雪印メグミルク(2270)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


雪印メグミルク(2270)の株価チャート 雪印メグミルク(2270)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

2025年3月31日現在の雪印メグミルクグループ(雪印メグミルクおよび雪印メグミルクの関係会社)は、雪印メグミルク、子会社35社および関連会社15社で構成されております。

雪印メグミルクグループの事業内容および関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

なお、事業内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

事業区分

主要な製品

連結子会社 (注)

乳製品

乳製品(チーズ・バター・粉乳等)、油脂、機能性食品、粉ミルク等

雪印メグミルク㈱、雪印ビーンスターク㈱、八ヶ岳乳業㈱、甲南油脂㈱、チェスコ㈱、㈱エスアイシステム、SNOW BRAND AUSTRALIA PTY.LTD.、台湾雪印有限公司、PT,MEGMILK SNOW BRAND INDONESIA、UDDER DELIGHTS AUSTRALIA PTY LTD、三和流通産業㈱、㈱ベルネージュダイレクト、㈱ヨシダコーポレーション、INFANT NUTRITION CANNING AUSTRALIA PTY LTD、MEGMILK SNOW BRAND VIETNAM CO.,LTD

飲料・デザート類

飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザート等

雪印メグミルク㈱、八ヶ岳乳業㈱、㈱エスアイシステム、いばらく乳業㈱、みちのくミルク㈱、三和流通産業㈱

飼料・種苗

牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子、造園事業等

雪印種苗㈱、道東飼料㈱

その他

共同配送センター事業、不動産賃貸事業等

雪印メグミルク㈱、㈱クレスコ、㈱雪印パーラー、雪印メグミルクビジネスソリューション㈱、㈱エスアイシステム、ニチラク機械㈱、㈱ベルネージュダイレクト、㈱ロイヤルファーム、㈱RFペンケル牧場、㈱RF青森牧場、三和流通産業㈱、直販配送㈱

 

(注)持分法適用関連会社は下記の通りです。

乳  製  品:イーエヌ大塚製薬㈱、AGRO SNOW PTE.LTD.

飲料・デザート:ルナ物産㈱

そ  の  他:北網運輸㈱、日本乳品貿易㈱、㈱アミノアップ、SBSフレック㈱

 

 

事業系統図(雪印メグミルク、連結子会社及び関連当事者)は次のとおりです。


 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、雪印メグミルクグループが合理的と判断する一定の前提に基づいたものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。

 

(1)目指す姿(存在意義・志)

雪印メグミルクグループの目指す姿(存在意義・志)

雪印メグミルクグループは、2025年に北海道での創業から100周年を迎えます。

100周年を迎えるにあたり、2023年5月に、次の100年に向けて雪印メグミルクグループが進むための指針である「存在意義・志」のよりどころを「社会課題解決に向けた」創業の精神「健土健民」と定めました。


 

「健土健民」とは、「酪農は大地の力を豊かにし、その豊かな大地から生み出された牛乳・乳製品は最高の栄養食品として、健やかな精神と強靭な身体を育む」という、創業者のひとり、黒澤酉蔵の掲げた理想です。「健土健民」が生まれた時代、日本社会全体が貧困で満足に栄養を摂取することが出来ない社会でした。その社会課題を解決すべく「日本国内における安定的で豊かな食生活の充実」に取り組んだのが創業者たちでした。

創業から100年が経とうとしている今、気候変動や地政学的リスク、世界の人口増などによって、「食の持続性」は危機に直面しています。食によって社会から認められ、事業活動を続けてきた私たちにとって、「食の持続性」を実現することは社会的責務であり、挑むべき最重要課題です。

 


 

雪印メグミルクグループは、現在の社会課題である「食の持続性」への貢献を胸に、〈社会課題解決を目指す「健土健民」という創業の精神で、乳で培われた私たちの幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって、「食の持続性」を実現する〉ことを新たに「存在意義・志」として掲げました。


 

社会的価値と経済的価値を同期化させた重要課題(マテリアリティ)


