双日(2768)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


双日(2768)の株価チャート 双日(2768)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3 【事業の内容】双日グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。当企業集団にてかかる事業を推進する連結対象会社は、連結子会社413社、持分法適用会社129社の計542社(うち、双日が直接連結経理処理を実施している連結対象会社は、連結子会社184社、持分法適用会社69社の計253社)から構成されております。なお、双日グループは、2025年4月1日付にて「航空・社会インフラ」、「エネルギー・ヘルスケア」の一部事業領域の再編により報告セグメントの区分方法を変更しております。 双日グループの事業区分ごとの主な取扱商品又はサービス・事業の内容及び主な関係会社は以下のとおりとなります。 2026年3月31日現在事業の種類主要取扱商品又はサービス・事業の内容主要関係会社 (連結区分)自動車完成車トレーディング、組立製造・卸売事業、小売事業、品質検査事業、販売金融、デジタル技術を取り入れた販売及びサービス事業・双日オートグループジャパン㈱(子) ・Albert Automotive Holdings Pty Ltd(子)連結子会社 59社持分法適用会社 8社・Sojitz de Puerto Rico Corporation(子)・SILABA MOTORS, S.A.(子)・Petroautos S.A.(子)航空・社会インフラ航空事業(民間機・防衛関連機器代理店及び販売、ビジネスジェット)、交通インフラ事業(鉄道関連事業、空港事業)、産業・都市インフラ事業(工業団地、住宅、オフィス、スマートシティ、データセンター)、船舶事業(新造船・中古船・傭船仲介事業等)・双日エアロスペース㈱(子)・㈱ジャプコン(子)・Phenix Jet International, LLC(子) ・Long Duc Investment Co., Ltd.(子) ・ソメック㈱(持) ・PT. Puradelta Lestari Tbk(持)連結子会社 49社持分法適用会社 15社・UGL Transport Holdings Pty Ltd.(持)エネルギー・ヘルスケア再生可能エネルギー事業(IPPインフラ投資、電力小売事業、関連サービス事業)、ガス火力発電事業(IPP・IWPPインフラ投資)、省エネルギーサービス事業、エネルギー事業(石油・ガス、LNG事業)、原子力関連事業(原子燃料、関連機器)、ICTインフラ事業(通信タワー)、ヘルスケア事業(病院PPP、民間医療事業、医療周辺サービス、ヘルスケア新興技術)、産業機械事業、軸受事業、四輪・二輪部品事業、自動車製造設備事業、舶用機械事業、電力エネルギー・プラント事業・双日マシナリー㈱(子)・双日ミライパワー㈱(子)・Starwind Offshore GmbH(子) ・Sojitz Global Investment B.V.(子) ・Ellis Air Group Pty Ltd(子) ・CLIMATECH GROUP HOLDINGS PTY LTD(子) ・Sojitz Hospital PPP Investment B.V.(子) ・SOJITZ HEALTHCARE AUSTRALIA PTY LTD(子) ・NEXT GREEN GROUP PTY LTD(子) ・Royal Healthcare Pte. Ltd.(子) 連結子会社 141社持分法適用会社 34社・McClure Company(子)・Freestate Electric, LLC(子)・Capella Capital Pty Ltd(子)・エルエヌジージャパン㈱(持)・Qualitas Medical Limited(持)金属・資源・リサイクル石炭、鉄鉱石、合金鉄(ニッケル、クロム、ニオブ等)及び鉱石、アルミナ、アルミ、銅、貴金属、窯業・鉱産物、コークス、炭素製品、鉄鋼関連事業、資源リサイクル事業・双日ジェクト㈱(子)・Sojitz Development Pty Ltd(子)・Sojitz Resources (Australia) Pty. Ltd.(子) ・㈱メタルワン(持)連結子会社 19社持分法適用会社 12社・Japan Alumina Associates (Australia) Pty. Ltd.(持) 事業の種類主要取扱商品又はサービス・事業の内容主要関係会社 (連結区分)化学有機化学品、無機化学品、機能化学品、精密化学品、工業塩、ヘルスケア・天産品、レアアース、汎用樹脂、高機能樹脂、環境対応樹脂、工業用・食品用包装資材、高機能フィルム・シート、プラスチック成形機、その他合成樹脂製品、液晶・光学部品・プリント基板等電子材料、産業資材用繊維原料及び製品・双日プラネット㈱(子)・プラマテルズ㈱(子)・日本エイアンドエル㈱(子) ・PT. Kaltim Methanol Industri(子) ・Sojitz SOLVADIS GmbH(子) 連結子会社 30社持分法適用会社 11社 生活産業・アグリビジネス穀物、小麦粉、飼料原料、菓子、菓子原料、その他各種食品原料、化成肥料、建設資材、輸入原木、製材・合板・集成材等木材製品、住宅建材、チップ植林、製紙、脱炭素(バイオマス・カーボンクレジット)、農業・地域創生・双日建材㈱(子)・Thai Central Chemical Public Co., Ltd.