クラシルグループは、「BE THE SUN(世界に明るく大きなインパクトを与える存在になる)」を企業としてのビジョンに掲げ、広く人々の支えになるサービスを生み出す会社になることで、そのビジョンを実現していきたいと考えております。
クラシルグループはプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、複数のプロダクト・サービスを展開しており、具体的なサービスとしては、「クラシル」、「レシチャレ」(旧クラシルリワード)、「TRILL」(トリル)、「LIVEwith」(ライブウィズ)があります。
クラシル
「クラシル」ではユーザー向けサービスとして、料理のレシピや調理工程を写真や文章によってユーザーが投稿する従来のレシピサービスとは異なり、調理工程を短時間でわかりやすい動画にまとめて紹介する「かんたんにおいしく作れるレシピ」動画コンテンツを中心に25万件以上(2026年5月現在)提供する、国内最大級の「レシピ動画サービス」を提供しております。
「クラシル」の動画コンテンツはWebやiOS/Androidアプリに限らず、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)であるYouTubeやInstagram、X(旧Twitter)やLINEなど様々なプラットフォームに配信されています。2026年5月現在、アプリの累計ダウンロード数は4,500万超、SNSのフォロワー数の合計は1,200万となっております。
「クラシル」の動画コンテンツには、社内の管理栄養士が監修することで、ユーザーが安心して調理し、食べることができるレシピの提供をする内製動画と、ユーザー自身が料理のレシピやテクニック・コツを15-60秒のショート動画にまとめ、「クラシル」のアプリ上で配信するUGC(User Generated Contents)と呼ばれるユーザーが生成する「クラシルショート」と呼ばれる動画コンテンツが存在しており、現在UGCの投稿数が増加傾向にあります。
レシチャレ
「レシチャレ」では、ユーザーが「歩く」、「チラシを見る」、「店舗を訪れる(移動する)」、「買い物をする」等の普段の行動を通して、他社ポイントやデジタルギフト、電子マネーなどに交換可能なコインを貯めることができるサービスをWeb及びiOS/Androidアプリで提供しております。移動距離や特売情報(チラシ)の閲覧数、お買い物後のレシートの送信数、特定の商品購入やサービス申込に応じてアプリ内のコインを獲得し、貯めたコインは他社ポイントやデジタルギフト、電子マネーなどと交換することができます。
ユーザー層としては、活発に情報を収集し、楽しく賢くお買い物し、スマートフォンを利用する10代〜50代が中心となっております。特に、買い物頻度が高い主婦層を含む女性の比率がやや高く、最近はさらに若年層の増加が見られます。本当に必要なものやライフスタイルに合った商品をお得に購入することを重視するユーザーが多く、気に入った商品をリピート購入する傾向があります。
TRILL(トリル)
「TRILL」(トリル)では、ユーザー向けサービスとして2026年5月現在、およそ250のパートナーと提携し、月間約4万本と幅広く、多岐にわたるジャンルのコンテンツを提供することで、多くのユーザーニーズを満たしています。結果として、美容、ファッション、占い、グルメやトラベル、雑学などの複数ジャンルのコンテンツをタイムリーに提供することができており、20代後半〜50代までと幅広いユーザーからの支持を得ております。
LIVEwith(ライブウィズ)
「LIVEwith」(ライブウィズ)は、クリエイターマネジメントサービスを提供しており、TikTok LIVE、Pococha、IRIAM等のライブ配信プラットフォームにおいてライブ活動を行うライバーの発掘並びにライブ配信プラットフォームにおける活動に際して様々なサポートを提供しております。
マネジメントにおいては、過去10,000名を超えるクリエイターのマネジメントを通じて蓄積されたライバーの成長ノウハウの提供、配信プラットフォーム毎のガイドライン遵守のための研修の実施等を行っております。
事業モデルとしては、ライバーの所属する事務所をパートナーとして指導するパートナーモデル及びクラシル自身が事務所となる自社モデルがあります。
以上のとおり、クラシルは複数のプロダクト・サービスを展開しておりますが、業績評価、経営成績の検討、経営資源配分及びビジネスの成長に関する意思決定は一つの事業セグメントで行っているため、プラットフォーム事業という単一セグメントであります。
一方、料理などのライフスタイルコンテンツを提供する「メディア」、小売企業や食品飲料メーカー等に対して販売促進や集客に関する課題を解決する「購買」、それらに該当しない「その他」の3つの領域に大別し、事業展開をしております。
メディア領域では、クラシルサービス及びクラシルクライアントの商品やサービス等への関心と認知度を高めるようなライフスタイルコンテンツを提供し、企業の広告を掲載することで企業のマーケティングの支援を行っております。それらによって確立した強固なユーザー基盤を起点に、購買領域の事業で、ユーザーへのポイント等の還元を用いた、購買に直接繋がるリワード型マーケティングを行っています。クラシルの主要事業であるメディア領域で培った技術やノウハウ、顧客基盤を購買領域へ低コストで活用することにより、企業の販売促進をより強固に促し、業界の発展に貢献しております。
各領域における主な収益ラインについては以下のとおりです。
1)メディア領域
主にクラシルにおける広告サービスとして、「クラシル」、「レシチャレ」、「TRILL」(トリル)があり、それらのサービスにおける有料課金収益、アドネットワーク広告収益、タイアップ広告収益、掲載収益で構成されております。
<有料課金収益>
クラシルが運営する「クラシル」では、ユーザーは無料で会員登録することができます。
会員登録したユーザーは、レシピ動画に限らず以下の機能を使用することができます。
・絞り込み(検索)機能
食材、メニューだけではなく、ユーザーのニーズに応じたキーワードから該当するレシピを検索できます。
・お気に入り(レシピ保存)機能
気に入ったレシピを、「お気に入り」として保存しておくことができます。
・献立機能
「主菜・副菜・汁物」をそれぞれ選ぶだけでかんたんに献立を作ることができます。
・買い物リスト機能
作った献立に必要な食材を買い物リスト化できる機能です。
月額480円(税込)のプレミアムサービスに加入した有料(プレミアム)会員には、「お気に入り」数の上限解除や有料課金会員様向け限定レシピや人気レシピランキングの閲覧、レシピごとのカロリーや塩分などの表示なども機能として開放されます。
<アドネットワーク広告収益>
「クラシル」、「レシチャレ」及び「TRILL」(トリル)では、WebやiOS/Androidアプリ上で、広告枠の販売によるアドネットワーク広告収益を得ております。
クラシルは、アドネットワーク(注)を通じた広告配信枠の最適化運用により収益性の拡大を目指し、アドネットワーク広告の一部の広告枠ではリーチ規模及び購買意識の高いユーザー層を活かした純広告を販売することで最適な収益構成を実現しています。
(注)アドネットワークとは、複数の広告配信可能な媒体社(Webサイトやアプリ)と、複数の広告主を結びつけ、効果的な広告キャンペーンを実現するプラットフォームを意味します。
<タイアップ広告収益>
「クラシル」及び「TRILL」(トリル)のWebやiOS/Androidアプリ上において、広告主とタイアップしたオリジナル広告を掲載するものであります。
タイアップ広告では、顧客企業は独自のブランドや商品認知を進められるというメリットがあり、「クラシル」では主に食品・飲料ナショナルブランド企業を、「TRILL」(トリル)では消費財企業をターゲットとしております。
<掲載収益>
「クラシル」及び「レシチャレ」において、コンテンツ(チラシ)の出稿主からの申込内容をクラシルの仕様によりインターネットを経由して電子チラシを掲載するものであります。
2)購買領域
購買領域の売上収益は、主に「レシチャレ」(旧クラシルリワード)におけるレシチャレ収益及びアフィリエイト収益で構成されております。また、「クラシルリテールネットワーク」を通じた外部パートナーアプリへの横断配信による収益があります。
<アフィリエイト収益>
デジタル商品やECのプロモーション促進案件を「レシチャレ」のWebやiOS/Androidアプリ上に掲載するものであります。
<レシチャレ収益>
主に食品・飲料ナショナルブランドや小売企業より販売促進の案件を受託し、「レシチャレ」のiOS/Androidアプリ上及び「クラシルリテールネットワーク」を通じた外部パートナーアプリ上に掲載するものであります。ユーザーは掲載された商品を購入したレシートをアプリ上でアップロードし、アンケートの回答等を行うことで、アプリ内でコインを獲得することができます。クラシルは、リテールパートナーである小売企業との提携により購買データを活用した効果的な販促を実現しております。
3)その他領域
その他領域の売上収益は、主にクリエイターマネジメントサービスを提供する「LIVEwith」(ライブウィズ)のライブ配信収益で構成されております。
<ライブ配信収益>
「LIVEwith」(ライブウィズ)において、ライバーが配信プラットフォームにて獲得した収益となります。
パートナーモデルでは、新規ライバーの発掘はクラシル及びパートナー自身の双方が行い、発掘したライバーに適した配信プラットフォームの紹介及び配信における戦略の立案・実行支援についてはパートナーが行い、配信プラットフォームから稼得した収益の一部をパートナー及びライバーに支払います。
自社モデルでは、新規ライバーを発掘、発掘したライバーに適した配信プラットフォームの紹介、配信における戦略の立案・実行支援の全てをクラシルにて行い、配信プラットフォームから稼得した収益の一部をライバーに支払います。
クラシルは、多数のライバーを輩出していることによるプラットフォームとの関係性と、これまでのマネジメント業務の知見の蓄積及び各工程における自動化による効率的な事業運営が可能であることに強みがあります。
事業系統図
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてクラシルが判断したものであり、将来において発生可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。また、発生可能性又は影響度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又はクラシルの事業、業績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。さらに、リスクの発生時期及び発生した場合にクラシルの経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。
クラシルは、これらのリスク発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、クラシル株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
(1)事業環境に由来するリスクについて
① 広告市場動向の変化について
(発生可能性:中、影響度:大)
インターネットメディア事業が対象とするインターネット広告市場は拡大基調にあり、今後も当該市場は拡大を続けていくものと想定されております。
しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向の影響を受けやすく、景気変動等の要因によって企業の広告出稿予算が増減することにより広告出稿予算の変化等の影響を受けることが予想されること、またインターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられること等から、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境においてクラシルは、広告収益以外にも新規事業の立ち上げなどによる収益源の多角化を行うこと等により当該リスクの低減に努めております。
② インターネット関連市場について
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルは、インターネットメディア事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットのさらなる普及が成長のための基本的な条件と考えております。
もっとも、インターネットの利用は日常生活の中でごく当たり前のことにはなってきましたが、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあり、プラットフォーム運営事業者による検索アルゴリズムやシステム等の仕様変更、Cookie規制、インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入及びその他予想しなかった要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
