ラクト・ジャパン(3139)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】ラクト・ジャパングループ(ラクト・ジャパン及びラクト・ジャパンの関係会社)は当連結会計年度末現在において、ラクト・ジャパン(株式会社ラクト・ジャパン)、国内子会社1社、海外子会社9社(LACTO USA INC.、LACTO OCEANIA PTY.LTD.、LACTO ASIA PTE.LTD.、LACTO ASIA (M) SDN.BHD.、FOODTECH PRODUCTS (THAILAND) CO.,LTD.、LACTO SHANGHAI CO.,LTD.、LACTO EUROPE B.V.、LACTO PHILIPPINES INC.、PT. LACTO TRADING INDONESIA)及び海外関連会社1社(PT. PACIFIC LACTO JAYA)で構成されております。ラクト・ジャパングループでは、乳製品原料、機能性食品原料、食肉及び食肉加工品等の輸入を主とする卸売及び海外子会社によるチーズの製造・販売を行う食品事業を営んでおりますが、事業セグメントに分類した場合の経済的類似性及び各セグメントにおける量的基準等を考慮し、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、ここではラクト・ジャパングループの管理会計上の区分をベースに記載しております。ラクト・ジャパングループで取り扱う乳製品原料をはじめとする農畜産加工品については、中長期的には国内の酪農畜産業の厳しい経営環境を受けた生乳生産量の減少により、輸入による調達の重要性が高まる傾向にあります。このような環境を踏まえて、ラクト・ジャパングループでは創業以来培ってきた世界各地の生産地との確固としたリレーションを背景に、食品メーカーを主とした顧客に対して、安全、安心な乳製品原料等を安定的に提供できるよう努めております。 (1) 乳原料・チーズ部門ラクト・ジャパングループでは、生乳から派生した多種多様な原料を取り扱っており、下記図表の取扱商品(実線囲み)に加え、取扱商品に砂糖や油脂類等を加えるなどの一次加工を施した原料(乳調製品)も取り扱っております。この乳調製品はアイスクリームやヨーグルト、乳飲料のほか加工食品の原料として幅広い食品に使用されております。 当事業部門は「乳原料」及び「チーズ」を取り扱う部署に分かれており、「乳原料」においてはチーズ以外の乳製品原料全般、「チーズ」においてはナチュラルチーズを主として取り扱っております。食品にとって最も重要である安全、安心な原料を主に海外から仕入れ、日本国内における乳製品メーカーをはじめとする食品メーカー等に対して販売を行っております。仕入先である乳原料メーカーと販売先である食品メーカーの双方のニーズに対応した原料の開発や提案を行い、両者のビジネスパートナーとしての地位を確立しております。特に安全、安心の観点から、仕入先の選定においては、品質、技術力、開発力、顧客適応力はもちろん“各生産プロセスにおいて十分な安全管理体制が構築されている仕入先”であることを条件としております。これらを検証するため、ラクト・ジャパングループでは、担当者が現地に赴き長年培ったノウハウを基にしたチェックや、場合によっては販売先の担当者と一緒に仕入先に出向き、製造工程のチェックを行っております。乳原料・チーズ部門の特徴は以下のとおりです。 a.長年にわたる乳製品原料の輸入実績により積み重ねてきたノウハウや、大手企業グループに属さない独立系としての強みを活かし、仕入から販売に至るまで、あらゆる企業と取引を行うことができるという全方位性が特徴であります。 b.販売先に対しては、日々の商品や為替相場の情報提供に加え、海外マーケットや各種乳製品相場等、専門的な情報の配信を定期的に行っております。さらには、販売先とともに仕入先の工場を定期的に訪問し、仕入先及び販売先双方のニーズのすり合わせを行い、顧客満足度の向上を図る等、きめ細かな対応を行っております。 c.わが国における数少ない乳製品専門商社として、長年にわたり乳原料・チーズ事業に携わることで商品・業界知識のノウハウの蓄積はもとより、幅広い人脈を持つ乳製品のプロフェッショナルとしての人材を多く抱えており専門商社ならではの高度なサービスの提供に努めております。 