野村不動産ホールディングス(3231)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


野村不動産ホールディングス(3231)の株価チャート 野村不動産ホールディングス(3231)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 当連結会計年度末において、野村不動産ホールディングスグループは野村不動産ホールディングス及び傘下の関係会社113社(うち連結子会社 52社、持分法適用非連結子会社及び関連会社 61社)で構成されております。また、野村不動産ホールディングスのその他の関係会社は野村ホールディングス株式会社であります。

 野村不動産ホールディングスグループが営んでいる主な事業内容と当該事業に携わっている主要な会社の位置付けについては、以下のとおりであり、これらの事業は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる部門の区分と同一であります。

 また、2024年4月より、「都市開発部門」に区分しておりました野村不動産㈱のホテル事業、及び野村不動産ホテルズ㈱等について、住宅事業と一体となった事業推進を行うため、「住宅部門」の区分に変更しております。なお、2024年4月1日付で、UDS㈱の全株式を取得し、「住宅部門」へ区分しております。

 野村不動産ホールディングスは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

<住宅事業>

・野村不動産㈱は、マンション・戸建住宅の開発・分譲事業、賃貸マンションの開発・販売事業、シニア向け住宅の開発事業、ホテルの開発事業を行っております。

・野村不動産ウェルネス㈱は、シニア向け住宅の企画・運営事業を行っております。

・野村不動産ホテルズ㈱は、ホテルの企画・運営事業を行っております。

・UDS㈱は、不動産の企画・設計・施工事業、ホテル等の運営事業を行っております。

・沖縄UDS㈱は、ホテルの運営事業を行っております。

・㈱プライムクロスは、インターネット広告の代理店事業を行っております。

・㈱ファースト リビング アシスタンスは、住まいの駆けつけ事業を行っております。

<都市開発事業>

・野村不動産㈱は、オフィスビル・商業施設・物流施設等の開発・賃貸・販売事業、オフィスビル・物流施設の運営
業務の受託事業を行っております。また、建築工事の設計監理事業を行っております。

・野村不動産ライフ&スポーツ㈱は、スポーツ施設の企画及び運営事業を行っております。

・野村不動産コマース㈱は、商業施設の企画・運営業務等の受託事業を行っております。

<海外事業>

・野村不動産は、マンション・戸建住宅の開発・分譲・賃貸事業、オフィスビル等の開発・賃貸事業を行っており

 ます。

・ZEN PLAZA CO., LTDは、ベトナム(ホーチミン)で所有するオフィスビルにおいて賃貸事業を行っております。

<資産運用事業>

・野村不動産投資顧問㈱は、REIT、私募ファンド及び不動産証券化商品等を対象とした資産運用事業を行ってお
ります。

 なお、野村不動産㈱は、同社が運用する不動産ファンド等に対して、一部エクイティ投資を行っております。

・Lothbury Investment Management Limitedは、私募ファンド及び不動産証券化商品等を対象とした資産運用事業を
行っております。

<仲介・CRE事業>

・野村不動産ソリューションズ㈱は、不動産の仲介・コンサルティング事業、保険代理店事業・銀行代理業を行っております。

<運営管理事業>

・野村不動産パートナーズ㈱は、マンション・オフィスビル等の運営・管理事業、管理に付随する修繕工事・テナン
ト工事等の請負事業、リフォーム事業を行っております。

・野村不動産熱供給㈱は、「横浜ビジネスパーク」(神奈川県横浜市保土ヶ谷区)における地域冷暖房事業、及び野村不動産ホールディングスグループが運営する物流施設を活用した太陽光発電事業を行っております。

・野村不動産アメニティサービス㈱は、主に野村不動産パートナーズ㈱からのオフィスビル等の清掃業務の受託事業
を行っております。

<その他の事業>

・野村不動産㈱は、土地及び建物の売買・賃貸を行っております。

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 野村不動産ホールディングスグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において野村不動産ホールディングスグループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

①中長期経営計画

野村不動産ホールディングスグループでは、グループ企業理念として「あしたを、つなぐ」を掲げております。この企業理念に基づき、2022年4月に野村不動産ホールディングスグループが今後、持続的かつ高い利益成長を実現していくため、中長期経営計画を策定いたしました。

 

a.全体コンセプト

・野村不動産グループ 2030年ビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」の実現に向けて、

 価値創造の考え方・手法を進化・変革

・高い利益成長、高い資産・資本効率を実現。高還元と高成長を両立

・「野村不動産ホールディングスグループの持続的な成長」と「持続可能な社会への貢献」を一体と捉え、サステナビリティを推進

 

野村不動産ホールディングスグループ経営体系図

 

「将来野村不動産ホールディングスグループがどういった価値を社会やお客様に提供している企業グループになりたいのか」という目指す姿を明確にすべく、「野村不動産グループ 2030年ビジョン」を定めました。そして、そのビジョンのもと、価値創造の考え方・手法を、進化させ、また変革してまいります。

 

b.野村不動産グループ 2030年ビジョン

 

 

c.価値創造の進化・変革

 

 

 

本計画では、「高い利益成長と高い資産・資本効率の実現」を目指し、「国内デベロップメント事業の更なる拡大」「サービス・マネジメント分野の高い利益成長」「海外事業の着実な成長」を成長に向けた重点戦略と位置付け、計画を推進してまいります。そして、本計画を通じた野村不動産ホールディングスグループの成長の成果を、しっかりとステークホルダーの皆さまに還元してまいります。

 

 

 

(2)経営環境

経営環境に関する事項は、当連結会計年度末現在において野村不動産ホールディングスグループが判断したものであります。

 

①外部環境

国内外における様々な社会課題、野村不動産ホールディングス事業を取り巻く環境の変化、人々の住まいや働き方等に関する価値観・志向の変化等を踏まえ、特に注視する外部環境は以下のとおりです。

 

