セック(3741)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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セック(3741)の株価チャート セック(3741)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

3【事業の内容】

セックは、情報サービス事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、ビジネスフィールド別に記載しております。セックでは、情報サービス事業のビジネスを事業分野別に分類したものを、ビジネスフィールドと呼んでおり、本文中では「BF」と略しております。

 

(1) セックの事業内容について

セックは、リアルタイムソフトウェアの提供を主体とするリアルタイム技術専門会社です。

セックでは、リアルタイム技術を「時々刻々と変化する外界と密接な相互作用を持ったコンピュータシステムを開発する技術」と定義しており、ユビキタス社会の基盤技術と位置づけております。

 

①リアルタイム技術について

コンピュータは、センサーなどの入力データを、予めプログラミングされた処理を実行して、その結果を制御データとして出力する装置ですが、自然現象を入力とするようなシステムを設計する技術を「リアルタイム技術」といいます。自然現象をセンサーなどで計測して処理をする「センサーベースシステム」や「計測制御システム」などと呼ばれるシステムの設計技術です。

この自然現象は、突然発生したり、集中したり、どんな順序で発生するかが予測できず、また、再現性もありません。このような事象に対して、迅速に対応し、24時間連続で動き、再現性がない事象であってもトラブルを解析できなければならない、高度な信頼性が求められるシステムがリアルタイムシステムです。このリアルタイムシステムは「割り込み処理」「優先処理」「並行処理」といったリアルタイム技術の特有な処理を用いて開発されます。

 

(a) 割り込み処理

割り込みとは、ソフトウェアの処理とは非同期に発生するイベントで、システムに対して決められた電気信号(割り込みイベント)が入ると、現在実行している処理を一時停止させて、割り込みイベントに対応した処理をするものです。

例えばスマートフォンであれば、電話の着信や緊急地震速報の受信、タッチパネル操作やスイッチ・ボタン操作などが割り込み処理に該当します。

(b) 優先処理

リアルタイムシステムでは、時間内に処理を完了させるため、各処理に優先度を設定して、優先度の高い順に実行することができます。優先処理には、優先度の高いものから順に実行する方式のほか、締め切り時刻(デッドライン)が早い処理から順に実行する方式や、処理時間の短いものから順に実行する方式があります。

スマートフォンで例えると、ブラウザでホームページを閲覧している時に電話の着信があった場合に着信の画面に切り替わるのは優先度を高く設定しているためです。緊急地震速報の受信はさらに高い優先度が設定されており、どのような処理中であっても最優先されることになります。

(c) 並行処理

並行処理は、見かけ上、コンピュータに複数の処理を並列動作させるようにするための仕組みです。1つのCPUで複数の命令系列を同時に実行することはできませんが、1回あたりミリ秒あるいはマイクロ秒単位といった短い間隔でCPUを割り当てることで、あたかも複数の処理が同時に動作しているように見せています。

例えば、スマートフォンでは、地図アプリケーションを表示させる処理をしている裏で、GPSの測位処理をするようなケースなどがあります。

 

 

②リアルタイム技術が得意とする分野

セックは、「社会の安全と発展のために」をスローガンとしております。この「社会の安全と発展」に関連する分野の中で、リアルタイム技術を多く使う分野がセックのビジネスフィールド(BF)になります。

創業からの約20年間は「社会の安全=社会インフラ」として社会基盤システムBF、「社会の発展=夢の追求」として宇宙先端システムBFを中心に事業を行ってまいりました。その後、移動体通信事業者向けの基地局のシステム開発を中心とするモバイルネットワークBFを1984年に、インターネットの普及に伴いWebシステムの開発を中心とするインターネットBFを1995年にスタートするなど、事業分野を広げてまいりました。

セックはこの4つのBFでリアルタイムソフトウェアとリアルタイムソリューションを提供しております。

 

(a) 社会基盤システムBF

社会公共性の高いシステムを開発している分野です。高度交通システムや防衛関連システム、医療、環境エネルギーなど、社会公共分野の技術アプリケーションを開発しております。また、国や独立行政法人、地方自治体などで利用される情報システムを開発しております。

(b) 宇宙先端システムBF

科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフトウェアや、天体望遠鏡の制御、観測データの解析などの宇宙関連システムと、車両自動走行の研究開発や、次世代ロボットに関する研究開発、サービスロボットシステム、各種研究機関向けの技術アプリケーションなどの先端システムを開発している分野です。

