帝国繊維グループは、帝国繊維㈱およびその子会社4社(うち連結子会社4社)および関連会社2社(うち1社が持分法適用会社)により構成され、主として帝国繊維㈱で開発、製造、輸入される製品を日本国内において、卸売並びに直接販売を行う事業グループであります。
帝国繊維グループの事業別に見た位置付けおよびセグメントとの関係は、次の通りであります。
(防災事業)
帝国繊維は、各種消防ホースとその関連製品、防災機器・救急救助器具、探索機器・警報器具、CBRNE(化学・生物・放射能物質・核・爆発物)・危険物処理関連資機材および救助工作車・防災特殊車輌・空港用化学消防車などの製造、仕入、販売を行っております。帝商㈱およびキンパイ商事㈱は、帝国繊維の地域別販売会社として消防ホース・防災機器・救急救助器具・危険物処理関連資機材および救助工作車などの販売のほか、連結送水管などの点検業務を行っております。㈱テイセンテクノは、救助工作車・その他特殊車輌の製造および各種機器の製造、保守を行っております。
(繊維事業)
帝国繊維は、主として麻および麻化合繊混紡製品・化合繊製品の製造、加工、販売を行っており、キンパイ商事㈱は、帝国繊維の販売会社として同繊維製品の販売を行っております。テイセン産業㈱は、重布、繊維製品の縫製、加工、販売を行っております。
(不動産賃貸事業・その他)
帝国繊維は、不動産の賃貸を行っております。テイセン産業㈱は保険代理業務を行っております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次の通りであります。
帝国繊維グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝国繊維グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営環境
創業以来の繊維(麻)事業から業態転換を進めていた帝国繊維は、阪神淡路大震災を契機として、消防防災(官需防災)を顧客基盤とする防災事業へと一気に業態転換を図ることとなりました。また、東日本大震災以降は、国による国土強靭化政策をはじめとする防災関連政策の推進を背景に、原子力発電所の再稼働にあたりシビアアクシデントに対応する安全対策を必須とする電力会社向けや石油コンビナート施設を保有しBCPの観点から自主防災の強化に取り組む石油精製会社向けなど、民需防災事業への進出を果たし、さらにN.Y.同時多発テロ発生等によりセキュリティ対策が急務となった空港施設・航空会社を対象とするセキュリティ事業分野にも顧客基盤を拡げてまいりました。
この間、帝国繊維は2007年に創立100周年を迎え、2008年度以降、中期経営計画(3ヵ年計画)を策定し、収益力の持続的強化を目指し、グループ一丸となって中期経営計画に掲げるテーマに取り組んでまいりました。さらに、2023年には、10年に亘り取り組み、防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指す「テイセン未来創造計画」を策定いたしました。同計画は、「人を創る」「仕事を創る」「人と仕事を繋ぐ企業文化を創る」をテーマに掲げ、「防災のテイセン」としての未来を切り拓き、世界に通用する防災企業として、名実ともに社会及びステークホルダーの皆様から絶対的な信任を頂くことを目指してまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「テイセン未来創造計画」では、2023年からの3年間を第1フェーズと位置付け、第1フェーズにおける中期経営計画(テイセン2025/未来への基盤作り)を策定しております。
中期経営計画「テイセン2025/未来への基盤作り」の内容は以下のとおりであります。
≪先進的防災事業を確立・発展させ
多発化・激甚化・多様化する各種災害の脅威から
社会や事業の安心・安全を守る≫
を旗印に、以下のテーマを推進し、防災ビジネスの拡がりと深みを追求してまいります。
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1.市場開拓の強化と圧倒的市場競争力の確立 (1)送排水ビジネスの拡大 (2)セキュリティビジネスの開拓 (3)防災特殊車輌ビジネスの創造 (4)メンテナンス業務の事業化 (5)基盤事業(ホース・機材・車輌・防火衣)の一層の磨き上げ 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の機能拡充・強化 (1)コスト・品管センターとしての役割徹底 (2)技術・開発センターとしての能力強化 (3)教育、訓練、実証実験等の幅広い分野での施設充実と活用 3.持続的収益力の強化 新たな事業基盤の獲得による収益基盤の強化 |
同時に、「テイセン未来創造計画」では、事業発展を支える人材育成(「人を創る」)及び永続的な企業の成長の土台となる新たな企業文化の創造(「人と仕事を繋ぐ企業文化を創る」)にも取り組んでまいります。
また、企業の社会的責任として、「環境(E)」、「社会(S)」、「ガバナンス(G)」への更なる取り組みも推進してまいります。
数値目標
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連結営業利益水準 |
50億円以上 |