■ 全社

<中長期的に注視していく事業環境>

・ 労働人口の減少や人材獲得競争の激化

・ ライフスタイル・ワークスタイル・消費や余暇に関する価値観の変化

・ デジタルテクノロジーの加速度的な進化

・ サステナビリティに対する意識の高まり、リノベーション・既存ストック活用ニーズの増加

・ 国内における少子高齢化の進展や人口の減少、世帯構成の多様化

・ インバウンドの増加

・ 国内における富裕層の増加継続と関連マーケットの動向

・ 激甚化する自然災害の増加

・ サイバー攻撃の増加

 

<今期特に注視する事業環境(不動産関連市場・資金調達環境・海外情勢)>

・ 国内外の金利上昇、インフレ進行等による経済情勢・資金調達市場・企業業績・個人消費等への影響

・ 不動産売買マーケットやREIT 投資口価格の動向、機関投資家・個人富裕層等の不動産投資意欲の変化

・ 国内外の資材価格や人件費の高騰による更なる工事費の上昇

・ 海外事業の投資対象国における政治情勢・経済環境(金利・為替等)の動向

 

■ 各部門

<住宅部門>

・ 少子高齢化の進展による市場規模の変化

・ 建築費の上昇

・ 住宅ローン金利環境の変化

・ ライフスタイルの変化・住まいに対するニーズの多様化

・ サステナビリティ・カーボンニュートラルへの消費者意識の高まり

・ 地域活性化・建物老朽化・木密地域の解消など再開発や建替の社会ニーズ

・ 首都圏への人口流入回復による住宅需要の拡大

・ 中長期的な、インバウンド顧客の増加の可能性

 

<都市開発部門>

・ 顧客の価値観の変化、個の重視、コミュニティの重視、健康重視、時間価値重視

・ サステナビリティ・カーボンニュートラルへの消費者意識の高まり

・ 消費者物価、建築費、動光熱費などにおけるインフレの進行

・ 国内外における金利上昇による、不動産売買市況への影響

・ ワークスタイルとオフィスに求める機能への従業員の意識の変化

・ スタートアップ企業の増加などによる、サービスオフィスなど多様なオフィスニーズの増加

・ EC化の加速と2024年からの時間外労働の上限規制による、物流拠点ニーズの高まり

・ コロナ禍の終息による、ショッピングセンターや飲食店舗の来館数や売上の回復

 

<海外部門>

・ 各国の中長期的な経済成長

・ アジア各国における金利高止まりによる住宅市場への影響

・ 政策金利水準と収益不動産売買市場の動向

・ 不動産開発を通じた社会課題解決への期待の高まり

・ 英国における厳しい環境規制に対する高機能なオフィスのニーズ拡大

 

<資産運用部門>

・ 伝統的資産運用からオルタナティブ資産運用へ

・ 国内外における金利上昇による不動産売買市況及び機関投資家の需要への影響

・ 投資対象セクターの拡大(データセンター/インフラなど)

・ ESG投資の拡大

 

<仲介・CRE部門>

・ 都心部の中古不動産市場の価格上昇および堅調な反響の継続と郊外の購入ニーズの落ち着き

・ 地政学リスクの高まりに起因したアジア圏の投資家による収益不動産取引ニーズの増加

・ 製造業の国内回帰による新規投資ニーズの増加

・ 機関投資家のオルタナティブ投資ニーズの増加

・ 業績好調な中小企業による、株高、資産ポートフォリオ見直しを背景とした堅調な購入ニーズ

 

<運営管理部門>

・ デジタル技術の進化

・ 暮らし方、働き方の変化、入居者属性の多様化

・ 人材獲得競争の激化(労働人口減少、少子高齢化)

・ 建物の高経年化

・ インフレによる資材費や人件費のコスト上昇

 

 

②野村不動産ホールディングスグループの競争優位性

 長年にわたる豊富な事業実績を通じて培ってきた、野村不動産ホールディングスグループの競争優位性は以下のとおりです。

 

 

(3)経営戦略

外部環境の認識及び野村不動産ホールディングスグループの競争優位性を踏まえ、高い株主還元と年平均事業利益成長率8%水準を達成するため、事業ポートフォリオ戦略と部門別の成長に向けた基本方針を策定しております。

 

 

①事業ポートフォリオ戦略

 各事業の特性を活かし、高い資産効率と利益安定性を両立する事業ポートフォリオを追求していきます。

 

 

 

 

②成長に向けた部門別の基本方針

部門

成長に向けた基本方針

住宅

・住宅分譲事業における「プラウド」の更なる進化(4,000~5,000戸の安定供給)

・多様化する顧客ニーズへ対応する商品・サービスメニューの拡充

・再開発・建替事業の取組強化

・賃貸住宅・ホテル等の収益不動産事業における事業量拡大への取組強化

都市開発

・働き方の変化等に対応したサービス提供の強化や、高機能物流などの成長分野への投資

 拡大など、環境変化を事業機会に繋げる価値創造の進化

・戦略的な資産入れ替えによる、含み益の実現化と賃貸ポートフォリオの強化

・サステナブルな社会への貢献やデジタル技術を活用した新たな商品・サービス等の構築

海外

・成長著しいアジア各国における分譲住宅事業の着実な成長

・先進国における収益不動産事業の取組強化

・国内で培ったノウハウ・知見を活かした価値貢献領域の拡大

資産運用

・賃貸バリューチェーンの活用によるREIT事業の着実な成長

・オルタナティブ投資ニーズの獲得に向けた私募ファンド事業の強化

・野村グループとの協業による新たな領域(新規投資家層、新規セクター等)における

 事業機会の獲得と拡大

仲介・CRE

・高い効率と高い生産性を実現する人材育成やDXの活用による高品質なサービスの提供

・リテール事業における、都心エリアへの人員増強による富裕層対応の強化

・ミドル事業における、野村グループや金融機関等との協業による各種ニーズの獲得

・ホールセール事業における、顧客基盤に基づくCRE提案の推進・ファンドの

 投資ニーズの獲得

運営管理

・お客様視点に立ったサービス追求による競争力のある商品・サービスの開発・展開

・DXを活用した業務効率化・省人化の促進とサービス品質向上の両立

・お客様資産の価値向上に資する高品質な改修・修繕工事の提案及び提供

 

