ユカリアグループは、ユカリアと連結子会社17社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社3社(投資事業有限責任組合1社、子会社2社(うち休眠会社1社))、持分法非適用関連会社5社(関連会社3社、投資事業有限責任組合2社)から構成されており、医療機関への医療経営に係る総合支援(医療経営総合支援事業)を中心とし、住宅・施設の選定から介護相談、資産の売却・運用までをワンストップで支援及び顧客への訪問看護・居宅介護サービス(シニア関連事業)、コンタクトレンズの製造・販売(高度管理医療機器事業)、治療経過データ解析及び製薬企業向け営業活動支援サービス(その他事業)のヘルスケア関連事業に取り組んでおります。
現在、少子高齢化や医療技術の進展により、医療制度の見直しが必要となっている状況下において、医療費・社会保障費全体の最適化が大きな社会課題となっています。ユカリアグループは、医療に関わる関係者及び諸機関が好循環で機能する全体最適な状態を作り出し、医療費・社会保障費の適正配分の実現に向け、「ヘルスケアの産業化」というビジョンを掲げております。この世界観の中で、医療機関・介護施設/医療・介護従事者/患者・利用者すべてがwell-beingな状態である「三方良し」の観点から、医療に関わる全ての関係者(ステークホルダー)の利害衝突を解消し、連携を促進することで、全体最適による効率化を実現することを目指しています。この想いを「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」という言葉で表現し、ユカリアグループのミッションとして、経営・事業活動を推進しております。
(1) ユカリアグループの事業の概要
以下に、ユカリアグループの事業について、セグメント別に内容を記載いたします。
なお、ユカリアの子会社である株式会社シンシアとユカリアとの事業上の取引関係はありません。
① 医療経営総合支援事業
わが国における医療機関の経営実態は非常に厳しく、本業の収益を示す医業利益では74.6%の病院が赤字経営、経常利益でも65.0%の医療機関が赤字経営を強いられている現状があります(※1)。超高齢社会に対応するため、国の方針により医療機関の機能転換(急性期から回復期医療への転換)が求められており、診療報酬や薬価の改定、ここ数年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の影響、医療従事者の維持・確保が困難な状況が継続している等により、医療機関は今後もますます厳しい環境下に置かれるものと考えております。また、高齢化の波は、医療関係者においても例外ではなく、後継者問題に悩む医療機関も増加しており(※2)、事業継続が危ぶまれる施設も多く存在しているものと考えております。さらに、近年の建築コストの上昇により、老朽化した医療施設の改修・建替え等の難易度も高まっております(※3)。
※1 一般社団法人日本病院会・公益社団法人日本病院協会・一般社団法人日本医療法人協会「2025年度 病院経営定期調査 概要版-最終報告(集計結果)-」よりP7 医業損益への影響(全病院)を参照
※2 厚生労働省「令和6年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」、日本医師会総合政策研究機構「医業承継の現状と課題」
※3 厚生労働省令和5(2023)年「病院の耐震改修状況調査の結果」
a 病院経営サポート
医療業界のこうした環境下において、ユカリアグループが提供する医療機関への総合支援ニーズは、より一層高まっており、ユカリアグループは医療機関の経営上の課題解決・生産性向上による経営資源の最適化を推進しております。また、近年、医療機関の経営における課題は多様化しており、医療従事者の不足(=採用支援ニーズの増大)や医療施設の建て替え問題の対応(=コンストラクションマネジメントニーズの増大)以外にも、医師の働き方改革の施行(=医師・看護師等のタスクシフトのニーズ増大)や業務負荷軽減・生産性の改善(=DXニーズの増大)など、課題の多様化と共にニーズも多様化しております。そのような中、ユカリアグループは、医療機関からのあらゆるニーズに対応し、経営を安定化することによって、患者及びご家族が安心して過ごすことのできる環境を整え、地域社会を構成する人々のQOL(Quality Of Life)向上に資するべく、以下のとおり、徹底した伴走型による各種支援サービスを提供しております。
具体的な支援メニューは以下のとおりです。
なお、ユカリアは提携医療法人に対して(1)~(8)のサービスを提供する場合、一連の提供サービスの総称として「病院経営サポート」と表現しております。ただし、株式会社メディカル・アドバイザーズによる事業承継・M&A支援(9)、株式会社ストラクトによる建築・構造物の企画・設計・施工(10)、株式会社ゼロメディカルによる医療機関の経営支援・ITコンサルティング(11)、株式会社リメディカによる医療機関・介護施設の事務業務を、AI/RPA等のテクノロジーを用いて標準化・最適化するビジネス・プロセス・アウトソーシング(以下、「BPO」という。)「医療・介護バックオフィスBPOサービス」(12)や株式会社エピグノによる人材情報の一元管理・評価・教育・配置・シフト作成・エンゲージメント向上を包括的に支援する「人材マネジメント(HRM)特化型ソリューション」の提供(13)、提携外の医療法人へ(1)~(8)のサービスを部分的に提供する場合は含まれておりません。
病院経営サポートの主な提供内容は以下のとおりとなります。
(1) 医療経営コンサルティング(事業計画の作成・経営管理体制の整備、資金計画の策定・資金繰管理、病
床機能転換支援、臨床業務の効率化等)
(2) 資金調達支援
(3) 運転資金の貸付・保証業務、診療報酬債権のファクタリング
(4) 医療機関関連不動産のセール&リースバック
(5) 院内業務のDX化支援(医療従事者向け情報共有システムの開発、情報端末の販売等)
(6) 人事労務体制の最適化支援(医療従事者等の人材採用支援、人事評価制度の策定支援等)
(7) 調達・購買体制の最適化支援(医材・医薬品の卸売販売、医療機器の販売・リース)
(8) 医療施設等の建築・建替・改修コンサルティング(企画の立案、策定、行政対応等)
(9) 事業承継・M&A支援
(10) 建築・構造物の企画・設計・施工
(11)医療機関の経営支援・ITコンサルティング
(12)医療・介護施設事務などのBPOサービス
(13)人材マネジメント(HRM)特化型ソリューション
(主な関係会社)株式会社メディカル・アドバイザーズ、株式会社ストラクト、
株式会社ゼロメディカル、株式会社リメディカ、株式会社エピグノ
② シニア関連事業
わが国は2010年に超高齢社会へ突入し、前述のとおり団塊の世代がすべて75歳以上となっており、日本人の5人に1人が後期高齢者となる時代を迎えています。このような環境下において、介護業界につきましては、今後も益々介護サービスに対する需要拡大が見込まれます。一方で、異業種からの新規参入が増加しており、事業環境については、より競争激化の傾向にあります。さらに、介護従事者の雇用状況につきましては、厚生労働省発表の一般職業紹介状況(令和7年12月分)によると、2025年12月の有効求人倍率(全国計・常用(パート含))は3.64倍と全職種平均の有効求人倍率(季節調整値)1.19倍を大きく上回っており、介護職員等の人材の確保が重要な課題となっております。
そのような状況下において、ユカリアグループは、単にお客さまの要望に応えるだけでなく、より質の高いサービスの提供を心がけ、感動とサプライズを提供する介護施設の運営に注力し、入居者及びご家族のQOL向上に資する経営を推進しております。また、介護職員の処遇改善を行うとともに、施設内の人員配置を見直し、業務効率を向上させるとともに働きがいのある職場環境の整備に取り組み、人材の確保及び定着に注力しております。
a 入居相談・施設紹介
要介護者を中心に介護施設選びに悩む入居者及びご家族からの相談を受け、入居施設の紹介を行っております。介護を必要とする入居者のみならず、そのご家族の悩みや希望に沿った施設を紹介できるよう広く多くの介護施設と提携しながら、ユカリアグループの介護施設で対応することが困難な場合にも対応できる体制を構築しております。入居施設に関する相談や施設紹介に関する社会的ニーズは年を追うごとに高まっており、今後も大きく成長する事業と位置付けております。また、医療機関からの要介護者の受入要請に対応すべく、最適な施設へのあっせんも行っております。また、高齢者の困り事を総合的に解決するため、保険代理店サービスや、不動産の処分のサポートをあわせて提供するなど、高齢者の日常生活における生活支援サービスも展開しております。
b 高齢者向け介護施設の運営
介護付き高級老人ホームを含め、当連結会計年度において一都二県で13施設を運営しております。当施設においては、各種システムを導入し、介護従事者の業務効率の向上を図るとともに、要介護者のご家族に向け介護の様子や健康状態を確認できるサービスを提供しております。こうして、要介護者及びご家族、介護従事者が安心して過ごせる施設運営を推進しております。
なお、入居相談・施設紹介サービスについては、第三者としての立場を維持し、成功報酬型によって、その公平性を担保しております。このようにユカリアグループは、入居相談から施設紹介、要介護者の受入・介護・生活支援までをワンストップでサービス提供することが可能であり、入居者とwin-winの関係を構築しながら機会損失を軽減するとともに、ユカリアグループにおける事業シナジーを実現しております。
c 在宅医療
ユカリアグループは、子会社の株式会社メディステップを通じて、在宅医療(訪問看護等)を提供しております。
医療を取り巻く環境は、いわゆる「2025年問題(団塊の世代が75歳以上になる)」を迎えており、高齢者は増加する一方で、受け皿となる入院ベッドは削減傾向にあり、医療における需給バランスの不一致が生じており、わが国における医療政策の方向性として「入院ではなく、住み慣れた自宅や施設で治す」体制への転換を強力に促している状況にあります。
そのような環境下、ユカリアグループは、高まる在宅医療のニーズを背景に、地域の方々が医療機関、介護施設、自宅をシームレスに移動しながら快適に日常生活を送り、住み慣れた地域で多様なサービスを受けられるよう、メディステップ社を軸として、在宅と医療機関との繋がりを強化し、地域包括ケアシステムの構築を推進しております。
具体的な提供内容は以下のとおりとなります。
ⅰ訪問看護サービス
主に介護保険又は医療保険による給付対象のサービスとして、看護師をはじめ理学療法士や作業療法士等の専門職がお客さま宅を訪問し、主治医の指示・連携のもと、療養上のお世話や診療の補助等のケアを行っております。
ⅱ居宅介護支援サービス
介護保険法に基づく給付対象サービスとして、介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という。)が専門的な知識を活用し、介護を必要とされるお客さまに対して、その生活環境や心身状況、要望等についてアセスメントを実施した上で、適切な介護サービスが利用できるよう居宅サービス計画(以下「ケアプラン」という。)を作成し、その管理を行っております。また、作成したケアプランが適切に実施されているか、目標の達成度はどうか、お客さまは満足しているか等について、モニタリングを実施し、お客さまの状況に合わせた対応を実施します。
また、地域や医療との連携を図り、お客さまがお住まいの地域で、自分らしく健康に生活できるよう支援していきます。当該サービスは、介護保険制度における中心的役割を担うため、ケアマネジャーの働き方や処遇改善にも力を注いでおります。
なお、株式会社メディステップの在宅医療(訪問看護等)については、日本の将来の医療提供体制を構築するにあたり、ユカリア提携医療法人との連携や地域包括ケアの担い手として、今後非常に重要な役割を担う事業と位置づけ、事業管理区分の見直しを行い、2026年第1四半期より、シニア関連事業から医療経営総合支援事業のセグメントに区分を変更しております。
(主な関係会社)株式会社あいらいふ、株式会社クラーチ、Gplus株式会社、株式会社メディステップ