(発生可能性:中、影響度:中)
クラシル主要サービスである「クラシル」、「TRILL」(トリル)、「クラシルリワード」及び「LIVEwith」(ライブウィズ)はそれぞれの分野におけるサービスを運営しております。いずれのサービスにおいても、多数の競合事業者が存在しており、激しい競争関係にあると考えております。さらに、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、クラシルが今後においても優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かについては不確実な面があり、競合他社や競合サービスの影響によりクラシルの競争優位性が低下した場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ Apple Inc.及びGoogle Inc.の動向について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシル事業において提供するスマートフォン向けアプリは、Apple Inc.及びGoogle Inc.のプラットフォーム運営事業者にアプリを提供することが現段階における事業展開の重要な前提条件であります。これらプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 外部のライブ配信プラットフォームへの依存について
(発生可能性:中、影響度:中)
「LIVEwith」(ライブウィズ)事業において、クラシルに所属するライバーがTikTok LIVE、Pococha、IRIAM、17LIVE、BIGO等の外部のライブ配信プラットフォームにおいてライブ活動を行うことによりライブ配信プラットフォームから収益を稼得しております。クラシル所属のライバーの不適切なライブ配信などのクラシル起因の事象や、ライブ配信プラットフォームの業績動向などの外部起因の事象などにより、クラシルとライブ配信プラットフォーム間の契約が解消される又は契約条件に大幅な変更が加えられた場合は、クラシルのレピュテーションが低下し、また、収益の減少を通じてクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、クラシルはライバーごとに適切なライブ配信プラットフォームを推薦する点は前提ではあるものの、特定のライブ配信プラットフォームだけではなく複数のライブ配信プラットフォームとの取引を継続することにより、当該リスクの低減に努めております。加えて、ライブ配信ガイドラインの策定やライバーへのコンプライアンス研修の実施をしており、検知活動としては、定期的なライブ配信のモニタリングやプラットフォームと連携した迅速な違反配信への注意・指導を行なっております。
① 全領域の事業に関連するリスク(システムトラブル)について
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルは、主にインターネットを通じて情報を提供しており、クラシルのシステムやインターネット接続環境の安定は事業を行っていく上で不可欠であります。システムトラブルの発生可能性を低減するため、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できる体制を整えております。
しかしながら、想定を大幅に上回るアクセスの増加等による負荷の拡大や自然災害や事故、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスへの感染、サイバーアタック、不正アクセスなどによる予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害等が起こった場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② メディア(認知)領域の事業について
a. サービスの安全性及び健全性の維持について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルは、「クラシル」サービス内でユーザーが考案したレシピ動画やレシピカードを投稿できる機能や、レシピを参考に料理し飲食した感想を投稿する「たべれぽ」と称する機能を備えております。投稿内容については、ユーザーに裁量があり、「たべれぽ」については好意的な内容だけでなく、批判的あるいは不適切な投稿が行われることもあります。
投稿内容を含むサービスの安全性及び健全性の維持に向けた取り組みとして、クラシルでは以下の対応を行っております。
a)投稿監視システムを導入し、不適切な投稿を他のユーザーからの通報により抽出する仕組みを整備しています。さらに、人力による目視確認を併用し、投稿内容の安全性や健全性を維持するための二重チェック体制を構築しております。
b)特定のリスクに関するチェック体制については、初回投稿時に公序良俗や衛生面に関する確認を行い、2回目以降投稿されたコンテンツもサンプルチェックなどの方式を用いて安全性を監視しています。特に、アレルギーや調理に伴うリスクに対しては、クラシル独自のチェックリストを用いて、健全性の確保に努めております。
これらの取り組みにより、クラシルは投稿動画の安全性及び健全性を常に監視し、維持するための十分な体制を確保しています。
しかしながら、監視体制を強化しているものの、サービス内で不適切な投稿がなされ、それが発見できなかった場合や対応が遅れた場合又は調理方法・食材の取り扱いに関して第三者から指摘を受けた場合には、クラシルの信用が損なわれ、また、サービスとしての魅力が低減し、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b. 広告掲載内容のリスクについて
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルが運営するメディア「クラシル」、「TRILL」(トリル)に掲載される広告は、広告代理店等が内容を精査するとともに、クラシルとしてもクラシル独自の広告掲載基準による確認を実施し、法令違反や公序良俗に反する広告の排除に努めております。
しかしながら、人為的な要因等によりクラシルが掲載した広告に瑕疵があった場合、クラシルの社会的信頼性の毀損により、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 購買(販促)領域の事業について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルのアフィリエイトサービスにおいては、代理店の施策の変更やクラシルのアフィリエイトサービスが陳腐化し同業他社に対するクラシルの競争力が低下すること等により取引が大きく減少するような場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、レシートを送付するとポイントを付与するマストバイ等を提供する「クラシルリワード」においては、消費者にとって適切かつ有益で、関連性のある対象商品を確実に提示するために優先順位付け等を行っておりますが、クラシルのクライアントであるメーカーや小売業者等がクラシルが提供するリワードマーケティングに十分な時間、資金その他のリソースを割けないなどの事情によりクラシルのサービスを有効に活用できない、クラシルがビジネスの急成長に対応できない等により、引き合いが急速に枯渇して対象商品数が減少し、消費者に対する価値が低下する可能性があること等から、クラシルが利用者への還元ポイント数や対象商品数等を増加させることができない場合など、メディア(認知)領域で確立した強固なユーザー基盤を起点としたマストバイ等のデジタルプロモーションがクラシルの想定どおり販促市場において浸透が進まなかった場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
④ その他領域の事業(「LIVEwith」(ライブウィズ)事業)について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルでは所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるようなライブ配信や活動をしないよう指導に努めております。また、そのような事象もしくは兆候を検知するように努めるとともに、実際に発生した場合は、速やかに対処するように努めております。具体的には、未然の防止策としては、ライブ配信ガイドラインの策定やコンプライアンス研修の実施をしており、検知活動としては、定期的なライブ配信のモニタリングやプラットフォームと連携した迅速な違反配信への注意・指導を行なっております。
しかしながら、日々のライブ配信の中で不適切な内容が含まれるライブ配信が行われる等の予期せぬ事象が発生した場合には、クラシルや所属ライバーのレピュテーションの低下や紛争(リスナーとの間のものも含みます)につながる等、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業の立ち上げリスクについて
(発生可能性:中、影響度:小)
クラシルは、業容拡大に向けて新たなサービスの創出を目指しております。現在、地域のスーパーとの提携によるチラシ掲載事業やポイント活用事業、HR領域の新規事業を推進しており、「クラシルリワード」の新たなサービス価値の向上に努めておりますが、これらのサービス以外の新規事業及び新規サービスへの投資を行う可能性もあります。新規事業及び新規サービスにつきましては、予め回収可能性を十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するにはある程度の期間を要する場合があり、その期間において人件費等の先行投資により一時的に利益率が低下する可能性があります。また、想定していた成果を上げることができる保証はなく、撤退を余儀なくされた場合には撤退のためのコストが発生することがあり、結果としてクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ M&Aについて
(発生可能性:中、影響度:中)
クラシルがM&Aを実施した場合、被買収企業との融合又は提携先との関係構築・強化が予定通り進捗しない場合、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合等、投資に要した資金、時間その他の負担に見合った利益を回収できない可能性があり、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラシルでは、会計基準に基づき当該事象に伴い発生した相当額ののれんを貸借対照表に計上することがありますが、事業の展開等が計画通りに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じ、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
① トップマネジメントについて
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルの代表者である堀江裕介は、クラシルの創業者であり、設立以来、最高経営責任者として、事業戦略の立案や実行等、会社運営において重要な役割を果たしております。
クラシルは、同氏に過度な依存をしない経営体制の構築を目指し、人材の育成及び強化を図っておりますが、何らかの理由により、同氏に不測の事態が起こった場合には、現状ではクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 優秀な人材の確保及び育成について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルは、今後想定される業容拡大に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に利用者向けサービスの構築及び運用面においては高度な技術スキルを要する人材が求められることから、サービス構築のために必要な人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があります。
クラシルは、今後の業容拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通りに進まなかった場合には、競争力の低下や業容拡大の制約要因が生じる可能性があり、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルがインターネット上で運営しているプラットフォームにおいては各種法的規制を受けており、具体的には、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「不当景品類及び不当表示防止法」等といった法的規制の対象となっております。また、クラシルは、システム開発やコンテンツ制作等を外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)の適用対象となります。クラシルでは、上記を含む各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
