東和フードサービス(3329)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


東和フードサービス(3329)の株価チャート 東和フードサービス(3329)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

 東和フードサービスは、「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、「あったら楽しい」、「手の届く贅沢」をコンセプトとして、「東京圏ベストロケーション」「女性ターゲット」「ライトフード」という方針に基づいた営業活動を行い、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)に展開しております。

 東和フードサービスの展開する店舗は全て直営店であり、フランチャイズ展開は行っておりません。各業態の特徴は下記のとおりであります。

 また、外食事業としてのソース・焙煎珈琲豆・ドレッシング・ケーキ・焼き菓子など自社製品の店舗外販売等も行っております。

 なお、東和フードサービスは、フードサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

部門

特徴

店舗数

 

椿屋珈琲

椿屋珈琲・椿屋カフェ:椿屋茶房・茶寮SiKi

最高立地、最高級家具、食器を取り揃え「古き良き時代、大正ロマン」を感じさせる内装・雰囲気の中で、その時代にマッチしたユニフォーム、ブラウス、サロン、カチューシャを身につけ、ホスピタリティ溢れる落ち着いた上品な接客のもと、自社焙煎のスペシャルティ珈琲、手作りケーキ、特製カレーをゆっくり嗜んでいただく、脱日常・時空間を提供しております。

ターミナルショッピングセンターのファッションフロアに出店している店舗では、幅広い客層(ファミリー等)に対応する良質のフードメニュー(ソース・生麺、全て自社生産)、親切な接客でおもてなししております。

52店

 

ダッキーダック

ダッキーダック・EggEggキッチン・CheeseEggGarden・ケーキショップ

幅広い年代の女性をターゲットとしたホームメイドケーキを提供。自社ケーキ工房や店内ケーキスタジオで作られるフレッシュなケーキ、トレンドを押さえた豊富なフードメニュー・スイーツを提供しております。

20店

 

イタリアンダイニング ドナ

お酒を楽しめるイタリアンダイニングとして、開放感あふれる内外装、リーズナブルな価格でお楽しみ頂けるワインと一品料理に美味しい自社製の生パスタとピッツァ。1人でも、カップル・グループでもお楽しみいただけるカジュアルダイニングです。

22店

 

こてがえし・ぱすたかん

もんじゃ焼き・お好み焼きを中心に、厳選された旬の食材を使用したメニューを豊富にご用意し、元気な接客でおもてなししております。ハレの日にファミリーの方々を中心に、お酒やソフトドリンクで心ゆくまでお楽しみいただいております。

13店

 

プロント

「プロント」をフランチャイジーとして運営しております。朝から昼はカフェとしてコーヒー・トースト・マフィンやランチパスタを、夜はバーとしてシンプルかつ美味しいフードと共にビールやハイボールをはじめとしたお酒を気軽にお楽しみ頂けます。

4店

合計店舗数

111店

(注) 店舗数は2024年4月30日現在で記載しております。

 

 


有価証券報告書(2024年4月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 東和フードサービスの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において東和フードサービスが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 東和フードサービスは「味覚とサービスを通して都会生活に安全で楽しい食の場を提供する」という経営理念のもと、「あったら楽しい」「手の届く贅沢」を営業コンセプトとしております。「東京圏ベストロケーション」「女性ターゲット」「ライトフード・自社生産」という戦略に基づき、すべて直営店での店舗展開をしながら営業活動を行っており、また3つの生産拠点で製造するパスタソース・ドレッシング・珈琲豆・ケーキ・焼き菓子など自社製品のインターネット販売、催事販売も行っております。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を受け、経済と消費活動の正常化が進んだことで、インバウンドを含め人流が回復し、客数・売上高は回復しております。一方、不安定な国際情勢や円安の進行により、原材料価格の高騰をはじめ、物流費、人件費、エネルギーコストの上昇への対応も必要となっております。このような環境下におきまして、私たちの提供するサービスがさらに付加価値を作り出し、お客様が体験価値として実感できるものになるよう、以下のような課題を設定しております。

 

① インフレ・食材高騰への対応

 我が国経済は長く続いたデフレ経済を脱却し、インフレ経済への転換点を迎えています。円安、労働力不足によるコストプッシュ型の物価上昇においては、価格転嫁の余地は少なく、安定収益の確保には、より一層のコスト管理とメニューの高付加価値化による価格の適正化が課題です。東和フードサービスにおいては、食材高騰の対応として、「原価管理の精度向上」、「持続可能な食材調達」、「セントラルキッチンの生産性向上」を通じて、食材の品質を損なわずに食材原価率の上昇を抑制できるよう努めてまいります。

 

 「原価管理の精度向上」においては、仕入れ食材のマスタデータと売上データを紐づけ、リアルタイムの理論原価率の確度を高めることで、レシピの見直しや、オーバーポーション、オーダーミス、在庫管理による食品ロスの見える化により、食材原価の適正化に努めます。また東和フードサービスでは、仕入れ購買とメニュー開発をひとつの部署で一元的に管理しています。気候変動等による食材価格の急騰においては、迅速にメニューラインアップやレシピの改訂を行い、対応してまいります。

