アステリア(3853)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】 アステリアグループは、1998年の創業以来「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、ソフトウェア技術とインターネット技術を中核とした様々な「つなぐ」ニーズに応えるソフトウェアの開発と販売およびそれに付帯する事業を行っています。 (1)アステリアグループの事業内容について アステリアグループは、企業情報システム、クラウドサービス、デジタル機器などを「つなぐ」ためのソフトウェアを開発し、市場に提供しています。その中でも、アステリアグループは個別の企業向けのソフトウェア開発を行う「受託開発」ではなく、不特定多数向けのパッケージソフトウェアやクラウドサービスを提供する「製品開発」を行っています。アステリアグループの事業は、「ソフトウェア事業セグメント」、「投資事業セグメント」の2つの事業で構成されます。〔ソフトウェア事業〕 本事業は、3つの主力製品と、新たな領域に向けた新製品・新サービスで構成されます。 <3つの主力製品> ・データ連携ミドルウェア※「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)シリーズ ・デジタルコンテンツプラットフォーム「Handbook」(ハンドブック)シリーズ ・モバイルアプリ作成ツール「Platio」(プラティオ)シリーズ <新領域の製品・新サービス> ・ドラッグ&ドロップ操作のノーコード アプリ開発ツール「Click」 ・フィジカルAI領域のAI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」(グラビオ) ・ロボット開発環境シミュレーション・プラットフォーム「Artefacts」(アーテファクツ) ・ステーブルコイン決済ゲートウェイ「JPYC Gateway」 ・生成AI導入支援コンサルティングサービス「AI活用変革センター」(AITUC) 「ASTERIA Warp」の売上は、主としてライセンス※とサブスクリプション※で構成されるソフトウェアの利用対価売上とサポート(保守)売上によって構成されています。「Handbook」、「Platio」、「Platio Canvas」、「Click」、「Gravio」、「Artefacts」および「JPYC Gateway」の売上は、サブスクリプション型です。「AI活用変革センター」は、コンサルティング・トレーニングの対価による売上です。〔投資事業〕 投資事業は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.(以下AVF)が管理する投資を行っています。AVFの投資対象は、ソフトウェア事業の研究開発投資対象である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design)に絞り、単なる投資リターンのみならず中長期的なシナジーも企図した投資を実行しています。 (2)アステリアグループの主要なソフトウェア製品 ①「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)シリーズ アステリアグループの主力ソフトウェア製品「ASTERIA Warp」は、アステリアグループが独自に設計・開発を行ったノーコード企業向けデータ連携用ミドルウェア製品で、汎用のデータ連携機能をパッケージで提供することにより企業内外に存在するシステム間のデータ連携を簡単・迅速に実現する製品です。企業内外のデータ連携、クラウドサービスとのデータ連携などの用途に使われており、国内EAI/ESB市場において19年連続シェアNo.1(テクノ・システム・リサーチ「2025年ソフトウェアマーケティング総覧 EAI/ESB市場編」)を獲得し、累計導入企業数は10,000社を超えています。 ②「Handbook」(ハンドブック)シリーズ 「Handbook」シリーズの最新版「Handbook X」は、従来販売してきた「Handbook」の次世代版として2022年2月に提供を開始したデジタルコンテンツプラットフォームです。スマートデバイス(スマートフォンやタブレット)上で稼働する「アプリ」だけで稼働し、PDF、写真、動画、Webサイトなど多種多様な情報を「ブック」と呼ぶ単位で登録・整理・配信・共有することができます。多様化する働き方や営業現場の変化に対応する商談支援・情報共有アプリとして、多くの企業・団体で活用されています。 ③「Platio」(プラティオ)シリーズ 「Platio」は、ノーコードでモバイルアプリを手軽に短期間で作成することができるサービスです。「Platio」は、アプリを開発するクラウドサービス「Platio Studio」と、アプリを配布実行する「Platioアプリ」で構成されています。「Platio Studio」は、豊富なテンプレートと柔軟なカスタマイズ機能に加えてAIでアプリを生成する「AIアシスタント」機能を備えており、業務現場に適したモバイルアプリを簡単に制作できます。 「Platio Connect」は、「Platio」にデータ連携機能を加えた製品で、モバイルアプリと既存の社内システムやクラウドサービスと連携が可能です。 