インフォメティス(281a)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】(1) ミッションインフォメティスグループは、「エネルギーデータの力で、暮らしの未来を変えていく。」をミッションとして、[エネルギー×AI]をコア技術に、エネルギー最適化ソリューションを提供することで、日本で、世界で、カーボンニュートラルの社会実装に挑み続けております。 (2) 事業の概要インフォメティスグループは、インフォメティス、連結子会社(Informetis Europe Ltd.)及び関連会社(株式会社エナジーゲートウェイ)の3社で構成され、脱炭素やGXに取り組む企業向けに、エナジー・インフォマティクス事業を展開しております。連結子会社であるInformetis Europe Ltd.は、地域的にAI(機械学習(注1))の学術的教育環境が整っており、最先端のAI研究者採用に有利なイギリス・ケンブリッジに設立された技術開発拠点であるとともに、欧州圏を中心とした営業拠点でもあります。関連会社である株式会社エナジーゲートウェイは、インフォメティスと東京電力パワーグリッド株式会社で共同設立した東京電力パワーグリッド株式会社の子会社で、国内におけるインフォメティス電力消費者向けサービスの独占的販売代理店であるとともに、東京電力グループの事業領域を拡大し、同グループの競争力の強化と企業価値の向上に重要な役割を果たしております。 エナジー・インフォマティクス事業は、エネルギー関連データを独自のAIで解析し、①省エネルギーと快適生活の実現をするスマート・リビングサービスと②エネルギーの運用効率の最適化を実現するエネルギー・マネジメントサービスをSaaS(注2)型で提供するもので、その概要は、以下のとおりであります。 ① 電力センサー等から得られるエネルギー関連データをIoTデータプラットフォーム(注3)(以下、「プラットフォーム」という。)に収集 ↓② プラットフォームに蓄積されたエネルギー関連データを独自のAI※で解析し、例えば、電力のムダを削減するなどの価値あるデータに加工※独自のAIとNILMエネルギーデータをAI(機械学習)により分析し、家庭や施設の総電力データから「どの家電がいつ、どのくらい使われているか」をリアルタイム(即時)に推定する機器分離推定技術(Non-Intrusive Load Monitoring技術(以下、「NILM」という。))や最適化技術を中核とするエネルギーデータ解析に特化したインフォメティスグループ独自のAIのことです。NILMは、各家庭や各施設の総電力の入口である主幹部分に設置した1つの電力センサーにより総電力データを取得し、主幹電力波形をAI(機械学習)等により分析することで、家電ごとにたくさんのセンサーを取り付けたり、スマート家電に買い替えたりすることなく、どの家電が、いつ、どれくらい使われていたかを推定するインフォメティスグループのコア技術です。インフォメティスグループは、2016年に国内初のNILM商用サービスを提供し、東京電力グループとの連携を通じて、業界でのプレゼンスを強化してまいりました。これにより、インフォメティスグループは、電力AI業界におけるリーディング企業としての地位を確立しております。NILMによって、これまで知りえなかった電力使用の内訳を簡単に知ることができるようになるだけでなく、そこから得られたデータは、エネルギーの効率的利用や生活の見守りなど様々なメリットをもたらします。 ↓③ 価値あるデータを用いてプラットフォーム上に構築されたスマート・リビングサービスとエネルギー・マネジメントサービスを提供することで、電力利用効率の最適化 具体的には、電気を作る(発電)→電気を送る(送配電)→電気を小売りする(小売)→電気を消費する(消費)という電力供給の仕組みの中で電力利用効率の最適化を図るためには、電力供給に関わる設備の特徴を考慮しながら電力供給のバランスを維持しつつ、生活の質を保ち、不便を最小限に抑える必要があることを踏まえて、(ⅰ)電力消費者向けサービスの提供を通じて電力利用効率の最適化を図る「ienowa(イエノワ)」、「enenowa(エネノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」などのサービスと、(ⅱ)電力を供給する側である電力事業者向けサービスの提供を通じて電力利用効率の最適化を図る「BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)」などのサービスを提供しております。 なお、インフォメティスグループは、エナジー・インフォマティクス事業を単一セグメントで展開しているため、以降の説明においてセグメント別の記載は省略しておりますが、事業領域は、事業を展開する地域により、①国内領域及び②海外領域に分かれております。 インフォメティスグループの収益モデルは、プラットフォーム上に構築されたサービスを利用する顧客企業数又は顧客企業のエンドコンシューマー数及びプラットフォーム上で稼働する各種アプリのエンドコンシューマー数が増加するにつれて、年々売上収益が積み上がり、累積的・継続的な発生を見込むことが可能なリカーリング型の収益(ストック型の収益)があり、「プラットフォーム・アプリ提供」がこれに該当いたします。一方で、プラットフォーム上に構築されたサービスやプラットフォーム上で稼働する各種アプリの利用開始時には、起点として、電力センサーの機器販売代金、プラットフォーム上に構築されたサービスの初期設定費用やプラットフォーム上で稼働する各種アプリの初期設定費用などの一時的な収益(フロー型の収益)を伴うこともあり、「アップフロント」がこれに該当いたします。「アップフロント」は、「プラットフォーム・アプリ提供」の起点となることから、インフォメティスグループでは、累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」のみならず、一時的な収益である「アップフロント」も重視しております。なお、インフォメティスグループにおいては、見込顧客による実証実験が翌年以降の商業化に伴う収益につながっております。実証実験において、インフォメティスグループは、実証実験の設計、運営、データ分析やレポート作成などのプロセスの全部又は一部を見込顧客から受託し、委託料を受け取るのが一般的な収益モデルとなっており、「その他」がこれに該当いたします。 インフォメティスグループにおける収益区分の詳細は、以下のとおりであります。 区分収益の性質収益の説明具体例アップフロントフロー型1.プラットフォームの利用開始時に生じる一時的な収益2.電力センサーの販売台数、プラットフォーム上に構築された各種サービスを利用開始した顧客企業数やプラットフォーム上で稼働する各種アプリを利用開始したエンドコンシューマー数(プラットフォーム登録者数)などに比例する3.プラットフォーム・アプリ提供による収益の基盤となるため、アップフロントが増加すると、翌月以降のプラットフォーム・アプリ提供による収益の増加が見込まれる1.電力センサーの機器代金2.プラットフォーム上に構築された各種サービスの初期設定費用3.プラットフォーム上で稼働する各種アプリの初期設定費用プラットフォーム・アプリ提供ストック型リカーリング型1.プラットフォームの利用開始後に生じる累積的・継続的な収益2.プラットフォーム上に構築された各種サービスを利用する顧客企業数やプラットフォーム上で稼働する各種アプリのエンドコンシューマー数(プラットフォーム登録者数)などに比例する1.プラットフォーム上に構築された各種サービスに関する以下の料金・利用料金・運用保守料金2.プラットフォーム上で稼働する各種アプリの利用料金その他フロー型※ただし、繰り返し得られるものは、ストック型・リカーリング型1.プラットフォームの利用開始前後を問わず生じる一時的な開発等による収益2.上記1のほか、アップフロント及びプラットフォーム・アプリ提供以外の収益1.受託開発料金2.実証実験料金 ① 国内領域インフォメティスグループは、国内領域においては、以下のとおりサービスを提供しております。 電力消費者向けサービス商用化段階スマート・リビングサービス電力消費者側の行動変容による電力利用効率の最適化を目的として、電力消費者にサービスや設備を直接提供している賃貸事業者、ハウスメーカー及び住宅設備商社に向けて、AI+IoT住宅サービス(電力の見える化サービス)や設備の遠隔制御サービスなどを提供しております。具体的なサービスとして、「ienowa(イエノワ)」、「enenowa(エネノワ)」及び「hitonowa(ヒトノワ)」があり、これらがスマート・リビングサービスのスタンダードサービスとなります。「ienowa(イエノワ)」及び「enenowa(エネノワ)」は、家電による電気の使用や太陽光の発電、蓄電池の充放電などの家庭における電力の流れを電力消費者に向けてわかりやすく見える化し、「家電のつけっぱなし」や「電気の使い過ぎ」などを、通知いたします。 また、「enenowa(エネノワ)」は、蓄電池等の大容量電力設備を自動で最適化制御するアルゴリズムも組み入れており、高度な電力マネジメントを可能にいたします。さらに、「hitonowa(ヒトノワ)」は、電力消費者と顧客企業をつなぐ顧客企業向けの管理システムであります。「hitonowa(ヒトノワ)」は、電力消費者からの問い合わせ受信や電力消費者へのお知らせ配信の業務効率化、電力データを利活用したより良い暮らしの提案などを実現いたします。「ienowa(イエノワ)」及び「enenowa(エネノワ)」に使用されているインフォメティスのNILM技術は、従来の標準的電力情報である「30分値」よりも大幅に高精細な電力波形情報をもとに、「どの家電がいつ、どのくらい使われているか」をリアルタイム(即時)に推定するものであるため、これを家電の稼働、家の中の活動センサーデータとして応用し、他のIoT機器(注4)連携を組み合わせたIoTスマートホームへの活用も進んでおります。具体的には、「30分値」よりも高精細な電力情報取得のために設置したインフォメティスグループの電力センサーからの電力データとGoogle Homeなどのスマート家電コントローラ(注5)とを連携させることにより、家の状況、暮らしの様子を細かく把握した空調自動制御やその確認、エンドコンシューマー(消費者)による遠隔制御を可能にしております。 エネルギー・マネジメントサービス蓄電池AI最適制御、V2H(注6)AI最適制御インフォメティスの数理最適化AI技術を活用し、EV(電気自動車)の利用も含めた家庭の電気の使用状況やPV(太陽光発電)の発電状況、天気予報などの情報をAIが分析・予測し、蓄電池やEVの充電・放電を自動でコントロールし、家庭のエネルギーの使い方を最適化いたします。また、PV・EV・蓄電池の稼働状況は、「enenowa(エネノワ)」を通じて確認することができます。 収益区分 ※収益区分の詳細は、前掲の表をご参照ください。「ienowa(イエノワ)」及び「enenowa(エネノワ)」においては、サービスを利用するために必要となる電力センサーの販売代金が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、家電による電気の使用や太陽光の発電、蓄電池の充放電などの家庭における電力の流れをエンドコンシューマーである電力消費者に向けてわかりやすく見える化するアプリの利用料金が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客企業の要望に基づいて、アプリのカスタマイズなどの特別なシステム開発や実証実験を行った場合に生じる料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。また、「hitonowa(ヒトノワ)」においては、サービスの利用開始時の初期設定費用が「アップフロント」に該当し、サービスを利用する際に生じるランニング費用が「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客企業の要望に基づいて、カスタマイズなどの特別なシステム開発を行った場合に生じる料金が「その他」に該当いたします。蓄電池AI最適制御、V2H最適AI最適制御においては、インフォメティスグループのシステムと顧客である小売電気事業者等のシステムの連携のために生じる初期設定費用が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、サービスを利用する際に生じるランニング費用が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客の要望に基づいて、特別なシステム開発等を行った場合に生じる開発料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。 実証実験段階電力利用効率の最適化のためには、高度な電力マネジメントに加え、電力+αの付加価値を実現することで、インフォメティスのサービスを利用する顧客企業及び電力消費者の数並びにその利用接点を増やし、インフォメティスのサービスを社会基盤(インフラ)化することが重要になります。そのため、インフォメティスグループでは、電力+αの付加価値を実現するため、以下のとおり、実証実験を積極的に行っております。 ① 自治体ヘルスケア② ライフスタイルスコア国立医療機関との実証実験の結果、電力データから認知機能低下を予測するモデル作成に成功したことによる軽度認知障害(MCI)の早期発見に向けたサービスや、地方自治体との実証実験の結果、電力データから生活行動や異常状態を正しく推定することによる高齢者向け見守りサービスを、2026年から2027年までの間にリリースすることを目指しております。