昭栄薬品(3537)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】昭栄薬品グループは、昭栄薬品及び子会社2社により構成されており、天然油脂由来の油脂化学品(総称して以下、「オレオケミカル」といいます。)を主な取扱商品とする化学品事業を主たる事業としております。昭栄薬品グループの主な取扱商品である「オレオケミカル」とは、パーム油、ヤシ油及びパーム核油等の天然油脂を原材料として生み出される油脂化学品の総称であり、多種多様な化学品の中で資源に限りがある石油化学品とは異なり、再生産が可能であること及び環境負荷が低いこと等の特徴があります。また、化学品事業におけるオレオケミカル及びオレオケミカルを原材料とする界面活性剤に関する専門的知識を活用し、事業間のシナジー効果を重視した関連多角化により、家庭用洗剤等を取扱う日用品事業、及び地盤改良やコンクリートの補修補強材料等を取扱う土木建設資材事業を営んでおります。昭栄薬品グループの事業における報告セグメントの概要及び位置付けは、次のとおりです。なお、以下に示す区分は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 セグメントの名称主な事業内容会社名化学品事業 脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール及びグリセリン等のオレオケミカル、並びにこれらの誘導体である界面活性剤等の化学品の仕入販売昭栄薬品株式会社(昭栄薬品)昭栄祥(上海)貿易有限公司SHOEI TRADING(THAILAND)CO.,LTD.日用品事業 「安心・安全」を重視した家庭用洗浄剤を中心とした日用品の企画及び仕入販売昭栄薬品株式会社(昭栄薬品) 土木建設資材事業 グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良(環境改善)のための環境改善薬剤の仕入販売昭栄薬品株式会社(昭栄薬品) 報告セグメント別の事業の詳細は、次のとおりです。〔化学品事業〕化学品事業は、昭栄薬品、昭栄祥(上海)貿易有限公司及びSHOEI TRADING(THAILAND)CO.,LTD.が行っております。当事業は、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール及びグリセリン等のオレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品(1次製品、2次製品等)メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を、家庭用として石鹸、洗剤、シャンプー、リンス及び化粧品等の最終製品メーカーに、工業用として繊維、紙・パルプ、医薬、食品、洗浄剤、プラスティック及び塗料等の最終製品メーカーに販売しており、「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。当事業の取扱商品は、前述のオレオケミカル及びこれらを原材料とする界面活性剤のほか、界面活性剤等の原材料としてPEG、EO誘導体、PO誘導体等の石油化学品、その他の化学品として合成樹脂、溶剤・鉱油、無機化学品、顔料及び香料等を、自動車部品、家電、電子部品、日用品、FRP製品関連メーカー等に販売しております。創業当初からの事業である当事業においては、花王株式会社を主要な仕入先として事業活動を行っており、現在は同社の国内主要代理店として、同社のオレオケミカルを界面活性剤等の化学品メーカーに、同社の界面活性剤等を洗浄剤及び香粧品メーカー等の幅広い業界に販売し、これを当事業の基礎としております。得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、昭栄薬品グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。昭栄薬品グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、オレオケミカル及び界面活性剤に資源を集中した事業活動によって蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対する新商品開発支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い新商品の実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図っております。 化学品事業の系統図は、次のとおりであります。 〔日用品事業〕日用品事業は、昭栄薬品が行っております。