総医研ホールディングス(2385)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 総医研ホールディングスグループ(総医研ホールディングス及び総医研ホールディングスの関係会社)は、総医研ホールディングス(㈱総医研ホールディングス)及び子会社4社により構成されており、生体評価システム事業、ヘルスケアサポート事業、化粧品事業、健康補助食品事業及び機能性素材開発事業を主たる業務としております。なお、総医研ホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 総医研ホールディングスグループの事業内容及び総医研ホールディングスと関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 なお、次の各事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 また、2027年6月期より、ヘルスケアサポート事業を法人ヘルスケアサポート事業に変更し、化粧品事業、健康補助食品事業及び機能性素材開発事業をヘルスケアプラットフォーム事業へ統合する報告セグメントの変更を行います。 (生体評価システム事業) 生体評価システム事業は㈱総合医科学研究所が営む事業であり、大学の研究成果を導入することにより、身体や病気の状態を客観的かつ定量的に評価するための指標であるバイオマーカーとそれを利用した生体評価システムの研究開発を行い、その技術を応用して、従来は適正な評価方法が存在しなかったために有効な食品や医薬品等の開発が不可能であった病態や疾病等に関して新たな食薬等の市場の開拓を行う事業であります。 具体的な事業構造は以下のように区分されます。① 評価試験事業:開発したバイオマーカー・生体評価システムを用いて、食品等の機能性・安全性等に関する臨床評価試験及びこれに付随するサービスを提供する事業② バイオマーカー開発事業:総医研ホールディングスグループ独自のバイオマーカー・生体評価システムの使用権を食品企業や製薬企業等に供与して対価を得る、開発したバイオマーカー・生体評価システムを用いて食品企業や製薬企業等と共同で新たな食薬等を開発する事業 ㈱ウイルス医科学研究所(非連結子会社)は、2005年12月8日に東京慈恵会医科大学の近藤一博教授と共同で設立した子会社であり、近藤教授の研究成果であるヒトヘルペスウイルスを用いた疲労定量化技術(※1)や遺伝子治療用ベクター(※2)等の事業化を目指しております。(ヘルスケアサポート事業) ヘルスケアサポート事業は㈱総合医科学研究所が営む事業であり、総医研ホールディングスグループの有する医療機関ネットワークを活用し、各種健康診断や特定保健指導に関する業務受託、主に被扶養者を対象とする特定健康診査の受診勧奨サポート、糖尿病の重症化予防サービス等、健康保険組合等が行う疾病予防及び健康管理への様々な取り組みを支援するサービスを提供しております。(化粧品事業) 化粧品事業は日本予防医薬㈱が営む事業であり、プラセンタエキスを用いた独自商品ブランドを展開しており、通信販売による直販及び有名百貨店や卸売業者等への卸売りを行っております。(健康補助食品事業) 健康補助食品事業は日本予防医薬㈱が営む事業であり、総医研ホールディングスグループが有するバイオマーカー技術、食薬開発にかかるノウハウや経験等を活かした独自性ある健康補助食品の販売を行っており、疲労プロジェクトから生まれた製品である「イミダペプチド」を主力商品としております。(機能性素材開発事業) 機能性素材開発事業は日本予防医薬㈱が営む事業であり、ラクトフェリンをはじめとする機能性素材の研究開発、販売を行っております。<用語解説>※1 ヒトヘルペスウイルスを用いた疲労定量化技術について ヒトが疲労したり、体調が悪くなったりした場合に、口唇ヘルペスや帯状ヘルペス(帯状疱疹)を発病しやすくなることは経験的に知られています。通常のウイルスは、宿主である細胞が死滅すると自らも死滅するのに対して、ヒトヘルペスウイルス(HHV-6及びHHV-7)は、宿主細胞の健康状態の悪化を感知して細胞の外、特に唾液や皮膚の表面に逃げ出す性質を有しており、これが口唇ヘルペスや帯状ヘルペスを発病するメカニズムに深く関与していると考えられます。本技術は、このヒトヘルペスウイルスの性質を利用し、体液中のヒトヘルペスウイルスの発現量を測定することにより、日常における疲労度を簡便かつ定量的に評価できる方法です。疲労プロジェクトにおいてもその有用性が確認されており、医療の現場や医薬品・食品等の臨床評価だけでなく、診断キットの開発による疲労度の自己モニタリングの実現にも繋がる技術として期待されます。 ※2 ヒトヘルペスウイルスを用いた遺伝子治療用ベクターについて 遺伝子治療においては、治療用遺伝子を治療の対象となる細胞に届け、その細胞の中に放出する技術が必要になります。体外から治療の対象となる細胞に治療用遺伝子を運ぶ役割をするのが「ベクター(運び屋)」です。ウイルスは、細胞に感染し、その細胞内に自らの遺伝子を放出して増殖をする性質を有していますが、このウイルスの性質を利用して、無害化したウイルスに治療用遺伝子を閉じ込め、細胞内に届ける技術を「ウイルスベクター」といいます。従来、ウイルスの感染能力を利用するウイルスベクターは、治療用遺伝子の導入効率は高いものの安全性の面で劣るとされていましたが、本技術は、ヒトに持続的に潜伏感染する、もともと病原性の低いウイルスであるヒトヘルペスウイルス(HHV-6及びHHV-7)を利用した導入効率と安全性の両面で優れたベクターであり、癌やAIDS等の遺伝子治療への応用が期待されます。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。(注) 無印 連結子会社 ※ 非連結子会社で持分法非適用会社
有価証券報告書(2026年6月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】総医研ホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において総医研ホールディングスグループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 総医研ホールディングスグループの企業理念は「医科学の研究成果を事業化し、人々の健康で安全な生活の実現に寄与する」であり、総医研ホールディングスグループは、医学分野における大学の研究成果を人々の生活の身近なところで開花させることによって、人々の健康で安全な暮らしを実現し、医療費の抑制や生活快適性の向上等に貢献することを目指しております。 総医研ホールディングスグループは、大学の研究成果を活かして創出するエビデンス(科学的根拠)に基づき、国民の健康の維持及び増進並びに医療資源の効率的活用等に資するサービスや商品を開発し、提供してまいります。(2)目標とする経営指標 総医研ホールディングスグループは、企業としての成長過程にあることに鑑み、安定的かつ継続的な成長を確保するための事業基盤を強化しつつ、事業規模の拡大を通じて企業価値を高めることを経営上の目標としております。数値目標としては、2030年6月期までに売上高60億円、営業利益5億円、ROE8%を目標としております。(3)中長期的な会社の経営戦略 我が国では、高齢化の進展や医療費の増加を背景として、医療の適正化、予防・健康づくりの推進及び保健事業の実効性向上に対する要請が一段と高まっており、科学的根拠に基づく評価・介入を支える社会のEBM(Evidence Based Medicine:科学的根拠に基づく医療)の重要性は引き続き高まっております。これに伴い、健康保険組合等におけるデータヘルス計画の推進、共通評価指標や健康スコアリングレポートの活用、事業主との連携によるコラボヘルスの進展など、健康経営を推進する企業を後押しする事業環境の整備が進んでおります。 また、機能性表示食品制度におきましても、届出・運用面の見直しを通じて制度の信頼性向上が図られるなど、科学的根拠の重要性は一層高まっております。さらに、オンライン資格確認、電子処方箋、電子カルテ情報の標準化等を柱とする医療DXの推進は、保健・医療データの利活用基盤の整備を通じて、国民の主体的な健康管理や予防行動を促進する環境を形成しております。 このような事業環境のもと、総医研ホールディングスグループは、大学発のバイオマーカー技術に基づくエビデンスの構築と活用に関する実績やノウハウ、医学界や医療界における幅広いネットワーク等を活かし、医療DXを活用して予防から治療まで様々なヘルスケア関連サービス等を提供し、セルフメディケーション社会の構築に寄与することで、事業の拡大を図っていく方針であります。 当連結会計年度においては、構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編を推進するとともに、中長期的な成長基盤の構築に向け、医療DXを活用した総合ヘルスケアプラットフォームの構築に取り組んでまいりました。事業再編としては、中国での化粧品事業から撤退するとともに、日本国内の化粧品事業及び機能性素材開発事業を日本予防医薬㈱へ集約し、健康補助食品、化粧品、機能性素材開発及びOEM事業を一体的に運営する体制へ移行いたしました。