③ 不在配達低減在宅確率の推定データを物流配達事業者の配達ナビゲーション・システム地図のバックグラウンドデータに埋め込むことで、不在配達の削減が期待されております。また、エネルギーデータと過去の配送実績、渋滞及び天候データを組み合わせることによる運送効率の向上や、CO2の排出量の削減も同様に期待されております。インフォメティスグループでは、これについても、2026年から2027年までの間にリリースすることを目指しております。電力事業者向けサービス商用化段階スマート・リビングサービス簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)電力センサーからの精細かつリアルタイム性のある電力データを活用した「ienowa(イエノワ)」や「enenowa(エネノワ)」とは別に、既存の電力メーターからの30分単位の電力データ(電力30分値データ)を活用することで、リアルタイム性や高い精度を求めるのではなく、初期コストを抑えた(=電力センサーの設置が不要)電力使用状況見える化サービスを求める電力事業者の声に応え、「ienowa(イエノワ)」「enenowa(エネノワ)」といったスタンダードサービスとは別に、簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)を提供しており、これがスマート・リビングサービスのライトサービスとなります。現時点では、伊藤忠エネクス株式会社のグループ会社である株式会社エネクスライフサービスとともに、簡易電力使用状況見える化サービスである「テラりんアイ(AI)」を提供しております。簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)は2つの側面からデマンドレスポンス(DR)支援サービスとシナジーがあります。一つ目は機能的な観点です。簡易電力見える化により、各家庭の消費電力の大きな機器の使用量を把握することが可能になります。電力事業者は分析結果を見て、電力消費者への需要調整の要請をしたり、逆にデマンドレスポンス(DR)支援サービスへの参加率の高い家の家電使用状況からデマンドレスポンス(DR)支援サービスで捻出できる電力を想定すること等ができるようになります。もう一つは営業的な観点です。電力事業者は電気代の内訳を契約者に示すことで、電気代への不満解消ができることや、電力使用状況見える化のような付加サービス提供によるカスタマーエンゲージメントの向上を求めております。従って、デマンドレスポンス(DR)支援サービスを既に導入済の事業者に簡易電力使用状況見える化サービスを追加で導入することや、逆に簡易電力使用状況見える化に興味を持った電力事業者にデマンドレスポンス(DR)支援サービスも併せて導入するなど一つの事業者に対するアップセルを期待することができるようになります。 エネルギー・マネジメントサービスBridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)主に小売電気事業者及びエナジー・リソース・アグリゲーション・ビジネス(注7)事業者に向けて、クラウド型デマンドレスポンス(DR)支援サービス「BridgeLAB DR(ブリッジラボ ディーアール)」を提供しております。デマンドレスポンスとは、電力需給の極端な乱れが見込まれる場合に、小売電気事業者等が対象となる時間を指定したうえで、電力消費者に対象時間の電力消費の抑制を促し、抑制実績に基づいて、電気料金を割り引いたり、ポイント等のインセンティブを付与したりするものです。太陽光や風力など再生可能エネルギー(以下、「再エネ」という。)は、天候等により電気の供給状況が大きく変わる可能性があり、予測が困難なことから、需給バランスの乱れによる停電が発生する可能性があり、電力消費者が電気の供給状況に応じて賢く消費パターンを変化させるデマンドレスポンスの重要性が高まっております。デマンドレスポンスは、消費のパターンによって、電力消費を減らす(抑制する)「下げDR」と、電力消費を増やす(創出する)「上げDR」の二つに大きく区分されます。「下げDR」は、電力の需要が過多となり供給が逼迫するタイミングで、電化製品等の消費を落とす(家電をオフして外出する・エアコンの設定温度を変える等)ことによって、逆に「上げDR」は、再エネの過剰出力分を、電化製品等の稼働や蓄電池・EV(電気自動車)の充電などにより消費・吸収し、電気の需給バランスを改善するものです。「BridgeLAB DR」は、「下げDR」にも「上げDR」に対応したうえで、従来のデマンドレスポンス(DR)支援サービスとは異なり、電力消費者への需要調整の要請、応動確認、集計を「大きなシステム改修投資なく手軽に」実現するシステムで、電力取引収支改善、容量拠出金低減、容量市場参加等の用途に対応した早期のデマンドレスポンスの稼働を求める小売電気事業者等へ販売しております。 収益区分 ※収益区分の詳細は、前掲の表をご参照ください。簡易電力使用状況見える化サービス(NILMライトサービス)においては、インフォメティスグループのシステムと顧客である小売電気事業者等のシステムの連携のために生じる初期設定費用が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、サービスを利用する際に生じるランニング費用が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客の要望に基づいて、特別なシステム開発等を行った場合に生じる開発料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。「BridgeLAB DR」においては、インフォメティスグループのシステムと顧客である小売電気事業者等のシステムの連携のために生じる初期設定費用が一時的な収益である「アップフロント」に該当し、顧客が電力消費者に対象時間の電力消費の抑制を促すため、インフォメティスグループのシステムを利用する際に生じるランニング費用が累積的・継続的な収益である「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、顧客の要望に基づいて、特別なシステム開発等を行った場合に生じる開発料金が一時的な収益である「その他」に該当いたします。なお、「BridgeLAB DR」は、電力需給が厳しくなると見込まれる場合に、電力消費者に対象時間の電力消費の抑制を促すためのサービスであるという特性上、特に電力需要が緩む春秋期においては、顧客との契約は継続するものの、上記のランニング費用が数か月間計上されない場合があります。 実証実験段階電力利用効率の最適化のためには、電力+αの付加価値を実現することで、インフォメティスのサービスを大規模な電力会社単位や、地域・自治体単位で増やし、インフォメティスのサービスを社会基盤(インフラ)化することが重要になります。そのため、インフォメティスグループでは、電力+αの付加価値を実現するため、以下のとおり、実証実験を積極的に行っております。 ① 防災貢献実証NILMは、災害時の避難誘導の強化や、復旧時の安全確認、漏電・トラッキングといった火事リスクの低減などレジリエンス(注8)への活用も計画されております。また、専用のデータマイニング(注9)を加えることで、各家庭における在宅確率を推定することも可能となります。インフォメティスグループでは、災害を懸念する地方自治体から依頼され、地域の防災監視を行う事業者などに対して、家電や家の電気設備の異常が見つかった際にお知らせすることが可能なサービス及び災害後の復旧時などに危険な家電の放置状態等を見守ることができるサービスの実証実験を行っております。インフォメティスグループでは、この実証実験に基づく商用サービスを2026年までの間にリリースすることを目指しております。② スマートメーターの異常検知現行スマートメーターの発火や焼損事故が、日本各地で発生しており、原因や影響が議論されております。例えば、東京電力グループが家庭に設置している現行スマートメーターの焼損事故は、公には16件以上報告されております。主要な原因については、現時点で、部品の損傷と施工不良であると特定されているものの、スマートメーターの焼損事故は、安全性や信頼性の懸念を引き起こしており、電力会社と監督機関による詳細な調査と対策が行われております。インフォメティスグループでは、スマートメーターの焼損の予兆を検知した際に、それを電力会社に通知するサービスの実証実験を行っております。インフォメティスグループでは、この実証実験に基づく商用サービスを次世代(第2世代)スマートメーター(注10)が導入される2026年以降にリリースすることを目指しております。 ② 海外領域インフォメティスグループは、海外領域においては、英国に連結子会社(Informetis Europe Ltd.)を設け、欧州圏の現地企業や日本企業の現地法人などとの実証実験を行う等、欧州圏における本格的な事業展開に向けた準備を進めております。特に、脱炭素化を背景に英国を筆頭とした欧州圏に広がるガスボイラー(ガス給湯器)からヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが直近で最大の事業拡大機会であります。このヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが進む中、電気の消費が急激に増加することによる電力系統・電力網の安定運用への影響を管理・制御するため、家全体だけでなくヒートポンプ(電気給湯器)やその他制御可能な機器の詳細な消費エネルギーデータを取得したうえでのヒートポンプ(電気給湯器)の最適化制御が重要になります。こうした状況を踏まえ、インフォメティスグループは英国において、電力消費の側面から電力利用効率の最適化を図るサービスを展開しております。2021年10月より、インフォメティスグループの電力センサーは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入され、実証的な取り組みを進めてまいりました。そして、2025年11月からは、これまでの実証的な取り組みを経て、インフォメティスグループの技術・サービスを活用した「Budget Control(バジェットコントロール)」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series(アップシリーズ)」の販売がDaikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における商業展開が本格的に始動いたしました。ここでは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入される電力センサーの販売料金が「アップフロント」に該当し、導入された電力センサーからのデータに基づいて、最適化サービスを利用する際に生じるランニング費用が「プラットフォーム・アプリ提供」に該当し、特別なシステム開発やコンサルティング等を行った場合に生じる費用が「その他」に該当いたします。最後に、最近2連結会計年度のインフォメティスグループの事業領域及び後述の収益区分ごとの売上高は、以下のとおりであります。 (単位:千円) 2024年12月期2025年12月期国内領域969,081516,832アップフロント210,23115,091プラットフォーム・アプリ提供358,596299,950その他400,253201,791海外領域13,27113,186アップフロント1,162―プラットフォーム・アプリ提供10,3139,932その他1,7953,254国内領域及び海外領域合計982,352530,019アップフロント211,39315,091プラットフォーム・アプリ提供368,910309,883その他402,049205,045 (注) 「アップフロント」は、未実現利益調整後の金額となっております。未実現利益は、連結グループ会社間の内部取引から生じた利益のうち、期末までに実現していないものをいい、具体的には、インフォメティスが関連会社である株式会社エナジーゲートウェイに販売した電力センサーのうち、連結グループ外部へ販売されず、同社の在庫となっている(実現していない)ものについて、当該在庫に含まれるインフォメティスの売上総利益にインフォメティス持分の40%を乗じた金額を、連結売上高から消去いたします。この消去された利益は、その後、同社から連結グループ外部へ販売された(実現した)際に、再度認識されることとなります。 インフォメティスのミッションであるカーボンニュートラルの社会実装に挑み続けるためには、インフォメティスグループのサービスを社会基盤(インフラ)として確立することが不可欠です。そのため、インフォメティスグループでは、フロー型ビジネスからストック型ビジネスへの移行を推進しております。これにより、持続可能な収益を確保しつつ、エネルギー最適化ソリューションの提供を継続することが可能となります。2025年12月期は、大口顧客との契約終了等の外部要因の影響を受け、原価負担の大きい取引の売上が減少した結果、売上規模は縮小した一方で、収益性の高いストック型ビジネスの構成比は高まりました。一方で、インフォメティスグループの中長期の成長戦略の中核をなす次世代(第2世代)スマートメーターに関しては、次世代(第2世代)スマートメーターに関連する受託開発案件の受注増加を見込んでおり、短期的には、ストック型ビジネスの構成比が一時的に低下する可能性があります。ただし、これらの受託開発案件は、次世代(第2世代)スマートメーター時代におけるストック型ビジネスへの展開基盤を構築する戦略的投資であることから、中長期的なストック型ビジネスの絶対額拡大及び収益性向上を最優先に推進してまいります。 [事業系統図]インフォメティスグループの事業系統図は、以下のとおりであります。 (3) 事業の特徴インフォメティスグループのエナジー・インフォマティクス事業の特徴は、2つのAI技術、すなわちNILMをはじめとした電力データ解析技術と数理最適化技術、を活かしたSaaS事業を根幹としており、前者の電力データ解析技術では、ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)から譲渡を受けた、電力波形データ分析(NILM)が大きな技術差異化要素となっております。そのうえで、これまでに築き上げた事業実績として、①標準電力スマートメーターのデータ活用優位性、②SaaSモデル/リカーリング収入に支えられ逓増していく収益基盤、③世界トップクラスの電力AI技術(ソニー発)、④国内No.1電力会社を含む大手企業との強固なアライアンス戦略、⑤全世界で拡大するエネルギーデジタル市場で欧州でも新サービスで先行、という5つのポイントが挙げられます。 ① 標準電力スマートメーターのデータ活用優位性2026年から導入が進んでいる国内の次世代(第2世代)スマートメーターにおいては、その計量部において、従来のスマートメーターよりも大幅に高精細なデータ取得が可能となっており、インフォメティスの電力データ分析方式と互換性のある計測方式が仕様化されました。これにより今後、高精細データの取得にあたって電力センサーを新たに設置することなく、最大8,361万台(注)にものぼる次世代(第2世代)スマートメーターから、インフォメティスのプラットフォームにエネルギーデータを収集して、サービスを提供することが現実的になります。ここにおいては、インフォメティスが10年以上蓄積してきた当該方式で収集するエネルギーデータの分析ノウハウが大きな優位性となり、インフォメティスのサービスの普及を促し、インフォメティスのサービスの社会基盤(インフラ)化が大きく加速することを、インフォメティスグループは期待しております。(注) 経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会 電力取引の状況(令和7年11月分) ※2021年2月1日 資源エネルギー庁 「次世代スマートメーターの 仕様の検討状況について」7頁のデータからグラフを作成 インフォメティスグループでは、次世代(第2世代)スマートメーターの高精細電力データから安全性の異常可能性を検知した際に、それを電力会社に通知するサービスの技術開発を終えており、この技術に基づく商用サービスを次世代(第2世代)スマートメーターが導入される2026年以降にリリースした後、小売電気事業者向けにデマンドレスポンス(DR)支援サービス(平均10百万円程度/社/年の実績)や、次世代(第2世代)スマートメーターの活用により、導入しやすい価格設定による電力の見える化サービスや見守りサービス(大手企業が提供するサービスの10分の1程度の月額料金を想定)、ミドルデータ(家電別稼働データ、生活パターン/生活スタイルライフ分析、在宅推定/活動レベル)などのミドルデータ提供サービス(~100円程度/世帯/月を想定)への応用展開を考えております。次世代(第2世代)スマートメーターの導入は、東京電力グループのみならず他エリアでも着実に前進しており、全国レベルでの本格展開に向けた環境が整いつつあります。実際に、関西電力送配電株式会社は2026年1月5日から次世代(第2世代)スマートメーターの設置開始を公表しており(出典:関西電力送配電株式会社「第2世代スマートメーターの設置開始について」2026年1月5日)、中部電力パワーグリッド株式会社も2026年1月から次世代(第2世代)スマートメーターの設置開始を公表しております(出典:中部電力パワーグリッド株式会社「第2世代スマートメーターの設置開始について」2025年12月8日)。こうした動きは、次世代(第2世代)スマートメーターを基盤とするデータ利活用・周辺サービスの需要拡大に向けた追い風となるものであり、インフォメティスグループは、この潮流を確実に捉え、事業機会の具体化及び収益化に向けて取り組んでまいります。 ② SaaSモデル/リカーリング収入に支えられ逓増していく収益基盤インフォメティスグループの収益構造は、フロー売上・収益(一回売り切りタイプの売上・収益)である電力センサーの販売が、将来のストック売上・収益(継続的に積み上がっていくタイプのリカーリング売上・収益)につながるリカーリングビジネスと呼ばれる収益構造であり、一度の販売で終わるのではなく、顧客企業が定期・継続的に利用料金を支払うことで、インフォメティスグループは安定した売上・収益が得られます。また、顧客企業の収益基盤が拡大することでインフォメティスグループの売上・収益も逓増していくため、長期的に安定した収益基盤になっているとインフォメティスグループでは考えております。インフォメティスグループのようなリカーリングビジネスにおいて、解約率(チャーンレート)は非常に重要な指標となりますが、インフォメティスのサービスは顧客企業にとって重要なインフラとして機能しているため、解約率(チャーンレート)はこれまでほぼゼロを維持してまいりました。しかしながら、2025年12月期においては、創業以来初の大口顧客との契約終了が発生し、売上規模が大幅に縮小、業績は大幅赤字となりました。それでも、他顧客においては、インフォメティスのサービスは特に小売電気事業者にとって重要なインフラとして機能しているため、解約率(チャーンレート)がほぼゼロを維持しており、収益モデルの本質的な競争力は健在です。今後は、顧客基盤の多様化と解約リスク管理体制の強化を最優先に、持続的成長基盤の再構築に取り組んでまいります。 ③ 世界トップクラスの電力AI技術(ソニー発)インフォメティスグループの電力AI技術は、ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)が時間と資金を投じて開発したもので、創業者である只野太郎が同社からカーブアウトして、インフォメティスを設立した際に有償にて譲渡されたものであります。一般的に電力データの取得は、現行スマートメーターや事業者独自開発のエネルギーマネジメントシステム(EMS)用電力センサーなどにより行われております。現行スマートメーターは、電力料金徴収を目的として、既に多くの家庭や施設に設置済みであることから、追加のコストが生じない(低コスト)というメリットを有している一方で、30分ごとの電力使用量を計測するものであることから、電力データの計測精細度(粒度)は、粗いものになるというデメリットを有しております。一方、事業者独自開発の電力センサーは、インフォメティスグループと同様の方向性を持つ競合企業(主に海外)があり、その中には、例えば1秒間に100万回の頻度(サンプリング周波数=メガヘルツ(MHz))といった高い精細度、高サンプリング周波数で計測し、電力データの計測粒度や特徴量抽出が、非常に高精細なものになるというメリットを有するものもありますが、高い精細度、高いサンプリング周波数で計測するためには、これを計測するための電力センサーで使用する部品が高性能、高価になるため、電力センサーの製造コストが高くなるというデメリットも有しております。そこで、インフォメティスグループでは、高精細なNILM(Non-Intrusive Load Monitoring)技術に必要な、十分に高い粒度の電力データの計測と、低コストを両立した独自の電力波形センサリング技術を開発し、これを搭載した電力センサー(以下の画像参照)を開発いたしました。 この電力センサーは、現行スマートメーターのハードウェアに使用されている部品の性能で実現可能な最大サンプリング周波数である約8kHz(1秒間に8,000回の頻度)での計測を設計仕様とすることで、現行スマートメーターと比べると1,000万倍以上粒度の高い計測を行いながらも、スマートメーターはじめ汎用製品等で大量に流通している部品を流用できるため、電力センサーの製造コストを低く抑えることが可能であります。インフォメティスの技術は、すべてのクラスにおいて、現行スマートメーターで対応可能な(=コストアップにならない)範囲で、一番高い粒度の電力の測定データが測定可能であるクラスに位置づけられており、上記の費用対効果の優位性の客観性が担保されております。上記ポジションをまとめると、以下のとおりであります。 現行スマートメーター及び一般的電力センサー事業者独自開発の電力センシング技術(他社高精細商品)インフォメティスグループの電力センシング技術計測対象30分単位での電力使用量メガヘルツ(MHz)波形キロヘルツ(kHz)波形計測粒度粗い(30分単位での計測)高精細(1秒以下)なNILMのために必要とされる以上に精細(秒単位での計測)高精細(1秒以下)なNILMのために必要十分に精細(秒単位での計測)計測コストコスト低(追加費用なし)コスト高(299~349米ドル/1台)コスト低(12,000円/1台)現行スマートメーター・ハード親和性○×○ (公開情報の分析をもとにしたインフォメティスグループ調べ)(注) 電力会社から一般家庭に供給されている電気は、交流といわれ、電気の流れる方向が1秒間に何十回も変化しております。この流れの変わる回数を周波数(Hz:ヘルツ)といいます。メガヘルツ(MHz)は、「1秒間に100万回振動する」ような周波数を表し、メガヘルツ(MHz)波形を計測するということは、1秒間に100万回の電力データを取得するような細かさで計測していることになります。キロヘルツ(kHz)は、「1秒間に1,000回振動する」ような周波数を表し、キロヘルツ(kHz)波形を計測するということは、1秒間に1,000回の電力データを取得するような細かさで計測していることになります。 そして、独自の電力波形センサリング技術で収集される、家庭や施設の総電力データから家電ごとの詳細な状態をリアルタイムで推定するのがNILM技術であります。NILMは、各家庭や各施設の総電力の入口である主幹部分に設置した1つの電力センサーにより総電力データを取得し、主幹電力波形をAI(機械学習)等により分析することで、各家電には直接触れずに(個別計測や個別の仕組みは不要)、間接的にどの家電が、いつ、どれくらい使われていたかをリアルタイムで見える化することを可能にいたします。インフォメティスグループでは、NILMを中核としたAI関連技術を活用して、エネルギーデータを価値のあるデータに加工しております。このようなNILMは世界的にも最先端技術であるため、応用可能性に関する議論が不足し、また、技術検討及び比較が容易でなく、グローバルスタンダードが一切存在しませんでした。しかし、インフォメティスグループは、経済産業省からの6年にわたる受託事業を通じて、NILMの国際規格案の国際標準規格化を国際的に推進することに貢献し、2025年6月25日に国際電気標準会議(IEC)(注11)にて、正式に国際標準規格として発行されました。この規格では、高精細なNILMに必要な、十分に高い粒度の電力の測定データについて、電力データを測定する期間(データサンプリング周波数)、電力データを出力する周期(出力周期)及び分析データの大きさ(データビットレート)のテーブルごとにクラス分けを定義し、それに応じた用途、スマートメーターへの搭載実現性などに合理的な方式選定が行えるよう、NILM向けの計測データを出力する測定機器には出力可能なクラスを明示することを義務付けております。特筆すべきは、インフォメティスグループが採用する計測方式が、このクラス分けにおいて、世界中のスマートメーターへの搭載実現性が高い方式として、国際規格上に明確に位置づけられている点であります。 インフォメティスグループによる電力データの価値あるデータへの加工例は、以下のとおりであります。 NILM関連発電・需要予測最適化制御のためのデータ活動分析・機器分離推定技術家電種別、動作時刻、モード、家電種別ごとの消費電力、異常検知・需要と発電の分離時間ごとの消費と発電を分離日照量や気温等の気象予報データ、及び過去の電力消費データ等をもとに、太陽光や風力等の分散発電(とその消費)の変動をそれぞれ予測電力消費者または事業者にとっての利益を最大化するエアコン、ヒートポンプ(電気給湯器)、蓄電池などの自動最適化制御のためのデータ・生活パターン/生活スタイル健康等に関わる異常の推定、安全に関わる活動異常の推定(火気器具等放置など)、夜型/昼型、休日、睡眠時間、調理時間、娯楽時間などの推定・家族構成の推定・在宅確率の推定 ④ アライアンス戦略インフォメティスは、電力等のデータを収集・分析・加工するIoTプラットフォームサービスの提供を事業目的として、2018年3月に東京電力パワーグリッド株式会社と株式会社エナジーゲートウェイを共同設立(インフォメティス出資比率40.0%)しております。インフォメティスは、代理店契約に基づき、株式会社エナジーゲートウェイを日本国内におけるインフォメティスの電力消費者向けサービスの独占販売代理店としております。同社との間では、電力センサーの年間最低購入数量を定めるとともに、東京電力グループの知識・経験に基づく事業・業務ノウハウを背景として、複数年契約を前提に営業活動を推進しております。特に、1顧客当たりの電力センサー総購入台数が数万台から数十万台規模に及ぶ大型顧客を中心に、国内展開を進めております。さらに、インフォメティスは東京電力パワーグリッド株式会社との協業を推進し、東京電力グループの知見及び蓄積されたデータを活用することで、技術・サービス開発のスピードを一層向上させております。加えて、事業戦略、アライアンス、開発面においても、株式会社エナジーゲートウェイを支援しております。また、東京電力グループを含む旧一般電気事業者(以下、「旧一電」という。)