稲葉製作所(3421)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】稲葉製作所グループは、稲葉製作所(株式会社稲葉製作所)、連結子会社3社及び非連結子会社2社から構成され、物置・ガレージ・倉庫等の製造、販売などを行う「鋼製物置セグメント」及び机・椅子・壁面収納庫等の製造、販売などを行う「オフィス家具セグメント」を展開しています。稲葉製作所グループの事業内容及び稲葉製作所と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。各セグメントで以下の製品を製造、販売しています。 セグメント名称主要製品名鋼製物置[小型収納庫シリーズ]ドア型収納庫「アイビーストッカー」、タイヤ収納庫「タイヤストッカー」、収納庫「シンプリー」、二重構造収納庫「ナイソーシスター」[中型物置シリーズ]断熱構造物置「ナイソー」、断熱材付物置「フォルタプラス」、中型物置「フォルタ」、「フォルタ屋根傾斜変更タイプ」[大型物置シリーズ]「フォルタ大型」、「フォルタ縦長大型」、開放スペース併設物置「フォルタウィズ」、シャッター物置「ドマール」[マルチスペース]「コモ・スペース」[ガレージ・倉庫シリーズ]デザイナーズガレージ「アルシア」、電動開閉ガレージ「タフレージ」、スタンダードガレージ「ガレーディア」、バイクガレージ「バイク保管庫」、デザイナーズバイクガレージ「アルシアフィット」、倉庫「イナバ倉庫」[パブリックシリーズ]ゴミ保管庫「ダストボックス・ミニ」、「ダストボックス」ドアタイプ・引戸タイプ連続型物置「連続型物置FDタイプ・FLタイプ」イナバ自転車置場 セグメント名称主要製品名オフィス家具[机シリーズ]ハイブリッドデスク「デュエナ ワイドデスク」、「テリオ」ワークプレイデスク「フレイ」、「レジェロ」オフィスデスク「デュエナ」、「ノヴィ2」、「ワゴン」折りたたみテーブル「ノムダ」[椅子シリーズ]オフィスチェア「スウィン」、「エクセア」、「イエラ」、「イニシオ」[収納家具シリーズ]壁面収納庫「ティーエフ」、パーソナルロッカー「イプリア」[その他家具]サイレントブース「ヴィアルーム」、「ビズブレイク」ローパーティション「ユルト」、「FSRパネル」 稲葉製作所グループの事業内容及び稲葉製作所と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。 (鋼製物置)稲葉製作所が鋼製物置製品を製造し、当該製品は稲葉製作所が代理店・販売店を通じて販売しているほか、連結子会社である株式会社共進、イナバクリエイト株式会社及び非連結子会社の株式会社カトウ産業を通じて当該製品を販売しています。株式会社共進は、鋼製物置の代理店として製品の販売を行うほか、北関東配送センターの業務を受託運営しています。株式会社カトウ産業は、鋼製物置の代理店として製品の販売を行うほか、新潟配送センターの業務を受託運営しています。なお、2025年8月1日に株式会社共進を存続会社、株式会社カトウ産業を消滅会社とした吸収合併を行いました。 (オフィス家具)稲葉製作所がオフィス家具製品を製造し、当該製品は稲葉製作所が代理店・販売店を通じて販売しているほか、連結子会社であるイナバインターナショナル株式会社を通じて当該製品を販売しています。また、OEM先からの受注に基づき、稲葉製作所がOEM製品を製造し、当該製品を稲葉製作所が直接OEM先へ販売しています。 (共通)非連結子会社イナバロジスティクス株式会社は、稲葉製作所の物流業務及びイナバインターナショナル株式会社の物流・施工業務を行っています。 [事業系統図]稲葉製作所グループの事業系統図は、次のとおりです。稲葉製作所は、製造・販売・研究開発及び連結子会社・非連結子会社の統括機能を有しています。
有価証券報告書(2025年7月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】稲葉製作所グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において稲葉製作所グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。(1) 経営方針稲葉製作所グループは、「独自性のある高品質な製品をお客さまにお届けする」という事業精神のもとで、お客さまの声に対し、社員一人ひとりが新しいアイデアを出し合い、モノを創造していくこと、それが最高の品質を生み、最高の価値を生むものと考え、技術部門は「独自性」を、製造部門は「品質とコスト」を、営業部門は「信頼」を徹底的に追求し、「信頼に応えるモノづくりを通じて社会に貢献する」ことを経営理念としています。