エプコ(2311)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


エプコ(2311)の株価チャート エプコ(2311)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】

エプコグループはエプコ(株式会社エプコ)及び子会社3社及び関連会社5社により構成されており、住宅分野及びエネルギー分野を主たる事業領域として再エネサービス、メンテナンスサービス及び設計サービスを主な事業としております。

エプコ及びエプコの関係会社の事業におけるエプコ及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。

 

(1) 再エネサービス

エプコグループは、主に新築・既存住宅における省エネルギー化に関する企画、提案、設計及び施工業務を提供しております。住宅分野においても低炭素化(ゼロエネルギー住宅の普及促進)、省エネルギー化に対する社会的ニーズが重要視される中、太陽光発電システムや蓄電池、オール電化設備など、創エネ・畜エネ・省エネを実現する設備を住宅に設置することで、脱炭素社会の実現と自然災害に強い住まいを提供することを目指しております。

 

再エネサービスは、日本市場及び海外市場に応じて様々な大手企業と合弁事業を運営することで、合弁パートナー各社及びエプコグループの強みを活かした事業成長を図る方針です。

日本市場における主な取り組みとしては、①東京電力エナジーパートナー株式会社との合弁会社であるTEPCOホームテック株式会社(持分法適用会社、エプコ株式保有比率49.0%)、②エプコの100%子会社であり、戦略的施工会社として位置付けている株式会社ENE's、③三井物産株式会社との合弁会社であるMEDX株式会社(持分法適用会社、エプコ株式保有比率49.0%)にて事業を運営しております。なお、MEDX株式会社は、2025年2月28日付で解散決議が行われ、現在清算手続中であります。

海外市場における主な取り組みとしては、香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LESSO GROUPとの間で太陽光発電事業を推進するための合弁会社(班皓艾博科新能源設計(深圳)有限公司 、広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司、いずれも持分法適用会社であり、エプコ株式保有比率50.0%)を立上げ、事業を運営しております。

 

(2) メンテナンスサービス

エプコグループは、住宅会社から既設住宅を対象としたカスタマーセンター業務を受託しております。住宅会社は住宅を購入したお客様からのアフターメンテナンスやリフォームに関する要望に応えるべくお問い合わせ窓口(カスタマーセンター)を設ける必要があります。これに対し、エプコグループは住宅会社からカスタマーセンター業務を受託して、新築段階で作成した住宅の設計図をデータベース化し、エプコの専門スタッフが24時間365日、住宅全般のメンテナンスに関する相談や依頼を受け付けて、必要に応じた修理やメンテナンス手配(ダイレクト手配)を実施しております。

 

加えて、エプコグループでは、得意先である住宅会社の顧客(施主様)ごとに顧客情報を一元管理しており、アフターメンテナンス等に係わる全ての情報を維持・更新することで、長期にわたる顧客管理を支援しております。エプコグループが提供する顧客管理システムサービスは、見込顧客(施主)情報から、各物件の図面や設置している設備情報、引き渡し後の対応履歴まで幅広い顧客情報を管理することが可能となり、住宅会社・工務店の業務効率向上だけでなく、スピーディーな顧客対応やタイミングの良い提案を実現することで顧客満足度の向上に資するものであります。また、当該顧客情報を活用し、住宅会社のメンテナンス・リフォーム受注拡大を目的とした顧客に対するアウトバウンドサービスを提供しております。

 

 

(3) 設計サービス

低層住宅を新築する際に、工事コスト・作業工数の削減及び工事品質の向上を実現するため、エプコとアライアンス関係にある設備機器メーカーや建築建材商社等と連携して、住宅会社等に対して設計及びコンサルティングサービスを提供しております。主要なサービスは下記のとおりです。

 

①  給排水設備設計

エプコグループが提供する給排水設備設計サービスは、設備設計から工事積算、部材情報提供まで対応しており、給排水設備図面と維持管理に必要な部材加工情報等を提供しております。また、施工性に優れ、維持管理が容易な標準化部材をメーカーと共同開発しており、工事品質の向上・工期短縮・コスト低減に寄与しております。

エプコグループが詳細な設備設計図を作成することで、現場の施工品質が向上するとともに、工期の短縮や部材の効率的な使用等による工事コスト削減が実現されます。さらに、設備設計図が保管されることで、リフォームやメンテナンスの際の工事計画や工事金額の算定が容易になります。