 

 「持続可能な食材調達」においては、より安定的に安全で高品質な食材を確保することが課題です。自社で焙煎する年間90トンの珈琲豆は、“From seed to cup”をコンセプトに、生産から抽出まで一貫した品質基準をクリアした「スペシャルティコーヒー」を使用しています。フェアトレードによる生産農家への現地買い付けを行い、栽培から収穫、生産処理まで農家との関係性を深めることによって、より安全で安心な持続性の高い高品質な珈琲豆の調達を実現します。昨年開催された日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)主催のサイフォニスト大会においては、椿屋珈琲所属の従業員が日本一の栄誉に浴し、スペシャルティコーヒーの普及に貢献いたしました。

 

 東和フードサービスでは、メニューで使用する食材の約半分をセントラルキッチンで集中的に加工製造し、店舗の調理負担を軽減しています。前期末には戸塚工場に急速冷凍設備を導入し、製造過程の滞留時間を圧縮したほか、省エネルギー性能の向上により今夏は電気使用量の低減が見込まれます。

 

 また物流においては配送委託先の休配に対応すべく、出荷時の入り数や容量の見直しによる配送個数の最適化を行うと同時に、製造管理の見直しにより、品質を維持した上で賞味期限を延長し、物流コストの上昇を抑制してまいります。またサステナビリティの取り組みとして、製造過程で排出される約1トンの廃油を航空機用再利用燃料(SAF)としてリサイクルしているほか、製造過程の食品ロスを低減するために、仕入れ先で下処理されたカット野菜を加工用食材として使用しています。仕入れ先の廃棄食材は堆肥や飼料として利用されており、サプライチェーン全体での対応を一義とした食品ロスへの取り組みを推進しております。

 

② 労働力不足への対応

 生産年齢人口の減少により、労働集約型のサービス業は未曽有の労働力不足の対応に追われています。労働力確保の競争は激化し、募集・採用コストは増加傾向です。また戦力化のための教育研修費、時給や給与だけでなく、福利厚生や労務環境の改善も喫緊の課題です。

東和フードサービスはこの労働力不足の対応として、以下の3つをテーマに課題解決の優先順位を高めています。

  ①労務環境の改善 ②賃上げ・福利厚生の拡充 ③やりがい・成長実感の向上

 

 現在、年間の休日取得、時間外労働に目標を設定し、人材の確保と育成、応援体制の整備を進めています。当25期は椿屋珈琲グループでの取り組みが先行し、年間取得休日は平均123日間(公休・有給を含む)、月間の時間外労働時間は平均で約17時間となりました。この成果を会社全体の取り組みとなるよう要員計画を整え、制度設計に活かしてまいります。

 インフレ経済への転換期を迎え、定期昇給等の賃上げは人材確保の前提条件ととらえています。福利厚生制度においても見直しを行い、従業員とその家族に対する家族手当や奨学金返済の支援制度などを中心に拡充を行いました。

 またスキルアップを通じたキャリアパスを明確化し、「やりがい・成長実感」の醸成を図るため、入社した全従業員を対象とする研修制度を整備し、専任のトレーナーによるオペレーションと接客技術の向上を図る研修を実施しています。研修センターでは、キッチン、レジ、オーダーシステムなど店舗同等の設備を配備し、接客および業務スキルの基準の統一を図りながら、スキルアップによる「やりがい・成長実感」の醸成につなげてまいります。

 

 

③ マーケット競争の激化への対応

 競争が激化する外食企業が直面する課題のひとつは、競合他社との差別化とブランド価値の向上です。またポストコロナにおける「職住近接」や「リモートワークの普及」、付加価値の高い商品・サービスを欲求する「こだわり消費」など、消費者のライフスタイルや価値観は変容しています。店舗開発においては、店舗の8割が出店する商業施設では、更新のない定期借家賃貸借契約が基本となり、「収益店の退店リスク」は常態化しています。労働力不足を背景にストアオペレーションを十分に見直し、「省人力設備を活用したQSC(クオリティ・サービス・クリンリネス)の維持・向上」も重要な課題に挙げられ、店舗開発と業態開発の強化に取り組みます。

 

 更新のない定期借家契約の期限を「業態ブラッシュアップ」のチャンスととらえ、デベロッパーへの大規模改装や新業態の提案により長期契約の獲得に努めます。定期借家契約の期限を迎えた「こてがえし 浦和パルコ店」では、これまでの閉鎖的な内装から、より広い客層が入りやすいオープンな雰囲気への改装の提案を行い、長期の契約締結につながりました。テーブルオーダーシステムやキッチンディスプレイを新たに導入してオーダー処理効率を高めると同時に、主力メニューの「お好み焼き・もんじゃ焼き」を客席で調理するサービスを展開し、客数増に結びついています。あわせて、普通借家契約を条件とした路面ビルへの出店も強化してまいります。

