アンドエスティHD(2685)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】アンドエスティHDグループ(アンドエスティHD及びアンドエスティHDの関係会社)は、アンドエスティHD、連結子会社20社(株式会社アダストリア、株式会社BUZZWIT、株式会社エレメントルール、株式会社アンドエスティ、株式会社ゼットン、株式会社アンドエスティ・ロジスティクス、愛徳利亜(上海)商貿有限公司(中国)、你可安(上海)商貿有限公司(中国)、Adastria Asia Co.,Ltd.(香港)、愛德利亞台灣股份有限公司(台湾)、Adastria (Thailand) Co., Ltd.(タイ)、ADASTRIA PHILIPPINES INC.(フィリピン)ほか8社)で構成され、主にアパレル・雑貨関連事業及びその他(飲食事業)を行っております。 以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) アパレル・雑貨関連事業国内における商品販売は、主に株式会社アダストリア、株式会社BUZZWIT、株式会社エレメントルール及び株式会社アンドエスティが行っております。株式会社アダストリアは、「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」、「レプシィム」、「ジーナシス」、「レイジブルー」などのカジュアルファッションブランドと、「ニコアンド」、「スタディオクリップ」、「ベイフロー」、「ラコレ」などのライフスタイル提案型ブランドを中心に全国に展開しております。株式会社BUZZWITは、「アプレジュール」などのEC専業ブランドを展開しております。株式会社エレメントルールは、「バビロン」及び「バンヤードストーム」などの洗練された大人に向けたファッションを展開しております。株式会社アンドエスティは、ECサイト「and ST」の運営を行っております。アジアにおける商品販売は、愛徳利亜(上海)商貿有限公司、你可安(上海)商貿有限公司、Adastria Asia Co.,Ltd.、愛德利亞台灣股份有限公司、Adastria (Thailand) Co., Ltd.及びADASTRIA PHILIPPINES INC.が行っております。ブランドとしましては、「ニコアンド」、「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」などのブランドを展開しております。当連結会計年度末時点でのアンドエスティHDグループにおける当該事業の店舗数は、国内が1,444店舗、海外が157店舗、合計1,601店舗となっております(WEBストア140店舗を含みます)。また、アンドエスティHDは、アジア各地の生産工場との間に築いた良好なパートナーシップを基に、オリジナルの素材開発から、商品企画やパターン制作、生産・物流管理までを行っております。 (2) その他(飲食事業)主に株式会社ゼットンが、飲食事業を行っております。「アロハテーブル」などのブランドを擁し、魅力あるコンテンツで街を活性化させるという思想で店づくりを通して様々な街づくりを進めております。当連結会計年度末時点でのアンドエスティHDグループにおけるその他事業の店舗数は、国内外合わせて73店舗となっております。 主なブランドは以下のとおりであります。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年2月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、アンドエスティHDグループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針アンドエスティHDグループは、「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」を企業理念に掲げ、「Play fashion!」のミッションの下、私たちが提案するファッションを通じて、人々の心を豊かに、幸せにすることを使命としています。いつの時代も変わらぬこのミッションの下で、持続可能な成長を目指し、お客様一人ひとりの毎日を今よりもっと楽しくする選択肢をご提供することで、事業を通じた社会・業界の課題解決への貢献を果たしてまいります。 (2) 中期的な会社の経営戦略(経営環境、対処すべき課題と経営戦略)日本経済は、賃金上昇による個人消費の緩やかな改善傾向やインバウンド需要の定着、企業の設備投資意欲の継続などを背景に堅調に推移しております。