(c) モバイルネットワークBF

キャッシュレス決済端末や車載端末などモバイルデバイスを使ったサービスシステムや、スマートコンストラクションに関するシステム、XR(クロスリアリティ)など次世代技術を使ったエッジデバイスのソフトウェアを開発している分野です。

(d) インターネットBF

非接触ICに搭載される組込みソフトウェアや、IoT関連システム、民間企業向けの技術アプリケーションやクラウドシステムなどを開発している分野です。

 

(2) 子会社について

セックには、非連結子会社が1社(AMSEC,INC.)あり、セックより米国最新技術及びビジネス動向調査を委託しております。

 

 

(3) 事業系統について

セックは、移動体通信事業者、電機メーカー、自動車メーカー、重工業メーカー、精密機械メーカー、各種研究機関、官公庁などに技術サービスを提供しております。

セックの事業系統図は以下のとおりであります。

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてセックが判断したものであります。

(1) 経営の基本方針

セックは、「社会の安全と発展のために」を会社理念とするリアルタイム技術専門会社であります。

セックは、情報社会のキーコンセプトはリアルタイムにあるとし、創業以来、リアルタイム技術を中核に据えてビジネスを展開してまいりました。これからも、リアルタイム技術にこだわり、トップブランドのリアルタイム技術専門会社を目指して、ビジネスを展開してまいります。

そして、セック会社目標である「最良のリアルタイムソフトウェアを提供して、社会に貢献する」ことの追究を通して、お客様満足度を継続的に改善して事業成長に繋げることで、株主・投資家の皆様のご期待に応えてまいります。

 

(2) 経営戦略等

セックは、「QCD&I」―――QCD(品質・価格・納期)を窮め、I(イノベーション)で飛躍する。―――をビジネスコンセプトとして、主体的なビジネスに取り組んでおります。

基本的な事業基盤として、お客様からの厳しいQCD改善要請への対応力を強化したうえで、さらなるイノベーション努力で、ニューエレメント(革新的技術、標準化技術、ソリューション製品、特許など知的財産権、新ビジネスモデルなど)を生み出し、このニューエレメントを核とした高付加価値化ビジネスで他社差別化を図って飛躍していくことを基本方針としております。

お取引先展開としては、訴求力あるニューエレメントでお取引先を開拓し、開拓後は、強力なQCD対応力などで高いお客様満足度を獲得してリピートオーダーに確実に繋げ、横展開・深掘りで量的拡大を図り、こうしたお取引先毎の新たな成長曲線を重ね合わせていくことで会社全体での成長を実現することを基本方針としております。

また、イノベーションの連鎖を断つことなくニューエレメントを継続的に得ていくために、R&Dのテーマを「ユビキタス」として研究開発・製品開発活動を強化し、また大学や企業などとの共同研究を積極的に推進してまいります。

 

(3) 経営環境

IoT時代の本質は、「モノのサービス武装」と「サービスのモノ武装」により、様々な業界の境界がなくなり、境界なき協業と想定外のライバルが出現することであります。ソフトウェア業界は、今までお客様の効率化や生産性向上に寄与してまいりましたが、これからは、お客様のパートナーとなって新しい価値を創造していくことが必須になります。お客様のご期待に応えるには、セック単独では限界があり、他社・大学・官公庁・研究機関などと連携し、新しい価値を創造する「オープン・イノベーション」を実践することが重要であると認識しております。

またプログラミング的思考が義務教育化され、デジタル庁が発足するなど、国全体がデジタル化を推進し、ソフトウェアが主役の時代になりました。このような時代にあっては、生成AIを始めとするソフトウェア技術が多様化・高度化し、高度な技術に対応できる専門家が必要となります。セックは、「基礎なくして高度な専門性なし」のもと、高度な技術に適応可能な基礎能力が高い人材を採用し、6か月間の新入社員教育でリアルタイム技術を習得させることにより、優秀な技術者を育て上げることを基本方針としております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①高い成長性の確保

セックでは、安定的な成長に加え、高い成長性を確保することが課題であります。急速に技術が進歩していくソフトウェアビジネスでは、現場の感度を高め研究開発で変化先取りに注力して新技術をいち早く習得し、主体的なビジネスを展開することが高い成長に繋がると認識しております。