との協業は、東京電力、関西電力、中部電力、中国電力及び四国電力の計5社に上ります。加えて、他の電力会社とも新たな協業に向けた協議を進めており、旧一電とのパートナーシップは着実に拡大しております。こうした旧一電との豊富な協業実績は、インフォメティスグループの信頼性向上につながるとともに、さらなるビジネス機会の創出にも寄与しております。加えて、インフォメティスは設立以来、東京電力パワーグリッド株式会社、関西電力株式会社、株式会社日立製作所、ダイキン工業株式会社、株式会社博報堂DYホールディングス、日本郵政キャピタル株式会社、伊藤忠エネクス株式会社、ヒューリック株式会社および株式会社フォーバルなど、国内外のエネルギー関連企業や各業界を代表する企業と事業・資本提携を推進してまいりました。これにより、秘匿性の高いデータを活用しつつ、業務提携から生まれる新たなサービスの創出を進めております。その一環として、2024年5月には、伊藤忠エネクス株式会社のグループ会社である株式会社エネクスライフサービスとともに、簡易電力使用状況見える化サービス「テラりんアイ(AI)」の提供を開始し、サービスの裾野拡大を図っております。 ⑤ 欧州でのアライアンスによる事業拡大前述のように、脱炭素化を背景に英国を筆頭とした欧州圏に広がるガスボイラー(ガス給湯器)からヒートポンプ(電気給湯器)への急速なシフトが進んでおります。このような状況の中、インフォメティスグループは、ダイキン工業株式会社と資本業務提携して、同社の欧州子会社であるDaikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として、インフォメティスの電力センサー及び消費者等の電力コスト負担を自動的に軽減するサービスが導入されております(Daikin Europe N.V.は、2028年には年間約60万台の設置台数が見込まれる欧州ヒートポンプ市場(注1)で20.8%のシェア(注2)を誇っております。)。こうした状況を踏まえ、インフォメティスグループは英国において、電力消費の側面から電力利用効率の最適化を図るサービスを展開しております。2021年10月より、インフォメティスグループの電力センサーは、Daikin Europe N.V.の英国におけるヒートポンプ(電気給湯器)の付帯設備として導入され、実証的な取り組みを進めてまいりました。そして、2025年11月からは、これまでの実証的な取り組みを経て、インフォメティスグループの技術・サービスを活用した「Budget Control(バジェットコントロール)」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series(アップシリーズ)」の販売がDaikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における商業展開が本格的に始動いたしました。また、英通信最大手のBritish Telecom(現BT Group)と協業し、見守りサービスの実証実験を開始し、高齢者の住居の電力データを利用して、活動状況を分析し、異常があれば家族や関係者に通知する仕組みを構築しております。(注1) National Audit Office(英国会計検査院)プレスリリース「Low heat pump uptake slowing progress on decarbonising home heating」(Date: 18 Mar 2024)(注2) EUROPE HEAT PUMP MARKET(2024), Mordor Intelligence,2024 (4) インフォメティスグループが解決を目指す課題① GX(グリーントランスフォーメーション)日本政府は、2020年10月26日に、2050年カーボンニュートラルの実現という国際公約を掲げ、気候変動問題に対して国家を挙げて対応する強い決意を表明いたしました。さらに、2021年4月には、当時の菅内閣総理大臣は、地球温暖化対策推進本部及び米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」ことを表明いたしました。それ以降、我が国では、その実現に向けて、グリーン成長戦略、第6次エネルギー基本計画等の各種戦略を策定、また、それらの実行に向けた施策を検討するため、GX実行会議等が開催されてまいりましたが、2022年12月22日の第5回GX実行会議において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が公表され、今後10年を見据えた取組の方針をまとめられた後に、2023年2月10日に閣議決定がなされ、GX基本方針として発表がなされました。このGX基本方針は、2050年カーボンニュートラルや、2030年度の温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を、経済成長の機会として捉え、温室効果ガス排出削減と経済成長・産業競争力向上の同時実現に向けて、経済社会システム全体を変革させるグリーントランスフォーメーションの実現に向けた基本方針となっており、そこでは、徹底した省エネの推進、再生可能エネルギーの主力電源化などが盛り込まれております。また、第7次エネルギー基本計画のもとで、再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の整備、蓄電システム・分散電源の整備といったGXに資する基盤整備が進められているほか、電力需給の柔軟性確保としてデマンドレスポンス(DR)支援サービスの活用など、需給調整力強化の取り組みが拡大しております。 ② エネルギーの4D地球環境変化に向けた世界的な危機意識や技術の進化、経済合理化を背景として、エネルギー業界では以下の大きなイノベーションが進んでおり、これを国内では「エネルギーの4D」と呼んでおります。1つめは、脱炭素化(Decarbonization)であり、地球温暖化への対策として、再エネの導入が進み、それに伴う予測困難な出力変動への対応が求められております。2つめは、分散化(Decentralization)であり、先述した再エネ導入も含め様々な規模の分散型発電や蓄電、さらには電気自動車との連携も加わり、系統運用の複雑化が急速に進んでおります。3つめは、自由化(Deregulation)であり、電力小売自由化による市場経済化など様々な規制緩和が進められ、競争が活性化しております。4つめは、デジタル化(Digitalization)であり、スマートメーターの導入とIT技術の進化に伴い、電力系統運用でもDXが進んでおります。 ③ GXとDX(注12)の関係GX基本方針において、GXに向けた脱炭素の取り組みの1つとして、再生可能エネルギーの主力電源化が掲げられております。再生可能エネルギーの導入拡大には、電力の需要と供給のバランスを取る「需給バランス調整」が、非常に重要となります。電力系統は、需要と供給のバランスが崩れることにより周波数や電圧の変動が起こり、場合によっては停電につながりかねないため、常に時間ごとの電力の需要と供給を一致させる必要があります。特に、天候によって発電量が左右されがちな太陽光や風力などの自然由来の再エネの増加によって、電力の需要と供給のバランスを取る「需給バランス調整」は、より難易度が上がります。「需給バランス調整」は、従来、供給側(発電側)においては火力発電がその役割を担っておりましたが、4Dの1つめの「脱炭素化」に向けて、予測が困難かつ不安定である自然由来の再エネによる供給の増加が見込まれると同時に、火力発電による供給の割合が低下し、火力発電のみによって需給バランスの調整を行うことが難しくなることが見込まれております。また、4Dの2つめの「分散化」に関連して、電力業界では、発電、送配電及び小売の分離並びに自由化という電力システム改革によって、大手電力会社がこの3部門のサービスを一括して提供する1地域・1電力会社制による集中管理体制から「発電」、「送配電」及び「小売」という各部門へ多数事業者が参加したことによる複数社による分散管理体制に移行している現在においては、電力のやりとりは複雑化し、需給バランスの調整を行うことがさらに難しくなることが見込まれております。加えて、電力消費者側は、従来は、電気を消費するだけでありましたが、現在は、4Dの3つめの「自由化」に関連して、太陽光発電等により発電することも増えており、余剰電力を売電することによる電力消費者側からの「逆潮流」も発生しております。そこで、リアルタイムでの「需給バランス調整」が不可欠である電力の世界においては、従来の「供給側調整」に加えて「需要側調整」を目途として、インフォメティスの電力センサーで電力消費者の詳細な電力データを取得し、NILMを活用して、どの家電が、いつ、どれくらい使われていたかをリアルタイムで解析・分析を行い、DX(4Dの4つめである「デジタル化」)、この結果から発電・需要予測などの有益情報や価値ある知見を抽出(エネルギーデータの価値創造)し、制御するための情報技術革新が必要になります。 ④ インフォメティスグループがターゲットとする市場インフォメティスグループの事業ドメインとして、インフォメティスグループが一次ターゲットとしているエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場は、2025年度には5,003億円に、2035年度には9,092億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。中でも、太陽光発電設備は、2021年度には277億円の見込みであったものが、2035年度には2,553億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。また、送配電・需給調整領域は、2021年度には125億円の見込みであったものが、2035年度には713億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。さらに、エネルギー利用領域(蓄電池サービスも含む)は、2021年度には135億円の見込みであったものが、2035年度には615億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。また、電力利用効率の最適化には、「需給バランス調整」のような発電・送配電・電力消費者設備という電力システム全体で最適化するサービスをインフォメティスグループが一次ターゲットとしているエネルギーマネジメントシステム関連市場において提供することが必要になりますが、電力+αの付加価値も同時に実現することで、インフォメティスのサービスの普及を促し、インフォメティスのサービスを社会基盤(インフラ)化することも必要になります。この観点から、インフォメティスグループが二次ターゲット市場としている市場は、パートナーとのアライアンスによって、電力データに新たな価値を創り出すことによってアクセス可能になるものでありますが、現在は、ヘルスケア業領域、社会インフラ業領域、公共/教育業領域、インターネット広告市場など、様々な分野・新市場へ進出を予定しております。進出を予定している市場の規模は、以下のとおりであります。ヘルスケア業領域 953億8千万円(出所:株式会社富士キメラ総研、2022 人工知能ビジネス総調査より2027年の業種別市場動向予測)社会インフラ業領域 1,802億6千万円(出所:株式会社富士キメラ総研、2022 人工知能ビジネス総調査より2027年の業種別市場動向予測)公共/教育業領域 1,506億2千万円(出所:株式会社富士キメラ総研、2022 人工知能ビジネス総調査より2027年の業種別市場動向予測)インターネット広告市場 3兆6,517億円(出所:株式会社電通、2024年 日本の広告費より2024年(1~12月)の実績) [用語解説](注) 1.機械学習:人間が有する学習能力に類似した機能をアルゴリズムに持たせることにより、学習し進化する技術手法、技術名のこと。具体的には、教師データ(学習の元になるデータ)に基づいてアルゴリズムが学習することで、類似の状況において、学習により構築したパターンに基づいて、アルゴリズムが精度の高い推定や判断を行うことが可能になる。2.SaaS:「Software as a Service」の略語で、ソフトウエアやアプリケーションの機能をサービスとして、クラウド上で提供し、利用者がネットワーク経由で利用するモデルのこと。3.IoTデータプラットフォーム:「Internet of Things」(モノのインターネット)を活用するために必要な様々な機能をひとつのシステムとして提供するサービス基盤のこと。4.IoT機器:「Internet of Things」(モノのインターネット)における「モノ」のことで、インターネットに接続されたテレビ・センサー類・照明などのこと。5.スマート家電コントローラ:例えば、家庭内のエアコンなどの電化製品をアプリや声で操作したり、時間やセンサー、インターネットの情報をもとに自動制御するコントローラのこと。代表的なスマート家電コントローラとして、米国GoogleのGoogle Nestデバイスと Google Homeデバイスが挙げられる。6.V2H:「Vehicle to Home」の略語で、EVなどの大容量バッテリーに蓄えられた電気を車(Vehicle)から家(Home)に戻して活用するシステムのこと。7.エナジー・リソース・アグリゲーション・ビジネス:バーチャルパワープラント(VPP)(電力消費者側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、発電所と同等の機能を提供すること)やデマンドレスポンスを活用して、一般送配電事業者、電力消費者、再生可能エネルギー発電事業者といった取引先に対し、調整力、インバランス回避、電力料金削減、出力抑制回避等の各種サービスを提供する事業のこと。