いい生活グループ(いい生活及びいい生活の子会社)は、「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」というミッションの実現に向け、「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」というビジョンを掲げ、不動産業並びに不動産市場におけるさまざまな課題を解決するシステム・アプリケーションを企画・開発し、サブスクリプション(継続課金モデル)で料金をお支払いいただくSaaS(Software as a Service)として提供することで、不動産業並びに不動産市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する事業を展開しております。
(1)クラウドソリューション事業の構成区分
① サブスクリプションサービス
不動産市場に必要とされる業務支援システム・アプリケーションをSaaSで提供するサービスであり、いい生活グループの主力サービスであります。当該サービスは、ソフトウェアをユーザーにパッケージとして納品するのではなく、インターネットを通じてアプリケーションを提供するクラウド・SaaSの提供形式をとっており、主要な顧客である不動産企業からは主にサービスの月額利用料(サブスクリプション)の形で対価を得ております。
上記のようなビジネスモデルにより、顧客にとっては次のようなメリットがあります。
・業務支援システムの導入/維持/管理等に係るコスト削減
・オンラインで提供されるアップデートプログラムによりシステムが常時進化
・法令改正等への対応にはスピーディにアップデートプログラムが提供されリスク低減
・自社でハードウェア設備等を保有する必要がなく、初期投資が僅少
・インターネットがあればどこでも業務ができ、リモートワーク等に最適
・情報漏洩リスクやサイバー攻撃に対応する最新のセキュリティ対策
サブスクリプションサービスにおける主なサービスのラインアップは下図のとおりです。なおBPaaS(Business Process as a Service)について、いい生活SaaSの導入後、継続的な運用支援の契約に基づき発生する売上高についてはサブスクリプションに含んでおります。
② ソリューションサービス
「ソリューションサービス」の区分には、主に次のようなサービスが含まれます。
・いい生活SaaSの初期設定料金
・いい生活SaaSの導入・運用支援(BPaaS)
・システム・アプリケーションの受託開発
・他社サービスの販売代理・取次
「いい生活SaaSの初期設定料金」につきまして、これはいい生活SaaSを新規に導入した顧客に対して、当該顧客用のログイン可能な環境を設定し、顧客が利用を開始した初月に課金されるスポットの利用料金であります。
「いい生活SaaSの導入・運用支援(BPaaS)」につきまして、これはいい生活SaaSの導入に際し既存システムからのデータ移行の支援や、RPA・ローコードツールの活用など業務全般の最適化支援を行うコンサルティングなど、いい生活SaaSの導入と合わせてご利用いただく付加的なサービスであります。なお既存システムからのデータ移行に際しては、そこに蓄積されたレガシーデータをよりアクセスしやすく、使いやすく、価値ある形式に変換・最適化するデータモダナイゼーション支援を合わせて行っております。これにより、いい生活SaaSを用いたデータ活用の高度化により有意義な洞察を引き出しやすくし、いい生活SaaSの活用効果および顧客のビジネス価値の最大化に寄与しております。
「システム・アプリケーションの受託開発」につきまして、これはいわゆる一般的なソフトウェアの受託開発ではなく、いい生活のクラウド上での提供を前提としたものであり、顧客側の他のシステムとの連携機能等、いい生活SaaSをより効果的にご活用いただくための付加的サービスとして提供しております。
「他社サービスの販売代理・取次」は、主に他社SaaSの販売手数料・紹介手数料等であります。電子契約ソリューション等の業界特化型でないBtoBクラウド・SaaSベンダーが主たる提携の相手先であり、顧客にとってはいい生活の不動産市場特化型SaaSとの併用が効果的であります。そのためこれら提携先の提供するサービス群についても多くの商談機会が継続的に発生しており、販売手数料・紹介手数料等がいい生活グループの収益に安定的に寄与しております。
以上のとおり、「ソリューションサービス」に区分される各サービスにつきましては、いい生活グループの収益の柱である不動産市場特化型SaaSのラインアップを補完するとともに、より幅広い顧客ニーズに応えていくためのサービス群であります。
主力であるいい生活SaaSについて引き続き機能開発・ラインアップ拡充を進め、より幅広い顧客に対して課題解決を訴求していく一方で、ソリューションサービスに区分される各サービスにつきましても、引き続き旺盛な市場の需要が存在しております。従いまして、今後も当該サービス群はいい生活の収益に安定的に寄与していくと考えております。
<補足:BPaaS(Business Process as a Service)について>
「BPaaS」につきまして、これはいい生活SaaSを導入した顧客に対して、SaaSの導入および運用を支援する各種のサービスを付加的に提供し、その導入効果を最大化するためのサービスであります。このBPaaSは顧客がいい生活SaaSを利用していることを前提としており、主に連結子会社である株式会社リアルテック・コンサルティングが、当該顧客にBPO(Business Process Outsourcing)やBPR(Business Process Re-engineering)等のサービスを提供しております。
株式会社リアルテック・コンサルティングに所属する、いい生活SaaSに精通したコンサルタント/オペレーターが、導入時のスムーズなデータ移行支援、稼働後のSaaSを活用した業務支援、関連したRPA/ローコードツール等の導入支援など、SaaSの付加価値を最大限に引き出す伴走型支援サービスを提供しています。
BPaaSはいい生活SaaSの利用を前提としていることから、クラウドを経由した時間/場所にとらわれないサービス提供、標準化されたオペレーションによる効率化、多くのユーザーの検証を経たベストプラクティスのノウハウ吸収など、単なるコンサルティング/オペレーション等の業務支援にとどまらない、高付加価値なサービス提供が可能になります。
こちらもコアとなるSaaSのユーザー数の増加に伴って、いい生活グループの第2の柱となる事業として引き続き旺盛なニーズが続いていくものと考えております。
(2)サービスの主な特徴
① 不動産市場に特化-市場特化型SaaS(バーティカルSaaS)の提供
いい生活グループのサービスは不動産市場を主なターゲットとしており、不動産業務や業界に特有なデータ特性等の業務知識をノウハウとして蓄積し、参入障壁の高い市場特化型クラウドソリューション(バーティカルSaaS)を志向しております。開発・セールススタッフ共に不動産業界の業務ノウハウに精通することで、顧客企業と密接かつ継続的な関係を構築・維持し、受注率及び継続率の向上を図っております。また、経営資源を集中投下することで市場における知名度の確立及び競争力の維持・向上を目指しております。
いい生活グループが不動産市場に特化する主な理由は、以下のとおりであります。
・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい
・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、多額の投資を必要としない「使う」システムが最適
・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウド・SaaSモデルに最適な市場特性
・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い
・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースが不可欠
・規制や法改正等への対応が求められ、進化するシステム(=SaaS)へのニーズが大きい
SaaSモデルは、これらの特性を持つ不動産市場にとって最適といえる仕組みであります。
② SaaSの安定性・堅牢性・可用性を支える優れたシステム基盤
いい生活グループは、企業ユーザー向けの保証・サポートのあるハードウェア・ソフトウェア製品を採用し、安定性・堅牢性・可用性の高いシステム基盤上でサービスを提供しております。顧客企業は、一社のみで実現するには高コストとなる優れたシステム基盤・プラットフォームを、SaaSの形態で共同で利用することができるため、自社保有(オンプレミス)の場合と比較して以下のような点でメリットがあります。
・短期間でのシステム導入
・導入に係る初期費用及び保守・運用の月次費用の低コスト化
・面倒なシステムメンテナンスから開放され、顧客本来のビジネスに集中できる
・自社で本当に必要とする機能のみを組み合わせて利用することが可能
・システムの導入・利用に柔軟性が持てるため、低コストで成果をあげることが期待できる
・大切なデータをクラウド上で保管することでBCP(事業継続計画)としても最適
・情報漏洩リスクや巧妙化するサイバー攻撃にも対応した最新のセキュリティ技術
一方、いい生活グループにとってもクラウド上で顧客企業向けシステム・アプリケーションを運用することで、継続的なシステム利用料収入が見込め、開発完了・納品で途切れることのない顧客との関係構築が容易になり、機能拡張や新機能の追加等、新たな顧客ニーズを掴むことが可能になります。
③ 不動産業務を網羅する、フルラインアップのサービスポートフォリオ(マルチプロダクト戦略)
いい生活グループの提供するSaaSは、「物件探し~契約~入居~退去」という一般的な住まい探しのプロセスにおいて、あらゆる場面でシームレスに利用されるサービスとなることを目指しております。
・賃貸物件の管理/付加価値向上(PM:プロパティ・マネジメント)
・不動産管理会社/賃貸仲介会社/家賃債務保証会社等、関連事業者間の物件情報/顧客情報の流通
・入居申し込み受付の電子化
・インターネットを活用したマーケティング(不動産ポータルへの広告掲載・自社ウェブサイト運営、等)
・入居者募集/営業活動(CRM:カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