(子)・Saigon Paper Corporation(子) ・Atlas Fertilizer Corporation(子)連結子会社 24社持分法適用会社 16社・Japan Vietnam Fertilizer Company(子) リテール・コンシューマーサービス食品・消費財流通事業、コンビニエンスストア事業、外食事業、商業施設運営事業、不動産開発・分譲・賃貸・管理運営事業(住宅、オフィス等)、砂糖及び糖化原料、小麦粉、穀類、油脂、澱粉、乳製品、農産加工品及び農産原料、畜肉原料及び畜肉加工品、家禽肉加工品、水産加工品及び水産原料、その他各種食品及び原料、輸入煙草、綿・化合繊織物、各種ニット生地・製品、衣料製品、寝具及び寝装品、物資製品、衛生材料・双日食料㈱(子)・マリンフーズ㈱(子)・トライ産業㈱(子)・双日ファッション㈱(子)・双日インフィニティ㈱(子) ・双日ライフワン㈱(子) ・双日ロイヤルインフライトケイタリング㈱(子) ・DaiTanViet Joint Stock Company(子) ・ロイヤルホールディングス㈱ (持)(注) ・㈱JALUX(持)連結子会社 37社持分法適用会社 27社・フジ日本㈱(持)(注)その他職能サービス、国内地域法人、物流サービス事業、保険サービス事業、ネットワークサービス事業、森林ファンド管理事業・双日九州㈱(子)・双日テックイノベーション㈱(子)・双日ロジスティクス㈱(子) ・双日インシュアランス㈱(子) ・双日ツーリスト㈱(子)連結子会社 24社持分法適用会社 6社・双日シェアードサービス㈱(子)・㈱双日総合研究所(子)・EFM Sojitz Management, LLC(持) 海外現地法人複数の商品を取扱う総合商社であり、世界の主要拠点において双日と同様に多種多様な活動を行っております。 セグメント情報では、取扱商品の類似性に基づいてそれぞれの事業区分に含めております。・双日米国会社(子)・双日欧州会社(BV)(子)・双日アジア会社(子) ・双日中国会社(子)連結子会社 30社持分法適用会社 0社 (注)関係会社のうち、2026年3月31日現在、国内証券市場に公開している会社は以下のとおりです。・ロイヤルホールディングス㈱(東証プライム、福証本則)・フジ日本㈱(東証スタンダード)

有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針双日は、双日グループ企業理念、双日グループスローガンを掲げ、企業理念にある「豊かな未来」の創造に向け、双日グループの事業基盤拡充や持続的成長などの「双日が得る価値」と、国・地域経済の発展や人権・環境配慮などの「社会が得る価値」の2つの価値の実現と最大化に取り組んでいます。 (双日グループ企業理念) 双日グループは、誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造します。 (双日グループスローガン)New way, New value (双日の価値創造モデル) 「豊かな未来」の創造、「2つの価値」の実現に向けて、双日では人材を最も重要な経営資源と考え、「人財」と表記し、価値創造モデルの中心に据えています。世界中のニーズを把握し、価値を生み出す人財力を高めていくことが、双日の価値創造の源泉です。実効性の高い戦略と充実したコーポレート・ガバナンスのもと、常に新しい発想を持ち、トレーディング・権益投資・事業投資を通じた機能を発揮して、将来を見据え、外部環境の目まぐるしい変化やニーズの多様化に先駆けたスピード感あるビジネスを展開しています。また、世界各国に広がる事業拠点やパートナーシップ、それぞれの地域で長年にわたり育んできたお客様との信頼関係やブランド力など、築き上げてきた確固たる事業基盤が、双日の持続的な成長を支えています。双日が創造した価値は、「社会が得る価値」として還元され、ステークホルダーからの信頼獲得につながります。創造した価値は、「双日が得る価値」として、双日の人材基盤やビジネスノウハウといった各事業基盤を拡充するものとして還元され、双日の競争力強化や新たなビジネスチャンスの増加につながります。このような企業理念のもと、2030年における「目指す姿」として「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、総合商社としての使命である、必要なモノ・サービスを必要なところに届けつつ、マーケットニーズや社会課題に応える事業や人といった価値を創造し続けることにより、持続的な企業価値向上を実現しています。 (2) 「中期経営計画2026」の進捗状況① 「中期経営計画2026 - Set for Next Stage -」について双日は2030年の目指す姿として、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、Next Stageとして当期利益2,000億円と時価総額2兆円に成長させることをターゲットとしております。本中計は、このNext Stageを見据えて、成長基盤と人的資本の強化に取り組む中期経営計画と位置づけています。Next Stageに到達するためのキーメッセージとなる「双日らしい成長ストーリー」の実現に向け、成長基盤と人材への積極投資を行っていきます。 本中計の具体的な定量目標として3点を掲げています。一つ目は、将来の成長に向けて、財務規律を堅持した上で6,000億円の投資を実行します。二つ目に、3ヶ年平均でROE12%超・当期利益1,200億円超をそれぞれ確保し、企業価値と株主価値の向上を図ります。三つ目に、基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元に充当します。(注) 1 基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資金増減等を控除したもの 2 株主資本DOE:支払配当÷株主資本 3 株主資本:その他の資本の構成要素を除外した前期末自己資本 双日らしい成長ストーリーの実現並びに定量目標の達成のためには、双日の独自性や強みをさらに磨き上げ、競争優位を生み出すことが不可欠です。既存領域を核としてさらに磨き上げるとともに、多数の事業である「点」をつなぎ合わせ、掛け合わせることによって事業と収益の「カタマリ」構築を進めてまいります。また、全ての事業領域に必要不可欠な要素として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」領域を全社横断的に強化しています。加えて、収益力の強化・競争優位の源泉として、継続して人的資本・ヒトの魅力(ちから)を強化してまいります。多様なスキル・経験を持つ自立した個の確立や、個の力を最大化する組織・カルチャーの組成に向けてヒトへの投資を積極的に進めています。 ② 成長基盤の強化「中期経営計画2026」では競争優位性や独自性を追求し、高度な成長戦略を実行するための共通の考え方として「KATI(カチ)モデル」を設定し、事業の「カタマリ」を複数構築することに重点を置いております。これは、双日が知見や実績を有する事業を起点に、機能の拡張・応用や新領域への挑戦を通じて、個別の取り組みを持続的な収益基盤となる事業の「カタマリ」へ発展させていく考え方です。双日はこのモデルに基づき、勝ち筋のある事業領域において、新規投資の拡大、既存事業の磨き込み、外部パートナーとの共創を通じた事業再編を進める一方、事業の改善や勝ち筋の確立が見込めない事業については、撤退を含めた見直しを行うことで、構造改革を推進、収益成長と資本効率を両立し、Next Stageに向けた事業ポートフォリオへの変革を推進しております。 ―エネルギーソリューション事業―米国において従来の電力・インフラ事業で培った知見・人材を活用し、McClure社の買収によりエネルギーソリューション事業へ参入しました。さらに、McClure社とは顧客基盤および提供サービスが異なるFreestate社へのボルトオン投資を通じて、提供地域、顧客接点および事業領域の拡大を進めております。また、豪州においてもEllis Air社、Climatech社などの買収により、省エネやデータセンター関連サービスを含むエネルギーソリューション事業を展開し、米国・豪州におけるカタマリ化を図っております。 ―豪州インフラ開発事業―従来の共同デベロッパーに留まらず、主体的な収益機会の確保および収益構造の多層化を狙い、豪州PPP事業のリードデベロッパーであるCapella社を買収しました。同社が有する豪州PPP領域での開発実績、豊富なノウハウおよび高度専門人材を取り込むことで、インフラ事業の開発・投資・運営を一体で手がける体制を強化しております。今後は、同社のリードデベロッパー機能と双日の資金力・運営力・グローバルネットワークを組み合わせることで、エネルギーインフラなどの新事業領域や豪州外の地域への展開も進めてまいります。 ―化学事業―5,000社を超える顧客基盤および長年培ったトレード実績をもとに、業界再編、地政学リスク、サプライチェーンの変化を先読みし、トレード機能の強靭化と収益機会の拡大を図っております。日本エイアンドエルの買収はリチウムイオン電池部材などの長年にわたるトレードを通じて蓄積した知見をもとに製造領域へ展開したものであり、既存の販売網および顧客基盤との相乗効果を追求することで、事業の競争力強化と収益基盤の拡充に取り組みます。また、レアアースなどのクリティカルミネラルについても、経済安全保障の重要性を踏まえ、サプライチェーンの多角化を進めております。 既存事業についても、勝ち筋のある事業では、機能の拡張や外部パートナーとの共創を通じて収益力および資本効率の向上を図っております。船舶事業、北米貨車リース事業、国内商業開発運営事業などでは、ベストオーナーとなり得る外部パートナーへ事業の一部をシェアアウトしつつ、双日の強みである機能を提供することで、パートナーとともに事業を成長させ、持続的な成長を図る体制を構築しております。一方、豪州中古車事業、国内ディーラー事業、豪州原料炭事業など、事業の改善や勝ち筋の確立が見込めない事業については、撤退を含めた見直しを行い、構造改革を推進します。 ③ 本部別の成長戦略<自動車>自動車販売を中核とした既存事業の強みを活かし、持続的な成長を目指す戦略を展開しています。すでに知見や実績のある領域の拡大を基盤に、「グローバル・ニッチトップ」「ドミナント」「バリューチェーン」の3つを成長戦略のキーワードとして、独自性による競争優位のあるビジネスモデルを追求します。これにより持続的な成長を実現するとともに、社会課題やニーズに対してソリューションや価値を提供し、豊かなモビリティ社会の実現へ寄与していきます。 <航空・社会インフラ>航空・船舶・鉄道の三大輸送手段における長年の経験と豊富な知見を梯子に、変化する顧客やマーケットニーズを的確に捉え、オペレーションの最適化、ライフサイクル全般を見据えた周辺サービス事業といった新たな価値を提供してまいります。双日機能の先鋭化・多角化を推し進め、各事業を面として紡ぎ、社内外との共創を通じて、社会的な共感力と訴求力が高い事業を創出していきます。 <エネルギー・ヘルスケア>エネルギーおよびヘルスケア領域において、世界の脱炭素、人口増加、高齢化などの社会課題解決に対応し、従来の「アセット型」インフラビジネスに加え、顧客へのサービス・ソリューション提供を行う「事業型ビジネス」を構築し、規律ある事業投資・事業経営による力強い成長を目指します。エネルギーソリューション分野(発電、小売サービス、省エネなど)における機能強化、地域拡大、事業間のシナジー追求およびPPP事業分野における旺盛な豪州市場の取り込みと事業領域の拡大を軸に、双日の有形・無形の資産を活用することで双日ならではの競争優位を構築し、規模感あるビジネスおよび新たな価値を創造していきます。 <金属・資源・リサイクル>国内需要家向け石炭・鉄鉱石・レアメタルなどの原料供給事業(上流権益投資を含む)および国内の鉄鋼製品販売事業という既存の事業ポートフォリオの変革を推進していきます。具体的には、「グリーン製鉄」の領域における双日ならではの冷鉄源戦略の構築や、電池および半導体需要の増加に伴う「重要鉱物」のサプライチェーン構築を通じて、事業創出の取り組みを強化します。 <化学>国内外の化学業界における生産構造の変化や地政学リスクの高まりに対し、サプライチェーンの分断を回避し安定的な供給体制を構築することを重要課題として、市場ニーズの変化を先読みし、調達先の多様化や物流機能の強化を通じてトレードの強靭化を推進していきます。併せて、知見ある領域での事業投融資を着実に実行し収益基盤の強化を図るとともに、脱炭素社会実現への貢献に資する環境対応型ビジネスの構築を進め、持続的な成長を目指してまいります。 <生活産業・アグリビジネス>継続成長が期待できるアジアの新興国を中心に、肥料・アグリビジネス事業、食料・飼料畜産事業、林産・バイオマス事業などの既存事業をさらに強化していきます。