しかしながら、今後インターネット関連事業者を対象とした法的規制の制定又は改正がなされることで、クラシルの業務の一部が制約を受ける場合又は新たな対応を余儀なくされる場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:中、影響度:小)
クラシルは、利用者の登録情報等の個人情報を取得し、利用しているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。
クラシルは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報管理規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにクラシルに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、クラシルが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、クラシルへの損害賠償請求、クラシルの信用の低下等によって、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、本書提出日現在、日本にて「クラシル」、「TRILL」(トリル)等の商標登録を有しております。今後展開を検討している国やサービスを含め、それらの商標、ロゴ等については、原則として、商標権を取得する方針であります。クラシルが保有する知的財産を侵害されるおそれのある場合には、顧問弁護士や弁理士等と連携し、必要な処置を講じてまいります。また、クラシルが商標など知的財産権を取得する場合は、十分な検証を行い、他社の知的財産権を侵害しないよう慎重に対応してまいります。
しかしながら、クラシルのサービスを表す商標を他社が取得した場合又はクラシルによる他社の知的財産権侵害が問題となる場合、訴訟へと発展することも考えられ、その結果、クラシルによる商標の利用が制約されたり、クラシルが損害賠償等の責任を負う場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 有料職業紹介について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、「クラシルジョブ」において、職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて有料職業紹介事業を行っております。クラシルは、法令違反等の未然防止に取組んでおり、本書提出日現在、当該許可等の取消又は事業の停止等となる事由は発生しておりません。
しかしながら、何らかの要因で当該事業許可等の取消し又は事業の停止等を命じられた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 第三者との係争について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。
しかしながら、クラシルの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱やレピュテーションの低下を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果としてクラシルにとって不利な判決が出された場合、クラシルは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様にクラシルにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。したがって、第三者との係争が発生した場合、クラシルの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)親会社グループとの関係について
(発生可能性:中、影響度:小)
① 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権又は重大な影響力を有することについて
クラシルは、LINEヤフー株式会社がクラシル発行済普通株式の過半数(本書提出日現在でクラシルの議決権の50.1%)を所有しており、同社の子会社であります。
同社は、クラシルの株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となるクラシル株式数を継続的に所有する方針です(連結関係を維持するために同社に対する親引けが行われる予定です。これは、現時点でクラシルとLINEヤフー株式会社は、クラシルが非上場会社であり潜在株式の行使条件が達成されていないため潜在株式含む比率ではなく顕在株ベースの比率で連結関係にある一方で、クラシルが取引所に新規上場することにより一部の潜在株式の行使条件が達成されるところ、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用しているLINEヤフー株式会社からすると潜在株ベースの比率で算出する必要があるためです。)。そのため、LINEヤフー株式会社は、クラシルの株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することはできないものの拒否権を有するとともに、株主総会の普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することが可能であることになり、上場後もクラシルに重要な影響を及ぼしうることになります。また、クラシルの経営及びその他事項について、同社の利害は、クラシルの他の株主の利害とは異なる可能性があります。これに対しては、クラシルは社外取締役を2名選任しており、他の株主の利益保護の視点から監督の実効性を確保しております。
同社との良好な関係は、クラシルの事業及び同社とのグループシナジーにとって重要です。何らかの理由により両社の関係が悪化した場合若しくは悪化したと受け取られた場合又はグループシナジーの前提である連結関係が継続されない場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラシルは、「④ 取引関係について」に記載のとおり、LINEヤフー株式会社と取引を行っています。当該取引については、契約条件に従って契約が終了する場合又は両者の合意により契約内容が変更される場合があります。さらに、クラシルはLINEヤフー株式会社のコンテンツプロバイダーの一社でありますが、LINEヤフー株式会社が同社にコンテンツを提供するコンテンツプロバイダーに関して、求めるコンテンツの種類・内容・量等の方針を変更する場合や同社がユーザー・エクスペリエンス観点でメディア面の改変等を行う場合(例えば、コンテンツの掲載場所、掲載順位、コンテンツに関するタブの表示位置等の改変等)があります。このような変更や改変等により、クラシルのコンテンツにも変更や改変等が必要になる場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 親会社グループ内におけるクラシルの位置づけについて
クラシルの最終的な親会社であるソフトバンクグループ株式会社は、持株会社として傘下に多数の関係会社を擁し、持株会社投資事業、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業の4つを報告セグメントとして区分しており、様々な分野・地域で事業活動を行っています。クラシルの直接的な親会社グループであるLINEヤフー株式会社は、ソフトバンクグループ株式会社の「ソフトバンク事業」に属しています。また、クラシルの直接的な親会社グループであるLINEヤフー株式会社は、メディア事業、コマース事業、戦略事業の3つを報告セグメントとして区分しており、クラシルは「メディア事業」に属しております。
クラシルは、「メディア事業」領域の中で「クラシル」、「TRILL」(トリル)及び「クラシルリワード」など複数のサービスを展開し、広告収入やアフィリエイト収入などを得ております。様々な事業領域において多岐にわたる事業を展開している親会社グループ内において、サービスのコンセプトやターゲットなどの観点で違いはあるものの、広義には類似性を有する事業を営む会社が複数存在しております。しかし、これまで直接的な親会社であるLINEヤフー株式会社から一方的な事業調整や制約等を受けた事実はなく、クラシルは親会社グループから独立性を確保して経営及び事業を行っております。直接的な親会社を含む親会社グループは新たな事業や投資の検討を日々行っていることから、クラシルと類似性を有する事業を営む親会社グループ内の会社が増減する可能性がありますが、ソフトバンクグループ株式会社及びLINEヤフー株式会社ともに上場子会社の経営の自立性や独立性を尊重した事業運営を行っていることから、クラシルは、親会社グループが今後もクラシルの経営や事業に積極的に関与する等の意向はないものと認識しております。
親会社グループ内の他社同様、クラシルも事業成長、事業拡大及び投資機会の追求を進めていくため、今後の事業展開等によっては、クラシルの主要事業が親会社グループ内の会社の事業と競合する可能性があります。クラシルとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていく方針ですが、競合の状況によっては、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、本書提出日現在、クラシルは直接的な親会社であるLINEヤフー株式会社から取締役として米谷昭良氏を受け入れており、同氏はクラシル取締役と親会社グループの株式会社マイベストの取締役を兼務しておりますが、同氏とクラシルとの間では、同氏がクラシルに関する機密情報を外部に共有しないこと等を定めた秘密保持契約を締結しております。さらに、今後においてもクラシルと親会社グループ内の会社との間で役職員を兼務するクラシル役員が発生する場合には、当該役員と秘密保持契約を締結する方針であり、将来的に親会社グループ内の会社において競合関係が発生した場合においても、クラシルの情報が流出する可能性は高くないものとクラシルでは考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 派遣取締役について
経営陣を強化することを目的として、クラシルの取締役のうち、1名がLINEヤフー株式会社からの派遣取締役となります。クラシルでは、経営の独立性を一層高める観点から、社外取締役が2名就任しております。取締役会全体の構成から判断しても派遣取締役の存在によりクラシルの独立性が阻害されるといった状況にはなく、クラシルの独立性は十分に確保されているものと考えております。
クラシルは、LINEヤフー株式会社をはじめ親会社グループ各社と取引を行っています。2024年3月31日現在の事業年度における主な取引は次のとおりです。なお、親会社からの債務保証は受けておりません。
クラシルの独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引については、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性など取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いています。
(発生可能性:高、影響度:小)
クラシルは、クラシル役員、従業員等に対し、クラシルの業績向上への意欲や士気を高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式数は3,833,300株であり、発行済株式総数41,313,000株の9.28%に相当しております。また、今後もクラシル役員及び従業員の士気向上と優秀な人材確保を目的として新たなストック・オプションによる新株予約権の発行を検討しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合、クラシル株式が新たに発行され、クラシルの1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。
② クラシル株式の流動性について
(発生可能性:中、影響度:中)
本書提出日、クラシルの親会社である現在LINEヤフー株式会社は、クラシルの議決権の50.1%を所有しており、クラシルの株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となるクラシル株式数を継続的に所有する方針です。クラシルは、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては売出しによってクラシル株式の流動性の確保に可能な限り努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は25%であるところ、市場環境によっては、新規上場時における流通株式比率は25.9%にとどまる見込みであります。
