かどや製油(2612)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】かどや製油グループは、かどや製油及び子会社2社で構成されており、ごま油や食品ごまなどの製品を製造・販売しております。かどや製油グループは、2025年4月に制定したパーパス・ビジョン・バリュー(PVV)に基づき、パーパスである「ごまの価値を極限まで高めることで世界に貢献する」方針のもと、家庭用はもとより加工食品の原料や外食産業の業務用など、様々な用途に応じたごまに関連する製品を展開しております。かどや製油グループにおいて、かどや製油はごま油事業及び食品ごま事業等を行っており、連結子会社であるカタギ食品株式会社は食品ごま事業を行っております。また、Kadoya America Inc.は事業開始に向けて準備を進めております。2026年3月31日現在の、かどや製油グループの事業の系統図及び出資比率は次のとおりであります。 [事業系統図] [議決権の所有割合又は被所有割合] (注)1.㈱MCアグリアライアンスは、かどや製油のその他の関係会社である三菱商事㈱の子会社であります。2.小澤商事㈱は、かどや製油の主要株主であります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】かどや製油グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてかどや製油グループが判断したものであります。 (1)経営方針かどや製油グループは、パーパス(ごまの価値を極限まで高めることで世界に貢献する)・ビジョン(ごまを通じて社会課題の解決に取り組み、社員と会社の両方が持続的に成長する)・バリュー(ごまのパイオニアであり続ける/お客様第一主義/誠実・公平・偽りなく行動/差別なく、異なる考え方・文化・社会に敬意を払い続ける/自ら挑み、常に変化を生む)に基づき、かどや製油グループのファンを基盤として中長期的に企業価値を向上させていく「ファンベース経営」を実践することでステークホルダーへの価値提供と企業価値向上を目指しております。 (2)中長期的な経営戦略かどや製油グループは2028年度を最終年度とする中期経営計画に基づき、以下のような施策を着実に実行してまいります。 ・ファンの声を起点にした新商品/チャネルの開発・脱脂ごまに含まれるタンパク質の活用による新たな収益の柱の創造・商品力/ブランド力を活かした米国市場における更なる成長・DX推進による生産効率化(コストダウン)の追求・サプライチェーン上に存在する社会課題への解決に向けた取組・成長実現のための基盤となるコーポレート機能の強化 (3)経営上の目標とする指標かどや製油グループは、如何なる経営環境下であっても「ごま製品の安定供給」という社会的責任を果たす観点から継続的に利益を確保できる経営体質の確立を目指しており、中期経営計画において資本効率性指標である「ROE(目標:中長期的に8%以上)」を重要指標としております。 (4)経営環境及び対処すべき課題①経営環境及び対処すべき課題かどや製油グループを取り巻く事業環境は、エネルギー費・物流費等の上昇、為替変動、消費行動の変化に加え、気候変動や地政学リスクの高まりなどにより、事業運営の不確実性が一層高まっているものと認識しております。かどや製油グループが今後対処すべき主な課題は、以下のとおりであります。 a 収益力の向上原材料価格や各種コストの上昇が継続する中、収益力の確保・向上は最も重要な経営課題の一つであると認識しております。このため、適正価格の実現、付加価値商品の育成、販売施策の高度化に取り組むとともに、国内外の成長機会を見極めながら、経営資源配分の最適化を進めてまいります。 b ブランド価値の向上かどや製油グループが持続的に成長していくためには、ごまの価値を分かりやすく伝え、継続的な支持を得ていくことが重要であると考えております。パーパス・ビジョン・バリュー(PVV)に基づく一貫した理念体系のもと、ファンベース経営を通じてステークホルダーとの接点を強化し、品質、安全・安心、健康価値及び社会的価値を含めたブランド価値の向上に取り組んでまいります。 c 生産・研究開発・人的資本を中心とした経営基盤の強化品質の維持向上及び安定供給責任を果たすため、生産体制の最適化や品質保証体制の強化が引き続き重要な課題であると認識しております。