SHIFTグループ(SHIFT及びSHIFTの関係会社、以下「SHIFTグループ」)は、SHIFT、連結子会社38社及び持分法適用関連会社1社(2025年8月31日現在)で構成されており、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」ことを企業理念に掲げております。また、「すべてのソフトウェアにMade in Japanの品質を」を合言葉として各種サービスを提供しております。
[ソフトウェアに関連する市場の環境について]
ソフトウェアは通常、ユーザーにどのようなサービスを提供できるか、それを達成するために必要な仕様や機能を設計する要求定義・要件定義フェーズから、開発フェーズ、そして動作検証を行うテストフェーズを経てリリースされます。
そのうち、要求定義から開発まではコンサルティングファームや上流SIerによるアウトソーシングが一般的ですが、テストフェーズは、標準化が図られておらず、また専門技術、知識が必要であるという認識も低いため、社内エンジニアを中心とした作業とするところが多く、国内ではアウトソーシングが進んでおりません。
このテストフェーズの市場規模は、主としてソフトウェア業を営む企業の売上高が15兆9,625億円(総務省及び経済産業省による「2021年情報通信業基本調査」)あり、開発工程に占めるテスト工程の割合が約35%(IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)による「ソフトウェア開発分析データ集」2022)であることから、約5.5兆円と推定されます。
また、こうしたテストアウトソーシングマーケットは、エンタープライズ向けの受託開発・パッケージソフトウェアのテスト作業(エンタープライズ系)、組込みソフトウェアのテスト作業(エンベデット系)、そしてソーシャルゲームなどのゲームソフトウェアのテスト作業(エンターテインメント系)に分類できますが、とりわけエンタープライズ系は高度な業務知識や開発知識が必要とされるため、その参入障壁は高く、アウトソースがほとんど進んでいない状況と考えております。
加えて、エンタープライズ向けソフトウェアは、確実で安全に動作することが社会的に求められてきており、また、そのようなソフトウェアを選定していくことが重要な経営課題として位置づけられてきているため、高度なソフトウェアテストに関する専門知識を有する第三者による検証やアウトソーシングをすることが必須要件となりつつあります。
[SHIFTグループのソフトウェアテストの特徴について]
SHIFTグループが展開するソフトウェアのテスト・品質保証サービスは、これまでの属人的に行われてきたテスト業務を効率化・標準化することで新しい市場と新しい価値を創造してまいりました。
これらを支えるテスト実行業務を提供するテストエンジニアについては、独自に開発した検定制度である「CAT検定(※1)」により、ソフトウェアテストの適性を評価しております。これによりソフトウェア開発経験の有無に関わらずソフトウェアテストの本質的な適性を評価でき、広く優秀な人材による高品質なテスト実行業務の提供が可能となっております。
また、テスト実行の生産性を評価するために、独自に開発したテスト支援ツール「CAT(※2)」を運用しており、テスト実行の進捗状況・問題工程がリアルタイムで可視化されるため、テスト実行時の問題発見を迅速に行うことが可能です。CATは、SHIFTグループのバックグラウンドでもある製造業向けコンサルティングで培った「効率化」「可視化」「再現可能性」の工程管理手法を盛り込んだシステムになっており、属人性を減らし生産性の高いテスト業務を行うことを可能としております。
※1 CAT検定:SHIFTグループが独自に開発したソフトウェアテスト適性を評価するための検定試験。ソフトウェアテスト管理者、設計者、実行者、ソーシャルゲームテスターの4区分での検定試験により適性を評価できる。
※2 CAT:高速で信頼性に優れ簡単に管理できるテスト設計、実行を支援する統合環境。テスト設計の支援ツールTD(Test Design)とテスト実行支援ツールTCM(Test Cycle Management)で構成される。
[SHIFTグループの事業について]
SHIFTグループでは、上記のように、発展的成長が見込まれる魅力的な市場に対し、単なる人材リソースの提供にとどまらず、独自の方法論に基づき標準化された高品質かつ費用対効果の高いテストのアウトソースを実現し、そこで培ったノウハウや膨大なデータを基に、SHIFTグループ全体で、品質保証の観点に基づいてサービスを提供しております。さらに、ソフトウェア製品やサービスの企画段階では、要求定義・要件定義を行うコンサルティングや企画の基礎となる分析ツールの提供を行い、要件に基づいた開発の工程を経て、検証を行うテスト業務や性能改善、脆弱性診断などで安定した品質を創り上げ、リリースされた後ではカスタマーサポートからマーケティング支援などを提供しております。また、インフラ環境の構築やその自動化ツールのコンサルティング、生成AIを利活用したサービスなども手掛けることで、多様な顧客ニーズに対応できる体制を拡充しております。