「Platio One」は、ユーザー企業が制作したアプリを再販売できる製品です。 「Platio Canvas」は、エンタープライズ企業の大規模・複雑な開発ニーズに応える、ノーコードアプリ開発プラットフォームです。システム開発におけるスピード、柔軟性、セキュリティ、拡張性を高次元で両立し、社内業務の効率化からBtoC向けアプリ開発まで幅広く対応します。 ④「Click」(クリック) 「Click」は、プログラミング不要で、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でアプリを作成・運用できるクラウド型のノーコードアプリ開発ツールです。数日でリリースできるスピードと高い自由度により、社内DXの推進や新規サービスの立ち上げを支援します。 ⑤「Gravio」(グラビオ) 「Gravio」は、AIを搭載し、様々な現場でのセンサーやカメラの効率的なデータ収集と活用をノーコードでシンプルに実現することのできるエッジコンピューティング※用データ連携ツールです。複数現場の様々な情報をノーコードで収集・統合し、クラウド活用や各種サービスへの連携までをワンストップで実現します。既存のPC運用における知見や情報リソースを最大限に活かしながら、先進のIoTソリューションを手軽に実現し、運用、管理、保守が容易でかつ高いセキュリティを実現しています。 ⑥「Artefacts」(アーテファクツ) 「Artefacts(アーテファクツ)」は、ロボットアプリケーション向けの継続的シミュレーションプラットフォームです。物理的な環境を用意せずに、初日からバーチャル環境での稼働テストを実現でき、開発期間やコストを大幅に削減します。特に宇宙空間や大型建築物など再現が難しい環境でのシミュレーションに適しており、開発工数を98%以上、コストを50%以上削減、期間は数ヶ月から最短1日へ短縮可能です。 ⑦「JPYC Gateway」(ジェイピーワイシー ゲートウェイ) 「JPYC Gateway」は、円建てステーブルコイン「JPYC」を企業の財務・会計フローに組み込むための、ブロックチェーン技術を意識させずに利用できる企業向け決済インフラです。既存の企業システムとWeb3/ステーブルコインによる新しい決済の世界を「つなぐ」ことで、企業のデジタル金融への対応を支援します。 ⑧AI活用変革センター(AITUC) 「AI活用変革センター(AITUC)」は、生成AIのビジネス活用や自社専用の生成AIシステムの構築を支援するAI導入支援コンサルティングサービスです。AIエンジニアの育成から、AIシステムの導入・運用までをトータルにサポートし、企業におけるAI活用の実効性を高めます。 (事業系統図) 〔用語解説〕 ここに示す用語解説は、本書内で使用する用語の意味を説明するものであり、必ずしも一般的な用法用例を包含するとは限りません。用語解説・定義DX〔Digital Transformation〕デジタル技術やサービスによってビジネスや生活をより良い方向に変革すること。IoT〔Internet of Things〕インターネットに接続されるあらゆる「モノ」。アプリ〔Application〕元来アプリケーションの略語だが、現在は特にスマートフォンやタブレットのアプリケーションを指す。エッジウェア〔Edgeware〕エッジコンピューティング用のミドルウェア。クラウドに接続することなくエッジのみでも稼働する。(アステリアの造語)エッジコンピューティング〔Edge Computing〕コンピュータネットワークの周縁(エッジ)部分でデータを処理する分散コンピューティングの概念。クラウド〔Cloud〕企業が、ハードウェアやソフトウェアの資産を自前で持たずにインターネット上に存在するハードウェアやソフトウェアを必要に応じて利用する形態。サブスクリプション〔Subscription〕商品やサービスを月額(年額)課金で提供する形態。一括支払(売り切り)となるライセンス版とは対称的に、利用料金が継続的に計上されるので、サブスクリプションの販売比率が高まることで業績の安定化を図ることができる。スマートデバイス〔Smart Device〕スマートフォンをはじめ、タブレット型コンピュータなど、キーボードを持たない高性能モバイル・コンピュータ。必ずしも電話機能を持つ必要はない。ステーブルコイン〔Stablecoin〕法定通貨(円・米ドル等)などに価値を裏付けられ、価格変動を抑えるように設計されたデジタル通貨。ブロックチェーン上で発行・流通する。生成AI「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種。AIを用いてクリエイティブな成果物を生み出すことができるのが特徴。ノーコード〔No code〕ソースコードを書かなくてもソフトウェアやアプリ等の開発・作成ができる仕組み。プログラミング言語に関する専門知識がなくても手軽に取扱うことができる。ブロックチェーン〔Blockchain〕ビットコインの取引を記録する仕組みとして生み出されたデータ管理基盤。一定の記録を格納したブロックが鎖のように幾重にも連なっていることからこの名称がつけられた。分散して存在する複数のコンピュータ(ノード)が同じデータを保管して相互に通信しながら管理されるので、一度登録されたデータは改ざんできないことが最大の特長。