また、設計受託体制については、大量な設計依頼に対してスピーディーかつ高品質な対応を図るため、東京、沖縄、グループ会社である中国CADセンターが連携して設計業務に従事しております。

 

②  電気設備設計

エプコグループが提供する電気設備設計サービスは、電気設備と分電盤の設備図面作成から、工事原価積算書や部材リストの作成及び部材発送まで支援するものであり、一般の戸建・集合住宅だけでなく、太陽光発電システムやHEMSなどを採用したスマートハウスの電気設備設計にも対応しております。

また、設計受託体制については、大量な設計依頼に対してスピーディーかつ高品質な対応を図るため、東京、沖縄、グループ会社である中国CADセンターが連携して設計業務に従事しております。

 

③ 太陽光発電に関する設計、経済シミュレーション業務の受託・開発

エプコグループは、主に太陽光パネルメーカーより太陽光発電に関する設計・経済シミュレーション業務を受託しております。当該サービスは、エプコグループが開発した太陽光パネルの効果的な割付検証及び太陽光発電の年間予測発電量を高精度にシミュレートするシステムを活用することにより、お客様のコスト削減及び納期短縮に資するものであります。

 

④  その他設計

現在、エプコグループでは、住宅会社を始めとする様々な得意先から前述①及び②の設備設計以外にも様々な分野の設計業務を受託しております。主な受託内容としては、住宅の営業段階における施主様に対するプレゼン資料(建築平面図、外観内観パース等)作成業務や、建築及び意匠設計の作図支援業務等が挙げられます。

昨今の建築業界における人手不足の影響により、エプコグループに対する様々な設計依頼が増加していることから、エプコが提供する設計サービスラインは増加傾向にあります。

 

以上の事項をセグメント別にエプコグループの事業内容及びエプコと関係会社の当該事業に係る位置付けを記載いたしますと、以下のとおりであります。

 

セグメントの名称

会社

主な事業内容

再エネサービス

TEPCOホームテック(株)

新築・既存住宅の省エネルギー化に関する企画、提案、設計及び施工業務

(株)ENE's

太陽光発電システムに関する施工業務

蓄電池に関する施工業務

MEDX(株)

アプリケーションサービス提供業務

班皓艾博科新能源設計
(深圳)有限公司

広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司

深圳艾科築業工程技術有限公司

海外(主に中国)市場向け太陽光発電システムに関する設計及びメンテナンス業務

メンテナンスサービス

(株)エプコ(エプコ)

コールセンター運営及び顧客情報管理業務

設計サービス

(株)エプコ(エプコ)

艾博科建築設備設計
(吉林)有限公司

EPCO(HK)LIMITED

給排水設備設計の受託業務

電気設備設計の受託業務

その他設計の受託業務

 

 

 

[事業系統図]

事業の系統図は下記のとおりであります。

設計サービス

メンテナンスサービス

再エネサービス

株式会社エプコ

株式会社エプコ

 

 

 

 

連結子会社

 

連結子会社

EPCO(HK)LIMITED

 

株式会社ENE's

艾博科建築設備設計(吉林)有限公司

 

 

 

 

 

 

 

持分法適用会社

 

 

TEPCOホームテック株式会社

 

 

MEDX株式会社

 

 

班皓艾博科新能源設計(深圳)有限公司

 

 

広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司

 

 

深圳艾科築業工程技術有限公司

 


顧          客

 

 


有価証券報告書(2023年12月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エプコグループが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

 エプコグループは、グループの使命・存在意義である経営理念として、下記のとおり掲げております。

  ①我々は、エプコグループで働く情熱ある社員とその家族の幸福を追求します。

  ②エプコグループの存在目的は、社会問題を解決し、国民生活に貢献することです。

  ③エプコグループは、世界の人々の住まい、暮らしを支えるインフラ企業を目指します。

 

  [行動規範]お客様からパートナーと認められる思考と行動をする。

  [提供価値]社会問題を解決するサービス・技術を提供する。

  [企業像] 人々の暮らしを支える強固な社会インフラ企業を目指す。

  [経営目標]エプコのサービスを世界の人々の住まいや暮らしにインサイドさせる。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

 エプコグループは、2025年に向けた新たな中期経営計画(2021年~2025年度)を2021年2月12日に発表しました。当該計画における基本方針及びセグメント別の事業方針は下記のとおりです。

 

<中期経営計画(2021年~2025年度)の基本方針>

デジタル技術を活用して設計から工事、アフターメンテナンスまでの情報をクラウドで一元管理できるプラットフォームを提供することで、住宅ライフサイクル全体の最適化とSDGsへの取組みを実現する。

 

[SDGsへの取組み]

  エプコが取組む3つの事業(設計サービス/メンテナンスサービス/再エネサービス)を通じてSDGsを実現

   ①プレファブ化による産業廃棄物の削減

   ②メンテナンスによる持続可能な住まいづくり

   ③電化住宅による脱炭素社会づくり

 

<セグメント別の事業方針>

 

設計サービス

BIMクラウドにより設計データの3次元化し建築工事のプレファブ領域拡大と設計情報の共有で建築工事を合理化し、少子高齢化時代の建築現場を支援する。

メンテナンス
サービス

CRMクラウドにより居住者と修理関係者の情報共有を図りメンテ業務を効率化すると共に、修理データのAI解析と家歴化で住宅資産の維持管理容易性を向上させる。

再エネサービス

省エネ機器と電気料金をセットにした省エネ機器のサブスクモデルを提供することで、電化住宅の普及に貢献し脱炭素社会の実現と自然災害に強い住まいを提供する。

 

 

 

(3) 目標とする経営指標

  中期経営計画(2021年~2025年度)における定量目標は下記のとおりです。

 

建築DXで既存モデルを高付加価値化し、高成長・高収益化を目指す。

 

連結業績

 

2020年度実績

(2020.1~2020.12)

 

2025年度目標

(2025.1~2025.12)

 

年平均成長率

売上高

 

43.8億円

100億円

 

+17.9%

経常利益率

 

10.6%

20.0%

 

 

ROE

 

11.8%

20.0%

 

 

 

 

<セグメント別売上高目標>

 

 

 

2020年度実績

(2020.1~2020.12)

 

2025年度目標

(2025.1~2025.12)

 

年平均成長率

設計サービス

 

22.2億円

43億円

 

+14.1%

メンテナンスサービス

 

12.2億円

38億円

 

+25.3%

再エネサービス

 

5.2億円

19億円

 

+29.1%

 

 

<セグメント別営業利益率・持分法投資損益目標>

 

 

 

2020年度実績

(2020.1~2020.12)

 

2025年度目標

(2025.1~2025.12)

設計サービス

 

20.8%

26.0%

メンテナンスサービス

 

26.7%

27.0%

再エネサービス

 

2.6%

6.0%

持分法投資損益

(TEPCOホームテック(株))

 

-0.1億円

2.0億円

 

 

 

(4) 会社の経営環境及び対処すべき課題

 

1.エプコグループを取り巻く外部環境

 

 2023年は、新型コロナウイルス感染症の「5類」への移行に伴い、国内における行動制限や海外からの入国制限の緩和により、景気の緩やかな回復が期待されたものの、世界的な金融引き締めの影響や、中東情勢の不安定化、長期化するロシア・ウクライナ情勢等により、原材料・エネルギー価格の高騰による物価の上昇や円安の進行などが進み、経済の先行きは不透明な状況が続いております。

 

 エプコグループの主力市場である日本の新築住宅市場においては、少子高齢化による人口減少や建築資材の高騰等により住宅の販売価格が上昇傾向にあることを受けて、2023年における持家の新設住宅着工戸数は25カ月連続して前年同月比マイナスで推移するなど、予断を許さない状況であると認識しております。

 

 また、地球温暖化による自然災害が多発しており、地球温暖化防止に貢献する脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させることが求められております。