当事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤及び業務用洗浄剤等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等して、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、昭栄薬品グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。「安心・安全」を差別化の特徴とする類似商品は多数存在しておりますが、昭栄薬品グループは、得意先についても、昭栄薬品グループの差別化商品と親和性の高い商品を取扱い、著名なナショナルブランド商品の取扱いに偏らない販売チャネルを有する企業を中心に展開し、得意先のブランド価値の維持・向上に努め、関係強化を図ってまいりました。また、昭栄薬品グループは、界面活性剤を中心とした化学知識、適切な原材料の調達を可能にする仕入網、生産委託が可能な日用品メーカー等、日用品を「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を構築しております。当事業においては、これらのサプライチェーンを最大限活用し、課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図っております。 日用品事業の系統図は、次のとおりであります。 〔土木建設資材事業〕土木建設資材事業は、昭栄薬品が行っております。当事業の取扱商品は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良、及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等であり、個別の工事の目的に応じた工法に関する情報提供を含め、工事の現場環境に応じた適切な商品を提案する販売活動を行うほか、土木建設資材メーカーに対して原材料となる化学品の販売を行っております。多くの同業他社が成型品資材を取扱商品の中心としているのに対して、昭栄薬品は土木建設関連の化学品(薬剤)を主たる取扱商品としている点に特徴があり、環境負荷に対する社会的関心の高まりを背景に環境影響に配慮した薬剤提案を強みとして、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権を取得し、また特許実施契約を締結する等して、これら特定の工法に対する原材料の販売に優位性があります。昭栄薬品が商品販売に優位性を有する代表的な工法は、次のとおりです。区 分工法の名称概 要地盤改良工法ジェット・グラウト工法 昭栄薬品は、花王株式会社の代理店として、同工法の基本設計の薬剤として指定されているセメント用の混和剤(減水剤)の国内販売を独占的に行っている。汚染土壌改良の環境改善薬剤汚染土壌のバイオレメディエーションによる浄化剤及びそれを使用した浄化方法昭栄薬品は、不二製油株式会社と株式会社鴻池組が共同出願した特許権(特許第6674741号)の実施許諾を締結し、浄化薬剤として使用される「大豆ホエイ製品 ソイビオMA」を独占的に販売している。汚染土壌改良の環境改善薬剤酸化マグネシウムを使用した汚染土壌の固化・不溶化方法昭栄薬品は、同方法に係る薬剤の製造メーカーである宇部マテリアルズ株式会社と取引基本契約を締結し、重金属の固化・不溶化薬剤の国内販売を独占的に行っている。 土木建設資材事業の系統図は、次のとおりであります。 〔参考〕用語の解説用 語解 説油脂脂肪酸とグリセリンとのエステルの形態で、一般に常温で液体のものを「脂肪油」、固体のものを「脂肪」と呼び分けられています。油脂は大きく分けて石油等から精製される合成油脂と、動植物から精製される天然油脂があります。天然油脂油脂のうち、アブラヤシや牛等の動植物由来の油脂のことをいいます。パーム油、ヤシ油及びパーム核油等は再生産が可能で、石油由来の油脂に比べて資源の枯渇リスクや環境負荷が低い油脂とされ、合成油脂に代わる原材料として注目されています。オレオケミカルパーム油、ヤシ油及びパーム核油等、主に植物系の天然油脂を原材料とした油脂化学品の総称であり、脂肪酸、グリセリン、脂肪アルコール、脂肪アミン及び脂肪酸エステルがあります。界面活性剤界面活性剤は、疎水基と親水基からできている化合物であって、油と水の界面のように互いに反発している界面に集まってその界面張力を下げる性質をもつ物質の総称です。この性質は、湿潤作用、浸透作用、乳化作用、分散作用、起泡作用及び洗浄作用をもたらします。