金融領域以外でも、公正な履歴の担保が求められるトレーサビリティなどのテーマでも利活用が期待されている。ミドルウェア〔Middleware〕複数のソフトウェアの中間に位置し相互の連携を司るソフトウェア。ライセンス〔License〕月額課金等で継続的な支払いが必要になるサブスクリプションとは対称的に、ソフトウェアなどを一括支払(売り切り)で販売する形態。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 アステリアグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてアステリアグループが判断したものであります。(1)経営方針 アステリアグループは、「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを使命(ミッション)としています。そのために、アステリアグループ自体が「『つなぐ』エキスパート」として社会的な価値を生み出し、社会に貢献することを目指しています。 また、アステリアグループは「『売上収益』はアステリアグループが社会に生み出した価値、『利益』はアステリアグループが生み出した価値と消費した価値の差分」との考え方を基本に、社会的価値の提供を通じて企業価値の増大に努めてまいります。(2)経営環境、戦略 アステリアグループは、創業時より「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを事業のミッションとして掲げています。世界で通用するソフトウェアとは、米Microsoft社や米Google社のソフトウェアなど世界の大半の国や地域で使われるソフトウェア(サービス含む)を指し、アステリアグループはかかるミッションの実現のためのソフトウェアの開発と販売を基本的な事業としています。アステリアグループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行う必要があり、そのために将来有望な新規技術に関する研究開発が必要です。そして、このような研究開発には先行投資が必要となります。アステリアグループがこれから世界市場での展開をより具体化させていくにあたり、研究開発のスピードも競合他社と同等又はそれ以上のものが必要となるため、以下に記載の重点技術領域における、現行製品・サービスの次世代版、ブロックチェーン、フィジカルAIなどに関連する製品化を推進しています。 アステリアグループは、これからの投資分野として4つの”D”「Data(データ)」、「Device(デバイス)」、「Decentralized(分散化)」及び「Design(デザイン)」の領域を対象とすることとしています。クラウドをベースとしたビジネス基盤が構築される現代において、アステリアグループがこの4つの”D”を加速させるソフトウェアを提供してまいります。<「Data(データ)」データのみがIT資産になる> クラウドによって、ハードウェアもソフトウェアも企業のIT資産ではなくなり、データのみが企業のIT資産となります。そして、近年では、生成AIの進化により、データの価値はさらに高まりつつあります。アステリアグループでは、データ連携基盤「ASTERIA Warp」をはじめとする製品により、これらの技術をつなぐことで、企業の価値向上に貢献してまいります。<「Device(デバイス)」デバイスが不可欠なインフラになる> インターネットが始まって以来初めて、コンピュータよりIoTなどの周辺機器の接続数が増える時代になります。アステリアグループでは、「Handbook X」や「Platio」によるスマートデバイスへの対応や、「Gravio」や「Artefacts」でフィジカル機器をつなぐことで、新たなデバイスを活用するシステムの価値向上に貢献してまいります。<「Decentralized(分散化)」分散して協調ができるようになる> クラウドの普及が進展し、非中央集権型のシステムが構築可能となります。ブロックチェーン技術を活用することで、これまでは不可能だった非中央集権型組織のサービスも構築が可能となり、アステリアグループでも「JPYC Gateway」などステーブルコインを企業システムとつなぐサービスを提供し、未来型社会の実現に貢献してまいります。<「Design(デザイン)」機能ファーストからデザインファーストへのシフトが起こる> デジタルサービスの高度化と利用者ニーズの多様化により、従来の機能重視の開発から、ユーザー体験を最優先する「デザインファースト」への転換が進んでいます。アステリアグループでは、「ノーコード」をはじめとするユーザー視点に立脚した製品デザインを重視し、ユーザー体験の質的向上に貢献してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 アステリアは、2025年3月期から2029年3月期までの期間を中期経営目標期間と位置づけ、売上収益および利益の持続的な拡大を定量的な経営目標として設定しております。 主たる指標である売上収益については、既存事業からのオーガニック成長を前提に、年平均8~12%の成長率を目標としています。加えて、戦略的M&Aによる非連続的な成長の機会も検討対象とし、成長率の上振れ余地を確保する体制を整えております。 