官公庁を主体とした社会基盤系の開発で業績のベースを確保し、その上に研究開発や製品開発を強化し、ビジネスモデルを含めた新技術の提案力で成長分野を戦略的に受注し、高い成長性に繋げてまいります。

また成長を維持するには需要構造の変化に迅速に対応する必要があります。そのためには、社員が敏感に変化を感じる感度とその環境変化に適応する能力が必須であります。セックでは、基礎能力の高い人材を採用し、知識教育と実践教育を行い、社員の適性を見ながら、適用分野に必須となる技術や業務知識を保有する技術者を育成してまいります。

 

②安定的な収益確保

セックでは、安定的な収益を確保することが課題であります。安定的に収益を確保するためには、不採算プロジェクトを発生させないことが重要であり、プロジェクトマネージメント力の強化を図ってまいります。また組織的なリスク管理の強化、品質マネジメントシステムの徹底、品質管理部門によるプロジェクト管理支援、内部統制機能や社員教育の強化などを推進して、この課題に取り組んでまいります。

③優秀な人材の確保

セックでは、高い成長性を確保するために、優秀な人材の確保が課題であります。人間力が競争力の元であるソフトウェアビジネスでは、社員の質が会社の質を決め、社員の成長が会社の成長に繋がります。このため、社会的信用力と知名度の向上を活かし、優秀な人材をより多く獲得し、入社後は社員自らが成長できる環境を用意し、社員の成長を促す教育制度を充実させ、「学ぶ組織」を構築してまいります。

また優秀な人材には、魅力あるチャレンジングな仕事と魅力的な待遇が重要であり、さらにグローバルなビジネス展開を意識しながら、大学との共同研究や他社とのアライアンスを積極的に推進し、イノベーションを生む環境を研究し、社員の能力を最大限に発揮できる執務環境も構築してまいります。

④優良な外注先の確保

セックでは、高い成長性を確保するために、経営資源の一部を社外に求める必要があり、優良な外注先を確保することが課題であります。また優良な外注先を確保するためには、まずはセックが魅力ある会社になる必要があり、外注先の開発力とセックの開発分野の適合性をみながら、協力関係を構築してまいります。

一方、売上高に対する外注比率が高くなると、技術の空洞化や品質の劣化に繋がるため、受注弾力性を考慮しながら適正な外注比率を追究してまいります。
 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

セックでは、会社理念の方針のひとつである「質重視経営」の成果は売上高営業利益率に表れると考え、売上高営業利益率2桁を維持するよう努力してまいります。

 

(6) 今後の見通しについて

次期の我が国情報サービス業は、地政学的リスクや世界経済の減速、インフレなどによる影響が懸念されるものの、DX推進のためのIT投資が増加し、IT需要は全体としては堅調であると予想しております。セック事業領域では、全体的には今期と同様の需要環境が継続するものと予想しております。

こうした傾向の中、次期の重点テーマは、今期と同様、「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」とします。セックの強みである先端技術を窮めるため、高度技術教育を充実させ、大学や国、企業の研究機関との共同研究を推進して、継続的な成長を目指します。

BF別には、モバイルネットワークBFは、スマートコンストラクション関連の開発が引き続き堅調であるものの、XR(クロスリアリティ)サービス関連の開発が減少し、微減を見込んでおります。インターネットBFは、民間企業向けのDX案件が継続するものの、他のBFとの人員配分の最適化により、前期並みを見込んでおります。社会基盤システムBFは、環境分野や医療・福祉分野をはじめとした官公庁向けの開発が引き続き好調で、増加を見込んでおります。宇宙先端システムBFは、サービスロボットの研究開発案件や宇宙関連の開発が堅調に推移し、増加を見込んでおります。

営業利益は、人に対する投資(処遇改善や先端技術の教育拡充)、技術に対する投資(研究開発投資)、イノベーションを促進し、最適な働き方を実現する環境への投資(執務環境や開発環境への投資)を引き続き行うものの、生産性向上により、増加を予想しております。経常利益は、次期も国の研究機関からの受託研究による補助金収入を今期並みに見込み、増加を予想しております。当期純利益は、今期は賃上げ促進税制が適用され実効税率が下がったことにより増加しましたが、次期は税金費用を法定実効税率どおりで計算しております。

以上により、次期の業績としては、売上高9,200百万円、営業利益1,570百万円、経常利益1,650百万円、当期純利益1,145百万円を見込んでおります。

 


事業等のリスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてセックが判断したものであります。

 

(1) セックの事業全体に共通する業績変動要因

①問題プロジェクトの発生

セックでは、納期遅延、お客様クレーム、過大勤務を発生させたプロジェクトを問題プロジェクトと定義しております。問題プロジェクトは必ずしも不採算プロジェクトではありませんが、過去の実績では多額な原価を発生させて不採算となるケースが多く、問題プロジェクトが大型プロジェクトである場合には、セック全体の業績に影響を及ぼすことがあります。

また、問題プロジェクトを発生させたことでお客様からの信用が失墜して、取引が減少あるいは停止となった場合には、セック業績に影響が及ぶことがあります。

②大型プロジェクトの採算

大型プロジェクトは事業効率が高いなどのメリットも大きく積極的に受注していく方針であります。セックは原則としてプロジェクト全体を一括して受注する契約形態を基本としていることもあり、開発要員などの経営資源の多くの割合を投入する大型プロジェクトの採算は、セック全体の業績に影響を及ぼすことになります。

③大型プロジェクトの組み替え不調

大型プロジェクトの場合、開発工程が完了すると多くの開発技術者が一斉に手空きとなる一方で、都合良く多くの開発技術者を要する後続のプロジェクトを用意できていることはまれであり、技術者の稼働率が低下しがちで、大型プロジェクトの切り替えが不調の場合にはセック業績に影響が及ぶことがあります。

④受注価格水準の変動

セックの売上原価の大部分は、ソフトウェア開発に関する人件費と外注費で構成されていますが、最近のIT人材争奪戦と社会的要請から、いずれも増加傾向にあります。セックは、高付加価値化による受注価格の引上げやQCD(品質・コスト・納期)改善活動の一環として生産性向上によるコスト削減に努力しておりますが、増加したコスト分を受注価格に反映できなかった場合には、セック業績に影響が及ぶことがあります。

⑤先行投資の影響

セックは、これからも研究開発・製品開発投資、研究開発型ベンチャー企業への投資、事務所移転・拡張、社内開発環境の最新化などを実施してまいりますが、セックの計画どおりに投資効果が得られなかった場合や、投資先企業の経営が悪化した場合などには、セックの業績に影響が及ぶことがあります。

⑥取引先の事業再編や組織変更

セックの取引先において、グループ再編やM&Aなどにより経営体制が代わり、外注への発注方針が変更になった場合には、セックの業績に影響が及ぶことがあります。

⑦取引先の事業計画や研究開発計画の変更

セックの取引先自体の激しい競争や環境の変化を背景に、事業計画や研究開発計画の変更や中止が発生し、それに伴い技術者の稼働率が大きく変動した場合には、セックの業績に影響が及ぶことがあります。

⑧新しい要素技術の適用

セックの事業領域では、新しい要素技術を実装する案件が多く、経験に基づく見積が困難な難度の高い新技術の一括受託契約での見積を誤った場合には不採算になりがちで、逆に新しい要素技術の適用が減少した場合には、需要そのものが減少する可能性があり、セックの業績に影響が及ぶことがあります。

⑨公的セクターの予算変動や規制

セックの社会公共分野の事業領域では、公的セクターの予算の増減や規制が業績変動要因となっております。セックでは、社会公共分野での新事業領域への拡大に努力をしておりますが、予算削減や予算の執行が滞ると、セックの業績に影響が及ぶことがあります。

⑩競争入札の拡大

セックの公的セクターや大手民間企業の開発案件は、競争入札になります。セックでは、技術力を背景とした積極的な提案活動を展開しておりますが、戦略的な低価格での落札や失注した場合には、セックの業績に影響が及ぶことがあります。

 

 

 

(2) 主要取引先への依存度が高いことについて

セックでは、継続して営業活動を強化して取引先バランスの確保に努めてまいりますが、上位取引先の受注動向等によってはセックの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 需要構造の変化やイノベーションの停滞について

セックでは、創業以来、技術革新などによる需要構造の激変を何回か経験してきましたが、研究開発・製品開発活動によりニューエレメントを得て、それを核とした主体的ビジネスで業績成長を果たしてまいりました。今後も研究開発による変化先取りで対応していく方針ですが、需要構造の変化に対してセックが適切に対応できなかった場合やイノベーションが停滞した場合には、セック業績に影響が及ぶことがあります。


(4) 人材の確保について

セック成長の元は優秀な人材の獲得・定着にあります。セックでは、上場企業であることの信用力や知名度を活かし、また処遇面も向上させ、優秀な人材を獲得していく方針ですが、IT人材争奪戦の激化に伴い、こうした獲得策が成果に繋がらない場合、セックの更なる成長機会を逸する可能性があります。また、獲得した人材が定着しなかった場合、技術の伝承・再利用が途切れたり、プロジェクト編成に支障をきたしたりして、セックの業績に影響が及ぶことがあります。


(5) 安全衛生・労働災害について

セックは、従業員の安全、衛生及び健康の確保に向けて、労働安全衛生法その他の法令や通達の遵守など安全衛生管理に努めておりますが、プロジェクトに予期せぬ事態が発生して過大な勤務が続くなどで、精神性疾患や体調に不調をきたす従業員が発生し発病した場合、士気の低下や休職者・退職者の増加に繋がり、セックの業績に影響が及ぶことがあります。


(6) 優良な外注先の確保について

セックは、受注責任を全うできる範囲に外注範囲を限定することを基本方針として、業容の拡大、高収益の維持、受注弾力性の確保などを期して外注体制の強化を図っておりますが、優良な外注先が確保できない場合、セックの更なる成長機会を逸する可能性があります。


(7) 法令違反・内部統制について

セックでは、法令・規制要求事項やISO 9001、ISO 14001、ISO/IEC 27001、ISO 22301、JIS Q 15001、プライバシーマークなどを含め、広くお客様の要請を満たしていく経営をコンプライアンス経営と定義しておりますが、何らかの事故が発生した場合、セックの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、セックは効率的な内部統制の仕組みを構築しておりますが、何らかの財務報告上の指摘があった場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。


(8) セキュリティ事故について

セックは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001)や個人情報保護マネジメントシステム(JIS Q 15001)の認証、プライバシーマーク使用許諾を得て、サイバーセキュリティ経営ガイドラインに則り組織を挙げてセキュリティ事故の防止に努めておりますが、何らかのセキュリティ事故が発生し、信用の失墜による取引停止や賠償金の支払いなどが発生した場合、セックの業績に影響が及ぶ可能性があります。また、セキュリティ要求レベルの高い案件を受注する場合には、取引先から特別なセキュリティ設備の設置を要請されることもあり、その設備投資の金額によっては、セックの業績に影響を及ぼす可能性があります。


(9) 大規模な自然災害の発生や感染症の拡大について

セックは、事業継続マネジメントシステム(ISO 22301)認証を取得し、地震や台風などの自然災害、火災、テロなどの発生、感染症の拡大に備え、事業継続計画(BCP)を整備して被害の最小化を図っておりますが、社員や設備、取引先の被害状況によっては、セックの業績に影響を及ぼす可能性があります。


(10) 賠償責任の発生について

セックが提供した技術サービスの瑕疵が原因でお客様が経済的損害を被った場合に、損害賠償金等を請求されることがあります。セックでは、賠償責任保険に加入して備えておりますが、当該保険の免責事項に該当する、ないし支払限度額を超えた損害を発生させた場合には、セックの業績に影響が及ぶことになります。

 

(11) 売上高計上について

セックでは、請負契約案件について、案件毎に費消製造原価を発生主義で認識し、原価進捗率(費消製造原価の見積り総製造原価に対する割合)に応じて売上高を認識し、計上しております。

そのため、売上高の認識には受注総額と総製造原価の見積りが不可欠であり、契約・見積管理や計画管理を厳格に行うことが求められます。この受注総額と総製造原価の見積りを誤った場合には、請負契約案件の期末日時点の適時・適正な売上高計上が阻害される可能性があります。

 

セックは経営上の主要なリスクについて、毎年取締役会において棚卸を実施し、リスクを評価しております。

上記のリスクの中で、当事業年度末現在において特に重要な影響を与えうる可能性があるのは、需要構造の変化や上位取引先の受注動向の変化、問題プロジェクトの発生、大型プロジェクトの採算であると認識しており、対応をより一層強化してまいります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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