ジェイテックコーポレーション(JTEC)(3446)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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ジェイテックコーポレーション(JTEC)(3446)の株価チャート ジェイテックコーポレーション(JTEC)(3446)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ(ジェイテックコーポレーション(JTEC)及びジェイテックコーポレーション(JTEC)の関係会社)は、ジェイテックコーポレーション(JTEC)(株式会社ジェイテックコーポレーション)、及び子会社1社(電子科学株式会社)により構成しております。ジェイテックコーポレーション(JTEC)は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を経営理念とし、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業内容は次のとおりであり、「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を有しております。 (1) オプティカル事業当事業では、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」<注1>やX線自由電子レーザー施設「SACLA」<注2>のような国内外の先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル(10億分の1メートル、以下nmと表記。)以下の超高精度の表面形状をした集光ミラー、高調波カットミラーや回折格子基板等各種X線ミラーをユーザーに合わせて設計し、カスタムメイドで製造・販売しております。本X線ミラーは、2005年に大阪大学と理化学研究所が共同開発した世界で初めて硬X線領域で理論限界まで集光することに成功したX線ナノ集光ミラーを製品化したもので、大阪大学の独自のナノ加工、ナノ計測技術により製造し“OsakaMirror”と商標登録し、2006年より販売を開始し、現在も世界の特に先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設の研究者から高い評価を得ております。顧客は主に国内外の国立研究機関や大学の研究者であり、毎年積極的に最先端の分析研究が提案され、ジェイテックコーポレーション(JTEC)ではそれに応えるべく各種X線光学系の開発を行ってまいりました。近年、これら施設は各国の多様な地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)において、コアな機関として位置づけられ、イノベーションを強力に推進しており、国内では第四世代の放射光施設 NanoTerasu<注3>の稼働が開始、海外では主に中国及び欧米において第4世代へのバージョンアップやあるいは新設計画が進む中、これまで以上に高度な科学分析の需要が拡大する傾向と相まってジェイテックコーポレーション(JTEC)“OsakaMirror”の需要も増えており、今後も受注拡大が見込まれております。当連結会計年度においては、ジェイテックコーポレーション(JTEC)のみが到達できる精度を有するX線ミラーの提供はもとより、新しい手法の光学システムの実証にも成果を得ることができました。また、特に半導体及び宇宙分野などの成長産業分野で用いられる光学部品を対象にした新しい加工・計測技術の研究開発を加速するため、国家プロジェクトへの参画や研究機関との共同研究を積極的に進めてまいりました。さらに、国内外の放射光施設における高精度ミラーの需要増加に対応するため、生産効率の向上活動を進め、一部の工程においては大きな改善の成果が得られております。今後は、ジェイテックコーポレーション(JTEC)の強みである精度、新規性をさらに強化する研究開発に取り組むとともに、生産効率の向上を促進することで、技術と生産力においても競合他社に対し優位性が保持できるよう努めてまいります。 〔事業系統図〕以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。図1.オプティカル事業系統図 なお、2026年6月期のオプティカル事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が43,105千円(3.0%)、企業が675,102千円(47.3%)、公的研究機関が708,453千円(49.7%)となっております。 (2) ライフサイエンス・機器開発事業ライフサイエンス事業では、創業当初より創薬スクリーニングに関連する各種細胞培養操作の自動化の開発を手掛け、カスタム製品である各種の大型自動細胞培養装置「CellMeister®」を製造販売してまいりました。