ヤマイチ・ユニハイムエステート(2984)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業などのリスク


ヤマイチ・ユニハイムエステート(2984)の株価チャート ヤマイチ・ユニハイムエステート(2984)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループはヤマイチ・ユニハイムエステート及び連結子会社(株式会社ウェルネス・コート、ニューライフサービス株式会社、株式会社エルアンドビー、富士物産株式会社、株式会社日清ハウス)の計6社で構成されており、不動産開発を通じて、土地の価値が最大限に発揮される可能性を追求する事業に取り組んでおります。特に地権者調整が複雑な素地(宅地開発が必要な農地等)からの開発プロジェクトの経験値と、自社において用地取得から宅地造成そして売却又は長期保有までフルラインでカバーしている点をコア・コンピタンスと位置付けております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの不動産開発は「土地を起点とした発想」でプロジェクトを構築し、中長期的なキャッシュ・フローが最大化する出口戦略に基づいて事業を推進するため、年度ごとに各セグメントの業績への寄与率が変動する特徴があります。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、開発した不動産の用途と収益形態に応じて、①商業施設や共同住宅等の賃貸用不動産の保有により賃料収入を得る「不動産開発・賃貸事業」、②住宅用地や産業用地の分譲販売、戸建並びに店舗事務所の建築を行う「不動産開発・販売事業」、③マンションの企画開発、分譲販売並びに管理業を行う「マンション事業」、④高齢者向けサービス事業等を行う「その他の事業」の4事業に区分して展開しております。

 2022年11月に子会社化したニューライフサービス株式会社は、分譲マンション管理のノウハウを有しており、今後はヤマイチ・ユニハイムエステートが企画販売した分譲マンションの管理業務を通じて顧客との長期リレーションを構築し、将来的な住み替え需要やリフォーム需要といったストック関連ビジネスに進出いたします。

 2023年1月に子会社化した株式会社エルアンドビーは埼玉県を中心とした店舗開発事業を得意としており、ヤマイチ・ユニハイムエステートの素地からの開発力と高い親和性のあるビジネスを展開しております。人口増加が続く埼玉エリアは市場として魅力的であり、ヤマイチ・ユニハイムエステートの強みを活かし安定収益の拡大を図ってまいります。

 2024年2月に子会社化した富士物産株式会社は千葉県市川市を中心に賃貸不動産を所有しており、前オーナーからヤマイチ・ユニハイムエステートが賃貸事業を承継しました。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの中で資産を整理し、一部の不動産については売却を実施し、その他は長期保有により安定収益源として活用する計画であり、富士物産株式会社として行う新たな事業展開の予定はありません。

 

 なお、各セグメントにおける主要な関係会社の名称等は「4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。

 

(1)不動産開発・賃貸事業

 当該事業は、主に賃貸用不動産の開発・取得及び賃貸を行う事業であり、各不動産が生み出す長期的なキャッシュ・フローを投資判断の指標としています。特定の用途に偏らない分散投資を行うことを基本とし、共同住宅、商業施設、オフィスビル及び駐車場等を保有しております。開発エリアは、近畿圏を中心に展開しており、近年は東海エリア及び首都圏にも進出しております。

 事業スキームとしては、一般的な不動産の自社保有に加えて、複数の土地所有者から土地を賃借し、一団の土地としてテナント企業に転貸する形態も扱っております。長期保有による安定収益源の確保を基本方針としつつも、周辺地域の趨勢を総合的に勘案し、分譲事業へと切り替えて売却益を得るなど、不動産(=プロジェクト)単位の収益性に基づき柔軟かつ果断な経営判断を行ってまいります。

 

(2)不動産開発・販売事業

 当該事業は、主に住宅用地の開発・販売や企業向けの産業用地の開発・販売を行っており、また、住宅用地の分譲販売と併せて戸建住宅の一般建築請負を行っております。子会社の株式会社エルアンドビーでは、テナントのオーダーに基づいた店舗建築を行っており、店舗開発事業の拡大を図っております。

