ニッテン(2108)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】ニッテングループは、ニッテン、子会社5社及び関連会社1社により構成されており、その事業は、ビート糖、精糖、イースト、オリゴ糖等食品素材、配合飼料、紙筒(移植栽培用育苗鉢)、農業用機械器具等の製造販売、物流を主な内容とし、さらに不動産事業、石炭・石油類及び自動車部品の販売、スポーツ施設の経営を行っております。ニッテングループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分はセグメントと同一の区分であります。 砂糖事業ビート糖、精糖、ビート糖蜜、精糖蜜、ポケットシュガーはニッテンが製造(精糖及び精糖蜜は関門製糖㈱に製造を委託)し、販売代理店を通じて各得意先に販売しており、うち一部は子会社ニッテン商事㈱を通じて販売しております。なお、ビート糖製造の燃料である石炭・石油類の一部を子会社スズラン企業㈱を介して購入し、また、ビート糖原材料及び製品ビート糖の輸送・保管の一部を子会社十勝鉄道㈱が行っております。 食品事業イースト、オリゴ糖、ベタインなどは、ニッテンが製造し販売しており、うち一部は子会社ニッテン商事㈱を通じて販売しております。子会社ニッテン商事㈱は食品の仕入れ販売を行っております。 飼料事業配合飼料は、関連会社とかち飼料㈱に製造を委託し、ニッテンが販売しております。なお、配合飼料の輸送の一部を、子会社十勝鉄道㈱が行っております。ビートパルプはニッテンが製造し販売しております。 農業資材事業紙筒(移植栽培用育苗鉢)、種子などはニッテンが製造し販売しております。農業機材(農業用機械器具及び農業資材)はニッテンが仕入れ販売しております。子会社サークル機工㈱にて、ビート用移植機を中心とした農業用機械器具の製造販売等の事業を行っております。 不動産事業ニッテン及び子会社スズラン企業㈱は、社有地に商業施設等を建設し賃貸するなどの不動産事業を行っております。 その他の事業子会社十勝鉄道㈱は、貨物輸送事業を行っており、ニッテンのビート糖原材料、製品ビート糖及び配合飼料等の輸送の一部を行っております。また、倉庫業として主にニッテン製品ビート糖の保管を行っております。子会社スズラン企業㈱は、石炭・石油類及び自動車部品の販売を行っており、その一部をニッテンへ販売しております。また、保険代理業、スポーツ施設等の営業も行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。 〇印は連結子会社、※印は関連会社で持分法適用会社であります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在においてニッテングループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針ニッテンは、「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、北海道寒地農業の振興と国内甘味資源自給率確保の社会的使命を企業理念として掲げ、安全で高品質の砂糖の安定的供給を主たる目標に事業を遂行しております。 ニッテングループでは、2022年にニッテングループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を掲げ、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。(「アグリーン」は「アグリカルチャー」と「グリーン」を掛け合わせた造語) 「日甜アグリーン戦略」これまで培ってきた製糖副産物を利用する技術や、バイオ技術、てん菜の収量を飛躍的に高めた独自の紙筒技術等を基盤に、「食品、畜産、紙筒、てん菜」の4つの分野で新製品や新技術の開発に取り組んでおります調達作物・各種作物栽培方針並びに新たな製品開発方針・栽培作物中CO2吸収能力の極めて高い“てん菜”を、引き続きニッテン事業の核とし、『持続可能なてん菜産業』実現のため、従来からの砂糖製造に加えて、てん菜を原料とした新たな製品・用途開発(健康食材・食品以外の素材開発など)を目指す。・原料てん菜及び他作物の栽培方法において、減農薬・減肥料・省人省力化(スマート農業)を目指し、生産者の生産費の低減に資する。・有機農業を視野に入れた製品群・栽培方法を開発・製造し、国内外に普及させる。・大量の炭素を長期間貯蔵する林業事業にニッテン技術(紙筒移植ほか)を活用し国内外に普及させる。・牛の健康に良い飼料を開発・製造し、牛の長命連産を目指す。・メタン発生量を減少する家畜用飼料の開発を目指す。生産から流通までの全工程における取り組み方針・原料輸送・貯蔵・製造・製品保管・製品輸送・販売において、効率化を目指し、省エネ・省人省力・省資材化を図り、製造費・販売費を低減する。カーボンニュートラル・環境負荷低減の取り組み方針・各工場・各事業所・不動産事業等で使用する電力・燃料の脱炭素化を目指す。・各工場・各事業所から排出される産業副産物の有価物利用を促進(資源の循環利用)。・社用車、社用農業機械などの使用燃料の脱炭素化を目指す。・ニッテン製品に使用される化石燃料由来のプラスチック・ビニールなどの包装・容器資材類について、削減並びに代替資材類の使用を促進する。 「日甜アグリーン戦略」で諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業グループに成長してまいります。 (2) 対処すべき課題及び中長期的な経営戦略(対処すべき課題)砂糖業界におきましては、インバウンド需要が引き続き堅調と見込まれるものの、物価高や消費者の低甘味嗜好、人口減少等の影響等により、厳しい状況が依然として続いております。 2025年12月、政府は2027年以降のてん菜・てん菜糖に係る政策支援数量を砂糖量にして55万トンとすることを決定しました。現状のてん菜糖生産規模が保証されることとなりましたが、一方で近年の気候変動に伴う低糖分、肥料価格の高止まり等によりてん菜生産における収益性が悪化しており、作付面積が漸減しております。 ニッテンの主業であるビート糖事業の根幹であるてん菜生産力の維持・向上が喫緊の課題であり、気候変動や病害虫に耐えうる新たなてん菜品種の導入や、農作業の省力化に貢献する適時適切な生産指導により、生産者の収益性向上を図り、作付面積の確保に繋げております。(中長期的な経営戦略)ニッテングループでは、2024年3月期から5年間の「第2次中期経営計画」を策定し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、企業価値の一層の向上に取り組んでおります。 成長事業である飼料事業、農業資材事業、食品事業では、海外輸出を含めた新規市場開拓、新商品開発等を進め、収益体質の改善を図ります。 また、自己資本水準の見直しを進め、将来の収益源となる成長投資、非連続成長に対する投資の実施及び株主還元の強化を、バランスを考慮しながら行います。 以上により、第2次中期経営計画最終年での目標であるROE5%の達成を目指してまいります。 第2次中期経営計画 基本方針 「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」事業戦略「成長事業の拡大加速」① 飼料事業 ・独自素材DFAⅢの海外展開 ・ビートパルプの多用途展開② 農業資材事業 ・有機農業用資材の新商品開発・海外展開 ・てん菜由来の有用物質を活用した商品の拡販③ 食品事業 ・BtoC市場での販売強化 ・国産ドライイーストの市場開拓 ・新たな機能を有する製品の開発「基盤事業の収益構造改善」④ 砂糖事業 ・省エネ・省人・省力化、販売強化⑤ 不動産事業 ・安定的な収益確保資本・財務戦略① 政策保有株式の縮減② キャッシュアロケーションの策定③ 株主還元の拡充④ 適切なバランスシートコントロール非財務戦略① 持続可能な農業への貢献② 気候変動への対応③ 資源の有効活用④ 食の安全・安心⑤ 働きやすい環境の実現⑥ 地域社会への貢献 「第2次中期経営計画の見直し」(2026年3月期~2028年3月期)てん菜作付面積の急激な落ち込み、地政学的リスクに起因した燃料価格の高騰及びその他の資材の価格上昇など、ここ数年で外部環境が著しく変化しており、てん菜を取り巻く環境の変化を適切に織り込む必要性が増していること、成長分野への投資を加速し収益体質の改善が一層求められることから、2025年5月に「第2次中期経営計画」を見直し、中期経営計画の3~5年度目標の再設定を行いました。 また、企業価値向上に向けた積極的な取り組みが必要な状況との認識のもと、2026年5月には「資本収益性の向上に向けて」を公表し、自己資本水準の見直しおよび成長事業の拡大・基盤事業の収益構造改善を図り、資本収益性を意識したバランスシートマネジメントを踏まえ株主還元をさらに強化し、計画最終年度(2028年3月期)におけるROE5%の達成ならびに中長期的なROE8%水準への向上を目指してまいります。 目標値 旧2027年度目標新2027年度目標 営業利益24億円30億円 ROE-5%以上※ 中長期的に8%以上を目指す 中期経営計画の3年度目となる2026年3月期は、主にビート糖生産量が回復したことによりビート原料糖の販売量が増加し、増収となりました。またエネルギーコストを始め製造原価は低減したものの、採算の厳しい原料糖の販売増加及び販売増加に伴う製品運送費用の増加等により営業損益は押し下げられ、営業利益は前期比90.2%減の52百万円にとどまる非常に厳しい結果となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に投資有価証券売却益の増加により5,032百万円となり、2026年3月期のROEは6.7%となりました。 ニッテングループは、急速に変化する外部環境に対応するため、経営戦略の再構築を急務と考えています。ニッテングループが掲げている「日甜アグリーン戦略」のもと、「てん菜糖業」から「てん菜産業」へと事業を発展させていきます。 工場でのさらなるコスト削減に加え、適正価格での販売を含めた事業基盤の強化に取り組みます。また、農業を基盤としつつ、新たな成長事業の展開にも挑戦します。これらを通じて、持続可能な食料システムの構築と新たな価値創造を実現し、より多くの方に支持される企業グループへ成長してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ニッテングループは、リスク管理体制の構築をリスク管理推進委員会で行っており、その内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてニッテングループが判断したものであります。 (1)砂糖事業への依存に関するものニッテングループでは、売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましても、ほとんどが砂糖事業に付随、又は関連する事業から成り立っております。このため、消費者の低甘味嗜好や代替甘味料の増加等による国内の砂糖消費量の減少が、ニッテングループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。