その後、独自の3次元回転浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をもとに再生医療分野に展開し、また2013年に日本で初めてiPS細胞に特化した低価格量産汎用型の自動細胞培養装置「CellPet®」の開発を行い、現在は後継機種「MakCell®」にバージョンアップし販売を推進しています。新型コロナウイルス感染症禍以降、その治療薬の探索や、働き方改革や労働時間短縮を理由に「MakCell®」を中心に自動化装置の引き合いが活発になっております。対象市場も製薬・創薬だけでなく食品・化粧品市場からの照会も増えつつあり、それらに向けた装置対応も進めてまいります。また、お客様の要求、仕様に応じた完全カスタムの全自動細胞培養システムについても市場が立ち上がりつつあるため、積極的に対応してまいります。一方、「CELLFLOAT®」関連機器につきましては、これまでに実績を上げてきた国内に加え、今後は海外展開を図り受注につなげてまいります。また、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構と共同研究を進めております「脳梗塞治療用の幹細胞分離機器」(AMED事業)は、一定の成果を得たので、今後は脳梗塞治療だけでなく認知症等の治療にも適用できる一般病院・企業向けの医療機器としての製造・販売を目指してまいります。機器開発事業では、2022年から大阪大学の独自加工技術をベースにした難加工基材表面をナノレベル、原子レベルで加工する装置の実用化開発を積極的に進めてまいりました。この技術は半導体デバイスや電子部品の基材となる各種ウェハの表面仕上げ研摩に主に活用されます。すでに複数台の販売実績を持つ水晶ウェハの平坦化加工技術PCVM(プラズマ化学気相加工法)に加え、地球上で最も硬質で難加工材であるダイヤモンドウェハ研磨に適したPAP(プラズマ援用研磨法)、SAWデバイス用LT/LNウェハやパワーデバイス用GaNウェハ研摩に適したCARE(触媒表面基準エッチング法)のプロセス確立と装置の実用化を進めています。特に、PAP(プラズマ援用研磨法)では開発用の装置を完成させ、顧客と一緒に実用化に向けたテスト加工や共同研究開発を進めており、複数の企業への納入も始めました。さらに昨年からは、立命館大学と共同でECMP(電気化学機械研磨法)の開発に着手しました。この技術は、データセンター向け放熱デバイスで急増するSiCウェハの表面研磨装置としての実用化を目指しています。加えてウェハ仕上研磨のみでなく前加工領域の需要掘起しのため精密レーザー加工装置の開発に着手し、本装置と従来商品のパッケージ販売戦略によるシナジーを目指します。各種培養装置、ナノレベル・原子レベルの加工装置のほかオプティカル事業に関連する各種集光装置やその他カスタム装置の開発・製造も手掛けております。 〔事業系統図〕以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。図2.ライフサイエンス・機器開発事業系統図 なお、2026年6月期のライフサイエンス・機器開発事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が14,000千円(4.9%)、企業が242,297千円(85.2%)、公的研究機関が28,095千円(9.9%)となっております。 (3) その他事業その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社は、昇温脱離分析装置(TDS)のメーカーで、本装置「TDS-1200Ⅱ」は、超高真空環境に設置した試料を独自の加熱方式(赤外線)により試料から微量に放出される成分(水素、酸素、二酸化炭素、水など)を四重極質量分析装置(QMS)で、独自の分析ソフトウェアにより高感度でリアルタイムに検出する装置です。現在、半導体、液晶、カラーフィルター業界を中心に材料の研究や、製造工程の評価、品質管理に用いられており、高い評価を得ております。当連結会計年度では、主要取引先である韓国、台湾に加えて、営業活動を積極的に行うことによって複数の日本企業からの受注を獲得することができました。本装置は、その他鉄鋼、電機、自動車、水晶振動子等様々な産業分野においても適用できる可能性があり、また、最近は中国や米国からの引合いもあります。このような案件については、ジェイテックコーポレーション(JTEC)のオプティカル事業の海外チャンネルを利用することにより、営業体制の強化、拡販を進めております。また、中長期の売上拡大を目指し、水素量に特化した昇温脱離水素分析装置「ESCO-TDS600 IR H2」や現行の「ESCO-TDS1200Ⅱ IR」に自動サンプル機能を追加した「TDS 1200ⅡALS」の共同開発に成功しました。また、パッケージ試料の測定向けの「TDS 1200ⅡPKG」など新製品を投入することで新規顧客の開拓を進め、収益力の拡大に努めてまいります。なお、2026年6月期のその他事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が3,825千円(1.6%)、企業が240,773千円(98.3%)、公的研究機関が282千円(0.1%)となっております。