 

 

 

※ 中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け不動産仲介事業

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

①利益目標に関する指標

国内における事業に加え、現地パートナー企業との共同投資を基本とする海外における投資・開発事業の利益及び戦略投資(M&A)の成果を適切に反映させるため、利益目標に関する指標を「事業利益」とし、段階的な成長を図るべく以下のとおり中長期的な指針を掲げております。

※ 事業利益=営業利益+持分法投資損益+企業買収に伴い発生する無形固定資産の償却費

       +海外部門におけるプロジェクト会社(※1)の持分売却損益

 ※1 不動産の保有・開発を主としたSPC等を指します。

 ※2 従前の事業利益の定義に「海外部門におけるプロジェクト会社の持分売却損益」を追加いたします。

    なお、本定義への変更は、2025年3月期から適用いたします。

 

 

2025年3月期

2028年3月期

2031年3月期

事業利益

1,150億円

1,400億円~

1,800億円~

 

 

②財務・資本政策に関する指標

30%水準の自己資本比率を維持しながら、事業活動を通じた付加価値の創造により持続的な企業価値向上を図り、高い資本効率と安定的な株主還元を実現するため、財務・資本政策に関する指標を「ROA」・「ROE」・「総還元性向/配当性向」とし、以下のとおり中長期的な指針を掲げております。

 

 

2023年3月期~

2025年3月期

2026年3月期~

2028年3月期

2029年3月期~

2031年3月期

ROA

4.5%水準

5%水準

5%以上

ROE

9%水準

10%水準

10%以上

総還元性向/配当性向

総還元性向

40~50%

配当性向

40%水準

 加えて、2025年3月期より、配当の安定性の向上を目的に、年間の配当金について、DOE4%を満たす水準を下限とすることを指針としております。

※ROA=事業利益/期中(平均)総資産

※ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/期中(平均)自己資本

※総還元性向=(1株当たり配当額+1株当たり自己株式取得金額)/1株当たり当期純利益

※配当性向=1株当たり配当額/1株当たり当期純利益

※DOE=年間配当額÷期中平均自己資本

 

 

(5)重点的に取り組む経営施策

①着実な事業の推進と利益の積上げを図るための事業ポートフォリオの構築

各部門において、重点的に取り組む施策は以下のとおりです。

a.住宅部門

 住宅分譲事業においては、事業量の確保に向け、再開発・建替事業の取組強化、多様化するニーズへ対応する商品ラインナップの拡充に努めてまいります。また、既存の住宅事業で培ってきた商品企画力等の強みを活かしてホテル事業のさらなる成長を図ってまいります。

b.都市開発部門

 オフィス事業においては、テナント企業やワーカー向けに働き方の変化に対応した新しい商品・サービスの提供に努めてまいります。物流事業において、引き続き拡大する大型・高機能物流施設へのニーズや、輸送費の高騰を受けて変化するエリア毎のニーズに対応し、用地取得や商品企画を進めてまいります。商業事業においては、「モノ消費」から「コト消費」への消費スタイルの変化等に対応した商品企画、施設運営を進めてまいります。また、2025年2月に竣工を予定する「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)S棟」の開業に向け、リーシングや開業に向けた運営体制の整備を進めてまいります。

c.海外部門

 中長期的な経済成長が見込まれるアジア諸国での開発事業において、野村不動産ホールディングスグループがこれまで国内で培ってきたノウハウ・知見を発揮すると共に、新たな現地パートナー企業の探索、英米をはじめとした収益不動産事業への取り組みの加速、ガバナンス体制の強化によるリスク管理機能の向上にも取り組んでまいります。

d.資産運用部門

 REIT事業における着実な運用資産残高の拡大に加え、商品ラインナップの拡充等を通じた私募ファンド事業の拡大、野村リアルアセット・インベストメント株式会社の運用資産残高の早期積み上げ等に努めてまいります。

e.仲介・CRE部門

 不動産の仲介・コンサルティング事業において、高度な専門性とデジタル領域での先進性を融合させ、法人・個人、国内・海外を問わず、多様化する顧客ニーズにワンストップで対応し、顧客満足度と生産性の向上に取り組んでまいります。

f.運営管理部門

 運営管理事業において、デジタルテクノロジーの積極的な活用により、高効率且つ高品質なサービスの提供と省人化を推進してまいります。また、請負工事事業において、お客様の資産価値向上に資する改修・修繕提案を通じた、受注量の拡大に努めてまいります。

 

②賃貸資産ポートフォリオの戦略的入替の継続

 野村不動産ホールディングスグループにおいては、中長期的な視点で、賃貸資産の戦略的な入れ替えを実施し、良質な賃貸資産ポートフォリオの構築に努めるとともに、適切な時期での売却により開発利益・含み益の実現化を図り、回収した資金を再度不動産開発事業に投資することで、高い資産効率と持続的な成長を実現させる方針としております。

 当連結会計年度においては、オフィスビルでは「PMO銀座Ⅱ」、物流施設では「Landport戸田」等が竣工しております。

 引き続き、2025年3月期以降に竣工予定となる芝浦・日本橋等の大型複合開発プロジェクトを着実に推進するとともに、国内外の不動産市況の動向を踏まえた戦略的な売却を実践し、競争力のある賃貸資産ポートフォリオの構築に努めてまいります。

 

 

③価値創造の進化・変革につながるDXの推進強化

 野村不動産ホールディングスグループが関係する様々な事業分野においては、お客様への商品・サービスの提供におけるデジタルテクノロジーの活用が必要不可欠となってきており、急速な技術革新や革新的な新規参入企業の出現による顧客ニーズの変化等への対応が遅れた場合には、野村不動産ホールディングスグループの競争優位性が低下し、業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