8.レジリエンス:元に復元する能力(回復力)のこと。9.データマイニング:大量のデータから有用な情報や知識を見つけ出す技術のこと。10.次世代(第2世代)スマートメーター:2014年から本格導入が開始された毎月の検針業務の自動化や電力使用状況の見える化を可能にする電力量メーター(=現行スマートメーター)に代わり、2026年から順次交換が始まる予定である電力メーターのことで、『「次世代(第2世代)スマートメーター」=「電力DX推進に向けたツール」』として位置づけられている(出所:経済産業省・資源エネルギー スマートメーター制度検討会 次世代スマートメーターの標準機能について(中間取りまとめ))。11.国際電気標準会議(IEC):国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission)のこと。電気及び電子技術分野の国際規格の作成を行う国際標準化機関で、各国の代表的標準化機関から構成される。12.DX:「Digital Transformation」の略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてインフォメティスグループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針インフォメティスグループは、「エネルギーデータの力で、暮らしの未来を変えていく。」ことをミッションとして、[エネルギー×AI]をコア技術に、エネルギー最適化ソリューションを提供することで、日本で、世界で、カーボンニュートラルの社会実装に挑み続けております。 (2) 目標とする経営指標インフォメティスグループのエナジー・インフォマティクス事業は、エネルギーデータから多様な価値を創出し、各種サービスをSaaS型で提供するものであります。従来の売り切り型の収益モデルにおいては、売上高がそのまま成長指標として扱われるのが一般的でありますが、SaaS型収益モデルにおいては、期間ごとの売上・収益を累計していくことにより、事業を成長させるため、売上高だけでは、正しく成長率を捉えることができません。そこで、インフォメティスグループでは、事業の成長率を正しく評価するための基準として、ARR(注1)を経営指標として位置付けております。 注1 ARR(Annual Recurring Revenue):日本語で「年次経常収益」と呼ばれ、毎年繰り返し得られる収益・売上のことをいい、各期末の直前の6か月間のMRR(注2)の平均値を12倍して算出しております。注2 MRR(Monthly Recurring Revenue):日本語で「月次経常収益」と呼ばれ、毎月繰り返し得られる収益・売上のことをいい、インフォメティスグループでは、「プラットフォーム・アプリ提供」に区分される収益・売上に加え、「その他」に区分される収益・売上のうち、繰り返し得られる収益・売上も含んでおります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略経営方針に沿った経営を行うためには、急速な変化を遂げるエネルギー関連業界の中で、(ⅰ)AI(機械学習)を活用したNILM技術や電力利用を管理・最適化する技術、(ⅱ)電力データを利活用するための技術について、進化・革新の積み重ね、及び(ⅲ)社会の課題を解決する新しいサービスを提供することが必要となります。 そこで、インフォメティスグループは、以下の3つの経営戦略を推進し、エナジー・インフォマティクス事業のトップブランドとして認知される企業を目指してまいります。 ① 次世代(第2世代)スマートメーターによるパラダイムシフトへの取組み2014年から本格導入が開始された現行スマートメーターについて、2026年から順次新たなメーターへの交換が始まっております。2026年からの導入に向けて仕様の策定が進められていた国内の次世代(第2世代)スマートメーターにおいては、その計量部の仕様として、インフォメティスの電力データ分析方式と互換性のある計測方式が採用されたことは先述のとおりであります。これにより、次世代(第2世代)スマートメーターにおける電力データから取得し得る情報量は、現行スマートメーターにおける情報量から飛躍的に向上し、その分析から得られる情報価値も非連続に大きく、また幅広くなり、電力利用効率の最適化のみならず、電力消費者向けに、より安価にIoTのある暮らしを実現するといったような、新たな価値を創造することも可能になります。これに向けて、インフォメティスグループでは、設立以来10年以上に渡り独自に蓄積してきた当該技術方式によるデータの分析ノウハウをさらに高めるとともに、次世代(第2世代)スマートメーターから得られる電力データを活用した電力消費者向けのサービスを拡充することで、電力消費者との接点を拡大し、そこで得られた新たなデータ・ノウハウを活用して、さらに電力消費者向けのサービスを拡充し続けるという好循環を創り出すとともに、このサービスで拡大した電力消費者との接点を活用して、電力事業者向けのサービスを拡充するための技術・サービスの開発に着手しております。具体的には、高齢化社会に向けた見守り、ヘルスケアサービスの拡充によって、電力領域以外での価値から電力消費者との接点を拡大させ、それと現在の電力消費者向けサービスを融合させた、行動変容型の電力利用効率の最適化へ向けた技術・サービスの開発にも着手しております。加えて堅牢な電力系統設備を支えるための焼損予兆検知技術・サービスや、広域における需要内訳分析の精度を追求する技術・サービス、また、電力事業者向けデマンドレスポンス(DR)支援サービスから発展したリソースアグリゲーション(RA)向けの技術・サービスの開発にも着手をしております。さらに、次世代(第2世代)スマートメーターの仕様策定に際して、インフォメティスグループ独自の電力波形センサリング技術が日本国のみならず海外でも採用されるための一助として、インフォメティスグループでは、経済産業省からの6年にまたがる受託事業を通じて、NILMの国際規格案の国際標準規格化を国際的に推進することに貢献し、2025年6月25日に国際電気標準会議(IEC)にて、正式に国際標準規格として発行されました。 ② アライアンス体制・強化電力データは、電力データ以外の技術との組み合わせによる新たなサービスの創出が期待されております。インフォメティスグループにおいても、新規事業の創出を目指しておりますが、そのためには、国内外のエネルギー関連企業や、各業界を代表する企業から秘匿性の高いデータを取得することが必要になります。インフォメティスグループでは、東京電力グループや関西電力グループなどを中心としたエネルギー関連企業、株式会社日立製作所、ダイキン工業株式会社、株式会社博報堂DYホールディングス、伊藤忠エネクス株式会社や株式会社フォーバルなどとアライアンス体制を構築し、秘匿性の高いデータを継続的に取得できる体制を整えておりますが、引き続き、電力データを活用した付加価値創造を成長に結びつけられていない業界・業種を中心に、アライアンス体制の構築・強化に努めてまいります。 ③ 海外展開特に欧州圏においてエネルギー問題への意識が高まっていることから、インフォメティスグループは、欧州圏の事業及び技術開発拠点として英国に子会社を設立し、現地企業や日本企業の現地法人との実証実験を行う等、活動領域を拡大させております。今後は、英国における活動をさらに深化させつつ、欧州各国への展開を加速し、欧州全体での事業実績と技術的優位性の確立を図ってまいります。さらに、欧州で得られた知見やネットワークを活用し、アジアをはじめとする他地域への展開も視野に、グローバルな成長戦略を推進してまいります。 (4) 経営環境インフォメティスグループが関連するエネルギー業界では、2015年の国連サミットでの持続可能な開発目標(SDGs)の採択や2015年の第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)でのパリ協定の採択以降、世界的な脱炭素化の流れの中で、米国のバイデン大統領は就任した2021年1月20日にトランプ前政権が離脱したパリ協定への復帰を指示し、二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を実質的にゼロにする「ゼロエミッション」の目標を改めて掲げました。また、2021年10月31日から2週間に渡って開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で、2030年までに気温上昇を1.5度に抑制する対策を進めるために必要不可欠な国際ルールが決定し、さらに地球温暖化の最大要因として石炭火力削減方針が初めてCOP決定に明記されるなど、脱炭素化の流れが強まったことを受けて、温室効果ガスの排出を削減するため、太陽光、風力や地熱などの再エネの活用拡大が期待されております。 我が国においても、2020年10月26日に、当時の菅内閣総理大臣が「2050年カーボンニュートラル」の実現という国際公約を掲げ、気候変動問題に対して国家として取り組む強い決意を表明しました。さらに2021年4月には、同総理大臣が地球温暖化対策推進本部および米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを目指し、50%の高みに向けて挑戦を続ける」と表明し、中長期的な削減目標が明確化されました。その後、我が国では、これらの目標達成に向けてグリーン成長戦略や第6次エネルギー基本計画などの各種戦略が策定されるとともに、その実行に向けた施策を検討するため、GX実行会議等が開催されました。2022年12月22日の第5回GX実行会議では、「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」が取りまとめられ、その後、2023年2月10日に閣議決定が行われ、GX基本方針として正式に公表されました。GX基本方針は、2050年カーボンニュートラルおよび2030年度の温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済成長の機会として位置付け、温室効果ガス排出削減と経済成長・産業競争力向上の同時実現に向けて、経済社会システム全体を変革することを目指すものであり、脱炭素社会に向けた技術革新や再生可能エネルギーの導入拡大の重要性が強調されています。さらに、最新のエネルギー政策としては、第7次エネルギー基本計画のもと、再生可能エネルギーの導入拡大や電力系統の増強、蓄電システム・分散電源などGXに資するインフラ整備が進められているほか、エネルギー安定供給と脱炭素を両立させる観点から、電力需給の柔軟性確保に向けたデマンドレスポンス(DR)支援サービスの活用など、需給調整力の強化に向けた取り組みが拡大しております。こうした政策・市場環境の進展を背景に、電力利用効率の最適化という観点から、インフォメティスグループが一次ターゲットとしているエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場は、2025年度には5,003億円に、2035年には9,092億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)。海外においては、特にインフォメティスグループが注力する欧州圏で顕著な動きが見られます。EU域内ではエネルギー自給率が低く、ロシアからの天然ガス依存からの脱却を図るため、REPowerEU計画のもと再生可能エネルギーの急速な導入拡大が進められており、2030年までに再エネ比率を45%まで引き上げる目標が設定されています。地理的特性を活かした洋上風力発電が飛躍的に拡大しているほか、太陽光発電(PV)も補助金制度の強化により普及が進み、2024年時点でEU全体の電力に占める再エネ比率は約44%に達するなど、世界最高水準となっています。一方、再エネの天候依存性による出力変動が大きいこと、また電力市場自由化の進展に伴う価格高騰リスクが顕在化していることから、需給バランスの崩れによるブラックアウト懸念が高まっており、電力供給の安定化・最適化を実現するスマートグリッドの構築がEUグリーンディールの中核政策として急務となっています。スマートグリッドを構成する基幹技術は、送配電網の高度化だけでなく、需要家側の電力需給管理技術も不可欠ですが、特に重要性を増しているのが、需要家ごとの詳細な電力消費データをリアルタイム取得・分析するスマートメーターや、機器分離推定技術(NILM)を活用した次世代センサリングシステムです。インフォメティスグループは、こうした脱炭素化・デジタル化のグローバル潮流を追い風に、国内外のエネルギーデジタルビジネス/DX市場での成長基盤を強化した上で、電力データ活用による新たな価値創造を通じて、ヘルスケア業領域、社会インフラ業領域、公共/教育業領域、インターネット広告市場をはじめとする様々な分野・新市場へ進出してまいります。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 業績の回復インフォメティスグループは第12期において、継続していた赤字を解消することを目指し、事業基盤の強化及び経営効率の向上に向けた取り組みを進めてまいりました。これらの施策が実を結び、同期には黒字を計上することができました。一方、第13期は、主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引がインフォメティスグループの想定に反して急遽終了するなど、外部要因の影響を受け、業績が悪化し、最終的に大幅な赤字となりました。