d.わが国における乳製品需要は、機能性ヨーグルトの定着や食生活の変化による年間を通じたアイスクリーム消費の拡大、さらには多様な食品へのチーズの使用等により、底堅く推移しています。一方で、乳牛の飼養頭数の減少や酪農家の廃業等により、乳製品原料となる生乳生産量は中長期的には減少傾向にあります。ラクト・ジャパンではこのギャップを補うべく、優良な海外仕入先を数多く確保し、グローバルに原料調達ネットワークを構築することで、高品質かつ価格競争力のある商品を調達し、多様な顧客ニーズに対応した商品をお届けしております。 (2) 食肉食材部門当事業部門においては、チルド及び冷凍の豚肉の輸入販売を主とし、鶏肉及び鶏肉加工品、生ハム・サラミ等の食肉加工品の輸入販売も行っております。ラクト・ジャパンでは、事業多角化のため、2004年度から食肉及び食肉加工品の仕入・販売事業を開始しており、主として海外から安全、安心を第一に商品を仕入れ、日本国内におけるハム・ソーセージメーカーをはじめとする食品メーカー、外食企業、食品スーパー等に対して販売しております。食肉食材部門の特徴は以下のとおりです。 a.事業開始当初より豚肉加工品の大手仕入先であるSEABOARD FOODS社(米国)の日本におけるパートナー企業として良質な豚肉を輸入し、大手ハム・ソーセージメーカーに販売しております。 b.仕入先及び販売先の多様化を図るとともに、仕入先及び販売先いずれからも重要なパートナー企業として認識してもらうことで、市況に左右されにくい安定した取引基盤を構築しております。 c.鶏肉及び鶏肉加工品の取扱いでは、スーパーなど小売企業の総菜用原料を主としており、また、生ハム・サラミの取扱いでは、大手スーパー等に販売ルートを持つリパックメーカー(原料である生ハムの原木を販売用途にあった形やサイズに加工し、袋詰めするメーカー)の主要仕入先として、欧州の主要な産地からブランド力のある高品質な商品を輸入販売しております。 d.商品知識や業界情報を駆使しながら、仕入、販売において新規取引先を開拓するとともに、取扱商品の多様化を目指して牛肉や鶏肉、加工食品等、輸入豚肉以外の商品の取扱いも行っております。 (3) 機能性食品原料部門2020年4月に事業開発本部を立ち上げ、機能性食品原料の輸入・販売を開始しております。たんぱく質摂取意識の向上やトレーニング需要を背景に、プロテイン市場が拡大しているほか、感染症の流行を機に食品業界において「健康」が商品開発の主要なテーマとなる等、機能性食品原料のニーズが高まっております。こうしたニーズに応えるべく、当部門では乳由来の高たんぱく食品原料をはじめ、大豆たんぱく、ゼラチン、コラーゲンなどの機能性が訴求できる商品を販売しています。販売先は、スポーツニュートリション業界、美容・健康業界、介護業界、食品業界と多岐にわたります。なお、当部門は2025年12月1日付で「ライフサイエンス事業部門」に改称しました。2026年11月期からは部門名を変更して記載します。 (4) アジア事業乳製品市場の拡大が期待されるアジア市場をターゲットに、子会社LACTO ASIA PTE.LTD.(シンガポール)を中核企業として、マレーシア、タイ、中国、インドネシア、フィリピンに子会社及び関連会社を設立し、事業展開を行っております。国内事業の乳原料・チーズ部門と同様、海外から仕入れた原料を、各子会社のある国及びその周辺国において、日系及び現地企業に販売するほか(乳原料販売事業)、チーズ製品の開発、製造販売も手掛けております(チーズ製造販売事業)。 (乳原料販売部門)ラクト・ジャパンが長年日本市場において培ってきたノウハウやグローバルに構築している原料調達ネットワーク、顧客の多様なニーズにきめ細かに対応することで築き上げてきた信頼を背景に、海外に進出している日系企業及び現地企業に対して乳製品原料の販売を行っております。 (チーズ製造販売部門)シンガポール、タイ、インドネシアにおいて、主に業務用プロセスチーズの製造販売事業を行っているほか、近年需要が高まっているナチュラルチーズ加工品の製造販売も行っており、販売先の多様なニーズに応えて取引を拡大しております。ラクト・ジャパングループでは、食品メーカーや小売業者が直面している問題点を一緒に解決していくという方針で製品開発を行い、“FOODTECH”及び“CHOOSY”という2つの自社ブランドで製品を展開しております。以下の2つを運営方針の柱として、製造した商品を使用する顧客の立場に立った開発、製造、販売活動を行うことで他社との差別化を図っております。 ・「日本市場で培った厳しい品質基準で製造し、高品質な製品を提供する」・「顧客本位の商品開発」(マーケットイン) これらの運営方針に基づくチーズ製造販売部門の特徴は、以下のとおりです。 a.厳しい品質基準を誇る日本市場で培った品質管理に関するノウハウを活用し、主力となるシンガポール工場では創業時より同国の食品工場を監督しているSFA(シンガポール食品庁)より「A」グレードという最高レベルの評価を継続して受けており、地元企業との差別化を図っております。また、2021年6月には食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるFSSC22000を取得する等、さらなる品質の向上とより安全、安心な製品の製造と提供を継続して進めてまいります。 b.アジアで販売していくための条件として、シンガポール、マレーシア、インドネシア等のムスリム(回教徒)に安心して食べてもらえる保証であるハラル認証の取得が必要となります。ラクト・ジャパン子会社で製造する製品は2004年度に製造事業を立ち上げた当時よりハラル認証を取得しており、現地商慣習に合致した製品の提供を行っております。 (5) その他海外法人として米国にLACTO USA INC.、オーストラリアにLACTO OCEANIA PTY.LTD.、オランダにLACTO EUROPE B.V.をそれぞれ設立しております。LACTO USA INC.ではチーズを含む乳製品原料のほか、豚肉を中心とした食肉と食肉加工品の日本及びアジア地域向け輸出事業を行っております。LACTO OCEANIA PTY.LTD.では、オセアニア地域の仕入先との情報交換を通じて乳原料・チーズ事業のビジネスに有益な情報の収集や価格交渉、さらには新規仕入先の開拓等、ラクト・ジャパングループの営業活動のサポートを行っております。LACTO EUROPE B.V.では、欧州の仕入先との情報交換を通じて乳原料・チーズ事業のビジネスに有益な情報の収集や価格交渉、さらには新規仕入先の開拓等、ラクト・ジャパングループの営業活動のサポートを行っております。 ラクト・ジャパングループでは「世界を食でつなぎ、人々を健康に、そして笑顔にする」というパーパス(ありたい姿)を掲げ、多様な顧客のニーズに対応した商品・サービスを提供しております。ラクト・ジャパングループの取扱商品は、牛や豚といった動物由来の原料が多く、気候や生育環境等によって大きく左右されます。そのためラクト・ジャパングループは世界中の優良仕入先との長年にわたる取引により構築された強固な信頼関係のもと、グローバルなサプライネットワークを構築し、良質かつ安定的な原料の調達を図っております。また、今後需要の拡大が見込まれる高たんぱく原料をはじめとした機能性食品原料の取扱いを増やす等、事業の多様化にも積極的に取り組んでまいります。成長著しいアジアにおいては、日本が高度経済成長期に経験した食文化の発展と同様の現象がアジアの新興国においても起こり得るという見通しのもと、乳製品原料の販売事業やチーズの製造販売事業を積極的に展開し、商品の販売を通じて、日本の高度な食品加工技術やさまざまなバリエーションの食べ方を紹介する等、日本の豊かな食文化の新興国への普及と、乳製品市場の拡大に取り組みます。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注) *は、LACTO ASIA PTE.LTD.がチーズ製品製造のため、LACTO USA INC.より仕入れる、原料用チーズであります。
