大和コンピューター(3816)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 大和コンピューターグループは、大和コンピューター及び連結子会社3社により構成されており、情報システムの構築・稼働までを事業領域とする「ソフトウェア開発関連事業」と、SaaS型ソフトウェアサービス等を事業領域とする「サービスインテグレーション事業」を主な事業としております。 従って、大和コンピューターグループは、「ソフトウェア開発関連事業」及び「サービスインテグレーション事業」を報告セグメントとしております。 具体的な事業の内容は、以下のとおりであります。 (1)ソフトウェア開発関連事業 顧客より請け負った受託開発業務を中心に、システム/ソフトウェアの設計・開発・導入、保守などのサービスを提供すること、及びソフトウェア開発プロセスの改善・CMMI導入コンサルテーションを提供することで、顧客の企業活動をサポートしております。 (2)サービスインテグレーション事業 SaaS型によるソフトウェアサービスの提供、及び関連するシステム/ソフトウェアのコンサルティングから設計・開発・導入、保守、ハードウェア販売/導入、サプライ供給などにより、導入システムや企業活動をトータルにサポートしております。子会社である㈱フィット・コムは全てサービスインテグレーション事業であります。 (3)その他 システム販売としては、各メーカーのソフトウェアからハードウェアまで、最適な構成による迅速な顧客への提供を行っております。 また、農業に関する活動としては、静岡県袋井市及び滋賀県近江八幡市にて農作物の生産・加工・販売等を行っております。なお、子会社である㈱ルーツ及び浅小井農園㈱は全て農業に関する活動であります。 [事業系統図]事業の系統図は、次のとおりであります。
有価証券報告書(2025年7月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】大和コンピューターグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において大和コンピューターグループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 《理念》 大和コンピューターグループの経営理念の根幹は、「和の魂」にあります。「和の魂」とは、お互いが持つ個の力を連携し、それを組織の力にしていく「和の精神」であります。「安心」、「安全」、「信頼」という絆作りを追求し、魅力ある会社を創造し、会社の発展と社会に貢献してまいります。魅力ある会社とは、「商品・サービスを買いたい」、「取引したい」、「勤めたい」、「投資したい」会社であります。 1)ミッション ① 「より良いソリューション・顧客満足度の高い製品・サービス」を提供します。 ② 世界に通用する「P(人・プロセス・プロダクト)」により社会に貢献します。 ③ 「ダイヤモンド経営」を実践します。 2)ビジョン ① 高付加価値を創造する企業を目指します。 ② 社員満足度の高い会社を目指します。 ③ 社会に認められる製品・サービスの開発・創出を目指します。 3)バリュー 品質・環境・技術のバランスを考え、本質を追求した事業を行います。 ① 「品質」:品質第一主義に徹した高品質なシステム開発を行い、お客様の信頼に応える事業活動を推進します。 ② 「環境」:環境への配慮とは何か、その本質を追求し、地球環境保全に配慮した事業活動を推進します。 ③ 「技術」:時代のニーズに合う最適・最先端の技術を取り入れ、さらに、新たなるチャレンジに踏み出すため「半歩先」の技術を習得する努力を続け、お客様が安心できるサービスの提供を目指し、事業活動を推進します。 (2)目標とする経営指標 大和コンピューターグループは、売上総利益及び営業利益を経営指標の一つとしており、適正な利益の確保と継続的な拡大を経営目標としております。 (3)中長期的な会社の経営戦略 大和コンピューターは、2030年7月期を最終年度とする中期経営計画「DCX 2030」(Daiwa Computer Transformation 2030)を策定いたしました。本中期経営計画は、創業50周年を迎える2027年を一つの節目と捉え、第二創業期としての変革を推進する事を目的としております。 この「DCX 2030」を実現するべく、下記の3つの成長戦略の軸を設定し、中長期的な成長に向けて事業と人材への投資を積極的に実施いたします。 1)事業基盤の強化・再構築 ① AI(*1)利活用によるソフトウェア開発の生産性の向上。 ② ソフトウェア開発に関するプロジェクトマネージャー人員の増加。 ③ 自社クラウドサービスやスマート農業への資本投下を強化。 2)ソリューション提案の推進 ① パートナー企業と共に顧客課題解決に向けた高付加価値のソリューション提案を拡大。 企業のDX(*2)化やシステム刷新の需要継続・拡大へ更なる対応を可能にする体制構築。 ② NFC(*3)を活用したマーケティングツールを起点に、新規顧客基盤を拡大。 3)人的資本への積極投資 ① 高品質なサービスを開発できる社内教育制度の再整備。 ② 従業員エンゲージメントを高め、業績や労働生産性の向上。 ③ 従業員スキルの可視化。必要スキルへの戦略的投資。 ④ 快適なオフィス環境整備と働きがい溢れる職場づくり。 (4)会社の対処すべき課題 「DCX 2030」に基づき、大和コンピューターは以下の課題に重点的に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を目指します。 1.既存事業の深化と重点注力事業の拡大 大和コンピューターは、長年にわたりソフトウェア開発を中核事業として、製造・流通・サービス分野を中心に高品質なシステムを提供してまいりました。