・入居者/オーナーとのコミュニケーション(設備修繕・災害対応・保険対応・退去精算、等)
以上のとおり不動産業における業務領域は多岐にわたりますが、いい生活グループは全領域を網羅した統合型不動産業務支援SaaSを提供する唯一のベンダーとして、各業務領域で活用される物件情報データ・顧客情報データの「一元的管理」をその付加価値の源泉とし、業務のプロセスを全体として最適化しシームレスに統合するソリューションの提供を指向し、事業展開しております。
いい生活グループは、業務支援SaaSを媒介として、住まいとくらしにまつわるあらゆるデータが行き交うプラットフォームとなり、さらには、豊富なデータに基づき、多彩な取引・トランザクションが活発に展開されるマーケットプレイスとなることを目指してまいります。
いい生活グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においていい生活グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
①ミッションとビジョン
いい生活グループのミッションは、次のとおりであります。
「テクノロジーと心で、たくさんのいい生活を」
そのミッションの実現に向けて、いい生活グループは次のようなビジョンを持って前進してまいります。
「心地いいくらしが循環する、社会のしくみをつくる」
いい生活グループは、最新の情報技術を組み込んだシステム・アプリケーションを不動産市場向けに開発し、不動産市場にテクノロジーの力で新たな付加価値を創出することを目指しています。多くの不動産会社が業務の効率化を進めながら不動産物件情報の量的及び質的向上を図れるような仕組みを提供することで、市場における「情報」の量的及び質的改善を推進し、市場全体の効率性向上に貢献してまいります。また、不動産取引の一連のプロセスをデジタル化、DXを推進していくことで、不動産会社にとっても一般消費者にとっても利便性の高い取引を実現してまいります。不動産市場はIT化によって大きく進化する可能性を秘めています。いい生活グループは、全ての人の生活に直結する不動産市場をITの力でより良いものにすることで、社会に新しい付加価値を提供してまいります。
②経営方針
いい生活グループの経営基本方針は、不動産市場で必要とされるシステムをクラウド・SaaSとして開発、提供し、不動産市場向けSaaSのリーディングカンパニーとして確固たる地位を築くことであります。
いい生活グループは、不動産会社のビジネスの基幹である物件情報及び顧客情報の「一元的管理」を支援し、顧客である不動産会社が高度情報化する不動産市場に適応し、持続的な成長を続けていくための業務支援SaaSを提供する会社として、主導的地位を築いてまいります。
いい生活グループは、IT技術を活用して不動産市場における様々な課題を解決し、市場の全ての参加者に満足していただけるようなSaaSを提供することで、市場の健全な成長・発展に貢献し、長期的に持続可能な成長を目指してまいります。
いい生活グループは、事業そのもので社会課題の解決に貢献してまいります。2015年9月の国連サミットにおきまして、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であるSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択され、具体的な17のゴール・169のターゲットが設定されました。いい生活グループは、「変化をもたらす高度IT人材の創出」、「不動産業の発展を支えるIT技術基盤の創出」、「スモールビジネスの支援と地域経済への貢献」など、SDGsに沿った複数の具体的なマテリアリティ(重要課題)を定めております。これらのマテリアリティに沿って具体的な活動を行っていくことが、いい生活グループの事業成長においてもプラスの影響をもたらすとの認識のもと、重要な経営課題と捉えて引き続き活動に取り組んでまいります。
(2)経営戦略等
いい生活グループは創業当初より不動産市場に特化し、業務に精通した開発エンジニア及びセールスチームによる自社開発・直販体制を強みとして、不動産業共通の業務効率化ニーズ並びにIT化ニーズを集積しサービス化することで、ノウハウを蓄積してまいりました。今後も引き続き、主力サービスである不動産業務支援SaaSのマーケティング・セールス活動を推進し、顧客基盤の拡大を加速化させて行きたいと考えております。
今後、不動産情報の流通形態は、インターネット関連技術の進歩並びに消費者による情報ニーズが増大し多様化していくことに伴い、大きく変化していく可能性があります。いい生活グループは、いい生活グループの持つ不動産業務ノウハウ、アプリケーション開発技術及びインターネット技術を組み合わせていくことで環境の変化に対応し、消費者並びに不動産会社にとって最適な情報の利活用をITを通じて支え、不動産市場に欠くことの出来ない存在となることを目指しております。
いい生活グループの主な成長ドライバー(成長要因)は、SaaSの顧客毎収入(顧客単価)の増加と顧客数の増加であり、これらの要素をバランス良く伸ばしていくことが事業の成長及び発展にとって極めて重要であります。また、いい生活グループのSaaSはいわゆる売り切り型のソフトウェア販売とは異なり、一定期間の利用契約に基づく月額利用料金の形で提供を行っていることから、各顧客の利用継続期間におけるLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を伸ばしていくことも、同じく重要な成長ドライバーであります。