この経営理念のもと、鋼製物置及びオフィス家具を製造・販売し、「くらしの快適さのための機能的な収納空間の実現と快適で創造的なオフィス空間の実現」に向けて事業活動を行っています。稲葉製作所グループは創業以来、社会環境の変化に向き合いながら、開発・生産・販売の一貫体制を活かした着実な事業展開と効率的な経営を実践し続けることで、イナバらしさを追求し、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指していきます。(2) 経営環境① 稲葉製作所グループを取り巻く環境当連結会計年度の国内経済は、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、ウクライナ・中東情勢を巡るリスクの継続、中国経済の停滞、物価上昇の継続や米国の相互関税の発動などの影響を受け、先行き不透明な状況が続きました。また、諸資材及び物流費等の高騰も続いています。翌連結会計年度においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などにより、緩やかな景気回復の傾向が続くものの、米国の関税政策による世界経済の減速、物価上昇の継続による景気下押しリスク、ウクライナ・中東情勢の長期化の影響などが懸念され、先行きは不透明な状況が続くと予想されます。また、材料価格が高値圏で推移することが予想され、厳しい事業環境が続くことが見込まれます。② 鋼製物置事業を取り巻く環境当連結会計年度においては、物価上昇の継続による個人消費の伸び悩みの影響を受け、需要が弱含みで推移したことから、鋼製物置の出荷数は減少しました。このような状況のもと、稲葉製作所グループは、製品説明会・勉強会の開催、用途開発の取り組みなど、積極的な営業活動を展開しました。また、建築対応製品(FORTA)の顧客認知度向上や、高い耐風圧性能を実現したガレージ機種の追加、居住性を備えて様々な用途に対応できる新製品「コモ・スペース」の発売など、製品ラインアップの充実にも取り組みました。翌連結会計年度においては、物価上昇の継続に伴い個人消費が振るわず、耐久消費財である鋼製物置の需要は弱含みで推移すると見込んでいます。 ③ オフィス家具事業を取り巻く環境当連結会計年度においては、コミュニケーションの活性化を図るオープンオフィス化や人材確保などに繋がるオフィス移転・改装が増加し、オフィス環境の見直し需要が好調に推移いたしました。このような状況を踏まえ、稲葉製作所グループは、積極的な提案営業により受注の積上げに取り組みましたが、価格競争の影響を受け、オフィス移転・リニューアル案件の獲得が停滞しました。翌連結会計年度において、コミュニケーションの活性化や人材を確保するため、オフィスの移転・改装需要は引き続き好調に推移すると見込んでいます。 (3) 経営戦略等① 一貫生産体制の維持・強化稲葉製作所は、1940年の創業以来、独自の加工技術と新製品の開発に努力を重ね、1961年に鋼製事務用デスクの生産を開始、1975年に物置の生産を開始しました。メーカーとして、イナバならではの品質と価値を徹底的に追求し、独自の技術を開発し続けています。鋼製物置事業では、イナバ物置の生産開始以降、CM「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫」での認知度に加えて、ユーザーの立場にたって組み立てやすく高品質な製品づくりを心掛けてきた結果、鋼製物置市場では国内トップシェアを獲得しています。また、物置の製造で培ったノウハウを活かしてガレージ、倉庫、自転車置場等で製品領域を拡げ、快適な住環境からパブリックスペースまで多様なニーズに対応する製品を提供しています。オフィス家具事業では、ユーザーの使いやすさを徹底的に追求し、今では常識となっている「ノックダウン方式」、「天板のメラミン化粧板化」、「樹脂のベアリング」を使用した引き出しなどは、稲葉製作所が業界で初めて採用したものであり、お客さま視点を第一に、最先端の製品を開発しています。稲葉製作所は、市場から求められる高品質な製品を安定的に供給し続けるため、引き続き国内での一貫生産体制の維持・強化に取り組みます。資材調達から板金、成型、塗装、組立、梱包、発送まで、全工程を同じ敷地内で行うことで、余計な工程を省き生産コストの低減に繋げています。稲葉製作所は、このコスト低減等により高品質な材料を仕入れ、長年培った高度な技術により、堅牢性・耐久性に優れた製品をお客さまにお届けします。また、部材の一つ一つを社内で一貫生産することにより、品質の安定やノウハウの蓄積はもちろん、コスト削減や工程管理など万全な生産体制を確立していきます。 ② 営業・技術・製造の3本柱稲葉製作所のモノづくりは、「モノづくりの仕組み」をつくることから始まっています。営業部門が「信頼」をつくる。技術部門が「独自性(オリジナリティ)」をつくる。製造部門が「品質」をつくる。3本の柱でお客さまのニーズに応えます。 ⅰ)営業部門相互理解を深めながら製品価値を伝えることで、お客さま一人ひとりと稲葉製作所の間に信頼をつくることが、営業部門の役割です。営業部門は、お客さま、代理店・販売店様の声を直接耳にすることでマーケットニーズを把握し、その情報を技術や製造にリアルタイムで伝え、次の新製品開発のきっかけをつくります。稲葉製作所は、すでに50年の歴史と延べ9万人以上のお客さまに参加いただいている「勉強会」を定期的に開催しています。勉強会については、製品の販売・施工に携わるお客さまの本音を聞ける最高のチャンスと捉えており、互いに学びあい、理解を深め合うことが、信頼づくりのための大きな推進力となります。稲葉製作所では、営業部門が物流を統括しています。全国に22カ所の配送センターを持ち、常に変化するお客さまの需要に正確かつ迅速に応えています。必要な製品を迅速にお届けすることは、大切な信頼づくりにも繋がり、お客さまへのサービスを追求する上でスピーディな配送は不可欠な要素であると考えています。 ⅱ)技術部門「イナバらしさとは何か」と、自らに問い続けながら、お客さまに満足いただく独自性(オリジナリティ)をつくることが、技術部門の役割です。イナバらしいオリジナリティあふれる製品をつくることができれば、お客さまに満足していただけると考えています。斬新な考え方や見た目よりも、細やかな工夫を凝らした誰もが使いやすい仕様が大切と考え、製品をつくり続けています。稲葉製作所の開発思想の原点は、「お客さまにいかに満足していただくか」にあります。技術部門の自己満足ではなく、常に徹底的なお客さま視点に立ち、「お客さまにとってどんなメリットがあるのか」自ら問い続けています。この姿勢が、独創的な技術の発明に結び付き、お客さまのニーズに根差した製品を開発できるというイナバの強みに繋がります。 ⅲ)製造部門「イナバ製品は、他とは違う」と、お客さまに納得いただく品質をつくり続けることが、製造部門の役割です。製造部門は、内製比率が90%以上と自社生産比率が極めて高く、高炉メーカーから直接搬入されるコイルやアルミ素材など原材料の加工から最終検品まで、一貫して製品化できる体制が特徴です。また、加工専用機械やライン編成・塗装設備等も自社で設計・製作しているため、コスト削減と徹底した品質管理による高品質保持を実現しています。稲葉製作所では、早い時期から製造ラインに自社開発の専用機械を導入し、内製比率を高めてきました。その根底にあるのは、「できることは自社で」、「ないものは開発を試みる」というモノづくりのスピリットです。長年にわたって培った技術やノウハウが蓄積され、高品質を安定的に保持する製造ラインがイナバの今日を形づくっています。また、塗装や溶接にはロボットを導入するなど、製造ラインの合理化にも徹底的に取り組んでいます。稲葉製作所は、JIS規格を上回る過酷な試験を独自に実施し、使う方の安全だけでなく、組み立てる方の安全にまで配慮する品質にこだわっていきます。 ③ 持続的成長・企業価値向上への取り組み稲葉製作所グループは、持続的成長・中長期的な企業価値向上には、設備投資・生産革新が重要であるとの認識のもと、生産性・生産技術の向上に資する設備投資を進めることで売上高収益率の改善に結び付け、これにより資本収益性・ROEの改善を図ります。そして、これを次の設備投資・生産革新に結び付けていく好循環サイクルを目指しています。稲葉製作所はこれまで2014年着工の富岡工場新設をスタートに、犬山工場及び柏工場の刷新を進めてきました。富岡工場の新設では、大型製品の生産能力増強と自動化を推進しました。犬山工場では物置生産ラインの全面更新、塗装設備の更新並びに倉庫レイアウトの変更を行うことで、生産性の向上・自動化を推進するとともに、物流負荷・環境負荷の低減を図りました。柏工場でも、塗装設備の更新を行い、環境負荷の低減を図りました。また、需要期における大型製品の生産逼迫状況を踏まえ、生産負荷の低減と安定的な生産体制を構築するため、2023年春に着手した犬山工場でのガレージ生産ラインの新設工事は2024年7月に完工しました。犬山工場でのガレージ生産設備の稼働により、生産拠点分散によるBCP対策を強化するとともに、西日本地区への大型製品配送の効率化を進めました。当連結会計年度においては、これまでの設備刷新等を基盤として、さらに次の設備投資を計画的に進めました。ⅰ)オフィス家具の生産を犬山工場から主要マーケットである首都圏に近い柏工場に生産を移管します(2026年1月完了予定)。ⅱ)柏工場の物置生産の一部を富岡工場に生産を移管するため、富岡の生産設備を増強します(2026年7月完了予定)。 稲葉製作所はこれらの成長投資を通して、収益力の向上及び物流負荷低減に努めていきます。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等稲葉製作所は、中長期的な経営指標として売上高経常利益率を重視しています。また、経営基盤の強化や将来の収益向上に向けて、設備投資を継続的に行っていることから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標と考えています。 翌連結会計年度の経営目標・指標は、次のとおりです。売上高42,850百万円営業利益2,460百万円経常利益2,800百万円親会社株主に帰属する当期純利益1,870百万円<経営指標>売上高経常利益率6.5%減価償却前営業利益4,180百万円売上高減価償却前営業利益率9.8% (経営指標のトレンド) 2021年7月期2022年7月期2023年7月期2024年7月期2025年7月期減価償却前営業利益(百万円)4,4583,8264,5834,8853,844売上高減価償却前営業利益率(%)11.89.811.011.59.2売上高経常利益率(%)8.15.87.48.05.2 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題稲葉製作所グループを取り巻く事業環境において、鋼製物置事業では物価上昇の継続に伴い個人消費が振るわず、耐久消費財である鋼製物置の需要は弱含みで推移することが見込まれます。オフィス家具事業では、コミュニケーションの活性化や人材を確保するため、オフィスの移転・改装需要は好調に推移することが見込まれます。このような状況のなか、稲葉製作所グループは、鋼製物置事業では高シェアと高収益を維持していくこと、オフィス家具事業では多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実などに加え、徹底したコスト管理の強化、品質・生産性の向上などに努め、収益性の改善に取り組んでいきます。そして、両事業の成長と収益力の向上により創出したキャッシュを、事業基盤の拡大、経営基盤の強化を目的とする設備投資などの成長投資や株主の皆さまへの還元に活用していきます。また、これまで培ったコア技術、製造ノウハウ、人的資本を含む経営資本をさらに磨き上げ、将来の成長・発展に向けて活用していく所存です。株主の皆さまのご期待に応えるべく、透明性のある経営と持続的成長を実現するために全力を尽くしてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が稲葉製作所グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。稲葉製作所グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。また、以下に記載したリスクは、稲葉製作所グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外の予見しがたいリスクも存在します。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において稲葉製作所グループが判断したものです。稲葉製作所グループでは、リスク管理規程を定め、想定されるリスクの発生時における迅速かつ適切な情報収集と緊急事態対応体制を整備しており、リスクが顕在化した場合の事業中断及び影響を最小限にとどめるため、事業継続マネジメント体制の整備に努めています。(事業環境に関するリスク)(1) 経済状況の変動稲葉製作所グループは、国内において販売活動を行っており、その売上は日本国内における需要、景気、物価の変動、業界の動向等、経済状況の影響を受けます。特に、新設住宅着工戸数の減少や新築オフィスビルの供給動向の大幅な変動、材料価格の高騰等に伴う需要の縮小は、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。稲葉製作所グループは、販売活動では国内における人口減少に伴う新設住宅着工戸数減少等の予想を踏まえ、独自性のある製品開発による付加価値向上、用途開発による需要の創出、及び市場におけるシェア拡大の取り組みを継続的に進め、生産活動では原材料や製品の適切な在庫水準を維持することで、安定的な供給体制の強化に努めていきます。(2) 原材料や部品の供給による影響稲葉製作所グループの生産活動においては、鋼材、塗料、部品、資材等の供給品を複数のグループ外供給元から調達しています。グループ外供給元とは、安定的な取引を行っていますが、市況の変化による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故等により原材料や部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、製品の製造原価の上昇、さらには生産停止を招く等、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。稲葉製作所グループは、継続的なコスト削減のほか、価格高騰部分の販売価格への転嫁などの対策を講じています。また、複数購買の実施、より採算性の高いサプライヤーへの集約、供給元とのコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト及び安全在庫量の確保などにより、安定的な供給体制の強化に努めていきます。 (事業内容に関するリスク)(3) 価格競争稲葉製作所グループは、事業展開する市場において激しい価格競争に晒されています。鋼製物置を取り扱う市場は、規模が小さいうえに稲葉製作所と競合他社による寡占市場であり、オフィス家具を取り扱う市場は、大手を中心に競合性が高く、価格面の圧力が強い市場となっています。そのような環境において、稲葉製作所グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあり、競合他社の価格設定の影響を受けます。稲葉製作所グループは、独自性のある高品質な製品を市場へ投入できると自負しておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。稲葉製作所グループは、競合他社との激しい競争による市場価格の変動に対し、付加価値製品の市場投入による差別化を進め、販売価格の底上げを図っていきます。生産活動においても、積極的な設備投資と自社生産比率の高さを活かして、コスト競争力と高品質を両立させた製品づくりに努めるとともに、製品の部材共通化を推進し、生産効率の改善に取り組んでいきます。 (4) 製品の欠陥稲葉製作所は、品質管理規程等に従って各種の製品を製造しています。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来リコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については、経済的損失をカバーするため製造物責任保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償に繋がるような製品の欠陥は、多額のコストの発生や稲葉製作所グループの評価が低下することに伴う売上の減少を招き、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。稲葉製作所グループは、独自の品質管理体制を整備し、開発段階における厳しい基準での独自試験の実施、完成品の品質を検証するための品質管理委員会の開催、沖縄暴露試験場での長期試験など、継続的な取り組みを実施しています。これらの取り組みを行うことで、大規模なリコールや製造物責任賠償に繋がる可能性を低減しています。 (5) 特定取引先への依存稲葉製作所グループのオフィス家具事業は、特定取引先の業績に左右される可能性があります。特定取引先との取引は、稲葉製作所都合により展開できるものではなく、特定取引先の事業方針等が変更される可能性があります。その場合、特定取引先への売上減少、さらには取引解消を招く等、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、特定取引先とは製品の企画・設計・開発段階から協力関係にあり、互いに良きビジネスパートナーとして認識しあい、強固な信頼関係を構築しています。また、定期的に経営者間で面談を行い、課題の共有や情報交換などを行っています。 (6) 環境問題に関するリスク稲葉製作所グループは、国内の環境法規制を遵守した上で、環境負荷の低減に取り組んでいます。会社の環境方針に基づき、事業活動における環境負荷の削減、再生資源の利用及び環境規制に適合した製品開発に努めています。具体的には、開発・設計の段階から「人と地球に優しく、より高品質な製品」の開発することを考え、リサイクル対応の製品づくりとゴミの減量化に繋がるパーツごとの分解・分別が容易な「分別設計」を導入するなど、素材のみならず環境への配慮に取り組んでいます。また、環境への負荷低減の取り組みとして、塗装ではVOC(揮発性有機化合物)が発生しない粉体塗装(パウダーコーティング)を採用しています。このように品質の安定・向上とともに環境への影響を把握する環境マネジメントシステムの継続的改善に取り組んでいきます。