ソケッツ(3634)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 ソケッツは、音楽・映像・書籍・人物などのエンターテイメント関連および美容、食品、飲料、衣料、消費材、旅行など生活、ライフスタイル全般に関わるデータベースを開発し、それらを活用したインターネットサービス開発およびシステム提供を行っております。具体的には、「データ提供サービス」「レコメンドサービス」「パーソナライズサービス」「検索サービス」「データアナリティクス(データ分析)サービス」などを通信会社、Eコマース会社、音楽・映像関連のインターネットサービス会社、音楽レーベル会社、商品・製品開発メーカー、流通小売会社、サービス提供会社などに提供しております。なお、ソケッツは単一セグメントとなります。各サービス提供に伴う「ライセンス」「開発」「運用」事業があります。①「データ提供サービス」とは、ソケッツが体系化したデータベースをサービス事業者に提供し、サービス事業者 はそのデータを活用し、自社サービスを編成・運営することを行います。②「レコメンドサービス」とは、ソケッツの独自データベースを活用し、音楽、映像、書籍などのエンターテイメ ント関連ならびに、美容、健康、ファッション、食、飲料、旅、住、金融など暮らし全般のおすすめ作品・ 商品・サービスに関する情報の提供を行います。このおすすめ情報により、利用者は、自分がまだ知らない 作品、商品、情報を探す、知る、購入することなどができます。③「パーソナライズサービス」とは、サービス利用者の行動履歴を時間の経過と共に解析し、ひとりひとりの 嗜好性に合った作品・商品・サービスに関する情報の提供を行います。これにより、利用者は、「自分の好み や気分に合ったおすすめ情報」を知ることができます。④「検索サービス」とは、ソケッツ独自のデータベースを活用し専門分野などに特化した検索サービスであり、サ ービス利用者は一般的な検索サービスと比較し、よりこだわりのある専門的な情報を探す、知る、購入する ことができます。⑤「データアナリティクス(データ分析)サービス」とは、口コミ情報、行動履歴を収集・解析し、ソケッツ独自 の感性データと組み合わせた分析を行い、印象評価、印象比較、企画、商品調達、商品開発、販売予測、プ ロモーション効果測定、メディアプランニング、制作支援などの各種マーケティング支援サービスをデー タ・ドリブン(データを元に次の施策を決定すること)にて行います。ソケッツ独自の感性メタデータとの組み 合わせにより従来手法の分析では見えづらかった「生活者や顧客やファンとコンテンツや商品との感性や感 情的な結びつき」が見えるようになります。 いずれにしても、ソケッツデータサービス活用により、サービス利用者や顧客の好みを理解し、あらたな出会いを提供し聴取、視聴、閲覧、回遊、購入、継続などサービス利用者に対する価値を高めることを主な目的としています。 これらの事業の元となるのが、ソケッツ独自開発のデータベースであります。音楽であれば、基本情報のみならず演奏されている楽器の種類、奏法、声質、歌唱方法、ビート、リズムなどの定量情報、歌詞の内容や楽曲テーマ、感性情報、年代、マイクロジャンル、影響を受けた楽曲やアーティストなどの関連情報までを詳細に特徴づける体系的なデータであります。映像であれば、基本情報に加え、たとえばそのアニメのテーマ、ストーリー、世界観、時代背景、舞台、キャラクター、職業、人間関係、シチュエーション、ファッションなどの詳細な情報を体系化しております。さらに音楽、映像、コミックなどのIPコンテンツが横断して繋がる「メディアフランチャイズ」のデータ化によりこれまで見えづらかったクロスメディア間の関係性の可視化を可能とします。これら同様、非エンターテイメント分野の美容、飲料、食品、旅行などにおいても基本情報のみならず、各商品やサービス、ブランドの特徴、体験価値、テーマ、カルチャー等を体系化し網羅しております。 ビジネスモデルとしては、「ライセンス」事業に関しては、月額従量制(月におけるデータやソケッツシステムの利用量や利用者数に応じて発生)、月額固定制、またはその組み合わせおよび都度利用毎従量制、初期ライセンスなどがあります。「開発」事業に関しては、初期開発、サービス拡張に伴う追加開発があり、「運用」事業に関しては、主に年間契約に基づき、サービス事業者のシステムの一部を運用いたします。 ソケッツのこれらのデータサービスは現在、KDDI株式会社、株式会社レコチョク、株式会社NTTドコモ、LINEヤフー株式会社、楽天グループ株式会社、LINE MUSIC株式会社、HJホールディングス株式会社(サービス名「Hulu」)、株式会社フジテレビジョン(サービス名「FOD」)、株式会社集英社、株式会社世界文化ホールディングス、株式会社CEメディアハウス、株式会社ハースト婦人画報社などで利用されております。 [メディアビジネスにおける事業系統図]