有価証券報告書(2025年11月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてラクト・ジャパングループが判断したものであります。 (1) 経営方針・戦略等ラクト・ジャパングループは、「パーパス(ありたい姿)」を見つめ直し、それを実現するための「ミッション(未来に向けた使命)」、「バリュー(大切にする価値観)」について、社員をはじめあらゆるステークホルダーの皆さまと共有すべく新たな経営理念としてまとめ、2023年1月に公表しました。 <経営理念>パーパス(ありたい姿)・世界を食でつなぎ、人々を健康に、そして笑顔にするミッション(未来に向けた使命)・食の基盤である一次産業の未来に貢献する・乳製品の新たな需要を創造する・ステークホルダーすべての豊かな生活を実現するバリュー(大切にする価値観)・フェアであれ <コーポレートブランド>「みらいを育む」食を通じて人々の健康的な未来に貢献したい、その基盤である一次産業の未来に貢献したい、株主、取引先、従業員などのすべてのステークホルダーの皆さまの豊かな未来をともに育んでいきたい、そのような想いを込めています。 <長期ビジョン>長期ビジョンとして「LACTO VISION 2032」を公表しております。 ①スローガン・乳製品専門商社から複合型食品企業へ・乳製品取扱高日本一、そして世界一へ・ベストマッチングで需要を創造、酪農・畜産業発展への貢献 ②計数目標 2025年11月期実績2032年11月期目標連結経常利益58億円60億円海外比率(連結経常利益ベース)30%40%乳製品取扱高(グループ合計)22万トン45万トン <中期経営計画>2023年11月期よりスタートした中期経営計画「NEXT-LJ 2025」では、成長分野と位置付けた機能性食品原料部門やアジアのチーズ製造販売部門の着実な事業拡大などを背景に、最終年度である2025年11月期に利益と財務指標の計数目標を上回る実績をあげることができました。今般、ラクト・ジャパンは「未来成長に向けた基盤づくり」と位置付けた新中期経営計画「NEXT-LJ 2028」を公表し始動いたしました。「NEXT-LJ 2028」では、成長が期待される食品分野への取組み強化や新規商品の開発などによる国内事業の成長に加え、製造体制を強化するアジアのチーズ製造販売事業の拡大を通じて、「複合型食品企業」への進化を目指し、創業30周年を迎える2028年以降の飛躍に向けて準備を着実に進めてまいります。当中期経営計画の概要は以下のとおりです。 (コンセプト)中期経営計画「NEXT-LJ 2028」では「つなぐ tsu-na-gu」をコンセプトに掲げています。ラクト・ジャパングループは、「食と健康をつなぐ」「価値をつなぐ」「志をつなぐ」という3つの約束を大切にしながら、お客さまや仕入先、従業員、そして株主の皆さまと思いをつなぎ、日々の事業活動に取り組んでいきます。 (「NEXT-LJ 2028」の全体像)基本方針と主要戦略の概要は下記のとおりです。 (「LACTO VISION 2032」達成に向けたロードマップ)当中期経営計画期間を「未来成長に向けた基盤づくり」と位置づけ、事業成長や人材の確保・育成のための投資により、長期ビジョンの実現に向けて利益拡大を目指します。 (ラクト・ジャパングループの考える成長)国内事業・海外事業ともに、成長に向けた戦略実行と基盤強化により、3年間でそれぞれ10億円超の利益(管理会計上の売上総利益)拡大を目指します。 (キャッシュ・フロー アロケーション)成長実現に向けて、事業及び人材への投資を積極化します。事業投資においては、アジア事業における設備投資に加えて、「複合型食品企業」への進化に向けて既存事業とのシナジーが期待される分野でのM&Aも検討していく方針です。また、引き続き株主還元の拡充にも取り組んでまいります。 (連結数値目標)「NEXT-LJ 2028」の最終年度(2028年11月期)の計数目標は下記のとおりです。 経常利益は、「LACTO VISION 2032」で掲げた目標「60億円」を4年前倒しで達成することを目指します。 (2) 経営環境及び対処すべき課題各事業部門の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりです。<乳原料・チーズ部門>気候変動や環境規制などの影響により、世界の産地で生乳生産量の大幅な伸びが期待できない一方、新興国に おける乳製品需要の増加により、将来、乳製品原料は供給不足となることが懸念されています。そのため、乳原料・チーズ部門においては、顧客ニーズに合った原料を安定的に確保できる体制の構築が最も重要な課題です。 ラクト・ジャパングループはすでにサプライソースに強みを持っていますが、引き続き既存サプライヤーとの連携強化や、新規サプライヤーの開拓に注力し、調達体制を強化してまいります。国内においては、長期的には乳製品の輸入需要の高まりが予想される一方、足元では生乳生産と乳製品需要のバランスが崩れ、国産脱脂粉乳の在庫が再び増加する懸念も生じています。このような事業環境を踏まえ、乳原料・チーズ部門では国産原料の需給影響を抑えつつ売上拡大を目指すために、取扱商品及び販路の多様化を図るとともに、付加価値の高い乳製品原料の販売により一層力を入れてまいります。 <食肉食材部門>豚肉を中心とした食肉の輸入事業においては、当面、海外市場における相場高や円安傾向が継続する厳しい事業環境を見込んでいます。また、家畜の疾病の影響などにより、調達地域の変更を余儀なくされるリスクもあり ます。そのため産地リスクの低減を図りながら、価格競争力のある原料を安定的に確保する体制を整えることが 重要な課題となります。当部門では、これらの課題へ対応するため、引き続き産地の多様化や新規サプライヤーの開拓に取り組んでまいります。また、鶏肉加工品をはじめとして、国内外における加工品の商品開発や香辛料・香辛料抽出物など取扱商品の幅を広げることで事業の拡大と利益率の改善に努めてまいります。 <機能性食品原料部門>プロテイン製品の原料となる乳由来の高たんぱく原料は世界的に需要が旺盛であり、今後も需給のひっ迫が続 き、国際相場も高水準で推移することが予想されます。そのため、高たんぱく原料の安定調達と、代替原料のサ プライソースを確保することが課題となっています。ラクト・ジャパンはこれまで、乳由来の高たんぱく原料を主に米国から 調達してまいりました。今後は他産地のサプライヤーを開拓し、調達力を強化してまいります。また、多様な機 能性食品原料の取扱いにより、顧客ニーズへの対応力を高めるとともに、「食」と「健康」を軸に事業の拡大を 目指します。 <アジア事業・その他>(乳原料販売部門)東南アジア地域においては、人口の増加や食の欧米化の進展により、今後も乳製品の消費が拡大することが見込まれています。この需要に応え、着実な事業成長を実現するために、販売力の強化と、安定供給が可能なサプライヤーの確保が当部門の重要な課題です。販売力強化のため、各国の法規制への対応や市場調査などの情報収 集を行うと同時に、人員の増強や販売拠点の拡充も検討してまいります。また本社との連携による高付加価値商 品の販売にも注力する方針です。サプライヤーの確保については、新規開拓を含めて取引先の拡大に努めます。 さらに、将来的な需要拡大が期待できる機能性食品原料の拡販に向けて、日本製食品や原料の販売などを通じて 市場創造に挑戦してまいります。 (チーズ製造販売部門)当部門の最重要課題は、2026年11月期に稼働開始を予定しているシンガポール新工場の速やかな立ち上げです。初年度は、旧工場から新工場への生産体制の移管を進めながら、各種認証の取得手続きを進めます。また、タイ工場によるバックアップ体制を確保して既存のビジネスを維持しながら早期に商業生産を開始したいと考えています。新工場の稼働により、増産や生産効率の改善が可能になるだけでなく、当部門の事業に新たな展開の余地が生まれることになります。例えば、シンガポール国内外に向けた新製品の製造・販売や受託加工ビジネスなど、事業拡大を目指し、新たな取組みも進めてまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてラクト・ジャパングループが判断したものであります。ラクト・ジャパングループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、以下の記載はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。 ラクト・ジャパンでは、ラクト・ジャパングループのリスク評価、リスク対策の方針決定及び審議結果の取締役会への報告もしくは諮問のための機関として、リスク管理委員会を設置しています。委員会は、業務執行取締役、コーポレートスタッフ部門長、経営戦略部門長、総務部長、経理部長、経営企画部長により構成され、委員長は代表取締役社長が務めております。