 

「食の持続性の実現」を「存在意義・志」として掲げたことに合わせ、事業活動と密接に結びつき、雪印メグミルクが優先して取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を定めています。

雪印メグミルクグループは、本業を通じて「社会的価値」と「経済的価値」を同期化させ、「食の持続性」を実現することによって、企業価値を高めていきます。


 

サステナビリティ経営

雪印メグミルクグループは、「食の持続性の実現」に向けて、コンプライアンスをベースに、「栄養を届け」、「環境に配慮し」、「人材を活かす」ことにより、「サステナビリティ経営」を推進していきます。サステナビリティ経営を進める上で、重要課題(マテリアリティ)を6項目抽出し、具体的な取組みテーマを設定しています。


※重要課題(マテリアリティ)の詳細は、雪印メグミルクウェブサイトをご参照ください。

重要課題(マテリアリティ) https://www.meg-snow.com/csr/materiality/

 

 

「食の持続性貢献度」を基軸とした事業ポートフォリオへの転換

「食の持続性」を高め実現していくためには、強靭性の高い事業ポートフォリオへの転換が必要と考えました。そのポートフォリオの考え方は「食の持続性貢献度」による評価を基軸として据え、「市場成長性」と「雪印メグミルク収益性」を掛け合わせています。

「食の持続性貢献度」とは「食の持続性」を高めるための売上規模や国内酪農基盤への貢献度などを勘案した、雪印メグミルクグループ独自の指標です。本業を通じて、市場成長性×雪印メグミルク収益性で示す「経済的価値」をしっかりと高め、同時に、国内酪農基盤への貢献を目指すことで「社会的価値」を同期化させ「食の持続性貢献」を実現します。今後は、この事業ポートフォリオに基づき、「食の持続性の実現」による企業価値の最大化に向けて資源配分を行います。

 


 

中長期の環境認識

グローバルの食料需給は、世界人口の増加や、様々な環境規制などによって、需要と供給の両面から今後引き締まっていくことが予想されています。また、食料の輸入依存度が高く、島国でもあるわが国は、食料安全保障に関しても課題が指摘されています。

しかし、このような食料需給の変化は、将来に向けて牛乳乳製品の価値が一層高まることを示しています。今後さらに、雪印メグミルクグループの乳で培われた幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって、新たな価値の提供を行なう機会が増えると想定しています。

 


 

 

価値創造のストーリー

雪印メグミルクグループは、内部経営資源や自然資本等を使って、酪農生産者の生産する生乳を使用して商品を生産し、消費者へ届けることで価値を創造しています。また、酪農乳業を主軸に置き、雪印メグミルクグループの強みである乳で培った有形資産・無形資産や社会関係資本を活用し、海外市場や代替食品など新しいバリューチェーンの確立に挑戦しています。酪農乳業を原点として広がる、幅広い知見や機能「ミルクバリューチェーン」によって、乳を超えて価値を創造し、「食の持続性」を実現していきます。

 


 

(2)中期経営計画

雪印メグミルクグループは、2023年5月に、「雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025」(以下、中計2025)を策定しました。また、次期経営計画については、2025年度に発表予定です。

 

雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025の全体像


 

 中計2025は、企業グループとして、強靭な事業構造、成長に不可欠な強靭な基盤づくりを進め、次の100年に向けた準備期間と位置付けています。中計2025では、世界的な金融引締めの影響やウクライナ紛争などの地政学リスク等に対処し、2020年度並みの営業利益200億円を目指します。その上で、中計2025期間後の早期にROE8%を目指します。

 


 

事業戦略および基盤戦略

「強靭性の獲得」のために、中計2025は、3つの柱からなる事業戦略と基盤戦略、およびそれらを支える財務戦略で構築しています。

 

①事業戦略

事業戦略は“3つの柱”と“重要な6つの戦略課題”で構成しています。

1つ目の、「新たな成長のタネづくり」では、次の100年に向け新たな領域へチャレンジします。具体的には、「プラントベースフードへの参入」、「機能付加商品の育成」、「海外展開強化」を重要な戦略課題として取り組んでいます。