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ソケッツの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてソケッツが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針ソケッツは、『人の気持ちをつなぐ』ことをミッションとし、音楽・映像・書籍・一般商材などのデータベース及びそれらの過程で制作する感性メタデータを活用した感性AIを開発し、主にインターネットを通じ「レコメンドサービス」「パーソナライズサービス」「検索サービス」「アナリティクス(データ分析)サービス」「データ提供サービス」などデータ関連サービスを提供しております。人間の想像力は無限であり、人の感性や感情は想像力を生み出します。感性や感情(喜怒哀楽など)のデータ化は人とAIの共創の可能性を広げ、感性データを活用し、世界中のクリエイター、開発者、マーケター、サービサーの想い・こだわり・ストーリー、人々(ファン)と共に紡ぎだし、クリエイティブなエンターテイメント、ライフスタイルの誕生と広がりに貢献することがソケッツのパーパス(存在意義)となります。世界中のクリエイターと開発者、生産者、マーケター、サービサー、それぞれの志や想いの連帯に貢献することで、人の心と日々の時間がもっと豊かに深まることに役に立ちます。そのような豊かで深い心を持った人と人との気持ちが繋がることはきっと社会の平和につながります。私達の企業活動を通じて、多くのセレンディピティ(偶然の幸せな出会い)を実現し人それぞれの人生にとって出会いというかけがえのない瞬間を生むことを可能とします。 今後の社会においてAIがますます普及されることが予想されます。その中でも米国や中国をはじめ国際的に様々な生成AIの開発が進みその競争はより一層激しくなることが予想されております。そのような一般的な生成AIは根拠となるデータがWeb上から収集された大規模なデータセットであり、幅広く汎用的ではありますが、一方で分野を特化した場合の情報の鮮度や専門性という品質面において課題があります。また日本語独特の情緒的な解釈も課題としております。ソケッツは感性メタ含むドメインに特化した独自のデータベースでこれらの課題を解決します。合わせて特定のコンテンツ分野に特化した知識ベースの堅牢な推論手法を独自データベースと組み合わすことでこれら課題を解決し、根拠となる推論の透明性を担保し信頼性を確保します。このような取り組みにより生成AIと感性AIの最適なコラボレーションを実現し、人間の複雑な感性や感情を理解する感性AIを活用したエンターテイメント分野とマーケティング分野で独自のデータサービスを展開し「心を豊かにするAIにより社会により貢献してまいります。 短期的には、独自の感性データ・テクノロジーにより・エンターテイメント・IPコンテンツ市場の発展に貢献すること・新たなクリエイター・エコノミーの創出・感性マーケティング市場を開拓していくことを行い、その上でそれらを繋ぎ組み合わせたエンターテイメント×感性マーケティングの事業活動により、日本のクリエイター、アーティスト、コンテンツの発掘から制作、国内外流通、プロモーションまでをデータでマネジメントを行うことを実現してまいります。それらを実現するための基本方針として ① 『人の気持ちをつなぐ』ことに役に立つ価値あるサービスを確かなモノづくりにて実現するために、新しいテクノロジーが切り開く可能性を信じ、研究開発とデータ開発を重視します。 ② 常にユーザー視点、顧客価値を大切にし、真に価値のあるオリジナリティの高いサービスの実現へ向けサービス開発を続けます。 ③ エンターテイメントが生む様々なエモーション、シチュエーション、オケージョンをデータベースとして解釈し、人間の多様な創造性、想像力を科学する技術を開発します。 ④ より一層の心が豊かな社会の実現に向けた価値ある新しいサービスを生み出す技術力と企画力を育成し続けるために、多様性と自主性に富む人材の採用・育成、成長への環境づくりに努めます。 ⑤ ソケッツの企業理念や志を共有する従業員、取引先、株主などと共に成長し、貢献します。そのための企業文化を育てます。 これらを継続的かつ長期的かつ日常的に行うことで、その結果として、収益力の向上、持続的な成長を実現させることが、人それぞれの思い、こだわり、感性や感情を大切にし、思いやりと多様性に溢れる豊かな社会への貢献となり、一層の企業価値の向上に繋がるものと考えております。 (2)中長期的な会社の経営戦略エンターテイメントは人の感情を動かし感性を豊かにします。そして人間の営みの中で大事な要素である想像力を育みます。今後ますますAI社会が進む中、AIが得意とはいえない、人間にとってかけがいのない想像力が社会に生まれ、育ち、発展することに貢献するデータと技術の開発がソケッツの創業来のパーパスであります。そのためにソケッツ独自の感性メタデータと感性AIを磨き続けます。今後の世界から見た日本のあり方の一つとして、日本に数多く存在するアニメ、コミック、ライトノベル、J-POPなどを中心とした日本独自文化の発掘や世界へ向けた国際流通をより発展させることにあると想定されております。ソケッツは創業来、音楽、アニメ、ドラマ、映画、コミックなどエンターテイメントを網羅するメタデータの構築を進めている中、ソケッツエンターテイメントに特化したメタデータやデータ技術が、クリエイター、アーティスト、コンテンツ、イベント、これらのIPの発掘に貢献してまいります。(IPとは楽曲、アニメ、ドラマ、小説、コミック、キャラクターなどのIntellectual Property、知的財産を指します)またIPの発掘のみならず制作、プロモーション、タイアップなどのマーケティングまで一貫したサポートをソケッツのデータベース・データ技術で行なうことを可能とする独自の仕組みの開発を進めてまいります。これらの取り組みより、日本のクリエイター、アーティスト、コンテンツがより多く生まれ、コラボレーションやプロモーションを推進するデータサービスを展開することにより、IP立国日本の未来に貢献してまいります。 その実現に向けソケッツは、音楽・映像・書籍・テレビ・イベントなどのエンターテイメント分野において国内随一のデータベースをより拡充し、独自の感性AIを活用しエンターテイメント体験機会の増加に貢献してまいります。あわせて、ソケッツデータの利活用範囲をインターネット上に留まらず、コンテンツ制作、ライブ、グッズ(マーチャンダイズ)など、リアルな体験機会の領域にも広げてまいります。その上で、感性メタデータの開発・提供をエンターテイメント分野のみならず美容、健康、ファッション、食、飲料、旅、住、金融など暮らし全般の非エンターテイメント分野まで広げ、ライセンス提供先を流通業界、製造業界、小売業界、美容業界、旅行業界、飲食業界、広告業界、不動産業界、金融業界などに展開してまいります。そのプロセスとして、独自の感性ターゲティング広告サービス「Trig’s」を広げ、日本国内におけるPMP(Private Market Place)といわれるブランド・サービスの共感を繋ぐ広告サービスとして、様々なメディアや企業の信頼性と収益性の向上に貢献してまいります。これら現在進めているエンターテイメントデータサービスと感性マーケティングサービスを掛け合わせることで、次世代に向けたIPデータテクノロジーサービスの展開を加速します。その先には、個人と企業とクリエイターやアーティストが垣根を越えて「共感を軸に協創するプラットフォームサービス」の構築があります。生活者、クリエイター、アーティスト、コンテンツ、企業、製品、開発者、生産者、それぞれの持つストーリーや世界観を繋げることで、セレンディピティあふれる体験の連鎖により、人の内面的な成長に寄与しQuality of Lifeの向上に貢献します。それらの実現のために、ソケッツ独自の人の感性や感情を体系的に情報化したオリジナルデータベースの開発およびそのデータを利活用する感性AI関連技術開発を進めてまいります。 ・エンターテイメントデータサービスの質、量の継続的な改良・エンターテイメントデータサービス外部アライアンス強化・独自の感性マーケティングサービス進展・エンターテイメントデータサービスと感性マーケティングサービスを掛け合わせたIP関連事業の推進・上記事業及びデータの海外連携、展開以上を行なってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ソケッツでは、感性メタデータ・感性AI関連技術を活用した新しいサービスの開発、品質向上を継続的に行い、より多くの皆様にソケッツ独自の人の気持ちが繋がるサービスを提供し、顧客満足度の向上を図ることがソケッツの企業価値の向上に繋がると認識しております。そのための経営指標として「成長性」と「収益性」を重要な経営上の指標としております。ソケッツの中期的な経営指標として、社会により深く役に立ち、かつ独自性が高い事業の指標として「売上総利益率60%以上」を目標としています。それらを達成するにあたり、ソケッツデータ関連サービス技術の事業モデルにおいて一時的な受託開発・運用モデルではなくユーザー数の拡大が直接的もしくは間接的な収益拡大に繋がる事業モデル、月々の継続的な収入となるサブスクリプション(定額制)事業モデル、ソケッツが独自に開発した感性AIを最大限活用したIP事業モデルなどのライセンス型ビジネスモデル及び新たなIPコンテンツの発掘から制作・マーケティングへの貢献による成功報酬型などの収益モデルの多様化を進めております。中期的な経営指標として「売上成長率年間20%以上」を目標としております。またあわせて、「月間ライセンス提供数および額」「新規ライセンス提供数」「既存ライセンス継続率」「ライセンス型ビジネスモデルの売上構成比」「売上に占める研究開発費やデータ開発などの先行投資額比率」の管理に取り組んでまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題インターネット関連、データ関連、AI関連分野の技術革新、生活者や企業の目的や嗜好の多様化、新規参入など変化の激しく起こりうる事業環境の中で、ソケッツが長期的に持続可能な成長を見込み、経営戦略を確実に遂行していくために、以下のような課題に対処してまいります。 ①優秀な人材の確保、育成継続的な成長の原資である人材は、ソケッツにとって、最も重要な経営資源と認識しております。ソケッツ独自の技術開発力や企画力およびサービス運営力を維持し、継続的に発展、強化していくために、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長の機会を提供し、かつ事業規模を拡大させていくための人材を獲得する必要があります。人的基盤を強化するために、全役職員を対象としたクレド(行動規範)など企業文化の熟成、採用体制の強化、新入社員・中堅社員・管理職向けなど段階に応じた教育・育成、研修制度、人事評価制度、より弾力的な報酬制度、多様な働き方を実現する勤務体系の充実など、各種施策を進める方針であります。 ②開発・品質管理体制の強化ソケッツが開発を手掛けるアプリケーション、データベースおよびサービスは、技術革新の中で、開発内容が複雑化する可能性があります。また、ライセンス事業モデルの中でも顧客においては、開発スピードのさらなる向上やコストの軽減、高付加価値化を求めてくることが想定されるため、これらへの対応力の強化が必要となります。このためソケッツでは、企画営業部門と開発部門における連携面での見直し、開発・運用ルールの統一化、自社開発ツールの構築、開発体制の一体化など全社的な技術資産の共有を行うことで、開発・品質管理体制の一層の強化を図っていきます。 ③収入モデルの多様化現在のソケッツの主な収入モデルは、ライセンス収入モデル、開発収入モデル、運用収入モデルなどであります。現在主力であるライセンス収入モデルの多様化を一層進めてまいります。低い金額でライセンス提供可能なライト版ライセンス、初めは無料で提供するフリー版ライセンス、付加価値向上に合わせたアップグレード版ライセンス、またソケッツサービスの外部の代理店による販売などのエージェント型ライセンスなど収入モデルなどの多様化に一層取り組んでいきます。さらに、ソケッツ感性メタデータ、感性AI活用の収入モデルとして、利用成果に応じて権利の一部を共有するなどのIP(知的財産を活用し収益を得る)事業モデルの構築に取り組んでまいります。 ④内部管理体制、コーポレート・ガバナンスの充実ソケッツでは継続的な成長を実現していくために、事業規模に応じた内部管理体制の充実が不可欠であると認識しております。金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価へ対応すべく、業務の適正性や効率性、財務報告の信頼性の確保に努める必要があります。今後も事業規模の拡大に合わせ管理部門の一層の強化による内部管理体制の整備を図るとともに、会議体および職務権限の見直しや社外役員の積極的な導入など、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組む方針であります。 ⑤インターネット関連技術・サービスなど企業との連携今後、国内外のインターネット技術やサービスは、ますます連携や融合されていくことと予想され、ソケッツはこの流れへの対応力の強化が必要となります。このため、ソケッツでは独自のデータベース及びデータサービスの開発を通じて通信事業者、デバイスメーカーやインターネット関連企業およびサービス提供企業との連携や権利元との調整などアグリゲーション力を強化していく方針であります。 ⑥営業体制およびコンサルティング能力の向上既存事業のエンターテイメント分野向けデータサービスから新規事業の感性マーケティング分野へのデータサービスまで事業領域が広がる中で、営業人員および営業体系の強化、提案時または案件成立後のサポートともいえるコンサルティング能力の向上がより一層必要となります。業界経験者の採用、若手人材の育成、またエンターテイメント分野と感性マーケティング分野にまたがる営業とコンサルティングを可能とするスペシャリストの採用などを通じて、体制の強化、能力の向上に努めてまいります。 (5)その他、会社の経営上重要な事項大株主との取引等ソケッツはカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」といいます)より出資を受け、当事業年度末において同社はソケッツの議決権の9.8%を保有する大株主となっております。今後のマーケティング分野におけるCCCグループとの連携を目指し、データベースの開発およびその利活用に引き続き取り組んでおります。なお、CCCグループとの取引条件につきましても同社以外の取引先と同様に、価格交渉などの手続きを行った上、その都度決定しております。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてソケッツが判断したものであります。 (1)事業環境について①インターネットに関する技術およびサービスの変化ソケッツは、インターネット関連テクノロジーに基づいて事業を展開しております。インターネット関連テクノロジー業界では、新技術や新サービスが相次いで開発されており、技術および顧客ニーズなどの変化の速度が速いという特徴があります。このため、ソケッツは独自でかつ付加価値の高いサービスの実現に向け積極的な研究開発に注力しております。人の感性や感情を捕捉し得る「感性AI」関連技術開発を推進し、ソケッツならではの新たな技術やサービスの開発を進めております。しかし、研究開発の遅れ、顧客ニーズの見誤りや優秀な人材の確保の遅れ等により市場の変化に合った技術革新のスピードに適切に対応できない場合にはソケッツの技術およびサービスが陳腐化し競争力が低下することが考えられ、ソケッツの事業展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②生成AIの進展世界的な規模で各種生成AIの開発はより一層進むことが予想されます。これらの技術の進化は、社会的な構造の改革を伴うものであり、かつソケッツの関わるインターネット関連テクノロジー、データサービス分野にも大きな影響を及ぼすことが見込まれます。そのような環境の中、ソケッツは独自の感性メタデータおよび感性AIの開発を進め、日本ならではの感性・感情情報を解釈することを強みとし、合わせて生成AIとの連携強化を進めます。 ③競合についてソケッツに関連したインターネット分野のデータサービス分野におきましては、今後も引き続き新規参入企業が増加することが予想されます。一方でソケッツでは、独自に開発した感性メタデータを中心とした独自データベースを最大限に利活用するビジネスモデルの構築をより強化し、他企業との差別化を図っております。また同時に、エンターテイメント分野において10年以上に及ぶ感性メタデータの開発・運用実績を踏まえた独自の分析技術や利活用技術開発を積極的に進め、「人の感性・感情を科学する」付加価値の高いサービスの質を実現し続けると共に、新規サービスの提供や既存サービスに対する新機能の実装を効率的に実現しております。しかしながら、競合となり得る会社がソケッツを上回る開発スピードやサービスの質を実現した場合、ソケッツにおける事業展開および経営成績に影響を与える可能性があります。またインターネット広告市場においては、国内外の有力企業との競合があります。このためより独自の感性・感情の可視化・体系化を実現する技術に磨きをかけ、独自性を高めることとあわせ、必要に応じて有力企業との連携、提携も検討してまいります。 (2)事業内容について①プログラム等のバグ(不良箇所)についてソケッツのアプリケーション、システムおよびデータベースの開発に関しては、社内の検証専門チームに加えて、外部の検証専門企業も活用することにより、納品する際のテスト・検証について専用の体制を構築し、開発・品質管理体制の強化を図っております。しかしながら、完全にプログラム等のバグを排除することは難しく、プログラム等に重大なバグが生じた場合、当該プログラム等を使用したソフトウエア等によるサービスの中断・停止等が生じる可能性があります。この場合、ソケッツの信用力低下や取引先あるいはユーザーからの損害賠償の提起等により、ソケッツの事業展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②ソフトウエア資産についてソケッツでは、アプリケーション、データベースおよびエンジンを開発し、それらを活用したデータベースサービスを推進しております。それらの開発に係るコストについては、原則として研究開発費をはじめとした販売管理費として費用計上しております。そのなかで一部事業パートナーとの契約があるものについては自社サービス用ソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。事業パートナーとの契約変更などにおいてこれらを一部または全部を除却処理する可能性があります。その場合、一時に費用が発生するため、ソケッツの経営成績に影響を与える可能性があります。一方で自社サービス用ソフトウエアの開発および研究開発については、プロジェクト推進体制を整備し、慎重な計画の立案・遂行に努めております。③システム障害・通信トラブルについてソケッツでは、主にサーバーを利用し、機能やサービス提供をしております。サーバー運用に際しては、クラウドサービスの活用を中心とし、安全性を重視したネットワークおよびセキュリティシステムを確保および構築し、24時間のシステム監視をはじめ、セキュリティ対策も積極的に行っております。しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウイルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバーへの過剰負荷等あらゆる原因によりサーバーおよびシステムが正常に稼動できなくなった場合、ソケッツのサービスが停止する可能性があります。この場合において、ソケッツのサービス提供先との契約に基づき損害賠償の請求を受けることがあった場合、ソケッツの経営成績に影響を与える可能性があります。 (3)組織体制について①人材の確保や育成についてソケッツにおいて優秀な社内の人材の確保、育成および定着は最重要課題であり、将来に向けた積極的な採用活動、人事評価制度の整備や研修の実施等の施策を通じ、社内リーダー層への幹部教育、新入社員および中途入社社員の育成、定着に取り組んでおります。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、また、必要な人材を確保できない可能性があります。また、必ずしも採用し育成した役職員が、ソケッツの事業に寄与し続けるとは限りません。このような場合には、ソケッツの事業展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②特定の役員への依存についてソケッツ創業者である代表取締役社長浦部浩司は、ソケッツの最高経営責任者であり、事業の立案や実行等会社運営において、多大な影響を与えてまいりました。現在ソケッツでは、事業規模の拡大にともなった権限の委譲や業務分掌に取り組み、同氏への依存度は低下しつつありますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏がソケッツの業務を継続することが困難になった場合には、ソケッツの事業展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)法的規制等について①法的規制について現時点で、今後のソケッツ事業そのものに対する法的規制はないと認識しておりますが、インターネットを活用したサービスに関しては、不正アクセス対策、電子商取引におけるトラブル対策、知的財産権の保護、個人情報の保護など今後新たな法令等の整備が行われる可能性があります。例えば、2017年5月および2022年4月の「改正個人情報保護法」の全面施行などに見られるように、個人情報を生活者にとってより有効的に利用することに取り組んでいく方向はこれからの社会にとってもソケッツの事業機会にとっても価値がある一方で、プライバシー保護、セキュリティ保護などに関しては一層の留意が必要であります。同法を始めとする今後の法令等の制定、改正あるいは社会情勢の変化によって既存の法令等の解釈に変更がなされ、ソケッツの事業分野において新たな法的規制が発生した場合、ソケッツの事業展開に制約を受けたり、対応措置をとる必要が生じる可能性があります。 ②個人情報の取り扱いについてソケッツが開発・提供する各種サービスの利用者は、主にスマートフォン等のデバイスを利用した個人であり、ソケッツが運営を行うサービスにおけるユーザーサポート等において、氏名・電話番号等のソケッツグループサービスの利用者を識別できる個人情報を取得する場合があります。また、通常の取引の中で、業務提携先や業務委託先等取引先についての情報を得ております。ソケッツは、個人情報の管理強化のため、個人情報保護マネジメントシステムマニュアルの制定、役職員への周知徹底を図ると共に、これらの個人情報は、契約先である外部の大手データセンターへ格納し、高度なセキュリティ体制のもとで管理しております。なお、2010年6月より現在に至るまで継続的に一般財団法人日本情報経済社会推進協会より個人情報の適切な取り扱いを実施している事業者であることを認定する「プライバシーマーク(R)」使用許諾事業者の認定を受けております。今後につきましても、社内体制整備と共に、外部のデータセンターと継続的にセキュリティ対策強化を行い、いかなる個人情報も流出しないよう細心の注意を払ってまいります。しかしながら、ソケッツの管理体制の問題、またはソケッツ外からの不正侵入および業務提携や業務委託先等の故意または過失等により、これらのデータが外部へ漏洩した場合、ソケッツの信用力低下やユーザーからの損害賠償の提起等により、ソケッツの事業展開および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③知的財産権についてソケッツは、知的財産権の保護については、会社のコンプライアンスおよび社会的責任において重要な課題であると認識しております。開発、コンテンツの提供、日常業務でのソフトウエアの使用等の中で、ソケッツの従業員による第三者の知的財産権の侵害が故意または過失により起きた場合、ソケッツは損害賠償の提起等を受ける可能性があります。 (5)その他ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について ストック・オプション制度は、会社の利益と、役職員個々の利益とを一体化し、ビジョンの共有や目標の達成等、職務における動機付けをより向上させること、また監査役においては適正かつ厳格な監査による企業価値向上の意欲を高めることを目的として導入したものであり、今後も資本政策において慎重に検討しながらも、基本的には継続的に実行していく考えであります。 新株予約権には一定の権利行使条件がついており、原則として2年を経過した日から段階的な行使を基本としておりますが、これらの新株予約権が行使された場合には、ソケッツの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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