 野村不動産ホールディングスの「DX戦略委員会」においては、デジタル技術の活用によりビジネスモデルそのものを変革することで競争優位性を確立する『DX領域』の審議を強化しております。また、DX・イノベーション推進部にて、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発、DX戦略等の企画・推進・支援等を行っております。今後も、加速度的に進化するテクノロジーとそれに伴う顧客ニーズの変化を的確に把握のうえ、各部門のDXに関する重点実行テーマを選定し、デジタル技術を活用した既存ビジネスモデルの深化を進めるとともに、業態変革・新規ビジネスモデルの創出に向けた取り組みを強化することにより、野村不動産ホールディングスグループの競争優位性の向上に努めてまいります。

 

④継続的な成長に向けた、よりチャレンジングな組織風土の醸成のための本社移転

 野村不動産ホールディングスグループは、2022年4月に策定した中長期経営計画、及び2030年をターゲットとする野村不動産ホールディングスグループビジョン「まだ見ぬ、Life & Time Developerへ」のもと、高い利益成長と高い資産・資本効率を実現するためには、ビジネス領域の拡大と、その基盤となる組織としての成長を継続的に行う必要があると考えており、これを実現するために、野村不動産ホールディングスグループ各社の本社を、2025年2月に竣工を予定している大規模複合開発「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)S棟」に移転することを決定しております。

 

 この本社移転プロジェクトにより、グループのシナジー効果を最大化すると共に、下記の3つの環境を実現し、都心で空・海・緑を感じながら、自らその日の働きかたをデザインする新たな働きかた「TOKYO WORKation(トウキョウ ワーケーション)」を体現することで、継続的な成長に向けて、グループ全体でこれまで以上にチャレンジングな組織風土を醸成し、新たなビジネスへの挑戦・探索意欲を向上させ、 イノベーションの誘発や創出を実現していきたいと考えています。

 

本社移転を通じて実現したい3つの環境

 ウェルビーイング

  東京の利便性と自然環境が融合した稀有な立地環境・最新鋭のスペックを備えたオフィス環境を活かし、

  社員一人一人が生き生きと充実した人生を過ごし、活力を持ち合わせられる環境

 エンゲージメントハブ

  グループビジョンを象徴する「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」を通して、社員が自然に

  グループビジョンを理解・体感できる環境

 ダイバーシティ&インクルージョン

  働き方や働く環境に求められる価値観が変化した今だからこそ、オフィスの価値を再定義し、基準階

  面積1,500坪の広大なスペースを活かした多様な働き方ができる空間づくりを計画。出社時の社員同士の

  つながりの質を高め、多様な社員が積極的に協同し、知恵を出しあう仕組みを備えた環境

 

※野村不動産ホールディングスグループ各社の移転対象範囲については検討中です。

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

(1)リスク管理の基本方針

野村不動産ホールディングスグループでは、リスク管理を「企業グループの組織・事業目的の達成に関わる全てのリスクを統合的かつ一元的に管理し、自社のリスク許容限度内でリスクをコントロールしながら企業価値の向上を目指す経営管理手法」と捉え、リスクの適切な管理及び運営によって経営の健全性を確保することを目的として、「リスク管理規程」を定めております。

「リスク管理規程」において、リスク管理の実践を通じ、事業の継続及び安定的発展を確保することを基本方針と定め、主要なリスクを「A:投資リスク」、「B:外部リスク」、「C:災害リスク」、「D:内部リスク」の4つのカテゴリーに分類し、そのうち以下に該当するリスクを管理すべき重要なリスクと定め、リスクの規模・特性等に応じた有効かつ効率的な管理を行うこととしております。

 

<主要なリスクのうち管理すべき重要なリスクに該当するもの>

・グループ経営に大きな影響を及ぼすおそれのあるリスク

・社会的に大きな影響を及ぼすおそれのあるリスク

・訴訟等の重大なトラブルが発生するリスク

・その他野村不動産グループとして管理すべき重要なリスク

 

(2)リスク管理体制

野村不動産ホールディングスでは、グループ経営に関する様々なリスクの審議を行うため、経営会議をリスクの統合管理主体として定め、主要なリスクの状況について定期的にモニタリング、評価及び分析を行い、各部門及びグループ各社に対して必要な指導及び助言を行うとともに、その内容を定期的に取締役会に報告を行う体制としております。

「A:投資リスク」、「B:外部リスク」については、統合管理主体である経営会議が直接モニタリング等を行い、「C:災害リスク」及び「D:内部リスク」については、経営会議の下部組織として設置している「リスクマネジメント委員会」が定期的なモニタリング、評価及び分析を行うとともに、発生前の予防、発生時対応、発生後の再発防止等についての対応策の基本方針を審議しております。また、リスクマネジメント委員会委員長により指名されたグループ各社の取締役、執行役員等で構成される「グループリスク連絡会議」を設置し、グループ内でのリスク情報及び対応方針を共有しております。

リスク管理については、各部門長が所管する部門のリスク管理を統括し、その状況を必要に応じて経営会議またはリスクマネジメント委員会に報告するとともに、グループ各社の社長(野村不動産㈱においては各本部長)は、リスク管理に関する事項について適時適切に部門長に報告することとしております。

また、グループ各社において事業を掌る組織をリスク管理の「第1線」、野村不動産ホールディングス及びグループ各社においてコーポレート業務を掌る組織を同「第2線」、野村不動産ホールディングス及びグループ各社において内部監査を掌る組織を同「第3線」と定義し、野村不動産ホールディングスの第2線及び第3線がグループ各社の第2線及び第3線に支援・指導・協働を行う等、それぞれの立場からリスク管理における役割を担うことで、ガバナンスとリスクマネジメントを支援する効率的な組織及びプロセスを構築しております。