原則として、年2回定例で委員会を開催し、その他必要に応じて都度開催することとしています。 (1) 事業環境に関するリスク① 主要市場の政治・経済動向・気候変動による影響、地政学リスクについて(主要市場の政治・経済活動による影響)ラクト・ジャパングループが事業活動を行う主要な市場である日本、アジア、北米、欧州、オセアニア等の国及び地域の政治・経済の動向が、ラクト・ジャパングループの取扱商品の需給バランスに変動をもたらす可能性があります。政治・経済動向により取扱商品の需給バランスに変化が生じた場合には、仕入価格や販売価格を通じて、ラクト・ジャパングループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (気候変動による影響)ラクト・ジャパングループの取扱商品である乳原料、チーズ、食肉及び食肉加工品等はその原料が動物に由来します。これらは、工業製品とは異なり、生産量は天候や環境等に左右されやすく、需給バランスも崩れやすい商品といえます。特に、酪農業においては、気温上昇が生乳生産量の減少につながるほか、干ばつや多雨による飼料の作柄なども生乳生産量に影響するため、気候変動による影響が大きいといえます。生産量の増加等で国際的に需給が緩和した場合には、国産品に対する輸入品の価格競争力が増し、販売数量が増加する傾向がありますが、逆に異常気象などで生産量が減少し、需給がひっ迫した場合には、価格が高騰するとともに販売数量が減少する可能性があります。なお、極端な温暖化が進んだ場合、酪農業において生乳生産量が減少し乳原料、チーズの調達に影響が及ぶ可能性があります。 (環境関連規制による影響)酪農畜産業は、牛によるメタンガスの排出など、温室効果ガスの排出量が多く、糞尿処理による水質・土壌汚染、さらには牧草地の開発に伴う森林破壊など環境負荷が大きい産業とされています。取扱商品のサプライチェーンに酪農畜産業を含むラクト・ジャパンの事業活動においては、低炭素社会への移行に伴い温室効果ガスの排出規制がさらに強化されるなど、環境負荷を軽減するために各種規制が強化される場合、規制に適合するために必要なコストが増加する可能性があります。また、酪農畜産業においてこれらへの対応が不十分であったり遅れたりした場合、ラクト・ジャパングループの円滑な事業活動に影響が及ぶ可能性があります。 (地政学リスク)ラクト・ジャパングループは日本及びアジアを中心にグローバルに事業を展開しております。一方で、近年では、ロシア・ウクライナ紛争やイスラエル・パレスチナ紛争など世界各地で国際紛争が発生しており、アジアにおいても台湾や北朝鮮に係る有事が懸念されています。ラクト・ジャパンが事業を展開している地域における有事の際には、商品の調達、輸送、さらには販売といったラクト・ジャパングループのサプライチェーンに混乱が生じ、ラクト・ジャパングループの業績に影響が及ぶ可能性があります。 以上のような事業環境の変動により取扱商品の調達や販売が困難になる、または、仕入価格や販売価格が大きく変動するなど、ラクト・ジャパングループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ラクト・ジャパングループでは、サプライソースの多様化や代替原料の開発・調達の推進、サステナブルな酪農畜産業の構築に向けて取り組んでいくことに加えて、食品をコアとする事業の多角化に取り組むことで当該リスクの軽減を図ってまいります。 ② 貿易の自由化について2018年12月には環太平洋戦略的経済連携協定(CPTPP)が、2019年2月にはEUとの経済連携協定(日EU・EPA)が、さらに2020年1月には日米貿易協定が発効するなど、わが国では貿易自由化の流れが進んでいます。ラクト・ジャパングループにとって貿易自由化の進展は、わが国における高い関税障壁に対処するためラクト・ジャパンが構築してきた海外ネットワークやノウハウの活用を難しくする可能性がある一方で、関税の引き下げや撤廃などにより、輸入品に対する需要が高まりラクト・ジャパンの販売数量を増加させる効果も期待できるところであります。そのため貿易協定の見直しなどが行われた場合、ラクト・ジャパングループの業績に影響を与える可能性があります。