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連結経常利益水準 |
60億円以上 |
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配当性向 |
40%程度 |
中期経営計画「テイセン2025」においては、送排水ビジネス、セキュリティビジネス及び防災特殊車輌ビジネスを拡大、開拓、創造し、数値目標の達成を図るとともに、原子力ビジネスに続く新たな中核事業基盤として磨き上げ、確立することにより収益基盤の更なる強化を目指してまいります。
≪市場開拓の強化と圧倒的市場競争力の確立≫
<送排水ビジネスの拡大>
前中期経営計画においての主要テーマであった「大量送排水システムによる新たな市場開拓」は、営業活動及び各地でのデモを積極的に展開した結果、国・自治体に対する市場開拓が大きく進展しました。風水害被害の頻発化の最中にあって、「流域治水プロジェクト」の進捗を踏まえて、用途に応じた商材ラインアップの拡充等を図ると共に、国及び全国の自治体に対する更なる拡販に引き続き注力してまいります。
<セキュリティビジネスの開拓>
前中期経営計画においては、高まるセキュリティニーズを捉え、民間市場の開拓および鉄道等ソフトターゲット市場の開拓に向け、営業活動を積極的に展開させました。その結果、市場開拓への準備が着実に進行しています。また、商材開発による、セキュリティ機材のラインアップも一層拡充されています。訪日外国人の増加に伴うテロへの対策、及び社会不安を引き起こしている各種事件・事故の増加に伴う対策等、今後のセキュリティニーズの高まりによるセキュリティ市場の拡大を見込み、引き続き、商材の優位性を訴求する中で、広範なセキュリティニーズを取り込み、セキュリティビジネスの開拓を進めてまいります。
<防災特殊車輌ビジネスの創造>
製造・開発・実証実験を担う下野工場のインフラを整える等、次世代型防災特殊車輌に関する企画・設計・開発・生産に至る一連の開発体制の構築が進んでいます。
災害の多様化、技術革新及び省人化ニーズに対応し、新たな価値を提供する次世代型防災特殊車輌の開発・製造は、未来の消防防災の在り方を見据えた重要なテーマです。市場のニーズを掘り起こし、防災特殊車輌ビジネスの創造を推進してまいります。
<メンテナンス業務の事業化>
近年の営業活動の成果として、原子力施設及びコンビナート等に納入しているハイドロサブシステムや空港施設に納入している空港用化学消防車の納入台数は急速に増加しています。また、現在展開中の自治体向け送排水ビジネスにおいても、ハイドロサブシステムはさらに増加が見込まれます。セキュリティビジネスにおいても、その拡大に併せ、各種セキュリティ機材の納入台数も急激な増加が見込まれます。
これら著増する機材のメンテナンスのニーズに対処し、その事業化に取り組むことで、収益基盤の強化に努めてまいります。
<基盤事業(ホース・機材・車輌・防火衣)の一層の磨き上げ>
消防防災における消防ホース・防災車輌・資機材・防火衣等特殊被服は、帝国繊維防災事業の根幹をなす基盤事業です。災害の多様化、省人化、環境負荷軽減等の刻々と変化するニーズに対応すべく、付加価値の高い新たな商材を投入する等市場のニーズを掘り起こすことにより、業界№1の地位を確固たるものにすることを目指します。
≪営業を支える下野・鹿沼両工場の機能拡充・強化≫
帝国繊維グループの生産拠点としての鹿沼・下野両工場においては、製品に関する品質の維持・向上に努めること、技術・開発能力を高め、社会・顧客が必要とする製品を臨機に製造すること、さらには製造コスト低減を図り、収益力を高めることに引き続き取り組んでまいります。また、新設した下野工場並びに新ラインを増設した鹿沼工場では、製造・開発に向けた設備・インフラを整備充実いたしました。特に、下野工場では、実証実験、デモ及び研修の施設を活用し、消防および民間企業の方々にご来場いただき、帝国繊維の防災事業全般へのご理解を通じ、帝国繊維の発展及び社会への貢献に役立ててまいります。
≪持続的収益力の強化≫
帝国繊維グループは、これまで収益力の強化に努め、収益水準を継続して向上させて来ました。連結営業利益及び連結経常利益の水準はそれぞれ40億円、50億円まで拡大しております。引き続き収益力の強化に取り組み、その水準をさらに引き上げてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
帝国繊維及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、帝国繊維経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が重要であると考えます。
① 連結営業利益、連結経常利益
帝国繊維及び連結子会社の経営成績を把握する指標として、連結営業利益及び連結経常利益を重視しております。ただし、帝国繊維は大型案件の受注獲得有無及びその売上計上時期により業績が上下するため、単年度における利益額ではなく、3年程度の中期的なレンジでその水準を拡大させることを目指しております。「テイセン2025」では、「連結営業利益水準50億円以上、連結経常利益水準60億円以上」を数値目標として掲げております。
