ピーバンドットコム(3559)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】ピーバンドットコムは、「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」というパーパスの下、プリント基板のEコマース「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営を中心に事業を行っております。また、「誰もがアイデアさえあれば、モノが具現化できる世界の実現」をビジョンに掲げ、まずはエレクトロニクス・エンジニアの開発プロセスにおける“あたりまえ”を革新することを目指しております。プリント基板は、自動車、テレビ、スマートフォン、医療機器、産業機器、ロボット、IoT機器など、あらゆる“電子機器”に使われる基幹部品です。既存のエレクトロニクス産業の需要に加え、近年では、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット等の成長分野における研究開発・試作需要の拡大、生成AIを活用した設計・開発支援ニーズの高まり、サプライチェーン再編や製造業の国内回帰に向けた動きなどを背景に、電子機器開発を支援するサービスへの需要は、今後も拡大していくものと考えております。ピーバンドットコムは、プリント基板の調達に必要な主要工程である基板設計・製造・部品実装を中心に、電子機器などを収めるケース(筐体:きょうたい)の製造、基板と基板をつなぐハーネス部品の加工、部品実装に必要なメタルマスクの製造、電子部品調達など、周辺サービスの充実を図っております。また、電子部品調達、在庫管理、部品実装との連携、研究開発支援、AIを活用した設計・品質支援など、ハードウェア開発者が研究開発に専念できる環境を提供するためのサービス領域の拡充にも取り組んでおります。国内でいち早くサービスを開始したこれまでの実績に加え、ニーズに合わせたサービス領域の拡充とお客様に寄り添ったサポートによりサービスの信頼性が向上したことなどで、プリント基板の設計・製造・部品実装を一括で利用するワンストップ・ソリューション(※)の利用頻度が高まり、注文単価の増加に繋がっております。当事業年度においては、AIブロック図自動生成サービスの開始、「1-Click見積」のリニューアル、カスタマーサクセス体制への移行、GUGEN Hubにおける顧客部品の一元管理と実装サービスの連携機能の開始など、設計・調達・製造の各工程における利便性向上を進めてまいりました。また、基板製造完了日当日の納品を可能とする「デリバリーゼロコース」の開始、リジッド基板「ノーマルコース」の基本納期短縮、部品実装の標準納期短縮など、短納期ニーズへの対応も強化しております。さらに、海外展開体制の整備を進めるため海外事業推進室を設置し、ASEAN市場における事業機会の獲得に向けて、タイ王国向けプリント基板通販サイト「p-ban Thailand」を開設いたしました。タイ市場においては、従来のプリント基板製造に加え、現地ニーズの高い電子部品実装まで含めた「基板+実装」のワンストップ提案を行うことで、顧客の開発・試作工程を一括で支援し、競争力及び顧客単価の向上を図っております。現段階では「P板.com」が収益の柱となっておりますが、今後は、「P板.com」で蓄積した顧客基盤、取引データ、サプライヤーネットワーク及び技術支援の知見を活かし、電子部品調達、在庫管理、実装連携、設計情報・製造データの活用等を一気通貫で支援する「GUGEN Hub(グゲンハブ)」構想を推進してまいります。GUGEN Hubを通じて、ハードウェア開発者が部品調達や在庫管理、実装手配等に要する工数を削減し、研究開発に専念できる環境を提供することで、基板ECから電子製造プロセス全体を支援するサービス基盤への進化を目指してまいります。なお、ピーバンドットコムはプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。ピーバンドットコムの展開する事業概要は以下のとおりです。※ワンストップ・ソリューション:必要になる作業を一度の手続きで全て完了することができるサービスを意味します。ピーバンドットコムのサービスは、プリント基板の設計、製造、部品実装までウェブ上で簡単に一括して注文手続きを行うことができます。 (1)事業の概要① プリント基板のEコマース「P板.com」「P板.com」では、顧客がピーバンドットコムWebサイト上で選択した基板の仕様に合わせ、国内又は海外の提携仕入先の中から最適な価格・納期・品質で製造できる工場を自動選定し、複数の納期コースに合わせた見積金額を提示します。顧客は提示された見積・納期の中から選択し、設計図をアップロードするだけでプリント基板を手軽に注文することができます。ピーバンドットコムでは、顧客から提示された基板の設計図を確認した後、ただちに、提携仕入先へ自社システム上より発注を行う仕組みとなっております。当事業年度においては、顧客体験の向上と収益性の向上を目的として、AIブロック図自動生成サービスの開始、「1-Click見積」のリニューアル、カスタマーサクセス体制への移行、GUGEN Hubにおける顧客部品の一元管理と実装サービスの連携機能の開始など、設計・調達・製造の各工程における利便性向上を進めてまいりました。また、基板製造完了日当日の納品を可能とする「デリバリーゼロコース」の開始、リジッド基板「ノーマルコース」の基本納期短縮、部品実装の標準納期短縮など、短納期ニーズへの対応も強化しております。これらの取り組みにより、顧客利便性の向上と継続利用の促進を図るとともに、中堅・大手顧客の利用拡大、基板設計・実装・部品調達等の周辺サービス利用拡大により、売上構成の質的改善と収益性向上を進めております。 事業のサービス別分類は、下記のとおりであります。サービス分類説明設 計顧客から支給される「電気信号の流れを表した回路図」に基づき、基板を製造するためのデータを、CADソフトによって設計します。製 造顧客から支給される基板製造用データ又はピーバンドットコムの設計サービスにより設計した基板製造用データに基づき、基板を製造します。事業の主力部分です。実 装製造した基板に、電子部品を配置し、はんだで接続します。電子部品をピーバンドットコム側で調達を行うオプションの利用が増加しております。その他基板へ電子部品を実装する際に必要となる専用治具「メタルマスク」の製造、筐体の製造、部品実装済み基板や外部装置などを接続する電線(ハーネス)を加工するサービス等があります。 ② 海外展開:タイ市場への進出 ピーバンドットコムは、国内で培ってきたプリント基板Eコマースの運営ノウハウ、サプライチェーンネットワーク及び品質管理体制を活かし、海外市場への展開にも取り組んでおります。 当事業年度においては、海外展開体制の整備を進めるため海外事業推進室を設置し、ASEAN市場における事業機会の獲得に向けて、タイ王国向けプリント基板通販サイト「p-ban Thailand」を開設いたしました。 