あわせて、研究開発機能の強化、人材育成、DXの推進を通じ、変化する事業環境に柔軟に対応できる経営基盤の構築に取り組んでまいります。 d 持続可能な原料調達体制の強化主要原材料であるごまの安定調達及び品質確保は、かどや製油グループの事業継続と競争力の観点から、継続的に取り組むべき事項であると考えております。調達先の多様化や産地との連携強化を進めるとともに、サプライチェーン全体を通じた品質管理や人権・環境への配慮を一層推進してまいります。 ②公正取引委員会からの排除措置命令及び課徴金納付命令の受領、並びに同命令に対する取消訴訟の提起についてかどや製油は、2024年3月に独占禁止法違反の疑いにより公正取引委員会の立入検査を受け、2025年5月14日に同委員会から排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。かどや製油は、これら一連の命令について公正取引委員会との間に見解の相違があることから、取消しを求めて訴訟を提起しております。当該訴訟はその後2件に併合され、現在も係属中であります。なお、かどや製油は、当該事象の発生に関わらず、かねてから社内教育の実施や内部統制の改善・運用等を行う等、継続的なコンプライアンス体制の強化に努めております。また、2025年1月には独占禁止法遵守規程等を定めており、今後も、コンプライアンスの遵守を徹底してまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主に以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてかどや製油グループが判断したものであります。 (1)地政学・通商環境等に関するリスクかどや製油グループは、原材料調達及び製品販売の両面において海外との取引が多く、地政学的リスクや国際通商環境の変化により事業活動が影響を受ける可能性があります。 ① 原料に関する影響かどや製油グループが使用するごま種子は海外依存度が高く、主要生産国を中心とした地政学的要因、輸出入規制、検疫条件の変更等により、原料価格の変動や調達安定性に影響が生じる可能性があります。原料価格上昇分については価格転嫁を基本とするものの、転嫁が不十分となった場合には収益性に影響を及ぼす可能性があります。 ② 資材に関する影響国際情勢の不安定化や各国の政策変更により、包装資材、物流関連資材等の国際調達環境が悪化した場合、調達コストの上昇や供給遅延が発生し、製造原価の増加につながる可能性があります。 ③ 輸出・輸入に関する影響かどや製油グループは海外市場、特に米国市場を成長分野と位置づけておりますが、通商政策の変更や関税措置の導入等により、製品価格の上昇や需要構造の変化が生じ、かどや製油グループの販売数量や収益に影響を及ぼす可能性があります。一方で、競合他社との関税条件の差異等により、かどや製油グループにとって有利に働く可能性もあります。かどや製油グループは、既存の産地に捉われない調達先の多様化、新規産地及び供給サプライヤーの探索、現地有力サプライヤーとの関係構築等を進めるとともに、為替相場や仕入価格の変動状況を注視し、調達・販売両面で柔軟な対応を行ってまいります。なお、地政学的リスク及び通商環境の変化は不確実性が高く、当該リスクが顕在化する時期及び業績・財政状態への影響を合理的に見積もることは困難であると認識しております。 (2)品質と安全に関するリスクかどや製油グループは、提供する製品やサービスの品質維持・向上のため、社長直轄部署である内部監査部門や品質保証部による自己点検、第三者機関による外部監査を活用しております。製品の安全確保に関しては、小豆島工場、袖ケ浦工場及び連結子会社のカタギ食品寝屋川工場で食品安全マネジメントシステムの国際規格FSSC22000を取得、運用を通じて安全衛生管理を推進しております。また、リスク発生予防のため、リスクの洗い出しや社外コンサルタントを起用した管理体制の見直し、従業員教育等にも取り組んでおります。更に、中期経営計画の見直しで掲げた「新規事業への注力」に伴い、新カテゴリー製品の内製化や新規設備投資が想定されますが、開発初期段階より品質保証部が携わりリスク低減を図り、新たに外部へ委託する際は、品質、安全リスクの増加が懸念されるため、品質保証部によりグループ内と同レベルで品質監査を行います。一方で、万が一問題が発生した場合の対応マニュアル整備、生産物賠償責任保険・生産物回収費用保険の付保を行っております。