以上のような戦略に基づき、引き続きウェブセミナーを中心としたセミナーマーケティングによる優良リード(見込み顧客)の獲得、オンライン中心の効率的なセールス活動等を推進し、新規顧客の獲得を図ってまいります。加えて、新たなサービスの企画・開発、既存顧客へのアップセル/クロスセル、既存サービスの機能拡充・付加価値向上等により、引き続き顧客単価についても成長を目指してまいります。
また、現状比較的低水準で推移している顧客のサービス解約率に関しましても、引き続き丁寧なカスタマーサポートを継続し、顧客の業務に欠かせない市場に深く定着したサービスとして、解約率の最小化及びLTVの最大化を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
いい生活グループは成長途上の段階にあり、事業規模の拡大と利益創出基盤の拡大を指向しております。当面の指標としては売上高及び利益水準を重視し、増収増益基調を維持しながら、将来の更なる成長のための基盤づくりを推進していく所存です。
いい生活グループのコア事業であるSaaSの成長ドライバーは、「顧客数」及び「顧客単価(月額)」であります。中長期的には、「顧客数:5,000社」、並びに「顧客単価(月額):100,000円以上」を達成することを目標としております。
(4)経営環境
いい生活グループが特化している不動産市場の特徴、並びに不動産市場に特化している主な理由は、以下のとおりであります。
・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい
・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、投資を必要としない「使う」システムが最適
・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウド・SaaSモデルに最適な市場特性
・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い
・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースを構築・管理するシステムが不可欠
・インターネットを通じた自動機能アップデートにより、規制や法改正等への対応が容易
いい生活グループが推進するクラウド・SaaSモデルは、これら不動産市場を取り巻く様々な要因・特性の中において、大きな市場価値を生むものであると考えております。
また、その市場において不動産会社は以下のような経営課題に直面しており、いい生活が開発・提供するSaaSはそれらの課題を解決することを目指しております。
・不動産取引のデジタル化(VR技術を活用した内覧、IT重要事項説明、電子契約等)による利便性向上
・コロナ禍での「新常態」に対応した非対面営業の実現
・不動産物件情報、契約情報、顧客情報の一元管理を通じた利活用と業務効率の向上
・自社ウェブサイト等を通じた消費者向けウェブマーケティング強化による収益機会の向上
・不動産オーナーに対する資産運用管理サービスの強化
・情報セキュリティ、データ保全、事業継続計画への対応
・IT投資及びコストの最適化
・働き方改革推進に伴う業務見直しと省力化(不動産業における在宅業務の実現)
いい生活グループは、「不動産テクノロジー」領域のリーディング企業として、このようなニーズに対応する一連のシステム・アプリケーションを不動産会社にとってコスト効率性の高いSaaSで提供することで、不動産市場のIT化を推進しております。
いい生活グループが提供するSaaSは、インターネットがあればどこでも業務ができ、万全のセキュリティが確保され、サーバ等の初期投資が必要なくスピーディーに立ち上げ可能であり、不動産市場にとって最適といえる仕組みであります。上記のような市場分析に基づき、引き続きいい生活SaaSの販売拡大を主軸として、成長を目指してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
いい生活グループの課題としては、主に以下の4項目を認識しております。
①成長の原動力としての人的資本への投資
いい生活グループは顧客の課題を解決するITソリューションを提供しており、今後顧客基盤及び事業基盤を一層拡大していくうえで、人的資本こそが最重要経営資源であります。優秀な人財の採用及び教育による早期戦力化は、いい生活グループのような成長ステージにある企業にとって最重要課題であり、継続的な採用活動及び社内教育体制の整備に努め、今後の事業拡大局面において、機動的かつ迅速な事業展開を行い得る組織体制の整備に取り組んでまいります。
人的資本への投資、研修等への取り組みに関しては、ハラスメント研修、情報セキュリティ研修、インサイダー取引防止研修等のコンプライアンス系研修に加え(年1回の受講を必須)、スキル獲得につながるものとしては、業務に資する資格取得を会社が全面支援、受験費用全額と書籍購入費用(上限あり)を会社が補助する「資格取得支援制度」(資格数制限なし)を整備しており、各自の自発的な学びを促す仕組みを導入しております。
また、従業員が心身ともに健康かつ安全に仕事に取り組み、最大のパフォーマンスを発揮することが、企業としての成果を最大化し、成長・発展につながると考え、「健康経営宣言」を制定しております。健康診断受診率100%を目指し、ストレスコーピング等を学ぶヘルスマネジメント研修を年1回実施する等、人的資本のベースとなる一人一人の健康にフォーカスしたさまざまな取り組みを実施し、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に2020年より4年連続で認定されております。
②顧客数増加、ARPUの向上、LTV最大化
いい生活グループは、不動産市場特化型SaaSを提供するベンダーとして、いい生活SaaSを市場におけるデファクト・スタンダードとするべく、積極的な新規顧客獲得の営業活動に取り組んでおります。目指すべき経営目標として「①顧客数:5,000社」「②ARPU(平均月額単価):100,000円以上」を掲げ、業界特化型SaaSの特性に合った以下のような販売体制のもと、売上高の成長による増益を目指してまいります。
・ウェブセミナーを中心としたマーケティングによる、ピンポイントで効率的なリード(見込み顧客)の獲得
・インサイドセールスが中心となり電話やオンラインで継続コンタクト、リードナーチャリング(見込み顧客の
検討度アップ)
・フィールドセールスによる高精度・高効率なクロージング、スムーズな立ち上げの支援・カスタマーサクセス・
サポート中心の丁寧なサポートによる解約率低減、LTV(顧客生涯価値)の最大化
目下の新規顧客獲得の戦略としましては、不動産管理の領域を重視する戦略をとっております。特に中規模以上の不動産管理会社を重要なターゲットとして、「いい生活賃貸管理クラウド」を始めとするさまざまな不動産管理会社向けソリューションの新規顧客の開拓活動を行っております。不動産市場に流通する物件情報を、市場において最も正確に把握し、かつ最も大量に保有しているのは「不動産管理会社」であり、不動産市場におけるあらゆるビジネスの要に位置するキープレーヤーである、といい生活グループは考えております。従いまして、その要の不動産管理会社にいい生活SaaSを導入・定着させシェアを高めていくことで、その周辺に位置する不動産仲介会社等は各段に獲得しやすくなるもの、と考えております。いい生活グループは、以上のような戦略に基づき、引き続き積極的なマーケティング・セールス活動を展開してまいります。
③新サービス開発への取り組み
いい生活グループは、不動産市場特化型SaaSを提供する企業として競争力を維持向上させていくために不動産市場のニーズに対応した新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。
これら新サービスについては、既存顧客へ導入を訴求し追加契約として積み増していくこと(顧客単価増進)、並びに新規顧客の積極的な契約獲得をすること(顧客数増進)を軸に、セールス活動を推進していく所存であります。今後も不動産市場のシステムニーズをくみ取り、タイムリーにサービス開発に生かしていくことで、付加価値の高いSaaSを提供していく所存であります。
④サービス品質と情報セキュリティ管理に対する取り組み
いい生活グループは、不動産市場におけるクラウド・SaaSのリーディングカンパニーとして、かねてより自らが提供するITサービスの可用性、継続性を確保・維持するための対策を講じることは極めて重要な責務であると認識し、ITサービスマネジメントシステム(ITSMS)の構築とその運用に努めてまいりました。いい生活は「ISO/IEC20000-1」認証を取得しており、いい生活のITサービスマネジメントにおいて、適切かつ厳格な管理体制が整っていることが公的に評価されていることになりますが、今後も企業顧客向けサービス提供を行う企業として、サービス内容についてお客様にご満足いただけるよう、いい生活「ITサービス基本方針」に基づき、ITSMSの改善を続けていくと同時に、第三者視点を取り入れたサービス品質の向上を継続的に実施してまいります。
また、膨大かつ重要な不動産情報を、安全かつ適切に管理・運用するのはいい生活グループの責務であると認識し、いい生活はクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を取得しております。いい生活は本認証を維持することで、いい生活SaaSの信頼性を確保し、SaaS固有のリスク管理を強化してまいります。
さらに、顧客へのシステム・アプリケーションの提供にあたり、個人情報及び顧客情報、機密情報の取扱い及びセキュリティ体制の整備を引き続き推進していく所存です。情報の取扱いに関する社内規程の適切な運用、定期的な社内教育の実施、システム・プラットフォームの一層のセキュリティ強化、システム監査の強化、情報取扱いに関する内部監査等を推進するとともに、情報セキュリティマネジメントシステムの標準規格である「ISO/IEC27001」認証を維持してまいります。