このような状況を受け、インフォメティスグループは「業績の回復」を最優先課題として取り組んでおります。特に、電力需給の逼迫リスクが高まる中で注目されるデマンドレスポンス(DR)支援サービス分野では、「BridgeLAB DR」に成果報酬型メニューを新設し、法人顧客が導入しやすい仕組みを整備いたしました。さらに、「BridgeLAB DR」を導入いただいた法人顧客を中心に、DR運用で得られるデータを活用できるアップセルサービスとして、「エネルギーマネジメント診断サービス」や、電力利用の可視化・分析を簡易に行える「NILM Lite」の開発・提供を進めております。また、売上回復を急ぐ一方で、固定費の抑制、人員配置の最適化、外注費の見直し、業務プロセスの効率化など、コスト管理にも継続的に取り組み、損益分岐点の引き下げに努めております。今後もこれらの取り組みを通じて、足元の課題に正面から向き合いながら、持続的な成長を実現するための基盤づくりを着実に進めてまいります。 ② 財政基盤の改善インフォメティスグループは第12期において、東京証券取引所グロース市場への上場を達成し、公募増資により自己資本の充実を図ることで、財務基盤の強化を実現いたしました。一方、第13期は、主要取引先(大口顧客)である大手賃貸事業者との取引がインフォメティスグループの想定に反して急遽終了するなど、外部要因の影響を受け、業績が悪化し、損益面では大幅な赤字を計上する結果となりました。これらの業績の推移を踏まえ、インフォメティスグループは引き続き慎重な資金管理が求められる状況にあると認識しております。今後は、前述の施策により業績の回復に努め、営業キャッシュ・フローの改善を図るとともに、取引金融機関からの継続的な支援に加え、第三者割当による新株予約権(MSワラント)の発行等を通じて、事業運営に必要な資金を確保し、財務基盤の一層の強化に努めてまいります。 ③ 優秀な人材の確保・育成インフォメティスグループの事業は、「エネルギー」と「テクノロジー」を融合させ、最先端のAI技術などを活用してエネルギーデータの価値を引き出し、脱炭素化などの社会課題に貢献するものであります。その実現には、特にエネルギー領域とAI技術をはじめとするテクノロジー領域の両方に精通した人材を継続的に確保することが重要であると考えております。こうした課題に対応するため、インフォメティスグループは、エネルギーとテクノロジーの両領域に精通した優秀な人材の採用を強化するとともに、従業員に対してインフォメティスの経験とノウハウを活かした多様で有益な研修を計画的に実施し、人材の育成に取り組んでまいります。 ④ 分析技術の強化と特許対策インフォメティスグループは、NILM(機器分離推定技術)をはじめとするAI関連技術を中核とした分析技術こそが、インフォメティスの競争力の源泉であると認識しております。そのため、継続的な分析技術の強化に加え、他社のサービスとの差別化を図るべく、分析技術に関する特許権などの知的財産権を積極的に取得し、自社の権利を保護することが重要であると考えております。こうした課題に対応するため、インフォメティスグループは、知的財産権に精通した人材の確保に加え、顧問弁理士などの専門家と連携し、権利化可能な技術について迅速に権利化を進めてまいります。 ⑤ アライアンスパートナー戦略脱炭素化を実現するためには、まずエネルギーデータを活用し、生活の質を向上させながらエネルギーの効率的な利用を促進することが重要であります。特に、エネルギー関連企業とのアライアンスを構築することが、脱炭素化の推進において重要な役割を果たすと考えております。さらに、脱炭素化の実現には、エネルギーの効率的利用に貢献するサービスの提供だけでなく、「エネルギー+α」の付加価値を生み出すサービスを提供することも必要であります。これにより、インフォメティスグループのサービスの普及を促進し、社会インフラとしての定着を目指してまいります。こうした課題に対応するため、インフォメティスグループは、エネルギー関連企業とのアライアンスに加え、エネルギーデータを活用した付加価値の創出に寄与する、異業種企業とのアライアンスにも積極的に取り組んでまいります。 ⑥ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化インフォメティスグループは現在、成長過程にあり、業務運営の効率化やリスク管理のために内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。事業の効率的な拡大を実現するため、コンプライアンスの徹底と内部統制の強化を最優先事項として認識しております。これまでも体制整備を進めてまいりましたが、事業規模の拡大に伴い、今後は人的補充を行いながら、定期的な内部監査を実施し、コンプライアンス体制をさらに強化してまいります。また、監査役による監査を通じて、コーポレート・ガバナンスの一層の向上を図ってまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者がインフォメティスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク及び当該リスクへの対応策等を以下に記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてインフォメティスグループが判断したものであります。 (1) 主要な事業活動の前提について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大)インフォメティスは、東京電力パワーグリッド株式会社との間で「株主間協定書」を締結しております。「株主間協定書」により、機器分離推定技術を用いたIoTプラットフォーム事業及びこれに関連する様々なセンサーやサービスを普及させるIoTプラットフォーム事業を共同して行うために、株式会社エナジーゲートウェイを運営しております。また、インフォメティスは、主要な販売先である株式会社エナジーゲートウェイとの間で「総代理店契約」及び「プラットフォーム利用許諾基本契約」を締結しております。「総代理店契約」により、インフォメティスの機器分離推定技術を用いたプラットフォームを用いた事業に関する電力センサー機器、付随するアプリケーション等を利用したサービスについて、日本における独占販売権をインフォメティスから同社に付与しております。また、「プラットフォーム利用許諾基本契約」により、電力センサー等から得られる情報をクラウド上にて収集・分析するためのソフトウエアについて、インフォメティスから同社に利用許諾を行っております。なお、2025年11月13日付で覚書を締結し、株式会社エナジーゲートウェイの既存顧客、既存商談先を除き、インフォメティス自らも本対象製品を販売できるものとしております。なお、「株主間協定書」の契約期間は、2018年3月30日から5年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日までと定められており、以後、3年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日まで自動更新となります。「総代理店契約」の契約期間は、2018年3月30日から2年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日までと定められており、以後、2年後の日が属する事業年度に関する株式会社エナジーゲートウェイの定時株主総会の日まで自動更新となります。「プラットフォーム利用許諾基本契約」の契約期間は、定められておりません。インフォメティスグループと東京電力パワーグリッド株式会社及び株式会社エナジーゲートウェイとの関係は良好であり、上記契約は今後も継続予定であります。また、一般的な解除事由(契約違反、差押え・仮処分・強制執行、破産・民事再生・会社更生手続)や反社会的勢力排除条項により、契約解除となる可能性がありますが、これらの契約継続に支障をきたす要因は発生しておらず、その発生可能性は低いと判断しております。しかしながら、仮にそのような要因が発生した場合には、売上高の減少が見込まれるなど、インフォメティスグループの事業及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (2) 市場について (発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループが関連するエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場は、2025年度には、5,003億円に、2035年には、9,092億円に及ぶと見込まれております(出所:株式会社富士経済、エネルギーデジタルビジネス/DX市場の現状と将来展望 2022)が、エネルギーマネジメントシステムが設備機器等のデータを統合管理するプラットフォームとしての役割を担うことで、関連設備・サービスの相乗効果が期待され、また、収集したデータに基づく予算保全や生産効率向上などを図るソリューションに対応した設備の展開が進んでいくと想定されております。インフォメティスグループは、上記エネルギーマネジメントシステム関連市場の成長とともに事業拡大を進めていく所存ではありますが、市場が想定どおり拡大しない場合には、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 競合について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大)インフォメティスグループが属するエネルギーデジタルビジネス/DX関連市場やAI(機械学習)を利用したデータ分析の市場は、成長市場として注目され、市場が拡大傾向にあります。また、インフォメティスグループのように電力データの分析を行う競合企業は海外を中心に複数存在しております。このような状況の中、競合企業がより優れたサービスを提供した場合、市場におけるインフォメティスグループの競争力が低下し、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループでは、主要な対応策として、①高精細なNILMに必要な、十分に高い粒度の電力データの計測と、低コストを両立している点、②電力センサーの開発・製造・販売からAI(機械学習)を利用したデータ解析プラットフォームの開発・提供までをインフォメティスグループのみで提供することが可能で電力データの収集から加工、分析まで一気通貫で行っている点において、他社と差別化を図っております。また、インフォメティスグループでは、これまで培ってきた機器分離推定技術をはじめとしたノウハウを活かし、引き続き顧客のニーズを汲んだサービスの提供をできるよう進めていく方針であります。 (4) 四半期ごとの業績変動等について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:中)インフォメティスグループは、顧客の多くが3月期決算の大手企業であるため、顧客の年度予算執行の流れと連動して、顧客の年度予算の執行期限にかけて納期を迎える受注が集中したり、駆け込み需要が発生したりするという特性から、インフォメティスグループの売上高は第1四半期(1月~3月)に集中する傾向があります。また、3月期決算の顧客における年度予算の執行が執行期限に向けて動き始める12月を含む第4四半期(10月~12月)にも売上が集中する傾向があります。売上高の小さい四半期においては、販売費及び一般管理費等の経費は固定費として、比較的均等に発生するため、営業赤字となることがあるほか、インフォメティスの決算月となる12月に売上を計画している案件について何らかの要因により延期や案件を失注した場合等には、インフォメティスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループは、新たな顧客等の獲得により、上記の季節変動性の緩和を図っていく方針であります。もっとも、新たな顧客の獲得を進めているものの、現時点では顧客の多くが3月期決算の企業であることから、予算執行や発注の時期がインフォメティスグループの年度初及び年度末に集中しやすく、売上高が第1四半期(1月~3月)及び第4四半期(10月~12月)に偏重する傾向が継続する可能性があります。 なお、2024年12月期及び2025年12月期のインフォメティスグループの四半期の連結売上高、営業利益の推移は、以下のとおりであります。 (2024年12月期) 第1四半期(1月~3月)第2四半期(4月~6月)第3四半期(7月~9月)第4四半期(10月~12月)通期(1月~12月)売上高(千円)271,520198,606228,562283,663982,352構成比(%)27.620.223.328.9100.0営業利益又は営業損失(△)(千円)16,126△27,65611360,93349,517構成比(%)32.6-0.2123.1100.0 (2025年12月期) 第1四半期(1月~3月)第2四半期(4月~6月)第3四半期(7月~9月)第4四半期(10月~12月)通期(1月~12月)売上高(千円)118,318132,953115,036163,711530,019構成比(%)22.325.121.730.9100.0営業損失(△)(千円)△130,741△143,631△153,696△200,634△628,704構成比(%)20.822.824.431.9100.0 (5) サプライチェーンに関するリスク (発生可能性:中、発生する時期:中長期、影響度:中)① 部材の調達リスクまず、インフォメティスグループの電力センサーは、汎用部材の組み立てで完成する商品であるため、希少品ではありません。