緊急を要する重要な問題が発生した場合には、「リスク管理規程」に則り、リスクマネジメント委員会委員長が関係部室の担当役員等と協議のうえ対応策等の基本方針を決定し、社長執行役員(グループCEO)に報告を行い、その基本方針に則った対応等の指示を行います。

 

 

 

 

  

 

   

 

(3)主要なリスクの内容

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、主要なリスクのうち野村不動産ホールディングスグループの事業に与える影響の大きさや外部環境等を踏まえ、2025年3月期において特に注視するリスクを選定しております。

 なお、文中の将来に関する事項及びリスクの認識は、当連結会計年度末現在において野村不動産ホールディングスグループが判断したものであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

 

(主要なリスク)

リスクカテゴリー

定義

主要なリスク

A:投資リスク

個別の投資(不動産投資・戦略投資(M&A)等)に関するリスク

不動産投資に伴うリスク

戦略投資(M&A)・新規事業に伴うリスク

B:外部リスク

事業に影響を及ぼす外的要因に関するリスク

市場の変化によるリスク

経済情勢の変化によるリスク

政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク

事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク

C:災害リスク

顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害に起因するリスク

顧客及び事業継続等に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク

D:内部リスク

野村不動産ホールディングス及びグループ各社で発生するオペレーショナルなリスク

法令違反によるリスク

品質不良の発生によるリスク

10

情報システム危機発生によるリスク

11

人材に関する事項への対応不備によるリスク

12

不正、過失等の発生によるリスク

 

  (特に注視するリスク)

A:投資リスク

・用地取得の競争激化等により、想定した事業量が確保できず、中長期経営計画で見込んでいる利益成長が実現困難なリスク

・新築工事に関して、事業計画や予算で見込んでいる想定以上のコストの上昇や工期の長期化、またゼネコンによる工事受注の制約等により、事業収益が悪化するリスク

・再開発事業など事業期間が長期間でかつ投資金額が大きいプロジェクトについて、経済情勢の変動により収益性の悪化や想定事業スケジュールの遅延等が生じるリスク

B:外部リスク

・国内不動産市場や金融情勢の変化により、分譲住宅・収益不動産、更には資産入替物件の売却価格に影響が生じるリスク

・海外各国の経済・不動産市場の悪化やゼネコンやJVパートナーの財務状況悪化等により、海外事業の収益性悪化や利益回収時期の遅延が生じるリスク

・ライフスタイルや価値観の変化への対応、デジタルテクノロジーの加速度的な進化への対応、またサステナビリティ・人材への対応等が遅れることにより、野村不動産ホールディングス事業の競争優位性が低下するリスク

C:災害リスク

・激甚化する地震、台風、豪雨等の自然災害により事業が継続できないリスク

D:内部リスク

・不動産開発事業における設計・施工の不備の発生によるリスク

・多様な人材を確保し、人材が活躍し続けるための人事制度の整備・浸透が遅れることによるリスク

・サイバー攻撃・システム障害による情報流出、事業継続への影響、損害等の発生・拡大によるリスク

・資材価格、エネルギーコストなどの上昇を踏まえた受注者の適正な価格転嫁を実現するための取引体制の強化が遅れることにより、法令等に抵触し、また相手方との円滑な取引の実現に支障が生じるリスク

 

(主要なリスクの内容と主な取り組み)

リスク項目

1 不動産投資に伴うリスク

リスクカテゴリー

A:投資リスク

リスクの内容

・予期せぬ土壌汚染等の判明、許認可の取得の遅れ、追加工事の発生、ゼネコンによる工事受注の制約、工期の長期化、及び工事費・エネルギーコストの上昇等により、計上時期の遅れや収益性の悪化が発生し、野村不動産ホールディングスグループの経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

不動産投資・開発事業については、予めリスクの抽出及び分析・評価、リスクテイクまたはリスク回避の方針を検討の上、野村不動産ホールディングスまたはグループ会社の経営会議または取締役会等において判断をしております。特に、工事費の上昇リスクについては、事業用地の取得時に一定の追加コストを織り込む等の対応の実施、並びに工事費の動向及び工事費上昇に伴う影響について取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。

なお、事業用地の取得後は、スケジュールが遅延するリスクや建築コストの状況等について、事業を所管する組織にて把握し、特に重要な事象が発生した場合には必要に応じて野村不動産ホールディングスまたはグループ会社の経営会議または取締役会等にて審議のうえ、課題への対応を行っております。

また、推進中及び完了した事業において、各事業の進捗のモニタリングや実績の振り返りを行い、事業種別ごとの課題や傾向等について把握・分析を行っております。

 

リスク項目

2 戦略投資(M&A)・新規事業に伴うリスク

リスクカテゴリー

A:投資リスク

リスクの内容

・戦略投資(M&A)において、投資した対象会社に期待する利益成長やシナジー効果等が実現できなかった場合、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・新事業領域への取り組みや新たなアセットタイプへの投資等において、当初計画する事業計画やグループ各社とのシナジー効果等が実現できなかった場合、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

 戦略投資(M&A)にあたっては、野村不動産ホールディングスグループの既存事業とのシナジー効果や、対象会社の経営計画・財務内容・契約関係等を慎重に調査・検討し、将来の野村不動産ホールディングスグループの業績に貢献すると判断した場合に実行しております。また、戦略投資(M&A)実行後には、対象会社と野村不動産ホールディングスグループとの統合プロセスの状況、経営課題及びその対応方針等について、取締役会または経営会議において定期的にモニタリングを行っております。

 新規事業の検討にあたっては、野村不動産ホールディングスグループの既存事業とのシナジー効果や、事業計画等を慎重に調査・検討し、将来の野村不動産ホールディングスグループの業績に貢献すると判断した場合に実行をしております。また、新規事業への参画後は、事業の推移等を定期的にモニタリングし、計画の修正や再生等が必要な場合には、野村不動産ホールディングスまたはグループ会社の経営会議または取締役会にて審議を行っております。