これらの基本的な作用は、一般に知られる洗浄剤だけでなく、乳化剤、可溶化剤、分散剤、起泡・消泡剤、帯電防止剤、防錆剤、撥水剤、浸透剤、潤滑剤及び柔軟剤として、日用品メーカーはもとより、化粧品、食品、医薬品、繊維、合成樹脂、土木建築、紙・パルプ、染料・顔料・塗料、ゴム、潤滑油等の幅広い製品で広く利用されています。脂肪酸油脂から精製される一価のカルボン酸で鎖式構造をもつもので、ステアリン酸、オレイン酸等があります。単体としては化粧石鹸基剤、医薬品のクリーム軟膏等に使用されるほか、脂肪アミン、脂肪アルコール及びエステルに分解され、各種界面活性剤等に使用されています。グリセリン油脂から精製される多価アルコールの一種で、無色透明の粘性がある液体という特徴があり、医薬品及び化粧品等の保湿剤、湿潤剤、柔軟剤、ヘアコンディショニング剤、保水剤、口腔衛生剤等として使用されています。脂肪アルコール脂肪酸から精製されるアルコール(一般に炭素数6以上の一価アルコールを高級アルコールといいます。)であり、単体としては合成樹脂の乳化重合助剤、合成皮革の柔軟剤及び金属の圧延油等、化合物である硫酸エステルとして洗剤・シャンプー・歯磨き用洗浄基剤、同リン酸エステルとして繊維油剤及び帯電防止剤、同三級アミンとしてリンス基剤、殺菌剤及び繊維処理剤、同フタレートとしてプラスティック可塑剤、同ポリアクリレートとして潤滑油添加剤等、その他エステルとして化粧品基剤に使用されています。脂肪アミン油脂から精製されるカルボキシ基をアミノ基に誘導したものであり、単体としては土木分野の道路用アスファルト乳化剤、金属分野の防錆・防食剤、化合物としてリンス基剤、殺菌消毒剤、繊維の柔軟仕上剤、帯電防止剤、シャンプー基剤、液体洗剤用起泡剤等として使用されています。脂肪酸エステル油脂から精製される脂肪酸とアルコールがエステル結合した脂肪酸とアルコールからなる化合物で、合成樹脂添加剤(可塑剤、帯電防止剤等)、ワックス、グリース、食品添加剤等として使用されています。PEGエチレングリコールが重合した構造をもつ高分子化合物で、他の疎水性分子に結合すれば、非イオン性界面活性剤が得られ、化粧品等の乳化剤に使用されています。EO誘導体酸化エチレンの誘導体で、エチレングリコール、エタノールアミン等があり、これらは界面活性剤の原材料として使用されています。PO誘導体酸化プロピレンの誘導体で、プロピレングリコール等があり、これらは保水剤や界面活性剤の原材料として使用されています。FRP合成樹脂にガラス繊維等の繊維を加えて強度を高めた複合材料のことをいい、軽量で耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れ、成型が比較的容易なことから、広く建築材料やバスタブなどに用いられています。ジェット・グラウト工法軟弱な地盤の止水及び強化等を目的として、地中の亀裂及び間隙等に固結剤を注入するグラウト工法の一つで、液体に高い圧力を与えて得られるエネルギーによって地盤を切削破壊し、硬化剤と土とを攪拌混合して地盤を改良する工法です。ジョッツ・クリート工法コンクリート構造物の断面修復・補強を目的とした工法の一つで、ポリマーセメントモルタルを用いた湿式吹付技術を用い、液体急結剤を使用することから、初期強度が高く、かつ一度に厚く吹き付けることが可能な工法です。酸化マグネシウムを使用した汚染土壌の固化・不溶化方法酸化マグネシウムを汚染土壌に添加、混合することにより、汚染土壌を固化して、重金属等の汚染物質の不溶化を行う汚染土壌改良方法で、フッ素、ヒ素及び鉛の不溶化に優れ、セメント系固化剤と比べてアルカリ度が低く、生物への影響を軽減できます。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、昭栄薬品グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 昭栄薬品グループは、経営理念及び行動規範を次のとおり制定し、これらの実践をとおして「一番にお声がかかる選ばれる会社」となることで、一層の業績向上を目指しております。① 経営理念私たちは環境と安全に配慮した価値ある商品の提供と、新しい市場の開発を通じて、真の顧客満足を実現し、企業の発展と社会への貢献を果たします。私たちは事業の目的を達成するため、業務の有効性及び効率性を高めるための取り組みと、正しい財務報告と資産管理、社会正義に則っての法令遵守を継続していきます。② 行動規範一、仕入先には信頼感 市場の変化や幅広い情報を仕入先と共有し、ニーズに沿った商品の供給と開発を共同で行い、新しい市場を拓きます。これを通じて仕入先との強い信頼関係を築きます。一、得意先には満足感自信と誇りを持って価値ある商品を提供します。さらに、ニーズに対応した価値ある提案を行うことにより、お客様の満足を実現し、その繁栄に寄与します。一、自分自身は責任感自分の存在価値を仕事の中に見出し、常に自己研鑽に励みます。