部材調達においては、顧客からの発注予測や調達のリードタイムなどを考慮しながら、タイムリーな発注と適正な在庫水準の維持に努めております。しかしながら、需給逼迫などにより必要な部材をタイムリーに調達できない場合、インフォメティスグループの生産活動に支障をきたす可能性があります。特に、2021年3月期の後半以降に世界的な半導体不足及びその他部材の不足が顕在化したことを踏まえ、インフォメティスグループとして必要な半導体及びその他の部材の確保に継続して努めておりますが、当該状況が完全に解消したとは言い切れず、現時点においても半導体を含む特定の部材において供給制約や長納期化が生じる可能性がないわけではありません。これらの供給不足が発生した場合又は長期化した場合には、インフォメティスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② コスト上昇リスクインフォメティスグループは適切な価格での部材調達に努めておりますが、半導体やその他の部材の価格が大きく上昇する可能性があります。また、原油価格の上昇やコンテナ不足だけでなく、近年の為替変動による円安の影響などにより、物流コストが上昇する可能性があります。インフォメティスグループでは、長期契約や必要な半導体及びその他の部材を多めに確保する等により、部材価格の安定化を図り、市場価格の変動による影響を低減するよう努めております。加えて、為替変動による影響については、外貨建て取引の金額・タイミングを踏まえた調達計画の運用や、為替動向のモニタリングする等により、影響の抑制に努めております。しかしながら、これらのコスト上昇を製品価格に十分に転嫁できない場合、インフォメティスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 技術革新への対応について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:大)インフォメティスグループの事業分野では技術革新が急速に進んでおり、特にAI(機械学習)技術や機械学習の分野においてその速度は顕著であります。インフォメティスグループでは、主要な対応策として、変化の激しい技術革新に柔軟かつ適切に対応できるよう、最新の動向や環境変化を適時に把握できる体制を構築するほか、優秀な人材の採用や開発に取り組んでおります。しかしながら、インフォメティスグループの技術革新が想定どおりに進まない場合、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 海外展開について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:大)海外市場において機器分離推定技術への期待が高まりを見せていることから、インフォメティスグループでは、国内市場の立ち上げだけでなく、海外市場も含めた市場規模の拡大が重要な課題であると認識しております。インフォメティスグループでは、主要な対応策として、海外における優秀な人材確保のため、2014年11月において連結子会社であるInformetis Europe Ltd.を設立し、今後は同社を拠点とし、欧州圏を中心に海外展開を進めております。特に、英国においては、2025年11月から、インフォメティスグループの技術・サービスを活用した「Budget Control」サービスを搭載するヒートポンプ(電気給湯器)製品ラインナップ「UP Series」の販売が、Daikin Airconditioning UK Ltd.により開始され、欧州における本格的な商業展開を開始しております。しかしながら、継続的に優秀な人材の確保が進まない場合や、欧州圏のエネルギー市場の変革スピードにインフォメティスグループが後れをとる場合、海外展開が計画どおりに進まない可能性があります。また、現地の法規制や社会情勢の変革、為替相場の変動等により、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) システム及びネットワークについて (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループの事業では、家庭の分電盤に電力センサーを設置し、そこで測定した電力波形データをインターネットのネットワークを介して取得し、分析を行っております。このため、インフォメティスグループの設備及びネットワークは24時間常に安定した稼働が求められます。また、インフォメティスグループのサービスは、外部クラウドサーバー(Googleが提供するGoogle Cloud Platform(以下、「GCP」という。))にて提供していることから、GCPの安定的な稼働が求められます。しかしながら、自然災害、セキュリティ侵害や不正アクセス等によりシステムトラブルが発生した場合、又は、何らかの理由によりGCPの継続的な利用が困難となる場合には、顧客へのサービス提供が困難となり、インフォメティスグループの信頼性の低下につながるなど、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 重要な契約について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大)インフォメティスの経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に、記載のとおりであります。また、「重要な契約等」に関する詳細は「(1) 主要な事業活動の前提について」に記載のとおりであります。当該契約で予定されていた計画どおりに進まない場合、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了となった場合、もしくはインフォメティスにとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、インフォメティスの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対して、インフォメティスは取引先との良好な関係を継続的に構築することに努め、リスクの軽減を図っております。 (10)提供サービスの解約について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループは、業務提携企業を通じて、一般家庭向けの家電の電力見える化サービス等を提供しております。インフォメティスグループの成長には、安定的な収益獲得が必要であることから、利用者がインフォメティスグループのサービスを継続利用することが重要な課題となります。インフォメティスグループの予算及び経営計画には一定の解約を見込んでおりますが、解約が発生しないよう、主要な対応策として、インフォメティスグループでは、利用者がサービスを利用する際のユーザビリティの向上に努めております。 (11)研究開発について (発生可能性:低、発生する時期:中長期、影響度:大)インフォメティス及び連結子会社であるInformetis Europe Ltd.では、データ解析の精度の更なる向上のため機器分離アルゴリズムを中心とした技術開発を進めております。研究開発の成果創出には不確実性が伴うため、これを想定の範囲内に収めるべく、研究開発プロジェクトの進捗・費用について、取締役会等において、随時、管理・検証を行っているものの、研究開発が当初の計画どおりに進まない場合には、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)個人情報の取り扱いについて (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループでは、サービス提供にあたり一般消費者の会員情報や銀行口座情報等の個人情報を取得及び利用しておりません。一方で、インフォメティスグループの事業で取り扱う電力波形データは直接的に個人情報とは紐づいておりませんが、パーソナルデータに該当する可能性があります。これらの電力波形データや、従業員の個人情報など、機密性の高い社内情報について、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入等により情報漏洩が発生した場合には、インフォメティスグループ社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループでは、主要な対応策として、アクセス権限を持つ担当者を最小限に絞り、アクセスログを記録し、異常があった場合には検証する等、細心の注意を払っております。 (13)人材の確保・育成について (発生可能性:中、発生する時期:中長期、影響度:小)インフォメティスグループは、中長期的な事業拡大を進めていくにあたり、優秀な人材の拡充及び人材の育成が重要な課題であると認識しております。昨今のAIブームにより、特に、機械学習エンジニアやデータサイエンティストの人材が市場全体において不足する中、必要とする人材の確保ができなかった場合には、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループでは、主要な対応策として、国内だけでなく海外においても、Informetis Europe Ltd.を人材採用拠点とするなど積極的な採用活動を行っております。また、採用した人材の定着のため、働きやすい職場環境づくりにも努めております。 (14)小規模組織であることについて (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:小)インフォメティスグループは小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。また、インフォメティスグループでは、代表取締役を含む役員、幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有している従業員が、経営方針や事業戦略の決定、業務遂行において重要な役割を果たしております。インフォメティスグループは、当該リスクに対応するため今後もより一層の人員充実を図る予定でありますが、何らかの理由によりこれらの役職員がインフォメティスグループの業務を継続することが困難になった場合には、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (15)特定人物への依存について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:小)インフォメティスの代表取締役只野太郎は、ソニー株式会社(現・ソニーグループ株式会社)在籍時より、インフォメティスグループの事業に活用されているAIを利用した機器分離推定技術を活用した環境・エネルギー事業を推進するなど、以前から、インフォメティスグループの技術及びインフォメティスグループの関連するエネルギー業界に精通しており、インフォメティスグループの事業運営を行ううえで重要な役割を担っております。インフォメティスグループでは、同氏に過度に依存しない体制を作るために、主要な対応策として、経営組織の強化や組織における中核メンバーの教育及びノウハウの蓄積を図っております。また、今後の事業展開に応じて、人員の増強、内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合や、これらの施策を十分に施す前に何らかの要因により同氏の業務遂行が困難となった場合には、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (16)特定販売先への依存について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大)インフォメティスグループの売上高は、持分法適用会社の株式会社エナジーゲートウェイに依存しており、2025年12月期においては、同社に対する売上高が売上高全体の58.8%を占めております。インフォメティスグループでは、同社との取引の拡大を図っていきながらも、伊藤忠エネクス株式会社等の取引先の拡大により、同社への依存度を低下させていく方針でありますが、何らかの事情により同社との取引が減少した場合、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社エナジーゲートウェイのさらにその先の販売先については、主たる販売先である東京電力パワーグリッド株式会社及び大和リビング株式会社を含む上位5社に対する売上高が売上高全体の9割程度を占めております。インフォメティスグループと株式会社エナジーゲートウェイとの関係及び株式会社エナジーゲートウェイと上位5社の販売先との関係はいずれも良好でありますが、例えば、インフォメティスグループの製品・サービスの新規の導入が停止されるといった各社の動向に変化が生じた場合、インフォメティスの「アップフロント」売上や「プラットフォーム・アプリ提供」売上が減少し、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。同様に、各社において、業務プロセスの最適化等を目的とした業務プロセスの見直し等が行われ、インフォメティスグループの製品・サービスの導入に一時的に遅延又は中断が生じた場合、インフォメティスの「アップフロント」売上や「プラットフォーム・アプリ提供」売上が減少し、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループでは、これら5社以外の取引先の拡大により、5社への依存度を低下させていく方針でありますが、何らかの事情によりこれら5社との取引が終了若しくは減少した場合又は当該取引に一時的な遅延若しくは中断が生じた場合、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、2024年12月期以降、大口顧客が電力センサーの設置オペレーションを含む業務プロセスの見直しを進めておりました。