一方で、原材料及びエネルギー価格などの物価や金利の上昇、人件費の上昇や労働力不足、円安の進行、地政学リスクの増大など事業環境への懸念は続いております。国内アパレル事業における市場環境として、タイトな労働需給を背景に名目賃金の増加が続き、実質賃金がプラスに転じることが期待され、アンドエスティHDグループの主力顧客である若年層の消費に追い風になると見込まれます。一方で、顧客のライフスタイルや嗜好の変化は進んでおり、生活雑貨類の市場拡大、ビジネスシーンにおける服装のカジュアル化、EC市場の拡大、SNSを経由した購買の増加などの変化に柔軟に対応し、新たに生まれる需要を確実に取り込むための対応を進めております。また中長期的には、国内アパレル市場は少子高齢化により緩やかな縮小が構造的に続く一方、海外アパレル市場は人口の増加や新興国の所得水準向上を背景に、拡大を続ける見通しです。アンドエスティHDグループは、このような経営環境に迅速に対応し事業構造を変革するため、2030年2月期に向け「中期経営計画2030」を策定しております。「中期経営計画2030」では、アンドエスティHDグループの強みであるマルチブランドで培った、リアル店舗やスタッフとお客様の濃いつながりを活用し、プラットフォーム事業、グローバル事業、ブランドリテール事業の3つの事業が互いにシナジーを創出しながら、自社ECである「and ST」を「Play fashion!プラットフォーマー」へと進化させることを目指しております。また、2025年9月1日付で、アンドエスティHDグループは持株会社体制へ移行し、同日付で、アンドエスティHDは株式会社アンドエスティHDに商号変更いたしました。 「中期経営計画2030」の概要は下の図の通りです。 対処すべき課題、具体的な成長戦略の内容は以下の通りです。① プラットフォーム事業(グループ価値革新のエンジン)ファッションの重要性は、近年アパレルだけでなく住まいや食、旅やスポーツなど、生活の様々な場面に広がり、ライフスタイルという一つの大きな市場になりつつあります。アンドエスティHDでは既存の業界や業態の壁を越えた新たな成長領域の育成を進めております。また、デジタル技術が生活に浸透したことにより、EC市場が大きく伸長しただけでなく、新たな顧客体験やサービスの機会が生まれています。リアル店舗とEC双方でシームレスなサービス・体験を提供するとともに、店舗運営や商品企画、PR、物流など、あらゆる面で価値創造を進めていくことが必要です。アンドエスティHDは2,100万人以上の「and ST」顧客会員を有しており、この会員基盤のつながりを最大限に生かし、自社EC「and ST」をモール&メディアに育てます。そして、外部企業による出店を加速し、取扱いカテゴリーの拡充や、スタッフとお客様の関係性強化などプラットフォーマーとしての成長戦略を推進し、ID(顧客基盤)とLTV(顧客生涯価値)の双方を拡大することで、流通総額1,000億円を目指します。同時に、外部企業へのブランド提供などBtoB向けプロデュース事業や、ECサイト上でお客様にスタイリングを提案するSTAFF BOARDの外販によるソリューション事業、外部とのポイント連携によるユーザーサービスの拡充などにより、ファッションの可能性を広げながら、収益率の向上を目指します。 ② グローバル事業(グループ価値拡大のアクセル)国内アパレル市場が少子高齢化に伴う構造的縮小に直面する中、アンドエスティHDが長期的な成長を続けるためには、市場拡大が続くアジア圏への事業展開が不可欠です。アンドエスティHDでは、現在の中期経営計画において掲げているグローバル事業の基本戦略である『マルチブランド戦略』を推進しております。その一環として、地域ごとに異なる嗜好や生活文化を持つお客様への理解を深め、商品開発からMD構成、店頭表現に至るまで、現地のお客様のより豊かで楽しい生活に貢献するための戦略を展開してまいりました。2025年は、中国大陸において標準型店舗の出店でブランド認知を高め、ECで収益を上げるクロスチャネル戦略を推進いたしました。また、台湾や香港においてマルチブランド戦略による新規出店、東南アジア市場の開拓としてタイ・フィリピンへの出店を進めてきました。一方、米国事業につきましては、2025年7月25日に米国の事業子会社(孫会社)であるVelvet,LLCの出資持分の譲渡が完了し、事業から撤退いたしました。今後は東南アジアを次の柱として投資を加速させ、リアル店舗の出店と展開地域の拡大を進めます。また、グレーターチャイナ(中国大陸・香港・台湾)では、マルチブランド戦略を強化し安定成長を図ります。 ③ ブランドリテール事業(グループ価値創造の基盤)長期的には、国内では少子高齢化や可処分所得の減少により、アパレル市場の緩やかな縮小が構造的に続くと予想されております。一方で、アクティブシニア、ウェルネス志向、生活雑貨のニーズ拡大など、ライフスタイルの多様化がもたらす新たな需要もあり、これらを素早く確実にとらえることが求められます。このような市場の変化に対応するため、アンドエスティHDは多数の独自ブランドを擁し、マルチブランド戦略を軸としたポートフォリオ経営を進めてきました。今後はグループ各社がそれぞれのミッションに応じた戦略策定・事業運営を行うマルチカンパニー体制へ移行し、ポートフォリオ経営を強化いたします。グループの中核である株式会社アダストリアでは、成長余地の大きい注力ブランドへの投資を進め、都市部への出店強化や店舗の大型化により収益性の向上を図ります。その他の主要なグループ会社では、株式会社エレメントルールは高価格帯セレクトマーケットにおけるハイエンド顧客層の獲得、株式会社BUZZWITはZ世代を中心に細分化するニーズを捉えた迅速な新ブランドの創出、株式会社ゼットンは人が集う場づくりとしての飲食事業をそれぞれ役割とし、グループシナジーを活用した成長を目指します。また、これらの戦略を支えるデジタル、ロジスティクス、生産機能についてはバリューチェーンの共通化などで高度化や効率化を進め、お客様に豊かな選択肢を提供いたします。 ④ サステナブル経営の推進ファッション産業は、大量生産・廃棄による環境負荷や人権、労働環境など構造的な課題に直面しております。アンドエスティHDグループは「ファッションのワクワクを、未来まで。」をサステナビリティポリシーに掲げ、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」の3つのテーマを経営戦略と一体で推進しております。環境面では、衣料品在庫の焼却処分ゼロの継続、サステナブル原料への切り替え、衣料品回収やサーキュラー事業の拡大を通じて、資源循環型モデルの構築を進めております。また、TCFD提言やSSBJ基準を参照し、透明性の高い開示を行い、気候変動リスクの管理を強化しております。サプライチェーンでは、調達ガイドラインの遵守とサプライヤーリストの公開により、人権・環境への配慮を徹底しております。人的資本経営においては、女性活躍を含むダイバーシティの推進や働き方改革に取り組み、従業員が創造性を発揮できる組織を整備しております。これらの取り組みを通じ、ミッションである「Play fashion!」のもと持続的な価値創出を実現いたします。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】アンドエスティHDグループの事業に関連するリスク要因で、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには次のようなものが考えられます。以下は、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。アンドエスティHDグループではこのような経営及び事業リスクの発生可能性を認識した上で、これを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っております。なお、記載事項のうち、将来に関するものは、本有価証券報告書提出日現在(2026年5月26日)、入手可能な情報に基づきアンドエスティHDが判断したものです。 1. 事業環境に関するリスク① 国内市場の縮小現在、アンドエスティHDグループは事業の約9割を国内で展開しており、少子高齢化と将来の人口減少により国内アパレル市場が縮小すると、アンドエスティHDグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、海外展開により東アジア、東南アジア市場を開拓するとともに、国内ではマスブランドの育成やライフスタイルブランドの開発、自社ECサイト「and ST」への外部企業の出店を始めとするプラットフォーム事業などに取り組み、事業及び展開国の多様化と顧客の基盤の拡大、顧客のライフタイムバリューの向上を進め、成長の継続を図ってまいります。 ② 海外の地理的・政治的リスク事業展開国において、予期しない法規制の変更や政治的又は経済的要因の混乱、テロ・紛争・自然災害等による社会的混乱が生じた場合、アンドエスティHDグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、アンドエスティHDグループ取扱商品の大半は、中国等のアジア各国で生産されたものであり、生産国の政治情勢・経済環境・自然災害等により、商品仕入、販売に支障が出る可能性があります。