 住宅用地の分譲販売は、主に和歌山県と兵庫県において展開しており、各地域の特性や顧客層に応じた分譲地のプランニングや価格設定を行っております。戸建建築については木造軸組み工法(注1)と2×6工法(注2)を取り扱っており、幅広い顧客ニーズと価格帯に対応できる商品ラインナップを有しております。

 産業用地の販売は、倉庫、物流拠点や工場等の用途に適した条件を満たす用地の取得・開発を行い、自社又は仲介業者を介した販売活動を行っております。

(注1)柱(縦の構造材)に梁(横の構造材)などの軸組みで支える工法のこと。

(注2)フレーム状に組まれた木材の骨組みに合板を打ちつけたものパネル化し、それらを壁・床・天井に使う枠組壁工法の一種。

 

(3)マンション事業

 当該事業は、主にファミリー層向け分譲マンションの企画開発及び分譲販売を行う事業であり、一次取得者を主要顧客層としております。

 自社ブランドとしてミドル~アッパークラスをターゲットとした「ユニハイム」及びハイエンドブランドである「ユニハイムエクシア」を中心として展開しており、またヤマイチ・ユニハイムエステートブランドの「Only-I」という内装のオーダー対応オプションによる他社との差別化を図っております。近年は、都市型のコンパクトタイプのマンションブランド「アウラ」を立ち上げ、新たなブランドの柱として実績を積み上げていく方針であります。

 また、一般顧客ではなく、投資家や事業者に販売するためのマンション開発事業も開始しており、新たな収益獲得を目指してまいります。

 

(4)その他の事業

 当該事業は、シニア向けマンションの賃貸・分譲・管理運営、訪問介護や居宅介護支援サービス、和食飲食店の運営及び温泉施設運営等により構成されております。また、ヤマイチ・ユニハイムエステートの不動産関連ビジネスに付随して、損害保険代理店業、ヤマイチ・ユニハイムエステート保有地の太陽光発電による売電事業による収益が含まれております。

 

[事業系統図]

 事業の系統図は次のとおりです。

ヤマイチ・ユニハイムエステートグループ

(YUEG)

 


有価証券報告書(-0001年11月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてヤマイチ・ユニハイムエステートグループが判断したものであります。

 

(1)企業理念と経営の基本的な方針

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、不動産事業を通じた「街づくり」と「地域活性化」を使命と考え、「人々が"安心"して住める街づくり」・「人々が"快適"に暮らせる街づくり」・「人々が"満足"する街づくり」を通して、地域の発展とそこに住む人々の幸せを追求することを企業理念に掲げております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、事業用不動産の取得(入口)~開発(商品化)~販売・賃貸(出口)までを縦断的にフルラインで扱う少数精鋭の専門集団としての特徴を基盤とし、不動産業の一部領域に特化するのではなく、社会構造の変化、経済の動向、国策の転換等に応じて、柔軟に経営資源の選択と集中を行い、長期にわたり安定的成長を続けていくことを目指しております。ユニハイムエステート株式会社との合併統合プロセスを通して経営管理体制や事業推進体制を強化し、さらなる発展に繋げていく方針です。

 

(2)経営環境

 長期化した新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、依然として日本経済全体の先行きは不透明であります。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの属する不動産市場に関しては、インバウンド需要の消失や経済活動の制限により、市況の急激な悪化が懸念されましたが、各種経済対策や継続的な低金利環境により、不動産需要自体は底堅く推移していると認識しております。しかしながら、今般の感染症拡大が社会構造の変化を加速させ、不動産需要の「質」については、大きく変容していくものと考えております。

 居住用不動産については、リモートワークや在宅勤務など、働き方の多様化が進むにつれ、人びとの居住地選択や住環境に対する価値観が大きく変わっていくと予想され、また、人口減少下において、都市中心部及びその郊外にある交通利便性や生活環境の優れた地域と、衰退傾向にある地域との間で、需要格差が拡大することが考えられます。