しかしながら、予見不可能な要因により、かどや製油グループが提供する製品やサービスについて、品質・安全にかかわる問題が発生した場合、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その程度につきましては発生事案の問題の性質により異なることから、見積りは困難であると認識しております。 (3)国内における自然災害に関するリスクかどや製油グループは、地震や大型台風等の大規模な自然災害が起きた場合に、生産設備の毀損あるいは事業中断により、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かどや製油グループでは、香川県小豆島工場、千葉県袖ケ浦工場、大阪府寝屋川工場の複数の生産拠点を保有し、大規模災害に備えております。また、自然災害が起きた際の行動指針や役割分担を定めた「自然災害・事故等対応マニュアル」を整備し、災害被害の抑制・軽減を図る他、損失の発生に備え、小豆島工場、袖ケ浦工場及び寝屋川工場の地震災害や原料の水災害等を付保範囲に含む保険に加入しております。なお、当該リスクについて、コントロールすることが不可能な性質であることから、リスクの顕在化する時期及び可能性の予測は困難であると認識しております。また、かどや製油グループの業績及び財政状態に与える影響の程度につきましては、当該リスク発生の規模により異なることから、見積りは困難であると認識しております。 (4)国内景気、人口減少に関するリスクかどや製油グループの事業の大部分は、日本国内において展開しており、国内景気等による消費動向が事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、日本は少子・高齢化が進んでおり、このまま人口の減少が続きますと、市場の縮小に伴い製品販売数量が減少する可能性や、更なる企業成長のための基盤と考える人材の確保が困難となる可能性があります。かどや製油グループでは、このような可能性を踏まえて、製品販売においては、ごま油の新たな需要創出、新たな高付加価値製品の開発、新規事業の開拓や海外市場展開の推進等の対策を講じておりますが、景気動向の悪化やかどや製油グループ製品への需要低下等により、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、人材の確保においては、外国人採用等の多様性を意識した人材の採用や、働きやすい就業環境の整備や人材育成、キャリアアップ支援等による人材の定着に取り組んでおりますが、十分な人材を確保できなかった場合は、事業計画推進の支障となる等、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、国内景気については、政府の施策や国外の経済状況等の様々な要因から影響を受けるため、当該リスクの顕在化する時期、可能性及びかどや製油グループの業績及び財政状態に与える影響の予測は困難であると認識しております。また、人口減少の影響におきましては、かどや製油グループの業績及び財政状態に与える影響について、特段の施策を講じなかった場合には、人口減少の程度と概ね比例し、リスクが顕在化するものと認識しております。 (5)法律等の諸規制・コンプライアンスに関するリスクかどや製油グループは、「食品衛生法」、「食品表示法」、「製造物責任法」等の食品製造業に係る特有の法律のほか、事業活動を行うにあたり、国内外の様々な法令・規制の適用を受けております。また、米国に子会社を設置したことにより、米国における食品関連規制、取引・契約に関する法令、輸出入・通関、税務、労務等の法令・規制の適用も受けております。かどや製油グループでは、国内外の法令遵守に向けた内部規程の整備、社内教育の実施、専門家の活用等を通じ、コンプライアンス体制の強化に継続的に取り組んでおります。しかしながら、法令・規制の変更や解釈の相違、各国・地域特有の制度への対応の不十分さ等により、予期せぬ法令違反や係争、行政対応等が生じた場合には、制裁金・追徴課税・訴訟対応等の追加的なコスト負担や、事業活動の制限等が発生する可能性があります。