目標を高く掲げてチャレンジし、スピーディーに責任をもって仕事を達成します。 (2)目標とする経営指標昭栄薬品グループは、持続的な成長と発展の基盤は、利益であるとの認識の下、売上総利益の絶対額の持続的な増加を目標としております。あわせて、資本効率の向上を通じた企業価値向上の観点から、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標の一つとして位置付けており、中長期的にはROE8%以上の水準を安定的に確保することを目標としております。2027年3月期は、中東情勢の悪化による世界経済の減速懸念や中国経済の低成長が予想されますが、昭栄薬品グループの連結業績は、売上高27,267百万円(前連結会計年度比1.3%増)、売上総利益は前連結会計年度に比べ6百万円増の2,170百万円(前連結会計年度比0.3%増)を見込んでおります。 主要な経営指標の推移は以下のとおりであります。(単位:百万円,%) 2025年3月期2026年3月期2027年3月期[予算] 実績前期比増減率実績前期比増減率予算前期比増減率売上総利益額(連結)2,09911.02,1633.12,1700.3 ROE (連結)6.2-6.1--- (3)中長期的な会社の経営戦略昭栄薬品グループは、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、及び情報、ノウハウ、信用力等の「情報的経営資源」の展開を、昭栄薬品グループの事業ドメインである「オレオケミカルを中心とした化学品分野」に集中的に展開する「集中戦略」を採用しております。昭栄薬品グループは、持続的な安定成長、経営リスクの分散の観点から、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて、一層の市場の深耕を図る必要があるものと考えております。これら市場の深耕に当たっては、既に有する経営資源のうち、特に昭栄薬品グループの事業ドメインに係る関連知識、国内外の製品情報、メーカー情報及び営業ノウハウ等の「情報的経営資源」を3事業それぞれが有効に活用することこそが最も重要であり、この徹底をもって3事業間で強い関連を持たせながら効率的な市場の深耕を図ってまいります。現在の3事業を基本とした集中型市場深耕の展開を選択することで、新しい経営資源の獲得を効率的に行うことが可能になり、また新たに獲得した情報的経営資源を3事業で有効に活用することによって、事業間のシナジー効果の最大化を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。セグメント別の中長期的な戦略は、次のとおりです。〔化学品事業〕昭栄薬品グループの主たる事業である化学品事業の販売活動は、オレオケミカルを界面活性剤等の原材料として油脂メーカーから仕入れ、界面活性剤等の中間製品メーカー等に販売し、これらの中間製品メーカーが生産した界面活性剤等の化学品を最終製品メーカーに販売する「化学品の原材料流通を川上から川下まで広くカバーするビジネスモデル」を構築している点に特徴があります。得意先及び仕入先は、常に新商品開発、商品リニューアルにおいて、価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、自社と外部のアイデア等を組み合わせて革新的な価値を創出するオープン・イノベーションを志向する企業が増える中、昭栄薬品グループが各社の開発テーマや製造上の課題をヒアリングできる機会は徐々に増加しております。昭栄薬品グループは、これらをビジネスチャンスと捉え、単なる商社機能の枠を超え、油脂・界面活性剤業界に集中して事業活動を行ってきたことから蓄積された知識やノウハウを活用し、これらの企業に対して原材料選定の面から新商品開発の支援を強化することで、既存商品よりも付加価値の高い商品のイノベーションの実現に貢献し、信頼関係を構築することで競合他社との差別化を図り、グローバルでの取引の拡大に繋げてまいります。〔日用品事業〕日用品事業は、化学品事業における界面活性剤に関する専門性を活用し、「安心・安全」をテーマとして「簡単・便利」を商品コンセプトに、家庭用洗剤、業務用洗浄剤及び化粧品等の商品を得意先とともに企画し、外部に生産を委託する等によって、相手先ブランド(OEM)で商品を販売しております。また、2016年より昭栄薬品オリジナル商品の販売を開始し、販売チャネルの拡大に取組んでおります。大手企業が主に高い洗浄機能に重点を置いた商品開発を行っているのに対し、昭栄薬品グループは「安心・安全」をテーマにしたニッチな商品企画を得意としており、また化学品事業において日用品の原材料となる多種多様な化学品メーカーとの取引があることから、最適な原材料の調達及び生産委託先の選定を効率的かつ機動的に行うことが可能となっております。