また、各国の関税政策の影響で、自由化の流れが停滞した場合は、輸入品の価格高騰や各種コストの上昇などにより、ラクト・ジャパングループの業績に影響を与える可能性があります。 ③ 法的規制についてラクト・ジャパングループは事業活動を遂行するにあたり、日本においては食品衛生法、消費者安全法等、その他事業を展開している各国において法的規制を受けております。今後これら規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、ラクト・ジャパングループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、ラクト・ジャパングループは、事業活動に必要な各種許認可を受けておりますが、法令違反等により、許認可等が取り消された場合には、ラクト・ジャパングループの事業活動が制限され、ラクト・ジャパングループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。上記のようなリスクに対応するため、ラクト・ジャパンは会社組織として品質アセスメント部を設けており、品質に関する法規制の対応及び情報収集を行い、新たな法的規制に対しても適切かつ迅速に対応できる体制を整えております。 ④ 感染症拡大によるリスク社会・経済活動に甚大な影響を及ぼす感染症が発生・蔓延し流行が長期化した場合、経済活動の縮小や人流の減少による食品需要の低迷、海外も含めた食品原料の需給バランスの変化による輸入商品の価格変動、物流の混乱による商品供給の停滞等が生じるリスクがあります。 (2) 商品の製造及び販売・調達に関するリスク① 家畜の疾病の発生による調達への影響についてラクト・ジャパングループの取扱商品のうち、食肉及び食肉加工品については、家畜の疾病(豚熱、アフリカ豚熱、豚流行性下痢、BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫等)の発生に伴いセーフガードが発動された場合、商品の輸入や移動の規制を受けるリスクがあります。当該リスクが顕在化した場合、食肉及び食肉加工品の調達量の減少や食肉相場の大幅な変動が生じ、その結果、ラクト・ジャパングループの販売数量等が減少する可能性があります。これらリスクの低減を目指し、ラクト・ジャパングループは調達先(地域、サプライヤー)の多様化に取り組んでおります。 ② 食の安全性についてラクト・ジャパングループの取扱商品は、食品原料や食品製品であります。ラクト・ジャパングループではアジアにおいて自社ブランドの業務用チーズの製造を行っております。万一、ラクト・ジャパンの過失や悪意のある第三者により異物が混入した場合や原料の表示に誤りがあった場合、さらには輸送・保管方法を原因とした成分変化による風味不良が発生した場合には、原料を取り扱う商社の立場、または製品を製造したメーカーとしての立場において、それぞれ商品回収や損害賠償請求を受ける可能性があり、ラクト・ジャパングループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。ラクト・ジャパングループは製品の製造にあたっては、フードディフェンス等の安全管理を徹底するなど品質の確保に最大限努めています。 ③ 競合他社の事業戦略と販売先の系列化についてラクト・ジャパングループの競合他社としては、乳製品原料や食肉及び食肉加工品の仕入・販売を行っている大手総合商社や大手食品メーカーがあげられます。これら大手企業がラクト・ジャパンの仕入先もしくは販売先に資本参加し、系列化した場合には、ラクト・ジャパングループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 経営、財務等に関するリスク① 為替相場についてラクト・ジャパングループは、商社として欧米及びアジアを中心とした輸出入取引を行っております。また、海外連結子会社の財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて連結財務諸表の純資産の部が変動するリスクがあります。また、ラクト・ジャパンの行う大半の営業取引は仕入契約と販売契約を同時に締結しており、輸入取引における本邦顧客に対する円建ての売値は原則として仕入契約締結時における為替相場に基づいて決定されます。