また、同社において、中国・ASEAN市場を対象とした健康補助食品及び機能性素材を活用した商品の販売、現地企業向けOEM事業などの海外展開を推進するとともに、同社が保有するECサイト及び顧客基盤を活用し、総合ヘルスケアプラットフォームの事業基盤の構築を進めております。 これらの事業再編に伴い、2027年6月期から、報告セグメントを「生体評価システム事業」、「法人ヘルスケアサポート事業」及び「ヘルスケアプラットフォーム事業」の3区分へ変更し、事業の実態に即した経営管理体制へ移行いたします。従来の「ヘルスケアサポート事業」は「法人ヘルスケアサポート事業」へ名称を変更し、「健康補助食品事業」、「化粧品事業」及び「機能性素材開発事業」は「ヘルスケアプラットフォーム事業」へ統合いたします。 総医研ホールディングスグループは、既存事業による安定した収益基盤を維持・強化するとともに、2027年6月期より本格展開する医療DXを活用したヘルスケアプラットフォーム事業を新たな成長ドライバーとして育成し、中国・ASEANを中心とした海外展開の拡大やM&A・業務提携を積極的に推進することで、中長期的な企業価値の向上及び持続的な利益成長の実現を目指してまいります。また、資本効率を意識した経営を推進し、株主価値の向上にも努めてまいります。 具体的な戦略は次のとおりであります。① 総合ヘルスケアプラットフォームの構築 高齢化や医療従事者不足、海外駐在員の健康不安の深刻化など、医療アクセスを取り巻く課題が多様化する中、総医研ホールディングスグループは、医療DXを推進し、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーションECサイトを基盤に、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービスなどを組み合わせ、「予防から治療まで」のサービスをシームレスに提供する「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進めております。 当該プラットフォームの構築にあたりましては、総医研ホールディングスグループの経営資源を活用してまいります。顧客面では、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び健康経営に取り組む企業の従業員を、当該プラットフォームへ誘導してまいります。併せて、当該プラットフォームで提供する各種サービスを新たな顧客接点とし、顧客基盤の拡大につなげてまいります。提供体制面では、これまで構築してまいりました専門医のネットワークを活用し、オンライン診療やセカンドオピニオンサービスを提供してまいります。商品面では、疲労感の軽減に資するイミダペプチドやフェムケア機能性素材であるラクトフェリンをはじめとする総医研ホールディングスグループの機能性素材及びヘルスケア関連ノウハウを活用した自社商品の拡充を図るとともに、OTC医薬品・漢方薬・化粧品につきましても、取扱品目の充実を図ってまいります。これらに加え、M&Aや業務提携を積極的に活用し、事業領域を拡大してまいります。 また、システム面では、セルフメディケーションECサイトとオンライン診療、オンライン薬局等の各サービスを連携させるシステム基盤の開発、及び顧客データを統合・利活用するための投資を実施してまいります。当該投資につきましては、自社開発に加え、外部サービスとの連携も活用し、効率的かつ機動的に進めてまいります。② エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業の推進 総医研ホールディングスグループは、長年にわたり、主にトクホの許可取得及び機能性表示食品の届出を目的とした食品の評価試験や市販後調査、疲労プロジェクト等を通じて、エビデンスの取得、構築及び活用に向けた事業を行ってまいりました。総医研ホールディングスグループでは、これまでに培ったノウハウや経験、インフラ等を活用し、総医研ホールディングスグループの特長を発揮できる事業領域として、今後もこれらの事業に注力してまいります。③ エビデンスに基づく独自性のある商品の開発 疲労プロジェクトは、「疲労」を客観的に評価・定量化するための評価システムを確立し、これまで適正な評価方法が無かったために有効性を評価することが不可能であった抗疲労候補成分等について、その効果を検証することによって、抗疲労トクホ及び抗疲労医薬品を世に送り出すことを目指して実施されたものであります。疲労プロジェクトの成果につきましては、総医研ホールディングスグループの日本予防医薬㈱を含め、既に複数の参加企業が、臨床試験の実施等を経て事業化に成功し、商品の発売に至りました。 また、疲労プロジェクトで創出された製品である「イミダペプチド」は、2015年4月に施行された機能性表示食品制度において届出が受理され、「日常の生活で生じる身体的な疲労感を軽減する」という機能性を表示することができる我が国で初めての製品となりました。 