イーサポートリンク(2493)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 イーサポートリンクグループは、生鮮青果流通業界を構成する事業者に対して、関連するシステム、業務受託サービス、青果売場構築支援サービス等を提供しております。また、国産農産物、有機農産物の仕入販売及び生産販売を行っております。 イーサポートリンクグループの主な事業内容は以下のとおりであります。 なお、当連結会計年度より、従来「農業支援事業」に含めていた国産野菜向けのオペレーションシステムの提供及び業務受託並びに販売事業を「オペレーション支援事業」に含めております。 (1)オペレーション支援事業 野菜や果物といった生鮮食品は、一定の規格のある工業製品と異なり、産地や気候、その年の出来・不出来等によって、色、サイズ、品質等がまちまちであり、商品に全国共通の商品コードをつけること(システム化)が難しい分野です。そのため、生産地から量販店に並ぶまでの商品の流れ(物の流れ・商取引の流れ)の情報をデータベース化し、集中的に管理することが困難であり、流通過程においてさまざまなロスとコストが発生していました。 イーサポートリンクは、生鮮食品という特殊な商品、商習慣による複雑な生鮮流通をITによりデータベース化・ネットワーク化すること、徹底的にロスを省いたシンプルな構造にすることを考え、生鮮流通に関わる経験・知識を用いて、生鮮青果物流通業界を構成する事業者向けに「イーサポートリンクシステム」及び「生鮮MDシステム」を開発いたしました。 イーサポートリンクシステムは、生産者・加工業者・中間流通業者・運送業者がそれぞれ用途に応じて利用できる生鮮流通システムです。当該システム利用企業間における事務処理をシステム化し、重複業務の統合化、債権債務の明確化、情報の共有化を図ることを目的に開発されております。従って、当該システムを利用することで、サプライチェーン上流(生産者・出荷団体)の計画・予定情報を下流(加工業者・中間流通業者・運送業者)側でも共有することができるため、段取り、準備作業の効率化にも繋がります。 生鮮MDシステムは、小売・量販店とその取引先との取引において、商品調達における一連の業務をサポートし、農産、水産、畜産、花卉や日配品など、幅広い商品に対応できるシステムです。仕入計画を重視し、産地直取引、市場取引に対応する機能を持ち、生鮮型商品から日配型商品までのオペレーションが可能ということが特徴です。 また、生鮮青果物流通業界を構成する事業者に対して、上記システムの利用をベースに業務代行サービスも提供しております。当該サービスは、生鮮青果物流通における商取引上の中間工程に必要な作業を幅広く(営業行為、商品調達行為を除く)カバーしております。具体的には、下記のサービスを365日、年間を通して提供しております。なお、イーサポートリンクは東京(本社)・札幌・神戸に当該サービスの拠点を設置し、全国的に展開しております。 受託業務メニュー主要なサービス内容受注代行量販店からの発注をEDI(※1)等で受信し、受注処理を行っております。計上代行売上・仕入計上後に発生した値引き等の修正を行っております。売掛管理代行請求書の発行、発送及び当該請求書と入金額の照合を行っております。出荷付随代行商品を出荷する際に添付する「納品書」及び「納品個数表」等の発行を行っております。需給調整代行中間流通業者である販売者が作成した販売計画と、荷主の商品在庫数を照合し、商品の過不足を予測した上で商品の在庫荷廻しを行っております。また、商品の在庫状況と販売計画を基に調整した数量を出荷拠点・加工拠点へ移動する指示も行っております。手配代行受注処理により確定した受注情報及び販売計画情報と在庫情報を基に各作業者に対し、加工、出荷、配送の指示を行っております。買掛管理代行請求書と仕入情報との照合及び支払い明細書を発行しております。入力代行売上入力作業等を行っております。(※1)EDI:Electronic Data Interchange 電子データ交換。企業間の受発注等の商取引をデジタル化し、ネットワークを通じてやりとりする仕組みのこと。 また、小売量販店向けに、「es-Marché(エスマルシェ)」、「青果売場構築支援事業」を展開しております。 es-Marchéは、小売量販店と近隣の生産者とのコミュニケーション、地場商品の直接取引をサポートするシステムです。生産者の口座管理やインストアコードの体系管理、売上実績管理がシステム化されるため、小売量販店の作業を簡素化し、事務負担を軽減することが可能です。 青果売場構築支援事業は、ドラッグストアに対して青果売場を新たに構築する支援サービスを展開しております。店舗内に売場を設け、売場の運営管理を行い、消費者のワンストップショッピングが可能な環境を提供することで、消費者に対しては利便性向上、生産者に対しては販路拡大、店舗に対しては魅力的な店舗づくりを実現します。 (2)農業支援事業 りんごの仕入販売、国産農産物の仕入販売を行っております。また、子会社の株式会社シェアガーデンホールディングスを通じ、その子会社である株式会社オーガニックパートナーズにて、有機農産物等の仕入販売を行っている他、連結子会社3社(株式会社シェアガーデン・オーガニックファームつくばの風有限会社・株式会社農業支援)において農産物の生産事業を行っております。 事業の系統図は以下のとおりであります。 (1)オペレーション支援事業 (2)農業支援事業