2つ目の、「基盤活用による物量の拡大」では、これまで設備投資を進めてきた磯分内工場や阿見工場のバター生産設備、大樹工場のナチュラルチーズ生産設備、発酵乳・デザート等の生産設備、ホクレンくみあい・雪印飼料㈱の飼料生産設備などの生産能力を最大限に活かした拡大を目指します。中でも、伸長余地の大きい「チーズの拡大」、酪農乳業の基盤である「白物拡大による市乳事業の成長」を重要な戦略課題としています。

3つ目の、「国内酪農生産基盤の強化・支援」では、国内酪農基盤の転換期(国内自給飼料指向・環境問題など)をチャンスと捉え、強靭な酪農基盤づくりへの取組み支援を行います。特に輸入飼料価格高騰で注目される「自給飼料拡大」を取組みの中心と捉えています。

 

②基盤戦略

基盤戦略は、「事業を支える機能として『イノベーション』と『コミュニケーション』」を、「事業活動全ての基盤として『DX推進』と『人的資本の活用・成長』を、重点的に取り組む事項として定めました。

「イノベーション」では、成長への新しいタネづくりやそのための仕掛けの構築を行ない、「コミュニケーション」では、雪印メグミルクグループと社員を含む全てのステークホルダーの相互コミュニケーションやブランド価値、社員のエンゲージメント(信頼度・満足度)を高める取組みを行います。

「DXの推進」では、業務改革や新たな付加価値創造を進め、「人的資本の活用・育成」は、雪印メグミルクグループのすべての成長の原動力は人材であることを明確にして、多様な人材が個性や能力を発揮できる環境づくりと人材育成を進めています。


 

  ・DXの推進


 

  ・人的資本の活用・成長


 

財務戦略

財務戦略では、財務の健全性を維持しつつ、営業キャッシュフローと資産圧縮を財源とし、積極的に基盤・成長への投資を行っていきます。併せて、配当性向(資産売却益を除く)40%以上を目標とした安定的な株主還元を実施していきます。

経営指標目標は、2025年度の営業利益目標を200億円とし、中計2025期間中に2020年度並みの営業利益を達成し、最終年度のROEは6%以上を目標としています。

                                   (単位:億円)


※1 親会社株主に帰属する当期純利益

※2 投資金額は意思決定ベースであり、キャッシュアウトベースの数値とは異なります。

※3 株主還元方針の変更について、2024年5月14日付「2025年3月期配当予想(100周年記念配当)および

    株主還元方針変更に関するお知らせ」にて発表しました。

 

キャッシュアロケーション

3年間のキャッシュアロケーションでは、営業キャッシュフロー850億円以上を確保するとともに資産売却を進め、財務規律を維持した上で負債による調達も行い、325億円以上の資金調達を計画しています。

資金需要としては、既存事業における基盤・成長投資に700億円以上、未来価値創造投資として新たな価値を創造する研究開発や新規事業等への投資を計画しています。株主還元は、配当性向(資産売却益を除く)40%以上を維持し、175億円以上を充当していく計画です。なお、資産売却により得られるキャッシュは、企業価値向上に資する投資へ充てる方針ですが、売却代金がその投資額を上回る場合は、株主還元も検討します。

 


 

 

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

①現状認識 

雪印メグミルクは、PBR1倍割れは課題であると認識しており、その要因は、低収益性と成長戦略に対する具体的な取組み状況および資本政策を示せていないことだと考えております。

ROEの向上および資本コスト低減の取組みにより早期にROE(資産売却益を除く)8%以上、PBR1倍超の達成を目指します。

 

②企業価値向上のための取組み

ア.ROEの向上

 A.収益性・成長性の向上

既存事業は、これまでに取り組んだ価格改定等の効果がコスト影響を吸収し、収益力は着実に回復してきており、コストアップに対する一定の耐性を発揮できたと捉えています。成長性の向上では、「海外事業」「プラントベースフードをはじめとする代替食品」「チーズ」「機能付加商品」の4つの事業領域を成長ドライバーとして取り組みます。