(2)農業政策の影響に関するもの主力のビート糖事業は、国が策定する食料自給率の達成、北海道寒地農業の振興、砂糖の安定的な供給を使命として遂行されており、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等、国の農業政策に大きく関わっているとともに、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)等の国際経済協定の進展が、農業政策にも大きく反映される可能性が高く、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(3)原料てん菜の生産状況に関するものビート糖の原料であるてん菜は、農産物のため、生産量、糖分、品質は天候に大きく左右され、その結果、工場の操業度等に影響を与え、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(4)燃料等製糖資材の調達に関するものビート糖の製造に必要な燃料などの資材については、多くを海外から調達しております。このため、資材輸出国の地政学事象を要因とした国際的な需給の逼迫や相場の高騰、さらに為替及び物流事情等により、調達コストに大きな影響が生じ、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(5)輸入粗糖及び輸入穀物の価格変動に関するもの精製糖の原料である輸入粗糖、配合飼料の原料である輸入穀物は、海外商品相場や為替相場の影響を受け、調達価格が大きく変動することがあります。また、当該製品の販売価格は、基本的には輸入原料の調達価格の変動に準じた動きをしておりますが、相場の急激な変動を適宜販売価格に反映できない場合、ニッテングループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。(6)製品の販売価格に関するもの主力のビート糖事業において、ビート糖は国の糖価調整制度のもと国内産糖交付金の交付を受け、一般顧客向けの白糖と国内精製糖企業向けの原料糖に区分し販売されており、原料糖には入札価格に応じて複数の価格帯が存在しております。その製品販売価格は、海外砂糖相場等の影響を受け大きく変動することがあり、相場が急落し製品の販売価格が下落する場合、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。(7)食品の安全に関するものニッテングループでは、安心安全な製品を提供するため、「品質保証規程」に基づく管理体制を整えております。加えて、ニッテンの製糖工場は国際的な食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」を取得しており、品質管理体制を継続的に改善し続けていく仕組みを導入しております。しかしながら、万が一、食品安全に影響を及ぼすような事態が起きた場合には、製品回収、再発防止対策等の費用が発生するなど、ニッテングループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。(8)災害、感染症による生産停止等に関するものニッテングループは、北海道の生産拠点を中心に全国へ製品供給を行う事業活動を行っておりますが、台風や地震等の大規模自然災害や火災・停電等の事故災害、北海道の冬期の悪天候等により、製品生産や物流機能に支障が生じるリスクがあります。また、製糖工場等では大規模な装置を保持し稼働させているため、感染症の蔓延、労働災害の発生、重要な設備の故障等による生産停止等が発生した場合、ニッテングループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)気候変動に関するものニッテングループは、気候変動に伴う深刻な気温上昇により、主要な原料であるてん菜が生育不良となり、製糖工場の生産効率が大きく低下する等の影響を受ける可能性があります。また、脱炭素社会に向けた政府等の規制強化により炭素税等のコストや脱炭素化の進展に伴う省エネ設備導入や燃料調達コストが増加する可能性があります。気候変動により想定されるリスク等の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取り組み」に記載しております。(10)情報システムに関するものニッテングループでは、生産、販売、管理等の業務にコンピュータシステムを利用しております。これらを適切に管理するため、情報セキュリティ対策を講じておりますが、サイバー攻撃等による大規模なシステム障害や機密情報・個人情報の漏洩が発生した場合、正常な事業運営が困難となり、ニッテングループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクを踏まえ、ニッテンとしては安定した経営基盤を築くため、高品質原料の調達及び製糖工場の製造能力を最大限に発揮できるよう取り組むとともに、環境に配慮し省エネや製糖資材使用の抑制や調達等のリスクマネジメント等を推し進め、製造コストの削減に努めてまいります。 それらに加え、砂糖以外の事業についても、経営の多角化を推進しグループ全体の事業基盤の強化に努めてまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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