タイ市場においては、自動車・モビリティ、スマートエレクトロニクス、産業機器等の分野を中心に、プリント基板及び電子部品実装に対する需要の拡大が見込まれております。ピーバンドットコムは、従来のプリント基板製造に加え、現地ニーズの高い電子部品実装まで含めた「基板+実装」のワンストップ提案を行うことで、顧客の開発・試作工程を一括で支援し、競争力及び顧客単価の向上を図っております。 また、現地の実装工場、物流及び営業パートナーとの連携を通じて、製造、実装、配送、顧客対応を最適化するとともに、日本基準の品質管理と、タイ語・英語対応を含む現地商習慣への対応を進めることで、海外顧客にとって利用しやすい取引体制の構築を目指しております。 今後も、国内で確立した「P板.com」の利便性、短納期対応、品質管理体制を海外市場に展開し、ASEAN地域における顧客基盤の拡大と、新たな成長機会の創出に取り組んでまいります。 ③ 研究開発支援サービス「gene」及びAI・開発支援サービスピーバンドットコムは、プリント基板Eコマースを中核事業としながら、顧客の開発プロセス全体を支援する高付加価値サービスの拡充にも取り組んでおります。R&D領域においては、「gene」を起点とした研究開発支援サービスの拡大に取り組んでおります。「gene」は、センサー等の評価・検証用デモ機を短期間で具現化するサービスであり、顧客が用意した回路図や部品リスト等をもとに、基板設計、製造、部品実装、ファームウェア・ソフトウェア対応までを一体的に支援します。当事業年度においては、ローム株式会社とのオンデバイスAI「Solist-AI™」関連のエコシステム連携や、TOPPANホールディングス株式会社との次世代センサー評価用モジュール開発など、先端領域における大手企業との具体的な共創実績を積み上げました。また、AIブロック図自動生成サービスの開始に加え、AIハードウェア設計ツール、ローカルLLMナレッジ基盤、AIガーバーチェックアシスト等の開発を進め、設計支援から試作・評価までを支えるサービスの高度化に取り組んでおります。AIハードウェア設計ツールとGUGEN Hubとの連携により、自然言語入力を起点としたブロック図・部品表・回路図作成の高度化を進めるとともに、AIを活用した品質向上、業務効率化、顧客支援力の強化を図っております。 ④ エンジニアに向けた情報発信及び技術交流活動ピーバンドットコムは、プリント基板を扱う技術者のすそ野を広げ、エレクトロニクス分野における研究開発・試作活動を支援するため、エンジニアに向けた情報発信及び技術交流活動にも取り組んでおります。具体的には、プリント基板に関する専門情報を発信する技術情報サイト「@ele(アットマーク・エレ)」の運営、Engineer Social Hub™での情報発信、AI活用や電子回路設計・EMC分野に関する講習会・技術セミナーの開催等を通じて、エンジニアとの接点を拡充しております。これらの取り組みにより、ピーバンドットコムサービスへの技術的信頼度を高めるとともに、設計上流から製造・実装までを含めた高付加価値領域への展開、ユーザーの獲得及びピーバンドットコムサービスの利用拡大に繋げております。 (2)プリント基板のEコマース「P板.com」の特徴① エンジニアが開発に集中できるワンストップサービスピーバンドットコムは、プリント基板の設計、製造、部品実装、電子部品調達までを一気通貫で提供することで、エレクトロニクス・エンジニアが開発業務に集中できる環境の提供を目指しております。従来、プリント基板の調達においては、基板製造業者との見積取得、仕様確認、納期調整、部品調達、実装手配など、複数の工程ごとに個別のやり取りが必要となり、エンジニアにとって大きな業務負担となっておりました。ピーバンドットコムの「P板.com」では、Web上で基板の仕様選択、見積取得、注文、製造、部品実装までを一括して進めることができ、開発・試作工程における調達業務の効率化を実現しております。近年では、基板の設計・製造に加え、部品実装や電子部品調達までワンストップで利用するユーザーが増加しております。ピーバンドットコムは、製造受注を起点として、実装、部品調達、周辺サービスへと利用領域を広げることで、顧客の利便性向上と利用単価の向上を図っております。 ② 試作市場を主戦場とし、製品化へつなげる支援体制ピーバンドットコムは、スピードと柔軟性が求められる試作市場を主戦場としながら、顧客の製品化・小ロット量産への移行を支援することを重要な提供価値と位置づけております。新製品開発においては、試作を通じて設計上の課題を検証し、改善を繰り返しながら製品化に近づけていくことが一般的です。ピーバンドットコムは、短納期・小ロット対応に加え、基板製造、部品実装、部品調達、周辺商材を組み合わせることで、試作段階から製品化を見据えた支援を行っております。また、ピーバンドットコムは日本式の細やかな顧客対応、品質管理、納期管理、設計・製造に関する情報蓄積を強みとしており、単なる低価格・短納期の基板調達にとどまらず、顧客が安心して試作から製品化へ進めるための確実性向上に取り組んでおります。 ③ 試作開発に適した料金体系と効率的な製造手法 新製品の開発には試作が必要不可欠ですが、従来のプリント基板製造では、試作のたびに高額なイニシャル費用が発生することが一般的でした。試作は1回に限らず、複数回繰り返しながら製品を改良することが多いため、都度発生する初期費用は、限られた開発予算を圧迫する要因となっておりました。 ピーバンドットコムは、「異種面付工法」(※)を活用することで、複数種類の基板を効率的に製造し、イニシャル費用の負担を抑えた料金体系を提示しております。これにより、試作段階の少量発注においても利用しやすい価格と納期を実現し、幅広い顧客層から支持を得ております。※異種面付工法:定格サイズの材料で一種類の基板のみを製造する従来の方法に対し、複数種類の基板を共に製造する工法。材料を余すこと無く使用でき、試作等で少量の基板が必要な場合に有用。 ④ 利便性の高い見積・注文システムスピード感を重視する研究開発・製品開発の現場において、見積取得や発注手続きにかかる時間を短縮することは重要な課題です。オーダーメイド品であるプリント基板は、従来、製造業者との対面又は個別のやり取りを通じて見積を取得する必要があり、価格確認や仕様調整に時間を要しておりました。ピーバンドットコムは、インターネット環境があれば、いつでもどこでも瞬時に見積を取得できる「1-Click見積」システムをピーバンドットコムWebサイト上に設置し、エンジニアが製品開発時に感じる見積取得の煩わしさを解消してまいりました。当事業年度においては、「1-Click見積」のリニューアルを実施し、顧客利便性のさらなる向上に取り組んでおります。今後も、注文フローの改善、リアルタイム見積機能の強化、部品調達との連携、見積から実装発注までの導線改善等を通じて、顧客がより円滑に発注できる環境を整備してまいります。⑤ 製造受注を起点としたクロスセル構造 ピーバンドットコムの収益構造の特徴は、プリント基板の製造受注を起点として、部品実装、電子部品調達、周辺サービスへと利用領域を広げるクロスセル構造にあります。 プリント基板を製造する顧客は、その基板に搭載する電子部品の調達や、部品実装、製品化に向けた追加工程を必要とすることが多くあります。ピーバンドットコムは、基板製造を入口として、部品実装、電子部品調達、メタルマスク、筐体、ハーネス等の周辺サービスを提供することで、顧客の開発工程を効率化するとともに、顧客単価の向上を図っております。 特に、GUGEN Hubとの連携により、電子部品調達のオンライン化、購入部品の在庫管理、実装サービスへの活用、余剰部品の管理等を進めることで、基板製造から実装・部品調達への移行を促進しております。これにより、エンジニアの調達・管理工数を削減し、開発に集中できる環境の構築を進めております。 ⑥ 広範にわたる顧客層と成長分野への展開Eコマースを利用した販売形態を採用することにより、従来の対面販売型と比べ基板発注の敷居が下がり、顧客層を広げることができました。その結果、大学・高専/研究機関など公的機関、国内大手セットメーカーやそれを支える電子部品の中堅・中小企業などの法人、さらに個人事業主に至るまで試作開発案件を取り込み、幅広い顧客層から支持を得ております。品質への要求に対しては、ISO9001:2015規格の認証を取得し、よりよい製品やサービスの提供に努めております。また、納期遵守の徹底によりピーバンドットコムへの信頼度が向上し、大手企業・中堅企業との取引が拡大しております。今後は、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット等の成長分野における研究開発・試作需要を捉え、Webによる効率性と、人による細やかな提案・支援を組み合わせることで、中堅・大手企業の先行開発・試作から製品化までを支援してまいります。 ⑦ ファブレスによる優良な仕入先との関係構築 ピーバンドットコムは、自社工場を持たない、いわゆるファブレスでの運営を行っております。仕入先については、一社に依存することなく、国内外の複数の仕入先と提携することで、安定した製品の供給と、顧客の要求に沿った、より競争力のある商品を提供しております。 仕入先とは、信頼と実績に基づき、低価格で高品質の商品を納期通りに提供して頂けるように長期にわたり安定した取引関係を築くことを基本としています。ピーバンドットコムでは、プリント基板の市場価格や需要の変動、求められる品質基準の向上、納期の短縮化を常に意識し、改善を心掛けており、ピーバンドットコムの培ったノウハウを仕入先にも共有し、より競争力ある商品を提供いただくこともピーバンドットコムの役割と心得ております。 また、為替変動、通商政策、地政学リスク、サプライチェーンの不確実性等の外部環境の変化を踏まえ、仕入先の見直し、調達条件の最適化、物流機能の改善、品質起点での不良削減等を通じたサプライチェーン改革を進め、構造的な収益力の強化に取り組んでおります。 ⑧ 取扱う商材の拡大 プリント基板の中でも、取扱いやすさから様々な製品に採用されているリジッド基板(※1)を主軸として、フレキシブル基板(※2)、アルミ基板(※3)、リジッド・フレキシブル基板(※4)などの商材を取り扱っております。 近年では、LED照明等に使われるアルミ基板、EV・ロボットなど大電流制御の用途で使われる厚銅基板(※5)の需要拡大に合わせ、充実を図っております。また、プリント基板の周辺商材として、メタルマスク、筐体、ハーネス等の取扱もしております。 さらに、基板製造とあわせて発生する電子部品調達、部品実装、在庫管理、海外向けサービス等の周辺領域にサービスを拡張し、顧客の開発プロセス全体を支える体制の強化を進めております。※1 リジッド基板:柔軟性のない硬質な材料をベースとした基板、電化製品に主として使用されている。※2 フレキシブル基板:薄く柔軟性のある材料をベースとした基板、ウエアラブル機器やスマートフォン等に使用されている。※3 アルミ基板:リジッド基板にアルミ材を合わせ放熱特性を高めた基板、照明機器などによく使用されている。※4 リジッド・フレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合した基板。※5 厚銅基板:基板上の銅箔部分が厚く大電流を流せる基板。 (3)新たな成長ドメイン「GUGEN-Hub(グゲンハブ)」構想 ピーバンドットコムのお客様の多くは、研究開発部門(R&D)に従事するハードウェア開発者であり、その業務を効果的に支援するためのツール開発に注力しております。GUGEN Hubは、ハードウェア開発エンジニアが研究開発に専念できる環境を提供することを目的とするサービスです。 GUGEN Hubでは、電子部品のみならず、ワイヤーハーネスや筐体のメーカー様、専門商社や他社のECサービスまでも繋ぐことを目指しています。エンジニアは、GUGEN Hubを利用することで最適なサプライチェーンを見つけることができます。 当事業年度においては、GUGEN Hubにおける顧客部品の一元管理と実装サービスの連携機能を開始し、部品調達、在庫管理、実装連携を一体化する取り組みを進めております。具体的には、顧客が調達した電子部品をピーバンドットコム倉庫で保管し、Web上で在庫状況を管理するとともに、必要に応じて実装工場へ供給し、実装後に余った部品を再び在庫として管理する仕組みの構築を進めております。 今後は、UI/UXの刷新、外部パートナーとの連携による部品検索・調達機能の強化、在庫共有・注文機能の拡充、プロジェクト管理機能の高度化等を通じて、利用者数の拡大と定着率の向上を図ってまいります。 また、GUGEN Hubは、基板製造、部品調達、設計情報、在庫管理、実装連携、製造データを一気通貫で管理することで、電子製造プロセス全体を支えるプラットフォームへ進化する構想です。部品調達の自動化、設計との連携、製造のオンデマンド化、製造データの資産化を進め、取引データ及び設計・部品・製造に関するデータを蓄積・活用することで、調達・製造の最適化、顧客体験の向上、継続利用型の収益機会の拡大を目指してまいります。 短期的には、P板.comとのクロスセル強化や部品販売マージンの拡大により利用単価の向上を図り、中期的には、在庫サービスや管理機能の高度化、SaaS型の機能提供等を通じて、継続利用型の収益機会の拡大を推進してまいります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 ピーバンドットコムの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてピーバンドットコムが判断したものです。(1)経営方針 ピーバンドットコムは、パーパス「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」のもと、プリント基板のEコマースサイト「P板.com(ピーバンドットコム)」の運営を中心に事業を展開しております。