いい生活グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を以下に記載しております。いい生活グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、いい生活の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当連結会計年度末現在においていい生活グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業環境について
①インターネットの普及について
いい生活グループが展開しているクラウドソリューション事業は、主にインターネットを利用する不動産業界の顧客を対象としており、顧客基盤拡大のためには、不動産の物件情報検索等においてインターネットを利用する消費者が増える必要があります。故にインターネットの更なる普及はいい生活が成長するための基本的な前提条件であると考えております。
これまでのところ、日本国内におけるインターネット利用状況は安定的に高水準で推移しておりますが、インターネットの普及に伴う弊害の発生及び利用に関する新たな規制の導入その他予期せぬ要因によって、今後インターネット利用者の減少及び利用コストの高騰等が起こった場合、いい生活グループの事業、財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。
また、インターネット上の情報通信、又は電子商取引が今後も広く普及し、インターネットの利用者にとって快適な利用環境が実現されることもいい生活の成長のための基本条件となります。こうした通信インフラ環境の向上が一般的な予測を大きく下回る場合、いい生活の事業環境及び前提条件に一定の制約が生じることとなり、いい生活グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。
②クラウド事業について
クラウドとは、システム・アプリケーションをインターネット経由で提供するサービスで、ソフトウェアの提供における新しい方法・概念として認知され、従来から「SaaS」とも呼ばれ、浸透が進んでまいりました。その一方で今後クラウドを扱う企業レベルの競争も激化する可能性があります。このような事業環境のもとで、サービスにおいて新技術への対応が思いどおりの成果をあげられない場合、顧客ニーズを正確に把握することができなかった場合、他社においてより画期的なコンセプトをもった商品・サービスが出現した場合、又はクラウド自体の需要がいい生活の予測を大きく下回る場合、いい生活グループの財政状態及び経営成績は悪影響を受ける可能性があります。
③競合による業績への影響について
いい生活グループは不動産業界のニーズに合ったシステム・アプリケーションを開発し、不動産業界向けにクラウド・SaaSとして提供しております。第三者が新たに不動産業界の業務ノウハウに精通した技術者、営業担当者を集め、いい生活グループと同様の事業モデルを構築するには時間的、資金的な障壁があるものと考えておりますが、いい生活グループと同等のシステムを再構築することは技術的に不可能とは言い切れず、また、資金力、ブランド力を有する大手企業の参入や全く新しいコンセプト及び技術を活用した画期的なシステムを開発した企業が出現した場合には、いい生活グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、インターネット業界の技術革新や新規参入等により、競争が一層激化した場合、いい生活グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
④技術革新への対応等について
いい生活グループはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われ、非常に変化の激しい業界となっております。このため、技術革新に対するいい生活の対応が遅れた場合、いい生活グループの競争力が低下する可能性があります。
⑤不動産業界の動向について
いい生活グループは、不動産業界の顧客向けに不動産業務支援システム等のシステム・アプリケーションを開発しSaaSとして提供する事業を展開しており、販売先も不動産業界の顧客に集中している状況にあります。不動産業界の中でも賃貸仲介、賃貸管理、売買仲介等、それぞれの業態にあったサービスを提供しておりますが、不動産業界全般の景気や、不動産業界におけるシステム投資の状況によって、いい生活グループの財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。
また、今後において、不動産業界に対する規制環境の変化や業界各社の対応に何らかの変化が生じた場合には、いい生活グループの事業にも影響が生じる可能性があります。
⑥法的規制について
現在、日本国内においてインターネットに関連する主要な法規制には電気通信事業法があります。いい生活は、顧客企業に対し「メール配信機能」を提供している事から、電気通信事業者の届出をしております。
その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方について現在も様々な議論がなされている段階であります。上記以外にいい生活が営む事業そのものを規制する法令はありませんが、今後、インターネットの利用者や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定されたり、既存の法令等の解釈が変更されたりした場合、いい生活グループの事業が制約される可能性があります。