注1:大型放射光施設「SPring-8」(Super Photon ring-8 GeV)「SPring-8」とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。「SPring-8」では、この放射光を用いて、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー等の基礎科学研究分野から、産業利用ニーズも高まりをみせ、化粧品、食料品、電池、タイヤ等身近な製品の開発も行われています。「SPring-8」の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。「SPring-8」は国内外の産学官の研究者等に開かれた共同利用施設であり、1997年から放射光を大学、公的研究機関や企業等のユーザーに提供しています。課題申請などの手続きを行い、採択されれば、誰でも利用することができます。「SPring-8」の施設者は理化学研究所であり、「SPring-8」の運転・維持管理、並びに利用促進業務を高輝度光科学研究センターが行っています(図3参照)。 注2:X線自由電子レーザー施設「SACLA」(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)2006年3月に策定された第3期科学技術基本計画(2006年3月28日閣議決定)において国家基幹技術の一つとして選定されたX線自由電子レーザー施設として、2006年度から理化学研究所と「SPring-8」を運営する高輝度光科学研究センターが共同で施設の建設・整備を行い、2011年3月に完成、0.063nm(0.63Å(オングストローム:微小な長さを表すのに用いられる単位。1Å=0.1nm))の世界最短波長のX線レーザー生成に成功した施設であり、2012年3月7日より供用運転を開始しています(図3参照)。図3 大型放射光施設「SPring-8」、X線自由電子レーザー施設「SACLA」 注3:次世代放射光施設 NanoTerasu東北大学青葉山新キャンパスに共創の場として設けられた「サイエンスパーク」エリアに、新たに第4世代放射光施設が建設され、2024年4月に本格稼働が開始しました。(図4参照)図4 NanoTerasu(ナノテラス)

有価証券報告書(2026年6月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの経営方針、経営環境、及び対処すべき課題は、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループが判断したものであります。ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループは「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を有しております。 (1) 経営方針ジェイテックコーポレーション(JTEC)は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」ことを経営理念に掲げ、各種産業分野の技術発展に寄与し、創薬や再生医療をはじめとした先端技術の研究及び実用化の促進に役立つことにより、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」ことを経営方針に定めております。 (2) 経営環境等当連結会計年度における世界経済は、中東やウクライナでの地域紛争などによる地政学リスクや持続的なインフレ圧力などの影響を受け、楽観的な予測が修正を迫られる不確実性が高い転換期となり、緩やかな減速傾向にあります。国内経済は、賃上げの広がりと円安傾向を背景に個人消費と一部輸出が持ち直し、緩やかな回復基調が継続しており、企業業績は自動車・ハイテク分野で底堅さが見られる一方、物価上昇や生活コスト増が実質所得の伸びを圧迫、原材料コスト増や中国経済減速による外需の不安定さも残り、外部環境と物価動向次第で先行きの変動幅が大きくなる可能性を秘めております。このような経済環境のもとジェイテックコーポレーション(JTEC)グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業によって、高品質な製品提供と研究開発活動の強化に取り組み、経営基盤拡充と企業価値向上に努めてまいりました。 オプティカル事業においては、当連結会計年度は、国内市場ではSPring-8、SACLA、NanoTerasu、アジア市場では中国のSHINE(上海)、HALF(合肥)、HEPS(北京)、台湾のTPS、アメリカ市場ではLCLS、欧州市場ではESRF(フランス)、MAX-IV(スウェーデン)、HZB(ドイツ)への売上が中心となり経営成績を牽引しました。世界各国において多くのアップグレードや新設を控えるに伴い、特に高精度ミラーの需要がこれまで以上に増大しており、いずれの施設もより高い精度を実現するための綿密な設計検討を基に受注活動を行っておりますが、これら高額製品のいくつかにおいて契約後の設計変更が顧客都合で生じ、顧客了解のもと、期を跨いだ納期後倒しを余儀なくされました。また、ミラーの基板材料として主に単結晶シリコンを用いておりますが、材料由来の予期せぬ不具合が一部の案件で発生し、複数の製品において製造リードタイムが長期化することになりました。このような不測の事態の影響により、当初計画を下回る出荷数となりましたが、製造リードタイムを大幅に短縮する開発活動を進めたことで、事業としての収益は前期比増収増益を維持いたしました。営業活動につきましては、国内外の主たる放射光分野の学会での発表を通じて、ジェイテックコーポレーション(JTEC)の研究・開発成果の進捗報告することによるジェイテックコーポレーション(JTEC)技術のアピールに加え、光学全般を対象にした展示会においてもジェイテックコーポレーション(JTEC)の超精密加工・計測技術のアピールを継続的に展開しております。また、各国施設の研究者の訪日機会も増加し、商談のみならず共同研究の機会も確保され、売上向上を見据えた積極的な営業活動に努めてまいりました。 ライフサイエンス・機器開発事業につきまして、機器開発事業はその重点分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術の装置化及び受注・販売活動を推進してまいりました。従来から継続している「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」、「触媒表面基準エッチング法(CARE)」に「電気化学機械研磨法(ECMP)」を加えた4つの新しい研磨プロセスによる拡販活動、潜在顧客の掘り起こし活動に注力してまいりました。その結果、設備導入を前提にした試作機評価案件は大幅に増加し、その中からプラズマ援用研磨装置2台を受注し、売上に寄与いたしました。一方、ライフサイエンス事業では「CELLFLOAT®」関連機器や受注生産型装置が売上に寄与しました。自動培養装置や大型の細胞培養システムは顧客の方針変更などにより、期初計画に沿った受注・売上には至らなかったものの、ユーザー用途に合わせたカスタマイズ品の受注生産型装置が売上に寄与いたしました。これらの成果によって、事業としての収益は前期比で増収となり、セグメント損失も縮小いたしました。機器開発関連の重点新規事業分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術であるプラズマ化学気相加工法(PCVM)、プラズマ援用研磨法(PAP)、触媒基準エッチング法(CARE)、電気化学機械研磨法(ECMP)による表面加工装置の開発、製品化、販売活動を引き続き推進しております。 特に昨今の地政学的事情等によるSiCウェハの国内回帰、ダイヤモンド基板、デバイスの日米間コラボレーションを受けて、業界の再編やベンチャー企業の台頭が盛んになっており、これらを背景にしたPAPや ECMPに対する期待が高まっております。PAPとECMPはともに次世代のパワーデバイス用の基板、データセンター等の高出力デバイスの基板やヒートスプレッダー、量子デバイス用の基板として注目されており、今後大きな市場を形成するものと予想されることから、更なる技術力と販売体制の強化に努めてまいります。ライフサイエンス関連の市場動向として、他社において再生医療等製品2製品が期限付きで承認されるなど、再生医療市場は活性化しつつあります。加えて創薬の研究開発現場の労働環境改善や動物実験禁止の世界的潮流は、自動細胞培養装置にとって追い風の環境となっております。汎用型の自動細胞培養装置による新規市場開拓だけでなく、市場ニーズが高まっている超大型・全自動の細胞培養システムの受注拡大にも注力してまいります。また、競争的資金活用により成果の出た“幹細胞分離装置”の実用化、事業化を加速してまいります。 その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)及び大型工事・装置のメンテナンス業務・受託分析業務の3つに分かれますが、装置メンテナンス業務が前期比71.5%増と堅調に推移したものの、受託測定は微減となり、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売及び大型工事においては、高い確度で見込んでいた複数の案件が受注に至らず、最終的にTDSの販売は1台に止まりました。そのため売上高は前期比で約52%の水準に止まり、販管費を前期比88%の水準まで削減したものの、セグメント損失を計上する結果となりました。今後も持続的な成長を実現する経営基盤の強化として、生産体制の最適化とリソースの集中を図り、現在の主力装置の販売を促進するとともに、次世代市場向け新機種を将来の収益の柱として早期に育成し、安定的な収益確保に努めてまいります。重点施策の推進の効果が徐々に出始め、鉄鋼・部品メーカー各社からの製品仕様に関する問い合わせや引き合いが増加しております。