このパーパスを実現するため、以下の行動規範及び行動指針を掲げております。・企業パーパス(Purpose)「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」・行動規範(Code of Conduct)「ワクワクするチャレンジを選ぶ。」・5つの行動指針(Credo)「アイデア、どんどん発信しよう!」 積極的に提案をして、よりよい会社にしていこう「たゆまぬ探究心で、形にしよう!」 諦めず、粘り強く物事の本質を見極めよう「学び続け、成長し続け!」 継続的な学習で、自己を豊かにしよう「失敗はステップ、恐れず飛び込もう!」 失敗を恐れずチャレンジし、成功への糧にしよう「ハートフルな話し方、心地よい聴き方!」 気持ちのいいコミュニケーションで、よりよい関係を築こう (2)経営戦略持続的な事業成長を実現するためには、短期的な事業環境への対応にとどまらず、社会や産業構造の長期的な変化を捉えた戦略的経営が必要であると考えております。ピーバンドットコムは、2026年6月22日に、2027年3月期から2029年3月期までを対象とする中期経営計画ローリングを公表いたしました。当該計画では、2026年3月期において確認した収益構造の改善を起点に、2027年3月期を将来成長に向けた再投資・基盤整備の年度と位置づけ、2028年3月期以降にその成果を売上・利益成長として回収することを目指しております。また、売上高の拡大に加え、売上総利益及び当期純利益の成長を重視し、持続的な企業価値向上につなげてまいります。ピーバンドットコムは、プリント基板Eコマース「P板.com」を中核としつつ、基板製造を起点に、部品実装、電子部品調達、在庫管理、実装連携、設計情報・製造データの活用へとサービス領域を拡張し、顧客の開発・試作・製品化プロセス全体を支援するプラットフォームへの進化を目指してまいります。 ①基本方針 ピーバンドットコムの中期的な基本方針は、以下のとおりです。P板.comの収益力をさらに高めるとともに、GUGEN Hubを第二の成長エンジンとして育成し、基板ECを基軸としながら、電子製造プロセス全体を支援するプラットフォームへ進化する。 ピーバンドットコムは、これまでP板.comを通じて、プリント基板の設計・製造・部品実装をWeb上でワンストップ提供してまいりました。今後は、基板製造を起点に、部品実装、電子部品調達、在庫管理、実装連携、設計・評価データの活用へとサービス領域を拡張し、顧客の開発・試作・製品化プロセス全体を支援してまいります。 特に、GUGEN Hubについては、電子部品調達、在庫管理、実装連携を担う新たな成長ドメインとして位置づけ、P板.comとのクロスセルを通じた利用単価向上と、中期的な収益化を目指してまいります。②重点戦略戦略1:P板.comの深化と収益性向上P板.comは、ピーバンドットコムの中核サービスであり、今後も安定的な成長の基盤です。既存のプリント基板製造に加え、部品実装、電子部品調達、筐体、ハーネス、メタルマスク等の周辺サービスを組み合わせることで、顧客の開発・試作工程をより広く支援してまいります。また、製造受注を起点として、実装、部品調達、周辺サービスへと利用領域を広げるクロスセル構造を強化し、顧客単価の向上と収益性改善を図ってまいります。特に、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット等の成長分野における中堅・大手企業の先行開発・試作ニーズを取り込み、試作から製品化・小ロット量産へつなげる支援体制を強化してまいります。 戦略2:GUGEN Hubを第二の成長エンジンへGUGEN Hubは、電子部品調達、在庫管理、実装連携、製造データ管理を担う新たな成長ドメインです。短期的には、P板.comとの連携により、部品調達・在庫管理・実装連携の利用拡大を図ってまいります。中期的には、API連携、在庫管理機能、プロジェクト管理機能等の高度化を通じて、継続利用型の収益機会の拡大を目指してまいります。 戦略3:システム基盤刷新による拡張性・利便性の向上ピーバンドットコムは、P板.comの顧客画面及び管理画面を含むシステム基盤の全面刷新を進めてまいります。これにより、顧客にとってはより分かりやすく、使いやすい発注体験を提供するとともに、社内業務の効率化、商社経由・EDI等の多様な商流への対応、グループ単位での利用管理などを可能にしてまいります。システム基盤刷新は、P板.com単体の利便性向上にとどまらず、GUGEN Hub、部品調達、実装連携、海外展開等を支える共通基盤として、今後の成長を支える重要な投資であると認識しております。 戦略4:サプライチェーン改革による売上総利益率の改善ピーバンドットコムは、仕入先の見直し、調達条件の最適化、物流機能の改善、品質起点での不良削減等を通じて、構造的な収益性改善を進めてまいります。また、サプライチェーン改革により得られる改善効果を、システム、人材、GUGEN Hub、海外展開等へ再投資することで、短期的な収益性の確保と中長期的な成長基盤の構築を両立してまいります。 戦略5:海外展開による新たな成長機会の創出ピーバンドットコムは、国内で培ってきたプリント基板Eコマースの運営ノウハウ、サプライチェーンネットワーク、品質管理体制を活かし、海外市場への展開にも取り組んでおります。当面は、タイ市場を中心に、基板製造に加えて電子部品実装まで含めた「基板+実装」のワンストップ提案を進めてまいります。タイ王国向けプリント基板通販サイト「p-ban Thailand」を通じて、現地パートナーとの連携を進め、ASEAN地域における顧客基盤の拡大と新たな成長機会の創出を目指してまいります。 戦略6:人材投資・組織能力の強化ピーバンドットコムは、P板.comの深化、GUGEN Hubの育成、システム基盤刷新、海外展開等を推進するため、必要な専門人材の採用・育成を進めてまいります。システム開発、データ解析、営業、カスタマーサクセス、プロダクト企画、ハードウェア開発支援等の領域において人材を強化し、少人数で効率的に運営するECモデルの強みを維持しながら、成長領域に必要な組織能力を高めてまいります。 ③資本コスト及び株価を意識した経営ピーバンドットコムは、資本コストを常に意識した投資判断と経営資源の最適配分を徹底することで、資本効率の向上と持続的な成長を実現してまいります。また、安定的かつ継続的な株主還元、M&Aを含む成長機会の検討、コーポレートガバナンスの強化、積極的なIR活動を通じた株主・投資家との対話を推進することで、企業価値及び株主価値の向上を図ってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ピーバンドットコムは、事業活動の成果を示す売上高、売上総利益、当期純利益成長率、売上総利益率、ROE等を重要な経営指標としております。