輸入取引における仕入契約は原則として外国通貨建てとなっておりますが、仕入契約締結の際に金融機関と為替予約を結び為替変動リスクを回避しております。ただし、円安が進んだ場合、円貨換算の仕入金額が増加し、それに伴い販売価格も増加いたします(売上高の増加)。円高が進んだ場合はその逆となります(売上高の減少)。また、期末に向けて為替相場が急激に変動した場合において仕入代金決済後、在庫として保有し翌期に販売するときは、翌期の売上原価に影響を与える可能性があります。そのため、大幅な為替変動が生じた場合、ラクト・ジャパングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。 ② 有利子負債について 前連結会計年度末(2024年11月30日)当連結会計年度末(2025年11月30日)有利子負債残高(百万円)33,43537,156総資産残高(百万円)81,43590,209有利子負債依存度(%)41.0641.19営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)636△268 営業活動によるキャッシュ・フローについては、各連結会計年度の数値を記載しております。 ラクト・ジャパングループの主要事業である、乳原料・チーズ部門、食肉食材部門、機能性食品原料部門及びアジア事業・その他における卸売部門においては、商社としての事業形態をとっており、仕入⇒在庫⇒販売⇒資金回収という事業フローのため、業容の拡大イコール運転資金の増加となり、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる場合があります。引き続き、収益体質の改善による利益の確保や運転資金の効率化等を通じて自己資金の創出には努めてまいります。このような状況の下、金融情勢の変化等により資金調達が困難になり、投資計画の実行ができなくなる場合や、市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、ラクト・ジャパングループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、ラクト・ジャパンは、主要取引金融機関とのコミットメントライン付シンジケートローン契約を締結しており、同契約には財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済を求められ、ラクト・ジャパングループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人材についてラクト・ジャパングループは、最重要経営資源として、新卒及び中途採用を通じて優秀な人材の獲得及びその育成に力を入れております。しかしながらこれら人材の退職または人材市場の状況によりタイムリーに優秀な人材が獲得できない場合、ラクト・ジャパングループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 情報セキュリティについてラクト・ジャパングループは、事業活動を行う上で多種多様な情報を取り扱っております。このような状況下、予期できないシステム障害や不正アクセス等により、情報の漏洩・改ざん・消失等が発生し、社会的信用の失墜や事業活動の広範囲に制約を受けることで、ラクト・ジャパングループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。上記のリスクに対応するため、DX企画推進部がサーバやネットワークの構成にクラウドサービスを積極的に活用し、業務を止めないインフラ構築とトレンドに沿った最新のセキュリティ対策に追随できるよう取り組んでおります。また、情報資産を保護し、情報セキュリティに関する法令等を遵守するため情報セキュリティポリシーを定め、セキュリティ研修を定期的に実施し、社員の意識向上に努めているほか、SNS使用に関してはソーシャルメディアガイドラインを明文化し、周知徹底しています。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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