東南アジアでトップクラスの市場シェアを保有する肥料事業においては、デジタルを組み合わせることで新たなビジネスを構築、収益の拡大を進めています。また、ベトナムで取り組む畜産・食肉加工事業では、肥育から食肉加工、販売までの一貫体制を構築しており、同国の食文化の発展に寄与するとともに収益化を図ってまいります。 <リテール・コンシューマーサービス>消費者市場における持続可能性への社会的要請、ニーズの多様化や地域に応じた様々な構造的変化をチャンスと捉え、国内外で構築してきた事業基盤の強靭化、高付加価値化とともにポートフォリオの最適化を進めます。成長が見込まれる領域や、強みを発揮できる領域で、M&A、事業投資、パートナーとの共創を通じて事業を拡大、グローバルに展開する食・健康・日用品や水産に関連するビジネスを有機的に結び付けてビジネスを創造し、世界の人々の生活価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献、持続的な成長を実現していきます。 ④ DX1) デジタルで創る双日らしい成長ストーリー双日は、全ての事業とデジタルの一体化を目指した“Digital-in-All”を掲げ、デジタル技術の徹底的な活用を経営戦略の中心に据えています。中期経営計画2026では、以下のサイクルを通じて双日らしい成長ストーリーを実現し、企業価値の創造を図ります。 (a) データに基づく正しい現状認識国内外の事業会社を含む全7営業本部においてデータを整備し、客観的な現状把握を推進しています。 (b) 価値向上のための打ち手の先読みと実行蓄積データを基に分析し、改善策の実行・検証・修正を繰り返すことで既存事業の価値向上を図ります。 (c) デジタルによる競争優位性の確立AIやデータを活用し、ビジネスモデルそのものを変革する「デジタルリードプロジェクト」を推進しています。また、グループ会社である双日テックイノベーション等との共創により、内製開発力を高め、独自の競争優位性を確立します。 2) “Digital-in-All”による成長ストーリーを実現する要素(a) AI活用グループ会社を含めた個人レベルでのAIツール活用が広範に普及し、RAGやデータ構造化など、各業務プロセスでAI活用が進んでいます。各事業領域においては、AIを活用したデジタルリードプロジェクトを推進しており、具体的には以下の取り組みを進めています。 ・国内水産DX: AI画像解析等による養殖管理の高度化 ・タイアグリDX: AIによる土壌分析等を通じた営農支援 ・国内中古車DX: 画像データ化とAI解析による透明性の高い査定の自動化 ・商社トレードDX: Graph-RAG活用による高精度な情報分析 これらに加え、全営業本部および職能組織において、デジタルリードプロジェクトと業務改善を推進しています。 (b) AIガバナンスAIの利用拡大と事業単位でのAI活用が普及する中、双日はハルシネーション等の懸念事項を含む様々なAIリスクに的確に対応できる統治体制の整備が不可欠であると認識しています。その対応として「組織」「原則」「審査」「ユーザーの適切な利用」「リスクの一元管理」「インシデント予防・対策」の6要素からなる包括的なAIガバナンスの全体構想を策定しました。特に審査プロセスにおいては、既存の社内手続きやIT審議プロセスに対し、審査・決裁・リスク管理・セキュリティ等に関する規定への「AI審査の埋め込み」を進めています。外部へAIを活用したサービスを提供する際などのユースケースに対しても、リスクと対応策の具体化、および優先度整理を行う厳格なチェックプロセスを整備しています。これにより、投資対効果を可視化し、ステークホルダーへの透明性とアカウンタビリティを高めながら、安全かつ迅速なAIの利活用を全社的に進めています。 (c) デジタル人材育成全総合職の50%(約1,000人)を応用人材、そのうち10%(約200人)をエキスパート人材とする目標に対し、2026年3月末時点で応用825人、エキスパート136人と順調に進捗しています。また「デジタル人材2.0」としてAI・データ活用中心へ再定義し、実践型育成へ転換させ、経営層も含めた全社的なAI活用推進体制を構築しています。(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8)人材戦略に関する基本方針 ②戦略 1)人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個 (d) ビジネスへのデジタル実装に向けたデジタル人材育成」をご参照ください。) (d) セキュリティ対策の強化経営者がサイバーセキュリティリスクを重大な経営リスクとして認識し、CISO(最高情報セキュリティ責任者)等の責任者を任命する管理体制を構築しています。DX推進を担うCDO(最高デジタル責任者)兼CIO(最高情報責任者)と、情報・ITシステムセキュリティ委員会委員長であるCISOが連携し、ビジネス変革を推進する攻めの視点と、法務・リスクマネジメント等の守りの視点を統合した高度なガバナンス体制を敷いています。商社特有の広範なサプライチェーンにおけるサイバー攻撃等のリスクに対応するため、法令やガイドライン等で求められる事項に基づき、サプライチェーン内の取引先や多様な関係企業とのデータ連携に関する全社方針を策定し適用しています。ITシステムの改善に際しては、事業部単位での個別最適によるブラックボックス化を回避するためのシステム構築時の計画確認などの仕組みを整備し、全社データの整合性を確保しています。 これらの取り組みにより、双日は「DX銘柄2026」に選定されました(2年連続、通算3回目)。今後も“Digital-in-All”による価値創造を推進します。 ⑤ 人的資本の強化「中期経営計画2026」では、双日グループの人材戦略基本方針として、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた「事業創出力」と「事業経営力」の強化に取り組んでおります。(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8)人材戦略に関する基本方針」をご参照ください。) (3) キャッシュ・フロー・マネジメント基礎的営業キャッシュ・フローと資産入替を原資に、さらなる成長に向けた成長・ヒト投資と株主還元を実行します。基礎的営業キャッシュ・フローの7割程度を成長・ヒト投資に、3割程度を株主還元に充当します。これを踏まえ、2025年度の実績は以下のとおりとなりました。 (4) 剰余金の配当等の決定に関する方針「中期経営計画2026」期間累計の基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元する方針です。① 配当・安定的かつ継続的な配当を行うため株主資本DOE4.5%を配当方針とし、業績変動や株価・為替による影響を最小限に抑える・当期純利益による株主資本の積み上げが、株主還元による株主資本の減少幅を上回る限りにおいて、累進的に増配となる配当方針② 自己株式取得・キャッシュ・フロー・マネジメント方針に基づき、「中期経営計画2026」期間を通じて機動的に自己株式取得を実施 この方針に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株当たり82.5円とします。1株当たり82.5円の中間配当を実施していますので、当期の年間配当金は1株当たり165円となります。また、当期においては、2025年5月2日~2025年7月31日の期間中に自己株式2,800,000株を9,956,291,082円にて取得しました。2025年8月29日には、15,000,000株(消却前の発行済株式総数に対する割合約6.7%)の消却を行っております。なお、双日は会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当を取締役会決議により行うことができるよう定款に定めております。

事業等のリスク

3 【事業等のリスク】(1) 双日グループのリスク管理① リスク管理の考え方双日グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。このため、リスクを「事業戦略およびビジネス目標の達成に影響を与える不確実性」と定義し、経営環境の多面的な分析とリスクの把握、戦略的対応を通じて企業価値向上に資するよう、全社的リスク管理の高度化に取り組んでおります。また、リスクの重要性を評価のうえ、適切かつ合理的な方法でリスク管理を推進しています。 ② 全社的リスク管理体制双日グループが取り組む全社的リスク管理においては、CFOを委員長とする「内部統制委員会」(事務局:内部統制統括部)が、各種社内委員会(4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④業務執行機関 4)社内委員会)とも連携しながら、方針の協議と策定、業務執行組織(第1線および第2線)が実行するリスク管理の状況の全体俯瞰とモニタリング、ならびに関係先への指示など、その枠組みを有効に機能させる主体となります。また、監査部は第3線として独立した立場で、第1線・第2線が運用しているリスク管理についての客観的な検証を行います。これらを踏まえ、内部統制委員会は、経営会議・取締役会・監査等委員会に対して、全社的リスク管理の状況について定期的に報告を行います。全社的リスク管理体制の概要は下図のとおりです。 全社的リスク管理のプロセス双日グループにおける全社的リスク管理のプロセスは以下となっております。 双日グループでは、第1線(営業本部など)・第2線(コーポレート)の各部署において、外部環境、経営戦略、業務プロセスなど、将来予想されるものも含めて網羅的にリスクを検討、識別しています。識別されたリスクについては、影響度と発生可能性による2軸評価によって重要度を測定し、内部統制委員会における協議と取締役会への報告を経て、リスク対応方針を決定しています。このリスク対応方針に沿って、第1線(営業本部など)では、業務執行におけるリスクについての自律的コントロールを行う一方、第2線(コーポレート)では、担当するリスクに関連して経常的に実施する管理業務のほか、第1線への支援やモニタリング、PDCA管理も含めた継続的レビューを行います。第1線および第2線が行うリスク管理活動については、内部統制委員会がモニタリングし有効性を評価したうえで、経営会議・取締役会・監査等委員会に報告を行います。昨今の世界情勢の変化や地政学リスクの高まりを踏まえ、突発的なリスク発現時の影響度合いを把握できる体制の整備を進めております。また、営業本部・コーポレートとの継続的な対話・連携を通じ、リスク発現時の機動的対応力の向上と、事業継続性の確保およびレジリエンス(回復力)の一層の強化にも取り組んでおります。さらに、リスク・リターンを踏まえた事業投資マネジメントを行うことで、双日グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。 (2) 個別のリスクについて双日グループの事業に関しては、以下①から⑱のリスクがあります。これらのリスクのほか、双日グループ資産が晒されるリスクを「リスクアセット」として計測管理し、この結果をリスクに対する収益性や、財務の健全性を維持するための指標として活用し、リスクをコントロールしています。リスクアセットは自己資本の1倍以内に収めることを目標としており、2026年3月末のリスクアセットは自己資本の0.6倍であります。なお、以下①から⑱の各リスクにおける将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく双日の判断、一定の前提または仮定のもとでの予測などが含まれます。 ① マクロ経済環境の変化によるリスク双日グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、双日グループの業績は、日本および関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② カントリーリスク双日グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、双日グループの取引先所在国や双日グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 地政学リスク双日グループは、グローバルにビジネスを展開しており、特定国・地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりにより、従業員、物資、資本、情報などの経営資源が危険に晒されたり、貿易・投資、その他の自由な経済活動が阻害される可能性があります。