 

 

 

 

 

 

リスク項目

3 市場の変化によるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・競合他社の動向、革新的な新規参入企業の出現、経済情勢・政治・社会情勢の変動、地政学リスクの発現、及び災害の発生等が事業環境や市況の変化につながり、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

 野村不動産ホールディングスグループでは、各事業についての外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めております。

不動産投資・開発事業における投資決定にあたっては、現在及び将来の市況を把握または予測するとともに、過去のマーケットの推移等も確認し、市況の変動が発生した場合においても影響を一定程度に抑えることを基本としております。

また、市況に急激な変動が生じた場合でも、財務状況に関して一定の健全性を確保することができるように、リスク評価を実施したうえで、投資予算を策定しております。

 

リスク項目

4 経済情勢の変化によるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・国内外の景気後退により、住宅分譲事業における顧客の購買意欲の減退や、オフィスビル等の賃料水準の低下や空室率の上昇等が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・市中金利の上昇により、野村不動産ホールディングスグループの資金調達コストの増加、住宅ローン金利の上昇による住宅分譲事業における顧客の購買意欲の減退、及びキャップレートの上昇による資産価格の下落等が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・為替レートの変動により、円換算での投資額・回収額の変動や、連結財務諸表上の外貨建ての資産及び負債額の変動等が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・海外各国のゼネコンやJVパートナーの財務状況悪化等により、海外事業の収益性悪化や利益回収時期の遅延が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

経済情勢の変化については、外部環境の認識を定期的に更新し、業績への影響の把握に努めております。

借入金による資金調達にあたっては、長期・固定での借入を主とすることにより、短期的な金利上昇のリスクへの対応を図っております。

不動産投資・開発事業においては、賃料の低下やキャップレートの上昇による資産価格の下落等が発生した場合においても影響を一定程度に抑える投資判断を行っております。

為替変動のリスクについては、海外で展開する事業種別を踏まえた為替ヘッジ方針を定め、これに沿った運営をしております。

また、海外事業におけるゼネコンやJVパートナーの状況については、第1線による定期的なモニタリングとともに、海外事業リスク会議等を通じて、事業に影響を及ぼす事象やその対応について定期的に確認・審議し、必要に応じて野村不動産ホールディングスまたはグループ会社の経営会議または取締役会等においても審議を行っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

リスク項目

5 政治・社会情勢・制度(法規制・税制・会計制度等)の変化によるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・地政学リスクの顕在化等、政治・社会情勢の変化が生じた場合、為替市場、エネルギー市場、及びサプライチェーンの混乱等により、建築費やエネルギーコストの上昇や事業スケジュールの遅延等が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・海外事業において、その国固有の政治・社会情勢に基づくカントリーリスクにより、事業開始時には想定していない政治・社会情勢の変化が生じた場合、事業推進上の障壁等につながり、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・野村不動産ホールディングスグループの各事業に適用される国内外の各種法規制等について変更等が生じた場合、また今後の事業範囲の拡大により新たな法規制等の影響を受けることになった場合、新たな義務や費用負担等が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・不動産事業に影響がある国内外の各種税制・会計制度等について変更等が生じた場合、資産の取得・保有・売却時の費用の増加、顧客の購買意欲の減退、及び企業のファシリティ戦略の転換・投資計画の修正等が発生し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・バリューチェーン上の人権課題に対し、適切な対応を取らないことにより、顧客との取引停止等事業活動の制限や、野村不動産ホールディングスグループのブランド価値の毀損が発生するリスク

主な取り組み

国内外の政治・社会情勢、各種法規制、税制及び会計制度の動向については、業界団体や専門家、取引関係先等からの情報を収集・分析して野村不動産ホールディングスの第2線の各組織にて対応の検討を行い、重大な影響が予想されるものについては内容に応じて取締役会または経営会議にて審議を行っております。

特に海外事業においては、事業参画時に外部の専門家の知見を踏まえ、今後の政治・社会情勢の見通し、適用される法規制及び税制等を確認し、参画後には海外事業リスク会議等を通じて、事業の戦略・収支・推進等に影響を及ぼす政治・社会情勢、重要な関連法令の変更の状況等を定期的に確認し、変更がある場合には影響の評価・対応の方針等を検討のうえ、取締役会または経営会議にて審議を行っております。

人権については、社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「サステナビリティ委員会」が、「野村不動産グループ人権方針」に則った方針の策定、各目標に対する進捗状況の確認、及び活動計画の審議を行っております。また、下部組織である「人権分科会」が、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく、人権デュー・デリジェンスのプロセスの構築・運用に取り組んでおります。

 

 

 

 

 

リスク項目

6 事業の前提となる社会構造の変化・イノベーションに遅れることによるリスク

リスクカテゴリー

B:外部リスク

リスクの内容

・社会構造の変化や、急速な技術革新・革新的な新規参入企業の出現による産業構造の変化への対応が遅れた場合、野村不動産ホールディングス商品及びサービスの競争優位性が低下し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

・少子高齢化の進展による人材確保難が野村不動産ホールディングス商品及びサービスの展開能力を制約するリスク

・温室効果ガス削減規制等の施行・強化による顧客の環境・省エネルギー・防災に関する要求の変化や、高い環境性能・エネルギー性能に関する技術への対応に遅れた場合、野村不動産ホールディングス商品及びサービスの競争優位性が低下し、野村不動産ホールディングスグループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

野村不動産ホールディングスグループはこれまでも事業環境の変化の中で、マーケットインの発想に基づく不動産開発力や、街づくり・不動産関連サービスにおける品質へのこだわりといった強みを活かし、独自性の高い新たな価値を創造し、社会とお客様に提供してまいりました。