特に、2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画ローリングにおいては、売上高、売上総利益及び当期純利益の継続的な成長を重視しております。2026年3月期実績から2029年3月期計画までの3年間において、売上高は2,311百万円から3,001百万円へ、売上総利益は873百万円から1,217百万円へ、当期純利益は106百万円から184百万円へ拡大させる計画です。また、売上総利益率及び資本効率の改善を主要な指標として管理してまいります。なお、GUGEN Hubについては、P板.comとの連携による部品調達、在庫管理、実装連携等の利用拡大を重点施策として位置づけ、サービス利用状況やクロスセルの進捗を継続的に確認してまいります。これらの指標及び施策の進捗管理を通じて、短期的な利益成長だけでなく、P板.comの収益性向上、GUGEN Hubを含む周辺サービスの拡充、成長投資の成果、資本効率の改善を継続的にモニタリングし、持続的な企業価値向上を図ってまいります。 (4)経営環境及び財務上の対処すべき課題等ピーバンドットコムを取り巻く市場環境は、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット等の成長分野における研究開発・試作需要の拡大や、生成AIを活用した設計・開発支援ニーズの高まりなど、中長期的な成長機会が引き続き存在しております。一方で、為替変動、通商政策の影響、地政学リスク、サプライチェーンの不確実性、さらにはAIを活用したサイバー攻撃の巧妙化など、慎重かつ機動的な対応が求められる局面も継続しております。こうした環境のもと、ピーバンドットコムは、2026年6月22日に公表した中期経営計画ローリングに基づき、持続的な成長と収益性の向上を両立させるため、経済環境や競争環境の変化、AIの急速な発展に対応した事業基盤の強化を進めてまいります。ピーバンドットコムは、パーパスである「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」のもと、まずはエレクトロニクス・エンジニアの開発プロセスにおける“あたりまえ”を革新し、その先に、誰もがアイデアさえあればモノを具現化できる世界の実現を目指しております。その実現に向け、2027年3月期は2028年3月期以降の成長回収に向けた重要な再投資・基盤整備の年度と位置づけ、ピーバンドットコムの中核サービスである「P板.com」を中心としたシステム基盤の全面刷新、調達・物流・品質を含むサプライチェーン改革、GUGEN Hubを通じた支援領域の拡張、ならびにAI・開発支援サービスの高度化を重点的な経営課題として取り組んでまいります。 ①中核サービスの深化とシステム基盤の全面刷新ピーバンドットコムの基幹サービスである「P板.com」においては、試作市場を主戦場としつつ、製品化・小ロット量産までを視野に入れた顧客支援の強化を進めてまいります。今後の成長に向けては、顧客が求める利便性、処理速度、情報管理水準が一段と高度化していることを踏まえ、既存システムの部分的な改修にとどまらず、P板.comサイトの顧客画面及び管理画面を含むシステム基盤の全面刷新を進めてまいります。これにより、注文フロー、社内業務システム、受発注管理等を抜本的に見直し、より使いやすく、柔軟で拡張性の高いサービス基盤への進化を図ります。また、創業以来培ってきたWebシステムによる自動化の仕組みに加え、営業担当者による人的アプローチを組み合わせた顧客対応体制を強化し、顧客ニーズに即した提案力の向上を図ってまいります。あわせて、UI/UXの改善、リアルタイム見積機能の強化、電子部品調達プロセスの効率化などを通じて、顧客利便性のさらなる向上に取り組んでまいります。さらに、顧客情報や設計・購買データをより安全に管理するため、情報管理体制及びセキュリティ水準の向上にも努めてまいります。これらの取り組みにより、お客様及び提携基板メーカーの双方にとって、より価値の高いプラットフォームの構築を進めてまいります。 ②サプライチェーン改革とGUGEN Hubを通じた支援領域の拡張ピーバンドットコムは、海外事業推進室の設置等を通じて海外展開を進める中で、国内外の調達先や物流網との接点を広げてまいりました。一方で、為替変動、通商政策、地政学リスク等の外部環境の変化を踏まえると、調達・物流・品質を含むサプライチェーン全体を、より効率的かつ強固なものへ見直していくことが重要な課題であると認識しております。この認識のもと、仕入先の見直し、調達条件の最適化、物流機能の改善、品質起点での不良削減等を通じて、サプライチェーン改革を推進し、構造的な収益力の強化を図ってまいります。また、これらの取り組みによって生み出される改善効果を、システム開発、人材採用、プロダクト強化等の将来投資へ再投入することで、中長期的な成長基盤の強化につなげてまいります。 「GUGEN Hub」においては、部品調達のオンライン化、在庫管理、実装連携を一体化し、研究開発に携わるハードウェア開発者が開発に集中できる環境の整備を進めてまいります。今後は、UI/UXの刷新、外部パートナーとの連携による部品検索・調達機能の強化、在庫共有・注文機能の拡充等を通じて、利用拡大と継続利用の促進を図ってまいります。短期的には、P板.comとのクロスセル強化や部品販売マージンの拡大により利用単価の向上を図り、中期的には、在庫サービスや管理機能の高度化を通じて、継続利用型の収益機会の拡大を推進してまいります。 ③ AI・開発支援サービスによる高付加価値領域の拡大ピーバンドットコムは、プリント基板Eコマースを中核サービスとしながら、顧客の開発プロセス全体を支援する高付加価値サービスの拡充を重要な成長課題と位置づけております。R&D領域においては、「gene」を起点とした開発支援サービスの拡大に加え、AIブロック図自動生成サービス、AIハードウェア設計ツール、ローカルLLMナレッジ基盤、AIガーバーチェックアシスト等の開発を進め、設計支援から試作・評価までを支えるサービスの高度化に取り組んでまいります。AIハードウェア設計ツールとGUGEN Hubとの連携により、自然言語入力を起点とした回路図・部品表作成の高度化を進めるとともに、AIを活用した品質向上、業務効率化、顧客支援力の強化を図ってまいります。また、ローム株式会社とのオンデバイスAI「Solist-AI™」関連のエコシステム連携や、TOPPANホールディングス株式会社との次世代センサー評価用モジュール開発等の取り組みを通じて、先端領域における研究開発支援サービスの拡大を図ってまいります。さらに、これらの取り組みを支える社内体制として、プロダクト横断で企画・開発を推進する体制を構築しております。あわせて、開発・営業・管理各部門での人材採用・育成を進めるとともに、営業、マーケティング、データ解析の各部門が連携し、重点領域を対象とした集客、提案、受注プロセスの高度化を進めてまいります。