こうした地政学リスクの高まりによる不確実な情勢に対応するため、特定国・地域における取引内容やビジネスへの影響を確認するとともに、調査・分析および研修を通じて、有事の際に適切な対応がとれるよう努めております。また、安全保障貿易管理委員会を中心に各国の外交政策、制裁措置、武力紛争などの外部環境変化へ柔軟に対応しております。しかしながら、全ての地政学リスクを回避することは困難であり、双日の事業に影響を与える事象が発生した場合には双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 市場リスク双日グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、ならびに、上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクに晒されております。双日グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。 1) 為替リスク双日グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、海外の事業会社からの受取配当金等も含め、外国通貨に対する為替変動リスクに晒されております。この為替変動リスクに伴う損失の発生または拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はありません。また、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、双日グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、損益および財務諸表を日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。これらは予期せぬ市場の変動により双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間8億円程度、当期純利益(双日株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。 2) 金利リスク双日グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入または社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2026年3月末の双日グループの有利子負債残高は1兆2,956億17百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は3.72%、1年内返済予定の長期借入金は1.69%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は2.05%となっております。 3) 商品価格リスク双日グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクに晒されております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額と最大損失額を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額が最大損失額の90%に抵触した場合、最大損失額の範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。 4) 上場有価証券の価格リスク双日グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式については、受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証するとともに、双日企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続していく方針です。保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 信用リスク双日グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、双日の債権が回収できないリスクが存在します。これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や双日が負うリスクの類型により取引先ごとに取引限度を設定し、債権残ならびに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに双日商品供給がなされない場合、双日グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 事業投資リスク双日グループは、様々な事業領域において事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、双日グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、双日グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。実行済の事業投資案件については、毎年、モニタリング・撤退該否判定として、ROIC(Return on Invested Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Invested Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで双日グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。