片倉工業(3001)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】片倉工業グループは片倉工業及び連結子会社8社を中心に構成され、ショッピングセンターの運営、各種の不動産開発及び賃貸事業を行っている「不動産事業」、医療用医薬品の製造・販売を行っている「医薬品事業」、消防自動車の製造・販売を行っている「機械関連事業」、機能性繊維及び衣料品の製造・販売を行っている「繊維事業」、ビル管理サービス、ITサービス、印刷紙器の製造・販売及び訪花昆虫の販売等の事業を行っている「その他」の事業活動を展開しております。片倉工業グループの事業に係る位置づけは、次のとおりであります。なお、これらの事業区分とセグメント情報における事業区分は、同一であります。 不動産事業…………………片倉工業はショッピングセンターの運営及び各種の不動産賃貸事業を行っております。子会社㈱三全は不動産の利用、売買、開発及び賃貸を行っております。医薬品事業…………………子会社トーアエイヨー㈱は虚血性心疾患や高血圧、不整脈等の医療用医薬品の製造・販売を行っております。機械関連事業………………片倉工業はマギルス社製のはしご車を中心とする高所作業車両等の一部製品の販売代理店として日本市場における販売活動及びメンテナンス等のサービス活動を行っております。子会社日本機械工業㈱は消防自動車、防災機器の製造・販売を行っております。繊維事業……………………子会社㈱ニチビは水溶性繊維、耐熱性繊維等の機能性繊維の製造・販売、オグランジャパン㈱は肌着、靴下等の衣料品やエプロン等の企画・販売、ブランドライセンス業を行っております。その他………………………片倉工業は訪花昆虫(交配用ミツバチ)の販売等を行っております。子会社㈱片倉キャロンサービスはビル管理サービスの事業、子会社㈱カタクラ・クロステクノロジーはITサービスの事業、子会社東近紙工㈱は、印刷紙器の製造・販売を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、片倉工業グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針片倉工業は、1873年の創業以来、国内最大手のシルクメーカーとして「カタクラシルク」のブランドを世界に広めると同時に、わが国近代産業の発展に寄与してまいりました。また、長い歴史の中で培われてきた信頼と有形無形の財産の有効活用により事業の多角化を推進し、カタクラグループとして広く社会に貢献してまいりました。こうした歴史を踏まえ、2023年の創業150周年を契機に、変化の激しい時代の中で今後の10年、20年先の未来に向けて大切にすべきことを明確化し、ステークホルダーの皆様と共有化を図るべく、企業理念を刷新しております。片倉工業グループが目指すべき方向性を「ミッション」、そのミッションを実現するために、役員・全従業員が大切にすべき考え方を「わたしたちの価値観」として掲げ、役員・全従業員の羅針盤としております。さらに、これらを正しく運用できるよう「行動指針」も制定し、企業価値向上に努めております。企業理念の全体像は、片倉工業ホームページで開示しております。 URL:https://www.katakura.co.jp/company/philosophy/index.html (2) 対処すべき課題今後のわが国経済は、雇用・所得環境の改善がみられる一方、物価や賃金の上昇が継続する中で、個人消費や設備投資は内需を中心に緩やかな回復基調が続くものと考えられます。他方、アメリカの政策動向や欧米の高金利環境の継続、中国経済の停滞、中東やロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスクに加え、国内金利の上昇などもあり、先行きについては引き続き不透明な状況が続くものと認識しております。また、物価や人件費の上昇、為替変動によるコスト増加等により、事業環境は一層厳しさを増しています。このような環境認識のもと、片倉工業グループは引き続き構造改革を推進し、事業の安定化と収益性の向上に取り組んでまいります。不動産事業を基盤としつつ、成長が期待される機能性繊維分野等においては、積極的な投資を行うとともに、既存事業については、事業環境や収益構造を踏まえた構造改革や事業運営の見直しを継続し、将来にわたり安定的な収益基盤の確立に努めてまいります。あわせて、新規事業の分野においては、M&A等を活用した新たな収益機会の創出を推進することで、既存事業の強化と新規事業の育成を両立させ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。さらに、安定的な収益の確保を通じて、株主の皆様への利益還元にも引き続き取り組んでまいります。また、片倉工業グループでは、サステナビリティ委員会の活動を通じて、人権の尊重、環境への配慮、地域社会との共生を推進し、安全・安心な商品・サービスの提供に努めてまいります。あわせて、リスク統括委員会を中心としたリスク管理体制のもと、ガバナンスの維持・向上を図るとともに、IT企画会議を通じて、IT投資やAIを含むDXの推進、サイバーセキュリティへの対応を継続し、事業活動の基盤強化に取り組んでまいります。 さらに、片倉工業では、人材を競争力の源泉と捉え、人的資本戦略の推進を通じて成長を支える基盤の強化に取り組んでまいります。年齢・性別・経歴を問わず、能力・専門性・人格を重視した採用と育成を進めるとともに、2025年から導入した新しい人事制度のもと、片倉工業のミッションである「昨日よりもっと、なくてはならない存在へ。」に基づく行動指針を、個々人の目標設定や人事評価に反映してまいります。これにより、従業員一人ひとりの主体的な成長と働きがいの向上を促し、組織全体の力を高めることで、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。 主要な事業の対処すべき課題は次のとおりです。 (不動産事業) 不動産事業は、さいたま新都心社有地におけるコクーンシティの競争力維持・向上を図るため、引き続き戦略的なテナントリニューアルや施設環境の整備を進め、エリア価値の向上に取り組んでまいります。さいたま新都心社有地再開発計画については、建築費や人件費の上昇、マーケット環境の変化を踏まえ、投資回収や事業リスクを考慮しながら、事業規模や開発時期を慎重に検討してまいります。 また、コクーンシティ周辺で進めている賃貸マンションの開発計画を確実に推進するとともに、地方不動産については、物件ごとのライフサイクルや収益性を踏まえ、適切な再投資や資産の有効活用を通じて、安定的な収益の確保に努めてまいります。 (医薬品事業) 医薬品事業は、毎年の薬価改定等により厳しい事業環境が継続する中、効率的な事業運営を一層推進してまいります。過年度から実施を進めている組織改革の効果を定着させるとともに、他社との新たな販売提携の推進や、自社販売体制における流通経路に応じた営業活動の最適化に取り組んでまいります。あわせて、後発薬の上市や既存薬の剤形追加・適応拡大を進め、循環器領域にとどまらず幅広い医薬品の開発を進めることで、収益性の改善と事業の安定化を図ってまいります。 (機械関連事業) 機械関連事業では、消防自動車事業を中心に、安定的な受注環境のもと、生産体制の効率化や原材料価格等を反映した適正な価格設定を継続してまいります。加えて、仕様の集約による生産性向上や販売代理店との連携強化を進めるとともに、海外メーカーとの協業を通じた製品ラインナップの拡充により、事業の安定性と収益力の向上を図ってまいります。 (繊維事業) 機能性繊維事業では、耐熱性繊維を中心に需要動向を踏まえた海外市場の開拓を進めるとともに、2026年後半に第4号焼成炉の稼働開始を見込み、生産体制の強化等に取り組んでまいります。また、水溶性繊維については、既存用途における販売の維持を図りつつ、将来の展開を見据えた取り組みを継続してまいります。 実用衣料事業では、事業構造の見直しと組織体制の再構築を継続し、収益性の改善を図るとともに、機能性インナー分野の強化を図ってまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において片倉工業グループが判断したものであります。また、以下の記載事項は、片倉工業株式への投資に関するリスクの全てを網羅したものではありません。 (1) 自然災害、人的災害片倉工業グループは、国内に生産工場やショッピングセンターなどの事業所を配置し、海外にも協力工場を持っております。これらの施設は、地震、台風、洪水、火災、停電、感染症の世界的流行(パンデミック)などの自然災害や、テロ、放火、犯罪などの人為的災害により被害を受ける可能性があります。大規模災害等の発生に備えて、安否確認システムを用いた訓練や防災対策の実施に加え、事業継続計画(BCP)を整備し、その内容の見直しや周知を適宜行っておりますが、これらの災害によって従業員が被災し、または片倉工業グループが保有、管理、運営する不動産の価値が低下し、生産活動や営業活動に支障が出た場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(2) 市場動向・競争激化等外部環境の変化片倉工業グループは、グループ各社における市場動向の把握及び競合他社の状況の理解に努めております。しかし、同業他社の新規参入や既存事業との価格競争の激化、政治・社会情勢の変化による市場シェアの急速な減少、政府の規制変更による製品開発や販売、サービス提供への影響などが生じる場合、これらの事象は片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3) 金融市況の影響片倉工業グループは、市場性の高い株式を保有しております。しかし、株式市場が下落し、保有している株式の価値が大幅に減少した場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、為替予約を通じて為替レートの変動リスクを管理しておりますが、為替変動が予想を超えた場合、同様に片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、将来の大規模な不動産開発や新規事業への投資資金を調達する際に、金利が大幅に上昇すれば、支払うべき金利が大きく増加し、これも片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。片倉工業グループの退職給付制度は、主に確定給付型制度を採用しており、長期金利の変動や株式市場の下落は、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(4) 人材の確保・育成、労務片倉工業グループは、企業価値のさらなる向上を目指し、優秀な人材の確保と育成を重要な課題と考えております。個々の能力、専門性、及び人格を重視した採用を行い、階層別研修や管理職研修を通じて、将来の会社を担う人材の育成に力を入れております。