② 受注残
帝国繊維のビジネスは受注先行型であり、前期末の受注残が、翌期の売上の先行指標として有用であり、かかる指標を重視しています。また、各々の事業分野で、毎期確実かつ安定的に受注残を確保することを目指しております。
③ 配当性向
利益配分につきましては、収益に応じた配当を行うことを基本としつつ、企業体質の一層の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実を併せて図る方針としております。このような観点から、「テイセン2025」では、利益配分方針に関し、「配当性向40%程度」を数値目標として掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりでありますが、リスクを不確実性と捉え、機会とリスクに分け記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝国繊維グループが判断したものであります。
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項目 |
機会(〇)とリスク(●) |
主要な取組み |
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◎品質リスク |
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製品の欠陥 |
●品質クレーム・トラブルによる |
設計力向上と品証体制の充実等を対応、財務基盤の充実 |
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◎コンプライアンスリスク |
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独占禁止法 会社法等 |
●法令違反等の場合、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・信用失墜 |
リスク管理体制強化と従業員への研修等により、コンプライアンスを徹底 |
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市場リスク |
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消防等の予算・補助金 |
〇予算・補助金の増額 ●予算・補助金の削減 |
必要不可欠な幅広い商材の提供・民需等への展開 |
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法律・基準の改正等 |
○規制強化等により帝国繊維が新たな ●規制強化等に対応できないこと等による市場喪失の可能性 |
情報収集と高機能・高性能商材の提供 |
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競合出現 |
●帝国繊維が優位な市場への他社参入 |
性能の向上等により優位性を確保 |
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新商材・新技術 |
○新たな商材・技術による帝国繊維が新たな市場を開拓できる可能性 ●新たな商材・技術による他社から帝国繊維優位市場が侵食される可能性 |
海外サプライヤーとの連携強化により、最先端の商材・技術を準備・提供する |
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災害 |
○新たな防災ニーズが顕在化 |
防災・減災に向けた商材の準備、財務基盤の充実 |
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その他 |
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為替 |
●為替変動による仕入価格上昇 |
為替予約にてリスク低減 |
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主要原材料価格 |
●天候・需給関係による仕入価格上昇 |
販売価格への転嫁など |
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生産設備の被災 |
●水害・火災・地震等による被害 |
生産拠点の防災体制の強化、保険等の活用 |
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サプライチェーン |
●災害等によるサプライチェーンの毀損・寸断 |
情報交換、リスクへの協働 |
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人材確保・育成 |
●人材確保の不調 ○優秀な人材による事業の深化・拡大 |
人材獲得手法を多角化 |
特に重要なリスクについては、項目の前に◎を付しております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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