③ 高度管理医療機器事業
当コンタクトレンズ業界におきましては、急速な少子高齢化に伴う人口減少が進んでいるものの、1日使い捨てタイプのコンタクトレンズへのニーズのシフトや、高機能新素材レンズの普及により1人当たりの購入単価は上昇傾向にあります。また、スマートフォン等、デジタル機器の普及により近視人口の急激な増加・若年化が進んでいます。さらに、カラーコンタクトレンズ市場の拡大等もあり、コンタクトレンズ市場全体は緩やかながら拡大しています。
こうした市場の成長に合わせ、長時間の装用でも瞳の酸素不足を防ぎ、目への負担が少ないシリコーンハイドロゲル素材を採用したクリアレンズの主力商品である「シンシアSシリーズ」やカラーコンタクトレンズを中心に、複数のコンタクトレンズブランドを展開することで多様な消費者ニーズに対応しております。
(主な関係会社)株式会社シンシア
④ その他事業
a 治療経過データ解析及び製薬企業向け営業活動支援サービス
匿名加工データ提供に同意いただいた医療機関の匿名加工された電子カルテデータを独自のアルゴリズムで解析し、100万件以上の治療経過データを有するデータレイクを構築しております。このデータレイクを活用し、データサイエンティストによる治療経過データ解析から導かれる情報を基にしたMR(Medical Representative の略、以下「MR」という。)教育研修ソフトの提供のほか、製薬企業向け営業活動における総合支援(戦略立案から実行まで)を展開しております。
b シェアリングエコノミープラットフォームの提供
未病予防領域におけるシェアリングエコノミーとして、非稼働時間の多いMRI装置などの高額な医療機器の稼働率を向上すべく、医療施設と検査希望者とをつなぐマッチングプラットフォームを提供しております。さらに、検査利用者に対しては、MRI撮像画像をAIが解析する新たなサービスをはじめ、ユーザーニーズに沿った検査メニューの開発・拡充への取り組みを推進しております。
⑤ 非連結子会社
ユカリアの非連結子会社は3社ございます。
・㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズ、
・ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド投資事業有限責任組合
・㈱デルタ・ソリューションアンドマーケティング
㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズはヘルスケア領域を中心とした社会課題の解決のため、ベンチャー投資を行っております。無限責任組合員として、ユカリア非連結子会社であるヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド投資事業有限責任組合をはじめとして複数のファンド運営を行っております。
㈱デルタ・ソリューションアンドマーケティングは休眠会社であります。
(2) ユカリアグループ事業の競争優位性
① 医療経営総合支援事業
a 医療経営コンサルティング
事業計画の作成・経営管理体制の整備、資金計画の策定・資金繰管理、病床機能転換支援、臨床業務の効率化等、病院経営における経営改善に向けた再生シナリオの策定からその実行までを一気通貫で支援しております。ユカリアは、民事再生案件になった事業を正常化するのみならず、医療法人経営支援においても再生案件を手掛け、経営の正常化を実現してきた経験を有します。社内には医療機関の経営に関与してきた経験者(事務長経験者等)に加え、医師、看護師、薬剤師等の経験豊富な有資格者が複数在籍し、これらが一体となって現場における実行可能性や改善計画等を検討・協議し、経営改善提案及びコンサルティングを行います。
ユカリアグループでは、医療経営コンサルティングを行う医療法人とパートナーシップ契約等を締結し、医療経営コンサルティング等の支援メニューを提供しており、当該パートナーシップ契約等を締結した医療法人を提携医療法人と称しております。2025年12月現在提携医療法人数は29法人(うち病院数は31)となっております。
当提携医療法人の経営支援にあたっては、こうした経営改善ノウハウを基盤として単に提案するにとどまらず、ユカリアの従業員が常駐あるいは定期的な訪問により徹底した伴走型で経営課題の解決に取り組んでおります。また、こうして創業以来培われてきたノウハウは、金融機関等からの融資先医療機関に対する経営診断依頼としても活かされており、他のコンサルティング企業やBPO企業等とは一線を画した特徴を有していると考えております。ユカリアグループでは、このような提携医療法人以外へのコンサルティングを外部コンサルティングと称して2023年12月期より本格的にサービス展開を開始しております。医療現場に精通したコンサルタントによる支援実績やノウハウが競争力となり、虎の門病院のDX推進に係る支援業務や、松戸市立総合医療センターの経営改善支援業務等、複数の大型案件獲得につながっております。業績貢献はもちろん、今まで獲得できていなかった大病院や公的病院の支援に係る知見や経験が実績として積み上がっているほか、DXソリューションビジネスが伸長するなど、支援メニューの充実、拡大につながっており、さらに競争力が増しております。
図 競合企業との比較
b 資金支援及び提携医療法人関連不動産の保有によるリスクコミット型支援
ユカリアは、提携医療法人の経営改善に取り組むにあたり、資金面で困窮している医療法人に対し、早急に経営改善に取り組む体制を可能とすべく、資金調達支援のみならず、資金融資やファクタリングの実行、あるいは不動産のセール&リースバックによる資金確保を行っております。単に報酬を得て、コンサルティングを行うのではなく、現実的な実行面から必要に応じてユカリアがリスクテイクし、責任をもって経営改善にあたります。ユカリアには、医療経営コンサルタントや大手金融機関出身者、公認会計士・貸金業務取扱主任者・宅建士等の有資格者が在籍しており、最適なソリューションを検討・協議しながら実行支援することにより、提携医療法人が医療面における重要な機能を損なうことなく、安定した経営環境の中で、いち早く経営改善に取り組むことを可能としています。
c 医療従事者等の人材採用支援
慢性的に人手不足である医療法人に対して、人事制度設計や人材採用制度の構築・運用に関する業務支援を行う専門チームを有しております。ユカリアには社会保険労務士等の有資格者が在籍するなど、日常的な労務管理、人事制度の設計・見直しなどの幅広い人事に関するノウハウを有する人材が業務を支援するほか、医療機関向けの採用支援システム「EUCALIA人事」も提供しております。
d 病院修繕管理・建築サポート
ユカリアは、病院建物の改修や建替等の助言や提案を可能とする専門チームを有しております。老朽化する医療施設にとって、近年高騰化する一方である建築コストは大きな課題ですが、一級建築士や1級建築施工管理技士等の専門知識を有する社員で構成する専門チームが、医療機関の特性を踏まえた建物の改修・建替等に関する助言を行い、最適な解決策を提案・設計しております。また、特に建替えシーンにおいては、コンストラクション・マネジメント機能を発揮し、計画段階から建物竣工、さらにその先まで病院建築に関わる業務をワンストップで提供することを可能としています。
e DX化支援ツールの自社開発
ユカリアは、自社開発により医療現場の生産性向上に寄与する各種デジタルソリューションをスピーディかつ現場に適したツールとして提供することを可能にしております。これは、ユカリアが現場重視の経営改善を行うことにより蓄積したノウハウを基に開発したものであり、多くの技術者が在籍しております。そのツールの1つである医療従事者向けベッドサイド情報端末「ユカリアタッチ」は、手書きのメモや付箋での情報共有が未だ多くの医療現場で見られる中、電子カルテのデータの表示やバイタル測定結果の読み取りや表示機能により、医療従事者間での情報共有体制を整備し、業務効率化・医療安全を実現しております。
f 金融機関を中心とする強固なネットワーク
ユカリアは、全国の地方銀行と強固な連携関係を構築しており(2025年12月末時点で全国96行中65行と連携/エリアカバー範囲40都道府県)、安定的なソーシングルートを確立しております。特に今後は、後継者問題や福祉医療機構(WAM)のコロナ禍における緊急融資の返済開始による資金繰り等、経営上の課題を抱える医療機関経営者が増加していることから、それに比例して融資元である金融機関よりユカリアに対して、融資先医療機関への支援相談・依頼も増加傾向にあります。
g 医療・介護施設事務などのBPOサービス
病院や介護施設の経営者は様々な課題に直面していますが、最大の課題の1つは「ヒト」です。医師、看護師、医療従事者の人材不足は深刻であり、業務過多を解決するために2025年4月にリメディカを設立しました。そして、ユカリアが20年以上蓄積した病院経営・DXの知見を基盤とした業務設計力、AI・RPAを活用した業務標準化及び技術力、BPOとシステム・コンサル・人材育成を組み合わせた一体提供モデルにより、医療・介護施設が抱える構造課題の解決と運営の持続可能性向上を実現しております。
h 在宅医療
病床数が減少し、病院の統廃合が予想される現状において、高齢者はもちろん、全ての人が安心して暮らしていくためには、病院、介護施設、そして住み慣れた自宅が密に連携した地域包括ケアシステムの構築が求められます。ユカリアは、訪問看護、居宅介護支援事業を中心に在宅医療を手がける株式会社メディステップを2025年12月期第2四半期より連結子会社化しました。街全体を巨大な病院と捉え、「ご自宅は病室、道路は廊下と定義できる」との考えのもと、メディステップをドライバーに在宅医療ビジネスを推進し、提携医療法人、クラーチと連携しながら医療のバリューチェーンに面で向き合い、地域包括ケアシステムの構築を推進してまいります。
図 提携医療法人一覧表(2025年12月現在)
② シニア関連事業
ユカリアグループは、自社保有不動産を含めた13介護施設の運営を行っておりますが、単なる施設運営に留まらず、施設運営の中で感じた課題や得られたノウハウを元に認知症リスク逓減運動プログラム「アタマカラダ!ジム」、食事を楽しみながら健康リスクを予防する食事プログラム「MOG」、ホームの情報をご家族が閲覧できる電子記録閲覧システム「LOOKぱっと」といった入居者体験を向上させる独自サービスを開発・提供しております。
入居相談者の要望に沿った最適な施設の紹介を行う入居相談・施設紹介サービスでは、ユカリアグループ運営施設を含む全国10,000施設以上の介護施設の紹介を行っております。介護を必要とする入居者のみならず、そのご家族の悩みや希望に沿った施設を紹介できるよう広く多くの介護施設と提携しながら、ユカリアグループの介護施設で対応することが困難な場合にも対応できる体制を構築しております。医療機関からの要介護者の受け入れも行っており、ユカリアグループにおける事業上の親和性も高い状況にあります。更に、ユカリア提携病院が位置する千葉県佐倉市のエリアにおいて、隣接するユカリアグループの介護施設とともに、新たに在宅医療(訪問看護等)を展開する株式会社メディステップを2025年12月期第2四半期に連結子会社化し、グループとして面で対応することで、当該エリアにおける高齢者の住環境を包括的にサポートする地域包括ケアシステムの構築を推進しており、今後、他の地域への展開も図ってまいります。
加えて、昨今では入居相談員と施設への入居予定者が入居相談のプロセスを経て、信頼関係を構築する中で、施設紹介以外にも保有不動産の処分や保険、資産運用など多様な相談を受けるケースが増加しております。そのため、入居相談・施設紹介サービスに留まらず、シニアライフで発生する相続問題を含めた様々な課題に対するサポート(例:自宅不動産の処分)の展開を開始しております。
なお、入居相談・施設紹介サービスについては、第三者としての立場を維持し、成功報酬型によって、その公平性を担保しております。このようにユカリアグループは、入居相談から施設紹介、要介護者の受入・介護・生活支援までをワンストップでサービス提供することが可能であり、入居者とwin-winの関係を構築しながら機会損失を軽減するとともに、ユカリアグループにおける事業シナジーを実現しております。超高齢社会の進展と共に要介護者の数は増加する一方であり、こうしたサービスの需要は高まっていくことが想定されます。そのような環境の中、ユカリアグループは入居相談・施設紹介サービスを中心として既存のシニア関連事業を強化していくほか、全国の介護施設へのネットワークを活用した事業範囲の拡大(例:ユカリアノウハウを活用したコンサルティング、DXソリューションの提供等)を順次展開してまいります。