総医研ホールディングスグループでは、ヘルスケアプラットフォーム事業において、「イミダペプチド」を中心とした抗疲労機能性素材の研究開発を進めるとともに、OTC医薬品、医薬部外品、漢方薬などのセルフメディケーション関連商品の取扱品目の拡充を図ってまいります。さらに、「プラセンタ」、「ラクトフェリン」、「高機能ペプチド」を利活用した「肌の疲れを科学する」新たな化粧品の研究開発を実施してまいります。こうした研究開発投資を通じて、新製品の創出につなげてまいります。④ 海外展開 総医研ホールディングスグループは、日本発のエビデンスと品質を強みとして、中国・ASEAN市場における事業展開を推進してまいります。なお、化粧品事業につきましては中国市場から撤退し、国内市場における主力製品であるプラセンタ製品を中心に展開してまいります。 今後は、現地パートナー企業との協業を進め、各市場のニーズに即した健康補助食品の開発・販売及び現地企業向けOEM事業の拡大を図ってまいります。⑤ 戦略的なM&A及び業務提携等の推進 総医研ホールディングスグループは、各事業においてこれまで様々な外部の主体との業務提携等を推進してまいりました。 総医研ホールディングスグループでは、今後も、既存事業の事業領域の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けて、医療DXを中心としたヘルスケア事業領域における積極的なM&Aによる事業拡大、総合ヘルスケアプラットフォームにおけるコンテンツの充実のための業務提携等、各事業でのシナジー効果が期待できる企業等との間で戦略的なM&A及び業務提携等を行い、業容の拡大及び経営資源の最適配分等を図る方針であります。⑥ 企業価値向上に向けた財務戦略 総医研ホールディングスグループは、資本コストや株価を意識した経営を推進し、2030年6月期にROE8%の達成を目指してまいります。 資本配分につきましては、総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けた研究開発・システム投資及びヘルスケア事業領域におけるM&A等の戦略的な成長投資を優先しつつ、財務の健全性を確保したうえで、株主還元の充実を図ってまいります。 株主還元につきましては、安定配当を基本方針とし、利益成長に応じて配当水準の見直しを実施してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上の課題①ヘルスケアプラットフォーム事業の早期収益化 2027年6月期より本格展開するヘルスケアプラットフォーム事業は、システム基盤の開発や商品・サービスの拡充に先行投資を要する事業であり、早期に顧客基盤を拡大し収益化を図ることが重要な課題であると認識しております。総医研ホールディングスグループは、日本予防医薬㈱が運営するECサイトの既存顧客に加え、法人ヘルスケアサポート事業を通じて接点を有する健康保険組合の保健事業対象者及び企業の従業員を当該プラットフォームへ送客する導線を強化してまいります。また、会員数、購入顧客数、継続利用率等の指標を継続的にモニタリングし、投資の優先順位付けと規律ある投資判断を行ってまいります。 ②既存事業の収益基盤の強化 生体評価システム事業におきましては、機能性表示食品制度の見直しにより、エビデンスの質及び試験の信頼性に対する要請が一層高まっております。総医研ホールディングスグループは、大学発のバイオマーカー技術と長年の受託試験の実績を活かし、信頼性の高い臨床試験及び届出支援の体制を強化することで、受託の拡大を図ってまいります。 法人ヘルスケアサポート事業におきましては、第4期特定健康診査・特定保健指導においてアウトカム評価が導入されたことを踏まえ、成果に結びつく保健指導プログラムの開発・提供を進めてまいります。また、特定保健指導の受託等において重要な事業基盤である医療機関ネットワークの拡充に加え、これを効率的に運用するためのインフラの整備を進めてまいります。 ③関連法令・規制への対応 ヘルスケアプラットフォーム事業では、健康補助食品・化粧品、OTC医薬品・漢方薬、郵送検査等のセルフメディケーション商品の販売に加え、オンライン診療、オンライン薬局、セカンドオピニオンサービス等の治療領域までサービスを提供することから、医療法、医薬品医療機器等法、健康増進法、景品表示法、食品表示法等の関連法令・規制への適合が不可欠であります。総医研ホールディングスグループは、薬事・広告表現の審査体制の整備、管理薬剤師等の必要な人員の確保、法令改正の動向の継続的な把握を通じて、今後の法令等の改正への対応も含め、法令遵守体制を強化してまいります。 ④知的財産権への対応 総医研ホールディングスグループでは、研究開発の成果として生ずる成分や製品等について、大学研究者等との共同又は総医研ホールディングスグループ単独にて特許権その他の知的財産権を取得することにより、その権利の確保を図っております。また、総医研ホールディングスグループの事業に必要な大学研究成果が総医研ホールディングスグループ以外で利用されることを防ぐため、当該研究成果について、一定の対価を支払う代わりにその特許を受ける権利の一部を譲り受け、発明者と総医研ホールディングスの共同で特許を出願することも行っております。さらに、国内外ともに、総医研ホールディングスグループが有する独自性の高い製品の模倣品による被害を防ぐため、商標登録、意匠登録等を適切に行い、権利保全を図る必要があります。以上のことから、総医研ホールディングスグループは、引き続き知的財産権を戦略的に取得又は活用してまいります。 ⑤人材の確保及び組織体制の強化 新規事業であるヘルスケアプラットフォーム事業を構築し、総医研ホールディングスグループの成長を加速しつつ持続的な成長を維持するためには、事業環境の変化に適応する組織体制の強化が重要であると考えております。そのため、医療DX、EC運営、薬事等の専門人材の確保・育成を進めてまいります。また、M&A実施後の統合プロセス(PMI)を適切に推進し、グループ全体のガバナンス及び内部管理体制を強化することで、ヘルスケアプラットフォーム事業の安定的な運営及びM&A等による総医研ホールディングスグループの拡大を支える強固な経営基盤を構築してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。総医研ホールディングスグループは、これらのリスクの存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、かつ、万が一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存でありますが、総医研ホールディングス株式への投資判断は、本項及び本資料中の本項以外の記載も併せまして、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において総医研ホールディングスグループが判断したものであります。(1) 評価試験事業について 評価試験事業の受注は食品・製薬企業等におけるトクホや機能性表示食品等の新規開発が前提となりますが、昨今、血圧や血糖値等といった一般的な健康表示のトクホの開発が一巡したこと等を背景として、新規の開発案件が減少する傾向が続いております。もともとトクホや機能性表示食品等を開発できるほどの開発力や資金力等のある企業の数も多いとは言えず、そのような企業の経営環境、経営方針、事業戦略、予算等の動向により、今後とも現在のような傾向が続き、総医研ホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(2) 研究開発について 総医研ホールディングスグループは、身体や病気の状態を客観的かつ定量的に評価するための指標であるバイオマーカーとそれを利用した生体評価システムを開発し、従来は適正な評価方法が存在しなかったために開発が不可能であった病態や疾病等に関して、新たな特定保健用食品や機能性表示食品等を世に送り出すことを目指しており、疲労プロジェクトを始め、「評価システムの確立による新たな食薬市場等の開拓」というビジネスを様々な病態等をターゲットとして展開しております。また、総医研ホールディングスグループにおいては、バイオマーカー及びそのバイオマーカーを利用した生体評価システムの開発に留まらず、総医研ホールディングスグループ独自の食品、化粧品、機能性素材等の新規開発にも取り組んでおります。このような研究開発には相当の費用と時間を費やすことになりますが、必ずしも事業化に成功する保証はなく、また仮に事業化に成功した場合でも、期待どおりの収益が得られる保証はありません。ターゲットとする分野の設定、商品の企画及び研究開発費用の支出には、その採算性に十分注意を払いますが、事業の多様化や研究領域の拡大を背景として、今後、研究開発費用が増加する可能性があり、それにより総医研ホールディングスグループの業績が影響を受ける可能性があります。 加えて、総医研ホールディングスグループでは、消費者・生活者のニーズを実現するために必要な大学発研究成果を収集し、選択的に利用するという形態にて研究開発活動を行っておりますが、何らかの原因により必要な研究成果について総医研ホールディングスグループへの提供が受けられない場合や、不可欠な研究成果について過大な対価を求められた場合等には、総医研ホールディングスグループの事業運営に悪影響が生ずるおそれがあります。(3) 知的財産権について 開発したバイオマーカー及び生体評価システム並びにそれらにより開発された成分や製品等について、その権利を保全するため、特許権その他の知的財産権を確保することは極めて重要であると考えられます。また、総医研ホールディングスグループでは、総医研ホールディングスグループの事業に必要と考えられる大学研究者の発明について、その特許を受ける権利の一部を譲り受け、共同で特許出願することにより、当該発明が総医研ホールディングスグループ以外で実用化されないようにしております。 総医研ホールディングスグループは、今後も、知的財産権を戦略的に取得又は活用していく方針でありますが、特許等を申請した全ての研究成果について必ずしもその権利を取得できるとは限りません。また、より優れた研究成果が総医研ホールディングスグループ以外で生まれた場合には、総医研ホールディングスグループの研究成果が淘汰される可能性があります。(4) 代表取締役社長の角田真佐夫について 総医研ホールディングスの代表取締役社長の角田真佐夫は、医療機器・医薬品販売を事業とするバイオテック会社を経て総医研ホールディングスグループに入社し、ヘルスケアサポート事業を新規に立ち上げ、多数の特許を保有する機能性素材の研究開発を行う機能性素材開発事業の事業責任者も兼務し、2024年9月に代表取締役社長に就任いたしました。 総医研ホールディングスグループは、構造改革及びヘルスケア事業を中核とした事業ポートフォリオの再編を推進するとともに、中長期的な成長基盤の構築に向け、医療DXを活用した総合ヘルスケアプラットフォームの構築に取り組んでおります。同取締役は、このような総医研ホールディングスグループの経営及び事業運営全般において中心的な役割を果たしているため、何らかの理由により同取締役の総医研ホールディングス業務の遂行が困難となった場合には、総医研ホールディングスグループの事業戦略や経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。(5) 大学との関係について 総医研ホールディングスグループは大学の研究成果を導入することによって事業を行っておりますので、大学との関係が重要な事業基盤となりますが、この点について以下のようなリスクがあると考えております。 国立大学の独立行政法人化の根拠法となる国立大学法人化法や、公務員である大学の研究者が適用を受ける国家公務員法、地方公務員法、人事院規則等の改廃、又は関係当局の運用の変化等の影響を受ける可能性があります。また、国公立大学の独立行政法人化にともない、大学が生み出す知的財産等の取り扱いの変化、研究の委託や研究成果の提供の対価についての見直し等、今後、民間企業と大学との関係に変化が生じる可能性があり、総医研ホールディングスグループの事業にも影響を与えるおそれがあります。 総医研ホールディングスグループは、大学研究者に対して、寄付金の形態で総医研ホールディングスグループにとって有用と思われる研究について資金供与を行うことがありますが、形式上は寄付金であることから、研究成果として生まれたものに関して、必ずしも総医研ホールディングスグループが利益を享受できないおそれがあります。(6) 組織体制の最適化について 総医研ホールディングスグループの事業におきましては、医学及び薬学等の分野での専門性の高い人材の配置が不可欠であり、また、事業の多様化や拡大に対応してマーケティング、国内外営業、国際業務、M&Aの実行、内部管理等の幅広い人材の配置を最適化させる必要があります。総医研ホールディングスグループでは、効率的な事業運営体制の構築を目的として、人材配置の最適化を図る方針であります。しかしながら、人材配置の最適化が計画通りに進まない場合には、総医研ホールディングスグループの業務及び事業運営に支障をきたすおそれがあります。(7) 訴訟リスクについて 総医研ホールディングスグループは、バイオマーカー等に関する研究開発及びその事業化を推進しておりますが、他社が総医研ホールディングスグループと同様の研究開発を行っている可能性も皆無ではないため、他社の知的財産権を侵害し、その結果訴えを提起されることがないとはいえません。その場合は総医研ホールディングスグループの事業戦略及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。総医研ホールディングスグループとしましても、そのような事態を未然に防止するため、事業展開にあたっては特許事務所等を通じた特許調査を実施しており、総医研ホールディングスグループの特許が他社の特許に抵触しているという事実は認識しておりません。