今後は、クラシルの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、役職員への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針でありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、クラシル株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりクラシル株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、引受人の買取引受による売出しに関連して、クラシルの親会社である現在LINEヤフー株式会社よりロックアップに関する合意がなされていますが、クラシル株式の上場後、親会社がクラシル株式を市場内外で売却する場合又はその懸念が市場において認識される場合、クラシル株式の需給の悪化又はそのおそれにより、クラシル株式の市場価格に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 配当政策について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案して、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかしながら、クラシルは未だ内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、クラシルは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の業容拡大を目指すことが、株主価値の拡大に繋がると考えております。
将来においては、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてクラシルが判断したものであり、将来において発生可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。また、発生可能性又は影響度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又はクラシルの事業、業績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。さらに、リスクの発生時期及び発生した場合にクラシルの経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。
クラシルは、これらのリスク発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、クラシル株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
(1)事業環境に由来するリスクについて
① 広告市場動向の変化について
(発生可能性:中、影響度:大)
インターネットメディア事業が対象とするインターネット広告市場は拡大基調にあり、今後も当該市場は拡大を続けていくものと想定されております。
しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向の影響を受けやすく、景気変動等の要因によって企業の広告出稿予算が増減することにより広告出稿予算の変化等の影響を受けることが予想されること、またインターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられること等から、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境においてクラシルは、広告収益以外にも新規事業の立ち上げなどによる収益源の多角化を行うこと等により当該リスクの低減に努めております。
② インターネット関連市場について
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルは、インターネットメディア事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットのさらなる普及が成長のための基本的な条件と考えております。
もっとも、インターネットの利用は日常生活の中でごく当たり前のことにはなってきましたが、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあり、プラットフォーム運営事業者による検索アルゴリズムやシステム等の仕様変更、Cookie規制、インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入及びその他予想しなかった要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
(発生可能性:中、影響度:中)
クラシル主要サービスである「クラシル」、「TRILL」(トリル)、「クラシルリワード」及び「LIVEwith」(ライブウィズ)はそれぞれの分野におけるサービスを運営しております。いずれのサービスにおいても、多数の競合事業者が存在しており、激しい競争関係にあると考えております。さらに、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、クラシルが今後においても優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かについては不確実な面があり、競合他社や競合サービスの影響によりクラシルの競争優位性が低下した場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ Apple Inc.及びGoogle Inc.の動向について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシル事業において提供するスマートフォン向けアプリは、Apple Inc.及びGoogle Inc.のプラットフォーム運営事業者にアプリを提供することが現段階における事業展開の重要な前提条件であります。これらプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 外部のライブ配信プラットフォームへの依存について
(発生可能性:中、影響度:中)
「LIVEwith」(ライブウィズ)事業において、クラシルに所属するライバーがTikTok LIVE、Pococha、IRIAM、17LIVE、BIGO等の外部のライブ配信プラットフォームにおいてライブ活動を行うことによりライブ配信プラットフォームから収益を稼得しております。クラシル所属のライバーの不適切なライブ配信などのクラシル起因の事象や、ライブ配信プラットフォームの業績動向などの外部起因の事象などにより、クラシルとライブ配信プラットフォーム間の契約が解消される又は契約条件に大幅な変更が加えられた場合は、クラシルのレピュテーションが低下し、また、収益の減少を通じてクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、クラシルはライバーごとに適切なライブ配信プラットフォームを推薦する点は前提ではあるものの、特定のライブ配信プラットフォームだけではなく複数のライブ配信プラットフォームとの取引を継続することにより、当該リスクの低減に努めております。加えて、ライブ配信ガイドラインの策定やライバーへのコンプライアンス研修の実施をしており、検知活動としては、定期的なライブ配信のモニタリングやプラットフォームと連携した迅速な違反配信への注意・指導を行なっております。
① 全領域の事業に関連するリスク(システムトラブル)について
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルは、主にインターネットを通じて情報を提供しており、クラシルのシステムやインターネット接続環境の安定は事業を行っていく上で不可欠であります。システムトラブルの発生可能性を低減するため、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できる体制を整えております。
しかしながら、想定を大幅に上回るアクセスの増加等による負荷の拡大や自然災害や事故、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスへの感染、サイバーアタック、不正アクセスなどによる予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害等が起こった場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② メディア(認知)領域の事業について
a. サービスの安全性及び健全性の維持について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルは、「クラシル」サービス内でユーザーが考案したレシピ動画やレシピカードを投稿できる機能や、レシピを参考に料理し飲食した感想を投稿する「たべれぽ」と称する機能を備えております。投稿内容については、ユーザーに裁量があり、「たべれぽ」については好意的な内容だけでなく、批判的あるいは不適切な投稿が行われることもあります。
投稿内容を含むサービスの安全性及び健全性の維持に向けた取り組みとして、クラシルでは以下の対応を行っております。
a)投稿監視システムを導入し、不適切な投稿を他のユーザーからの通報により抽出する仕組みを整備しています。さらに、人力による目視確認を併用し、投稿内容の安全性や健全性を維持するための二重チェック体制を構築しております。
b)特定のリスクに関するチェック体制については、初回投稿時に公序良俗や衛生面に関する確認を行い、2回目以降投稿されたコンテンツもサンプルチェックなどの方式を用いて安全性を監視しています。特に、アレルギーや調理に伴うリスクに対しては、クラシル独自のチェックリストを用いて、健全性の確保に努めております。
これらの取り組みにより、クラシルは投稿動画の安全性及び健全性を常に監視し、維持するための十分な体制を確保しています。
しかしながら、監視体制を強化しているものの、サービス内で不適切な投稿がなされ、それが発見できなかった場合や対応が遅れた場合又は調理方法・食材の取り扱いに関して第三者から指摘を受けた場合には、クラシルの信用が損なわれ、また、サービスとしての魅力が低減し、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b. 広告掲載内容のリスクについて
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルが運営するメディア「クラシル」、「TRILL」(トリル)に掲載される広告は、広告代理店等が内容を精査するとともに、クラシルとしてもクラシル独自の広告掲載基準による確認を実施し、法令違反や公序良俗に反する広告の排除に努めております。
しかしながら、人為的な要因等によりクラシルが掲載した広告に瑕疵があった場合、クラシルの社会的信頼性の毀損により、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 購買(販促)領域の事業について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルのアフィリエイトサービスにおいては、代理店の施策の変更やクラシルのアフィリエイトサービスが陳腐化し同業他社に対するクラシルの競争力が低下すること等により取引が大きく減少するような場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、レシートを送付するとポイントを付与するマストバイ等を提供する「クラシルリワード」においては、消費者にとって適切かつ有益で、関連性のある対象商品を確実に提示するために優先順位付け等を行っておりますが、クラシルのクライアントであるメーカーや小売業者等がクラシルが提供するリワードマーケティングに十分な時間、資金その他のリソースを割けないなどの事情によりクラシルのサービスを有効に活用できない、クラシルがビジネスの急成長に対応できない等により、引き合いが急速に枯渇して対象商品数が減少し、消費者に対する価値が低下する可能性があること等から、クラシルが利用者への還元ポイント数や対象商品数等を増加させることができない場合など、メディア(認知)領域で確立した強固なユーザー基盤を起点としたマストバイ等のデジタルプロモーションがクラシルの想定どおり販促市場において浸透が進まなかった場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
④ その他領域の事業(「LIVEwith」(ライブウィズ)事業)について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルでは所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるようなライブ配信や活動をしないよう指導に努めております。また、そのような事象もしくは兆候を検知するように努めるとともに、実際に発生した場合は、速やかに対処するように努めております。具体的には、未然の防止策としては、ライブ配信ガイドラインの策定やコンプライアンス研修の実施をしており、検知活動としては、定期的なライブ配信のモニタリングやプラットフォームと連携した迅速な違反配信への注意・指導を行なっております。
しかしながら、日々のライブ配信の中で不適切な内容が含まれるライブ配信が行われる等の予期せぬ事象が発生した場合には、クラシルや所属ライバーのレピュテーションの低下や紛争(リスナーとの間のものも含みます)につながる等、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業の立ち上げリスクについて
(発生可能性:中、影響度:小)
クラシルは、業容拡大に向けて新たなサービスの創出を目指しております。現在、地域のスーパーとの提携によるチラシ掲載事業やポイント活用事業、HR領域の新規事業を推進しており、「クラシルリワード」の新たなサービス価値の向上に努めておりますが、これらのサービス以外の新規事業及び新規サービスへの投資を行う可能性もあります。新規事業及び新規サービスにつきましては、予め回収可能性を十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するにはある程度の期間を要する場合があり、その期間において人件費等の先行投資により一時的に利益率が低下する可能性があります。また、想定していた成果を上げることができる保証はなく、撤退を余儀なくされた場合には撤退のためのコストが発生することがあり、結果としてクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ M&Aについて
(発生可能性:中、影響度:中)
クラシルがM&Aを実施した場合、被買収企業との融合又は提携先との関係構築・強化が予定通り進捗しない場合、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合等、投資に要した資金、時間その他の負担に見合った利益を回収できない可能性があり、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラシルでは、会計基準に基づき当該事象に伴い発生した相当額ののれんを貸借対照表に計上することがありますが、事業の展開等が計画通りに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じ、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
① トップマネジメントについて
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルの代表者である堀江裕介は、クラシルの創業者であり、設立以来、最高経営責任者として、事業戦略の立案や実行等、会社運営において重要な役割を果たしております。
クラシルは、同氏に過度な依存をしない経営体制の構築を目指し、人材の育成及び強化を図っておりますが、何らかの理由により、同氏に不測の事態が起こった場合には、現状ではクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 優秀な人材の確保及び育成について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルは、今後想定される業容拡大に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に利用者向けサービスの構築及び運用面においては高度な技術スキルを要する人材が求められることから、サービス構築のために必要な人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があります。
クラシルは、今後の業容拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通りに進まなかった場合には、競争力の低下や業容拡大の制約要因が生じる可能性があり、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルがインターネット上で運営しているプラットフォームにおいては各種法的規制を受けており、具体的には、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「不当景品類及び不当表示防止法」等といった法的規制の対象となっております。また、クラシルは、システム開発やコンテンツ制作等を外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)の適用対象となります。クラシルでは、上記を含む各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
しかしながら、今後インターネット関連事業者を対象とした法的規制の制定又は改正がなされることで、クラシルの業務の一部が制約を受ける場合又は新たな対応を余儀なくされる場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:中、影響度:小)
クラシルは、利用者の登録情報等の個人情報を取得し、利用しているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。
クラシルは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報管理規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにクラシルに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、クラシルが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、クラシルへの損害賠償請求、クラシルの信用の低下等によって、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、本書提出日現在、日本にて「クラシル」、「TRILL」(トリル)等の商標登録を有しております。今後展開を検討している国やサービスを含め、それらの商標、ロゴ等については、原則として、商標権を取得する方針であります。クラシルが保有する知的財産を侵害されるおそれのある場合には、顧問弁護士や弁理士等と連携し、必要な処置を講じてまいります。また、クラシルが商標など知的財産権を取得する場合は、十分な検証を行い、他社の知的財産権を侵害しないよう慎重に対応してまいります。
しかしながら、クラシルのサービスを表す商標を他社が取得した場合又はクラシルによる他社の知的財産権侵害が問題となる場合、訴訟へと発展することも考えられ、その結果、クラシルによる商標の利用が制約されたり、クラシルが損害賠償等の責任を負う場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 有料職業紹介について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、「クラシルジョブ」において、職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて有料職業紹介事業を行っております。クラシルは、法令違反等の未然防止に取組んでおり、本書提出日現在、当該許可等の取消又は事業の停止等となる事由は発生しておりません。
しかしながら、何らかの要因で当該事業許可等の取消し又は事業の停止等を命じられた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 第三者との係争について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。
しかしながら、クラシルの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱やレピュテーションの低下を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果としてクラシルにとって不利な判決が出された場合、クラシルは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様にクラシルにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。したがって、第三者との係争が発生した場合、クラシルの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)親会社グループとの関係について
(発生可能性:中、影響度:小)
① 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権又は重大な影響力を有することについて
クラシルは、LINEヤフー株式会社がクラシル発行済普通株式の過半数(本書提出日現在でクラシルの議決権の50.1%)を所有しており、同社の子会社であります。
同社は、クラシルの株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となるクラシル株式数を継続的に所有する方針です(連結関係を維持するために同社に対する親引けが行われる予定です。これは、現時点でクラシルとLINEヤフー株式会社は、クラシルが非上場会社であり潜在株式の行使条件が達成されていないため潜在株式含む比率ではなく顕在株ベースの比率で連結関係にある一方で、クラシルが取引所に新規上場することにより一部の潜在株式の行使条件が達成されるところ、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用しているLINEヤフー株式会社からすると潜在株ベースの比率で算出する必要があるためです。)。そのため、LINEヤフー株式会社は、クラシルの株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することはできないものの拒否権を有するとともに、株主総会の普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することが可能であることになり、上場後もクラシルに重要な影響を及ぼしうることになります。また、クラシルの経営及びその他事項について、同社の利害は、クラシルの他の株主の利害とは異なる可能性があります。これに対しては、クラシルは社外取締役を2名選任しており、他の株主の利益保護の視点から監督の実効性を確保しております。
同社との良好な関係は、クラシルの事業及び同社とのグループシナジーにとって重要です。何らかの理由により両社の関係が悪化した場合若しくは悪化したと受け取られた場合又はグループシナジーの前提である連結関係が継続されない場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラシルは、「④ 取引関係について」に記載のとおり、LINEヤフー株式会社と取引を行っています。当該取引については、契約条件に従って契約が終了する場合又は両者の合意により契約内容が変更される場合があります。さらに、クラシルはLINEヤフー株式会社のコンテンツプロバイダーの一社でありますが、LINEヤフー株式会社が同社にコンテンツを提供するコンテンツプロバイダーに関して、求めるコンテンツの種類・内容・量等の方針を変更する場合や同社がユーザー・エクスペリエンス観点でメディア面の改変等を行う場合(例えば、コンテンツの掲載場所、掲載順位、コンテンツに関するタブの表示位置等の改変等)があります。このような変更や改変等により、クラシルのコンテンツにも変更や改変等が必要になる場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 親会社グループ内におけるクラシルの位置づけについて
クラシルの最終的な親会社であるソフトバンクグループ株式会社は、持株会社として傘下に多数の関係会社を擁し、持株会社投資事業、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業の4つを報告セグメントとして区分しており、様々な分野・地域で事業活動を行っています。クラシルの直接的な親会社グループであるLINEヤフー株式会社は、ソフトバンクグループ株式会社の「ソフトバンク事業」に属しています。また、クラシルの直接的な親会社グループであるLINEヤフー株式会社は、メディア事業、コマース事業、戦略事業の3つを報告セグメントとして区分しており、クラシルは「メディア事業」に属しております。
クラシルは、「メディア事業」領域の中で「クラシル」、「TRILL」(トリル)及び「クラシルリワード」など複数のサービスを展開し、広告収入やアフィリエイト収入などを得ております。様々な事業領域において多岐にわたる事業を展開している親会社グループ内において、サービスのコンセプトやターゲットなどの観点で違いはあるものの、広義には類似性を有する事業を営む会社が複数存在しております。しかし、これまで直接的な親会社であるLINEヤフー株式会社から一方的な事業調整や制約等を受けた事実はなく、クラシルは親会社グループから独立性を確保して経営及び事業を行っております。直接的な親会社を含む親会社グループは新たな事業や投資の検討を日々行っていることから、クラシルと類似性を有する事業を営む親会社グループ内の会社が増減する可能性がありますが、ソフトバンクグループ株式会社及びLINEヤフー株式会社ともに上場子会社の経営の自立性や独立性を尊重した事業運営を行っていることから、クラシルは、親会社グループが今後もクラシルの経営や事業に積極的に関与する等の意向はないものと認識しております。
親会社グループ内の他社同様、クラシルも事業成長、事業拡大及び投資機会の追求を進めていくため、今後の事業展開等によっては、クラシルの主要事業が親会社グループ内の会社の事業と競合する可能性があります。クラシルとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていく方針ですが、競合の状況によっては、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、本書提出日現在、クラシルは直接的な親会社であるLINEヤフー株式会社から取締役として米谷昭良氏を受け入れており、同氏はクラシル取締役と親会社グループの株式会社マイベストの取締役を兼務しておりますが、同氏とクラシルとの間では、同氏がクラシルに関する機密情報を外部に共有しないこと等を定めた秘密保持契約を締結しております。さらに、今後においてもクラシルと親会社グループ内の会社との間で役職員を兼務するクラシル役員が発生する場合には、当該役員と秘密保持契約を締結する方針であり、将来的に親会社グループ内の会社において競合関係が発生した場合においても、クラシルの情報が流出する可能性は高くないものとクラシルでは考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 派遣取締役について
経営陣を強化することを目的として、クラシルの取締役のうち、1名がLINEヤフー株式会社からの派遣取締役となります。クラシルでは、経営の独立性を一層高める観点から、社外取締役が2名就任しております。取締役会全体の構成から判断しても派遣取締役の存在によりクラシルの独立性が阻害されるといった状況にはなく、クラシルの独立性は十分に確保されているものと考えております。
クラシルは、LINEヤフー株式会社をはじめ親会社グループ各社と取引を行っています。2024年3月31日現在の事業年度における主な取引は次のとおりです。なお、親会社からの債務保証は受けておりません。
クラシルの独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引については、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性など取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いています。
(発生可能性:高、影響度:小)
クラシルは、クラシル役員、従業員等に対し、クラシルの業績向上への意欲や士気を高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式数は3,833,300株であり、発行済株式総数41,313,000株の9.28%に相当しております。また、今後もクラシル役員及び従業員の士気向上と優秀な人材確保を目的として新たなストック・オプションによる新株予約権の発行を検討しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合、クラシル株式が新たに発行され、クラシルの1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。
② クラシル株式の流動性について
(発生可能性:中、影響度:中)
本書提出日、クラシルの親会社である現在LINEヤフー株式会社は、クラシルの議決権の50.1%を所有しており、クラシルの株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となるクラシル株式数を継続的に所有する方針です。クラシルは、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては売出しによってクラシル株式の流動性の確保に可能な限り努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は25%であるところ、市場環境によっては、新規上場時における流通株式比率は25.9%にとどまる見込みであります。
今後は、クラシルの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、役職員への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針でありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、クラシル株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりクラシル株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、引受人の買取引受による売出しに関連して、クラシルの親会社である現在LINEヤフー株式会社よりロックアップに関する合意がなされていますが、クラシル株式の上場後、親会社がクラシル株式を市場内外で売却する場合又はその懸念が市場において認識される場合、クラシル株式の需給の悪化又はそのおそれにより、クラシル株式の市場価格に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 配当政策について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案して、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかしながら、クラシルは未だ内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、クラシルは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の業容拡大を目指すことが、株主価値の拡大に繋がると考えております。
将来においては、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在においてクラシルが判断したものであり、将来において発生可能性があるすべてのリスクを網羅するものではなく、記載された事項以外の予見できないリスクも存在します。また、発生可能性又は影響度が「小」と記載されたリスクについても、現に当該リスクが発生し又はクラシルの事業、業績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性を否定するものではありません。さらに、リスクの発生時期及び発生した場合にクラシルの経営成績等の状況に与える定量的な影響の程度につきましては、合理的に予見することが困難であるため具体的には記載しておりません。
クラシルは、これらのリスク発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、クラシル株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
(1)事業環境に由来するリスクについて
① 広告市場動向の変化について
(発生可能性:中、影響度:大)
インターネットメディア事業が対象とするインターネット広告市場は拡大基調にあり、今後も当該市場は拡大を続けていくものと想定されております。
しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向の影響を受けやすく、景気変動等の要因によって企業の広告出稿予算が増減することにより広告出稿予算の変化等の影響を受けることが予想されること、またインターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられること等から、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境においてクラシルは、広告収益以外にも新規事業の立ち上げなどによる収益源の多角化を行うこと等により当該リスクの低減に努めております。
② インターネット関連市場について
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルは、インターネットメディア事業を主たる事業対象としているため、インターネットの活用シーンの多様化、利用可能な端末の増加等のインターネットのさらなる普及が成長のための基本的な条件と考えております。
もっとも、インターネットの利用は日常生活の中でごく当たり前のことにはなってきましたが、今後どのように進展していくかについては不透明な部分もあり、プラットフォーム運営事業者による検索アルゴリズムやシステム等の仕様変更、Cookie規制、インターネットに関する何らかの弊害の発生や利用等に関する新たな規制の導入及びその他予想しなかった要因によって、今後の普及に大きな変化が生じた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 競合について
(発生可能性:中、影響度:中)
クラシル主要サービスである「クラシル」、「TRILL」(トリル)、「クラシルリワード」及び「LIVEwith」(ライブウィズ)はそれぞれの分野におけるサービスを運営しております。いずれのサービスにおいても、多数の競合事業者が存在しており、激しい競争関係にあると考えております。さらに、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業等の参入及びその拡大が生じ、競争の激化による顧客の流出やコストの増加等により、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、クラシルが今後においても優位性を発揮し、企業価値の維持向上が図れるか否かについては不確実な面があり、競合他社や競合サービスの影響によりクラシルの競争優位性が低下した場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ Apple Inc.及びGoogle Inc.の動向について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシル事業において提供するスマートフォン向けアプリは、Apple Inc.及びGoogle Inc.のプラットフォーム運営事業者にアプリを提供することが現段階における事業展開の重要な前提条件であります。これらプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換並びに動向によっては、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 外部のライブ配信プラットフォームへの依存について
(発生可能性:中、影響度:中)
「LIVEwith」(ライブウィズ)事業において、クラシルに所属するライバーがTikTok LIVE、Pococha、IRIAM、17LIVE、BIGO等の外部のライブ配信プラットフォームにおいてライブ活動を行うことによりライブ配信プラットフォームから収益を稼得しております。クラシル所属のライバーの不適切なライブ配信などのクラシル起因の事象や、ライブ配信プラットフォームの業績動向などの外部起因の事象などにより、クラシルとライブ配信プラットフォーム間の契約が解消される又は契約条件に大幅な変更が加えられた場合は、クラシルのレピュテーションが低下し、また、収益の減少を通じてクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境において、クラシルはライバーごとに適切なライブ配信プラットフォームを推薦する点は前提ではあるものの、特定のライブ配信プラットフォームだけではなく複数のライブ配信プラットフォームとの取引を継続することにより、当該リスクの低減に努めております。加えて、ライブ配信ガイドラインの策定やライバーへのコンプライアンス研修の実施をしており、検知活動としては、定期的なライブ配信のモニタリングやプラットフォームと連携した迅速な違反配信への注意・指導を行なっております。
① 全領域の事業に関連するリスク(システムトラブル)について
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルは、主にインターネットを通じて情報を提供しており、クラシルのシステムやインターネット接続環境の安定は事業を行っていく上で不可欠であります。システムトラブルの発生可能性を低減するため、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できる体制を整えております。
しかしながら、想定を大幅に上回るアクセスの増加等による負荷の拡大や自然災害や事故、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスへの感染、サイバーアタック、不正アクセスなどによる予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害等が起こった場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② メディア(認知)領域の事業について
a. サービスの安全性及び健全性の維持について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルは、「クラシル」サービス内でユーザーが考案したレシピ動画やレシピカードを投稿できる機能や、レシピを参考に料理し飲食した感想を投稿する「たべれぽ」と称する機能を備えております。投稿内容については、ユーザーに裁量があり、「たべれぽ」については好意的な内容だけでなく、批判的あるいは不適切な投稿が行われることもあります。
投稿内容を含むサービスの安全性及び健全性の維持に向けた取り組みとして、クラシルでは以下の対応を行っております。
a)投稿監視システムを導入し、不適切な投稿を他のユーザーからの通報により抽出する仕組みを整備しています。さらに、人力による目視確認を併用し、投稿内容の安全性や健全性を維持するための二重チェック体制を構築しております。
b)特定のリスクに関するチェック体制については、初回投稿時に公序良俗や衛生面に関する確認を行い、2回目以降投稿されたコンテンツもサンプルチェックなどの方式を用いて安全性を監視しています。特に、アレルギーや調理に伴うリスクに対しては、クラシル独自のチェックリストを用いて、健全性の確保に努めております。
これらの取り組みにより、クラシルは投稿動画の安全性及び健全性を常に監視し、維持するための十分な体制を確保しています。
しかしながら、監視体制を強化しているものの、サービス内で不適切な投稿がなされ、それが発見できなかった場合や対応が遅れた場合又は調理方法・食材の取り扱いに関して第三者から指摘を受けた場合には、クラシルの信用が損なわれ、また、サービスとしての魅力が低減し、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
b. 広告掲載内容のリスクについて
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルが運営するメディア「クラシル」、「TRILL」(トリル)に掲載される広告は、広告代理店等が内容を精査するとともに、クラシルとしてもクラシル独自の広告掲載基準による確認を実施し、法令違反や公序良俗に反する広告の排除に努めております。
しかしながら、人為的な要因等によりクラシルが掲載した広告に瑕疵があった場合、クラシルの社会的信頼性の毀損により、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 購買(販促)領域の事業について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルのアフィリエイトサービスにおいては、代理店の施策の変更やクラシルのアフィリエイトサービスが陳腐化し同業他社に対するクラシルの競争力が低下すること等により取引が大きく減少するような場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、レシートを送付するとポイントを付与するマストバイ等を提供する「クラシルリワード」においては、消費者にとって適切かつ有益で、関連性のある対象商品を確実に提示するために優先順位付け等を行っておりますが、クラシルのクライアントであるメーカーや小売業者等がクラシルが提供するリワードマーケティングに十分な時間、資金その他のリソースを割けないなどの事情によりクラシルのサービスを有効に活用できない、クラシルがビジネスの急成長に対応できない等により、引き合いが急速に枯渇して対象商品数が減少し、消費者に対する価値が低下する可能性があること等から、クラシルが利用者への還元ポイント数や対象商品数等を増加させることができない場合など、メディア(認知)領域で確立した強固なユーザー基盤を起点としたマストバイ等のデジタルプロモーションがクラシルの想定どおり販促市場において浸透が進まなかった場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
④ その他領域の事業(「LIVEwith」(ライブウィズ)事業)について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルでは所属するライバーに対して公序良俗の違反や知的財産権の侵害につながるようなライブ配信や活動をしないよう指導に努めております。また、そのような事象もしくは兆候を検知するように努めるとともに、実際に発生した場合は、速やかに対処するように努めております。具体的には、未然の防止策としては、ライブ配信ガイドラインの策定やコンプライアンス研修の実施をしており、検知活動としては、定期的なライブ配信のモニタリングやプラットフォームと連携した迅速な違反配信への注意・指導を行なっております。
しかしながら、日々のライブ配信の中で不適切な内容が含まれるライブ配信が行われる等の予期せぬ事象が発生した場合には、クラシルや所属ライバーのレピュテーションの低下や紛争(リスナーとの間のものも含みます)につながる等、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規事業の立ち上げリスクについて
(発生可能性:中、影響度:小)
クラシルは、業容拡大に向けて新たなサービスの創出を目指しております。現在、地域のスーパーとの提携によるチラシ掲載事業やポイント活用事業、HR領域の新規事業を推進しており、「クラシルリワード」の新たなサービス価値の向上に努めておりますが、これらのサービス以外の新規事業及び新規サービスへの投資を行う可能性もあります。新規事業及び新規サービスにつきましては、予め回収可能性を十分に調査・検討し実行してまいりますが、安定収益を創出するにはある程度の期間を要する場合があり、その期間において人件費等の先行投資により一時的に利益率が低下する可能性があります。また、想定していた成果を上げることができる保証はなく、撤退を余儀なくされた場合には撤退のためのコストが発生することがあり、結果としてクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ M&Aについて
(発生可能性:中、影響度:中)
クラシルがM&Aを実施した場合、被買収企業との融合又は提携先との関係構築・強化が予定通り進捗しない場合、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合等、投資に要した資金、時間その他の負担に見合った利益を回収できない可能性があり、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラシルでは、会計基準に基づき当該事象に伴い発生した相当額ののれんを貸借対照表に計上することがありますが、事業の展開等が計画通りに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じ、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
① トップマネジメントについて
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルの代表者である堀江裕介は、クラシルの創業者であり、設立以来、最高経営責任者として、事業戦略の立案や実行等、会社運営において重要な役割を果たしております。
クラシルは、同氏に過度な依存をしない経営体制の構築を目指し、人材の育成及び強化を図っておりますが、何らかの理由により、同氏に不測の事態が起こった場合には、現状ではクラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 優秀な人材の確保及び育成について
(発生可能性:低、影響度:中)
クラシルは、今後想定される業容拡大に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に利用者向けサービスの構築及び運用面においては高度な技術スキルを要する人材が求められることから、サービス構築のために必要な人材を適切に確保するとともに、育成を行っていく必要があります。
クラシルは、今後の業容拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通りに進まなかった場合には、競争力の低下や業容拡大の制約要因が生じる可能性があり、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、影響度:大)
クラシルがインターネット上で運営しているプラットフォームにおいては各種法的規制を受けており、具体的には、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」、「不当景品類及び不当表示防止法」等といった法的規制の対象となっております。また、クラシルは、システム開発やコンテンツ制作等を外注している場合があり、それらの取引の一部は「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)の適用対象となります。クラシルでは、上記を含む各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。
しかしながら、今後インターネット関連事業者を対象とした法的規制の制定又は改正がなされることで、クラシルの業務の一部が制約を受ける場合又は新たな対応を余儀なくされる場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:中、影響度:小)
クラシルは、利用者の登録情報等の個人情報を取得し、利用しているため、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。
クラシルは、個人情報の外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、個人情報管理規程を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、全従業員を対象として社内教育を徹底する等、同法及び関連法令並びにクラシルに適用される関連ガイドラインの遵守に努めるとともに、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
しかしながら、クラシルが保有する個人情報等につき漏洩、改ざん、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえません。従って、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、クラシルへの損害賠償請求、クラシルの信用の低下等によって、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、本書提出日現在、日本にて「クラシル」、「TRILL」(トリル)等の商標登録を有しております。今後展開を検討している国やサービスを含め、それらの商標、ロゴ等については、原則として、商標権を取得する方針であります。クラシルが保有する知的財産を侵害されるおそれのある場合には、顧問弁護士や弁理士等と連携し、必要な処置を講じてまいります。また、クラシルが商標など知的財産権を取得する場合は、十分な検証を行い、他社の知的財産権を侵害しないよう慎重に対応してまいります。
しかしながら、クラシルのサービスを表す商標を他社が取得した場合又はクラシルによる他社の知的財産権侵害が問題となる場合、訴訟へと発展することも考えられ、その結果、クラシルによる商標の利用が制約されたり、クラシルが損害賠償等の責任を負う場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 有料職業紹介について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、「クラシルジョブ」において、職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて有料職業紹介事業を行っております。クラシルは、法令違反等の未然防止に取組んでおり、本書提出日現在、当該許可等の取消又は事業の停止等となる事由は発生しておりません。