③ その他事業
ユカリアグループは、治療経過データ解析及び製薬企業向け営業活動支援サービスにも取り組んでおります。ユカリアでは、匿名加工データ提供に同意いただいた医療機関の電子カルテデータを在籍するデータサイエンティストが独自のアルゴリズムで解析し、患者視点を取り入れた医療・ケア(Patient Centricity)の実現に向けて、研究活動を行っております。現時点では、事業に大きな影響を与える段階ではありませんが、支援を通じて提携医療法人と深い信頼関係を構築しているからこそ得られるデータを基にした事業活動は、製薬関連領域を超え、医療全般の在り方に大きな影響を与える可能性のあるものと位置づけて取り組んでおります。
また、シェアリングエコノミープラットフォームの提供においては、スマート脳ドックを中心とした未病予防領域において「安心と安全」を提供するトップランナーとして、事業を推進する方針であります。引き続き非稼働時間の多いMRI装置などの高額な医療機器を有する施設の稼働率向上を目的とした提携を推進することで施設数を拡大し、脳ドック受診者の利便性向上を図ってまいります。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注)株式会社メディステップの在宅医療(訪問看護等)については、日本の将来の医療提供体制を構築するにあたり、ユカリア提携医療法人との連携や地域包括ケアの担い手として、今後非常に重要な役割を担う事業と位置づけ、事業管理区分の見直しを行い、2026年第1四半期より、シニア関連事業から医療経営総合支援事業のセグメントに区分を変更しております。
セグメント別の事業内容及び主な関係会社は以下のとおりです。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてユカリアグループが判断したものであります。
ユカリアグループにおけるリスク管理体制に関し、後掲の「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」において、取締役会、監査等委員会、経営会議、内部監査室、コンプライアンス・リスク管理委員会、指名委員会、報酬委員会の構成と活動状況について詳述しております。
(1) ユカリアグループを取り巻く経営環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが事業活動をする医療介護業界につきましては、足元の高齢者人口の増加、社会保障費の増大、長期的には日本国内の人口減少による市場の縮小や構造変化等が生じることが予測され、また、これらに伴う医療・介護保険制度の改正等も随時行われるものと認識しています。
このような状況の中、ユカリアグループのミッションである「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」の遂行を目指し、医療・介護を取り巻く環境改善のため新たなサービスを創出していく所存です。しかしながら、想定を超える経営環境の変化が生じた場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが事業活動を行うには、「貸金業法」、「医薬品医療機器等法」、「介護保険法」、「職業安定法」、「建設業法」、「建築士法」、「宅地建物取引業法」、「古物営業法」及び関連する各種法令による規制を受けております。ユカリアにおいては、資金業登録、医薬品販売業、高度管理医療機器等販売業、毒物劇薬一般販売業、有料職業紹介事業の許可、一級建築士事務所登録、古物商許可、子会社の㈱シンシアにおいては、医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業の許可及び医療機器製造業の登録、子会社の㈱クラーチにおいては、介護保険法に定める居宅サービスのうち「特定施設入居者生活介護」「訪問介護」「居宅支援事業」等必要な指定、子会社の㈱あいらいふにおいては宅地建物取引業の許可、子会社の㈱DICにおいては高度管理医療機器等販売業等の許可、子会社の㈱ストラクトにおいては建設業許可及び一級建築士事務所登録、子会社の㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズにおいては適格機関投資家等特例業務の届出をしており、それぞれ監督官庁より許認可等を受けております。現時点において、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、当該免許及び許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合、もしくは、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後制定された場合等にはユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点の許認可等の取得状況は以下のとおりです。
(ユカリア)
(株式会社シンシア)
(株式会社クラーチ)
※各施設毎の記載は、多数になるため集約して記載しております。
(株式会社あいらいふ)
(株式会社DIC)
(株式会社ストラクト)
(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
(3) 自然災害・事故等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは、不測の事態に備え事業継続計画(BCP)の策定等を行っており、非常用物品の備蓄、各種研修、訓練等を行っていますが、大規模な地震、台風、津波、洪水、大雨等の災害又は感染症の拡大等により、病院及び介護施設やユカリアグループの従業員及び顧客が損害を被った場合、あるいは、ユカリアの事業所の運営やサービス提供に制約が生じた場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債への依存について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは、提携医療法人の財務改善のために行う病院不動産の取得及び金融事業の営業貸付金等の転貸資金、M&A等に係る資金の一部について、金融機関からの借入金によって調達しております。ユカリアグループの連結有利子負債(リース債務を除く。)残高は、2023年12月末現在21,525百万円であり、総資産に占める有利子負債依存度の比率は42.3%となっております。
従って、現在の金利水準が変動した場合には、ユカリアグループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システム障害について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは事業活動を通じて顧客に関する経営情報等の機密情報を受け取り、また一部事業では多数の顧客あるいはその家族の個人情報(既往症、病歴、治療状況などの要配慮個人情報を含みます。)を取り扱っています。ユカリアグループの情報管理については、個人情報保護方針の策定や、ISMS認証の取得(子会社の㈱シンシア及び一部の非連結子会社、持分法非適用関連会社を除く)、社員教育の実施等の社内体制の強化など、情報漏洩防止の厳重な対策を講じ、細心の注意を払っています。しかしながら、通信設備等の予期せぬトラブル等によりシステムが停止した場合や、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合、また漏洩した情報が不正使用される等の機密情報の流出に伴う重大なトラブルが発生した場合、社会的信用の低下につながり、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 固定資産の減損会計について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは、病院及び介護施設など事業の用に供する固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、このような固定資産において、時価の下落や将来のキャッシュ・フローによっては減損処理が必要となる場合があり、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀かつ多様な人材を採用し、維持し続ける必要があります。人材獲得競争は激化しており、コロナ禍を経て労働市場が変化したことによる退職率の高まりも見られ、人材の採用、育成、リテンションの重要性が増しています。
ユカリアグループではダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンや人権尊重に関する取り組みの推進等、一人ひとりがベストな状態でパフォーマンスを発揮できる健やかな組織文化の醸成を目指していますが、ユカリアが高い能力を有する人材を採用し、維持することができなかった場合、今後のサービス・製品の提供や持続的な成長に影響を及ぼす可能性があります。
日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療・介護業界での慢性的な人材不足等により、採用が予定どおり進まない場合や、適切な研修等を実施することにより育成することができない場合、既存社員の社外流出等が多く発生した場合には、顧客に対するサービスの提供が困難となり、サービスの質の低下につながるおそれがあります。また、ユカリアグループは、主として労働集約型の事業を行っていることから、そのような状況に対応するため人材の確保に想定以上の支出が必要となるなど、賃金水準が急激に高騰した場合には、人件費の負担増が発生することにより、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①人材の確保」記載のように対応に取り組んでいます。
(8) 貸倒リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは提携医療法人に対して運転資金を融資しております。担保不動産の市場での価値を十分に考慮し、診療報酬債権の譲渡担保等と合わせて融資額を決定しております。しかしながら、今後不動産市場の悪化により著しく地価が下落し、担保不動産の価値が目減りすることで担保不足の貸付債権が発生する可能性があります。また、提携医療法人の返済能力の低下により返済が困難になった場合には貸倒れが発生し、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該債権に関しては、経営状況のモニタリング等を行い、リスク管理を実施しております。
(9) 感染症について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが運営する介護施設では、換気・手洗い・手指消毒の励行等をはじめ、日常的に感染対策に取り組んでおります。しかしながら、昨今、世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスは感染力が強く、利用者や職員間でクラスターが発生する可能性があります。クラスターが発生した事業所では、クラスターが収束するまでの一定期間、売上が減少する可能性があります。ユカリアでは、現在までにクラスターの発生による利用者の新規入居一時停止や職員の出勤停止によるサービス提供の縮小を要因とする売上の減少がありましたが、陽性者の迅速な検出や隔離徹底により早期収束に努めたことでその影響は軽微であります。
インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事業所の稼働が長期にわたり困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 内部管理体制リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 信用・評判について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