引き続き、ストックビジネス(メンテナンス・受託分析)を安定した収益基盤としつつ、新製品を含めた装置販売の受注獲得に努めてまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループが10~20年先に目指すべき企業像を明確にした長期成長戦略「Innovation2030」の実現に向けて、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループが対処すべき課題として認識しています点は以下のとおりであります。 <ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ共通>グループ共通の課題として事業成長や収益拡大を一層加速させるため、以下の事項について対処する必要があります。① 人的資本の向上2025年7月より新人事制度の役割等級制度へ移行いたしました。従業員の意欲を高める新人事制度の導入によって成長の機会を創出してまいります。新人事制度においては社員の役割と評価基準を明確にし、従業員が自身のキャリアパスを描きやすくすることで、従業員個人のキャリア形成につなげるとともに組織としての人的資本の向上を図り、社員と会社の飛躍的な成長を目指します。 ② 業務効率化・DX化2026年7月より新基幹システム(クラウドERP)を導入し、各種業務の見える化、情報の一元化により業務効率化を進めてまいります。社員数や製造数が増加する中、各種業務と情報管理を効率的に実施することにより、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの強みでもある高精度な製品製造や研究開発に注力できる環境を整備し、経営判断に必要な情報を適時適切に活用することで迅速な意思決定に繋げ、経営効率を高めてまいります。 ③ ステークホルダーとの対話ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業において取扱う製品は非常に専門性の高い分野で使用されることから広く理解が得られにくい状況であるため、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業内容と成長性に対するステークホルダーの理解につながるよう丁寧な対話に努めてまいります。より多くの個人投資家の皆様にジェイテックコーポレーション(JTEC)ビジネスモデルへの理解を深めていただくため、事業のポジショニングやマーケット環境、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの強みと成長戦略をより分かり易く解説したIRプレゼンテーション動画の配信を実施しております。今後はより一層幅広いステークホルダーとの対話を積極的に進めてまいります。併せて、サステナビリティを中心とした非財務情報への適切な取組みを進め、不確実性の排除による資本コストの低減を図り、ブランド力強化による競争優位性を高め、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの企業価値向上につなげてまいります。 ④ 経営基盤の強化受注生産型の事業を中心としているジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの強みを活かし、新製品・サービス・技術の創出による新規事業の展開と既存事業の深化によって他社との差別化を図り、バランスの取れた成長投資によって、持続的成長と企業価値の最大化を実現いたします。人的資本の強化としては生産性向上への人材育成とその基盤となる人事制度整備などの実施、内部統制を意識したDX化や新基幹システムの導入などIT・デジタル化の推進、新たな収益基盤創出に向けた研究開発投資等を積極的、継続的に実施してまいります。中長期的に資本コストや市場評価を意識して健全な財務基盤を築き、信用力の向上を図ってまいります。 <オプティカル事業>(生産性向上)ミラーを製造する社内工程を前工程と後工程に明確に分離し、前工程を栃木生産技術センターで、後工程を本社で担えるよう生産体制を最適化してきた結果、社内リードタイムの大幅短縮を実現いたしました。今後も一層の効率化を目指し、積極的に改善を行ってまいります。一方、社外工程の外注加工先におけるリードタイムの改善にはまだ充分に着手できておらず、特にジェイテックコーポレーション(JTEC)の加工工程後に実施する刻線及び成膜の社外工程が全体のリードタイムに影響を及ぼしております。今後は調達先の拡大はもとより内製化も視野に入れ、リードタイムの短縮を図ってまいります。 (製品力・技術開発力の強化)ジェイテックコーポレーション(JTEC)経営理念に基づき、学術機関との共同研究を進め、世の中にない新しい技術の開発とその実用化に取り組んできました。その成果は、放射光市場における最先端の研究領域において既に利用されており、ジェイテックコーポレーション(JTEC)でしか実現できない光学理論限界の精度で、様々な種類のミラーを製品として世界中に供給してまいりました。この姿勢は、ジェイテックコーポレーション(JTEC)が長年深く関わってきた放射光市場以外の半導体や宇宙分野といった新しい領域でビジネス展開するための推進力となっております。いずれの分野においても、精度と新規性の両観点において比類のない製品を提供することを理念としており、そのためには研究・開発の促進と製造装置の機能性向上が必要となるため、今まで以上に人材と設備の投資を積極的に行ってまいります。 (営業力の強化)放射光市場においては、常に今より高精度を実現することと、新規性と進歩性を備えた製品を供給することで恒常的に技術優位性を有することで競争力を維持してまいります。一方、現在参入を目指す半導体市場においては、学術機関との共同研究や競争的資金の活用、積極的で効果的な経営資源投入を通してジェイテックコーポレーション(JTEC)のものづくりの範囲を広げ、得られた成果を新規顧客のニーズにマッチした製品の開発につなげ、収益拡大に貢献するアプローチを展開してまいります。 <ライフサイエンス・機器開発事業>(生産性向上)ライフサイエンス・機器開発事業はファブレスで装置を生産しておりますが、生産台数の増加や装置仕様に対する顧客からの厳しい要求に応えるためにも、新たなアウトソーシング先の開拓と育成に注力し、併せて、安定性、信頼性の向上に向けて、品質管理体制とリスクアセスメント体制の構築と強化を図ってまいります。海外市場、特に商談数の多い中国、台湾市場への装置納入に備えて、現地でのメンテナンスが重要な業務となりますので、現地の業務パートナー開拓と育成を含めたサポート体制を確立してまいります。 (製品力・技術開発力の強化)半導体関連のウェハ表面研磨を大学独自あるいは大学との共同研究によって得られる次世代の加工研磨技術の成果をもとに半導体ウェハ表面研磨の工業的実用化、特に大学初のチャンピオンデータを工業的に高く実現できる生産設備の開発を行い、更に機能の拡充を推進してまいります。半導体素材は現在、Si、SiC等のウェハが主流ですが、今後、GaN、Ga2O3、ダイヤモンド等の新たな素材へ変わりつつあり、プロセス開発を大学と共同で推進しております。ライフサイエンス事業では、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のプロジェクトへの参画や製薬・創薬企業とのコラボレーションにより進めてきた脳梗塞治療に寄与する幹細胞分離装置の実用化及び同装置の脳梗塞、認知症治療への適用開発を加速してまいります。 (営業力の強化)国内外問わず、専門性の高い展示会出展やホームページからのお問い合わせを頂いた顧客への訪問、ウェブ会議でのアプローチなどを積極的に推進するとともに、半導体関連や細胞培養関連に強いサプライチェーンの確立と販売網の強化、成長性高い営業展開を支援する人的ネットワークの構築を進めてまいります。海外市場、特に中国、台湾市場等へのアプローチをより効果的に進めるために現地の商社や代理店等とのコラボレーション強化を図ってまいります。 <電子科学株式会社>(生産性向上)生産性向上の対策として標準仕様品はアウトソーシング、特殊仕様品は社内生産の並行生産を実施しており、更なる安定的かつ効率的な装置製造体制の構築に向けて新規アウトソーシング先の確保に努めてまいります。また、サービス業務の対象地域拡大による収益拡大に向けた体制作りとして、人材の確保と海外業務に対応するパートナーの開拓及びその育成を強化していきます。 (製品力・技術開発力の強化)当連結会計年度より、新規開発中の鋼中拡散水素分析装置「ESCO-TDS-100 Cryo H2」を使って、水素脆化に関する共同研究による現有装置の機能強化や新たな機能の開発による付加価値の増大によって製品力の強化を図っており、学会発表を通じてアカデミアにてジェイテックコーポレーション(JTEC)製品の有効性を示しております。 (営業力の強化)新規市場として中国・米国・欧州での展開を推進しており、経済安全保障の問題への対策を講じながら、特に海外での収益拡大につながる販売チャネルの確保を進めております。台湾・韓国・中国では販売代理店を設置、米国では営業支援員を確保しました。更に、販売促進ツールである製品総合カタログ、ウェブ広告やホームページの刷新に伴い、多言語化対応(日本語・英語・中国語〈簡体字・繁体字〉・韓国語)を進め、広く認知度を高めるなど、営業力の強化に努めております。

事業等のリスク

3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループが判断したものであります。ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループは、これらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。また、本書に記載した事項は事業等に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。 (1) 個別受注契約及び売上検収時期の変動についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの高精度ミラーや装置関係はユーザーごとによる個別受注契約が基本となり、販売単価が高額になること、かつ受注から売上検収までに長期間を要する事業になります。