しかし、想定を超える退職者が出た場合や、事業展開に必要な人材の確保と育成が順調に進まない場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、適正な労務管理を法令に基づいて実施し、労務関連リスクの低減に努めておりますが、労務関連のコンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害など)が発生した場合、訴訟の発生や会社イメージの低下を招き、これも同様に片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(5) 投資・新規事業展開、事業再編片倉工業グループは、さらなる成長を目指し、不動産開発や新たな工場・設備への投資を進めております。しかし、景気動向の悪化、需要の減少、建築費の上昇などにより投資の収益性が低下し、予定した収益を得られない場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、既存事業とのシナジー効果や事業計画を慎重に分析した上で、将来の業績向上に寄与すると判断した際にはM&Aを実施しております。しかし、市場や競争環境の急激な変化により期待したシナジー効果が得られず、予期せぬ偶発債務が発生したり、計画通りに事業が展開できない場合、減損損失が生じるなど、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、経営の効率化や競争力の強化のために不採算事業の構造改革や事業再構築を進めた場合、その過程で費用が増加することや、一時的な損失が発生することもあり、これらも片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 不動産事業および固定資産片倉工業グループの不動産事業では、景気動向などにより大型テナントが退店し、その後の建物利用が困難となる場合、多額の解体費用が生じ、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、ショッピングセンター事業では、特定の取引先が複数のショッピングセンターで核テナントとして出店しているため、その取引先が退店する事態に至った場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、片倉工業グループが所有する固定資産に環境問題や土壌汚染が判明した場合、追加の費用が発生すること、開発スケジュールの変更が必要となること、減損が生じることなどがあり、これらも片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 医薬品事業医薬品の開発には多額な研究開発費用と長い期間が必要とされますが、開発過程で期待された効果が証明されない場合や、重篤な副作用が発生したなどの理由で開発を中止する必要が生じることがあり、その結果、製品の上市や事業の成功には不確実性が伴います。また、医薬品事業は医療政策の影響を受けるほか、薬事規制の下で運営されております。医療費の抑制策や医薬品の開発、製造、販売に関する規制が強化される場合や製造能力・供給体制上の制約、原材料の調達状況等により安定供給に支障をきたす場合があり、これらの結果、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(8) 製品の品質・開発機械関連事業などにおける製品は、独自の厳しい規格に基づき製造を行っておりますが、製造物責任賠償につながる製品の欠陥が発生した場合、また、予期せぬ事態により製造スケジュールが遅延した場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(9) サプライチェーン片倉工業グループが製造する製品の原材料および製品は、基本的に多数の供給元から調達しておりますが、一部の特殊な材料については、供給源が限られており、特定の供給元に依存しております。これらの供給元が操業停止やサプライチェーンの中断など、予期せぬ事態に見舞われた場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、為替レートの変動、原材料の価格高騰、エネルギーコストの上昇などによるコスト増加が、安定した経営コストを維持できない場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(10) 内部統制・コンプライアンス片倉工業グループでは、コンプライアンスの強化、及び財務報告に係る内部統制を含めた整備を進めております。しかし、従業員による不正行為があった場合や、片倉工業グループが適時に信頼できる財務報告を作成できない場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(11) 情報セキュリティ片倉工業グループは、個人情報を含む情報資産の漏洩防止策を講じるとともに、情報システムの管理を徹底し、第三者機関によるセキュリティ評価を実施するなど、情報セキュリティの維持・向上に努めております。しかし、業務上の人為的ミスや災害、日々高度化するサイバー攻撃などにより、システムの障害やデータの改ざん、情報漏洩などの被害が発生した場合、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(12) 知的財産片倉工業グループは、知的財産権の第三者からの侵害について継続的に注意を払っております。しかし、第三者が片倉工業グループの技術を利用して片倉工業グループ製品の市場ないしは関連する市場において知的財産権が侵害を受けた場合、また、片倉工業グループの事業活動が他社製品の知的財産に抵触した場合、その結果次第では、片倉工業グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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