シニア関連事業においては利用者、そのご家族及び関係者の方々からの信頼の下、サービスを提供しております。施設での不適切な運営や不正請求、職員の不祥事等により、ユカリア及びユカリアが提供するサービスについて信用を失った場合、または評価が低下した場合は、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対してユカリアは、経営理念、ミッション及び行動指針を定め、役職員に周知徹底しているほか、利用者の方が気持ちよく施設を利用できるよう様々な研修プログラムを役職員に対し提供し、高品質なサービス提供を通じて、利用者等からの信頼の獲得に日々励んでおります。
(12) 訴訟等の可能性について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは、サービスの提供にあたって法令遵守の徹底及び顧客や取引先とのトラブル回避に努めており、現時点において経営成績又は財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありませんが、今後予期せぬ事象の発生により、訴訟その他の請求が発生した場合、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについては、現時点で顕在化のリスク及び影響を予測することはできませんが、研修等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めるほか、顧客及び取引先等と日頃から良好な関係の構築に努めることが、当該リスク顕在化の抑制につながると考えております。
(13) 長期間の賃貸借契約について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループが運営する介護施設のうち10施設(うち1施設は2024年4月開設)は、長期間の賃貸借契約に基づいており、一定期間は事業撤退に対して制約が課せられます。これに反した場合は中途解約による違約金等の支払いが生じる可能性があります。2023年12月期における、当該9施設の売上高は、連結売上高の約22%を占めております。
また、契約期間満了後において契約更新が難しい場合がありますが、その場合は計画的に新たな移転先を決める事としており、当該リスクが顕在化する可能性の低減に努めております。
(14) 為替変動の影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは海外企業から商品を調達し、仕入額の大部分を米国ドル建てで決済しており、米国ドルの円に対する為替相場の変動によりユカリアグループの輸入取引価額が変動し、経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ユカリアグループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内でデリバティブ取引によるリスクヘッジを行う方針としておりますが、これによって全てのリスクを回避できるとは限らず、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 経営陣の確保及び育成リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリア代表取締役及び各取締役は、担当業務分野において、重要な役割を果たしております。特に代表取締役の2名については、代表取締役会長である古川淳は、ユカリアの創業者であり、医療機関への経営支援に関する豊富な経験と知識を有し、創業以来、事業を牽引し成長させてまいりました。また、代表取締役社長である三沢英生はユカリアグループ全体の経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において特に重要な役割を果たしております。
このためユカリアグループでは、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や権限委譲を進める等経営組織の強化を図り、創業者及び一部の取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めることで、次世代の経営者育成に向け幹部候補者の育成を進めるとともに、各種経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。しかしながら、後継者の育成前にこれら代表取締役2名をはじめとする取締役が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、ユカリアグループの経営成績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。
(16) コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、コンプライアンスの遵守を重要課題と位置づけ、事業に関わる各種関連法令及び諸規程を遵守し、企業人、社会人として良識のある行動をするよう従業員の意識向上を図っています。しかしながら、万が一、コンプライアンス遵守に抵触する事象が発生した場合には、法令による処罰や提訴、社会的信用力の低下につながり、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループではユカリアグループの持つ知的財産権を侵害されないよう細心の注意を払っていますが、他社からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、ユカリアグループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ユカリアグループが各種サービスを展開するにあたっては、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、万が一、他社の知的財産権を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負い、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) M&Aについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループでは、同業もしくは異業種の他社に対するM&A(子会社化や事業譲受等)や提携等を実施することにより、ユカリアグループの事業を補完もしくは強化すること、又は新規事業の展開が可能であると考えています。その実施にあたっては、対象企業や対象事業について各種デューディリジェンスを行う等、慎重な検討の上で意思決定をし、可能な限りリスクの低減に努めています。しかしながら、M&A等の実施後にユカリアグループが事前に認識し得なかった問題が明らかになった場合や、取得した企業等や事業の経営及び統合が計画どおりに進まない場合、許認可を要する事業を事業譲渡等により譲り受け、譲受後に許認可を得られない場合、又は期待していたシナジー効果を生まずに戦略目的が達成できない場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19) 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
新規上場時に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、支援先病院の不動産取得、優秀な人材確保を計画しております。 しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当される可能性があります。また、計画に沿って使用されたとしても想定どおりの投資効果を得られない可能性もあります。
(20) 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響 度:小)
ユカリアグループは、株主に対する利益還元を最重要課題の一つとして位置づけており、業績、経営基盤の強化及び将来の成長性等を総合的に勘案して、安定的・継続的な利益配当を実施することを基本的な方針としております。今後は、将来の事業拡大に必要不可欠な人材及びシステム等設備投資、M&A等の成長投資を優先しながら、財務状況と経営成績のバランスを考慮し、弾力的な配当の実施を行っていく方針であります。現時点においては、配当の可能性及びその時期については未定であります。
(21) ユカリア株式の流動性について(発生可能性: 低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
ユカリアは、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場に際しては、本公募及び売出しによってユカリア株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率について、新規上場時において約30%にとどまる見込みです。今後は、ユカリアの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主からの売出し協力、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、ユカリア株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりユカリア株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(22) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権の行使時には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
(23) 提携医療法人について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは提携医療法人に対する経営支援、金融支援、コンストラクション・マネジメント支援、人事制度構築支援など様々な契約を締結しております。提携医療法人との関係が悪化した場合や提携医療法人の経営方針の転換が生じた場合には、契約が解除されるまたは更新されない可能性があり、また、想定外の大幅な診療報酬改定が行われた場合や、医療事故等が発生し、損害賠償及び風評被害の影響等により提携医療法人の経営状態が悪化した場合、契約金額を引き下げる又は投下資本を回収できない可能性があります。そのような事象が重なるようなことがあれば、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、ユカリアグループが提携している医療法人は医療法により非営利性が要求されております。ユカリアグループでは、弁護士等の専門家と連携し、提携医療法人へ提供するサービスや締結する契約等が医療法人の非営利性を害するものでは無いように留意しながら事業を進めており、医療法に抵触する事実は無いと認識しております。しかしながら、今後医療法や行政通達の改正等が行われ、提供するサービスが提携医療法人の非営利性を害する事項とされた場合、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(24) 競合について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループの事業においては、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在は、ユカリアグループが競争優位性を確保している事業であっても、新規参入者を含めた競合他社との競争に晒されており、将来においてユカリアグループが競争優位性を確保できなくなる可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ユカリアグループでは、競合他社に対抗し得る専門性の強化と付加価値サービスの創造・展開に取り組んでいます。