また、SHIFTグループでは、これらの多様なサービスを、ソフトウェアテスト関連サービス、ソフトウェア開発関連サービス、その他近接サービスに区分しております。
各サービスにおけるSHIFT及び関係会社の位置づけ等は次のとおりであります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
① ソフトウェアテスト関連サービス
ソフトウェアテスト関連サービスでは、主にソフトウェアテスト・品質保証、コンサルティング・PMO、カスタマーサポート、セキュリティといったサービスを提供しております。
(主な関係会社)
SHIFT、SHIFT GLOBAL PTE. LTD.、株式会社SHIFT PLUS、SHIFT ASIA CO., LTD.、株式会社SHIFT SECURITY、株式会社クラフ、株式会社マスラボ、株式会社KINSHA、SHIFT USA Inc.、株式会社Japan Aerospace & Defense Consulting
ソフトウェア開発関連サービスでは、主にシステム開発、システム性能改善、IT戦略策定、システム企画・設計、エンジニアマッチングプラットフォーム、データ分析などのソフトウェア開発プロセスに直接関与するサービスを提供しております。
(主な関係会社)
株式会社メソドロジック、バリストライドグループ株式会社(*)、ALH株式会社、Airitech株式会社、株式会社マデール、株式会社システムアイ、株式会社分析屋、株式会社ホープス、株式会社ADX Consulting、株式会社SPST、株式会社DeMiA、株式会社クロノス、株式会社クレイトソリューションズ、株式会社シムテック、株式会社トラストブレイン、株式会社ヒューマンシステム、株式会社マネージビジネス 他1社
*バリストライドグループ株式会社は、2025年9月24日付でStride Digital Group株式会社に社名変更しております。
その他近接サービスでは、主にWeb企画制作、マーケティング、キッティング、クラウドサービス、ローカライズ、M&A/PMI(Post Merger Integration)、バイリンガル人材紹介など、ソフトウェア開発と近接するマーケットで、SHIFTの既存事業とは異なるビジネスモデルに基づくサービスを提供しております。
(主な関係会社)
株式会社ナディア、株式会社xbs、株式会社エスエヌシー、株式会社CLUTCH、VISH株式会社、DICO株式会社、株式会社SHIFTグロース・キャピタル、Build Plus株式会社、インフィニック株式会社、株式会社クラブネッツ 他1社
[事業系統図]
SHIFTグループの事業系統図は、以下のとおりであります。
*バリストライドグループ株式会社は、2025年9月24日付でStride Digital Group株式会社に社名変更しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、SHIFTグループが判断したものであります。
SHIFTグループは、「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」ことを企業理念とし、世の中の人が幸せになるサービスや事業を創造していくことを目指しています。
SHIFTグループは、上述の企業理念に基づき「無駄のないスマートな社会の実現」というビジョン達成に向けた三つ目の通過点として、売上高1,000億円を目指す「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」を策定いたしました。
創業以来、製造業における業務改善コンサルティングの知見を持って、ソフトウェア開発分野における属人化された業務のプロセスを変革し、開発エンジニアとテストエンジニアの分業を進めていくことで開発エンジニアが開発工程に集中し、開発に専念できる環境を整備するなど、ITエンジニアの働き方を変革してまいりました。