事業展開国・生産国以外の地域における紛争や政情不安等に起因するエネルギー供給不足や原材料価格の高騰等も、アンドエスティHDグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、生産地の分散化を進めるとともに、新たに東南アジア地域の市場開拓を進め事業展開地域を広げることで、リスクを低減しながら、東南アジアのファッション市場の高い成長力を取り込んでまいります。 ③ 為替変動・原価高騰アンドエスティHDグループ取扱商品の大半は、中国等のアジア各国で生産されたものであり、為替相場の変動(主に円安)により、商品原価が上昇する可能性があります。また、世界的なエネルギー価格上昇に伴う商品輸入の際の輸送コストの高騰、生産国における人件費の上昇によっても商品原価が増加し、アンドエスティHDグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、為替予約を適切に活用するとともに、ASEAN諸国及び中国大陸の諸地域への生産の分散化、複数ブランドの素材共通化や一括発注によるボリュームディスカウント、工場との直接取引による仲介業者のマージン削減などの取り組みにより、商品の品質を維持しながら原価の低減に努めてまいります。 ④ 環境問題アンドエスティHDグループの主力事業であるアパレル産業では、過剰生産や環境汚染などの環境影響が世界的に問題とされています。気候変動や自然資本等に関する規制強化や、それらの影響による消費者の行動変容が生じることで十分な対応をすることができず、原材料価格の高騰、化石燃料調達に対して炭素税が施行された場合の経費増加など外部環境の変化が生じた場合、アンドエスティHDグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、生物多様性・自然資本への配慮が十分でない場合、アンドエスティHDグループのレピュテーションが毀損し、事業の持続可能性に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループではTCFDガイドラインに則り、温暖化による購買動機の変化や、現在の事業に関わる温室効果ガス排出量への炭素税課税などの財務影響を分析し、一部の開示を行っています。また、CDP気候変動質問書に回答しており、環境に関する中長期的な戦略、ガバナンス、取り組みや実績などの詳細を報告・開示しています。また当分析を受けて、再生可能エネルギー由来電源の調達などを検討し、リスク軽減に向けた準備を進めています。一方で、消費者の意識が変容し、商品・サービスの選択の際に環境や社会に配慮した商品がより選好されるエシカル消費が広がりつつあります。中長期的にお客様のニーズをとらえ、新たな付加価値のある商品を提供することができれば、業績拡大の機会となります。 アンドエスティHDグループでは環境関連の指標を含むサステナビリティ目標を策定しており、環境に配慮した原材料の調達や加工への切り替えといった生産工程での環境負荷低減、在庫適正化によるファッションロスの削減などバリューチェーン全体のサステナビリティ向上に取り組んでいます。また、他社との連携、各ブランドにおけるサステナブル素材の採用拡大や独自素材の開発等を通じて、市場全体の行動変容や環境意識向上などに呼応した事業戦略の推進と環境配慮の両立に努めてまいります。 ⑤ 自然災害や事故アンドエスティHDグループは、国内全域に店舗を展開しており、大規模な地震や津波、台風、火山の噴火等の自然災害や、それに起因する大規模停電及び電力不足や浸水、感染症によるパンデミックの発生などによって、アンドエスティHDブランドの出店する商業施設の休業及び客数の減少が発生し、大きな影響を受ける可能性があります。また、これらの影響により、生産や物流、店舗やECでの営業活動が長期間にわたって滞り、アンドエスティHDグループの財政状態、経営成績、物的及び人的資本に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、首都圏直下型地震などの大規模な地震をはじめとする災害や感染症発生等を想定し、事業継続及び早期復旧のためのBCP(事業継続計画)を策定し、リスクの低減に努めております。BCPは、富士山噴火やパンデミックなどの個別リスクに対しても策定し、定期的な訓練も実施しています。また、IT-BCPについては、日本で発動できないケースに備え、海外のDXメンバーがIT-BCPを発動できる体制を整備しています。店舗の休業リスクに対しては、自社ECの機能拡充やインフラ整備を図り、安定的な商品提供ができるように努めています。 2. 事業運営に関するリスク① 店舗運営に関するリスクアンドエスティHDグループの店舗は、全国主要都市のファッションビル及びショッピングセンター内へのインショップ出店を中心に展開しております。この運営にあたり、以下のようなリスクがあります。ⅰ. アンドエスティHDグループの店舗の大半は賃借物件であり、出店に際して敷金及び保証金の差入を行っております。当連結会計年度末における敷金及び保証金は、141億34百万円であり、総資産の約1割を占めております。デベロッパー等の倒産その他の事由が発生した場合、敷金及び保証金の全部又は一部が回収できなくなる可能性があります。ⅱ. アンドエスティHDグループは、店舗を中心に多額の固定資産を保有し、これらについて減損会計を適用しております。店舗等の収益性や、保有資産の市場価格が著しく下落し、減損処理がさらに必要になった場合、アンドエスティHDグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ⅲ. その他、出店先ファッションビル等を取り巻く商業環境の変化等により、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、敷金及び保証金の適正性を精査しながら、各地域に密着した支店制度により地域ごとの状況を慎重に調査し、継続的な出退店を通じて常に最適な店舗網の維持に努めております。またアンドエスティHDグループのスケールメリットやブランド力を活かしてより有利な立地構成を実現し、これらのリスクの低減に努めてまいります。 ② アパレルビジネスに関するリスクアンドエスティHDグループの主要ブランドが属するカジュアル衣料小売市場は、流行・嗜好が短期的に大きく変化する傾向が強く、また国内外の競合企業との厳しい競争状態にあり、商品企画等の失敗により顧客の選好にマッチした商品開発ができなかった場合、或いはブランド価値が陳腐化した場合には、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、温暖化や異常気象、物価の高騰などが消費者の購買行動を変化させ、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、店舗や自社ECサイト、SNSを通じて顧客の選好に関する情報を収集して、素早く商品展開に反映させることで、顧客のニーズに合った商品の提供に努めております。また、ECサイトでの予約販売推進により、需要予測の精度向上にも取り組んでおります。常に顧客にとって新鮮味のあるブランドや商品を提供するため自社ECサイトへ他社の出店を促進することで、商品カテゴリーの拡大も進めています。また、IPコラボレーション商品や非アパレル商品カテゴリー拡大など天候変化に左右されない商品の強化、在庫のシーズン別管理と発注精度の向上を進めています。 ③ サプライチェーンに関するリスクアンドエスティHDグループは商品の原材料を外部から調達し、自社で企画・監督しながら外部委託にて生産を行っております。生産遅延、調達先の倒産、又は商品を輸送する経路の寸断等により商品供給が滞った場合、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、アンドエスティHDグループの委託先企業において、従業員の人権侵害や環境汚染などの問題が発生した場合、委託元企業としてアンドエスティHDグループのレピュテーションが棄損され、ブランドや業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、アンドエスティHDグループは海外で生産した商品の輸入、店舗やお客様への配送を外部企業に委託しており、エネルギー価格の変動や労働力不足などを背景に物流コストが上昇した場合、また十分な物流キャパシティを確保できなくなった場合には、アンドエスティHDグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、生産地を中国大陸の諸地域やASEAN諸国へ分散させ、生産地の集中化におけるリスクの軽減を図っております。また、商品供給経路寸断に備え、適切な付保と共に、輸送工程における情報管理、複数の輸送手段の確保や代替ルートの選定、物流拠点の複数地域への分散などの対策を実施しております。加えて、グループ調達方針を定め、社会や環境に配慮した責任ある調達活動を推進しており、すべての取引先にグループ調達ガイドラインの遵守を要請している他、主要な取引先については取引先の協力を得ながら定期的なモニタリングを実施し、加えて、アンドエスティHDグループが目指すべきCSRの基準に賛同し協業いただけるお取引先様を特定パートナー企業として選定・公表し、リスクの低減を図っています。物流コストの上昇や物流キャパシティ不足については、自社物流施設の機械化投資や、労働環境の整備による人材確保、国内東西の物流拠点設置による配送距離短縮などにより、リスク低減に取り組んでいます。 ④ 海外事業に関するリスクアンドエスティHDグループでは、海外での事業展開を重要な成長戦略の一つと位置付けていますが、海外事業において現地の顧客ニーズに即した商品提案ができない、事業運営に長けた人材が獲得できない等の理由で、当初見込んだとおりの事業展開、事業収益が得られない可能性があります。また、様々な現地企業と取引を進めていくなか、商習慣の違いなどにより意図せず汚職や贈収賄が発生し、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、現地法人の機能を強化し人材の現地化を進めるなど、事業運営のノウハウ蓄積と人材獲得に努めてまいります。また、生産関連の海外取引先に対しては年次での取引先アンケートで汚職や贈収賄に関する該当事項の有無確認、グループ全社に会食報告書及び贈答報告書の提出義務付け、海外現地法人における内部通報制度の整備をおこない、リスクの低減に努めています。 ⑤ 情報システムや個人情報に関するリスクアンドエスティHDグループでは、デジタル時代に対応したビジネス構造への進化を成長戦略の一つとし、情報システムの活用を推進しております。またアンドエスティHDは2,100万人を超える「and ST」顧客会員を有しており、アンドエスティHDグループは多くの顧客情報を保有しております。デジタルを活用した事業の比率が高まる中、情報システムの不具合やサイバー攻撃等により重大な障害が発生しアンドエスティHDグループのシステムが正常に利用できない場合、あるいは不正アクセス等により個人情報が外部へ流出した場合、システムの停止に伴う売上損失や顧客からの信用の失墜などにより、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、情報セキュリティポリシーに基づいた各種規定・ガイドラインの整備、国際的なセキュリティ外部認証であるISMS(ISO/IEC 27001)の取得、24時間電話受付可能な社内セキュリティ通報窓口を設置しております。また、第三者機関による脆弱性検査やサーバーOS・ミドルウェアの脆弱性診断を年1回実施の上、外部からの攻撃を検知・遮断する多層防御システムの導入や、アクセス権限の厳格な管理等、技術的な安全管理措置を継続的に図っております。グループ従業員に向けては、セキュリティ研修/テスト(Eラーニング)、中途入社者向けオリエンテーション内でのセキュリティ教育、標的型攻撃メール訓練の継続的な実施、店舗バックヤードへのセキュリティ5箇条のポスターを掲示し、情報システムや個人情報保護に関する意識の向上を図っています。 ⑥ 人材に関するリスクアンドエスティHDグループの事業運営及び取引関係の構築に貢献してきた経営陣はアンドエスティHD事業において重要な役割を果たしており、当該経営陣の突然の離脱があった場合、アンドエスティHDグループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。またアンドエスティHDグループは国内外で1,600を超える店舗を持ち、店舗運営や商品開発、システムや物流において多くの人材が必要です。近年の国内における労働人口の減少や世界的な賃金上昇などに対応できず、質・量の両面において十分な人材を確保できない場合、店舗運営の制限や労務関連コストの上昇、従業員のパフォーマンス低下、休職や離職の増加により、アンドエスティHDグループの事業に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDでは、取締役会全体として適切なバランスが確保されるよう、専門知識や経験等のバックグラウンドが異なる多様な取締役で取締役会を構成するとともに、執行役員制を導入し経営と執行の分離を図っております。加えて、取締役には業績連動型株式報酬、執行役員等には株式交付型インセンティブプランを導入し、有能な経営人材の確保に努めるとともに、経営幹部向けの研修を実施する等、後継人材の育成を図っております。