この業務プロセスの見直しは、業務効率化及び品質向上を目的としたものであり、その過程で、当該顧客におけるインフォメティスグループの製品・サービスの新規導入が一時的に調整されておりました。その後、2025年12月期の第4四半期に、当該顧客との取引(既存サービスを含むすべての取引)がインフォメティスグループの想定に反して急遽終了することが判明し、これにより当該大口顧客向けの2025年12月期以降の「アップフロント」領域の売上及び2026年4月以降の「プラットフォーム・アプリ提供」領域の売上について、継続的な計上を見込めなくなりました。この結果、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼしましたが、インフォメティスグループは、当該影響を緩和するため、新規顧客及び他の既存顧客との取引拡大等により、売上拡大に取り組んでおります。 (17)特定仕入先への依存について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大)インフォメティスは、電力センサーの製造をWNC Corporationに委託しており、電力センサー及び付属部品を同社から仕入れております。同社は、高品質で、かつ他社に比べて仕入価格が割安であることから大口仕入先として選定しており、2025年12月期においては、同社が製造したセンサーの仕入が100.0%を占めております。WNC Corporationとの関係は良好でありますが、同社の経営方針に変化が生じた場合や、同社の顧客の動向に変化が生じた場合、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループでは、主要な対応策として、製造委託数量が増えた場合に他の製造委託先も検討するなど、状況の変化に応じた対応が取れるよう対策を行っております。 (18)品質管理について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループの販売する電力センサーは、製造物責任法(PL法)に基づくリスクが内在しております。このため、製品の品質に問題や不具合があり、損害賠償責任等が生じた場合には、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。インフォメティスグループは、主要な対応策として、製品の不具合が発生しないよう、製品開発において、細心の注意を払い製品の品質管理を行っております。 (19)その他の法令について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)現時点において、インフォメティスグループの提供するサービスに関して、上記の製造物責任法(PL法)を除きインフォメティスグループの事業継続に重要な影響を及ぼす法的規制はないと認識しております。一方で、インフォメティスグループが提供するサービスに関しては、電気の小売業への参入全面自由化、2020年6月に成立した改正電気事業法により電力データの電気事業以外での利活用促進や2020年10月26日に開会した第203回臨時国会において、菅内閣総理大臣(当時)が所信表明演説の中で、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」との方針を打ち出し、2050年までに、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことや再エネを最大限導入することが明示されました。また、2022年12月22日の第5回GX実行会議において「GX実現に向けた基本方針 ~今後10年を見据えたロードマップ~」が掲示され、今後10年を見据えた取組の方針をまとめられた後に、2023年2月10日に閣議決定がなされ、GX基本方針として発表がなされるなど、市場の競争環境における公平性の担保を強化し、市場活性化を促す諸施策が実施されており、インフォメティスグループにとっては追い風であると考えております。しかしながら、これらの諸施策が計画のとおりに進行しなかった場合や、電力データの利活用又は関連機器販売に係る法令、行政指導、その他の規制等が新たに制定された場合、また、日本だけでなく諸外国からの新たな法的規制を受ける場合には、インフォメティスグループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (20)知的財産について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループは、他社の電力データ分析サービスとの差別化を図るべく、特許権等の知的財産権を積極的に取得し、インフォメティスグループの権利の保護を図っております。しかしながら、競合他社が画期的な技術で先行した場合や特許期間が満了した場合、また、インフォメティスグループの保持する技術が他の安価な技術で代替できる場合や技術自体が陳腐化した場合、あるいは技術改良の対応が遅れた場合は、インフォメティスグループの技術優位性が低下し、インフォメティスグループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、インフォメティスグループでは、第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう、専門家と連携しながら特許取得時の事前調査を行っておりますが、インフォメティスグループの知的財産権の侵害を主張する第三者が今後現れる可能性を完全に否定することは困難であり、そのような事態が発生した場合、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)配当政策について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスは、株主への利益還元については、重要な経営課題の1つとして位置付けております。しかしながら、現在インフォメティスは成長拡大の過程にあると考えており、財務体質強化のため内部留保を行い、更なる成長に向けた研究開発、組織の構築のための投資に充て、事業の安定的かつ継続的な発展に努めることが株主価値の最大化に資すると考えております。このことから、インフォメティスは創業以来配当を実施しておらず、当面は引き続き配当を行わず内部留保を基本方針とするものの、財政状態及び経営成績、今後の事業計画を総合的に勘案し、配当方針については引き続き検討する予定であります。 (22)新株予約権行使による株式価値の希薄化について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスは、役職員等の業績向上に対する意欲や士気を高めるため、ストックオプション制度を採用しております。また、第三者割当による新株予約権の発行による資金調達を実施しております。2026年3月16日現在の新株予約権による潜在株式総数は442,500株であり、発行済株式の7.6%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。 (23)減損会計の適用について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループでは、継続的に行う開発投資に係る人件費等の一部をソフトウエアとして計上しております。ソフトウエアを含む固定資産について、インフォメティスグループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」に則った社内規程類に基づいて、減損の要否を検討しております。将来の事業計画や市場環境の変化により、固定資産に減損の兆候が認められ、減損損失を計上する必要性が認められた場合には、インフォメティスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (24)有利子負債依存度について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループは、運転資金、設備投資資金及び研究開発資金の一部について、金融機関から調達しております。このため、総資産に占める有利子負債(借入金)の割合が、2025年12月31日現在で51.8%の水準にあります。インフォメティスグループは、金利情勢に柔軟に対応できるよう、金融機関と良好な関係を維持しておりますが、今後、有利子負債の割合が増加し、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、インフォメティスグループの業績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (25)税務上の繰越欠損金について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループは、本書提出日現在において、多額の税務上の繰越欠損金を計上しております。今後、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、インフォメティスグループの業績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (26)訴訟等について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループは、法令及び契約等の遵守のため、社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。しかしながら、インフォメティスグループが事業活動を行う中で、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。訴訟の内容及び結果によっては、インフォメティスグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生やインフォメティスグループの社会的信用の毀損によって、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (27)大規模な自然災害等について (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:中)インフォメティスグループは、自然災害等についてもリスク分析を行い、事業継続のための体制の構築を図っておりますが、地震・台風等の自然災害、テロ、パンデミック等が発生した場合、その規模や状況によっては、事業活動に支障が生じ、インフォメティスグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (28)継続企業の前提に関する重要事象等 (発生可能性:低、発生する時期:特定無し、影響度:大)インフォメティスグループは、2024年12月期において、従前より継続していた赤字の解消を目的として、事業基盤の強化及び 経営効率の向上に向けた各種施策を実施した結果、損益面において黒字を計上しました。一方、2025年12月期においては、前述のとおり、大口顧客との契約終了等の外部要因の影響を受け、業績が悪化し、損益面において大幅な赤字を計上する結果となりました。これらの業績推移の結果、インフォメティスグループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しているものと認識しております。これらの状況を解消するため、インフォメティスグループは、次世代(第2世代)スマートメーター活用サービス及び海外事 業を主軸とする事業運営方針を維持しつつ、収益基盤の安定化及び新たな収益創出力の向上を重要な経営課題として位置付け、各種施策に取り組んでおります。特に、既存のデマンドレスポンス(DR)支援サービスである「BridgeLAB DR」の導入済法人顧客を起点として、関連する追加サービスの提案を強化しております。具体的には、「BridgeLAB DR」の利用を通じて把握される法人顧客のニーズを踏まえ、既存法人顧客が追加導入しやすい法人向けエネルギーマネジメント診断サービスの開発及び展開を進めるとともに、「NILM Lite」を活用した電力利用の簡易可視化・分析機能を組み合わせ、顧客価値の向上及び収益機会の拡大を図ってまいります。また、コスト面においては、固定費の抑制、人員配置の最適化、外注費の見直し及び業務プロセスの効率化を継続的に実行することにより、損益分岐点の引き下げを図っております。資金面につきましては、取引金融機関からの継続的な支援に加え、第三者割当による新株予約権(MSワラント)の発行等を通じて、事業運営に必要な資金を確保しております。これらを踏まえ、現時点においては、貸借対照表日の翌日から1年後の2026年12月31日まで十分な資金を有することが可能であり、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。一方で、今後の事業進捗や事業環境が変化、当該新株予約権の行使状況等によっては、財務基盤に影響を及ぼす可能性があることから、インフォメティスグループは引き続き、資金繰り及び財務状況について慎重に管理してまいります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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