「SHIFT1000-シフトワンサウザンド-」では、将来の売上高3,000億円を見据え、以下の4つの切り口から事業の成長を進めてまいります。営業の側面では、CIO(Chief Information Officer)とのリレーション構築などを通し、徹底した顧客開拓の体制を構築し、人事・採用の側面では、IT業界ナンバー1クラスの採用力をもって経験者・未経験者、転職潜在層・顕在層を問わない人材の確保に努めます。サービス・技術の側面では、ソフトウェアテストを主力としながら上流工程から開発工程、また付随する近接のサービスの拡大を進め、M&A/PMI(Post Merger Integration)の側面ではSHIFTグループに参画したグループ会社へ標準化されたPMIにより事業の成長の加速度を上げてまいります。
SHIFTグループは、売上高及び売上総利益率の改善を伴った各段階利益の業績予想値を経営上の目標としております。その達成状況の検証のため、顧客単価、顧客数、エンジニア単価、エンジニア数などを定期的にモニタリングしております。
SHIFTグループでは、今後の更なる成長を実現する上で、以下の事項を経営課題として重視しております。
総務省及び経済産業省による「2021年情報通信業基本調査」によると、わが国において主としてソフトウェア業を営む企業の売上高は15兆9,625億円と試算されております。また、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表する「ソフトウェア開発分析データ集2022」によると開発工程に占めるテスト工程の割合は、約35%とされており、SHIFTグループの対面するソフトウェアテストの市場規模は約5.5兆円と推定されます。
SHIFTグループは、この潜在的な5.5兆円の市場に対して、既存の労働集約的なサービスではなく、仕組化・標準化されたソフトウェアテストサービスを提供することにより、顧客のニーズを喚起し、アウトソース市場を掘り起こしてきました。
今後、ソフトウェアテスト市場の更なる深耕を進め、ソフトウェアテスト事業で開拓した、エンタープライズ領域からエンターテインメント領域までの多種多様な業界・業種の顧客に対し、SHIFTグループの様々なソリューションのクロスセルを推進していくためには、営業体制の強化が必要不可欠です。そのため、SHIFTグループでは、営業人員数の拡大、勉強会の実施などによる営業活動の量と質の向上、徹底的な営業活動の可視化によるKPI管理等により営業体制の強化に取り組んでおります。
SHIFTグループは、SHIFTグループの提供するサービスの提供を通してカスタマーサクセスを実現するため、サービスの付加価値の向上と適正なプロジェクト価格での受発注の実現に取り組んでおります。
サービスの付加価値の向上に向けた取り組みとしては、スキルアップやキャリアアップを希望する従業員を対象にした、独自の従業員育成カリキュラムを展開しています。カリキュラム受講後、検定試験に合格すれば、より高付加価値なサービスを提供することができることから、顧客への提示単価やそれに連動して給与が上昇する仕組みとしており、顧客と従業員の双方にとってメリットがある制度となっております。
また、SHIFTがプロジェクトの上流工程において、顧客企業と直接コミュニケーションをとりながらプロジェクトを推進し、階層構造や企業規模に関わらず真に業務能力のある開発会社へ直接発注することで、「多重下請け構造」を打破し、適正なプロジェクト価格での受発注を実現しております。
これらの取り組みを通して、サービスの付加価値とリピート率を向上させることで、カスタマーサクセスの実現に貢献してまいります。
SHIFTグループは、それまで開発者が行ってきた検証工程を、開発者以外であっても実行できるように、作業工程の徹底的な標準化を行うことでIT人材以外の人材を採用してまいりました。独自の検定試験を導入することで、IT未経験者であってもSHIFT事業に素養のある人材を採用することを可能にし、積極採用と生産性の向上の両立を実現してまいりました。また、IT業界における知識や経験の豊富な人材の採用にも取り組むことで、事業規模の急成長を実現してまいりました。
将来の売上高3,000億円企業を目指すにあたっては、各分野のスペシャリストを中心とした優秀な人材の更なる積極採用が早期に取り組むべき課題であると認識しております。
こうした課題に対応するため、従前の採用手法だけにとどまらず、動画面接やリファラル採用の強化等のあらゆる採用手法を積極的に取り入れ、採用体制の強化を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、ライフスタイルや価値観、そしてIT業界に変化がもたらされました。SHIFTグループとしてそれらの変化に対応し、今後の成長をさらに加速させるためには、これまでの事業ポジショニングやブランディング、従業員の働き方などを見つめなおし、必要に応じて変化させる必要があると考えております。