この強みをベースに、社会構造・産業構造の変化や、社会や顧客のサステナビリティへの意識の高まりに対応すべく、野村不動産ホールディングスに「DX・イノベーション推進部」と「サステナビリティ推進部」を設置し、新領域事業の研究・開発、イノベーション創発・デジタル戦略等の企画・推進、及びサステナビリティに関する取り組み等を行っております。

DX・イノベーション推進部を事務局として、野村不動産ホールディングスグループ各社の従業員が、日常の業務の枠組みを超えて取り組める「イノベーション推進制度」を設け、イノベーション人材の育成を図るとともに新たな領域探索活動を推進しております。

また、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて、出資先となる革新的技術やサービスを持つベンチャー企業と協業し、デジタルテクノロジーを活用したサービスの提供も継続しております。

価値創造に挑戦する風土の形成やグループ連携の強化については、コーポレートコミュニケーション部を事務局としてグループ内表彰制度「野村不動産グループアワード」を設けて取り組んでおります。

さらに、人材確保難への対応として、デジタルテクノロジー等の活用による業務効率化・省力化に取り組むと共に、「適所適材」につながる配置・登用、育成、人材の確保及び「環境整備」につながるウェルネス、ダイバーシティ&インクルージョンの各施策を講じております。野村不動産ホールディングスグループの人的資本経営に関する取り組みについてはP.29~30をご参照ください。

なお、野村不動産ホールディングスグループにおける温室効果ガスの削減、野村不動産ホールディングス商品及びサービスに係る環境性能・エネルギー性能の向上等を含むサステナビリティに関する取り組みについては、P.22~P.30をご参照ください。

 

 

 

リスク項目

7 顧客及び事業継続に大きな影響を与える災害(地震・台風・洪水・津波・噴火・大火災・感染症の流行等)に起因するリスク

リスクカテゴリー

C:災害リスク

リスクの内容

・大規模な地震、風水害、感染症の流行等の災害により、野村不動産ホールディングスグループの役職員の生命・身体の安全が脅かされ、事業継続に必要な人員確保が滞ることにより、野村不動産ホールディングスグループの事業継続が困難になるリスク

・大規模な地震、風水害等の災害により、野村不動産ホールディングスグループが分譲・賃貸・管理する物件等が毀損し、当該物件等にかかわる顧客等の安心・安全が脅かされるリスク

主な取り組み

野村不動産ホールディングスグループでは、様々な災害発生の増加を重要な社会課題と認識し、行政及び防災の専門家等との協議を踏まえ、災害時の安心・安全の確保に努めるとともに、災害が発生した場合には、その影響を最小限に抑え、生活や事業を継続できるように防災に取り組むとともに、災害発生時における事業継続に関する行動計画(BCP)を策定しております。

地震、風水害に関しては、BCPにて、非常時の指揮命令系統、事業継続のための任務分担などを定め、災害の影響を最小限に抑える体制を整備し、年に一度「災害対策本部設置訓練」を実施することで、規定内容の確認(役職員の生命や安全の確保、指揮系統の確立、事業復旧)を行い、非常時に備えています。感染症については、新型コロナウイルス感染症の野村不動産ホールディングスグループにおける対応実績を踏まえ、今後の新たな感染症の発生に備えて、感染確認時から蔓延時まで、感染状況に応じた対応(指揮系統の確立、事業継続を目的としたコア事業の選定、感染予防等に関する共通ルールの策定等)について取りまとめた感染症に関するBCPを策定しております。また、国内だけでなく、海外における様々な地政学リスク・テロ・災害発生等に対する初動対応や国外退避基準等を定めたBCPも策定しております。

地震・火災・風水害等の突発的な事故の発生に関しては、野村不動産ホールディングスグループの「品質マニュアル」における集中豪雨対策や浸水対策の規定、防災対応マニュアルの整備や防災ガイドブックの配布等の管理物件における居住者・管理組合・テナント企業・施設利用者等に対する防災支援等を行い、災害時の安心・安全を確保するための取り組みを行っております。

 

リスク項目

8 法令違反によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・宅地建物取引業法、建築基準法、金融商品取引法、会社法、個人情報保護法、独占禁止法、下請法その他関係法令に違反し、信用の失墜や行政処分、罰金等が課されることにより、経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

野村不動産ホールディングスグループでは、役職員が法令及びグループ各社が定める社内規程等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、研修を行っております。

宅地建物取引業法等の主要な法令に関しては、法令遵守のため、各法令に応じた業務フローの策定を行い、研修やOJTによる周知徹底と法令遵守状況の定期的な自主点検を行っております。独占禁止法等に関しては、資材価格、エネルギーコストなどの上昇を踏まえた受注者への適正な価格転嫁を実現するため、グループ各社の業務特性や事業規模に応じた業務ルールの策定や、マニュアルの作成、研修の実施などを行い、法令遵守体制の強化に取り組んでおります。また、外国公務員等への不適切な接遇に関しては、規程等を制定し、海外事業に関係する役職員及び海外現地採用職員を対象として、定期的な研修を実施しております。

 

 

 

 

リスク項目

9 品質不良の発生によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・不動産開発事業における設計・施工等の不備、また、賃貸・管理する施設における管理上の不備等により、信用の失墜や想定外の費用及び開発計画、運営計画の遅延が生じ、経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

不動産開発事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、野村不動産ホールディングスグループにて「設計基準」(構造・建築・設備・電気)及び「品質マニュアル」等を定め、発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております(但し、他社との共同事業や再開発組合が主体となる再開発事業等においては、事業形態に応じて異なる方法を採用する場合があります)。また、賃貸・管理する施設に関しては、管理に係る業務標準書、修繕工事における安全・仮設ガイドライン等を策定して業務を行うとともに、万一の不備や事故等に備え、損害保険を付保しております。

 

リスク項目

10 情報システム危機発生によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・サイバー攻撃、不正アクセス、及びシステム障害等の不測の事態により、万一、情報システムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、野村不動産ホールディングスグループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜及びそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、野村不動産ホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