また、不動産に関わる分野におけるインターネット上の情報流通や表示項目等が規制の対象になる可能性もあり、その場合にはいい生活グループの事業が制約される可能性があります。
(2)いい生活のシステム等に係るリスクについて
いい生活では、ネットワークのセキュリティに関してしかるべき方策を施し、更には個人情報漏洩に関する保険等に加入しておりますが、それらの対策を施してもコンピュータウィルス等の侵入やハッカー等による様々な妨害を原因とした損失発生の際に、それらをすべて補填できない場合があります。その場合、いい生活グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
①顧客サービス用システムの不具合(バグ等)発生の可能性について
一般的に、高度なソフトウェアにおいては不具合発生を完全に排除することは不可能であると言われており、いい生活グループが提供するSaaSにおいても、各種不具合が発生する可能性があります。今後とも信頼度の高いシステムの開発に努め、また契約において原則として免責事項を定めてはいるものの、特にインターネットを通じて提供されるいい生活のサービスに運用上支障をきたす致命的な不具合が発見され、その不具合を適切に解決できない場合、いい生活グループの信用、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
②自然災害、事故及びシステム等にかかるリスクについて
いい生活グループでは、顧客向けSaaS提供用のシステムインフラ基盤をIaaS環境上に構築、運用しております。当該IaaSについては外部IaaS事業者から調達しており、当該事業者が保守を行っておりますが、現時点において世界トップクラスの安定性・堅牢性を持つと考えられる事業者を選定しているものの、当該事業者の想定を超えるような地震・台風・津波又は火山活動等の自然災害や、事故・火災・テロ等により、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合には、いい生活グループの事業活動に支障をきたす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に見られるような伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック)によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても、いい生活グループの全従業員を対象とした在宅勤務(リモートワーク)の体制を構築済みであり、お客様からのお問い合わせ、サポートセンターに関しましても、従前と変わらないサービスレベルを維持できる体制が整っております。また、お客様へのご訪問やご商談につきましても、Web会議等の活用により、従前と変わらない営業活動を展開できる体制を整えております。
しかしながら、想定を超えるような流行により業務を適切に遂行できないような事態が発生した場合には、同様にいい生活グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③特定の外部IaaS事業者への依存にかかるリスクについて
当連結会計年度末時点でいい生活SaaSのサービスインフラ基盤につきましては、主として米国Amazon社の提供するIaaSであるAWS(Amazon Web Services)上での運用を行っております。なお同社とは良好な関係を保っており、今後の契約関係も安定して継続する見込みでありますが、今後何らかの理由により、同社とのIaaS利用に関する契約の解消や、契約内容の重大な部分に変更がある場合などには、いい生活グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また同社とは米ドル建てでの取引を行っていることから、今後急激な為替変動があった場合には、いい生活グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお為替リスクの低減手段につきましては、主として為替予約を中心としております。
(3)情報セキュリティ管理について
いい生活グループは顧客向けに顧客情報管理システムを提供しており、そのシステムの運用を通じて蓄積される個人情報等の管理に関して、顧客から委託を受けております。また自社運営サイトを通じて、顧客情報を取得することがあります。いい生活グループでは、社内基準に従い個人情報をはじめとする顧客の重要情報を管理し、その情報の外部漏洩防止に関して、情報資産に対するセキュリティ管理、情報管理に関する従業員への教育、外部委託先との機密保持契約などを行い、また、いい生活においては2009年5月に情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27001」認証を、並びに2017年9月にクラウドサービス情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC27017」認証を東京本社、大阪支店、福岡支店及び名古屋支店において取得しており、現時点までにおいて情報管理に関する重大な事故やトラブルの発生は認識しておりません。
しかし、これら顧客重要情報等が何らかの形で外部漏洩したり、不正使用されたりする可能性が完全に排除されているとは言えません。また、これらの事態に備え、個人情報漏洩に対応する保険等に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填するものではありません。従いまして、これらの事態が起こった場合、いい生活グループへの損害賠償請求やいい生活の信用の低下等によっていい生活の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、いい生活グループは個人情報保護法における個人情報取扱事業者に該当しており、同法の適用を受けております。
(4)事業体制について
①人的資本の確保について
いい生活グループは、サービスの開発業務において自社開発を基本原則としております。今後においても、現在の事業領域を中心に事業拡大を図っていく方針であり、いい生活グループのサービス戦略及び開発戦略等の業務遂行にあたり専門的な知識・技術を有した優秀な人財の確保が必要となります。いい生活において、これらの人的資本を拡充できない場合は、いい生活グループの考えるスピードでの効率的な事業展開に支障をきたす可能性があります。
②事業拡大に対する組織的な対応について
いい生活グループはまだ小規模な組織であり、内部管理体制もこれに応じたものになっております。今後、企業規模が拡大していくに従って、内部管理体制の更なる充実を図る方針でありますが、いい生活グループの事業拡大に即応して、適切かつ十分な組織対応が出来ない可能性があります。
今後の急速な事業拡大に備え、既存従業員の育成、採用活動による人員増強などの施策を講じるとともに、管理業務の効率化を図り、組織的効率を維持・向上させることが重要な課題となってまいります。これらの施策が計画どおりに進行しない場合、事業機会の逸失、業務品質の低下などを招き、いい生活グループの事業拡大及び事業運営に悪影響を与える可能性があります。
また、小規模な組織であるため、業務プロセスを特定の個人に依存している場合があります。今後、業務の定型化、形式化、代替人員の確保などを随時進める予定でありますが、特定の役職員に依存している業務の遂行が当該役職員の退職その他何らかの理由により困難になった場合、一時的にいい生活グループの業務運営に支障をきたす恐れがあります。
③知的所有権に関する訴訟の可能性について
いい生活グループで開発・設計しているソフトウェアやプログラムは、いわゆる「公知の基礎技術」を改良又は組み合わせることによりいい生活が独自で開発・設計しておりますが、意図せずに第三者の知的所有権を侵害している可能性があります。特に「ビジネスモデル特許」については、米国等において既に一般化していることや今後国内においても当該特許の認定が進むと予想されることから、これら知的所有権等への対応の重要性は増大すると考えております。
現在のIT分野における技術の進歩やビジネス・アイデアの拡大のスピードは非常に速く、予想が困難であり、また、現在の特許制度のもとでは調査の限界もあるものと考えられます。
過去もしくは現時点におきましては、いい生活グループが第三者の知的所有権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、今後、いい生活グループの事業分野でいい生活の認識していない特許等が成立していた場合、又は新たに成立し第三者の知的所有権を侵害した場合には、損害賠償やロイヤリティの支払い要求、差止請求等により、いい生活グループの事業に何らかの悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)商標権の管理について
いい生活グループは、新たなサービスを開始する際には、サービスの名称等について商標の出願、登録を行うか、又は商標登録には馴染まない一般的な名称を使用する等、第三者の商標権を侵害しないように留意しております。
過去において提供したサービスの名称の一部においては、第三者が類似商標を登録している等の理由により、商標の登録が承認されていないもの、又は登録未申請のものがありますが、これらについてはいい生活グループとして適切な対応を行っているものと認識しております。
過去もしくは現時点におきましては、いい生活グループが第三者の商標権を侵害したことによる損害賠償等の訴訟が発生している事実はありませんが、いい生活グループの調査内容が十分である保証はなく、いい生活グループの見解が常に法的に正当であるとは保証できません。万一、いい生活グループが第三者の商標権等の知的財産権を侵害していると認定され、その結果、損害賠償請求、差止請求などがなされた場合、又は、当該事項によりいい生活の信用力が低下した場合には、いい生活グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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