得意先は、新商品開発、商品リニューアルにおいて、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えております。昭栄薬品グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、昭栄薬品グループが有する情報的経営資源、及び「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に供給できるサプライチェーン」を最大限活用し、得意先の課題を解決する新たな商品の提供を図り、顧客ニーズに対応したエンドユーザー視点での商品差別化だけでなく、「得意先のブランド価値の維持・向上を支える商品提供」を行うことによって、差別化を図ってまいります。〔土木建設資材事業〕昭栄薬品グループは、化学品事業で蓄積した界面活性剤に関する専門的知識を最大限活用するという観点から、土木建設資材の中でも、グラウト(薬液注入)工法等の地盤改良及びコンクリート補修補強工法に使用する材料・添加剤、並びに汚染土壌改良の環境改善薬剤等の販売に経営資源を集中し、特に環境影響に配慮した薬剤選定に強みがあります。得意先は、土木建設工事において、常に価格、品質、機能、作用及び環境負荷等で課題を抱えており、昭栄薬品グループはこれらをビジネスチャンスと捉え、昭栄薬品グループが有する情報的経営資源を最大限活用し、ゼネコン等が進める新工法開発の原材料選定に関する技術サポート等を通して取扱工法を増やし、また得意先との信頼関係を強固にすることで、差別化を図ってまいります。 (4)経営環境セグメント別の経営環境は、次のとおりです。〔化学品事業〕化学品事業とのかかわりの深い産業用界面活性剤の2025年度の生産量・販売量は米国の通商政策の影響等もあり、生産量・販売量とも前年より若干下回る推移となりました。ただ、昭栄薬品グループが取り扱う自動車関連や繊維油剤関連の国内主要得意先からの受注(数量)は堅調となりました。また、2025年度の天然油脂相場(パーム油)価格は、1年を通じ安定した価格で推移し、その他の資源高等もあり、仕入・販売価格は上昇基調となりました。 ※(資料:経済産業省鉱工業生産動態統計室、編集:日本界面活性剤工業会) <2025年度 マレーシアパーム油価格推移>(単位:RM/TONNE) 月2025年4月2025年5月2025年6月2025年7月2025年8月2025年9月月平均価格4,3463,8733,9744,1314,3364,365月2025年10月2025年11月2025年12月2026年1月2026年2月2026年3月月平均価格4,3834,0854,0114,0404,0614,390 ※(出典:Malaysia Prices of Crude Palm Oil(当該ページURL:http://www.mpob.gov.my)のデータをもとに昭栄薬品にて加工して作成) 〔日用品事業〕日用品事業におきましては、当事業が取扱う生活日用品分野では、インフレによる物価高の影響を受け、消費マインドの節約傾向は引き続き強く、事業環境は厳しい状況が続きました。そうした中、洗濯槽クリーナーや用途用脱臭剤等の一部定番商品の売行きは堅調で、忌避剤等の季節商品の売行きも好調となりましたが、全体の売行きは低調となりました。 〔土木建設資材事業〕土木建設資材事業におきましては、広くは国内の土木建設投資の増減に影響を受けます。国土交通省から報道発表されている令和7年度建設投資見通しは、75兆5,700億円(前年度比3.2%増)となっており、当事業の取扱商品とかかわりの深い地盤改良工事、コンクリート補修補強工事においても受注件数は堅調に推移し、工事に使用される材料・添加剤等の販売も堅調となりました。また、環境関連薬剤の販売については、大型プロジェクト(トンネル工事)物件が継続し、堅調となりましたが、その他の物件の販売は低調となりました。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 昭栄薬品グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとし、役員及び従業員等の人的経営資源、設備及び資金等の物的経営資源、並びに関連情報、営業ノウハウ等の情報的経営資源を、当該事業ドメインに集中的に展開し、化学品事業、日用品事業及び土木建設資材事業のそれぞれにおいて一層の市場深耕を図る「集中型市場深耕モデル」をビジネスモデルとしております。昭栄薬品グループは、このビジネスモデルを基礎として持続的な企業の成長を推進し、一層の企業価値の向上を図るため、以下の事項を今後の課題と考え、対処してまいります。 ① グローバル・ネットワークの構築昭栄薬品グループは、事業間のシナジー追求はもとより、国内外のシナジーを一層強化するため、国内外の情報的経営資源を整理し、各事業において有効に活用する仕組みの構築に取組んでおります。しかし、国内外の事業活動で蓄積された情報的経営資源の共有はなされているものの、これらを活用した得意先への提案活動はまだ十分なレベルとはいえません。とりわけ海外子会社は、国内事業との一層の連携強化により、早期に国内と同等レベルまでの提案力の向上を図り、海外における事業ノウハウの蓄積、国内事業へのフィードバックによるシナジーの最大化が不可欠であり、国内事業だけでは成し得ない新たな顧客価値を創造する「グローバル・ネットワークの構築」が課題であると考えております。② 組織機能の向上及び人材の育成昭栄薬品グループは、持続的な企業価値の向上を図るため、またあらゆる経営課題を克服するために、マーケティング、営業及び仕入、並びに人事、財務及びその他管理等の個々の組織機能の関連性を強化し、継続して向上させることが課題と認識しております。また、昭栄薬品グループは、これらの組織機能を支える重要な要素である人材について、かねてから外部研修を利用する等してその育成に努めておりますが、今後も経営環境の変化に対して組織機能別に関連した組織機能と連動して機動的に対応できる人材の確保及び育成は、継続的な課題であると認識しております。③ コア・コンピタンスの継続的な向上及び効果の最大化昭栄薬品グループは、化学品事業においては「得意先が求める顧客価値の実現を原材料選定の面から支援する仕組み」、日用品事業においては、「小ロットでも安価で効率的かつ機動的に商品を供給できるサプライチェーン」、土木建設資材事業においては、「新工法の開発支援、工事目的に応じた工法提案等の技術サポート力」を有することが、3事業それぞれのコア・コンピタンスと考えております。これらのコア・コンピタンスは普遍的な側面を有する一方で、市場の環境変化や技術革新等による陳腐化の可能性を有しています。昭栄薬品グループは、事業活動の顧客にとっての付加価値、すなわち取引先のバリュー・チェーン及び顧客価値の創造に好影響を与え続けることができるよう、それぞれのコア・コンピタンスの継続的な向上が課題であると考えております。また、これらコア・コンピタンスの有する効果の最大化についても経営上の重要な課題であると認識しており、事業別に以下の事項を中期的に取り組むべき主要な事項としております。〔化学品事業〕新興国の化学品メーカーの新規開拓等によって新たな戦略商品、取扱商品のラインアップの強化及びサプライチェーンの拡充・拡大、環境関連ビジネスへの展開推進を図る。〔日用品事業〕国内を中心とするサプライチェーンを活用し、安心安全をテーマにした商品企画の強化及び販売チャネルの拡大を図る。〔土木建設資材事業〕全国の土木建設投資の幅広い需要獲得のため、メーカー、二次販売店への情報収集、販売強化及び新工法・新規商品開発のための得意先との連携強化を図る。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、昭栄薬品グループが判断したものであります。 (1) 取扱商品について昭栄薬品グループの主たる取扱商品は天然油脂由来の油脂化学品であるオレオケミカル及びこれらを主たる原材料とした化学品であり、オレオケミカル分野に係る化学品等の需要動向、パーム油等の天然油脂の市況変動及び為替変動の影響を受けており、また当該分野の商品については、天然油脂の原材料であるアブラヤシ等の天候不順等による不作の影響を受けることがあります。昭栄薬品グループは、引き続き取扱商品の仕入価格の変動に応じた販売価格の見直しにより、適正な利潤を維持する方針でありますが、これらに著しい変動が生じた場合には、化学品事業等においては取扱商品の価格変動に伴うマージンの増減並びに取扱商品の供給量の不足等により、日用品事業においては利益率の変動等により、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、オレオケミカル分野の化学品については、自然派志向や環境負荷への配慮等の意識の高まりから、その需要は底堅く推移するものと認識しておりますが、一部の工業用途等においては石油化学製品との競合もあり、これらの動向等についても、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 主要な取引先との関係について昭栄薬品グループにおいて、花王株式会社は主要な取引先(仕入先及び販売先)であります。同社との取引は、1951年に脂肪酸及び脂肪酸誘導体の仕入取引を開始して以降、長年にわたるものであり、昭栄薬品は現在、同社ケミカル事業の国内主要代理店に指定されております。