(25) 製造物責任について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループのコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害を生じさせる可能性があります。ユカリアグループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、海外協力工場において製造を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があった場合は製造物責任を負い、当該不備が原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の損失等、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクはユカリアグループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を被ることは不可避であると認識しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてユカリアグループが判断したものであります。
ユカリアグループにおけるリスク管理体制に関し、後掲の「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」において、取締役会、監査等委員会、経営会議、内部監査室、コンプライアンス・リスク管理委員会、指名委員会、報酬委員会の構成と活動状況について詳述しております。
(1) ユカリアグループを取り巻く経営環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが事業活動をする医療介護業界につきましては、足元の高齢者人口の増加、社会保障費の増大、長期的には日本国内の人口減少による市場の縮小や構造変化等が生じることが予測され、また、これらに伴う医療・介護保険制度の改正等も随時行われるものと認識しています。
このような状況の中、ユカリアグループのミッションである「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」の遂行を目指し、医療・介護を取り巻く環境改善のため新たなサービスを創出していく所存です。しかしながら、想定を超える経営環境の変化が生じた場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが事業活動を行うには、「貸金業法」、「医薬品医療機器等法」、「介護保険法」、「職業安定法」、「建設業法」、「建築士法」、「宅地建物取引業法」、「古物営業法」及び関連する各種法令による規制を受けております。ユカリアにおいては、資金業登録、医薬品販売業、高度管理医療機器等販売業、毒物劇薬一般販売業、有料職業紹介事業の許可、一級建築士事務所登録、古物商許可、子会社の㈱シンシアにおいては、医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業の許可及び医療機器製造業の登録、子会社の㈱クラーチにおいては、介護保険法に定める居宅サービスのうち「特定施設入居者生活介護」「訪問介護」「居宅支援事業」等必要な指定、子会社の㈱あいらいふにおいては宅地建物取引業の許可、子会社の㈱DICにおいては高度管理医療機器等販売業等の許可、子会社の㈱ストラクトにおいては建設業許可及び一級建築士事務所登録、子会社の㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズにおいては適格機関投資家等特例業務の届出をしており、それぞれ監督官庁より許認可等を受けております。現時点において、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、当該免許及び許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合、もしくは、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後制定された場合等にはユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点の許認可等の取得状況は以下のとおりです。
(ユカリア)
(株式会社シンシア)
(株式会社クラーチ)
※各施設毎の記載は、多数になるため集約して記載しております。
(株式会社あいらいふ)
(株式会社DIC)
(株式会社ストラクト)
(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
(3) 自然災害・事故等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは、不測の事態に備え事業継続計画(BCP)の策定等を行っており、非常用物品の備蓄、各種研修、訓練等を行っていますが、大規模な地震、台風、津波、洪水、大雨等の災害又は感染症の拡大等により、病院及び介護施設やユカリアグループの従業員及び顧客が損害を被った場合、あるいは、ユカリアの事業所の運営やサービス提供に制約が生じた場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債への依存について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは、提携医療法人の財務改善のために行う病院不動産の取得及び金融事業の営業貸付金等の転貸資金、M&A等に係る資金の一部について、金融機関からの借入金によって調達しております。ユカリアグループの連結有利子負債(リース債務を除く。)残高は、2023年12月末現在21,525百万円であり、総資産に占める有利子負債依存度の比率は42.3%となっております。
従って、現在の金利水準が変動した場合には、ユカリアグループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システム障害について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは事業活動を通じて顧客に関する経営情報等の機密情報を受け取り、また一部事業では多数の顧客あるいはその家族の個人情報(既往症、病歴、治療状況などの要配慮個人情報を含みます。)を取り扱っています。ユカリアグループの情報管理については、個人情報保護方針の策定や、ISMS認証の取得(子会社の㈱シンシア及び一部の非連結子会社、持分法非適用関連会社を除く)、社員教育の実施等の社内体制の強化など、情報漏洩防止の厳重な対策を講じ、細心の注意を払っています。しかしながら、通信設備等の予期せぬトラブル等によりシステムが停止した場合や、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合、また漏洩した情報が不正使用される等の機密情報の流出に伴う重大なトラブルが発生した場合、社会的信用の低下につながり、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 固定資産の減損会計について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは、病院及び介護施設など事業の用に供する固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、このような固定資産において、時価の下落や将来のキャッシュ・フローによっては減損処理が必要となる場合があり、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀かつ多様な人材を採用し、維持し続ける必要があります。人材獲得競争は激化しており、コロナ禍を経て労働市場が変化したことによる退職率の高まりも見られ、人材の採用、育成、リテンションの重要性が増しています。
ユカリアグループではダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンや人権尊重に関する取り組みの推進等、一人ひとりがベストな状態でパフォーマンスを発揮できる健やかな組織文化の醸成を目指していますが、ユカリアが高い能力を有する人材を採用し、維持することができなかった場合、今後のサービス・製品の提供や持続的な成長に影響を及ぼす可能性があります。
日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療・介護業界での慢性的な人材不足等により、採用が予定どおり進まない場合や、適切な研修等を実施することにより育成することができない場合、既存社員の社外流出等が多く発生した場合には、顧客に対するサービスの提供が困難となり、サービスの質の低下につながるおそれがあります。また、ユカリアグループは、主として労働集約型の事業を行っていることから、そのような状況に対応するため人材の確保に想定以上の支出が必要となるなど、賃金水準が急激に高騰した場合には、人件費の負担増が発生することにより、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①人材の確保」記載のように対応に取り組んでいます。
(8) 貸倒リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは提携医療法人に対して運転資金を融資しております。担保不動産の市場での価値を十分に考慮し、診療報酬債権の譲渡担保等と合わせて融資額を決定しております。しかしながら、今後不動産市場の悪化により著しく地価が下落し、担保不動産の価値が目減りすることで担保不足の貸付債権が発生する可能性があります。また、提携医療法人の返済能力の低下により返済が困難になった場合には貸倒れが発生し、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該債権に関しては、経営状況のモニタリング等を行い、リスク管理を実施しております。
(9) 感染症について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが運営する介護施設では、換気・手洗い・手指消毒の励行等をはじめ、日常的に感染対策に取り組んでおります。しかしながら、昨今、世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスは感染力が強く、利用者や職員間でクラスターが発生する可能性があります。クラスターが発生した事業所では、クラスターが収束するまでの一定期間、売上が減少する可能性があります。ユカリアでは、現在までにクラスターの発生による利用者の新規入居一時停止や職員の出勤停止によるサービス提供の縮小を要因とする売上の減少がありましたが、陽性者の迅速な検出や隔離徹底により早期収束に努めたことでその影響は軽微であります。
インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事業所の稼働が長期にわたり困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 内部管理体制リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 信用・評判について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
シニア関連事業においては利用者、そのご家族及び関係者の方々からの信頼の下、サービスを提供しております。施設での不適切な運営や不正請求、職員の不祥事等により、ユカリア及びユカリアが提供するサービスについて信用を失った場合、または評価が低下した場合は、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対してユカリアは、経営理念、ミッション及び行動指針を定め、役職員に周知徹底しているほか、利用者の方が気持ちよく施設を利用できるよう様々な研修プログラムを役職員に対し提供し、高品質なサービス提供を通じて、利用者等からの信頼の獲得に日々励んでおります。