しかしながら、何らかの要因で当該事業許可等の取消し又は事業の停止等を命じられた場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 第三者との係争について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、コンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。
しかしながら、クラシルの役員及び従業員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、従業員その他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。訴訟手続は、一般的に時間や費用がかかるものであり、勝敗如何によらず、経営上の混乱やレピュテーションの低下を招く可能性があります。さらに、訴訟の結果としてクラシルにとって不利な判決が出された場合、クラシルは多額の損害賠償義務を負う可能性があります。また、相手方と和解に至った場合でも、和解の条件次第では、同様にクラシルにとって不利な条件を受忍せざるを得ない場合も考えられます。したがって、第三者との係争が発生した場合、クラシルの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)親会社グループとの関係について
(発生可能性:中、影響度:小)
① 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権又は重大な影響力を有することについて
クラシルは、LINEヤフー株式会社がクラシル発行済普通株式の過半数(本書提出日現在でクラシルの議決権の50.1%)を所有しており、同社の子会社であります。
同社は、クラシルの株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となるクラシル株式数を継続的に所有する方針です(連結関係を維持するために同社に対する親引けが行われる予定です。これは、現時点でクラシルとLINEヤフー株式会社は、クラシルが非上場会社であり潜在株式の行使条件が達成されていないため潜在株式含む比率ではなく顕在株ベースの比率で連結関係にある一方で、クラシルが取引所に新規上場することにより一部の潜在株式の行使条件が達成されるところ、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用しているLINEヤフー株式会社からすると潜在株ベースの比率で算出する必要があるためです。)。そのため、LINEヤフー株式会社は、クラシルの株主総会の特別決議を要する事項(例えば、吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することはできないものの拒否権を有するとともに、株主総会の普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)を単独で可決することが可能であることになり、上場後もクラシルに重要な影響を及ぼしうることになります。また、クラシルの経営及びその他事項について、同社の利害は、クラシルの他の株主の利害とは異なる可能性があります。これに対しては、クラシルは社外取締役を2名選任しており、他の株主の利益保護の視点から監督の実効性を確保しております。
同社との良好な関係は、クラシルの事業及び同社とのグループシナジーにとって重要です。何らかの理由により両社の関係が悪化した場合若しくは悪化したと受け取られた場合又はグループシナジーの前提である連結関係が継続されない場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラシルは、「④ 取引関係について」に記載のとおり、LINEヤフー株式会社と取引を行っています。当該取引については、契約条件に従って契約が終了する場合又は両者の合意により契約内容が変更される場合があります。さらに、クラシルはLINEヤフー株式会社のコンテンツプロバイダーの一社でありますが、LINEヤフー株式会社が同社にコンテンツを提供するコンテンツプロバイダーに関して、求めるコンテンツの種類・内容・量等の方針を変更する場合や同社がユーザー・エクスペリエンス観点でメディア面の改変等を行う場合(例えば、コンテンツの掲載場所、掲載順位、コンテンツに関するタブの表示位置等の改変等)があります。このような変更や改変等により、クラシルのコンテンツにも変更や改変等が必要になる場合、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 親会社グループ内におけるクラシルの位置づけについて
クラシルの最終的な親会社であるソフトバンクグループ株式会社は、持株会社として傘下に多数の関係会社を擁し、持株会社投資事業、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業の4つを報告セグメントとして区分しており、様々な分野・地域で事業活動を行っています。クラシルの直接的な親会社グループであるLINEヤフー株式会社は、ソフトバンクグループ株式会社の「ソフトバンク事業」に属しています。また、クラシルの直接的な親会社グループであるLINEヤフー株式会社は、メディア事業、コマース事業、戦略事業の3つを報告セグメントとして区分しており、クラシルは「メディア事業」に属しております。
クラシルは、「メディア事業」領域の中で「クラシル」、「TRILL」(トリル)及び「クラシルリワード」など複数のサービスを展開し、広告収入やアフィリエイト収入などを得ております。様々な事業領域において多岐にわたる事業を展開している親会社グループ内において、サービスのコンセプトやターゲットなどの観点で違いはあるものの、広義には類似性を有する事業を営む会社が複数存在しております。しかし、これまで直接的な親会社であるLINEヤフー株式会社から一方的な事業調整や制約等を受けた事実はなく、クラシルは親会社グループから独立性を確保して経営及び事業を行っております。直接的な親会社を含む親会社グループは新たな事業や投資の検討を日々行っていることから、クラシルと類似性を有する事業を営む親会社グループ内の会社が増減する可能性がありますが、ソフトバンクグループ株式会社及びLINEヤフー株式会社ともに上場子会社の経営の自立性や独立性を尊重した事業運営を行っていることから、クラシルは、親会社グループが今後もクラシルの経営や事業に積極的に関与する等の意向はないものと認識しております。
親会社グループ内の他社同様、クラシルも事業成長、事業拡大及び投資機会の追求を進めていくため、今後の事業展開等によっては、クラシルの主要事業が親会社グループ内の会社の事業と競合する可能性があります。クラシルとしては、それらの会社との連携を検討するなどの対応を行っていく方針ですが、競合の状況によっては、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、本書提出日現在、クラシルは直接的な親会社であるLINEヤフー株式会社から取締役として米谷昭良氏を受け入れており、同氏はクラシル取締役と親会社グループの株式会社マイベストの取締役を兼務しておりますが、同氏とクラシルとの間では、同氏がクラシルに関する機密情報を外部に共有しないこと等を定めた秘密保持契約を締結しております。さらに、今後においてもクラシルと親会社グループ内の会社との間で役職員を兼務するクラシル役員が発生する場合には、当該役員と秘密保持契約を締結する方針であり、将来的に親会社グループ内の会社において競合関係が発生した場合においても、クラシルの情報が流出する可能性は高くないものとクラシルでは考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合には、クラシルの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 派遣取締役について
経営陣を強化することを目的として、クラシルの取締役のうち、1名がLINEヤフー株式会社からの派遣取締役となります。クラシルでは、経営の独立性を一層高める観点から、社外取締役が2名就任しております。取締役会全体の構成から判断しても派遣取締役の存在によりクラシルの独立性が阻害されるといった状況にはなく、クラシルの独立性は十分に確保されているものと考えております。
クラシルは、LINEヤフー株式会社をはじめ親会社グループ各社と取引を行っています。2024年3月31日現在の事業年度における主な取引は次のとおりです。なお、親会社からの債務保証は受けておりません。
クラシルの独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引については、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性など取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いています。
(発生可能性:高、影響度:小)
クラシルは、クラシル役員、従業員等に対し、クラシルの業績向上への意欲や士気を高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権にかかる潜在株式数は3,833,300株であり、発行済株式総数41,313,000株の9.28%に相当しております。また、今後もクラシル役員及び従業員の士気向上と優秀な人材確保を目的として新たなストック・オプションによる新株予約権の発行を検討しております。
これらの新株予約権が権利行使された場合、クラシル株式が新たに発行され、クラシルの1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。
② クラシル株式の流動性について
(発生可能性:中、影響度:中)
本書提出日、クラシルの親会社である現在LINEヤフー株式会社は、クラシルの議決権の50.1%を所有しており、クラシルの株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となるクラシル株式数を継続的に所有する方針です。クラシルは、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては売出しによってクラシル株式の流動性の確保に可能な限り努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は25%であるところ、市場環境によっては、新規上場時における流通株式比率は25.9%にとどまる見込みであります。
今後は、クラシルの事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、役職員への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針でありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、クラシル株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それによりクラシル株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、引受人の買取引受による売出しに関連して、クラシルの親会社である現在LINEヤフー株式会社よりロックアップに関する合意がなされていますが、クラシル株式の上場後、親会社がクラシル株式を市場内外で売却する場合又はその懸念が市場において認識される場合、クラシル株式の需給の悪化又はそのおそれにより、クラシル株式の市場価格に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 配当政策について
(発生可能性:低、影響度:小)
クラシルは、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案して、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかしながら、クラシルは未だ内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、クラシルは現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の業容拡大を目指すことが、株主価値の拡大に繋がると考えております。
将来においては、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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