有価証券報告書(2025年11月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 イーサポートリンクグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月26日)現在において判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 イーサポートリンクグループは、「全ては生産者と生活者のために」を経営理念に掲げ、「食の流通情報を活用し、生産者の暮らしを支え、生活者の食生活に貢献する」企業グループを目指し、事業を展開しております。 (2)目標とする経営指標 イーサポートリンクグループは、顧客ニーズへの柔軟な対応と、サービスレベル・生産性の向上を追求することで、企業価値を向上させることを重要な経営戦略として掲げており、それを計る尺度として、売上高、営業利益及び営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。また今後の成長に向けた新規サービスの開発投資が重要との認識からEBITDA(=営業利益+減価償却費)も経営指標として重要視しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 イーサポートリンクグループは、システムと業務受託で青果物流通に関わる全てのプレイヤーを支援し、圧倒的な優位性を持つオペレーション会社になることを目指しております。 (4)経営環境 イーサポートリンクグループの主たる事業領域である生鮮流通を取り巻く環境は、人口減少等の社会課題を背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)への積極的な投資や、企業の統合・再編等の動きが強まっております。小売業においては、長引く物価高から消費者の節約志向を捉え、PB(プライベートブランド)商品の展開やリテールメディアの活用等、各社様々な手法により事業拡大に取り組みながら、AI技術を活用した需給予測や自動発注システム等への投資、移動販売やEC販売等、様々な販売形態の展開により、店舗運営の効率化と消費者の多様なニーズへの対応を進めております。また、中間流通業においても、物流の2024年問題への対応として、AI技術を活用した配車システム等への投資や、事業者間の提携によって配送の効率化に取り組む動きがみられます。国内の農業生産者においては、高齢化や異常気象による主要産地からの農産物の供給不足が懸念される中、農作業の効率化・省力化や農産物の収穫量強化、調達の安定化等への取り組みとして、IoT機器やAI技術を利用したスマート農業が推進されております。 (5)対処すべき課題 イーサポートリンクを取り巻く事業環境は、気候変動などの環境問題や労働力不足などの物流問題、少子高齢化などの人口構造の変化等、様々な社会課題から大きく変化しております。経営理念の下、イーサポートリンクグループは中長期の事業構想を見直し、食に関わる「生産」・「流通」・「消費」を持続的に支えていくために、地域社会への貢献と、持続可能な社会創りへの貢献ができる企業となることを目指しております。これらを実現するために、イーサポートリンクグループは次の3つの基本方針を骨子とする3か年の中期経営計画(2025年11月期から2027年11月期まで)を策定し、事業を推進してまいります。① 基幹事業の収益維持イーサポートリンクが創業時からお客さまに提供してきた青果物流通システム及び業務受託サービス、生鮮受発注システムは、重要な収益基盤として認識しております。ニーズに合わせた追加機能開発やシステム間連携による利便性向上、業務オペレーションの生産性を高める取り組みなど、追加投資を行うことで、その収益の極大化を図ってまいります。② 積極的な投資AI技術を活用したサービスの開発や多様化するお客さまのニーズに応じたシステムの機能追加などのシステム・ソフトウエアへの投資をはじめ、事業展開にあたって効果的なM&Aなど、リスクと投資効率を勘案した上で、イーサポートリンクグループの持続的な成長に資する積極的な投資を行ってまいります。また、今後の事業環境の変化を見据えた営業体制の強化、次世代人材の育成や人材獲得により人的資本の拡充に取り組んでまいります。③ 事業ポートフォリオの組み換え青果物流通システム及び業務受託サービスは、基幹事業であると同時に引き続きイーサポートリンクの成長を牽引するものであります。今後これらの事業で培ったノウハウや知見を活用し、小売量販店と協働して農作物の地産地消を促進する仕組みや、青果物を取り扱っていない業態への売場構築と運営支援サービスの提供の拡大を進め、青果物の販売チャネルの確保や生活者の購入機会の拡大によりイーサポートリンクグループの新たな収益基盤を築いてまいります。また、農業生産基盤の弱体化が懸念される中、イーサポートリンクグループでの生産事業を強化し、農産物の調達力を高めてまいります。 環境変化への適応力を高めるとともに地域社会の活性化や持続可能な社会の実現に向けた取り組みを通して、日本が直面する社会課題の解決に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年2月26日)現在においてイーサポートリンクグループが判断したものです。(1)特定の取引先への依存について イーサポートリンクは、輸入青果物の市場外流通に関わる事業者とともにサプライチェーンを構築し、関係する事業者に対し、基幹情報システムと業務受託サービスを提供しております。また、大手小売量販店とその取引先に対しては、商品調達をサポートするシステムを提供しております。これら提供サービスの課金体系は、情報システムを利用したデータ量に応じた課金、業務受託サービスについては業務処理量に応じた課金であり、顧客の利用状況に合わせた従量制となっております。 これらの企業向けサービスの売上構成比率は相対的に高く、今後とも取引の維持、拡大を図ってまいりますが、経営環境の変化に伴う各社の業績などにより、イーサポートリンクシステム利用の見直しや、イーサポートリンクに委託している事務業務を内製化する等の方針変更の可能性等により、イーサポートリンクのシステム利用データ量、業務処理量が減少した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)取引先情報の管理について イーサポートリンクグループは、情報サービス企業として、青果物サプライチェーンに対応した「イーサポートリンクシステム」、小売量販店のデマンドチェーンに対応した「生鮮MDシステム」、小売量販店と近隣の生産者の取引をサポートする「es-Marché」など、複数のシステムによりサービスを提供し、顧客の生産・販売数量や仕入・販売価格などの重要な情報、また農産物生産者の個人情報等をシステムにより管理しております。また、システム開発や運用業務の一部について、外部委託をしております。 システム障害や情報漏洩など万一の場合に備えて、コンピュータセキュリティの強化、保守体制の構築、「ISO/IEC27001:2022」「ISO/IEC20000-1:2018」認証取得によるシステム運用・管理ルールの徹底、外注先への秘密保持契約の締結と監督など、複数の対策を実施しております。