日本食品化工(2892)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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日本食品化工(2892)の株価チャート 日本食品化工(2892)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 日本食品化工の企業集団は、日本食品化工、親会社、連結子会社1社、関連会社2社により構成され、とうもろこし等の加工製品及びその二次加工製品の製造販売を主な事業の内容とし、更にこれらに附帯する原材料等の購入、技術輸出、運送業等の事業を行っております。

 日本食品化工の企業集団の事業内容並びに事業部門との関連は、次のとおりであります。

事業内容

主要な会社名

とうもろこし等の加工製品及びその二次加工製品の製造販売

日本食品化工、三菱商事㈱、AMSCO※

計3社

上記関連の技術輸出

日本食品化工

計1社

上記関連の業務委託

日食サービス&ファシリティーズ㈱

計1社

上記関連の運送業

ミナト流通サービス㈱

計1社

※AMSCO・・・Asia Modified Starch Co., Ltd.

 

事業内容

事業部門

主要な会社名

とうもろこし等の加工製品及びその二次加工製品の製造販売

澱粉部門

日本食品化工、三菱商事㈱、AMSC0

糖化品部門

日本食品化工、三菱商事㈱

ファインケミカル部門

日本食品化工、三菱商事㈱

副産物部門

日本食品化工、三菱商事㈱

 

 日本食品化工の企業集団の事業の系統図は次のとおりであります。

※1 子会社

※2 関連会社

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において日本食品化工が判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 わが社は、でん粉・糖の事業を通じ、生活者の多様な Well-beingに資する価値提供を推進し、長期的な企業価値の向上に努めます。

 社会的・環境的な潮流変化を的確に捉え、将来あるべき姿に向けて、個々がより高い意欲を持って事業に参画することで、その実現を図ります。

(2) 経営環境

 世界情勢は、ロシアによるウクライナ侵攻、及び中東紛争が長期化するなど、地政学リスクが高まりを見せており、世界的なインフレは落ち着きを見せ始めるといった見方もなされていますが、一方では、先行きの不透明感から、経済の成長が寧ろ減速する可能性もあると予想しています。我が国では、日銀による金融緩和政策の転換に裏付けられた今後の経済成長に大いに期待がかかりますが、円安と原材料コスト高騰が引き起こした物価高に対し、輸出やインバウンド需要の回復、賃上げと価格転嫁の好循環を真に実現できるのかという点が、今後の経済正常化への課題として注目されます。

 長期的な見通しとしては、国内の人口漸減による糖質の総需要の減少傾向は、日本食品化工にとって今後の大きな課題となりますが、多様な生活者のより豊かな生活の実現に貢献しうる機能性素材・原材料に対するニーズは益々拡大していくと見られ、カーボンニュートラルに向けた取り組みなど、世界的なサステナビリティに対する意識の高まりにより、企業には持続可能な社会課題の解決とそれを通じた企業価値の向上が期待されていると考えています。

(3) 目標とする経営指標

 日本食品化工主製品の一つである糖化品は、清涼飲料や酒類、食品、調味料などに幅広く使用されており、また、もう一つの主力である澱粉製品は食品用途のみならず、製紙を中心とした一般工業分野においても多く利用されております。日本食品化工では多様化する課題やニーズに応えられる高付加価値製品の提供をソリューション事業、コスト競争力をもった生活必需品の素材提供をプライマリー事業と位置づけ、そこにコーンオイルをはじめとする副産物事業を含め、サステナビリティ経営を事業の根幹とした事業体制にて、更なる企業価値の向上を目指しています。2022年に策定した「中期経営計画2022-24年度(中経2024)」においては、持続可能な社会を築く為の様々な課題解決に資する取り組みや、将来を担う人財育成の推進等を通じて、単年度連結経常利益17±4億円という指標を掲げており、2024年度は、中経2024の最終年度として、日本食品化工を取り巻く事業環境や2023年度の実績を踏まえつつ、連結経常利益17億円を目標として掲げております。また、今期の取り組みとして、資本コストや資本収益性についての現状解析を行い、経営指標としての次期中期経営計画(2025-27年度)への反映を計画しております。