同社からの仕入金額は昭栄薬品グループの仕入総額の約4割を占めており、その依存度は高い状況にあるほか、同社との関係が昭栄薬品グループの事業基盤となっております。昭栄薬品グループは、販売代理店として同社との強固な関係を維持し、今後も取引の維持拡大を図っていく方針でありますが、同社における販売戦略等に重要な変更が生じた場合、その他何らかの事情により、同社から昭栄薬品への商品供給に著しい支障をきたし、若しくは商品供給が不能になった場合は、昭栄薬品グループの事業展開、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、昭栄薬品は長期保有目的で主要取引先の株式を複数保有しております。2026年3月期末における投資有価証券残高は5,597,685千円であり連結総資産額の31.4%を占めており、うち同社株式は同4,293,153千円(連結総資産の24.1%)であります。昭栄薬品はこれら保有株式に係る剰余金の配当を受領しております。当該受取配当金の額は2026年3月期において149,097千円であり、うち同社株式に係る受取配当金は107,016千円となっております。これらの状況から、同社株式をはじめとする保有投資有価証券に係る株価の変動、配当金の増減が生じた場合には、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 海外展開について昭栄薬品グループは、中国及びタイをはじめとするアジア諸国での事業展開を強化しております。各国での事業推進に当たっては、それぞれの国における経済環境や政治情勢を常に注視しながらその展開を図っておりますが、予期せぬ法規制の変更、テロ、紛争その他予期し得ない政治または社会情勢の変動、景気動向及び為替等の経済情勢の変化、文化及び商習慣の違いに関するリスクの顕在化等、事業環境に変化が生じた場合には、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、昭栄薬品グループは海外展開に当たっては、主に国内企業の海外生産拠点を取引先として事業活動を行っており、これらの日系企業の化学品需要の獲得に努めております。しかしながら、これらの対策が奏功せず、取引先の海外展開に十分な対応ができない場合には、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 経済環境について昭栄薬品グループの事業は様々な産業分野に関連しており、昭栄薬品グループの業績は産業分野個別の好不調の影響を受けにくい反面、国内全体の景気動向とともに、海外諸国の経済情勢の影響を直接および間接的に受けます。今後の経済情勢の動向によっては、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人材確保について昭栄薬品グループが持続的な成長をしていくためには、高度な専門知識を有する人材の確保と育成が重要と考えております。しかしながら、雇用環境の変化や人材獲得競争の激化等により、人材の確保や育成、維持が出来なかった場合、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 競合他社との競争環境について昭栄薬品グループは、「オレオケミカルを中心とした化学品分野」を事業ドメインとして、事業活動を行っておりますが、昭栄薬品グループのようにオレオケミカル分野に係る化学品を主たる取扱商品としていなくとも、オレオケミカル分野の化学品を取扱う企業は存在し、これらの企業とは取扱商品のラインアップ、品質及び価格等を含めた競争関係にあります。昭栄薬品グループは、オレオケミカル分野を中心とした専門的知識を蓄積、共有し、また国内外における既存仕入先との関係強化及び新規仕入先の開拓等による取扱商品の拡充等により、顧客に対する提案活動の強化に努める等の差別化を図っております。しかしながら、何らかの要因でこれらの対策が奏功しない場合は、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 為替相場の変動について昭栄薬品グループは、外貨建取引において為替変動リスクに晒されております。昭栄薬品グループでは、為替予約等によりリスクを低減させる措置を講じておりますが、為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。また、海外の連結子会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されますが、為替の変動によって昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 売上債権管理について昭栄薬品グループは、与信管理規程等に基づき取引先ごとに与信限度額を設け、売上債権の期日及び残高を適切に管理しております。