受注契約時の見積り時に、期間、工数や金額を検討しておりますが、製品を製造している過程で、開発要素が多くなることや製造遅延等により見積りを上回る工数を要する内的要因と製造中にユーザーによる仕様の変更等の外的要因により、売上検収時期が変動する場合があります。計画通りに売上を計上するように努めてまいりますが、変動した場合には業績に与える影響が大きくなる可能性があります。 (2) 技術の陳腐化についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループのオプティカル事業における製造技術は、大阪大学独自の原子数個レベルの平坦さを実現する究極のナノ加工技術(ナノ加工技術EEMとナノ計測技術RADSI及びMSI)を基にしたもので、1ナノメートルレベルの形状精度を実現しております。本書提出日の現在においてこの状況に変化はありません。しかしながら、将来においてジェイテックコーポレーション(JTEC)の製造方法と同等の精度レベル(本技術を超える精度は極めて困難と考えられます)を実現する新たな製造方法が万が一確立された場合には、価格面で影響を受け、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 国内外政府の施策とその影響についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの主要事業であるオプティカル事業の製品である放射光施設用のX線ナノ集光ミラー等は、放射光施設という専門性の高い施設等で使用されるもので、その施設の多くは国内外の公的研究施設、公的プロジェクトまたは大学等がビームライン(実験ハッチ)ごとに別々に研究事業を運営しております。現在、国内では東北において、新しい放射光施設NanoTerasuが完成し、2024年4月に稼働を開始いたしました。また、海外では中国、欧州、アメリカ、ブラジルなどに第4世代の放射光施設の建設やバージョンアップの計画が進んでおり、少なくとも今後20年程度は世界的に需要が拡大傾向にあると判断しております。ただし、国内外の研究事業者の多くは公的研究機関となりますので、研究事業の実施方針や制度等に大きな変更があった場合、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 外注委託先についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループのオプティカル事業は、社内加工によるナノ加工の前工程である研削や研磨等、ライフサイエンス・機器開発事業及び電子科学では社内工程の設計・開発以外の装置製造に関しては外注委託先へ依頼しております。外部委託先については年次で事業継続性・製造能力・品質に関する評価を実施しておりますが、品質及び納期等において何らかの不具合を発生させる事象が確認された場合には、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、特殊な部品調達や加工を要する場合、代替先が少数であるため、特定の外注委託先への依存度が高い状況になっております。そのため、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループでは継続して、新しい外注委託先の開拓に努めております。 (5) 為替リスクについてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループは、製品の海外輸出が多く、為替レートの変動は外貨建て直接取引の売上高に影響を及ぼす可能性があります。そのため、想定を超える為替レートの変動が生じた場合には、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 輸出について輸出にあたり、仕向地ごとの政治や経済情勢、さらには文化や習慣等について調査・把握に努めておりますが、もしそれらが要因となる予期せぬ事件、事故等の事象が発生した場合には、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(7) 知的財産権についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループは、新たな技術や独自のノウハウを蓄積し、知的財産権として権利取得するなど法的保護に努めながら研究開発活動を推進しています。また、仮に特許侵害が試みられたとしても同様の製品が製造されないよう独自のノウハウは公開しておりません。しかし、特定地域での法的保護が得られない可能性や、ジェイテックコーポレーション(JTEC)の知的財産権が不正使用される可能性があることは否めず、さらに人材移転や悪意を前提とする情報漏洩等により技術・ノウハウが外部に流出する可能性もあります。このような状況が生じた場合、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。他方、他社が有する知的財産権についても細心の注意を払っておりますが、ジェイテックコーポレーション(JTEC)が第三者の知的財産権を侵害していると司法判断された場合、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの生産・販売の制約や損害賠償金の支払いが発生する可能性もあります。 (8) 有形固定資産及びのれんの減損についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループでは、土地、建物、機械設備等多くの有形固定資産及び関係会社株式に関わるのれんを保有しています。当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価していますが、当該資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能性が低下した場合、有形固定資産及びのれんの減損を行う必要が生じ、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 製品に関する不具合、クレームについてこれまでジェイテックコーポレーション(JTEC)グループが販売・開発する製品等に関し、ユーザー等から訴訟を提起され、または損害賠償請求を受けたことはありません。また、不具合が生じたとしても早期に発見し是正するべく、サポート体制を構築しておりますが、ジェイテックコーポレーション(JTEC)が販売した製品等に予期しがたい欠陥等が発生し、製品回収や損害賠償等が発生した場合、顧客からの信用失墜や受注減少のおそれが生じ、多大な損害賠償金及び訴訟費用が必要となること等により、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報セキュリティについてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループは、事業に関わる技術情報、インサイダー情報や顧客情報等を保有しております。近年、クラウド化の推進や社内インフラの整備とセキュリティ強化に努めております。ただし、サイバー攻撃等でデータに障害が生じたり、情報が流出した場合にはジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。情報セキュリティ基本方針に則り情報セキュリティ委員会を設けて全社的な取組みを行い、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「SECURITY ACTION」二つ星を自己宣言済みであり、さらに第三者保証の取得を視野に体制強化を図ってまいります。 (11) 人材についてグローバルニッチトップを掲げるジェイテックコーポレーション(JTEC)グループでは、製造や研究に携わる社員は物理学や工学等理系の専門性の高い人材を確保する必要があります。社員教育などを通じて、技術や技能についても円滑な伝承に努めておりますが、特に高度専門技術を担う人材は、採用市場において獲得競争が激化しており、研究開発人材の獲得に遅れが生じた場合、技術革新のスピードが鈍化する可能性があります。 (12) 自然災害・テロ及び感染症についてジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ及びジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ取引先の事業拠点や関係先が地震、豪雨、防風などの自然災害やテロなどによって甚大な被害を被った場合には復興に際して多大なる費用と時間を要することになります。加えて、当該事象が発生することでジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ及びジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ取引先の事業拠点が被害を受けることによって商取引の継続が困難となり、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの経営成績に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の発生によるパンデミックに至った場合には、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ及びジェイテックコーポレーション(JTEC)グループ取引先の従業員の安全確保と感染拡大防止のために行動が制限されることで、ジェイテックコーポレーション(JTEC)グループの事業活動に様々な制約を受ける可能性があります。 (13) 非財務情報の開示不足について非財務情報におきましては、マテリアリティ(重要課題)やこれらのKPI等ターゲットを特定し、管理指標と目標を設定する等の情報開示に改善の余地があることを認識しております。情報開示に向けて体制等整えているところではありますが、株価やファイナンスにおいて不利な条件等を負う可能性があります。



※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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