(4) 中長期的な会社の経営戦略

 前述の経営環境を踏まえ、日本食品化工は“多様なWell-beingのために”というコーポレートメッセージを念頭に、2030年のあるべき姿を定めた「長期経営ビジョンNSK2030」の実現に向けて邁進いたします。同ビジョンでは、2022-24年度の3カ年事業計画(中経2024)を体制強化期と位置付けており、ソリューション提供機能の強化、プライマリー事業の収益安定化、経営基盤の整備、を中長期的な事業の基本方針として掲げております。2024年はその最終年度であり、体制強化期として立案・実行した諸施策を仕上げつつ、今後の飛躍に繋がるフレームワークを構築していくことで、同ビジョンにおいて施策展開期として見据えた2025-27年度の次期中期経営計画(中経2027)を描いて参ります。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 生産面では、主原料のとうもろこしを安定調達するため、主要調達先である米国以外の供給先を確保し、また副原料、資材等においては複数購買にて、安定調達に努めてまいります。

 また、日本食品化工が供給可能なさまざまな市場に対し、新機能、新用途を持つ高付加価値製品の開発、拡販を課題とし、加工食品用途向けの各種製品開発に一層注力するとともに、販売面では、食の高度化・多様化に対応すべく、食品・飲料素材に対する技術力を積極的に活用し、お客様に対する提案型営業を推進しております。積極的に推進を図る製品開発においては、未病領域を始めとした健康分野における健康志向製品、低・脱炭素領域での環境配慮型製品を中心に外部との協業も含め推進を図り、お客様にとって付加価値を高める製品提供を継続することに努めてまいります。澱粉関連では、一般工業分野、食品分野さらに医療分野において用途開発の可能性が大きく、今後ともお客様にとって付加価値を高める製品の開発を積極的に行い、対面業界への貢献を期してまいります。

 一方、生活必需品とされる製品においては社会からの信頼に応える安心・安全な供給体制を構築するとともに、環境負荷の低減に努め、お客様に対し新たな価値の提案を図ってまいります。

 グローバル市場に向けた事業展開は、日本食品化工の長期経営ビジョンNSK2030に定めた戦略の一つであるソリューション事業の拡充において極めて重要な位置づけとなります。タイ国の日本食品化工関連会社であるAsia Modified Starch Co., Ltd.(AMSCO)においては、タピオカ加工澱粉製品の生産体制強化や、欧米先進国、及びアジア諸国の経済発展に伴う食の高度化、多様化への対応をより一層推進し、社会課題の解決を提供できる企業としての発展を目指します。また、AMSCO事業以外に関しても、日本食品化工技術力のグローバル市場への展開を図るべく、日本食品化工製品、技術の海外展開を視野に入れたビジネスチャンスの探求に注力しており、それらの取り組みに資する人材育成も日本食品化工の課題としております。

 引き続き製品の安心・安全な生産と供給体制の強化を図り、お客様のニーズにお応えできる確固たる体制を築いてまいります。

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において日本食品化工が判断したものであります。

(1)原材料価格及び調達について

 日本食品化工は、原料とうもろこしを主として米国から輸入しておりますが、その価格はシカゴ穀物相場により変動し、為替相場、及び海上輸送運賃等の変動により調達諸費用は変動します。また工場のボイラー用燃料に重油、及び原油価格と連動性の高い都市ガスを使用しておりますが、原油価格の高騰は生産コストの上昇要因となります。原料、副原料、資材、燃料価格の上昇、並びに為替による変動分を製品販売価格に転嫁できない場合は、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これら穀物、為替の市場リスクに対しましては、日本食品化工は市場リスク管理規程に基づき投機的な取引を行わず、各種ヘッジ等の措置で変動の影響を低減しております。

 原料とうもろこしや重油等の輸入原燃料におきましては、輸出国の国政状況や自然災害等により適切に調達できない場合、また国内調達の資材等におきましては自然災害等により適切に調達できない場合には、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、BCPの観点から複数の原料、燃料、資材の供給先を確保しております。

 また輸入されるとうもろこしは食品衛生法等により輸入時に様々な検査が行われ、輸出国に対し日本の輸入基準を満たした品質を求めていますが、国や行政が規定している品質のとうもろこしを輸入できない場合には、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。これらの調達リスクに対しましては、輸出国、及び輸出国の積み出し港の選別、変更で対応しております。

(2)法的規制等について

 日本食品化工は、原料とうもろこしの輸入及び糖化品部門の主要製品である異性化糖の製造、販売にあたり、国内産いも澱粉、国内産砂糖の事業及び生産者の保護を目的とした法令の適用を受けております。2024年4月1日以降においては、農林水産省の政策方針に基づく異性化糖調整金制度の運用見直しにより、異性化糖調整金がより発生しやすくなる環境となりました。発生する異性化糖調整金につきましては、お取引先様からのご理解の下で販売価格への反映に努めておりますが、適切な反映が実現できない場合には、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。また、異性化糖調整金として負担する財源の適正化を図るよう、農林水産省に対して制度運用に関する要望の発信に努めております。

(3)コンプライアンス・ガバナンスについて

 日本食品化工は食品素材、工業用素材及び医薬品原料と社会生活に不可欠な様々な製品を製造・販売しており、その事業活動において会社法、税法、食品安全基本法、医薬品医療機器等法、独占禁止法など多くの法令・規制の対象となっております。これらの法令・規制を始めとした求められるコンプライアンス・ガバナンスを十分に実現できない場合、社会的信用が低下し日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

 これらの法令・規制を遵守するため、日本食品化工では「日食行動指針」において「公明正大を旨とする」ことを定め、日本食品化工役職員が遵守すべき「役職員行動規範」を制定するとともに、コンプライアンス委員会及びリスク管理委員会を設置し、コンプライアンス委員会においてコンプライアンス体制の周知徹底及び体制の整備、リスク管理委員会においてリスクマネジメントを行っております。

 このような取り組みにおいてもコンプライアンス・ガバナンス上のリスクを排除することはできず、2022年には元社員が約10年間にわたり会社の資金を横領する不正行為が発覚しました。それを受け、日本食品化工は調査委員会を設置し不正行為が起こりえた原因を調査するとともに社長を委員長とする社内不祥事再発防止委員会を設置し、①内部統制の強化、②内部通報制度の信頼向上、③組織風土の改善、④不正を予防・早期発見する体制の構築 に関する施策を実行し、再発防止に取り組んでおります。

(4)自然災害による影響

 日本食品化工は、主要な生産拠点を東海地区(静岡県富士市)に有しております。地震等による被害を抑えるために補強工事等対策を施しておりますが、この地域において大規模な地震等の災害が発生した場合、その程度によっては工場の生産設備や操業に重大な支障を来たすとともに、その復旧に多額の費用が生じ、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

(5)市場における競合の状況について

 日本食品化工は、食品業界及び製紙業界等に澱粉及びその加工製品を販売しております。経済活動の正常化が進む中、世界的に穀物需給が回復傾向にありますが、依然として天候不順やウクライナ情勢、中東情勢といった地政学リスクの高まり等により、穀物相場の上昇懸念が収まりをみせておりません。また、パナマ運河の水位低下による物流停滞も原料調達におけるリスクとして懸念されております。一方、国内においては、物流2024年問題により、生産拠点から遠隔地への輸送に影響が出る可能性があり、更には異性化糖調整金負担といったコスト上昇が業績に影響を与える可能性があります。競合他社の競争においても、シェア確保を前提とした今後の動向が予測困難な状況が続いており、原料相場動向に合致しない過剰な価格下落が懸念されます。経済活動が再開されたことを受け、人流回復による外出機会増加と外食産業の営業時間延長等、国内市場での日本食品化工製品に対する需要増が期待されますが、今後の競合製品の輸入動向、さらには国内市場の動向によっては、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

(6)物流2024年問題について

 日本食品化工は、東海地区(静岡県富士市)及び中国地区(岡山県倉敷市)の東西2拠点で製品を製造しており、主要消費地への製品輸送距離の面では比較的有利な立地条件となっております。しかしながら、物流2024年問題によりドライバーの拘束時間が更に厳格化される中、様々な見直しが必要であり、場合によっては、安定的な配送の維持が困難となる、大幅なコストアップに繋がる等の可能性もあり、日本食品化工の業績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。それらを可能な限り回避するため、物流業者との日々の情報交換及び課題解決に向けた施策の検討および実施に努めております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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