しかしながら、災害によるソフトウエアやネットワーク、コンピュータ機器等が被災した場合のシステム障害の発生や内部情報の消失、イーサポートリンクの想定を超えた不正アクセスや予測不能のコンピュータウイルス感染などによる情報漏洩、データの改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、イーサポートリンクの社会的信用や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)新規事業への取り組みについて イーサポートリンクグループは、事業の拡大と収益基盤の強化を図るため、新規事業への展開を積極的に進めております。しかしながら、業界動向、市場動向及び法的規制等の事業環境の変化により、新規事業が当初予定していた計画を達成できず、投資に見合うだけの十分な収益を計上できない場合、イーサポートリンクグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4)生鮮青果物の流通量及び価格変動について イーサポートリンクグループの提供するシステム及び業務受託サービスは、生鮮青果物の生産者から中間流通業者、小売業者まで、青果物業界の川上から川下までの事業者等を主な対象としております。また、小売店等に農産物等を販売する事業も行っております。 生鮮青果物は、生産量や品質が天候に左右されるという特徴があり、イーサポートリンクサービスは、顧客がシステムを利用するデータ量や業務受託量による従量課金制を主に採用しているため、天候不順や自然災害で青果物の生産量が著しく減少し、取り扱い業務量が減少した場合や、相場により農産物の仕入価格の高騰や販売価格が下落した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入青果物においては、生産国の情勢や為替相場の影響などにより、日本への輸入量が減少した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)人材の確保と育成について イーサポートリンクグループが提供するサービスは、人材の確保と教育体制の充実による継続的な人材育成が必要不可欠であると認識しております。適切な人員の確保や育成が不十分な場合、事業拡大など会社の成長に影響を与える可能性があります。また、人材の確保・育成が順調に進んだとしても、その人材が外部流出することにより、人的戦力の低下、ノウハウの流出、知的財産、その他の機密情報も流出する可能性があります。 イーサポートリンクグループでは人材の流出を防止するための施策として、人材ポリシーに基づく透明性のある人事諸制度の導入、教育機会提供の投資等により従業員エンゲージメントを高める取り組みを行っております。また、社内規則として機密保持について規定し、周知徹底を図るとともに、退職時には機密保持に関する念書を徴収しておりますが、これらの対応が将来においても効果的に機能する保証はなく、今後、人材の流出が進んだ場合、イーサポートリンクグループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 (6)知的財産権及び訴訟の可能性について イーサポートリンクグループの情報システムやビジネスモデルについて、特許権や実用新案権の対象となる可能性があるものについて、権利保護を目的として各種申請を行っており、今後も適切な措置を講じていきます。イーサポートリンクグループの知的財産権等が第三者から侵害された場合、知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないこととなり、多額の訴訟費用が発生する可能性があります。 また、ソフトウエア等に関する技術革新の急速な進展等により、イーサポートリンクの開発した情報システムが第三者の知的財産に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。第三者により知的財産権等の侵害を主張され、損害賠償や使用差し止めの訴えなどにより、イーサポートリンクグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、イーサポートリンクグループの提供しているシステムの障害や重大な人為的ミス等により、顧客に損害を与える可能性があり、顧客から訴訟を提起された場合にも、イーサポートリンクグループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)自然災害等の影響について イーサポートリンクグループは、南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震などの大規模な地震をはじめとする災害や新型インフルエンザなどの感染症の発生などを想定し、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策について、事業継続計画(BCP)を策定しております。しかし、災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であり、また、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化により、想定していない規模での発生も考えられるため、その場合は、事業活動の縮小など、イーサポートリンクグループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8)固定資産の減損について イーサポートリンクグループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化により、事業の収益性が低下した場合や、市場価格が著しく下落した場合などには、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、イーサポートリンクグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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