東和フードサービスは労働力不足によるQSCの低下を防ぐため、省人力化を推進する「生産性向上パッケージ」を作成し、業態や店舗の運営状況に応じた生産性向上設備の導入を随時実施しております。既に自動釣銭機の全店配備や予約管理システム(EPARK)、QRコードによるモバイルオーダーシステム(インバウンド対応)、インカム、キッチンディスプレイなどを配備し、オーダー処理の効率化を進めているほか、今期は店舗スタッフの業務プロセスや事務作業の低減を課題に掲げ、シフト作成等の管理業務負担の低減に努めてまいります。

 

 昨年4月より開始したポイントアプリの展開においては、登録者数が13万人を超えました。同時に展開するLINEの有効会員は22万人を有しています。全業態およびECサイトで利用できるポイントサービスの充実や定期的に配信されるクーポンの活用、新メニューの紹介等により、優良顧客の囲い込み、来店頻度の向上につなげてまいります。今後も実店舗とポイントアプリ、SNS等との「ネットとリアルの連携」を深め、デジタルマーケティングの推進を通じたカスタマーリレーションシップの向上による、顧客体験価値のさらなる向上を目指してまいります。

 

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

 東和フードサービスの経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中にある将来に関する事項は、当事業年度末(2024年4月30日)現在において東和フードサービスが判断したものです。

 

① 食材の調達と安全性に係るリスク

 東和フードサービスは、安全で安心な食材を提供するため、信頼性の高い仕入先から継続して食材を調達し、また通関時の検査結果の確認に加え、定期的に自主検査も実施して安全性を確認しております。

 しかし、鳥インフルエンザ問題に代表されるような疫病の発生、天候不順、自然災害の発生等により、食材の調達不安や食材価格の高騰などが起こり、一部のメニューの変更を余儀なくされるケースも想定されます。また想定外の法的規制強化や新たな規制の発生、異物混入及び品質・表示不良品の流通による回収費用や訴訟・損害賠償、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化・システム構築などの費用が発生した場合、東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② セントラルキッチンおよび店舗での衛生管理に係るリスク

 東和フードサービスは、セントラルキッチンを所有し、スパゲッティの生麺とパスタソース、ドレッシングおよびフレッシュケーキ・焼き菓子を製造し、店舗へチルド配送しております。

 セントラルキッチンおよび店舗においては、厳しい品質管理と衛生検査を実施しておりますが、万一東和フードサービス店舗において食中毒が発生した場合には、営業停止処分などにより東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、安全・安心な製品の提供を確保するため、食品安全マネジメントシステム規格の「ISO22000」の認証を取得し、品質管理の徹底と品質向上に向けた取組みを実施しております。

 

③ 自然災害のリスク

 近年発生が増加傾向にある異常気象のうち、台風や暴風雨などの影響や自然災害の中でも地震、大雨、洪水により生産現場や生産設備に被害が生じた場合、その復旧まで生産や出荷が長期間にわたって停止する可能性があります。東和フードサービスでは災害対策マニュアルやBCP(事業継続計画)の策定、安否確認体制による社員・アルバイト・全事業所のライフラインの確認、防災訓練などの対策を講じていますが、自然災害での被害を完全には排除できるものではなく、東和フードサービスの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 気候変動のリスク

 環境問題に対する取組みは近年ますます重要となっております。気候変動問題などの環境・社会課題の顕在化に伴い、持続可能な社会の構築を目指し、企業におけるSDGsへの取組みへの期待が一層高まっています。東和フードサービスでは環境への負荷低減に向けて食品リサイクルの分野を中心に着手しております。東和フードサービス工場で発生する生麺の端材などを飼料として提供することによる廃棄物削減と廃棄物処理時に発生するCO2排出削減に繋げております。しかしながら環境関連の規制強化やステークホルダーからの評価、消費者意識の高まりなどによっては東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 店舗の賃借物件への依存に係るリスク

 東和フードサービスの大部分の店舗は、賃借しております。賃貸借契約のうち、特に、定期賃貸借契約は、契約終了後再契約されない可能性があります。このような場合には、東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 財政状態に係るリスク

 東和フードサービスは主に賃借による出店を基本としているため、賃貸人が破綻等の状態に陥り継続的使用や債券の回収が困難となった場合には、東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 減損会計に係るリスク

 東和フードサービスにおいて、今後経営環境の変化により、店舗の収益性が悪化し、固定資産の減損会計に基づき減損損失を計上することになった場合には、東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 感染症拡大に係るリスク

 様々な感染症の世界的拡大により、外出自粛などによる来店客数の減少等のリスクが懸念されます。国や自治体のガイドラインに従い徹底的な衛生管理を行ってまいりますが、東和フードサービスの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 東和フードサービスでは、新型コロナウイルス同様の感染症が拡大した場合には、代表取締役社長を対策本部長とする対策本部を設置し、雇用と健康を守ることを第一に、全事業所の感染症対策を講じ、営業再開ガイドラインや感染者予防および感染発生時のマニュアルに則った運営、テレワーク、オンライン会議システムの活用を現在もすすめております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー