菊池製作所(3444)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

TOP関連銘柄

事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


菊池製作所(3444)の株価チャート 菊池製作所(3444)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

菊池製作所グループは、菊池製作所及び連結子会社8社、(KOREA KIKUCHI CO.,LTD.、KIKUCHI(HONG KONG)LIMITED、東莞菊池金属製品有限公司、SOCIAL ROBOTICS株式会社、イームズロボティクス株式会社、WALK-MATE LAB株式会社、株式会社マグネイチャー、TCC Media Lab株式会社)及び持分法適用関連会社5社(株式会社ヘルステクノロジー、HIEN Aero Technologies株式会社、株式会社AOIRO Action、株式会社イノフィス、トレ食株式会社)により構成されております。菊池製作所グループが創業以来培ってきた金型の設計・製作、板金加工、機械加工、成形加工、プレス加工等の諸技術を駆使し、試作製品及び量産製品の製造、金型製作、介護用及び産業用ロボット製造等を主な事業としております。

 

(1) 試作・金型製品

主に精密機器、電気機器及び自動車部品等のメーカーを顧客とし、顧客の新製品開発における試作製品、もしくは顧客の新製品開発において使用される金型を、菊池製作所グループが受注し、設計・製造を行います。菊池製作所及び海外連結子会社のKOREA KIKUCHI CO.,LTD.において、様々な業種の研究開発活動に使用される多種多様な試作製品を、菊池製作所グループ独自の一括一貫(注)された設計工程、金型製作工程、成形工程、加工工程の各製造工程を通じて製作しております。急速な技術革新、ハイテク機器等の製品ライフサイクルの短期化など、産業全般の動向に対応するため、自社製造技術の向上を常時志向し、微細化加工、樹脂や金属などの多様な材料の加工、顧客への納期短縮に資する工程間調整等、これらを充たしうる事業体制をもって運営しております。

 

(注)一括一貫

「もの」の設計から量産製造段階までにいたる試作品製作、金型製作、量産品製造の機能を有し、かつ、それぞれの加工工程において多種多様な製作技術を有すること。これにより、顧客である製品メーカーに対し、様々な協力企業への複雑な外注に係るオーダープロセスを回避することが出来、製品競争力の源である市場への製品投入の迅速化が実現できる。

 

(2) 量産製品

主に精密機器、電気機器及び自動車部品等のメーカーを顧客とし、量産製品の製造を行います。菊池製作所及び海外連結子会社のKIKUCHI(HONG KONG)LIMITED並びに東莞菊池金属製品有限公司において、試作・金型製品で培ったノウハウを活用し、精密プレス加工をはじめとした様々な技術を用いた生産体制を駆使し、時計部品・半導体製造装置部品等の機構部品などを製造しております。

 

 (3) ロボット・装置等

菊池製作所は、大学及び菊池製作所グループ関係会社との共同開発などにより、装着型アシストスーツやドローン、歩行支援ロボット等をはじめとした各種サービス・サポート系ロボットの開発・製品化を推進し、菊池製作所グループ製品の市場投入の拡大を図っております。また、スタートアップへの開発・試作・実証・量産・販売支援などを包括的に受託する体制を構築しており、受託での開発・製造並びに販売を推進してまいります。

 

 (4) その他・ガンマカメラ関連等

東日本大震災を起因とする東京電力株式会社福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所の事故に伴う放射線量測定サービスを行っております。

 

「一般的な“ものづくり”工程」と菊池製作所グループの事業領域

 


 

一括一貫を構成する菊池製作所グループ保有の技術(製法)

技術

製品

金型製作技術

一般的な金型をはじめ、製作工程が多い絞り部品(注1)向け金型、金属と樹脂の一体複合加工成形(インサート製法)を可能とする金型等の、自社設計・製作技術。携帯電話等最終製品の軽量化・高機能化や、各種素材の特性に合致した各種金型の設計・製作を可能とする。

マグネシウム成形用金型、金属射出成形用金型、プラスチック成形用金型、プレス用金型

マグネシウム
成形技術

チップ状態のマグネシウム合金を、金型を使用して高速射出成形(注2)する方法であり、従来の材料(主にステンレス材)に比べ軽量かつ高強度なマグネシウムの特性を活かした製品の製造を可能とする。

一眼レフカメラ、小型デジタルカメラ等の外装及び内装機構部品等

金属射出成形技術
(メタルインジェクション成形)

金属粉末と樹脂粉末の混合材料を、金型に射出成形する方法であり、複数の加工工程を要する複雑な形状の製品に対し、効率的な製造を可能とする。

携帯電話、デジタルカメラ、コネクター、医療機器の部品(外装部品や機構部品)等

プラスチック
成形技術

樹脂を金型に射出成形する方法で、プラスチック試作部品及び少量・限定生産品等において、生産性や精度を確保しつつ、効率的な製造を可能とする。さらなる高度加工技術として、金属と樹脂の多品種複合加工(インサート製法)を可能とする。

携帯電話の外装、事務機器(複写機、プリンタ他)、自動車部品等

機械加工技術

樹脂材料及び金属材料を、マシニングセンター等の多種多様な加工装置により、接着・切削加工を行う。

カメラ内装部品、事務機器(複写機、プリンタ他)、自動車部品等

精密・微細板金
加工技術

微細化、大型化する部品等に対し、幅広いサイズにおける加工を可能とする。プレス技術と板金技術等の複合化をもって、試作品製造から量産品製造までを手掛けることにより、効率的な製品製造を可能とする。

時計、携帯電話、デジタルカメラ等の外装及び精密機構部品

精密プレス加工

順送型、エッチング型、単型等の工程により、様々な仕様に対応可能な加工工程を有しており、高精度な「絞り」「穴あけ」「曲げ」「せん断」等の加工を可能とする。

時計、携帯電話、デジタルカメラ等の外装及び精密機構部品

アルミホットダイカスト(鋳造)技術

既存技術(アルミコールドダイカスト)に比して、製品寸法精度、強度、耐圧性等での高い優位性を持つ新規ダイカスト(鋳造)技術。

照明機器、自動車、自転車部品等

 

(注) 1  絞り部品:平板の板材から容器状に成形加工した部品。プレス機を用いて板を圧して筒状に加工するため、板の厚みを均等にして強度・精度を出すのが困難な加工である。

2  射出成形:金型鋳造法の一種で、過熱溶融した樹脂及び金属に圧力をかけ金型に充填し、固化させ成形する。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 



有価証券報告書(2024年4月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、菊池製作所グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 菊池製作所グループは、トータル試作部品加工から各種金型製作、量産加工までの総合加工メーカーのトップランナーとして、また、著しい成長が見込まれるサービス・サポート系ロボット分野におけるスタートアップ企業の包括的事業化支援企業として、高い技術力と夢とチャレンジ精神を持って、顧客には信頼と満足を、社員には生きがいと幸福の実現を提供し、また環境との調和を図り、地域社会・地球環境に対し良き会社であり続けることにより、社会に貢献します。

 

(2) 経営環境及び戦略

菊池製作所グループの置かれている環境としましては、主要顧客であるデジタルカメラ、時計、事務機器等の精密電子機器メーカーならびに自動車関連部品メーカー等の研究開発及び生産状況は、当年度後半から市場の需要ならびに開発意欲等に回復傾向が見られましたが、参入企業も多く、単価の下落傾向も継続するなど、競争環境は引続き芳しくなく、当連結会計年度は年度を通じて前年度並みの厳しい結果となりました。先行きに関しても不透明な状況が続いておりますが、菊池製作所グループといたしましては、新規市場である5G対応、携帯/ウエアラブル端末、環境/省エネ/再生可能エネルギー分野への参入を目指して参ります。製造工程の改善による超短納期化とそれに起因する製造コスト削減への取り組み、技術力・設備力を生かした切削加工・金型製造分野の探索などのほか、大手メーカーとの連携による国内・海外のOEM案件の発掘に注力していきたいと考えています。

また、著しい成長が見込まれるサービス・サポート系ロボット分野において、これまで培った総合ものづくり力を生かし開発・試作・量産などの製造面の支援だけでなく、資金調達・販売・保守などの事業化面の支援も引続き実施して、「包括的な事業化支援企業」としての地位を確立し、グループとしての収益機会の拡大、企業価値向上を図ります。

 

(3) 対処すべき課題等

 ① 競争力の強化

 菊池製作所グループの主たる顧客である精密機器、電気機器の完成品メーカーの多くは、近年、中国をはじめとしたアジア諸国への生産拠点移転が進んでおり、アジア諸国の金型製造技術の向上は、日本国内金型市場へのアジア製品進出の契機となり、競争状態を激化させることとなっております。

 また、昨今、急速に製造業においてもリモート化・DX化の波が押し寄せ、更なる短納期化・低価格化が求められております。

 国内においても、試作品製造に参入する製造会社が増加しており、競争の激化に拍車をかけております。さらに、完成品メーカーの研究開発投資動向は安定的ではなく、開発投資の循環が存在しており、試作企業、金型製造企業はこの循環において、円滑な事業機会獲得に向けて、持続的に経営の最適化を図っております。

 このような経営環境に適合して事業を推進するために、菊池製作所グループとして、菊池製作所独自の「一括一貫体制」による総合ものづくり力をさらに強化し、リモート化・DX化に取り組み、迅速に正確な情報を収集するとともに、難易度の高い仕様や短納期、新規材料への対応を可能とする技術水準向上や操業度の確保に努めることによって、競合他社との差別化を図り、競争力を強化するとともに、積極的に新規分野への営業展開を拡大していくことが重要であると考えております。

 

 ② 人材の確保、育成

変化する事業環境に最適な企業構造を保ちつつ、長期的な成長を担保するために、優秀な人材の確保、育成が急務であると考えております。また、対象製造品は、部品単位からユニット・製品単位となり、多岐にわたり、他社との連携の必要性を背景に多様な知見を有し、これら連携を円滑に推進する事業プロデューサーの育成が肝要と考えております。一方で、少子高齢化、多様な働き方による製造業での人材不足に直面し、電気電子・制御・調達等の専門性の高い分野においては、経験豊富なシルバー人材も有効に活用してまいります。

このような背景に対し、菊池製作所は、今後の日本の製造業の中心分野の一つになる可能性のあるサービス・サポート系ロボット分野に注力し、多岐にわたるスタートアップ企業との連携により、魅力ある事業を展開することで人材を確保し、さらに、次世代を担う新しい技術を習得したマルチな幹部候補生を育成し、継続的な事業環境を創造してまいります。

 

 

 ③ 技術の研鑽

 精密機器、電子機器の技術革新は、その部品構造の微細化を要求することとなり、このことは、菊池製作所グループの顧客要求仕様の高難易度化をもたらしております。特に加工寸法精度については、従来の100分の2~3mm程度から1000分台へと大幅に水準が上昇しております。一方、加工対象の形状についても、曲面加工が要求される機会が多くなるなど、複雑化する傾向にあります。
 このような技術環境に対して、菊池製作所は常に新しい加工技術を導入することに挑戦し、高精度の最新製造設備の導入と、創業以来培ってきた「匠の技」の伝承を継続的に実施することで、より短納期に資する工程改善に取り組むことにより、更なる競争優位をもたらす技術力を育むことが重要であると考えております。

 

 ④ 新規事業の創出

 現在、菊池製作所は、サービス・サポート系ロボットを中心とした成長著しいスタートアップとの連携構築を強化しております。「ものづくりメカトロ研究所」ではこれまでに蓄積してきた高精度製作技術に加え、電気、制御技術等を含めた製品製造の技術の蓄積、受託開発、製品試作、量産品製造を推進するとともに、国内外で定められている多様な安全規格に基づいた製品としての品質保証体制の構築、医療機器製造の認可の取得にも注力しております。

 また、発展途上であるサービス・サポート系ロボット産業分野において、ユーザーニーズの取得、新規製品の啓蒙のため、マーケティング・販売活動を推進することも重要であると考えております。実際に見て・触れて・体験して頂く「東京ショールーム」を情報発信のハブとして活用し、情報収集に取り組んでおります。加えて、資金面の支援を実行する為、「ロボットものづくりスタートアップ支援ファンド」を通じて資金支援しております。またスタートアップ関連製品の販売体制、サービス運用体制、製品の全国的な保守を行うための企業連携を通じて保守体制を整備し、これまでの製造支援だけでなく、経営全般を包括的に支援することで、受託型加工企業からスタートアップとの連携プラットフォームを構築する総合的なスタートアップ事業化支援企業へと成長を図ってまいります。

 近年は、単に製品を創出するのではなく、環境・社会・経済を両立させるSDGsの目標に沿ったテクノロジーの創出が求められており、菊池製作所は連携プラットフォームによって多くのスタートアップと連携しながら、社会の課題解決に寄与するソリューションを提供してまいります。

 

⑤ サステナビリティ経営への取り組み

SDGsへの取り組みが求められる中、菊池製作所グループは、「サステナビリティの基本方針」を定め、ガバナンスの強化により、企業活動のリスク軽減に努めるとともに、健康経営・働き方改革を推進し、従業員のワークエンゲージメントを向上させるとともに、従業員の多様性を重視し、技術者の育成・確保に取り組みます。

 


事業等のリスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において菊池製作所グループが判断したものであります。

 

(1) 市場環境の変化について

菊池製作所グループの顧客は、自動車、時計部品、事務機器メーカーなどであり、開発試作モデルの設計から金型製造及び機構・内装部品等の製造、並びに量産製品の製造を受注しております。従いまして、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態は、取引先の新製品開発計画、モデルチェンジの周期、開発予算及び市場の需要動向等の影響を受ける可能性があります。菊池製作所では、毎月開催の定例役員会において取引先の状況や見積り動向(件数、価額等)、受注単価動向等の情報の共有を行い、毎週1回開催の役員連絡会では取引先の動向、仕入先の動向等の情報を共有し、役員並びに会議参加者が担当部署への情報伝達を行い、稼働調整やリモート化・DX化を推進して機動的で幅広い情報収集など徹底を図っております。需要回復ならびに顧客の開発意欲の回復機運は徐々に高まっているものの、依然として米国の金融政策、東欧情勢不安、電子機器部品の世界的な供給懸念など影響も残り、先行きに関しましては、未だ不透明な状況が続いております。

 

(2) 試作レスについて

従来の製品開発では、図面に基づきいくつもの「試作機」をつくり、実験や検証を繰り返し、新しい課題の発見や開発者の間のイメージの共有などを行ってきました。菊池製作所は、創業以来、生産などに関する様々な技術を蓄積伝承し、それらをもとに精密金型技術を基盤とした現在の事業を展開しております。最近ではコンピューターの仮想環境で試作機に相当するモデルを作成し、性能や品質の評価が行われるようになりました。菊池製作所の予測の範囲を超えた技術革新がなされた場合には、菊池製作所の技術競争力が低下し、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 内部管理体制について

菊池製作所グループは、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に努めており、財務報告に係る内部統制を含め、内部統制システムの充実強化を図っています。しかしながら、事業環境の変化に対応しながら事業拡大に取り組む中で内部体制の整備が追い付かない状況が発生した場合には、ステークホルダーの信頼を一挙に失うことにもなりかねず、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 新規事業の開発について

菊池製作所グループの独自製品であるマッスルスーツ、ドローン、配送ロボット等を始めとしたサポート・サービスロボットの開発・製造に積極的に取り組んでいますが、人材の不足、開発の遅れ、各種実証や認証の対応等に時間を要する等のリスクが潜んでおり、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
 

  (5) 機密保持について

菊池製作所グループは、顧客の新製品の開発や研究等、高度な機密情報を数多く取扱っており、機密情報の管理は経営の重要な課題と認識しております。このため「情報管理規程」を制定し、社内研修の実施、社内入出管理、作業指定区域の指定、データ・図面・製品・仕掛品・文書等の管理を行い、全従業員及び外注先に対する機密保持誓約書の徴求を行うなどして、制度・管理の両面において機密保持に関する十分な注意を払っております。しかしながら、万一機密情報が外部へ流失した場合、菊池製作所グループの信用失墜に伴う受注減少や賠償責任の発生等により経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (6) 製品の品質について

菊池製作所グループは、顧客と合意した仕様(寸法、材料、加工方法)を満たすものか否かにつき充分な検査を実施したうえで、製品を出荷いたします。さらに、菊池製作所製造過程の過失により製品欠陥が発生した場合に備え、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、製品欠陥が生じた場合は、当該保険範囲を超過した賠償請求の発生および菊池製作所グループの信用失墜によって、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

 (7) 納期について

菊池製作所グループの試作・金型事業では、顧客の試験研究・新規開発に使用される試作品を製造しているため、開発競争の激化による新製品開発サイクルの短期化等の要因により、従来にも増して菊池製作所グループへの短納期化が求められている状況であります。菊池製作所グループでは、納期を厳守するために製造管理をしておりますが、納期遅延が発生した場合には、継続的な受注が確保出来なくなるおそれもあり、この結果菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (8) 原材料価格の変動等について

菊池製作所グループ製品は、概ね金属や樹脂を材料としております。鉄、銅、真鍮等の金属や、原油の市況高騰によって、材料の入手が困難となった場合には、製品の製造遅延及び原価上昇等により菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (9)人材確保及び育成について

菊池製作所グループの事業成長や安定的な経営体制確立のため、経営管理部門及び製造部門における人的資本の充実が必須であると考えられます。しかし、提出会社の従業員の平均年齢は44.4歳(2024年4月末)となっており、国内での少子高齢化による労働人口の減少、人員基準を満たす人材獲得に積極的に取り組んでおりますが、生産技術の継承に支障が生じる可能性があります。現状は、危機意識をもって行動のできる従業員、周りを見ることができる(前後の工程に配慮できる)従業員の貢献に支えられています。今後の業容拡大や熟練技術者の退職により、人材確保及び技術者育成等が追いつかない場合、納期遅延、品質低下等の問題が発生し、継続的な受注が確保できなくなることにより、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (10) 為替変動の影響について

菊池製作所グループは、経営戦略に基づき、海外(中国及び韓国)での製造業務を行っており、その製品の一部を菊池製作所が仕入れております。従いまして菊池製作所グループでは、為替変動リスクの軽減、回避に努めておりますが、外貨建取引においては、為替変動が取引価格や売上高、当該取引に係る資産及び負債の日本円換算額等に影響を与え、その結果、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (11) 製造拠点の集中について

菊池製作所グループの工場は、東京都八王子市及び福島県下に集中しております。この地域において、菊池製作所の想定を超える自然災害等が発生し、人的・物的被害を受けた場合は、工場の生産能力が著しく低下することが予想され、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (12) 技術力の向上について

菊池製作所グループが提供する金型・試作及び量産の技術による製品は、顧客の試験研究・新規開発に使用されます。開発競争の激化による新製品開発サイクルの短期化等の要因により、新技術開発の必要性が高まっており、従来にも増して技術力の向上を図っておりますが、顧客の要求を満たす新しい技術を常時提供できる保証はないため、今後菊池製作所が同業他社と比較して優位性ある提案等ができず、受注機会を逸した場合は、菊池製作所グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 (13) 継続企業の前提に関する重要事象等について

 菊池製作所グループの業績は、試作・金型製品において、従前のコンシューマエレクトロニクス分野における新規開発案件が継続して減少している環境下において、新規分野の開拓に一定の成果は見られるものの、依然として付加価値の高い新規開発案件数の増加は限定的で、難易度の高くない案件は引き続き海外との価格競争に晒され厳しい状況が継続しており、売上高はほぼ横ばいとなっております。
 また、拡大に注力しているロボット・装置等含めた製品においても、顧客の各スタートアップの量産フェーズへの移行は限定的であり、売上高はほぼ横ばいとなっております。
 この結果、営業損失の発生が継続するとともに、当連結会計年度末の純資産額が金融機関との間で締結している、タームローン契約に付されている財務制限条項に抵触していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
 菊池製作所としては、当該状況を解消すべく、継続的な営業活動量の増加、新規分野開拓、安定収益層拡大のため量産製品分野の拡大等による受注拡大の施策を推進するとともに、製販連携による生産部門の稼働率の向上、人件費や拠点運営費用などの固定費圧縮の取り組み、関係会社の研究開発においては公的資金を獲得し、費用を制限しながら効率的に実施するなどに取り組んでいくことを計画しております。資金面では、保有する上場有価証券等を有効利用することにより、タームローンを上回る資金を確保できる見込みであり、重要な資金繰りの懸念はないものと認識しております。また、同時に取引先金融機関に対し、財務制限条項抵触を理由とする期限の利益喪失請求を行わないことを要請し、書面による同意を得ております。
 以上の状況により、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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