事業運営人材の確保にあたっては、初任給の引き上げや従業員の賃金改善、社員紹介制度・他店舗紹介制度の導入による採用促進などを実施しています。また、サステナビリティの重要テーマの一つとして「人を輝かせる」を掲げ、従業員がライフスタイルに合わせた多様なキャリアや働き方を選択できるよう、人事制度を整備しております。2021年からは自社健康保険組合を運営し、一人ひとりに合わせた保険事業・福利厚生サービスを行うとともに、従業員を中心に構成された健康推進委員会「Adastria Wellness Committee(アダストリア・ウェルネス・コミッティ)」を通じて、従業員のウェルビーイング実現に向けた取り組みを促進しております。 3. 経営戦略に関するリスク① 大型投資や企業買収の成否アンドエスティHDグループでは、長期的成長の実現に向け、海外での事業展開、新規ブランド・顧客の獲得、関連技術の獲得等を目的として、外部企業への出資や企業買収を行っております。また、デジタル化や物流機能強化など、事業の成長に必要な設備投資・システム投資を実施しております。これらの投資において、出資・買収した企業が期待された収益やシナジーを生み出せない場合、また設備やシステムが想定した機能を果たさない場合、投資の回収に想定以上の期間を要する可能性や、のれんの減損損失が発生するなど投資の回収を図れずアンドエスティHDグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、財務の健全性が維持される範囲での投資を原則とするとともに、経営統合プロセスのノウハウを蓄積し、投資判断における検討プロセスを定めて取締役会で社外取締役を含めた討議を行い、また大型のシステム投資に当たっては第三者PMOの設置をルール化し、リスクの低減に努めております。 ② 新規事業の不確実性アンドエスティHDグループでは、成長戦略の一つとして既存の事業領域にとどまらない新規事業の開発に取り組んでおります。アンドエスティHDグループが新規に開始した事業に対する顧客のニーズが想定を下回った場合、新たな事業への参入や運営に要する費用が想定よりも増加する場合、当該事業における競争が激化した場合等に、当初見込んだとおりの事業展開、事業収益が得られない可能性があります。また、これらの事業について撤退や事業の縮小を行うことにより、費用又は損失が発生する可能性があります。アンドエスティHDグループでは、M&Aやライセンスの活用など、他社との協業により段階的に新領域におけるノウハウを蓄積するとともに、新規事業においてもアパレル領域で培ったライフスタイル提案力を活用することで、相乗効果の創出に努めてまいります。 ③ ESGリスクマネジメントアンドエスティHDグループは、事業を通じて環境や社会にポジティブな取り組みを行うサステナブル経営を推進しております。環境・社会・ガバナンスに関する規制や市場の期待に適切に対応できない場合、資本市場における企業価値を毀損し事業の持続可能性に影響を及ぼす可能性があります。 アンドエスティHDグループでは、非財務領域での戦略推進をより一層強化することを目的に、サステナビリティ委員会を設置しサステナビリティ方針や中長期の目標策定、社会と事業にとっての重要度(マテリアリティ)とリスク/機会を明確にするとともに、それらの進捗管理を行っており、取締役会又は執行会議へ定期的に報告・提言を行うことで、グループにおけるESG戦略と施策の推進を担保しております。 ④ グループ経営管理の成否アンドエスティHDグループでは、グループ会社がそれぞれのミッションに応じた戦略策定・事業運営を行うマルチカンパニー経営を掲げています。グループ会社に対するガバナンスが機能しない場合、アンドエスティHDグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。アンドエスティHDグループでは、アンドエスティHD取締役が重要なグループ会社の取締役を兼任することによるモニタリング、グループ執行役員制度の導入、経営会議や執行会議にグループ会社社長が出席することによる円滑なコミュニケーション、グループ全体の中期経営計画の議論をグループ各社社長を含めて実施することなどによって、グループ各社のガバナンス向上に努めています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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