 日本政府は、脱炭素社会の実現に向けた中長期的な政策方針を打ち出しております。太陽光発電システムに関しては「2030年度に新築戸建住宅の6割において太陽光発電設備を導入」する方針であり、蓄電池に関しては「2030年までの累積導入量約24GWh(2019年までの累積導入量の約10倍)」を目指す方針です。これを受けて、地方自治体は再エネ設備(太陽光発電システム・蓄電池・オール電化設備等)の設置に対する様々な補助金制度を打ち出しており、再エネ設備の普及が加速しています。また、電気自動車(以下、EV)の普及に向けては、昨年10月に経済産業省は「EV充電器を2030年までに30万口設置」する方針を発表するとともに、EV充電インフラ補助金枠を増額したことで、EV充電器の市場も今後更なる拡大が見込まれています。

 

 一方、中国においては、不動産不況が長期化し、内需の不振に伴うデフレ化が懸念される中、高度経済成長とともに業績拡大を続けてきた中国企業は新しい経済環境に適応したビジネスモデルに転換する必要が生じております。ここにデフレ環境をすでに経験しているエプコをはじめとする日本企業のノウハウを最大限発揮できる千載一遇の好機が到来していると捉えております。

 また、中国政府は2060年のカーボンニュートラル実現にむけた再生可能エネルギーの普及拡大の方針を打ち出しており、「第14次5か年再生可能エネルギー発展計画」においては、2021年から2025年の5か年において太陽光と風力による発電量を倍増させる目標が明記され、中国国内における再生可能エネルギー関連事業は今後も成長が加速していくことが予想されます。

 

 これまでエプコは、ベース事業(設計及びメンテナンスサービス)にて、大手住宅会社向けに新築時の設備設計及び引き渡し後のメンテナンスサービスを提供することで、安定的な成長を果たしてまいりましたが、現在は事業ポートフォリオの見直しを行っており、ベース事業で培った様々なノウハウを活かして、成長事業である再エネサービスに対して経営資源を優先的に投入してまいります。

 

 

2.再エネサービスの業況と対策

 

 再エネサービスでは、再生可能エネルギーの普及を促進するために、太陽光発電システムや蓄電池、EV充電器等の設備について設置工事を中心とする様々なサービスを提供しております。

 

(日本市場における取り組み)

 日本市場においては、東京電力エナジーパートナー株式会社とエプコとの合弁で設立したTEPCOホームテック株式会社(以下、TEPCOホームテック)、そしてエプコ100%子会社である株式会社ENE's(以下、ENE’s)が事業の中心となります。

 

 脱炭素社会の実現に向けた取り組みは我が国のみならず世界的な潮流となっており、TEPCOホームテックが手掛ける再エネサービスに対する社会的な関心は高まっております。なかでも、住宅設備の定額利用サービスである「エネカリ」は、大手不動産・分譲住宅会社からの受託が急拡大しております。再エネ設備の設置に関する補助金制度の充実や太陽光発電設備の設置義務化に関する条例の制定など自治体の制度による後押しもあり、TEPCOホームテックは足元の業績が急拡大しており、今後も更なる成長が見込まれています。エプコとしましても、TEPCOホームテックの事業推進を積極的に支援していく所存です。

 

 エプコとTEPCOホームテックの戦略的施工会社であるENE'sにおきましても、TEPCOホームテックの事業拡大に伴い受注量が増加しているとともに、EV充電器の普及加速によってEV充電器設置工事の実績が増加しております。これらの再エネ設備工事の更なる受注拡大に向けて、拠点や人員の拡充、施工効率の向上、M&Aを含めた他社との業務・資本提携を進めてまいります。

 

(中国市場における取り組み)

 中国市場においては、香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LESSO GROUP(以下、LESSO)との間で太陽光発電事業を推進するための合弁会社(班皓艾博科新能源設計(深圳)有限公司)を立ち上げ、中国市場にて再エネサービスを展開しております。

 

 エプコグループは、2011年以来、LESSOとの間で給排水設備分野において緊密な協業関係を構築しておりましたが、太陽光発電システムの設置容量が世界最大である中国国内においてLESSOが太陽光発電事業を強力に推進していることを受け、2023年より新たに合弁会社を通じて太陽光発電システムに関する設計及びメンテナンスサービスを提供しております。

 

 中国経済は不動産不況が長期化しデフレ化が懸念される中、日本のデフレ化においてエプコが培ってきた標準化・効率化によるローコストオペレーションモデルをLESSO GROUPと共有することで、両社の強みの相乗効果による新たな付加価値を創造してまいります。

 

3.メンテナンスサービスの業況と対策

 

 メンテナンスサービスは、住宅のアフターメンテナンス全般に関わるハウスマネジメントサービスであり、既存住宅を対象としている積み上げ式のストック型ビジネスであることから、業績は安定して推移しております。また、今後の受託拡大を見据えて、事業継続体制を強化する観点から、2022年より石川県金沢市にメンテナンスサービス拠点を設立し、複数拠点にて安定的にサービス提供できる体制整備を進めております。

 

 新築住宅着工戸数の減少が続く中、エプコグループの主要顧客である大手住宅会社も既存顧客との関係性を活かしたリフォーム需要の創出に活路を見出そうとしております。そのためには居住者の修理データを「家歴」としてクラウド上で管理し、アプリを通じて居住者と住宅会社がコミュニケーションを図ることで、メンテナンスからリフォームへの好循環を図るサービスを提供してまいります。

 

 また、メンテナンスサービスでは、住宅会社向け業務だけでなく、TEPCOホームテックをはじめとするエネルギー企業からの様々な業務委託が増加しております。当該分野は、今後も再エネサービスの拡大と連動してさらなる受託拡大が見込めることから、今後、エネルギー分野のメンテナンスサービスに一層注力する方針です。

 

4.設計サービスの業況と対策

 

 新築住宅の設備設計サービスが主体である設計サービスを取り巻く経営環境としては、住宅産業が抱える構造的課題である少子高齢化等の影響により、中長期的には新設住宅着工戸数の下降トレンドは不可避であることが予想されます。

 

 このような厳しい事業環境の変化に対応するため、エプコグループでは主力設計拠点である中国・吉林CADセンターにおけるDX推進により設計業務の効率化を進めるとともに、日本及び中国スタッフの人材交流を活発に行い業務連携の深化、重複作業の見直し等により設計業務の生産性向上を図ってまいります。

 

 また、大手住宅会社においてCADの3次元化やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及の兆しが見えつつあり、エプコグループとしてもこれらの取組みを更に進め、住宅設備設計の業務フローの変革を主導することで、住宅産業の抜本的な事業構造の変革や、業務効率化、経営合理化に貢献してまいります。そのほか、EV充電器の申請図面作成など、エネルギー分野の設計業務にも取り組んでおり、今後エネルギー企業向けの設計業務の受託増加にも注力してまいります。

 

 エプコグループは、デジタル技術を活用した「脱炭素×建築DX」によって住宅産業に関わるサプライチェーン全体の効率化及び脱炭素化を推進してまいります。


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

エプコグループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、エプコグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意下さい。

 

(1)住宅市場の動向に関するリスク

 

エプコグループの事業は主たる得意先が住宅会社であることから、住宅市場の動向がエプコグループの受託状況に影響を及ぼします。住宅市場は、景気、金利、地価等の動向、雇用環境、税制及び補助金等、様々な変動による影響を受けます。特に、大幅な金利上昇、雇用環境の変化等により、施主様の住宅購買意欲が減退し、エプコの得意先である住宅会社の受注が大幅に減少した場合、エプコグループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制に関するリスク

 

エプコグループの得意先・取引先は、主に住宅・建設業界の事業者が中心であり、建築基準法、建築士法、電気事業法、特定商取引法など関連する各種法令により規制を受けております。これらの法規制はエプコの業務を直接的に規制するものではありませんが、エプコが取引を行うに当たり当該法規制を把握することが必要であります。

そのため、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、エプコグループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、エプコグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)知的財産権に関するリスク

 

エプコグループは、現時点において、エプコグループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。しかしながら、将来のエプコの事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、エプコの事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、エプコグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)海外における事業リスク

 

エプコグループにおける中国の子会社である艾博科建築設備設計 (吉林)有限公司は、日本の得意先向けに設計図面を作図する生産拠点(CADセンター)として重要な位置を占めております。また、中国及びその他海外市場での事業拡大を図るべく、様々な取組みを進める方針です。

海外事業の展開にあたっては、①エプコグループにとって悪影響を及ぼす法律の改正、規制の強化、②テロ・戦争の勃発、伝染病の流行等による社会的・経済的混乱、③物価水準の上昇による現地人件費等の増加、等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、エプコグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)外国為替相場の変動に関するリスク

 

エプコグループにおいては、外貨建(人民元及び香港ドル)取引による収入及び支出が発生しており、またそれに伴う外貨建て資産及び負債を有しております。外国為替相場の変動による影響を極力低減するため、必要な範囲で為替予約取引を利用したリスクヘッジを実施しておりますが、外国為替相場が急激に変動した場合には、エプコグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)人材の確保に関するリスク

 

エプコグループの設計サービス及びメンテナンスサービスは日本(東京・沖縄・石川)及び中国(吉林)にて多数のオペレーターを抱える労働集約的な事業であることから、人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、エプコグループでは、新卒・中途採用共に多様な採用活動を実施し、人材の確保に努めると共に、入社後は各階層及び各職種に応じた教育研修の整備に努めておりますが、必要な人材を確保・育成できない場合には、エプコグループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、日本(東京・沖縄・石川)及び中国(吉林)において人件費が上昇した場合、エプコグループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、エプコグループでは業務の生産性向上を目的として業務プロセスの見直し及び作業の自動化や効率化を実現する情報システムの開発を継続的に実施しております。しかしながら、エプコグループの対応よりも急激に人件費が上昇した場合、エプコの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7)新規事業への参入に関するリスク

 

エプコグループは、今後も持続的な成長と収益源の多様化を進めるために、日本国内及び海外において新規事業の創出と育成を積極的に推進する方針です。しかしながら、新規事業を開始した際には、その事業固有のリスク要因が加わると共に、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合は、エプコグループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(8)持分法投資損益による業績変動に関するリスク

 

エプコグループでは、戦略的業務提携の一環として大手企業との間で合弁事業を行っており、現在の持分法適用会社としては、TEPCOホームテック株式会社、班皓艾博科新能源設計(深圳)有限公司、広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司、深圳艾科築業工程技術有限公司、MEDX株式会社の5社があります。各社は各々の事業に関する方針のもとで経営を行っており、これらの持分法適用会社の業績・財政状態の悪化により、エプコグループの業績・財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

(9)情報システムに関するリスク

 

エプコグループのサービスは、インターネット接続環境及び社内外のコンピューターネットワーク等のインフラが良好に稼動することに依存しております。事業の安定的な運用のために、システムの重要度に応じて、コンピュータ機器・通信回線の二重化やバックアップ取得等の安全対策を実施し、またネットワーク機器の導入やウィルス対応などの各種セキュリティ対策を行っております。また、エプコの情報資産を安全に管理するため、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を整備しており、国際規格であるISO/IEC 27001:2013 (JIS Q 27001:2014)の認証を取得しております。

しかしながら、機器やソフトウエアの不具合、人為的ミス、回線障害、コンピュータウィルス、クラッカー等による悪意の妨害行為、あるいは、停電、自然災害によるシステム障害など、その障害等の程度によってはエプコの対策が有効に機能しない可能性があり、その場合には、エプコグループの業務運営、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)個人情報管理に関するリスク

 

エプコグループでは、事業の性質上、得意先から多数の施主様の個人情報をお預かりし、その情報を得意先と共有し、有効活用することで事業運営を行っております。個人情報の漏洩や不正使用を防止するため、安全対策に関するルールを定め、適正な情報管理を行うための体制を整え、全社員を対象とした教育・研修を継続的に実施することにより、厳格な情報管理を徹底しております。

その結果、エプコの個人情報マネジメントシステムはプライバシーマーク(JIS Q 15001)の認証を取得しており、個人情報の取扱いには留意しておりますが、万が一これらの情報の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等によりエプコグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)自然災害等に関するリスク

 

地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ等の感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ事態が発生した場合、エプコグループの社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、エプコグループの業務運営に支障が生じる可能性があります。

そのため、エプコでは、災害対策マニュアルの策定、基幹業務に対する事業継続計画の策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、防災訓練、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じて、各種災害に備えています。ただし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、このような事象の発生時にはエプコの業務運営、財政状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)将来的な気候変動に関するリスク

 

気候変動が世界的に深刻化し、異常気象による災害リスクの増加、カーボンプライシングによるコスト増加等のリスクがあります。

エプコグループの気候変動への対応の詳細につきましては、2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)気候変動への対応をご参照ください。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー