グンゼグループは、グンゼを中核として関係会社53社(子会社47社、関連会社6社)で構成され、機能資材、機械類、メディカル材料の製造・加工・販売、インナーウエア、レッグウエア、アウターウエア、繊維資材、不動産事業及び緑化樹木の販売、スポーツクラブの運営管理等を主な内容とし、更に各事業に関連する研究開発及びその他の事業活動を行っております。グンゼ及び関係会社の当該事業に係わる位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
グンゼは、プラスチックフィルム・エンジニアリングプラスチックス等の製造・販売を行っており、福島プラスチックス㈱等に製造加工を委託しております。また、グンゼ包装システム㈱がグンゼプラスチックフィルム製品を仕入れて印刷加工及び販売を行っております。
海外では、Gunze Plastics & Engineering Corporation of America等の海外関係会社が、それぞれ現地でプラスチック製品、エンジニアリングプラスチックス等の製造・加工及び販売を行っております。
グンゼが、印刷関係機械・食品関係機械の製造・販売を行っております。
グンゼが、メディカル材料の製造を行っているほか、グンゼメディカル㈱がメディカル材料の仕入販売を行っております。また、海外では郡是医療器材(深圳)有限公司がメディカル材料の製造・販売を行っております。
グンゼは衣料品(インナーウエア、レッグウエア等)の製造・販売を行っており、東北グンゼ㈱等関係会社に製造加工を委託し、流通加工の多くはグンゼ物流㈱に委託しております。また、㈱ジーンズ・カジュアルダン等が国内でアウターウエアの小売・卸売販売を行っているほか、北京愛慕郡是服飾有限公司等の海外関係会社が現地仕入・販売を行っております。
グンゼは、繊維資材(各種ミシン糸)の製造・販売を行っており、津山グンゼ㈱(注1)に製造加工を委託し、販売の一部を中央繊維資材㈱を通じて行っております。また、PT.Gunze Indonesia等海外関係会社が現地生産及び販売を行っているほか、製品の一部をグンゼが仕入れております。
グンゼ開発㈱等の関係会社が、グンゼ工場跡地の再開発計画の立案と実行並びに再開発事業の管理運営に当たるほか建築工事の請負・設計施工等を行っております。また、グンゼグリーン㈱が緑化樹木の販売を行っているほか、グンゼスポーツ㈱がスポーツクラブを運営管理しております。また、グンゼにおいて太陽光発電事業を行っております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
(注)1.2025年4月1日付でグンゼが津山グンゼ㈱を吸収合併しております。
2.台湾郡是股份有限公司のセグメントを機能ソリューションからアパレルに変更しております。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、グンゼグループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
グンゼグループは、「人間尊重と優良品の生産を基礎として、会社をめぐるすべての関係者との共存共栄をはかる」という創業の精神を変えてはならない経糸(たていと)、社会からの期待に誠意をもって柔軟に応えることを緯糸(よこいと)とし、様々な製品やサービスの提供を通じて時代に求められた社会課題の解決に取り組み、企業価値の持続的向上を目指しております。
(2) 中期的な経営戦略
グンゼグループは、①新たな価値の創出 ②資本コスト重視の経営 ③企業体質の進化 ④環境に配慮した経営を基本戦略として2022年度~2024年度の3ヵ年を推進期間とする中期経営計画「VISION 2030 stage1」を推進しております。中期経営計画「VISION 2030 stage1」では、2030年ビジョンとして「新しい価値を創造し『ここちよさ』を提供することで持続可能な社会の実現に貢献します」を掲げ、「変革と挑戦」をキーワードに、経済的利益と社会的利益を両立させるサステナブル経営を通じて社会貢献とグンゼグループの持続的成長の実現を目指します。また、各事業セグメントの役割・位置づけを明確にして「VISION 2030 stage1」を推進しております。
(2030年に向けた各事業セグメントの役割・位置づけ)
※GVA(Gunze Value Added)= 税引後営業利益 + 配当金 - 期末投下資本 × WACC(加重平均資本コスト)
(VISION 2030 stage1の基本戦略)
① 新たな価値の創出