ピーバンドットコムは、これらの経営課題に着実に取り組むことで、顧客提供価値の向上、収益基盤の強化、新たな成長機会の創出を図り、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ピーバンドットコムは、これらリスクの発生の可能性を認識して事業活動を行っておりますが、ピーバンドットコムの株式に関する投資判断は、本項及び本書中の他の記載事項も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。 なお、本文中における将来に関する事項は、本書提出日現在においてピーバンドットコムが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。(1)ピーバンドットコムの事業について① 価格競争激化の可能性について インターネットを通じた商品の販売は、流通構造の簡素化、販売コストや事務コスト削減などの効果を販売者にもたらします。従って取引コストの合理化に伴う商品価格の低下を招く可能性があると考えられます。また、購入者にとっても、価格比較サイトによって事業者間の価格比較が容易となったため、複数の事業者がインターネット上で価格情報を公表している場合、価格競争は激化しやすいと考えられます。ピーバンドットコムの取扱商品について、他社がインターネット上で販売する商品が増加した場合には、ピーバンドットコム取扱商品の一部が価格競争に陥ることにより収益力が低下し、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 競合について ピーバンドットコムのプリント基板の通信販売事業では、競合会社が存在しております。また販売商材は異なるものの、工場用間接資材の販売では、さらに多数の競合会社が存在します。これら両方を兼ね備えた競合会社は、現在のところ多くは存在しませんが、今後、既存の通信販売事業者が、ピーバンドットコムの取扱う商品に領域を広げたり、また工場用間接資材の通信販売事業者が基板のようなカスタム商品の販売も対象とするようになると、それら事業者との競争の激化が予想されます。 ピーバンドットコムは先行メリットを活かしながら顧客ニーズに合致した商品の取扱い拡大や価格面等において、競合他社との差別化を図ってまいりますが、他に優れたビジネスモデルの競合会社が現れた場合、ピーバンドットコムの提供するサービスが陳腐化し、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争の激化により、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 新規事業について ピーバンドットコムは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、GUGEN Hub、AI・開発支援サービス、海外向けサービスなど、新サービスないし新規事業に取り組んでおります。これらの取り組みにより、システム投資、人材採用、広告宣伝費、外部パートナーとの連携費用等の追加的な支出が発生し、短期的に利益率が低下する可能性があります。また、利用者数の拡大、クロスセル、継続利用型サービスへの移行等が想定どおりに進まない場合、投資を回収できず、ピーバンドットコムの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)インターネット利用のリスクについて① インターネットを利用した営業形態への依存について ピーバンドットコムは、ピーバンドットコムの運営するインターネットサイト「P板.com」にて注文を受付け、発注管理もインターネットを利用しております。また販売促進活動も、インターネットを通じた広告掲載、電子メールによるダイレクトメール送付などを顧客への主要なアプローチ手法としております。このように主にインターネットを使用した営業形態をとっているため、インターネットを通じた商取引の信頼性が失われた場合、もしくはインターネットを通じた商取引の利便性が顧客に十分に受け入れられない場合は、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② システム、インターネットの障害及びシステム基盤刷新について ピーバンドットコムの運営するインターネットサイト「P板.com」は、自然災害、事故及び外部からの不正アクセス等のために、インターネットによるサービスが停止するおそれがあります。 ピーバンドットコムでは、システムトラブルの可能性を低減するために、万一の事故に備え、システム強化やバックアップ体制、ネットワークセキュリティの強化を行うなど、細心の注意を払っており、システムトラブルが発生した場合でも早期に復旧できる体制を整えております。 しかし、大規模な自然災害や社内外の人的要因によるものを含む事故等の発生や、想定を上回るアクセスの集中等による基幹システム及びネットワークの障害等を完全に回避することは困難であり、万が一障害等が発生し、開発業務やシステムに重大な被害が生じた場合には、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、ピーバンドットコムは今後の事業拡大に対応するため、P板.comの顧客画面及び管理画面を含むシステム基盤の全面刷新を進めておりますが、開発遅延、移行時の不具合、想定を上回る開発費用の発生、既存業務との連携不備等が生じた場合、顧客利便性や業務効率に影響が生じるほか、追加費用の発生等により、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。③ 検索エンジン最適化(SEO)への対応について GoogleやYahoo!等の検索エンジンにおいて、プリント基板に関連するキーワードをインターネット検索した際に、検索結果でピーバンドットコムのウェブサイトがどの程度上位に表示されるかは、マーケティングの観点から非常に重要であります。ピーバンドットコムの運営するインターネットサイト「P板.com」の顧客の多くは、特定の検索エンジンの検索結果から誘導されてきており、当該検索エンジンからの集客数を確保するため、今後におきましてもSEO対策を実施していく予定であります。しかし、ピーバンドットコムが適時適切にSEO対策を実施しなかった場合、または検索エンジンにおける検索アルゴリズム変更等により、これまでのSEO対策が有効に機能しなかった場合、ピーバンドットコムへの顧客流入数が想定数を下回り、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ インターネットによる風評被害 ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の掲示板への書き込みや、それを要因とするマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、ピーバンドットコムの経営にとってマイナスの影響が生じ、ピーバンドットコムの事業展開、財政状態や経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 (3)仕入・物流関係のリスク① 仕入先への業務の委託 ピーバンドットコムは、主に基板に関わるサービスである設計、製造、実装やそれらに付随する業務の全部又は一部について、他社に委託しています。