東洋水産(2875)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 東洋水産グループ(東洋水産及び東洋水産の関係会社)は、東洋水産、連結子会社23社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社4社及び関連会社3社により構成されております。 東洋水産グループの事業内容及び東洋水産の関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。 なお、以下の6部門はセグメント情報における報告セグメントの区分と同一であります。 (1) 水産食品事業 国内及び海外における水産食品の仕入・加工・販売を行っております。 国内においては、東洋水産、連結子会社6社(新東物産㈱他)、非連結子会社1社(ヤイズ新東㈱)及び関連会社1社(ヒガシマルインターナショナル㈱)が仕入・加工・販売を行っております。 海外においては、米国の連結子会社1社(パックマル,INC.)が仕入を行っております。 (2) 海外即席麺事業 主として米国・メキシコを中心とした米州における即席麺(カップ麺、袋麺)の製造・販売を行っております。 連結子会社1社(マルチャン,INC.)及び非連結子会社1社(マルちゃん味の素インド社)が製造・販売するほか、連結子会社2社(マルチャンバージニア,INC.他)が製造、連結子会社3社(マルチャン デ メヒコ,S.A. de C.V.他)が販売しております。 (3) 国内即席麺事業 国内における即席麺(カップ麺、袋麺、ワンタン)の製造・販売を行っております。 東洋水産が製造・販売するほか、国内連結子会社7社(㈱酒悦他)が製造しております。 (4) 低温食品事業 主として国内における低温食品(蒸し焼そば、生ラーメン、茹でうどん、冷凍麺、業務用調理品等)の製造・販売を行っております。 国内においては、東洋水産及び連結子会社1社(ユタカフーズ㈱)が製造・販売するほか、連結子会社4社(甲府東洋㈱他)及び関連会社1社(㈱高岡屋)が製造しております。 海外においては、関連会社1社(味の素東洋フローズンヌードル社)が製造・販売を行っております。 (5) 加工食品事業 国内における加工食品(無菌包装米飯、レトルト米飯、スープ、だしの素、ねり製品等)の製造・販売を行っております。 東洋水産、持分法適用関連会社1社(仙波糖化工業㈱)及び関連会社1社(ヒガシマルインターナショナル㈱)が製造・販売するほか、連結子会社6社(フクシマフーズ㈱他)が製造しております。 (6) 冷蔵事業 国内において、東洋水産及び連結子会社5社(埼北東洋㈱他)が主として得意先から寄託された貨物の冷蔵・冷凍保管を行っております。 (7) その他 主として弁当・惣菜事業を営んでおります。 東洋水産、連結子会社5社(㈱フレッシュダイナー他)及び非連結子会社2社(東和エステート㈱他)により構成されております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)1 水産食品事業の仕入・販売は、グループ会社相互間においても行っております。 2 冷蔵事業を営んでいる会社の倉庫には、グループ会社の水産食品事業等の貨物も保管されております。 3 連結子会社のユタカフーズ㈱は、東京証券取引所のスタンダード市場及び名古屋証券取引所のメイン市場に上場しております。 4 持分法適用関連会社の仙波糖化工業㈱は、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しております。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 東洋水産グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において東洋水産グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 東洋水産グループは、顧客第一主義のもと「お客様により良い商品、サービスを提供することにより喜びと満足のある生活に貢献する」ことを経営理念としております。「安全でおいしい商品」、「確実なサービス」をお客様にお届けし、お客様から支持されることによって信頼される企業グループを目指しております。そしてこれらにより利益ある成長を目指して企業価値を高めることが、社会、株主、従業員等すべてのステークホルダーの利益増大につながると認識しております。 また、東洋水産グループは2023年~2025年3月期3ヵ年中期経営計画(以下「前3ヵ年中期経営計画」という。)の成果と課題を踏まえて、2025年5月12日に2026年~2028年3月期3ヵ年中期経営計画(以下「3ヵ年中期経営計画」という。)を発表いたしました。 (2) 経営環境 東洋水産グループが3ヵ年中期経営計画の策定にあたり、認識している経営環境は次のとおりであります。① 内部環境認識・コストアップへの対応・為替変動リスク・外部環境の大きな変化への対応もあり、設備投資実行における遅延の発生・株主還元強化の対応 ② 外部環境認識・世界的なインフレ傾向の継続・為替変動リスク・人手不足・地球温暖化等の異常気象・地政学的リスク・物流への課題 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 東洋水産グループは前3ヵ年中期経営計画における環境整理と振り返りを行いました。その結果、認識している3ヵ年中期経営計画の課題は次のとおりであります。・将来への投資と株主還元の両立・リスク低減と新たな成長機会獲得 (4) 経営基本戦略等 3ヵ年中期経営計画の基本戦略として、「継続と継承」と「変革と進化」を掲げ、「企業価値を向上させることでステークホルダーを笑顔にしたい」というありたい姿を実現するため、より積極的な取組を行ってまいります。 ①継続と継承前3ヵ年中期経営計画の基本方針を継続し、やり残した課題を解決してまいります。(新たなる食文化・食生活の創造、海外展開の深化、経営基盤の強化、社会課題・環境への対応) ②変革と進化「ありたい姿」の実現に向けて、変革すべきものを変革し、「企業価値向上」を目指してまいります。(新たな事業領域の拡大、海外展開のエリア拡大、成長投資・稼ぐ力向上、サステナビリティ経営) (5) 3ヵ年中期経営計画での取組等 東洋水産グループはステークホルダーから信頼され、必要とされる企業を目指すため、「顧客市場」と「資本市場」という2つの市場における価値向上を積極的に図ってまいります。 ①顧客市場での価値向上各事業での強みとグループの総合力を発揮し、売上・利益の財務価値とブランド等の非財務価値の向上を目指してまいります。また、将来への投資を積極的に行い、各事業における持続的な成長を目指してまいります。なお、3ヵ年中期経営計画期間中に約130,000百万円以上の設備投資を計画しております。主な設備投資の内容は次のとおりであります。 1.成長投資(海外即席麺事業)カリフォルニア工場の拡張(海外即席麺事業)メキシコ工場の新設(加工食品事業) フリーズドライ工場の拡張 2.効率化投資(国内即席麺事業)具材設備の整備(国内即席麺事業)即席麺工場の再編(低温食品事業) 冷凍食品の強化(低温食品事業) 生麺工場の再編 3.その他(冷蔵事業) 自然冷媒への切替(各事業共通) 基幹システムの更新(各事業共通) 更新投資 ②資本市場での価値向上「資本コストや株価を意識した経営の実現」への対応を推進してまいります。また、資本市場での価値向上における方針は次のとおりであります。・ROE15%を将来的な目標に設定 現状において東洋水産の株主資本コストは6~8%と認識しております。株主資本コストを上回るROEを継続しつつ、将来的にはROE15%を目指してまいります。・財務戦略による資本効率の向上 総還元性向70%を目途とし、連結配当性向30%超の配当と自己株式の取得を継続してまいります。・株主資本コストの低減 業績変動リスクの低減(期中平均レートの採用)やガバナンスの強化により、株主資本コストの低減を図ってまいります。 (6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 ①顧客市場での価値向上 東洋水産グループの経営上の目標である「顧客市場での価値向上」の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益であります。 3ヵ年中期経営計画の最終年度である2028年3月期において、売上高600,000百万円、営業利益82,000百万円を目指しております。 セグメント別の売上高及び営業利益の目標は次のとおりであります。セグメントの名称売上高(百万円)営業利益(百万円) 水産食品事業32,0001,000 海外即席麺事業298,00060,000 国内即席麺事業113,50010,800 低温食品事業65,0007,400 加工食品事業26,5001,000 冷蔵事業25,5002,500 その他39,500900 調整額-△1,600合計600,00082,000 ②資本市場での価値向上 東洋水産グループの経営上の目標である「資本市場での価値向上」の達成状況を判断するための客観的な指標は、ROE、総還元性向及び連結配当性向であります。 3ヵ年中期経営計画の最終年度である2028年3月期において、ROE10%以上、総還元性向70%目途及び連結配当性向30%超を目指しております。ROE10%以上総還元性向70%目途連結配当性向30%超 (7) 3ヵ年中期経営計画の達成状況 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (1) 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において東洋水産グループが判断したものであります。 (1) 短期・中期の視点から経営戦略・経営成績等に影響を与える可能性のある重要なリスク① 経済状況 東洋水産グループは、加工食品を中心とした食品製造販売業を営んでおります。そのため、家畜伝染病、残留農薬問題等の食品に係る諸問題の発生が、輸入量の減少、仕入価格の高騰、消費の低迷等を引き起こし売上高等に影響を与える可能性があります。東洋水産グループは消費者の不信を取り除き、安心して購入していただけるようにISOの認証取得及び製品情報管理システムの構築等を積極的に推進するとともに、より一層の原材料等の管理体制の強化を図っておりますが、自然又は人為的な諸問題により影響を受ける可能性があります。 また、食品業界全体が、依然として商品単価の変動が続き、販売競争がますます厳しくなっております。このような厳しい販売競争に対応するために、東洋水産グループは、生産・物流体制の再構築を進め、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進しておりますが、所得の伸び悩み等から消費者心理の低迷等消費動向に影響を受ける可能性があります。 ② 為替レートの変動 東洋水産グループは、米州に連結子会社があり、特に米国のマルチャン,INC.及びメキシコのマルチャン デ メヒコ,S.A. de C.V.は連結売上高に占める割合が10%を超える重要な連結子会社であります。また、水産食品事業においては海外の連結子会社をはじめ輸出入取引を行っております。 このような中、輸出入取引においては為替レートの変動によるリスクをヘッジすることを目的として、為替予約等を行い為替の変動による影響を最小限にしております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合には東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 また、東洋水産グループは連結財務諸表作成のため在外子会社の資産及び負債は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は期中平均相場により円貨に換算しております。なお、在外子会社の重要性が増してきたため、一時的な為替相場の変動による損益等への影響を緩和し、在外子会社の業績をより適切に連結財務諸表に反映させることを目的として、在外子会社等の収益及び費用について、期中平均相場により円貨に換算する方法を採用しておりますが、期初に想定した為替レートに対する変動が東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ③ 市場環境 東洋水産グループの事業の中心となっている国内即席麺事業等において、特に即席麺類の分野では業界全体で年間何百種類という新商品が発売されており、商品サイクルが非常に短い状況となっております。このような状況下で、東洋水産グループにおいても消費者の健康志向の高まり等消費者ニーズにあった商品開発に注力しております。 東洋水産グループが業界や消費者ニーズの変化を十分に予測できず、消費者に受け入れられる魅力ある新商品の開発ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させる可能性があります。 ④ 販売価格 東洋水産グループの国内即席麺事業等においては、末端の小売価格の変動に伴い、東洋水産グループの卸売価格が影響を受けることがあります。また、各分野におけるシェアの確保等販売競争の厳しさが増す中で、値引リベート、特売費等の販売促進費が増加し、収益を圧迫する要因となっております。既存競合先間の提携等により市場におけるシェアが大きく変動するようなことが起これば、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、原材料価格や動力費等の上昇を補うため、価格改定を行うことがあり、その反動として販売数量が減少する可能性があります。 東洋水産グループの水産食品事業は、漁獲量等により市場価格が変動し、これが販売価格にも影響を与え、これにより東洋水産グループの収益に影響を与える可能性があります。また、国内即席麺事業等の一部の原材料(小麦粉等)や加工食品事業に含まれる米飯事業の米価も同様に収穫高等による市場価格の変動の影響を受け、これが製造コストに影響し、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑤ 製品事故 東洋水産グループは、ISOの認証取得、製品情報管理システムの構築、トレサビリティ管理等安全な食品作りに積極的に取り組んでおりますが、原材料の腐敗や農薬等の問題、製造工程での異物の混入、アレルゲン問題、流通段階での破袋等によるカビの発生等、製品事故が発生する可能性があります。東洋水産グループにおいてもこれらの製品事故を未然に防ぐための設備の充実、管理体制の強化等を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。そのため製造物責任賠償保険等にも加入しております。 万が一製造物責任賠償につながるような大規模な製品事故が発生した場合には、製品回収等多額のコストの発生や東洋水産グループの評価に影響を与え、それによる売上高の減少等東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑥ 天候及び自然災害等の影響 東洋水産グループの販売する製品には猛暑、冷夏、暖冬等の天候により売上高に影響を受けるものがあります。また、製造拠点における大規模な地震や台風等の自然災害により生産設備に損害を被った場合、並びに、それらに起因する電力供給量の低下等のインフラ使用制限等の影響を受けた場合、操業中断による製造能力低下に伴う売上高の減少、設備の修復費用の増加等により東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑦ 情報システム 東洋水産グループでは適切なシステム管理体制をとっております。東洋水産グループではコンピュータウイルス対策や情報管理の徹底を進めておりますが、予測不能のウイルスの侵入、情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により情報システムに障害が発生する可能性があります。その場合、顧客対応に支障をきたし、それに伴う費用発生等により東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (2) 中期・長期の視点から経営戦略・経営成績等に影響を与える可能性のあるリスク① 製品の海外での委託製造 東洋水産グループの水産食品及び冷凍食品類の一部の製品において、海外の会社に製造を委託し、製品を仕入れております。その際に各製造委託会社が所在する国により、食品衛生等に関する法的基準の相違、食品衛生に対する意識の違いから、日本における食品衛生等の法的基準に適合しない農薬等の薬品使用等による製品事故が発生する可能性があります。また、東洋水産グループにおいてもこれらを未然に防ぐために日本の基準の教育・指導の徹底、現地での立会い及び製品検査等の強化を図っておりますが、製品事故が発生する可能性があります。 日本の食品衛生等に関する法的基準に適合しない製品が発生した場合には、製品回収及び廃棄処理等の多額の費用の発生や東洋水産グループの評価に影響を与え、それによる将来の売上高減少等東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ② 公的規制 東洋水産グループは各事業活動において食品衛生、食品規格、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、環境、リサイクル関連等の法規制の適用を受けており、東洋水産グループはこれらの規制を遵守しております。不測の事態でこれらの規制を遵守することが出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ③ 世界的なインフレ傾向の継続 東洋水産グループは各事業活動において原材料費や人件費等、多くのコストが生じております。昨今の世界的なインフレ傾向が継続するとこれらコストの増大を招く可能性があり、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ④ 人手不足 東洋水産グループの各事業活動の継続には人的資本が必要不可欠であります。長期的に労働人口の減少が続く中、事業の継続に必要な人手を確保出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑤ 物流課題 東洋水産グループの各事業活動の継続には安定した物流網が必要不可欠であります。2024年問題等に代表される物流危機等の影響で事業の継続に必要な安定した物流網の構築が出来なかった場合、事業活動が制限される可能性があり、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑥ 地政学的リスク 東洋水産グループの各事業活動の継続には原材料等の安定的な調達を含む供給網の確保が必要不可欠であります。中東地域をはじめとする国際情勢の不安定化や地政学的リスクの高まり等により、世界経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。今後、これらの情勢が長期化した場合、原材料価格の高騰、サプライチェーンの混乱等が生じる可能性があり、東洋水産グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
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