・新規事業の創出と既存事業の成長(M&A含む)
機能性フィルムの開発推進、ベンチャー企業等との提携・M&A推進、新規事業創出の仕組みづくり
プラスチック分野、メディカル分野でのグローバル拡販
エンジニアリングプラスチックス分野での半導体関連製品の拡大
アパレル分野でのDtoCビジネスシフト加速(EC、直営店舗)、レディスインナー・レギンス等強化
・サステナビリティを追求した新商品、新サービスの提供
吸収性製品を中心とした革新的なメディカル新商品の上市
バイオマス、リサイクル原料を活用したプラスチック環境対応新商品の拡販
アパレル事業での気候変動対応型商品、ウエルネス&ヘルス商品の拡充
人と環境に配慮した「つかしんタウンセンター」のリニューアル
② 資本コスト重視の経営
・経営資源の戦略的配分
成長分野、サステナビリティに寄与する事業への重点投資
・資本効率の追求によるGVA(経済的付加価値)黒字化
GVA向上ツリー展開による取り組み強化
③ 企業体質の進化
・D&I、働き方改革とエンゲージメント向上への取り組み
女性活躍推進、次世代支援、シニア活躍推進、職場環境整備、オフィス改革、
年休取得率向上、総労働時間削減、
1on1ミーティング推進、心理的安全性醸成、キャリアローテーション/形成支援、
人事処遇制度改革、健康経営
・デジタルの積極的活用によるプロセス変革
経営情報の連携(全社/事業部の経営ポータル刷新)
AIを活用した商品・顧客分析とSCM改革
センシング・AIを活用したスマート工場化(自働化・省力化による生産性向上)
RPA等自働化ツール活用による間接業務の省力化
④ 環境に配慮した経営
・事業活動における環境負荷の低減
省エネ・創エネ・再エネ活動の推進(高効率設備・太陽光発電設備の導入等)
資源循環の取り組み
サステナブル調達
(目標とする経営指標)
VISION 2030 stage1の経営目標はグループ売上高1,400億円、営業利益100億円、GVA(経済的付加価値)黒字化、株主資本コストを上回るROE6.32%以上としております。中でもROE(自己資本利益率)をグループ重点指標として掲げ、引き続きGVAによる業績管理を事業毎に月度単位で実施するとともに、GVA黒字事業には、投下資本収益率(ROIC)を導入し、事業運営において意識づけを強化してまいります。
上記財務目標に加え、サステナブル経営の視点から2030年度までの非財務目標を以下のとおり設定しております。上述の基本戦略に基づき諸施策を強力に推進してまいります。
[非財務目標]
(財務戦略)
強固な財務基盤を維持しつつ、環境関連を含めた設備投資と資本コスト低減を両立させ、GVA向上・フリーキャッシュフローの創出を図ってまいります。株主への利益還元については、ROEが株主資本コストを上回るまで総還元性向100%を維持するとともに、株主資本配当率DOE2.2%以上の安定的な配当を実施してまいります。
新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和等により、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調となる一方、地政学的問題を背景とした原材料価格の高騰に伴う物価上昇や、国内外の金融政策の違いに伴う円安影響及び海外経済の減速懸念など、先行き不透明な状況が継続しております。各事業においては自働化とDX推進による生産性向上の取り組みやグローバル最適生産体制によるコスト競争力の強化、原材料調達網の拡充とともに、市場の様々な変化を捉えた新たな価値創出活動に取り組んでまいります。
なお、2023年度より、現在推進中の中期経営計画「VISION 2030 stage1」における成長牽引の位置づけをより明確にするため、機能ソリューションセグメントに含まれていたメディカル事業を「メディカル」セグメントとして区分しております。
(セグメント別戦略課題)
機能ソリューション事業では、プラスチックフィルム分野は環境対応型新商品の積極的な投入とともに、サーキュラーファクトリー(資源循環型工場)の本格稼働とサーキュラーメーカーへ変革するための基礎となるリサイクルセンター設置を進めてまいります。また、設備の自働化や再生可能エネルギーの活用による生産革新を進める一方、米国・中国・アセアン等海外拡販を強化してまいります。エンジニアリングプラスチックス分野は、主力のOA市場向け製品のシェア拡大に加え、医療・半導体分野の需要増に対応するため、2025年3月完成を目標に主力である江南工場拡張を実施します。また経営資源の戦略的配分を推進するため電子部品分野については連結子会社の株式(85.1%)及び日本と米国のタッチパネル事業の商権を2024年10月1日(予定)に譲渡することとしております。メカトロ分野においても事業譲渡の交渉を行っております。
メディカル事業では、事業の成長を加速するため、2025年2月竣工を目標に京都府綾部工場敷地内に新工場(第三工場)建設とメディカルの開発力強化のための研究開発施設の増強を実施します。新工場では需要が拡大している癒着防止材「テナリーフ」の増産体制を整備します。また米国・中国の販売強化・継続的な新商品開発により、事業拡大を加速させてまいります。
アパレル事業では、競争力向上を目的とした業種横断型の組織再編を通じて、消費行動変化に伴い伸長しているECチャネルや直営店舗のDtoCルートでの更なる拡販と他社とのコラボレーションを積極的に推進し、ライフスタイル分野への拡大、差異化新商品を通じたレディスインナーの拡販を図ってまいります。また生産拠点の集約など構造改革を行ってまいりましたが、今後もオートメーション化とグローバル最適生産体制の構築によりコスト競争力の強化を推進してまいります。加えて「物流の2024年問題」については、効率化(ロットまとめ、輸送量の標準化)に取り組み事業への影響の極小化を図ってまいります。
ライフクリエイト事業では、商業施設の収益力向上の推進や投資効率を重視した物件別管理を強化してまいります。グリーン分野では、大阪万博等への緑化需要の取り込みとCO2削減に向け固定量増加に積極的に取り組んでまいります。スポーツクラブ分野は、不採算店舗の閉鎖等、課題店舗への対応を強化するとともに、スクール事業の拡大と地域・店舗特性に合わせた特長のあるサービス提供や新業態の開発に取り組んでまいります。
(財務戦略課題)
当連結会計年度末のグンゼグループPBRは0.8倍となっており、企業価値が毀損している状態が継続しております。このPBR低迷の主要因はROEにあると捉えており、エクイティスプレッド(ROE-株主資本コスト)が継続的にプラスとなれば、PBR1.0倍超えを実現できるものと考えております。
中期経営計画「VISION 2030 stage1」におけるグンゼグループの株主資本コストは6.32%に設定しておりますが、投資家との対話や日本銀行の金融政策転換を踏まえた直近の推計結果から、エクイティスプレッドのプラス化には更に高い水準のROEが必要と認識しております。
また、年々赤字幅を縮小しているGVA(Gunze Value Added= 税引後営業利益 + 配当金- 期末投下資本 × WACC)が継続的に黒字となれば、PBR上昇に寄与すると考えております。しかし、資本コスト経営を推進する中で構造改革や政策保有株式縮減(※)を優先的に進めてきた結果、当連結会計年度末のDEレシオ(負債資本倍率=有利子負債÷自己資本)は過去最低水準に低下しております。このDEレシオ水準では、WACCが中期経営計画「VISION 2030 stage1」における設定値5.15%よりも高くなり、GVA黒字化までに更に時間を要することとなります。グンゼグループの自己資本の大きさが財務健全性を支える一方、エクイティスプレッドプラス化、GVA黒字化の高いハードルとなっていることも踏まえ、利益水準・財務健全性・資本効率を考慮した最適資本構成の構築が必要と考えております。
グンゼグループの将来の利益及び投下資本の伸長を踏まえた、継続的にエクイティスプレッドプラス、GVA黒字となる理想的なDEレシオを設定してまいります。グンゼグループにおける資本コスト経営マネジメントの下、メディカル事業・エンジニアリングプラスチックス分野の増産に向けた工場拡張投資やプラスチックフィルム分野のリサイクルセンター設置など、積極的かつ効率的な成長投資により既存事業の利益伸長を図るとともに、財務レバレッジを高めてまいります。また、状況に応じてM&Aなどのインオーガニック投資や追加の株主還元も検討し、最適資本構成の実現を図ってまいります。
※ 政策保有株式縮減の状況は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」に記載しております。
(温浴施設取水量過少申告に関する対応について)
2024年1月24日に、「温浴施設取水量過少申告に関するお知らせ」(以下「本件」という)を公表し、同年1月末に、当該温浴施設を運営するグンゼ連結子会社のグンゼ開発㈱は、伊丹市・尼崎市に対し、2004年~2023年の期間に係る552百万円の未払下水道料等を納付しました。
関係者の皆様にはご迷惑、ご心配をおかけしましたこと、あらためて深くお詫び申し上げます。
本件公表後、詳細な調査と原因究明のために調査チームを立ち上げ、2004年の温浴事業開始時の関連文書の収集、及び関係者(グンゼ従業員、関係業者)への聞き取り調査を実施しました。
<調査結果と原因>
本件は、当該施設の保守点検のため配管状況を確認する目的で現場を掘削した際に、迂回配管が地中埋設されていることを発見したことから発覚したものですが、20年前の工事ということもあり、グンゼ開発㈱からの具体的指示や迂回配管を設置した施工業者を特定できる明確な証言、証拠等は得られませんでした。しかしながら、迂回配管が設置されていた事実を鑑み、当時のグンゼ従業員や施工業者が何等かの形で関与していたのではないかと推定せざるを得ないと考えております。
いずれにしてもグンゼとしては、知見のない事業への参入ということから業者に全面的に委ねる形となり、施主として工事のチェック・判断能力が欠如していたこと、また後に全国の温浴施設において迂回配管の問題が報道されていたにもかかわらず、グンゼ開発㈱・施工業者とも当事者としてコンプライアンス意識が希薄で適切なチェックや対応を怠り、結果として長期にわたり放置することに繋がったと考えております。
加えて、グンゼグループの経営を監督する経営陣のチェックが行き届かなかったこと、グンゼグループのガバナンス体制が不十分であったことも反省すべきであると考えております。
<再発防止策>
ガバナンス体制の強化及び構成員の意識付けの両面から、以下の再発防止策を講じてまいります。
①建築工事に関する本社技術開発部での契約書・図面チェックの徹底
②部門長教育、構成員研修の実施
③各部門リスクについて年一回の自主チェックと機能部門によるモニタリング実施
④コンプライアンス監査の継続
⑤トップによる全従業員へのメッセージ発信
<経営責任>
長期にわたる過少申告を発見できず多額の損失を計上する事態となったことに対する経営責任と社会的責任を果たすため、代表取締役2名(会長、社長)の月額報酬(2024年5月~6月)を20%減額することとしました。
1. グンゼグループのリスクマネジメント体制
グンゼグループにおいて発生しうるリスクの防止に係る管理体制の整備及び発生したリスクへの対応について「リスク管理規程」を定めております。
本規程ではリスクを「企業の妨げとなる可能性のある、社内外から受ける不確実な危険性であって、グンゼグループの経営にとってマイナスの結果をもたらす可能性のあるもの」と定義し、ステークホルダーに対する責任及び影響に鑑み、リスクを可能な限り排除することを基本方針としております。ただし、関係法令、社内諸規則及び社会秩序に反しない限りで、事業遂行に必要と認められるときは、適切なリスクを取ることがあります。
グンゼグループにおいて、リスクが事象として発生した際には、ステークホルダーに対する影響を最小限にとどめることを第一の目的とし、以下の行動を実施いたします。
(1) 当該リスクに対する方策の迅速な実施
(2) 当該リスクの発生の原因究明及び適切な再発防止策の策定
(3) ステークホルダーに対しての適切な情報提供
また、グンゼグループでは、必要に応じコンプライアンス担当責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会を開催し、リスク事象の発生、採られた又は採られる予定の措置、リスク予防などについて協議しております。
リスクマネジメント委員会においては、人権侵害、環境問題、法令違反、贈収賄等を含む腐敗行為、感染症・天災などの災害、労働災害などグンゼが直面する可能性のあるリスクを分析・評価し、重点経営リスクを抽出し、施策及び対応方針の検討を行っています。また、それぞれのリスクに対して主担当部門による定期的なモニタリング体制を整え、関係部門に対するフォローアップや研修を実施する等、取組みを強化しています。
2. 主要リスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在においてグンゼグループが判断したものであります。
(事業運営上生じうるリスク)
(1) 経営戦略的リスクについて
グンゼグループの成長戦略の一つとして、新規事業創出を掲げており、「M&A活用による事業拡大」、「新規テーマ創出の仕組み構築」に向けた取り組みを強化しております。M&A等外部の経営資源獲得に当たっては、慎重に検討を行い、将来のグンゼグループの業績に貢献すると判断した場合に限り実行いたします。しかしながら、期待したシナジー効果が創出できなかった場合や、買収した事業における製品・サービス等の需要を維持できない場合等により、期待する成果が得られない可能性があります。
また、研究開発部門を中心として新規テーマに取り組んだ結果、市場環境の変化や技術革新、消費者ニーズの変化等により、そのテーマの事業化が困難と判断した場合は、研究開発等に要したコストが回収されず、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、グンゼグループは、経営の効率化及び競争力強化のため、子会社や関連会社を含めた不採算事業の構造改革や製造・販売・物流拠点の再編等、事業の再構築を行うことがあります。これらの施策を実施する場合、一時的な損失の発生等により、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 製品・サービスの安全性、品質について
グンゼグループは「品質第一主義 優良品の提供」を事業の根幹に置き、より安心・安全で、より快適な、魅力ある製品とサービスの提供のために、徹底した安全性と品質の確認を実施しております。しかしながらグンゼグループの製品の重大な品質トラブルや、グンゼグループの商業施設やスポーツクラブ内においてお客様の事故が発生した場合には、該当する製品・施設のみならず、グンゼグループの社会的信用やブランドイメージにも重大な影響を与え、売上高の減少によって、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合他社との競争について
グンゼグループの各事業分野における製品・サービスは、国内外の市場で競合他社との激しい競争にさらされております。グンゼグループの競合先には、各事業分野でのシェアの優位性の他、研究開発や製造、販売面で有力な企業が存在しております。
グンゼグループは、2030年ビジョンとして「新しい価値を創造し『ここちよさ』を提供することで持続可能な社会の実現に貢献します」を掲げ、「変革と挑戦」をキーワードに、経済的利益と社会的利益を両立させるサステナブル経営を通じて社会貢献とグンゼグループの持続的成長の実現を目指し、これら競合他社との差異化を図るべく、商品開発、生産・販売革新及び提供サービスの向上を行っております。
しかしながら、競合他社が提供する商品・サービスに対してグンゼグループが適切に対応できず、グンゼグループが提供する製品・サービスが競合他社に劣後した場合は、グンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(4) 情報セキュリティについて
グンゼグループは、事業に関連する情報の大部分を電子データとして保有し、セキュリティ対策を施したIT機器、ソフトウエア、ネットワークインフラ環境で運用しております。またアパレル事業の公式通販サイトの顧客情報、スポーツクラブや商業施設の会員情報といった個人情報に対しては、アクセスできる端末・人を限定しております。
各種情報の取り扱いに関し、「ITセキュリティ方針」を定め、各種のセキュリティ対策を施し、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、その管理に万全を期しておりますが、外部からのサイバー攻撃やウイルス感染等、予期せぬ事態により重要情報が漏えいまたは不正使用された場合、グンゼグループの社会的信用に影響を与え、更には損害賠償責任の発生等により、グンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人財確保について
我が国の労働力人口は減少傾向にあり、労働市場における人財獲得競争は近年益々激しさを増しており、グンゼグループでも優秀な人財の確保が課題となっております。特にグンゼは、50歳以上が約50%を占める従業員構成となっており、技術革新による効率化を推進する一方で、継続的な一定数の人財確保と活性化が事業継続と成長、技術伝承には必要不可欠となっております。
また開発・生産・販売の各活動において、多様な資質の高い人財を採用し、 自律性・挑戦性ある人財への育成とその後の活用を図って参りますが、十分な人財確保ができず、事業を担い新たな価値を創造する人財の育成ができなかった場合、グンゼグループの成長性と将来における経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(6) 固定資産の減損について
グンゼグループは固定資産の減損に係る会計基準を適用しています。投資判断については事業部門ごとにWACC(加重平均資本コスト)を設定し、低収益事業への投資に歯止めをかけておりますが、グンゼグループが保有する固定資産について、投資判断時に想定できなかった水準で経営環境が著しく悪化し、収益性の低下や市場価格の下落等により期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、設備投資により計上した固定資産や、M&Aにより計上したのれんの減損処理により、グンゼグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度末時点でグンゼグループが保有している有形固定資産は635億円、無形固定資産は19億円であります。
(7) 人権リスクについて
「ビジネスと人権」に関する意識が世界的に高まる中、グンゼグループは「人間尊重」、「優良品の生産」、「共存共栄」を創業の精神として受け継いでおり、事業活動を継続していくうえで、人権尊重を重要課題と位置付けて取り組んでおります。しかしながら、万一、グンゼグループおよびサプライチェーンにおける児童労働、強制労働、外国人労働者の差別等の人権にかかる問題が生じた場合、グンゼグループの社会的な信用低下により、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟リスクについて
グンゼグループは、事業を遂行していくうえで、知的財産権、製造物責任、環境、労務等について、様々な訴訟を提起される可能性があります。万一グンゼグループが訴訟を提起された場合、また訴訟の結果によっては、損害賠償責任の発生等によりグンゼグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) ライセンス契約に関連するリスク
グンゼグループは、アパレル部門において国内外企業が所有する商標の使用許諾を得て製造・販売している製品がありますが、不測の事由によりライセンス契約が継続できない状況が発生し、当該製品の製造・販売ができなくなった場合、売上高の減少等によりグンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) レピュテーションリスクについて
ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)は社会一般に浸透しております。SNSは利用するメリットが大きい一方で、誤った使い方をするとお客様や取引先のみならず、会社や自分自身に多大な損害を与えるリスクがあります。グンゼグループにおいても、広告等での不適切な表現や、不適切な書き込み等がSNSを通じて拡散した場合、また、グンゼ製品やブランド、事業活動等について誤った投稿が拡散した場合、グンゼグループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) メディカル事業のコンプライアンスリスク
グンゼグループのメディカル事業は、生体吸収性材料を中心とした医療機器の開発、製造、販売を行っておりますが、医療機器の品質保持については、薬機法、臨床試験法、各種省令等の法令遵守が厳しく求められています。グンゼグループは、高い倫理性と公共性が求められる医療関連企業の一員として、法令遵守については当然のことながら、営業活動についても、日本医療機器産業連合会が策定する「医療機器業界における医療機関等との透明性ガイドライン」 および医療機器業公正取引協議会が定める「医療機器業公正競争規約」とそれらの精神に従い、 医療機関等との関係の透明性に関する企業方針として、「医療機関等との関係の透明性に関する指針」を公表しております。
これらを遵守するために、法令および社内規定の遵守をモニタリングしておりますが、法令違反等が発生した場合、法令による処罰や制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、社会的な信頼を失うとともに金銭的損害等により、グンゼグループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) プラスチック使用規制強化に伴うリスク
海洋プラスチック問題に対する国際的意識の高まりから、使い捨てプラスチックに対する規制強化の流れが加速しており、グンゼとしてもプラスチック資源循環基本方針を策定し、プラスチック包装材料等を製造販売、使用する企業として、事業を通じてプラスチックの3R+Renewableを推進し、社会的責任を果たしてまいる所存であります。