また、一定の条件を充たす取引先に関しては、外部信用調査機関による信用調査情報に基づき与信限度額の見直しを年次で行っており、不良債権の発生防止に努めております。しかしながら、取引先の財政状態が悪化することにより債権回収が不能又は著しく困難となった場合は、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 製造物責任について昭栄薬品グループの取扱う一部商品(化学品事業における輸入商品及び日用品事業における外部製造委託の商品等)は、製造物責任法による規制を受けており、昭栄薬品グループは万一の製造物責任事故による損害賠償リスクに備える生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、同保険が賠償責任額を十分にカバーできるという保証はなく、製造物責任による多額の損害賠償が発生した場合には、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 取引先に係る機密情報管理について昭栄薬品グループは、事業活動を通じて、取引先の商品開発等の機密情報を入手することがあります。これらの機密情報の管理については、情報セキュリティ管理規程を定め、情報セキュリティ担当役員を統括責任者として、その徹底を図っております。しかしながら、万が一これら機密情報の漏洩事故等が生じた場合には、昭栄薬品グループの信用が著しく低下し、また損害賠償責任を負う等、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害・感染症等について昭栄薬品グループは、地震等の自然災害や新型インフルエンザ等が発生した場合に備え、従業員の安否確認やBCP(事業継続計画)実行のためのマニュアル作成・教育等の対策を講じております。しかしながら、被害や影響を完全に回避することは困難であり、さらには仕入先や販売先が被害や影響を受けることもあります。そのような場合、昭栄薬品グループの事業活動に支障をきたし、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 法規制について昭栄薬品グループは、事業活動を展開している日本、中国及び東南アジア等において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」をはじめとする関係法令(海外においてはこれらに相当する法令)により、各種許認可や環境規制等の適用を受けております。これら法規制の大幅な変更・強化及び予期しない法令の変更等により、事業活動の制限、追加の費用等が発生した場合には、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 知的財産権について昭栄薬品グループは、主に土木建設資材事業においてゼネコン等が進める新工法開発の原材料に関する技術サポート等を通して共同で特許権等の知的財産権を取得することがあります。これらの共同保有の知的財産権がその権利保護に十分であるという保証はなく、第三者により知的財産権の侵害を主張され、また第三者がこれらの知的財産権を侵害して不正に使用する可能性があります。現時点においては、過去に知的財産権に係る重要な係争・紛争が生じた事例はありませんが、万が一これらの知的財産権に係る係争・紛争が生じた場合は、昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 取引先との取引基本契約の締結について昭栄薬品グループは、仕入及び販売取引に際して、継続的取引先とは取引基本契約書を締結することを原則としておりますが、既存取引先との過去からの取引慣行、及び取引先の方針等により、必ずしも取引基本契約書を締結しておりません。取引に係る基本的な事項については、取引の対象となる取扱商品の規格書、見積書及びこれに基づく注文書、並びに取引確認書等によってその明確化に努めております。昭栄薬品グループにおいては、現時点で通常取引における支障は生じておりませんが、昭栄薬品グループ及び取引先との取引に関して明確な取決めがなされていない事項について、何らかの問題が生じた場合は、当該取引先との関係が悪化し、また係争に発展する可能性があり、結果的に昭栄薬品グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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