 

 B.資産効率改善

政策保有株式の売却を進めており、2023年度は前年から純資産対比で1.9%減少し17.9%、銘柄数は14銘柄減少し53銘柄となりました。2025年度末までに純資産対比10%未満となるよう今後も縮減を進めていきます。また、市乳事業分野において資産効率向上のため豊橋工場と統合し生産を終了した名古屋工場の跡地を2024年4月に売却しました。

 

 C. 資本政策

2023年度は、1株当たり20円の増配を実施しました。また、中計2025の連結配当性向目標は30%以上としておりましたが、資産売却益を除く40%以上に変更しました。これらとは別に2024年度では100周年記念配当(1株当たり20円)を加算し、配当単価100円とする予定です。

現在、新たな経営計画の策定に着手しており、その中で次期経営計画での資本政策と中計2025での資産売却に対する株主還元について検討し2025年5月に開示する予定です。

 

イ.資本コスト低減

株主・投資家をはじめとするステークホルダーのみなさまとの対話の強化と、情報開示の充実をはじめ、サステナビリティ向上の取組み、人的資本の活用や、DX推進の取組みを進めることで、資本コストの低減を図っていきます。

 


 

 

中計2025事業戦略の主な取組み

①プラントベースフード市場参入

プラントベースフードブランド「Plant Label」(プラントラベル)を立ち上げ、2024年3月26日より全国にて、『恵 megumi ガセリ菌SP株 植物生まれ』(100g)、『Plant Label Pea Drink』(ピードリンク)(LL200ml)、『Plant Label Oat Drink』(オーツドリンク)(LL200ml)を発売しました。

これまで「乳」で培ってきた幅広い知見や機能を活かした新たな植物性商品の発売で、プラントベースフード市場の活性化を図ります。私たちは、「食の持続性」という課題に対し、これからも新たな選択肢を提案していきます。


 

②機能付加商品育成

機能付加商品は、健康寿命延伸ニーズの高まりを背景に、国内外で市場が拡大しています。

国内では、現在発売中の商品群である「MBP」の機能認知度を高めるために、マーケティングを統合的に展開し、強化しています。

また、2023年4月より、弘前大学と共同研究講座「ミルク栄養学研究講座(英語表記:Department of Precision Nutrition for Dairy Foods)」を開設しました。今後、産学連携による研究開発の成果を、順次発表していきます。

海外では、アジア圏を中心に、機能性素材・乳酸菌素材の拡大推進に取り組んでいます。


 

③チーズ拡大

国内では、チーズ拡大の戦略パートナーとして、株式会社ヨシダコーポレーションを子会社化することを決定しました。新規参入したプラントベースフード分野の開発・製造をはじめとするイノベーションの拠点として同社を活用し、新コンセプト商品のスピーディーな市場投入や、新たな需要開拓を進めます。同社とのシナジー効果を早期に発揮することで、中計2025の達成を目指します。

海外では、雪印メグミルクグループの戦略エリアであるアジア地域(東南アジア・東アジア・オセアニア)の新たな拠点として、ベトナムに現地法人を設立し、更なる海外事業展開強化を図ります。また、ベトナム国内だけではなく、周辺国も見据えた事業展開を早期に開始することで、チーズ事業のグローバル展開を加速させます。


 

中計2025基盤戦略の主な取組み

①イノベーション(変革)~未来ビジョンプロジェクト発足と未来づくり部の新設~

2025年に創立100周年を迎えるにあたり、これからの新たな100年のマイルストーンとして、2050年の雪印メグミルクグループのビジョンを描く「未来ビジョンプロジェクト」を発足しました。さらに、未来ビジョンプロジェクトと連携して未来ビジョンの具現化を担う「未来づくり部」を新設しました。