特に海外拠点においては、税務上の取扱い、雇用・労務に起因する紛争・訴訟等が生じる可能性があり、これらが顕在化した場合には、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、これらの法律等の諸規制・コンプライアンスに関するリスクについては、規制環境や事業活動の状況が随時変化するため、その顕在化する時期や可能性の程度、ならびにかどや製油グループの業績及び財政状態に与える影響を事前に合理的に見積もることは困難であると認識しております。(6)サイバーセキュリティに関するリスクかどや製油グループは、サイバーセキュリティに関するリスクへの対応として、次の取組を推進しております。1.関連規程と対応策の継続的改善社内外におけるサイバー攻撃やシステム障害等の発生状況を踏まえ、情報資産管理や情報システムの利用に関する規程を継続的に見直し、対応策の改善に取り組んでおります。2.セキュリティ教育の継続的実施役職員に対し、規程改定時の周知に加え、標的型攻撃や不正アクセス等を想定した教育・訓練を継続的に実施し、人的要因に起因するセキュリティリスクの低減を図っております。3.セキュリティの仕組み強化ネットワーク防御、認証基盤の強化、ウイルス・不正侵入の検知及び隔離対策等の基本的なセキュリティ機能を整備するとともに、外部サービスや委託先を含めたシステム利用形態を踏まえ、監視体制の強化に取り組んでおります。しかしながら、近年、サイバー攻撃の手法は巧妙化・高度化しており、外部サービスや物流・基幹業務に関わるシステムを含め、第三者による不正アクセスやランサムウェア攻撃、システム障害等が発生した場合には、情報漏えい、業務停止、取引先・顧客対応等を通じて、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かどや製油グループでは、これらのリスクに備え、サイバーセキュリティ保険への加入等により、リスクの移転も図っておりますが、サイバー攻撃の発生時期や手法は予測が困難であり、当該リスクが顕在化する時期及び可能性を事前に見積もることは困難であると認識しております。また、当該リスクが顕在化した場合の業績及び財政状態に与える影響の程度については、発生する事象の内容や規模により大きく異なることから、現時点で合理的に見積もることは困難であると認識しております。 (7)関連当事者との取引に係る独立性に関するリスクかどや製油において、三菱商事株式会社、三井物産株式会社、株式会社MCアグリアライアンス、小澤物産株式会社及び小澤商事株式会社は、関連当事者に該当しております。かどや製油と各社の間には主に以下の取引関係があります。 ・三菱商事株式会社 : 主要販売代理店 ・三井物産株式会社 : 主要販売代理店及び主要仕入先 ・株式会社MCアグリアライアンス : 主要仕入先 ・小澤物産株式会社 : 資材等の仕入先 ・小澤商事株式会社 : 製品の保管荷役及び運送委託なお、各社との取引条件については、第三者と比較検討を実施した結果において、公正な取引条件で実施しており、独立性は担保しております。また、主要販売代理店及び主要仕入先として、三菱商事株式会社、三井物産株式会社及び株式会社MCアグリアライアンスの取引高の金額が大きいため、取引関係が解消した場合等には、ただちに代わりの企業を探すことが困難となることが予想されますが、その可能性は小さいものと判断しております。一方で、かどや製油の監査体制の強化を目的として三菱商事株式会社より1名、三井物産株式会社より1名、小澤物産株式会社と小澤商事株式会社の役員を兼務する者1名をかどや製油社外監査役としておりますが、同様にかどや製油の独立性に影響を及ぼすリスクはないと考えております。以上により、上記各社との関係性がかどや製油グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性は極めて僅少であると認識しております。 (8)感染症に関するリスクかどや製油グループは、感染症のまん延が生じた場合には、顧客、取引先及び従業員等の安全を最優先とした上で、全社的な感染症対策のもと、安定的な製品の供給体制の確保に注力しますが、従業員の感染や物流機能の不安定化等に伴う事業活動の制限や、経済活動の停滞に伴う景気悪化等も予想され、かどや製油グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、リスクが顕在化する時期及び経営成績に与える影響を事前に見積もることは困難であると認識しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー