伊藤忠食品(2692)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】伊藤忠食品グループは、伊藤忠食品、伊藤忠食品の親会社(伊藤忠商事㈱)、伊藤忠食品の子会社4社、関連会社1社及びその他関係会社4社で構成され、食料品卸売業として酒類・食品の卸売及びそれに伴う商品の保管、運送ならびに各種商品の情報提供、商品流通に関するマーチャンダイジング等を主な事業の内容としております。伊藤忠食品グループの事業に係わる位置付けは、次のとおりであります。食料品卸売業メーカー及び親会社より商品(酒類・食品)を仕入れ、卸売を行っております。 その他の事業その他の事業には物流管理・運送業、小売業、サービス業及び食品製造業などがありますが、重要なものではありません。事業の系統図は、次のとおりであります。
有価証券報告書(2025年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】伊藤忠食品グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において伊藤忠食品グループが判断したものであります。伊藤忠食品グループは、常に時代の変化と要請を先取りし、健康で豊かな食生活創りを通じて消費者と社会に貢献することを企業理念としております。この企業理念の下、新中期経営計画「Transform 2025~創造と循環~」(2023年度~2025年度)の目指す姿である「食を中心とする領域での共有価値の創造と循環」に向けて、これまで取り組んできた新領域をさらに深化させ、消費者を含めたサプライチェーン全体での共有価値の創造を目指してまいりました。また、成長を支える基盤の構築を推し進めるとともに、事業を通じた社会課題解決への取り組みも引き続き進めてまいりました。当連結会計年度における我が国経済は、インバウンド需要の拡大や名目賃金の上昇等はあったものの、物価上昇による実質賃金の低下等もあり、景気は横ばい圏で推移しました。食品流通業界におきましては、原材料や人件費・物流費等のコスト増による商品価格の値上げにより、消費者の生活防衛的節約志向への動きは顕在化いたしました。これにより、消費者ニーズを満たす低価格・PB商品と付加価値商品の消費の二極化傾向はより鮮明になっております。このような状況下、伊藤忠食品グループは中期経営計画「Transform 2025~創造と循環~」の2年目である今期の単年度副題を“Catch the Market”とし、市場の変化に適切に対応することでビジネスの拡大に注力いたしました。重点分野として掲げた「情報」分野では、店頭への来店動機や商品の購買意欲の喚起を目的として全国100チェーン以上のスーパーに1万台を超えるデジタルサイネージを展開しており、消費者のニーズに合った情報提供を行うとともに、豊かな顧客体験につながる魅力ある売り場づくりに製配販一体となって取り組みました。「商品開発」分野では、冷凍食品の「凍眠凍結酒」と「凍眠フルーツ」の採用がギフトや宅配、GMS・スーパーマーケットで伸長しました。また、有名ブランド・レストラン監修の冷凍ケーキは、食生活を豊かにする商品として評価を受けており、採用が拡大しております。「物流」分野においては、トラックの積載効率改善やドライバーの労働負荷軽減等の課題に対して食品流通業界全体で取り組むとともに、デジタル技術を活用した庫内作業のデータ化と分析によりサプライチェーンの効率化を進めております。これらの重点分野を支える基盤の強化として人的資本経営の高度化にも取り組んでおり、女性活躍や心身の健康維持・増進などの取り組みに加え、仕事と育児・介護の両立支援策の強化、健康セミナーの充実による啓発活動などを実施し、「えるぼし認定」の最高位である3つ星を取得するとともに、「健康経営優良法人 ホワイト500」に初めて認定されました。中期経営計画最終年度にあたる次期(2026年3月期)の連結業績につきましては、売上高7,200億円、営業利益97億円、経常利益114億円、親会社株主に帰属する当期純利益83億円を見込んでおります。伊藤忠食品グループの経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益であります。新中期経営計画「Transform 2025~創造と循環~」の目指す姿である「食を中心とする領域での共有価値の創造と循環~社会的価値と経済的価値の両立~」の実現に向けて「Catch the Market」の精神をさらに深め、「消費者起点」でビジネスを推進することで持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】伊藤忠食品グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項と考えております。なお、本項に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において伊藤忠食品グループが判断したものであります。 (1)自然災害について大規模な地震、津波、台風、洪水等の自然災害に関するリスクは年々高まっております。このような大規模な自然災害の発生により従業員への被害、物流倉庫・設備損壊、在庫破損等により商品出荷が不能となる可能性があります。また、情報システム設備や通信インフラに被害が及んだ場合は、受発注データの送受信不能、資金決済遅延等の影響が考えられます。さらに、これらにより消費マインドが落ち込んだ場合、各種施設修繕に多額の費用を要する場合など、伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。伊藤忠食品グループは、大規模な自然災害が発生した場合においても食品の安定供給を行えるよう、主要業務の早期復旧・継続のための事業継続計画を策定し、毎年訓練を行うことで、有事の対応力強化を図っております。 (2)気候変動について気候変動や地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減を目的とした取り組みが世界的に進められていますが、将来的に地球温暖化が進行した場合、台風や洪水被害の甚大化によるサプライチェーンの混乱等により、伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、将来的に温室効果ガス排出規制の強化や、炭素税などの新たな法規制・政策が導入される可能性があり、伊藤忠食品としての対応コスト発生に加えて、取引先側の対応コスト発生により仕入価格や物流費等の負担が増加する可能性があります。伊藤忠食品グループは、持続可能な社会を実現していくためのマテリアリティ長期目標の中で、2030年までに温室効果ガス排出量を2018年度比40%削減することを目標と定め、目標達成のために再生可能エネルギーの導入・活用などを推進してまいります。 (3)感染症流行について新型インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどによる感染症が流行・拡大した場合、伊藤忠食品グループのみならずメーカーの工場生産、入出荷並びに配送を担う物流業者や販売先を含め、サプライチェーン全体への影響が懸念されます。また、感染症流行抑制のため、長期間にわたる移動制限や都市封鎖等により大幅な経済活動停滞が発生するなどの影響により景気が悪化し消費マインドが落ち込んだ場合、伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。伊藤忠食品グループは、感染症流行が発生した場合においても食品の安定供給を行えるよう、主要業務の継続のための事業継続計画を策定しております。実際に今般の新型コロナウイルス感染症拡大への伊藤忠食品グループの対応として、物流センターにおいては行政当局の指導・要請に基づく感染拡大防止策と安全配慮策を講じながら安定的に事業運営を行っております。 (4)法的規制について伊藤忠食品グループは国内で事業を遂行していく上で、酒税法、食品衛生法、労働関連規制、下請法、環境関連法規等の適用を受けております。将来において予測のできない法律等の改正が行われた場合、伊藤忠食品グループの事業活動が制限され、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。伊藤忠食品グループは、法務・コンプライアンス部において、事業を遂行していく上で影響を与える法律等の改正を事前に把握し、また、関連部署において適切に対応を行うことで法令違反等の発生可能性を低減するように努めております。 (5)事業環境変化について食品流通業界においては、少子高齢化による労働人口減少やEC取引増加などによる宅配便の増加等の影響もあり、トラックドライバーの需給ギャップの拡大が予想されます。これらの事業環境の変化により、物流費の高騰のみならず適切な費用の範囲内での物流確保ができず伊藤忠食品グループの事業運営が滞り、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。伊藤忠食品グループは、国土交通省・経済産業省・農林水産省が推進する「ホワイト物流」推進運動への賛同表明など、トラックドライバー等の労働環境改善を推し進めるとともに、物流センターにおける省人化や受発注システムの見直しなどによる効率化を推進することで、適切な費用の範囲内における物流の確保に努めてまいります。 (6)競合企業について伊藤忠食品グループが事業展開をしている食料品卸売業界は、大規模な設備投資や仕入先、得意先との関係性など比較的参入障壁が高く、新規参入により業界の勢力図が変化するリスクは少ないとみております。しかしながら、業界内部においては、総人口の減少、得意先である小売業間の競争激化や物流費の高騰などにより食料品卸売事業者間の競争も激化しており、同業他社に対する競争力が低下した場合、中長期的には業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (7)親会社及びそのグループ会社との関係について伊藤忠食品は、伊藤忠商事㈱(2025年3月31日現在、間接保有を含め、伊藤忠食品議決権の52.6%を保有)が親会社であります。同社及びそのグループ企業と取引を行う際には、伊藤忠食品株主全体の利益の最大化を図るべく、伊藤忠食品グループの企業価値向上を最優先して決定することとしております。重要性が高い取引については、取締役会において十分審議の上、承認を得て実施しております。伊藤忠商事㈱グループ各社との主な取引関係は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」における「関連当事者情報」をご参照下さい。なお、伊藤忠商事㈱との資本関係に変化が生じ経営方針・事業展開等に大幅な転換があった場合には、伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)投資について伊藤忠食品グループは、事業領域拡大のために様々な投資を行っておりますが、経営環境の変化や投資先の業績不振などに伴い期待した効果が得られないリスクがあります。また、時価の下落や企業価値の低下により伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらの投資の実施にあたっては、慎重に検討を行い、将来の伊藤忠食品グループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行し、また、一定規模以上の投資については、定期的に進捗をレビューするなど、リスクの低減に努めております。 (9)情報システムについて伊藤忠食品グループは全国に事業所・物流拠点を配し、コンピュータセンターで集中処理する全国的なネットワークを構築しております。また、拠点を結ぶ全ての回線にはバックアップ回線を整備する等セキュリティには万全の体制をとっておりますが、大規模な災害が発生した場合の物理的障害、あるいは想定外のウイルスやなりすましメール、サイバー攻撃等によるシステム障害、個人情報・機密情報の漏洩などが発生した場合は、業務全体への影響、セキュリティ対策費用の増大、また損害賠償請求などにより伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)コンプライアンスについて伊藤忠食品グループは事業の遂行に際して、法令・規則等を遵守し、コンプライアンス経営を推進しております。しかしながら、役員・従業員等による不祥事の発生や法令・社会規範に反した行動等により、法令による罰則・訴訟の提起、またステークホルダーの信用を失うことにより伊藤忠食品の企業価値を毀損し、伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。伊藤忠食品グループは、「企業行動基準」を定めるとともに、コンプライアンス担当役員を委員長とする「コンプライアンス委員会」を設置し、その管下に「独占禁止法分科会」「モニタリングチーム」「コンプライアンス責任者会議」「ISC グループコンプライアンス連絡会」を設置するなどの体制整備を行っております。また、定期的な研修等による社員教育を通じてコンプライアンスのレベルを高め、法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するように努めております。 (11)食品安全管理について食への安全・安心が大きく問われている中で、伊藤忠食品グループが取扱う酒類・食品等の品質管理を今まで以上に徹底させることは、最重要事項の一つと認識しております。伊藤忠食品は専門知識を有する専任者を品質保証部に配置し、伊藤忠食品グループの商品表示の調査・確認、委託製造先の工程調査・衛生管理及び物流センターの品質保全状況に対する監査・点検・指導等、品質管理体制の整備強化に取り組んでおります。しかしながら、外的要因による不測の事故等の発生により、伊藤忠食品グループの営業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)債権回収について伊藤忠食品グループは、多数の得意先に対して、後払い条件で商品・サービスの販売(与信供与)を行っており、経済情勢悪化の影響を含めた与信先の財政状態悪化により債権回収が滞る可能性があります。また、今般の新型コロナウイルス感染症拡大影響のように経済活動が大きく停滞する場合、そのリスクは増大するものと考えております。債権回収が滞る、もしくは、回収不能になった場合、伊藤忠食品グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。伊藤忠食品グループは、これらのリスクに対し「与信管理規程」を定めそれを適切に運用するとともに、信用保証や担保を取得するなどの回収リスクの低減に努めております。 (13)固定資産について伊藤忠食品グループは、有形固定資産及び無形資産等の固定資産を保有しておりますが、経営環境の著しい変化や収益性の低下などに伴い、十分なキャッシュ・フローの創出が見込めなくなった場合には、伊藤忠食品グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらの設備投資の取得等にあたっては、慎重に検討を行い、将来の伊藤忠食品グループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行し、また、一定規模以上の投資については、定期的に進捗をレビューするなど、リスクの低減に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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