(12) 訴訟等の可能性について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは、サービスの提供にあたって法令遵守の徹底及び顧客や取引先とのトラブル回避に努めており、現時点において経営成績又は財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありませんが、今後予期せぬ事象の発生により、訴訟その他の請求が発生した場合、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについては、現時点で顕在化のリスク及び影響を予測することはできませんが、研修等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めるほか、顧客及び取引先等と日頃から良好な関係の構築に努めることが、当該リスク顕在化の抑制につながると考えております。
(13) 長期間の賃貸借契約について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループが運営する介護施設のうち10施設(うち1施設は2024年4月開設)は、長期間の賃貸借契約に基づいており、一定期間は事業撤退に対して制約が課せられます。これに反した場合は中途解約による違約金等の支払いが生じる可能性があります。2023年12月期における、当該9施設の売上高は、連結売上高の約22%を占めております。
また、契約期間満了後において契約更新が難しい場合がありますが、その場合は計画的に新たな移転先を決める事としており、当該リスクが顕在化する可能性の低減に努めております。
(14) 為替変動の影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは海外企業から商品を調達し、仕入額の大部分を米国ドル建てで決済しており、米国ドルの円に対する為替相場の変動によりユカリアグループの輸入取引価額が変動し、経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ユカリアグループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内でデリバティブ取引によるリスクヘッジを行う方針としておりますが、これによって全てのリスクを回避できるとは限らず、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 経営陣の確保及び育成リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリア代表取締役及び各取締役は、担当業務分野において、重要な役割を果たしております。特に代表取締役の2名については、代表取締役会長である古川淳は、ユカリアの創業者であり、医療機関への経営支援に関する豊富な経験と知識を有し、創業以来、事業を牽引し成長させてまいりました。また、代表取締役社長である三沢英生はユカリアグループ全体の経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において特に重要な役割を果たしております。
このためユカリアグループでは、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や権限委譲を進める等経営組織の強化を図り、創業者及び一部の取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めることで、次世代の経営者育成に向け幹部候補者の育成を進めるとともに、各種経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。しかしながら、後継者の育成前にこれら代表取締役2名をはじめとする取締役が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、ユカリアグループの経営成績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。
(16) コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、コンプライアンスの遵守を重要課題と位置づけ、事業に関わる各種関連法令及び諸規程を遵守し、企業人、社会人として良識のある行動をするよう従業員の意識向上を図っています。しかしながら、万が一、コンプライアンス遵守に抵触する事象が発生した場合には、法令による処罰や提訴、社会的信用力の低下につながり、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループではユカリアグループの持つ知的財産権を侵害されないよう細心の注意を払っていますが、他社からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、ユカリアグループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ユカリアグループが各種サービスを展開するにあたっては、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、万が一、他社の知的財産権を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負い、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) M&Aについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループでは、同業もしくは異業種の他社に対するM&A(子会社化や事業譲受等)や提携等を実施することにより、ユカリアグループの事業を補完もしくは強化すること、又は新規事業の展開が可能であると考えています。その実施にあたっては、対象企業や対象事業について各種デューディリジェンスを行う等、慎重な検討の上で意思決定をし、可能な限りリスクの低減に努めています。しかしながら、M&A等の実施後にユカリアグループが事前に認識し得なかった問題が明らかになった場合や、取得した企業等や事業の経営及び統合が計画どおりに進まない場合、許認可を要する事業を事業譲渡等により譲り受け、譲受後に許認可を得られない場合、又は期待していたシナジー効果を生まずに戦略目的が達成できない場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19) 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
新規上場時に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、支援先病院の不動産取得、優秀な人材確保を計画しております。 しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当される可能性があります。また、計画に沿って使用されたとしても想定どおりの投資効果を得られない可能性もあります。
(20) 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響 度:小)
ユカリアグループは、株主に対する利益還元を最重要課題の一つとして位置づけており、業績、経営基盤の強化及び将来の成長性等を総合的に勘案して、安定的・継続的な利益配当を実施することを基本的な方針としております。今後は、将来の事業拡大に必要不可欠な人材及びシステム等設備投資、M&A等の成長投資を優先しながら、財務状況と経営成績のバランスを考慮し、弾力的な配当の実施を行っていく方針であります。現時点においては、配当の可能性及びその時期については未定であります。
(21) ユカリア株式の流動性について(発生可能性: 低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
ユカリアは、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場に際しては、本公募及び売出しによってユカリア株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率について、新規上場時において約30%にとどまる見込みです。今後は、ユカリアの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主からの売出し協力、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、ユカリア株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりユカリア株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(22) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権の行使時には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
(23) 提携医療法人について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは提携医療法人に対する経営支援、金融支援、コンストラクション・マネジメント支援、人事制度構築支援など様々な契約を締結しております。提携医療法人との関係が悪化した場合や提携医療法人の経営方針の転換が生じた場合には、契約が解除されるまたは更新されない可能性があり、また、想定外の大幅な診療報酬改定が行われた場合や、医療事故等が発生し、損害賠償及び風評被害の影響等により提携医療法人の経営状態が悪化した場合、契約金額を引き下げる又は投下資本を回収できない可能性があります。そのような事象が重なるようなことがあれば、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、ユカリアグループが提携している医療法人は医療法により非営利性が要求されております。ユカリアグループでは、弁護士等の専門家と連携し、提携医療法人へ提供するサービスや締結する契約等が医療法人の非営利性を害するものでは無いように留意しながら事業を進めており、医療法に抵触する事実は無いと認識しております。しかしながら、今後医療法や行政通達の改正等が行われ、提供するサービスが提携医療法人の非営利性を害する事項とされた場合、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(24) 競合について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループの事業においては、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在は、ユカリアグループが競争優位性を確保している事業であっても、新規参入者を含めた競合他社との競争に晒されており、将来においてユカリアグループが競争優位性を確保できなくなる可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ユカリアグループでは、競合他社に対抗し得る専門性の強化と付加価値サービスの創造・展開に取り組んでいます。
(25) 製造物責任について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループのコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害を生じさせる可能性があります。ユカリアグループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、海外協力工場において製造を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があった場合は製造物責任を負い、当該不備が原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の損失等、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクはユカリアグループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を被ることは不可避であると認識しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてユカリアグループが判断したものであります。
ユカリアグループにおけるリスク管理体制に関し、後掲の「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」において、取締役会、監査等委員会、経営会議、内部監査室、コンプライアンス・リスク管理委員会、指名委員会、報酬委員会の構成と活動状況について詳述しております。
(1) ユカリアグループを取り巻く経営環境について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが事業活動をする医療介護業界につきましては、足元の高齢者人口の増加、社会保障費の増大、長期的には日本国内の人口減少による市場の縮小や構造変化等が生じることが予測され、また、これらに伴う医療・介護保険制度の改正等も随時行われるものと認識しています。
このような状況の中、ユカリアグループのミッションである「変革を通じて医療・介護のあるべき姿を実現する」の遂行を目指し、医療・介護を取り巻く環境改善のため新たなサービスを創出していく所存です。しかしながら、想定を超える経営環境の変化が生じた場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが事業活動を行うには、「貸金業法」、「医薬品医療機器等法」、「介護保険法」、「職業安定法」、「建設業法」、「建築士法」、「宅地建物取引業法」、「古物営業法」及び関連する各種法令による規制を受けております。ユカリアにおいては、資金業登録、医薬品販売業、高度管理医療機器等販売業、毒物劇薬一般販売業、有料職業紹介事業の許可、一級建築士事務所登録、古物商許可、子会社の㈱シンシアにおいては、医療機器製造販売業、高度管理医療機器等販売業の許可及び医療機器製造業の登録、子会社の㈱クラーチにおいては、介護保険法に定める居宅サービスのうち「特定施設入居者生活介護」「訪問介護」「居宅支援事業」等必要な指定、子会社の㈱あいらいふにおいては宅地建物取引業の許可、子会社の㈱DICにおいては高度管理医療機器等販売業等の許可、子会社の㈱ストラクトにおいては建設業許可及び一級建築士事務所登録、子会社の㈱キャピタルメディカ・ベンチャーズにおいては適格機関投資家等特例業務の届出をしており、それぞれ監督官庁より許認可等を受けております。現時点において、当該免許及び許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、当該免許及び許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合、もしくは、これらの法律等の改廃又は新たな法的規制が今後制定された場合等にはユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点の許認可等の取得状況は以下のとおりです。
(ユカリア)
(株式会社シンシア)
(株式会社クラーチ)
※各施設毎の記載は、多数になるため集約して記載しております。
(株式会社あいらいふ)
(株式会社DIC)
(株式会社ストラクト)
(株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ)
(3) 自然災害・事故等について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは、不測の事態に備え事業継続計画(BCP)の策定等を行っており、非常用物品の備蓄、各種研修、訓練等を行っていますが、大規模な地震、台風、津波、洪水、大雨等の災害又は感染症の拡大等により、病院及び介護施設やユカリアグループの従業員及び顧客が損害を被った場合、あるいは、ユカリアの事業所の運営やサービス提供に制約が生じた場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債への依存について(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは、提携医療法人の財務改善のために行う病院不動産の取得及び金融事業の営業貸付金等の転貸資金、M&A等に係る資金の一部について、金融機関からの借入金によって調達しております。ユカリアグループの連結有利子負債(リース債務を除く。)残高は、2023年12月末現在21,525百万円であり、総資産に占める有利子負債依存度の比率は42.3%となっております。
従って、現在の金利水準が変動した場合には、ユカリアグループの事業、経営成績、財政状態又はキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) システム障害について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは事業活動を通じて顧客に関する経営情報等の機密情報を受け取り、また一部事業では多数の顧客あるいはその家族の個人情報(既往症、病歴、治療状況などの要配慮個人情報を含みます。)を取り扱っています。ユカリアグループの情報管理については、個人情報保護方針の策定や、ISMS認証の取得(子会社の㈱シンシア及び一部の非連結子会社、持分法非適用関連会社を除く)、社員教育の実施等の社内体制の強化など、情報漏洩防止の厳重な対策を講じ、細心の注意を払っています。しかしながら、通信設備等の予期せぬトラブル等によりシステムが停止した場合や、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん、データの破壊、紛失、漏洩等が不測の事情により発生した場合、また漏洩した情報が不正使用される等の機密情報の流出に伴う重大なトラブルが発生した場合、社会的信用の低下につながり、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 固定資産の減損会計について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは、病院及び介護施設など事業の用に供する固定資産を有しておりますが、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の適用により、このような固定資産において、時価の下落や将来のキャッシュ・フローによっては減損処理が必要となる場合があり、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保に関するリスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループの競争力を維持するためには、事業遂行に必要な優秀かつ多様な人材を採用し、維持し続ける必要があります。人材獲得競争は激化しており、コロナ禍を経て労働市場が変化したことによる退職率の高まりも見られ、人材の採用、育成、リテンションの重要性が増しています。
ユカリアグループではダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンや人権尊重に関する取り組みの推進等、一人ひとりがベストな状態でパフォーマンスを発揮できる健やかな組織文化の醸成を目指していますが、ユカリアが高い能力を有する人材を採用し、維持することができなかった場合、今後のサービス・製品の提供や持続的な成長に影響を及ぼす可能性があります。
日本の労働人口は今後も減少することが見込まれており、医療・介護業界での慢性的な人材不足等により、採用が予定どおり進まない場合や、適切な研修等を実施することにより育成することができない場合、既存社員の社外流出等が多く発生した場合には、顧客に対するサービスの提供が困難となり、サービスの質の低下につながるおそれがあります。また、ユカリアグループは、主として労働集約型の事業を行っていることから、そのような状況に対応するため人材の確保に想定以上の支出が必要となるなど、賃金水準が急激に高騰した場合には、人件費の負担増が発生することにより、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ①人材の確保」記載のように対応に取り組んでいます。
(8) 貸倒リスクについて(発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは提携医療法人に対して運転資金を融資しております。担保不動産の市場での価値を十分に考慮し、診療報酬債権の譲渡担保等と合わせて融資額を決定しております。しかしながら、今後不動産市場の悪化により著しく地価が下落し、担保不動産の価値が目減りすることで担保不足の貸付債権が発生する可能性があります。また、提携医療法人の返済能力の低下により返済が困難になった場合には貸倒れが発生し、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該債権に関しては、経営状況のモニタリング等を行い、リスク管理を実施しております。
(9) 感染症について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループが運営する介護施設では、換気・手洗い・手指消毒の励行等をはじめ、日常的に感染対策に取り組んでおります。しかしながら、昨今、世界中で感染拡大が続く新型コロナウイルスは感染力が強く、利用者や職員間でクラスターが発生する可能性があります。クラスターが発生した事業所では、クラスターが収束するまでの一定期間、売上が減少する可能性があります。ユカリアでは、現在までにクラスターの発生による利用者の新規入居一時停止や職員の出勤停止によるサービス提供の縮小を要因とする売上の減少がありましたが、陽性者の迅速な検出や隔離徹底により早期収束に努めたことでその影響は軽微であります。
インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行し、当該地域の事業所の稼働が長期にわたり困難になった場合には、事業活動に支障が生じ、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 内部管理体制リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 信用・評判について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
シニア関連事業においては利用者、そのご家族及び関係者の方々からの信頼の下、サービスを提供しております。施設での不適切な運営や不正請求、職員の不祥事等により、ユカリア及びユカリアが提供するサービスについて信用を失った場合、または評価が低下した場合は、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対してユカリアは、経営理念、ミッション及び行動指針を定め、役職員に周知徹底しているほか、利用者の方が気持ちよく施設を利用できるよう様々な研修プログラムを役職員に対し提供し、高品質なサービス提供を通じて、利用者等からの信頼の獲得に日々励んでおります。
(12) 訴訟等の可能性について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループは、サービスの提供にあたって法令遵守の徹底及び顧客や取引先とのトラブル回避に努めており、現時点において経営成績又は財政状態に影響を及ぼす訴訟が提起されている事実はありませんが、今後予期せぬ事象の発生により、訴訟その他の請求が発生した場合、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、ユカリアの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについては、現時点で顕在化のリスク及び影響を予測することはできませんが、研修等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めるほか、顧客及び取引先等と日頃から良好な関係の構築に努めることが、当該リスク顕在化の抑制につながると考えております。
(13) 長期間の賃貸借契約について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループが運営する介護施設のうち10施設(うち1施設は2024年4月開設)は、長期間の賃貸借契約に基づいており、一定期間は事業撤退に対して制約が課せられます。これに反した場合は中途解約による違約金等の支払いが生じる可能性があります。2023年12月期における、当該9施設の売上高は、連結売上高の約22%を占めております。
また、契約期間満了後において契約更新が難しい場合がありますが、その場合は計画的に新たな移転先を決める事としており、当該リスクが顕在化する可能性の低減に努めております。
(14) 為替変動の影響について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは海外企業から商品を調達し、仕入額の大部分を米国ドル建てで決済しており、米国ドルの円に対する為替相場の変動によりユカリアグループの輸入取引価額が変動し、経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ユカリアグループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内でデリバティブ取引によるリスクヘッジを行う方針としておりますが、これによって全てのリスクを回避できるとは限らず、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 経営陣の確保及び育成リスクについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリア代表取締役及び各取締役は、担当業務分野において、重要な役割を果たしております。特に代表取締役の2名については、代表取締役会長である古川淳は、ユカリアの創業者であり、医療機関への経営支援に関する豊富な経験と知識を有し、創業以来、事業を牽引し成長させてまいりました。また、代表取締役社長である三沢英生はユカリアグループ全体の経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において特に重要な役割を果たしております。
このためユカリアグループでは、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や権限委譲を進める等経営組織の強化を図り、創業者及び一部の取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めることで、次世代の経営者育成に向け幹部候補者の育成を進めるとともに、各種経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。しかしながら、後継者の育成前にこれら代表取締役2名をはじめとする取締役が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、ユカリアグループの経営成績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。
(16) コンプライアンスについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、コンプライアンスの遵守を重要課題と位置づけ、事業に関わる各種関連法令及び諸規程を遵守し、企業人、社会人として良識のある行動をするよう従業員の意識向上を図っています。しかしながら、万が一、コンプライアンス遵守に抵触する事象が発生した場合には、法令による処罰や提訴、社会的信用力の低下につながり、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) 知的財産権について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループではユカリアグループの持つ知的財産権を侵害されないよう細心の注意を払っていますが、他社からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、ユカリアグループの事業又は経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ユカリアグループが各種サービスを展開するにあたっては、他社の持つ特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、万が一、他社の知的財産権を侵害した場合には、多額の損害賠償責任を負い、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18) M&Aについて(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループでは、同業もしくは異業種の他社に対するM&A(子会社化や事業譲受等)や提携等を実施することにより、ユカリアグループの事業を補完もしくは強化すること、又は新規事業の展開が可能であると考えています。その実施にあたっては、対象企業や対象事業について各種デューディリジェンスを行う等、慎重な検討の上で意思決定をし、可能な限りリスクの低減に努めています。しかしながら、M&A等の実施後にユカリアグループが事前に認識し得なかった問題が明らかになった場合や、取得した企業等や事業の経営及び統合が計画どおりに進まない場合、許認可を要する事業を事業譲渡等により譲り受け、譲受後に許認可を得られない場合、又は期待していたシナジー効果を生まずに戦略目的が達成できない場合には、ユカリアグループの事業、経営成績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19) 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
新規上場時に実施した公募増資による調達資金の使途につきましては、支援先病院の不動産取得、優秀な人材確保を計画しております。 しかしながら、急速に変化する経営環境に対応するため、現時点における計画以外の使途に充当される可能性があります。また、計画に沿って使用されたとしても想定どおりの投資効果を得られない可能性もあります。
(20) 配当政策について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響 度:小)
ユカリアグループは、株主に対する利益還元を最重要課題の一つとして位置づけており、業績、経営基盤の強化及び将来の成長性等を総合的に勘案して、安定的・継続的な利益配当を実施することを基本的な方針としております。今後は、将来の事業拡大に必要不可欠な人材及びシステム等設備投資、M&A等の成長投資を優先しながら、財務状況と経営成績のバランスを考慮し、弾力的な配当の実施を行っていく方針であります。現時点においては、配当の可能性及びその時期については未定であります。
(21) ユカリア株式の流動性について(発生可能性: 低、発生時期:直近1年~3年、影響度:小)
ユカリアは、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場に際しては、本公募及び売出しによってユカリア株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率について、新規上場時において約30%にとどまる見込みです。今後は、ユカリアの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主からの売出し協力、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加など、これらを組み合わせて、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、ユカリア株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりユカリア株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(22) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
ユカリアグループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権の行使時には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
(23) 提携医療法人について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループは提携医療法人に対する経営支援、金融支援、コンストラクション・マネジメント支援、人事制度構築支援など様々な契約を締結しております。提携医療法人との関係が悪化した場合や提携医療法人の経営方針の転換が生じた場合には、契約が解除されるまたは更新されない可能性があり、また、想定外の大幅な診療報酬改定が行われた場合や、医療事故等が発生し、損害賠償及び風評被害の影響等により提携医療法人の経営状態が悪化した場合、契約金額を引き下げる又は投下資本を回収できない可能性があります。そのような事象が重なるようなことがあれば、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、ユカリアグループが提携している医療法人は医療法により非営利性が要求されております。ユカリアグループでは、弁護士等の専門家と連携し、提携医療法人へ提供するサービスや締結する契約等が医療法人の非営利性を害するものでは無いように留意しながら事業を進めており、医療法に抵触する事実は無いと認識しております。しかしながら、今後医療法や行政通達の改正等が行われ、提供するサービスが提携医療法人の非営利性を害する事項とされた場合、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(24) 競合について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループの事業においては、既存の競合他社に加え、新規参入者との競争も激しくなっています。現在は、ユカリアグループが競争優位性を確保している事業であっても、新規参入者を含めた競合他社との競争に晒されており、将来においてユカリアグループが競争優位性を確保できなくなる可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、ユカリアグループでは、競合他社に対抗し得る専門性の強化と付加価値サービスの創造・展開に取り組んでいます。
(25) 製造物責任について(発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
ユカリアグループのコンタクトレンズは、眼に直接触れるという製品上の特性を持つため、眼に障害を生じさせる可能性があります。ユカリアグループは厳しい品質管理基準の下で、販売を行う各国の要請する様々な安全基準に準拠した上で、海外協力工場において製造を行っておりますが、将来にわたり製品に不備があった場合は製造物責任を負い、当該不備が原因で訴訟等の事態に発展した場合、損害賠償金の支払や社会的信頼の損失等、ユカリアグループの経営成績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの顕在化の可能性は高くないと判断しておりますが、かかるリスクはユカリアグループ独自のリスク管理施策のみを以て軽減・排除できるものではなく、実際に顕在化した場合には一定程度の影響を被ることは不可避であると認識しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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