しかしながら、プラスチックを大量に使用する製品に対する社会の目は厳しくなっており、グンゼグループのプラスチック包装材料等に関する施策を上回るスピードでプラスチック代替品が普及した場合、売上高の減少・在庫の増加などによりグンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 保有不動産の環境汚染によるリスク
グンゼグループが所有する不動産について、土壌汚染等環境問題が判明した場合には資産価値の毀損や多額の対策費用が発生する可能性があり、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、PCBやアスベスト等建物に関して有害物質が使用されている場合には、解体費用や処分等多額の費用が発生する可能性があり、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(財務上のリスク)
(1) 為替相場の変動
グンゼグループの取引には外貨による輸出・輸入が含まれており、外国為替レートの変動の影響を受けます。特に海外からの原材料・商品等の仕入については、その多くが米ドルでの決済となることから、グンゼグループにおいては米ドルの為替変動による影響が大きくなっております。そのため為替予約等により為替相場の変動リスクをヘッジしておりますが、そのリスクを全て排除することは不可能であります。また外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社等の財務諸表の円貨換算額についても外国為替レートの変動の影響を受け、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2) 投資有価証券の価格変動
グンゼグループは取引関係の維持・強化を目的として一部の取引先について株式を所有しております。これらのいわゆる政策保有株式については、株式保有リスクの低減、資本効率向上の観点から、取引先企業との十分な対話を経た上で、縮減を進めております。しかしながらこれらの投資有価証券は金融商品会計基準に基づき時価評価を行っており、保有銘柄の株価が著しく下落した場合、基準に基づき減損処理を実施しております。また、減損に至らない場合でも時価の変動により包括利益は大きく変動することが考えられるなど、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末時点においてグンゼグループが保有している時価のある有価証券は51億円であります。
(3) 退職給付債務
グンゼグループの退職給付制度の一部は、確定給付型制度を採用しております。退職給付債務については安全性の高い長期の債券の利回りを基準とした割引率に基づいて算定しており、金利の変動は退職給付債務に影響を与えます。また、確定給付型年金制度における年金資産はその一部を株式等のリスク資産に投資しており、株式市場の下落等により、その運用利回りは悪化する可能性があります。このように長期金利の変動及び株式市場の下落等運用環境の悪化は、退職給付債務の増加につながり、グンゼグループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、グンゼグループが連結貸借対照表に計上した退職給付に係る負債は当連結会計年度末時点で39億円であります。
(4) 資金の流動性に関するリスク
グンゼグループは、事業資金の一部を主に金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行等により調達しており、金融市場の不安定化や金利上昇、または格付機関によるグンゼグループの信用格付けの引下げが行われた場合等には、資金調達に大きな制約が出る、もしくは資金調達コストが大幅に増加し、グンゼグループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末時点でグンゼグループが連結貸借対照表に計上している長短借入金の残高は89億円であります。
(外部環境に起因するリスク)
(1) 市場トレンドや消費者の嗜好変化について
グンゼグループのアパレル事業は、市場トレンドや消費者の嗜好の変化に的確に対応するために、フレキシブルに対応する生産構造の変革に取り組んでおりますが、消費者の嗜好及び需要が想定外に変化し、市場動向の判断を誤った場合は売上高の減少・在庫の増加などにより、グンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(2) 事業展開国のカントリーリスクについて
グンゼグループは、中国、東南アジアを中心に海外に生産・販売拠点を設置しております。海外事業所においては、事業の進捗管理や財政状態等の情報収集、内部統制の体制構築に加えて、当該事業所との密接なコミュニケーションを通してガバナンス体制を強化しております。しかしながら、事業展開する海外各国において、法律・規制の大きな変化、政治・経済状況の急激な変化、テロや戦争、知的財産権訴訟、疾病といった予測し難い事態が生じ、事業活動に大きな影響を受け、事業継続が困難になった場合、海外での事業活動の停滞や不測の事態による損害の発生等、グンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(3)気候変動について
グンゼグループは2021年10月に金融安定理事会(FSB)の「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言」に賛同を表明し、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載の通り、短期~長期におけるリスクの特定とその対応策の検討及び機会の抽出を実施し、計画的なCO2 排出量削減に向けた取り組みを進めております。低炭素社会に移行する中で、排出権取引や炭素税導入による操業コストの上昇、規制強化によるバイオ素材、リサイクル素材の導入に伴う原材料価格の上昇等により、グンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(4) 原材料価格の変動
グンゼグループはメーカーとして、アパレル事業のインナーウエア分野、レッグウエア分野は原糸(綿糸・合繊糸)、機能ソリューション事業のプラスチック分野、エンジニアリングプラスチックス分野はプラスチック樹脂、メディカル事業は生分解性高分子材料等多岐にわたる原材料を購入し、それぞれの事業を通じて製品化しております。原材料価格は市況により変動するため、原材料価格が高騰した場合は原価高となり採算性が悪化し、製品価格に転嫁できない場合には、製品の収益性が低下することによりグンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(5) 天候不順について
グンゼグループのアパレル事業は、お客様に心からここちよいと感じていただくために、インナーウエアでは、年々厳しさを増す夏の暑さに対し独自の汗解消テクノロジーで不快感の解決を図る「アセドロン」等、シーズンに応じて機能性を高めた商品を展開しております。冷夏・暖冬等の天候不順となった場合は、グンゼ製品の機能性のニーズは減少し、販売量は想定を下回る可能性があります。
また、プラスチック事業においては、飲料用途向けシュリンクラベルを生産し、飲料メーカーに販売しておりますが、最需要期の夏場において、長雨等でレジャー、イベント等の消費動向が低調となり、飲料の販売量が低迷する場合は、売上高の減少・在庫の増加などによりグンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。
(6) 自然災害の発生・感染症の流行
グンゼグループは、機能ソリューション事業、メディカル事業およびアパレル事業において国内外に生産工場等の事業所を配置しております。それぞれにおいて自然災害に対する被害・損害を最小限にするための防災、減災に努めていますが、想定を上回る大規模な地震や台風、洪水等の自然災害の発生により、生産拠点や物流拠点が被災した場合や、感染症の流行により生産活動を中断せざるを得なくなった場合、別拠点からの商品供給のバックアップ対応を行うものの、一部商品については供給がストップするなどサプライチェーンに支障を来す可能性があり、ライフクリエイト事業の商業施設においては、商品の納品遅れや、施設の一時的な休館により、テナントの売上高が減少する可能性があります。
また、感染症の流行により、外出自粛や休業要請などの経済活動の制約が発生した場合、アパレル事業ではインナーウエア、レッグウエア分野において店頭販売が低迷し、ライフクリエイト事業では不動産関連分野において商業施設の休館に伴うテナント売上減少等により賃料収入が減少し、スポーツクラブ分野においては休館等により収入が減少するなど、グンゼグループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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