 法人向け不動産に関しても、社会や産業構造の変化に伴う新たなニーズの高まりがみられ、例えば、eコマース市場の拡大による物流施設や倉庫用地の開発や、社会のデジタル化の浸透に伴うデータセンターの開発等については、今後の有望な成長分野であると予想されます。

 

(3)経営戦略

 上記のような経営環境の過渡期においては、将来性のある優良地の見極めと、土地の新たな価値を創造する力がこれまで以上に重要であると考えております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、土地の価値に対する分析力とその価値を最大限に引き出す企画構成力を活かし、社会経済情勢やニーズの変化に即応する付加価値の高い不動産を提供してまいります。特に、素地からの不動産開発については、土地ごとの個別性が高く、また、専門的知識と豊富な経験値が要求されることから、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの独自性の高いアプローチとして、エリアや規模を問わず競争力を発揮できるものと考えており、このノウハウを活用して、近畿圏でのプレゼンスを高めると共に、首都圏へと営業エリアを拡大し、成長を加速させていきたいと考えております。

 

 事業ごとの具体的な施策は以下のとおりです。

 

① 不動産開発・賃貸事業

 当事業では、長期保有による安定した賃貸収益の獲得を目指しており、継続的に賃貸用不動産の保有数の積上げを進めております。賃貸用不動産の取得は、次の通り大別されますが、いずれも保有期間のキャッシュ・フローを投資の判断材料としております。

 

a)既存賃貸用不動産の取得

 これまでヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは、不動産の「目利き力」を活かして、高い収益性が見込まれる賃貸用不動産を取得してまいりました。過去のバブル崩壊やリーマンショックなどの経済的混乱が生じた際には、様々な理由で手放される「割安」な不動産を積極的に取得し、成長の糧としてまいりました。取得した不動産については長期保有を原則とし、設備更新やテナント管理、入居促進等によるバリューアップを図ることで安定的収益を獲得しているものと考えております。近年は、低金利環境等により収益不動産の市場価格が上昇したことを受け、含み益の大きな保有不動産については売却を実施し、手元資金を厚くすることで、新たな優良不動産取得を獲得する方針であります。

 

b)新規賃貸用不動産の自社開発

 戸建分譲地開発のノウハウを応用し、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは2008年から郊外型の商業地開発に取組んでおります。具体的には、ロードサイド商業施設の敷地となる土地を素地の状態で取得(又は一団の土地として借上げ)して開発を行い、当該地について、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループが貸主となる事業用定期借地権(土地の用途が事業用に限定され、契約期間が10年から50年未満とされている借地権)を活用することで、長期にわたり安定収益を獲得するスキームに注力してまいりました。こうした素地からの開発には、既存不動産の取得に比べて許認可の取得や地権者との折衝といった一定のリスク等がある反面、素地価格での取得や開発業務の分離発注等を通じて原価を抑制することが期待でき、収益性を高めることができる特徴があると考えております。また、開発行為に一定の期間を要するものの、計画の初期段階で借主となるテナントの誘致活動を行い、借主が内定した時点で開発作業を本格推進することができることから、在庫リスクを低減することが可能であります。引き続き、新規賃貸用不動産の自社開発に積極的に取り組んでまいります。

 

② 不動産開発・販売事業

 当事業では、戸建分譲地の開発・販売と、住宅以外の用途として産業用地(倉庫や工場用地などの事業活動に供する土地)の開発・販売を行っております。

 

a)戸建分譲地

 国土交通省令和3年度「住宅経済関連データ」において示されるように、人口減少下においても継続的に総世帯数及び住宅総数は増加しており、住宅需要に関して当面の間は堅調に推移するものと予想しております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの住宅営業の拠点の一つである和歌山県は、持ち家住宅率が73.0%と、全国平均の61.2%や東京都の45.0%、大阪府の54.7%、兵庫県の64.8%に対して高水準であり(総務省 「平成30年住宅・土地統計調査」の「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」)、比較的持ち家志向の高い地域として今後も一定の需要が見込まれます。

 また、立地環境の優れた住宅地を開発することに加えて、「建物部分」の付加価値向上や市場細分化によるきめ細やかな価格及び仕様グレードの設定が重要であると考えております。そこで、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは和歌山エリアの地元ビルダーが一般的に採用している木造軸組み工法による標準ランクの商品企画に加えて、株式会社LIXIL住宅研究所が展開する「GLホーム」のFC加盟店として、木造枠組壁工法の一種である2×6工法による高気密・高断熱を謳った災害に強い商品づくりや欧米風デザインの採用による他社商品との差別化を推進しております。

 さらなる成長の機会を求め、2015年より近畿圏を中心として新たな住宅地開発に取り組んでおり、2019年には「夙川St Terrace秀麗の丘」(兵庫県西宮市における総72区画の住宅用地分譲プロジェクト。以下「夙川プロジェクト」という。)が完成し、販売活動を進めております。現在は、夙川プロジェクトの後続となる50区画以上の新規住宅地開発を進めており、成長戦略の重要な柱と位置付けております。

 

b)産業用地

 近年多発する自然災害等に対する企業の危機管理の観点から、産業用地の移転や分散などの需要が高まるものと考えられます。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループではこうした需要に応えるべく、新たな取組みとして、企業をターゲットとした産業用地の開発・販売を進めており、2019年に和歌山県和歌山市吐前にて産業用分譲地を完成させ、現在販売活動を行っています。

 現在は後続案件の開発許可の取得を進めているところです。

 

③ マンション事業

 ユニハイムエステート株式会社(2021年3月に吸収合併)は、ヤマイチ・ユニハイムエステートが2016年3月に子会社化する以前から50年以上にわたり累計16,000戸以上(旧社名での販売実績及び共同事業分の事業比率に応じた販売実績を含む。)のマンション販売を継続してきました。

 当事業では、この実績とブランド力を活用し、今後も大阪市中心部をはじめ、交通利便性の高いマンション適地を積極的に取得し、マンション供給数を着実に拡大していく方針です。また、これまで外部委託していた販売業務の一部を内製化することで収益力の向上と販売ノウハウの充実を図っております。

 今後、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの賃貸用不動産運用のノウハウと、分譲マンション事業を主力としてきたユニハイムエステート株式会社(2021年3月ヤマイチ・ユニハイムエステートに吸収合併)のリソースを活用した新たなビジネスモデルを推進し、合併のシナジー効果を創出してまいります。具体的には、中古マンションを一棟購入し数年程度運用した後、リノベーションを実施して分譲販売する案件や、マンション適地である不動産を取得して一定期間運用し、解体更地化を実施して分譲マンションに用途変更する案件等を手掛けております。一定期間、賃料収益獲得の目的で運用している間に、減価償却が進み、さらに分譲事業化のタイミングをコントロールすることで、他社物件との販売競争を回避し、適切な販売価格の設定と利益率の確保が可能であると考えております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、不動産開発を基礎とした事業展開を行っており、不動産の仕入から販売に至るまでをフルラインでカバーすることで高い収益性を達成することを目指しており、目標達成状況を判断する材料として、自己資本当期純利益率(ROE)を客観的な指標としております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 経営管理体制の継続的な強化

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは2021年3月に経営管理体制の強化のために子会社のユニハイムエステート株式会社を吸収合併し、人員配置や業務分掌の見直し、意思決定の効率化等の構造改革を実施しました。新体制の下で、今後のさらなる成長のために、コンプライアンスの認識や内部統制の継続的な充実が必要であると考えております。そのためヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、引き続き経営管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

② 優秀な人材の確保

 不動産のワンストップサービスを向上させるためには、優秀な人材の確保が必要であると考えております。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは、不動産に関する幅広い知識と高い専門性を養うために、採用した人材について配置転換や部署横断的なキャリアプロセスを通じて、モチベーションの持続を図るとともにマルチスキルを有する人材としての育成を進めております。また、企業成長を促進するために、従来の人材育成プロセスを継続する一方で、即戦力となる経験豊富な人材も獲得し、営業エリアの拡大や新たなビジネス領域への進出を進めてまいります。

 

③ マンション事業の関連ビジネスへの進出

 マンション事業において、販売後の顧客との繋がりを強化し、リフォーム需要や住替えニーズに対する積極的な提案が必要と考えております。そこでまずは、分譲マンション管理業へ進出し、販売後も顧客との接点を継続することで新たなビジネスチャンスに繋げてまいります。併せて、累計16,000戸以上ある過去の顧客情報を分析し、リフォームや住替えに伴う中古マンションの買取再販等の営業体制を構築してまいります。

 

④ 再開発用地の取得

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループのビジネスモデルは優良な土地の仕入れが重要であると認識しており、いかに取得価格を抑制するかが課題となります。直ちに利用可能な完成宅地の取得は競合が多く、価格が上昇する傾向にあることから、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの素地からの開発力とフルラインの強みを活かし、様々な理由で過小評価されている土地や現況では利用が限定される土地をできるだけ安価で取得し、隣地の買い増しや権利関係の整理あるいは既存建物の建替え等を通じて土地の価値を再生・バリューアップする再開発ビジネスを推進してまいります。

 

⑤ 営業エリアの拡大

 さらなる企業成長のためには、近畿圏だけでなく、より大きなマーケットである首都圏での営業展開が必要と考えております。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは、2017年に東京都小平市にて土地の取得・開発を行い商業用地として賃貸しております。また、2020年から東京事務所を中心に不動産取得に向けた活動を開始しており、2021年12月には埼玉県所沢市にて収益不動産(共同住宅)を取得しました。

 当面は、ヤマイチ・ユニハイムエステートの機動力が活かせる規模の不動産(東京駅から10km~30km圏にある不動産で、数億円程度の取得額)の開発案件に取り組んでまいります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてヤマイチ・ユニハイムエステートグループが判断したものであります。

 

(1)社会経済情勢の変動について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業は、景気、個人消費、金利、地価・不動産需要、各種税制及び補助制度等の動向により影響を受けます。景気の急速な悪化や個人消費の冷え込み、大幅な金利上昇、不動産需給の悪化、住宅税制の変更等が生じた場合、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 著しい販売不振が生じた場合には、販売促進のための費用増加や値引施策の実施等により採算悪化が生じるリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)土地の仕入について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業は、賃貸又は分譲販売に用いる優良な土地を取得することが重要であり、取引事業者や金融機関等からの情報に基づき、不動産毎の立地、周辺環境、価格、顧客ニーズ等を踏まえた事業化・商品化を検討し、収益性等を考慮の上で新規取得を行っております。

 今後において、良質な不動産情報入手が困難となる場合や地価上昇その他の要因により収益性確保が可能な不動産が減少した場合及び、その他何らかの要因により取得が困難となった場合、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業展開の制約要因となり、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料・資材価格等の変動について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業展開においては、戸建建築及びマンション等の建築において、木材・鉄材・セメント等の各種原材料・資材等を使用しております。それらの仕入価格は市場価格の変動により影響を受けており、今後において、原材料市況や需給、為替等の変動により仕入価格が高騰した場合、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 特に、海外での新築住宅需要の急増や商流の変動により、新築住宅建築に必要な材木価格が上昇傾向にあります。仕様見直しや代替品確保等による企業努力で吸収できないコスト増分については、建築請負による販売利益の圧縮や営業計画の変更が必要となる可能性があります。

 

(4)外注企業の活用について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの各事業においては、開発用地のプランニング、開発許可申請、造成工事にかかる設計施工等について外注企業を活用しております。また、「不動産開発・販売事業」においては、戸建建築等に際して、自社にて設計業務及び管理者(監理技術者・主任技術者)配置による施工管理業務を行うほか、施工工事等は外注企業を活用しており、「マンション事業」においては、設計から施工までの各工程について外注により対応しております。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業運営において、外注活用の重要性は高いことから、外注企業の確保及び育成に努めております。

 今後の事業展開において、外注企業にかかる十分なリソース確保が困難となった場合には、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業拡大の制約要因となる可能性があるほか、外注企業の経営不振や請負契約の不履行、設計・施工上の不具合の発生やその他予期せぬ事象が発生した場合には、工事等の中断又は大幅な遅延、建設コストの上昇等により、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)契約不適合について

 戸建建築及び分譲マンションについては、宅地建物取引業法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づき、売主に対して物件引渡後10年間にかかる契約不適合責任が課せられております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、開発、分譲及び販売等を行う不動産にかかる品質管理を徹底しており、土壌汚染、使用建材、耐火・耐震性能及び施工品質等について、自社及び第三者機関の検査等を含むチェック体制を構築しております。

 今後において、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループが供給する不動産について、販売・引渡し後に上記事項を含む何らかの契約不適合が判明した場合、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループに対する信頼性低下や損害賠償請求の発生等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)賃貸用不動産にかかる稼働率について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループが展開する不動産賃貸においては、商業施設やオフィスビルにおける主要テナント企業の出店戦略変更等に伴う退去や、入居者獲得競争の激化等により、賃貸用不動産にかかる稼働率に低下が生じる可能性があります。また、代替テナント等の確保のため賃料引下げが必要となる場合もあり、これらの要因による収益性低下がヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)大型開発案件について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、着手から販売まで数年単位の期間を要する不動産開発を事業の軸としています。

 大規模開発には、用地取得等にかかる多額の投資が必要であるほか、開発許可取得、各種関係者の調整や工事等の多くの業務プロセスが必要であります。開発に際し、近隣住民等の反対運動が発生し結果としてプロジェクトの中止や遅延が発生する可能性があるほか、必要とされる許認可の取得や関係者の調整ができない場合は、事業が中止となるリスクを有しております。

 

(8)エリア展開について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの営業地域は、和歌山県を中心とした近畿エリアに集中しております。当該地域において、地域経済の悪化や人口動態に変化が生じた場合又は台風や地震等の大規模災害による影響が発生した場合には、当該エリアにおける不動産市況等に影響が生じ、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、当該地域を中心として事業エリア拡大を推進していく方針でありますが、新たな営業エリアにおける競合や事業実績が限定的であること等に起因して、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの想定する事業拡大が実現出来ない可能性があり、営業拠点分散に伴う業務効率の悪化等により、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人材の確保について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業は、専門的な知識及び経験に加えて、不動産取引に係るソリューション提供や調整能力、高いコミュニケーション能力を有する人材が重要な要素であります。

 今後における事業拡大を図るため、優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えておりますが、これらが計画通り進まない場合又は現在在籍する人材の流出が生じた場合には、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業展開に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法的規制について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業である不動産・建設・介護・飲食・温泉等に関する事業活動において、「宅地建物取引業法」、「建設業法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「国土利用計画法」、「借地借家法」等の法的規制を受けており、特に「宅地建物取引業法」に関してはヤマイチ・ユニハイムエステートの主要な事業活動の前提となっております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、法令遵守に留意した事業展開を行っており、現時点において当該許認可が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後において何らかの理由により、当該許認可が取消される又はこれらの更新が認められない場合には、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業活動に支障をきたすとともに、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 また、将来において、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業に関連する法規制等が改廃された場合や新たな法規制等が設けられた場合には、事業展開において制約要因となる可能性があります。

 

 

(11)個人情報の管理について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、事業活動において顧客等の個人情報を取得しており、また、各種契約に際してはその性質上プライバシー性の高い情報を扱っております。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、個人情報の取り扱いにかかる社内規程及びマニュアルの整備及び運用を実施すること等により厳正な管理を行っておりますが、不測の事態により情報漏洩が発生した場合、信用低下や企業イメージの毀損、また損害賠償請求等により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)不動産の引渡時期等による業績の変動について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの「不動産開発・販売事業」及び「マンション事業」においては、不動産売買契約後において顧客に対する引渡をもって売上を計上する引渡基準を採用しております。

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの四半期業績は、不動産引渡しのタイミングにより売上及び利益が変動しており、大型開発案件の有無や各不動産の完成・引渡しの時期により大きく依存しております。当該要因から、四半期ごとの業績については、必ずしも他の四半期業績と同水準にはならず、また、各四半期業績の偏重度合は過年度のそれと同様にならない可能性があります。

 また、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの計画に対して、販売活動や建築工事の遅延等に起因して、引渡時期が各決算期末を超える可能性があり、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの通期経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、完成・引渡し不動産の取得価額や販売価格の高低等により業績が変動する場合、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの通期経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)有利子負債について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループは、販売用不動産及び賃貸用不動産にかかる不動産取得資金について、主に金融機関借入により賄っております。また、事業成長を目的としてこれら投資を継続していることから、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの連結総資産額に占める有利子負債の割合は、当連結会計年度末時点で59.9%(前期61.0%)となっております。

 当該状況から、今後、金利の急激な上昇が発生した場合には、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、金融情勢の急速な変動等の何らかの理由により将来における十分な資金調達が困難となる場合には、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)保有資産の減損について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの保有資産について、棚卸資産においては販売用不動産(仕掛含む)が、固定資産においては賃貸用不動産が、それぞれ多くを占めております。不動産市況の著しい悪化等によりこれら棚卸資産及び固定資産の価値が下落した場合、評価損の計上や減損処理が適用され、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)訴訟等について

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの事業においては、不動産売買や賃貸借、土地開発、設計施工その他の各種取引、飲食や介護等にかかる各種サービス提供について、予期せぬトラブルや問題が生じるリスクがあり、その要因がヤマイチ・ユニハイムエステートグループに起因するか否かに拘らず、紛争等が発生する可能性があります。また、紛争等に対する対応が不適当であった場合等には、風評を含めた信頼性低下や訴訟に発展する可能性があり、場合によっては多額の費用負担が生じる可能性がある等、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)大株主に関するリスク

 2023年9月8日付で、ヤマイチ・ユニハイムエステートの代表取締役である山田茂が自己の名義で保有するヤマイチ・ユニハイムエステート株式2,500,000株をヤマイチ・ユニハイムエステート専務取締役の山田裕之が取締役を兼任するYs' Assortment株式会社(以下「同社」といいます。)に交付することによる主要株主の異動等があり、2024年3月末時点で同社が発行済株式総数の55.66%を保有しております。同社は引き続き安定株主として一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針ですが、将来的に何らかの事情により同社のヤマイチ・ユニハイムエステート株式が売却され議決権比率が低下した場合、ヤマイチ・ユニハイムエステート株式の市場価格及び議決権の行使に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)M&Aに関するリスク

 ヤマイチ・ユニハイムエステートグループでは、事業領域の拡大や新たな収益獲得のためにM&Aを実施する場合があります。ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経常的なビジネスモデルと異なり、投資先の探索については、対象企業ごとに状況が大きく異なり、安定的に優良案件を獲得できるとは限りません。また、M&A実施時に発生する一時的なコストにより、業績が悪化する可能性があります。また、想定した事業計画が予定通り進捗しない場合は、のれんの減損処理等によりヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)開発期間の遅延に関するリスク

 働き方改革関連法案の建設業界への規制適用により、2024年4月から建設現場の稼働可能日数がこれまでに比べて減少し、結果として全体の工期が長引く可能性があります。協力業者と密な連携を行い、工事計画の見直しや効率化を進め、回収サイクルが遅延しないような対策を講じてまいりますが、建物竣工時期が遅延することとなった場合は、売上計上時期等が計画から遅れ、ヤマイチ・ユニハイムエステートグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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