今後もこれらの分野において、顧客ニーズの高度化に対応し、安定的な収益基盤の維持・強化を図ってまいります。 一方で、クラウドサービス、スマート農業(i-農業®)(*4)などの事業領域においては、社会課題の解決と技術革新の両立を目指し、ソフトウェア開発に並ぶ収益の柱として拡大を進めてまいります。 1)ソフトウェア開発① 既存取引先との良好な関係をさらに深化させ、協業体制の強化を通じて事業の拡大を図ります。② 多様な案件に対応可能な高度な技術力を持つエンジニアの育成を推進します。③ 生産性向上を目的として、生成AIの利活用を積極的に進めます。 2)クラウドサービス① 利用者に選ばれ、継続的に利用される価値あるサービスの提供を目標に、サービスの魅力向上と他社サービスとの差別化を追求します。② 認知度向上を目的に営業施策を再構築します。③ 安心、安全な利用環境の提供に向けて、サービス基盤の強化を進めます。 3)スマート農業① 農業の生産性、安定性、持続性の向上を目的とし、情報通信技術(ICT)を活用した製品・サービスの開発を推進します。② スマート農業事業の拡大に向けて、投資効果の高い設備投資を戦略的に実行します。 2.人的資本への投資 IT業界において競争力の源泉は人材であり、大和コンピューターは高度な技術力と業界知識を持つ人材の育成に注力しております。次世代人材の育成、働き方改革、キャリア形成支援などを通じて、人的資本への投資を加速させ、組織力の向上を図ってまいります。 1)これまで新卒採用を中心にエンジニアの育成を進めてまいりましたが、今後は人材確保手段の多様化を図り、即戦力となる中途採用の強化に取り組みます。 2)人材育成のさらなる強化を目的として、積極的な教育・育成投資を実施します。 3)これらの人的資本への投資を実現するため、人事制度をはじめとする各種制度の改善を実施します。 3.AI関連事業への取り組み 1)生成AIを利活用できるエンジニアの育成を推進します。 2)自社サービスの魅力向上を目的に、AI機能を積極的に導入します。 3)生産性向上を図るため、生成AIの利活用を全社的に促進します。 4.RFID(*5)を用いたサービスの更なる展開 NFCを活用した大和コンピューターのマーケティングサービスを起点に、新規顧客基盤の拡大を加速します。 (5)その他、会社の経営上重要な事項 該当事項はありません。 *1.AI(人工知能:Artificial Intelligence) 人間の知的行動を模倣する技術であり、学習、推論、判断を行う能力を持つコンピュータープログラムとして、近年、様々な分野で利活用されています。 *2.DX(デジタルトランスフォーメーション) 既存のビジネスから脱却して、IoTやAIなどのIT技術を活用することによって、新たな価値を創出すること。 *3.NFC(Near Field Communication) RFIDの一種で、近距離での無線通信を行う技術です。主にスマートフォンや交通系ICカードでの非接触決済に利用されています。 *4.スマート農業 ロボット技術や情報通信技術 (ICT)を活用して、省力化・精密化や高品質生産を実現する等を推進している新たな農業。 *5.RFID(Radio Frequency Identification) 微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組み。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】 大和コンピューターの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下の通り記載しております。大和コンピューターはこれらリスクの発生を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、大和コンピューター株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものでありますが、以下の記載は大和コンピューター株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありません。 (1)事業環境等 日本の経済情勢は、国内での経済活動の活発化によって、景気は緩やかな回復が期待される状況が続きました。一方でエネルギー価格の高止まりや金融資本市場の変動、地政学的リスクの変動による影響、また米国新政権による経済・外交政策の世界経済に与える影響に加え、国内では物価上昇の継続に対する懸念がありました。これにより、個人消費の抑制や、海外における社会・経済活動の停滞による企業収益への影響が増し、景気減速懸念が高まる状況にあります。 情報サービス産業においては、企業のIT投資意欲は幅広い業種にわたり、新しい戦略的で厳選されたIT需要や働き方改革・人手不足への対応やデジタル化による自動化・効率化・省力化等システム投資への需要は堅調に推移しました。 このような状況の中、大和コンピューターグループは引き続き新分野への受注活動にも注力しつつ、更なる採算性の重視、ISO9001(*1,2)、CMMI(*3)を基準としたプロセス改善による生産性・品質の向上及び高度化する技術に対応すべく技術者の教育に努めております。しかしながら、取り扱う技術や顧客ニーズの変化など大和コンピューターを取り巻く事業環境が急激に変化した場合、大和コンピューターグループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 *1.ISO 品質・環境等マネジメントシステムに関わる国際標準規格。*2.ISO9001 1987年に制定され1994年、2000年に改訂された品質マネジメントシステムに関わる国際標準。*3.CMMI 1999年、米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が開発したソフトウェア開発プロセスの能力成熟度を評価・判定するモデル。 (2)受託開発案件について 大和コンピューターグループが行う受託開発においては、次のような事態により経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。① 大和コンピューターグループの想定を超える納期や検収時期の変更によりプロジェクトの収支が悪化したり、売上計上の遅延により大和コンピューターの業績に影響を及ぼす可能性があります。② 業務の請負に際しては、各工程毎に見積りを行いますが、案件が大型化することに伴い、すべてのコストを正確に見積ることの困難さが増し、そのため、実績額が見積り額を超えた場合には、低採算又は採算割れとなる可能性があります。③ 品質管理には万全を期しておりますが、想定外の不具合が生じた場合、損害賠償の発生やその後の事業活動への影響、販売先あるいはユーザーの信頼を喪失する可能性があります。④ 受託開発案件の一部について外部の協力会社に外注を行っておりますが、何らかの影響で外注体制に支障をきたした場合、大和コンピューターの業績に影響を及ぼす可能性があります。 このため、ISO9001及びCMMIに基づく開発プロセス管理、改善によりその品質・納期・コスト・リスク等プロジェクトの管理を徹底しております。また、経営陣と各部門の責任者が、適時リスクの高い案件への対応方針を協議し、決定しております。更に、売上後の追加原価の発生に備えて、プログラム保証引当金を計上しております。 (3)主要取引先との取引について 大和コンピューターグループの主要取引先であるSCSK㈱、㈱大塚商会の最近2期間における大和コンピューターグループ売上高に占める割合は、それぞれ2024年7月期(37.6%、22.1%)、2025年7月期(31.1%、20.0%)となっております。 現状では、両社との取引は安定的に推移しておりますが、今後両社の事業動向によっては、大和コンピューターグループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 これらの対応策は、次のとおりであります。① 取引先に特化したサービスの提供と開発効率化を図ります。② 多種多様なニーズに応えるべく、技術者のマルチスキル化を図ります。③ 得意業種に特化した戦略の下、技術者のスペシャリストの育成を図ります。 (4)情報管理について 大和コンピューターグループは、事業活動において、顧客の機密事項を取り扱う場合があります。現在まで、顧客の機密情報の流出による問題は発生しておりませんが、今後不測の事態により、顧客の機密情報や個人情報の漏洩に類する事態が生じた場合には、信用失墜や損害賠償により、大和コンピューターグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 このため、大和コンピューターグループでは、ISO27001(ISMS)(*4)の認証取得、プライバシーマークの付与認定取得による情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。また、情報漏洩、不正アクセスの増加などの社会情勢及びテレワークに対応すべく、継続的に開発環境、製品サービス環境、設備などのセキュリティ強化、情報セキュリティ教育を実施しております。 *4.ISO27001 2005年に制定された情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際標準規格。企業が自身の情報セキュリティを確保・維持するために、ルールに基づいたセキュリティレベルの設定やリスクアセスメントの実施等を継続的に運用する仕組みです。 (5)優秀な人材の確保と育成 大和コンピューターグループにおいては、事業活動において顧客の高度で高品質のニーズに応えるべく、優秀な技術者の確保が必要なものと認識しております。また、情報サービス業界に関わる労働市場の逼迫により大和コンピューターグループが必要とする優秀な人材が適時に確保できない場合、大和コンピューターグループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 このため、大和コンピューターグループでは、人材の育成と実務能力の向上を目的として、様々な教育制度を実施するとともに、パートナー政策により継続的に人材の確保を行っております。また、「Daiwa Computer 未来プロジェクト」(*5)の具現化により人財価値の向上に努めるとともに、大和コンピューターグループ社員のキャリアプラン・教育全般を支援することを目的に2022年2月に「人材育成センター」を設置いたしました。そして、さらなる人材育成強化に向けて、次世代管理職/リーダー育成、及び職務階層別研修制度やジョブローテーション等の仕組みの構築に継続的に取り組んでおります。また、保有スキル、プロジェクト参画情報等の情報を一元管理し人材の育成、活用に取り組むことを目的に人材マネジメントシステムの導入を進めております。 *5.Daiwa Computer 未来プロジェクト 「設立50周年(それ以降)に向け、大和コンピューターの持続可能なビジョンを次世代メンバーにより検討し、素案を策定すること」「ビジョン策定プロセスを通じて、ビジネスとマネジメントを学び、組織とのエンゲージメント(一体感)を高めること」を目標観とした大和コンピューターの取組み。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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