しかし、世界的な人口の増加や経済発展・利便性の追求により、エネルギーや資源の消費スピードが加速していることから、地球温暖化や資源枯渇・環境汚染等のリスクへの懸念が高まっています。それに伴い、環境に関する取り組みの重要性はますます高まり、今後も様々な環境規制が改正・強化され、即時の対応や将来に向けての取り組みを求められる可能性があります。その対応が不十分な場合には、製品の売上減少、生産量の限定又はレピュテーション低下等、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。脱炭素社会への移行リスクとして、気候変動に伴う規制強化の拡大に、現行製品が適切に対応できないことで、販売機会を喪失する可能性があります。また、物理リスクとして大型の台風や洪水等の異常気象の深刻化と頻度の上昇が考えられ、工場の操業停止やサプライチェーンの分断により売上が減少する可能性があります。 (7) 情報セキュリティリスク稲葉製作所グループは、様々なグループ内専用ネットワークや情報技術システムを利用しています。稲葉製作所グループは、効率的で安定した事業活動を担保するため、基幹システム・会計システム等の更新を適時実施しています。また、情報セキュリティに関する社内規程の整備、不正アクセス等を未然に防止するための対策等、社内ネットワークにセキュリティ対策を講じるとともに、社員への教育を実施する等、情報資産の保護に努めています。しかしながら、サイバー攻撃等の不正行為の脅威は増しており、想定を大幅に超えるサイバー攻撃を受けた場合、重要な業務の中断、機密情報の漏洩等、事業への悪影響が生じる可能性もあります。また、ネットワークに生じる障害、ネットワーク又はハードウエア、若しくはソフトウエアの不具合・欠陥、情報技術システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合が発生した場合、業務の中断等、生産性の低下を招き、事業活動に支障がでる可能性があります。その結果、競争力の喪失やレピュテーション低下を招き、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (その他に関するリスク)(8) 自然災害等による影響稲葉製作所グループは、大規模な自然災害、事故、疫病等の発生時に、製造ラインの中断等により事業への悪影響を受ける可能性があります。その場合、生産・販売活動が停止することに伴う売上の減少等を招き、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。稲葉製作所グループは、製造ラインの中断等による事業への悪影響を最小化するため、工場の分散、設備の定期的点検、安否確認システムの導入、防災訓練の実施や事業継続計画の策定等の減災対応に取り組んでいます。また、拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、経済的損失をカバーするため損害保険へ加入しています。しかし、災害等による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。 (9) 法的手段稲葉製作所グループは、事業活動において、継続的なコンプライアンスの実践に努めています。それにも関わらず、様々な訴訟及び規制当局による法的手続の当事者になる可能性があります。また、重大なコンプライアンス違反や大規模な損害賠償等に繋がるような場合には、多額の損害賠償金の発生や事業活動が停止する可能性があります。その場合には、稲葉製作所グループの信頼性や評判を損なう等、ブランドイメージの毀損により、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。万が一、訴訟その他の法的手続が発生した場合には、必要に応じて外部専門家と連携しながら適時・適切に対応し、稲葉製作所グループへの影響を最小限に抑えるように努めていきます。 (10) 人権等稲葉製作所グループは、各種ハラスメントの防止に関する規程、サステナビリティ基本方針、人材育成方針・社内環境整備方針において、人権を侵害する労働またはそれに準じる行為の禁止を明文化し、グループで共有するとともに徹底を図っています。しかしながら、差別やハラスメントによるコンプライアンス違反が発生した場合、社会的信用が失墜し、稲葉製作所グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクは、上記だけに限定されるものではありません。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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