しかしながら、総医研ホールディングスグループのような研究開発型企業にとって、知的財産権侵害の発生を完全に回避することは困難であります。(8) 配当政策について 総医研ホールディングスグループは株主に対する利益還元を経営上の最重要課題の一つと位置づけており、将来の研究開発活動や事業基盤の拡充、業務体制の強化等のための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案しつつ、安定的な配当を通じて、株主への利益還元を図りたいと考えておりますが、業績動向等によっては減配や無配となる可能性があります。(9) 化粧品製造販売について 総医研ホールディングスグループでは、連結子会社の㈱ビービーラボラトリーズが2026年3月末日まで化粧品事業を行っており、同社の事業活動終了に伴い、プラセンタ製品に関する化粧品事業を同じく連結子会社の日本予防医薬㈱が日本国内において行っております。当該事業には次のようなリスクがあります。① 運転資金の増加 化粧品製造販売においては、販売に先立って、原材料の購入や製品製造外注委託費の支払等が発生するため、販売代金の回収までの期間についての運転資金が必要になり、総医研ホールディングスグループの運転資金が増加することとなります。② 与信リスク 化粧品製造販売における販売先は、個人顧客への通信販売及び卸先への卸売上に大別されますが、これらの販売チャネルの何れの場合にも、販売代金の回収不能という事態が起こり得ます。総医研ホールディングスグループでは、卸売上先については、信用調査会社の活用や、また特に海外あるいは大口の取引先からの受注に対しては、前金対応を図る等して与信リスク回避に努めている一方で、相当の貸倒引当金を計上し貸倒れの発生に備えておりますが、当該貸倒引当金の額を上回る貸倒れが発生した場合には、総医研ホールディングスグループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。③ 在庫リスク 化粧品製造販売においては、原材料の発注及び製品製造外注委託について、市場の需要動向や商品在庫状況等を勘案した上での見込み発注を行っております。そのため、常に販売計画等とその実績との乖離要因を把握し、適正在庫の維持に努めておりますが、競合他社との競争激化、消費者の需要の動向等の要因により販売計画と実績との乖離が顕著に発生した場合には、結果として商品在庫の陳腐化等により商品評価損を計上する可能性があり、総医研ホールディングスグループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。(10) 健康補助食品販売について 総医研ホールディングスグループでは、主に日本予防医薬㈱が健康補助食品の通信販売等を行っており、総医研ホールディングスグループが有するバイオマーカー技術、食薬開発にかかるノウハウや経験等を活かした独自性ある健康補助食品を開発し、販売しております。現在は、疲労プロジェクトから生まれた製品である「イミダペプチド」の飲料及びソフトカプセルを主力製品とし、通信販売による直販及びドラッグストア等への卸売りを展開しております。健康補助食品販売も、基本的な事業構造は化粧品製造販売と類似していることから、上記(9)と同様に運転資金の増加に関するリスク、与信リスク、在庫リスクを抱えております。 「イミダペプチド」につきましては、主に広告宣伝費を投下して通信販売の顧客を獲得することによって販売の増加を図っており、現状、定期顧客数も安定的に推移しておりますが、競合他社との競争激化、消費者の需要の動向等の要因により、想定通りに顧客獲得が進まない場合は、当該事業の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、「イミダペプチド」は主成分を鶏むね肉から抽出しており、原料となる鶏むね肉の仕入価格が大幅に高騰する状況や鶏むね肉の供給が不足する状況が生じた場合、製造原価が増加することによって今後の総医研ホールディングスグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 健康補助食品販売は今後「ヘルスケアプラットフォーム事業」へと統合し総医研ホールディングスの強みである抗疲労成分「イミダペプチド」を中心に、OTC 医薬品、医薬部外品、漢方薬などセルフメディケーション関連の新商品を順次投入し、製品ポートフォリオの多角化を企図しており、これらの商品開発が想定どおりに進捗しなかった場合、同事業の業績が悪化するおそれがあります。 加えて、日本予防医薬㈱は、中国をはじめとするアジア市場において、市場のニーズに即した新たな健康補助食品の開発を行い、中国及びアジア市場での健康補助食品事業の販路拡大を図ってまいります。これらの海外販売においては、現地の法規制や行政当局の運用、商慣習等が国内とは異なるほか、顧客の信用力等の情報収集にも限界があることから、不測の損害が発生したり、期待通りの業績が計上できないおそれがあります。(11) 法人ヘルスケアサポート事業について ㈱総合医科学研究所が行う法人ヘルスケアサポート事業は、総医研ホールディングスグループの有する医療機関ネットワークを活用し、各種健康診断や特定保健指導に関する業務受託、主に被扶養者を対象とする特定健康診査の受診勧奨サポート、糖尿病の重症化予防サービス等、健康保険組合等が行う疾病予防及び健康管理への様々な取り組みを支援するサービスを提供する事業であります。当該事業には次のようなリスクがあります。① 関連法令等について 法人ヘルスケアサポート事業におけるサービスには、特定健康診査及び特定保健指導の根拠法令である「後期高齢者の医療の確保に関する法律」、定期健康診断の根拠法令である「労働安全衛生法」等、関連法令等の適用を受けるものがあります。このため、これらの関連法令等の改廃が行われた場合には、当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。② 受注高について 法人ヘルスケアサポート事業の受注高は特定保健指導等の対象者の受診実績に応じて事後的に決まることから、当該事業の受注高は、契約締結時点ではなく受診実績が確定した時点で計上しております。受診は対象者の意思に依存するため、受注済の業務であっても受注高を正確に予想することは困難であり、また、結果として受診率が伸びない場合には当該事業の業績に悪影響を及ぼすことになります。(12) OEM/機能性素材開発について 日本予防医薬㈱が行うOEM/機能性素材開発は、ラクトフェリンを中心とした機能性素材の開発、販売及び技術供与等を行っております。当該事業には次のようなリスクがあります。① ラクトフェリンの価格変動について ラクトフェリンの原料を仕入れ、粉砕加工等を行った上で、健康補助食品等の機能性素材として販売しております。このため、ラクトフェリンの原料の仕入価格や機能性素材の販売価格の変動が、当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。② 為替変動について ラクトフェリンの原料の仕入は外国の企業から行っており、外貨建で決済しております。為替リスクにつきましては、為替予約といったデリバティブ取引により軽減を図っておりますが、為替市場の動向が当該事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。③ 研究開発費について ラクトフェリンをはじめとする機能性素材について、新規開発、加工及び用途等に関する研究を行っており、研究開発費を投下しております。研究開発費の投下につきましては、総医研ホールディングスグループ全体の業績計画と整合する範囲内で行うこととしておりますが、研究開発費が増加した場合には、当該事業の業績に悪影響が生じる可能性があります。(13) 新規事業について 総医研ホールディングスグループは、「エビデンス」を基盤としたヘルスケア事業を中核に据え、予防から治療までを一気通貫でサポートする「総合ヘルスケアプラットフォーム」の構築を進めております。本プラットフォームでは、セルフメディケーション商品の販売に加え、郵送検査、OTC医薬品・漢方薬、オンライン診療・オンライン薬局等のサービスを順次提供する予定です。これらの新規事業の推進にあたり、会員の獲得やサービスの利用が計画どおりに進まない場合、医薬品の販売やオンライン診療等に関する法規制が変更された場合、提携医療機関等との連携に支障が生じた場合、又は健康情報等の個人情報の管理に支障が生じた場合には、期待した成果が得られず、総医研ホールディングスグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(14) 企業買収等について 総医研ホールディングスグループは、既存事業の拡大及び総合ヘルスケアプラットフォームの構築に向けて、ヘルスケア事業領域において企業買収や資本提携を積極的に取り組む方針としております。企業買収や資本提携に際しては、対象企業の財務内容等について詳細な事前調査及び監査を行い、リスクを把握したうえで決定しますが、事業環境等の変化等により、当初想定した効果が得られない場合には、のれんの減損損失の計上等、総医研ホールディングスグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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