雪印メグミルクグループは、酪農乳業界全体の希望溢れる未来ビジョンを描き、力強いリーダーシップによって社会課題を解決する企業集団を目指します。

 

      ≪未来ビジョンプロジェクト(2023年4月1日発足)≫


 

②人的資本の活用・成長/DX推進

人的資本の活用では、雪印メグミルクグループ従業員のワークエンゲージメント向上に関する取組みや、D&Iによる付加価値の創出等を進めています(※1)。

DX推進では、社内向け対話型AI「YuMe*ChatAI」の運用を開始しました。雪印メグミルクグループが長年にわたり蓄積してきた知識や知見のナレッジデータとAI技術を組み合わせ、オリジナルのプロンプト開発を進め、新たな価値を創造する取組みを行っていきます。

「YuMe*ChatAI」の中には、創業者のひとりで北海道酪農の父と呼ばれる黒澤酉蔵の考えや思いを読み込ませたChatbot「黒澤酉蔵さんbot」を搭載しています。創業者との対話を通じて創業当時の雪印メグミルクの使命が何であったか、改めて振り返ることが可能になりました。私たちは、DXによって創業から100年が経とうとしている現在においても、パイオニア精神を感じ・学び・継承し、日本国内のみならず世界にまたがる社会課題の解決を目指します。

 


 

※1 人的資本の活用・成長の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本、

   多様性」をご参照ください。

 

 

(3)次期の経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後のわが国経済の見通しにつきましては、30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲等、経済に前向きな動きはみられるものの、海外景気の下振れリスクや物価動向の不確実性も依然として存在します。食品業界においては、外食需要におけるインバウンド拡大効果や健康志向の高まり、高付加価値商品の開発等で、堅調な市場環境が期待されるものの、原材料価格やオペレーションコストの上昇といった厳しい経営環境が継続することも想定されます。消費マインドは所得の改善等により上昇しつつありますが、商品購買時の選別が厳しくなる等、市場が変化していくことが想定されます。 酪農乳業界においては、乳価引き上げによる消費への影響や、バター・脱脂粉乳の需給アンバランス等による脱脂粉乳在庫の積み増しリスク等、課題への対応が求められています。生乳生産量はわずかに増加が見込まれますが、乳製品の消費動向によっては、需給は緩和にも逼迫にも振れる可能性のある不透明な状況であると想定しています。

 

このような状況において雪印メグミルクグループは、中計2025の2年目にあたる2024年度の経営方針を「MOVE」とし、以下の重要な施策に対し積極的な取組みを進めていきます。

 


 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において雪印メグミルクグループが判断したものであります。

なお雪印メグミルクグループは、以下のような経営および事業リスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

(1)酪農乳業界について

[リスク①]

雪印メグミルクグループの主要原料である加工原料乳の取引は「畜産経営の安定に関する法律」に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が雪印メグミルクグループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、これまで同様、国内酪農に軸足を置き、企業理念で定めた使命の一つである酪農生産への貢献を果たすとともに、乳の国際化を視野に入れ、関税水準の引き下げに伴う乳製品輸入で得られるメリットの最大限の活用を検討していきます。

 

[リスク②]

雪印メグミルクグループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、雪印メグミルクグループの乳製品の販売に影響を及ぼす可能性があります。一方で、原材料調達価格が下がるなどのメリットも生じます。

 

(2)需給変動について

[リスク①]

雪印メグミルクグループは、国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には乳製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には商品の原料調達不足による製造量減少により販売機会の喪失や生産効率が低下する可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、牛乳・乳製品の需要拡大を通じて国内酪農生産の基盤強化と持続的発展に貢献していきます。

また、需給変動による収益への影響の軽減に向けて、事業ポートフォリオを再編し、収益基盤の複数化とその確立に取り組むとともに、継続的なプロダクトミックスの改善による収益力の強化、および効率的な生産体制の確立に取り組んでいます。

 

[リスク②]

乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動等による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作などを原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には乳製品や飼料原料の調達困難化や価格の高騰があり、需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入による国産乳製品の需要減少や飼料価格の下落として、雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度により価格補てん措置が採られることになっており、メーカー拠出金が増加した場合は雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)家畜伝染病について

[リスク①]

雪印メグミルクグループの主要原料である生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には、雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針①]

家畜伝染病等が流行した場合は、迅速な情報収集を行ない、法令や「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND Quality Assurance System)」等に則り、適切な対応を行ないます。

 

[リスク②]

家畜伝染病が発生した場合、風評被害などにより国内の生乳を使用した商品の消費減少の可能性があります。また、当該伝染病の対応により乳牛が淘汰された場合、飼育頭数の減少に伴う生乳生産量の減少や飼料需要の減退による飼料販売の減少等により雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針②]

風評については、一般社団法人Jミルクをはじめとした業界団体を通じ、正確な情報提供に努めていきます。

 

 

 

 

(4)市場規模の縮小等について

[リスク①]

日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、雪印メグミルクグループが対象とする市場が縮小してきております。また、急激な経済状況の後退や物価の高騰などが発生した場合、消費意欲の減退などによる市場縮小の可能性があります。こうした市場の縮小は、雪印メグミルクグループの商品販売に影響を及ぼす可能性があります。その他、畜産市場において飼養頭数が減少した場合、飼料や飼料作物種子の販売に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針①]

雪印メグミルクグループは、事業ポートフォリオを適切に見直しており、機能を訴求する商品や高付加価値商品の開発強化、販売拡大により、国内事業の収益基盤の強化・確立を目指しております。また、海外の生産拠点の活用によりチーズを中心に販売物量を拡大し、ボーダレス展開を加速することで、海外事業の強化を図っています。

 

[リスク②]

飲料・デザート類は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、雪印メグミルクグループの飲料・デザート類の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針②]

雪印メグミルクグループでは、需給変動による収益への影響の軽減に向けて、事業ポートフォリオを再編し、収益基盤の複数化とその確立に取り組むとともに、継続的なプロダクトミックスの改善による収益力の強化、および効率的な生産体制の確立に取り組んでいます。

 

(5)販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について

[リスク①]

雪印メグミルクグループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が雪印メグミルクグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクは、メーカーとして「ものづくり」の強化と新たな価値の創造に取り組むことで、商品開発力の強化とともに、商品を通じた価値の提供を目指しております。あわせて、雪印メグミルクグループは新たな収益機会の創出に向けて、ニュートリション事業分野における通販チャネルを通じた機能性食品事業の規模の拡大、および利益の創出に取り組んでいます。

 

[リスク②]

乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、雪印メグミルクグループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)食品の安全性について

[リスク①]

食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任(PL)法に基づく責務の負担等により雪印メグミルクグループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、雪印メグミルクグループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、品質管理に関して世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard Analysisand Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND Quality Assurance System)」を構築するとともに、GFSI(Global Food Safety Initiative)に認定された国際的な食品安全スキームの認証取得を推進し、徹底した品質管理を行なっております。また、風評については、一般社団法人Jミルクをはじめとした業界団体を通じ、正確な情報提供に努めていきます。

 

[リスク②]

雪印メグミルクグループ固有の品質問題のみならず、国内外において、健康に影響を及ぼす物質の混入、家畜伝染病等の食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、雪印メグミルクグループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(7)法規制について

[リスク①]

雪印メグミルクグループの販売する乳製品を始めとした食品や育児用調製粉乳、機能性食品は、「食品衛生法」の他、「乳及び乳製品の成分規格等に関する命令」、「健康増進法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等により成分規格や製造方法、商品表示方法等について法規制を受けております。飼料・種苗は、「飼料安全法」、「種苗法」、「農薬取締法」、「家畜伝染病予防法」等の法規制を受けております。

仮に製造工程等におけるトラブルや表示の不備等による規制の抵触が発生した場合には、製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針①]

雪印メグミルクグループは、「雪印メグミルクグループ企業行動憲章」のもと、「グループサステナビリティ方針」等のグループ方針に基づき、各社行動基準、関連諸規定を定め、法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めています。

 

[リスク②]

法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなる可能性があります。新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針②]

法令改正への対応は、適切に行うとともに、生産性向上などコスト吸収に取り組んでいます。

 

[リスク③]

「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」により、自動車を運転する業務に従事する者一人当たりの労働時間が減り、走行距離が短くなります。慢性的な人材不足の目立つ運送・物流業では、長距離輸送の人員確保がさらに困難となり、コスト増や配送能力の低下による売上機会の損失につながる可能性があります。

 

[対処方針③]

雪印メグミルクグループは、運送効率化に向けた輸配送コースの見直しやパレット輸送化の推進などにより、物流事業者と協力し効率的な輸配送ができる仕組みや、トラックドライバーの労働環境を整え、持続可能な物流体制構築に努めております。

 

(8)個人情報保護について

[リスク]

予期せぬ事態により個人情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。

 

(9)知的財産について

[リスク]

雪印メグミルクグループは、研究開発を始めその事業活動において、雪印メグミルクグループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。雪印メグミルクグループが第三者の知的財産権を侵害しているとの予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用される恐れがあり、その場合、訴訟活動やその結果により雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、第三者の知的財産権を尊重し、関連諸規定を定め、第三者の権利を侵害することのないよう努めるとともに、専門部署によるチェックを行なっております。また、雪印メグミルクグループの保有する知的財産については、専門部署により適切に管理する体制を整え、第三者による知的財産権の侵害リスクのモニタリングを行なっております。雪印メグミルクグループまたは第三者の知的財産にかかるリスクが顕在化した場合には、必要に応じて社外の弁護士などと協力し、事業への影響を最小限に留めるように対応します。

 

(10)人権に関するリスクについて

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人権尊重の取組み」を参照ください。

 

 

(11)大規模な地震・火災等の発生および感染症の流行について

[リスク①]

雪印メグミルクグループの生産事業拠点が、大規模な地震、火災の発生、その他、生産事業拠点の従業員が感染症に罹患するなど、長期間操業停止した場合は、生産・供給体制に影響を与え、雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、お客様へ安全で安心して頂ける商品の安定供給に努めております。感染症等が流行した場合には、顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、事業継続計画(BCP)に基づき事業継続に努めます。

 

[リスク②]

世界的パンデミックを引き起こすような感染症が拡大した場合には、経済活動が停滞し景気が悪化することで、販売低迷の長期化や原材料価格を含む様々なコストの上昇などが生じ、雪印メグミルクグループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境に関するリスクについて

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動への対応」を参照ください。

(13)資金調達について

[リスク]

雪印メグミルクグループは、金融機関からの借り入れ、社債発行による資金調達を行なっておりますが、金融市場環境に変化があった場合に、資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、雪印メグミルクグループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、現預金残高に加え、金融機関とコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結するなど、十分な資金の流動性を確保しています。

 

(14)為替レートの変動について

[リスク]

雪印メグミルクグループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は雪印メグミルクグループに悪影響を及ぼし、円高は雪印メグミルクグループに好影響をもたらします。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、為替予約や外貨決済により、為替レートの変動の影響を低減するように努めています。

 

(15)情報システムについて

[リスク]

雪印メグミルクグループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の一時的な停止や社会的信用の失墜等により雪印メグミルクグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、情報システムを適切に運営するため、「情報セキュリティ基本方針」および関連諸規定を定めた上で、事業継続計画(BCP)を策定し、適切なセキュリティ対策を実施しております。また、従業員教育を行ない、リスクの軽減に努めています。

 

(16)人材に関するリスクについて

「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本、多様性」を参照ください。

(17)その他のリスク

[リスク]

上記以外にも事業活動を行なううえで、経済情勢の変化に伴うリスクやコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが雪印メグミルクグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

雪印メグミルクグループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでいます。

 

 

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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