インターネットやクラウドサービスを活用した業務変革や、持続的な成長の実現へ向けたDXへの取り組みを積極的に推進している状況において、情報セキュリティの確保はこれまで以上に重要性を増してきており、インターネットからの不正アクセス遮断や情報端末のウイルススキャン、万一マルウェアやボット等が侵入した場合に振る舞いを検知して不正送信を阻止する等のセキュリティシステムを導入し、さらにこれらのシステムからのアラート監視を行い、サイバー攻撃や情報漏洩に備えたICT環境の整備を進めています。また、クラウドサービスの利用においては、事前にセキュリティチェックを行っており、安全に利用するよう確認しております。

システム障害による事業継続への対応として、ネットワークやシステムの稼働状況を監視し、万一の障害発生に備えた速やかな復旧手段や業務代替手段の整備拡充に取り組んでおります。

個人情報に関しては、関係する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めており、野村不動産ホールディングスグループにおける情報の組織的管理とセキュリティのレベルの維持向上を図ることを目的として「情報セキュリティ規程」及び「情報取扱ガイドライン」を定め、定期的に役職員への情報セキュリティ啓蒙を行い、顧客の権利や利益の保護と野村不動産ホールディングスグループにおけるICT環境の安定的な運用を図っております。

また、万一の情報漏洩等の事故発生に備え、サイバー保険を付保しております。

 

 

 

リスク項目

11 人材に関する事項への対応不備によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・野村不動産ホールディングスグループの従業員の勤務時間が適切に把握されず、長時間労働が行われることによって従業員の健康が害されるリスク

・人事制度やその運用が労働基準に関する法制度に適合しないことで、当局から行政処分等を受けた場合に人材流出や信用の失墜、罰金等が課されること等により、野村不動産ホールディングスグループの経営成績に影響を及ぼすリスク

・多様な人材(育児・介護等による短時間勤務者、性的マイノリティ、障がい者、シニア、外国人等)を受け入れる労働環境の整備が遅れることにより、必要な人材を確保できず、または確保した人材が活躍し続けられず、企業競争力の低下につながるリスク

・海外拠点における人事労務面において、現地労働関係法令・慣習等に反する制度の導入や運用により、当局から行政処分等を受けるリスク、現地従業員の退職によりノウハウを喪失するリスク、駐在員の現地での生活を適切にサポートする仕組みがないことにより駐在員の健康が害されるリスク

主な取り組み

野村不動産ホールディングスグループは「活き活きと働くウェルネスの実現」を行動指針として掲げ、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を継続し、企業価値を向上していくために、すべての役職員が心身ともに健康で活き活きと仕事に取り組むことが企業の持続的成長につながる「ウェルネス経営」を目指しております。

多様な人材が働きやすい労働環境の構築のため、有給休暇の取得推奨、テレワークの推進、育児・介護等による休業や短時間勤務制度等を導入するとともに、定期的な研修により、役職員の多様性に関する理解度向上に取り組んでおります。また、野村不動産など一部のグループ会社において、男性の出生時育児休業の一部有休化や積立有休制度を導入しております。

勤務時間の適切な把握のため、勤怠管理システムを導入して管理を行い、特に長時間労働については定期的な状況のモニタリングを行っており、また、人事制度やその運用の遵法性については、定期的に社外の専門家による検証を行い、リスク顕在化の予防に努めております。

また海外においては独自の法律、文化、慣習があることから、外部の専門家等の知見を活用した人事労務制度の構築、駐在員の相談窓口の整備、医療機関の斡旋や受診のサポートを行うサービスの整備等を行っております。

なお、野村不動産ホールディングスグループでは、ウェルネス・働き方改革・人材の多様性の確保を一体的に推進すべく、社長執行役員(グループCEO)を委員長とする「人材・ウェルネス・D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)委員会(ウェルネス・D&I推進委員会から名称変更)」、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に係る専任組織「グループ人材開発部/ウェルネス・D&I推進室」を設置しております。前連結会計年度には、野村不動産ホールディングスグループのD&I推進方針及び中期・短期の推進ロードマップを策定・公表し、当連結会計年度までをステップ1としてD&I意識醸成に取組んで参りました。翌連結会計年度からはステップⅡとして『D&I意識醸成』の継続的な取り組み、『D&Iが事業活動に組み込まれる文化形成』を目指し、キーゴールとして『①グループ新本社での新たな働き方スタートに向けてD&Iの推進、②インクルーシブデザインの認知向上、体験会等の実施継続』を設定しております。

また、当連結会計年度において、経営戦略と人材戦略の連動による『人的資本経営』を推進すべく、野村不動産グループ各社が参加する「人的資本タスクフォース」を設置し、人的資本経営の方針について議論を行っております。野村不動産ホールディングスグループにおける人的資本経営の方針についてはP.29~P.30をご参照ください。

 

リスク項目

12 不正、過失等の発生によるリスク

リスクカテゴリー

D:内部リスク

リスクの内容

・役職員の不正、不適切な管理による情報の流出、業務上の過失等により、信用の失墜や、それに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等が生じ、経営成績に影響を及ぼすリスク

主な取り組み

野村不動産ホールディングスグループでは、役職員が法令及びグループ各社が定める社内規程等を遵守し、さらに、より高い倫理観に従って行動することを目的とし「野村不動産グループ倫理規程」を定め、役職員に対する継続的な教育、研修を行っております。

また、野村不動産ホールディングス及びグループ会社の各部室店にコンプライアンス推進責任者を配置することで、各職場におけるコンプライアンス活動の実効性を高める体制を構築しております。さらにグループ各社共用の内部通報制度「野村不動産グループ・ヘルプライン」によって、通報及び相談窓口を内部及び外部にそれぞれ設ける等、公益通報者保護法に基づく体制整備及び運用を行っております。




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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