ピーバンドットコムの仕入先・業務委託先は業歴も長く、ピーバンドットコムとの取引歴の長い先が中心で、安定した取引関係を維持してきましたが、何らかの事由により委託先がピーバンドットコムの期待通りに業務を行うことができない場合、ピーバンドットコムの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。② 物流拠点の集中・依存について ピーバンドットコムの国外仕入先からの商品は、本社(関東地区)での受入体制に加えて長野県の物流倉庫に委託し、商品の納入から取引先への出荷までの一連の業務を2拠点体制で行っております。これにより、特定拠点への業務機能の集中リスクは一定程度低減しておりますが、大規模災害や両拠点同時の業務停止、あるいは委託先の財務状態が著しく悪化した場合には、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ピーバンドットコムでは、国外から国内への仕入先切替手順の整備、代替物流拠点や第三者物流の確保など、継続的なリスク分散策を講じることで、事業継続体制の強化に努めております。 また、GUGEN Hub等における在庫管理・実装連携の拡大に伴い、保管・出荷・在庫管理業務の重要性が高まる可能性があります。物流拠点又は委託先における業務停止、在庫管理上の誤り、配送遅延等が発生した場合、顧客対応やサービス品質に影響を及ぼす可能性があります。③ 委託配送料の値上げや配送遅延のリスク ピーバンドットコムは、商品の出荷配送を外部業者に委託しております。現在、業務委託先の協力の下最適な物流体制を構築しておりますが、物流コストの上昇や配送ドライバーの人手不足問題等により、委託配送料の値上げや、お客様からのご注文量の増加に対応した配送委託が間に合わない場合、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。④ 原材料調達及び価格高騰のリスク ピーバンドットコムの取り扱う製品に係る原材料には、銅をはじめとした金属が使用されております。これらの原材料は、海外からの輸入に依存しており、世界情勢・経済状況の変化、法律の改正、または世界的な需給逼迫等により調達状況に変化が起こる可能性があります。 ピーバンドットコムは国内外の業務委託先で製品の製造をしており、ピーバンドットコムが直接原材料の調達を行うものではありませんが、原材料の調達状況が急激に変化した場合には、委託先より仕入れ価格の値上げ要請を受ける可能性があります。 これらの原材料調達及び価格高騰のリスクに対し、ピーバンドットコムは業務委託先の分散、また、ピーバンドットコムのプラットフォームの利便性を上げ、より効率的な受発注体制を作ることにより、安価に安定的に調達できるよう努めております。 (4)外部要因について① 為替レートの変動について ピーバンドットコムの輸入商品の仕入れに占める割合は約50%であり、今後も為替レートの変動を見て増減を図っていく方針であります。当該輸入の決済代金は、為替相場変動リスク回避のため、円建が中心ですが、為替相場の変動により仕入れ値が変動する可能性があります。為替レートが大幅に円安に推移した場合には、商品調達コストを押し上げる等、為替レートの変動がピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 生産国のカントリーリスクについて ピーバンドットコムの国外仕入先からの商品は、韓国・台湾・中国などアジア各国からの輸入によるものです。このためアジア各国等の政治情勢、経済環境、自然災害等により製造が滞った場合、又は輸送が困難となった場合には、ピーバンドットコムの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 国内の景気動向の影響について 電子部品や半導体の供給制約は一定程度緩和されているものの、国内外の景気動向、研究開発投資の抑制、顧客の開発計画の見直し等により、ピーバンドットコム顧客の発注量や開発案件数が減少した場合には、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)法的規制について① 法的規制について ピーバンドットコムの事業は、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「特定商品取引法」、「製造物責任法」及び「不正競争防止法」等による法的規制を受けております。そのため、従業員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など管理体制の構築等により法令遵守の体制を整備しております。しかし、将来にわたり、販売した商品及びその広告表現等において安全上の問題や表示表現等の問題が発生する可能性があります。これらの問題が発生した場合、多額のコストやピーバンドットコムのイメージ低下による売上の減少等が想定され、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 個人情報、機密情報及び設計・購買データ等の保護管理について ピーバンドットコムの運営するインターネットサイト「P板.com」では、利用者本人を識別できる顧客情報を保有しております。ピーバンドットコムは、顧客情報の保護について、信頼性の高い外部サーバで当該個人情報や機密情報を保護するとともに、社内規程の策定、従業員教育等を通じ、情報の流出防止に万全を期しております。しかし、ピーバンドットコムや委託先の関係者の故意・過失、サイバー攻撃、コンピューターウイルス感染、不正アクセス又は不測の事態により、個人情報の漏洩その他不適切な処理が行われた場合、ピーバンドットコムの社会的信用度が低下し、損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、ピーバンドットコムの運営する「P板.com」の信頼が毀損し、セキュリティシステム改修の為の多額の費用が発生する可能性があります。その結果、競争力が低下し、ピーバンドットコムの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 近年では、生成AI等を悪用した標的型攻撃、フィッシング、なりすまし、マルウェア感染等のサイバー攻撃が高度化・巧妙化しております。また、ピーバンドットコムがGUGEN HubやAI・開発支援サービスを通じて取り扱う設計情報、部品情報、購買情報、在庫情報等の重要性は高まっております。これらの情報が漏洩、改ざん、消失又は不正利用された場合、顧客からの信頼低下、損害賠償請求、サービス停止、セキュリティ対策費用の増加等により、ピーバンドットコムの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。③ 知的財産権について ピーバンドットコムは、第三者の知的財産権を侵害しないよう、十分な注意を払っておりますが、ピーバンドットコムの事業分野でピーバンドットコムの認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たにピーバンドットコムの事業分野で第三者による知的財産権等が成立する可能性があります。かかる場合は、第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求等又はピーバンドットコムに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、ピーバンドットコムの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。④ 訴訟について ピーバンドットコム事業に関しては、常に顧問弁護士と相談しながら推進しております。しかしピーバンドットコムの事業分野のすべてにおける法的現況を把握することは困難であり、ピーバンドットコムが把握できないところで法律を侵害している可能性は、完全には否定できません。損害賠償又は商品の販売差止等の請求を受ける場合は、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 法令面の社員教育 ピーバンドットコムでは、社員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備、販売管理体制の構築、また、適宜、顧問弁護士のアドバイスを受ける等、法的規制を遵守する管理体制の整備に努めております。しかし、クレーム・トラブル等が生じた場合や、法令に違反する行為がなされた場合、及び法令改正や新たな法令制定が行われた場合には、ピーバンドットコムの事業活動、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)組織体制について① 有能な人材の確保や育成について ピーバンドットコムでは、事業規模の拡大及び業務内容の多様化に対応するため、各部門にて優秀な人材の確保と育成は課題であり、必要に応じて外部人材を採用しながら、内部人材の育成強化と登用に努めております。しかし、ピーバンドットコムの事業規模の拡大に応じた人材育成や採用等が計画通り進まないまま競争が激化する場合、また競合他社との人材獲得競争により人材が流出する場合は、適正な人材配置が困難となり、競争力低下や業容拡大の制約要因となって、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。② 自然災害、感染症流行、事故、有事等の災害復旧対策等について ピーバンドットコムは、従業員の生命・安全の確保と共に被災に耐える環境の整備に努めており、地方での在宅ワーク人員の確保を行うなど、リスク分散を図っております。本社機能と事業活動、人的資源は首都圏に集中しており、地震等の自然災害や、新型コロナウイルスのような未知の感染症の拡大など、他の事業活動継続に支障をきたす事件やテロ・紛争等が発生した場合、想定外の被災や有事の影響による業務中断や業務不能の事態、被災からの復旧遅れ等により、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)海外事業展開に伴うリスク ピーバンドットコムは、タイ市場を中心とするASEAN地域など、海外市場への事業展開を推進しております。これに伴い、以下のようなリスクに直面する可能性があります。 海外市場との取引においては、現地の政治・経済情勢の変動、各種法規制や商習慣の違い、文化的ギャップなどが事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、輸送経路の不安定化や物流コストの高騰、取引条件の変動、制度変更への対応負担などにより、追加的なコストが発生する可能性もあります。これらのリスクは、(4)②「生産国のカントリーリスク」で指摘したアジア地域の供給網に加え、今後新たに事業を展開する地域でも同様に想定されます。 さらに、為替変動については、(4)①で記載のとおり、仕入れ価格への影響を与える外部要因として既に重要な位置づけとなっていますが、海外取引の拡大により、為替変動リスクの管理対象も広がっていく可能性があります。 加えて、各国の関税政策や通商協定の変更により、関税率が引き上げられた場合、ピーバンドットコム製品のコストに直接的な影響が及ぶ可能性があります。特に、保護主義的な貿易政策の導入や、自由貿易協定(FTA)の見直しなどに伴う関税の上乗せによっては、現地市場での価格競争力が低下し、採算性が損なわれるおそれがあります。さらに、通関手続きの複雑化や遅延、非関税障壁の増加といった要因も、サプライチェーン全体の効率性に悪影響を及ぼす可能性があります。 こうした海外特有のリスクに対して、ピーバンドットコムでは「海外事業推進室」を代表取締役社長の直下に設置し、法務・財務・人事などの関係部門と連携しながら、事前のリスク把握および管理体制の強化を進めております。しかしながら、これらの施策が十分に機能せず、予期せぬ外部環境の変化や追加コストの発生等により、ピーバンドットコムが想定するような成果が得られない場合には、ピーバンドットコムの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)スタンダード市場の上場維持基準について ピーバンドットコムは、2024年3月31日時点において、東証スタンダード市場の上場維持基準のうち流通株式時価総額の基準を充たさない状況となったため、2024年6月26日に上場維持基準の適合に向けた計画書を作成し公表しておりました。その後、当該計画に基づく各種取組みを進めた結果、2025年3月31日時点において、株主数、流通株式数、流通株式時価総額及び流通株式比率のすべての上場維持基準に適合いたしました。また、2026年3月31日時点においても、ピーバンドットコムは東証スタンダード市場のすべての上場維持基準に適合しております。 今後も、コンプライアンス及びコーポレートガバナンスの強化、積極的なIR活動、株主還元の継続、業績及び企業価値の向上に努めてまいりますが、業績の変動、市場環境の変化、株価の動向、株式の流動性の低下等により、将来において上場維持基準に抵触する可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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