モニタリング・撤退該否判定に関する概要は下図のとおりです。 このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、想定どおりに事業が進まない場合、双日グループが保有するのれんや固定資産などの価値が毀損し、減損損失が発生する、または当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。こうした場合において、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 資金調達リスク双日グループは、事業資金を金融機関からの借入金または社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融市場の混乱や格付会社による双日グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 環境・気候変動リスク双日グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、環境・気候変動などにかかわる問題が発生した場合などに、双日グループの社会的評価の低下、事業活動の停止・中止、訴訟や損害賠償などの負担、サプライチェーンからの除外などが生じるリスクがあります。また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、双日事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。双日グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、環境・気候変動への対応の一環として脱炭素社会実現に貢献できるように取り組んでおります。 (詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関するリスク管理」をご参照ください。) ⑨ 人権リスク双日グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範にわたっております。双日グループの事業活動およびサプライチェーンにおいて、労働安全衛生や人権(強制労働、児童労働、差別、ハラスメントなど)にかかわる問題が発生した場合などに、事業活動の停止・中止、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスクに加え、双日グループがサプライチェーンから外される、または双日グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。双日グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、人権方針や人権にかかわる個別方針を策定・実行するなどサプライチェーンを含む人権尊重に取り組んでおります。 (詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)サステナビリティに関するリスク管理」をご参照ください。) ⑩ コンプライアンスリスク双日グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、双日グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを行っております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 法務リスク事業活動に関連して、双日グループが国内または海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告または当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、手続きの結果によっては、損害賠償金、和解金等の負担が発生し、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ システムリスクコンピュータシステムの品質不良や運用トラブルによるビジネス遂行の支障や損失、ならびにITリソースやシステムの統合管理の不十分さなどによるシステムリスクが存在します。双日グループは、システムを適切に保守・運用するため、CIOを中心とした管理体制を構築しております。重要な情報システムやネットワーク設備について、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理を行い、システムの安定運用を図っております。このように総合的なシステムの強化と事故防止に努めておりますが、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でシステムリスクが顕在化した際には、予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 情報セキュリティリスク不正なアクセスやサイバー攻撃、情報資産(紙媒体を含む)の管理ミスなどによる情報の漏洩、改ざん、破壊、紛失などにより、損失を被り、社会的評価が悪影響を受ける情報セキュリティリスクが存在します。双日グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、CISOを議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、セキュリティ対策をグループ全体に展開しております。また、定期的なセキュリティ遵守状況評価を通じて双日グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施しております。このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩または毀損する可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でセキュリティリスクが顕在化した際には、対応にかかる費用や取引先・顧客への補償費用といった予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ イノベーションリスクAIの高度活用を含むDX、その他の技術革新およびビジネスモデルの変革が進展する環境下で、双日グループがこれらに適切に対応できず、取引先に提供する機能や付加価値が低下し、成長機会を逸失するリスクおよびAIガバナンスの不備に起因する情報漏洩、権利侵害等が発生するリスクがあります。これらのリスクに対して、双日グループでは、デジタル人材の育成・拡充、データ・AI活用のためのデジタル基盤の整備・構築等の推進と社会ニーズに合わせたビジネス変革の取組みを連動させる “Digital-in-All” を推進しています。さらに、社内委員会としてDX推進委員会および同委員会下にAIガバナンス分科会を設置し、DXに関する全社方針や目標に向けた体制の整備や各種施策・取組みの推進、AI特有のリスクポイントに対する統制、これらの状況のモニタリング等を行っています。しかしながら、このような取組みによっても急速なAIの進化・ビジネス構造の変革や法規制等への対応の遅延や不十分さにより、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 災害等リスク地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、双日グループに直接的または間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルならびに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 人的資本リスク双日グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指し、M&A・デジタル・法務など専門性の高い人材の獲得に注力するなど、人材ポートフォリオを意識した採用を推進しています。また、キャリア採用を通じて、双日社員の年齢構成の適正化を図るほか、新卒採用では女性比率の目標を設定し、ジェンダーにかかわらず活躍できる環境の整備に取り組んでいます。人材育成に関しては、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」、「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」、「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」を重点テーマとし、事業戦略の実現に必要となる人材の育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な資質・能力を有した人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。 人的資本リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8) 人材戦略に関する基本方針 ③リスク管理」をご参照ください。 ⑰ 品質に関するリスク双日グループは、総合商社として様々な事業を展開しています。近時、事業領域が拡大・多様化するなか、製造業やサービス業への進出も増加しています。それに伴い、品質管理体制強化の目的で、全社共通の品質管理基本方針である「双日グループ・品質管理ポリシー」を制定し、現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、全社横断組織として品質管理委員会を設置し、事業現場で提供するモノ・サービスの品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。体制の概要は下図のとおりです。 また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みを進めております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、双日グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑱ レピュテーションリスク双日グループにおいて、製品やサービスの品質問題、コンプライアンス違反、情報漏洩、不正なアクセスやサイバー攻撃などの事象が発生した場合に、対象の事実はもとより、情報開示の適時性や開示内容の客観性などの不備・不足により、ステークホルダーからの双日グループへの信用やブランド価値が毀損する可能性があります。対外発信においては、開示における透明性・適時性・公平性などを確認し、一貫性のある適切な発信が行われるよう努めていますが、報道やSNSなどの情報により、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、双日グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスクにも晒されております。システムの脆弱性に関しては、上記⑬の「情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努め、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや運用規程を定めて、双日グループからの適切な情報発信を行う体制を整えております。しかしながら、このような対策を講じても、運用に起因する批判・非難が集中するリスク、意図しない著作権・商標権・肖像権の侵害、取引先や顧客に限らない第三者による外部サイトやSNSに双日グループを特定しての投稿が為されるリスクがあります。情報の真偽にかかわらず、双日グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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