリスク・海外の法規制リスクの抑制に努めます。外貨建工事契約に係る請負代金の入金及び発注代金の支払いから発生する為替リスクについては、先物為替予約等のヘッジを実施し、債権の未回収リスクについては、受注前審査による与信管理を強化するなど、可能な限りリスクの回避をしております。また、引き続き海外関係会社のガバナンス体制の高度化を進めてまいります。 (4) 技術開発に係るリスクカーボンニュートラル、省エネルギー、環境対策の改善・向上、オートメーション化等、顧客からの高まるニーズに対応したシステムの開発が遅れた場合、他社との技術的な差別化が図れず、受注機会損失や顧客からの信頼度や企業評価の低下などにより、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、カーボンニュートラルの実現に向けた脱炭素ビジネスへの取組としての環境負荷低減技術、大氣社の強みとなる技術である自動化技術の開発・実証を進め、社会的課題の解決を目指してまいります。そのために、技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」や新宿本社のR&Dサテライト施設を活用し、コミュニケーションの幅を広げ、社内外のソリューションの融合やイノベーションの発掘につなげていくとともに、デジタル技術を活用し、大氣社グループの横断的な活動の強化や学術機関・スタートアップ企業との融合による革新的技術開発の推進により、社会のニーズを先取りしたテーマに取り組んでまいります。 (5) プロジェクトの遂行における人材に係るリスク大氣社グループの事業分野である、建設業・設備工事業は、人材に大きく依存しております。国内においては、高齢化の進展や技術者育成の遅れにより、スキル・経験を有する技術者・技能者の数や質の低下が懸念されることに加えて、2024年4月から建設業においても時間外労働の上限規制が適用されたことに伴い、技術社員の総労働時間が減少し、中長期計画を達成するための設計・施工体制が構築できない場合、業績への影響が発生する可能性があります。また、海外においても、現地従業員の育成の遅れや離職により、現地化推進を担う中核人材が確保できず、長期的な海外事業展開に影響が発生する可能性があります。これに対し、協力会社との連携を強化するとともに、従前より行っているモジュール化の更なる推進や現場業務のフロントローディングの推進による現場作業の省力化と業務負荷平準化を進めてまいります。社内においては、研修を通じた基礎技術力の向上と現場における実践教育により、社員の技術力アップを図り、人材の育成を進めてまいります。また、デジタル技術を活用し、生産性を高めることにより、働き方改革を進め、魅力ある職場づくりを行い、人材確保に努めます。また、海外においても、グローバルな人材ポートフォリオマネジメントの導入により、中核人材の確保と育成に努め、現地化を進めてまいります。なお、社員の健全な心と体の維持・増進のため、2020年に「健康経営宣言」を発表し、代表取締役社長を健康管理責任者とした健康経営推進体制を明示し、様々な社員の健康施策の立案・実施とともに、その施策効果の検証と継続的な改善を行ってまいります。 (6) 重大事故や品質不具合による契約不適合等のリスク施工プロセスにおける事故、品質不具合等の契約不適合が発生した場合、社会的信用の失墜、大幅な追加費用及び顧客からの訴訟も含めた損害賠償請求等により業績面の影響が発生する可能性があります。請負工事については、顧客との間の工事請負契約に基づき、竣工後一定期間、契約不適合責任を負っており、この契約不適合責任に伴って発生する費用について、過去の実績に基づき完成工事補償引当金を計上しておりますが、当該費用が引当金残高を上回って発生することで、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し大氣社グループは、デジタル技術の活用等を通じて現場作業を削減し、安全と品質に関わる施工リスクの低減を図っております。また、社員・サプライヤーの教育、施工管理のデジタル化、品質に関する情報共有など、グループ全体で安全、技術品質の確保をするための体制と活動を強化してまいります。なお、万一の訴訟等の場合に備え、弁護士と連携し、訴訟等に適切に対応する体制を整備しております。 (7) 事業投資(M&A等)に関するリスク当グループの中長期的な成長戦略において、M&Aをはじめとした事業投資は重要であると認識しております。M&Aの実施にあたり、投資前の調査・検討を行ったにもかかわらず、買収後に収益計画と実績に乖離が生じた場合には減損損失の計上が発生し、大氣社の経営成績等へ影響を及ぼす可能性があります。大氣社ではM&Aの実施にあたり、最終的に取締役会で採決する前に、事業投資委員会でM&A実施の可否判断を行っております。また、リスク管理を行い、プロセスの明確化、意思決定の透明性確保、リスクへの牽制を効かせております。また、M&A実施後においても、PMI管理を継続することで、減損損失のリスクの低減に努めております。 (8) 法令順守に係るリスク大氣社グループの事業分野は、建設業法、独占禁止法、労働基準法をはじめ、多くの法的規制を受けており、大氣社グループ役員または従業員が法令に違反する行為を行った場合には、大氣社グループの事業活動が制限され、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し法令順守の維持・意識の向上を図るため、eラーニングなどによるコンプライアンス教育プログラムの継続的な実施とフォローを行い、また、コンプライアンス意識調査を実施し、コンプライアンス活動の有効性の検証と改善プロセスへの反映により、ルール違反を起こさない風土・仕組みづくりを行っていきます。 (9) 資材価格及び労務単価の変動リスク燃料高騰などの影響による建設資材の調達価格の高騰や少子高齢化・担い手不足により労務単価が高騰し、これを請負金額に反映させることが困難な場合には、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し受注時の地域別適正原価の把握や、契約における物価変動リスクのヘッジなどを通じ、資材価格及び労務単価の変動リスクの抑制に努めております。 (10) 機密情報漏洩に係るリスク年々、高度化、多様化、巧妙化するサイバー攻撃や、従業員の不正による故意のデータ持出し等により、個人情報や顧客情報等の機密情報が漏洩した場合、信用の失墜や損害賠償などにより、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、大氣社グループのITセキュリティ診断結果を基にリスク軽減施策のロードマップを策定し、対策を実施しております。また、デジタル戦略委員会にITガバナンス・情報セキュリティ分科会を発足し施策を推進してまいります。なお、大氣社ではITインシデント発生時の対応体制(大気社版CSIRT)を構築し、全社員を対象としたITセキュリティのeラーニングや標的型攻撃メール訓練など社員教育を進め、機密情報の外部への流出防止に努めております。 (11) 気候変動に係るリスク今後、脱炭素社会へ移行していく中で、政策、法律、技術、市場が変化し、企業の財務やレピュテーションに様々な影響を及ぼす可能性があります。大氣社グループにおいても、顧客の気候変動対応の動きにうまく適応できないことによる顧客離れ、カーボンニュートラル対応技術開発の遅れによる競争力の低下、炭素税導入によるコスト増加、また、平均気温上昇による労働生産性の低下や猛暑日の増加による施工中止など、これらの移行・物理リスクが大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、工場のZEB化など省エネ設備の施工拡大、低炭素な施工技術・システムの開発、設備の小型化・省エネ化、施工における機械化・自動化の推進などに取り組んでまいります。 (12) 人権に係るリスク大氣社グループの事業活動により人権への負の影響を引き起こした場合、もしくはそれを助長するような事態が生じた場合には、是正や救済の対応に関する追加的な費用の発生、社会的信用の低下を起因とした事業活動の停滞などにより、大氣社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。大氣社グループは、グローバルに事業を展開する企業として人権尊重を最も重要な事項の一つとして認識しており、大氣社グループの事業活動における人権に関する規範として「大気社グループ人権方針」を定めています。なお、サプライチェーン全体の活動に関しては、環境や社会に配慮し、サプライチェーン全体でサステナブルな事業活動を行っていく上で、大氣社グループの調達活動において守るべき基本的な事項を「サステナブル調達方針」として、同方針に基づき調達先に実践を求める事項を「サステナブル調達ガイドライン」として定めております。これらの方針及びガイドラインのもと、ガバナンスの順守、サプライチェーン全体を対象とした人権デュー・ディリジェンスの実施、役員・社員に対する教育・啓発活動など、人権尊重に向けた取組を推進し、人権リスクの低減や防止に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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