従業員の働き方としては、基本的に在宅勤務を推進する一方、コミュニケーションを目的として週1回程度の出社を奨励しています。在宅勤務を前提としたエンジニアの採用を進めつつ、従業員総会、社内広報のオンライン化、社内表彰制度の展開などにより、柔軟な働き方の提供と帰属意識の醸成の両立を実現しています。また、SHIFTグループでは、事業活動の基本は従業員であるとの考えから、日々の成果が従業員に還元されるよう、積極的な給与の上昇に努めています。人事評価と報酬決定においては実力主義を徹底し、年功序列や男女による給与格差といった人事評価と報酬決定による差別が起こらない評価を行うことで、給与と人事評価に関する満足度を高いレベルで維持しております。
SHIFTグループは、M&Aを積極的に推進することで、新規顧客開拓・既存顧客深耕や優秀な人材の積極採用、サービス領域の強化・拡大などに取り組んでまいりました。今後は、PMIを通じてSHIFT水準の経営管理体制を構築する等、厳格な規律で収益力を確保する方針は堅持しつつ、M&Aの対象として検討しうる収益水準を拡大するとともに、SHIFTグループの成長に合わせて案件の健全な大型化を推進してまいります。
また、PMI以降のフェーズにおいては、営業、人事面の連携によりグループ会社の成長を支援するとともに、グループ会社向けの経営管理部門の体制を強化し、グループ全体での経営基盤をさらに強固にしてまいります。
SHIFTグループは現在ソフトウェアテストを中心とした事業展開を図っており、標準化された高品質なサービス提供によって業務アプリケーション領域におけるソフトウェアテストのリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつあるものと認識しております。
更なる成長に取り組むなかで、SHIFTグループは、「お客様の売れるサービスづくりといえばSHIFT」を新たなブランディングスローガンとして掲げ、ソフトウェアの品質保証・テストを軸とした新たな開発サービスの提供にも取り組んでいます。こうした課題に対応するため、収益の柱としてのソフトウェアテストの事業を拡大させる一方で、企画段階からお客様と伴走し、「売れるソフトウェアサービスをつくる」うえで真に必要な要素を絞り込んだうえでお客様にご提案することで、他社との差別化を図っています。
既存事業の拡大と新規事業の創出に取り組むことで、SHIFTグループのポジショニングを強化してまいります。
SHIFTグループは、更なる事業拡大を推進し、企業価値を向上させるためには、効率的なオペレーション体制を基盤としながら、内部管理体制を強化していくことが重要な課題であると認識しており、コンプライアンス体制及び内部統制の充実・強化を図ってまいります。
SHIFTグループは、事業を通してお客様の重要な情報資産を取り扱っているほか、競争力の源泉となる、独自に標準化・仕組化されたノウハウを保有しており、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。現在においても、ISMS国際規格「ISO/IEC 27001:2013」の認証を取得し、情報セキュリティ方針を策定したうえで情報資産を管理しており、eラーニングを毎月実施し従業員の啓発を行う等、万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化を図ってまいります。
SHIFTグループは、グループガバナンスにおけるリスクを低減するために、適切なグループ会社のガバナンス体制を構築しております。構築に当たっては、一体的な経営と実効的なグループ会社管理等の必要性を総合的に勘案し、分権化と集権化の最適なバランスを勘案したうえで行っております。また、本社主管管理部門によるグループ会社のガバナンスについても、個別事業の特徴やリスクマネジメントの成熟度に応じて、適切な指導及び管理監督が行われるよう、グループ全体で発生したコンプライアンス違反や不正行為、内部通報等からの傾向分析を行い、各組織に対しより効果的な対応アクションを提案できるよう常に適切な体制の構築に努めております。
経営者がSHIFTグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
SHIFTグループは、これらリスク要因を認識した上で、その発生自体の回避、あるいは発生した場合の対応に努める方針でありますが、これらはすべてのリスクを網羅したものではなく、予見しがたいリスク要因も存在するため、投資判断については、本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてSHIFTグループが判断したものであります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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