利益指標としては、中期経営目標の最終年度(2029年3月期)において、調整後EBITDA率25%の達成を目標としています。売上収益の拡大に向けた成長投資を実施しつつ、収益性の改善とバランスの取れた利益構造の確立を図ってまいります。 また、アステリアでは、継続的な収益基盤の構築を重視しており、サブスクリプションおよび保守サポート収入を安定収益として位置づけております。これらの売上高を四半期ごとに開示しており、当該数値をもって、ストック型ビジネスの拡大状況および収益の安定性を判断するための客観的な指標の一つとしております。今後も継続収益の拡大を重要な経営目標と捉え、施策を推進してまいります。 株主還元については、一過性損益を除いたベースで連結配当性向30%を中期目標とし、累進的な配当を基本方針としています。自己株式の取得に関しては、資本効率や事業投資機会等を総合的に勘案の上、必要に応じて実施する方針です。(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 アステリアグループは、創業以来培ってきたソフトウェア技術を中核に据えつつ、AI、ロボティクス、デジタル通貨といった成長領域へと事業領域を戦略的に拡大してまいりました。今後、変化の激しい市場環境に柔軟に対応し、さらなる成長を力強く実現していくために、以下に掲げる重点分野への取組を一層加速させてまいります。 ① コーポレート・ガバナンスのさらなる高度化 アステリアは創業時より一貫して社外取締役を2名以上選任し、また2015年6月以降は社外取締役を過半数の構成とし、社外の目と知見による意思決定と執行の監督を実行しております。今後も株主との建設的な対話や構成の多様性を重視した取締役会構成を継続するとともに、事業領域の拡大に伴うリスク管理体制の強化や、グループ会社・投資先を含む内部統制の高度化にも取り組み、コーポレート・ガバナンスの質的向上に努めてまいります。 ② ソフトウェア・ハードウェア事業における新たな市場機会の創出 アステリア製品による売上収益のさらなる拡大に向けて、具体的なユースケースの提案を通じて市場ニーズに的確に応え、各分野で確固たる地位を確立していくことを目指します。従来のソフトウェア領域に加え、ハードウェア、ロボティクス、ステーブルコインを含む統合的なソリューション提供を本格化させ、アステリアグループとしては、特に将来性の高い以下の分野に注力してまいります。(ア) AI連携市場 企業のDX推進が加速する中、生成AIや自律型AIエージェントは、中長期的に大きな成長が期待される領域です。アステリアでは「Warp」シリーズ、「Gravio」、「Handbook X」、「Platio」「Artefacts」等のAIネイティブ化を進めてまいります。今後とも、ロボティクス向けAIの研究開発専業のアステリアART合同会社や、企業現場でのノーコードアプリ開発を提供するアステリアキャンバス株式会社と連携しつつ、外部のパートナー企業との協業を通じて、AI及び関連技術を活用した情報サービスの実用化・価値創出を加速してまいります。(イ) フィジカルAI(ロボティクス/AI)連携市場 製造・物流・宇宙開発等におけるロボティクスやフィジカルAIの活用が加速するとともに、その基盤となるIoT/エッジコンピューティングも次世代基盤技術として市場拡大が期待されています。アステリアは、AI搭載エッジウェア「Gravio」とロボットアプリケーション開発支援プラットフォーム「Artefacts」を軸に、機器・クラウド・システム連携の強みを活かし、ソフトウェアとハードウェアを一体で提供してまいります。加えて、ロボットに関する製品・部品・関連機器の開発、輸入、輸出ならびに提供にも事業範囲を広げ、フィジカルAI領域のDX基盤としての地位確立を目指します。(ウ) デジタル通貨(ブロックチェーン)関連市場 ステーブルコインをはじめとする電子決済手段や暗号資産、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、ならびにNFT・ユーティリティトークン・セキュリティトークン等のデジタルトークンは、決済・資産管理・権利流通の在り方を大きく変える基盤技術として着実に発展しております。アステリアは、これらデジタル通貨・デジタルトークンを活用した情報サービスを新たな事業領域と位置付け、関連技術への研究開発投資及び戦略的投資を通じて、次世代金融インフラ及びWeb3領域における事業基盤の構築を進めてまいります。 ③ 戦略的投資および投資後の管理体制の強化 アステリアは、事業シナジーの創出、新規市場への参入、新技術の獲得、パートナーシップの深化など、中長期的な企業価値の向上に資する戦略的観点から、有望な企業への投資を推進してまいりました。とりわけ、4D (Data, Device, Decentralized, Design)をコンセプトとする成長領域においては、自社事業と連動した戦略投資を積極的に展開するとともに保有資産の価値最大化を目指しております。 また、投資先企業の業績や市場環境の変動により、投資有価証券の評価がアステリアの財務・業績に影響を及ぼす可能性があることを踏まえ、従前より投資判断の精緻化および投資後の管理体制の整備を進めてまいりました。今後も引き続き、外部環境に応じた柔軟な運用方針のもと、投資ポートフォリオ全体の健全な運用体制を一層高めてまいります。 ④ 海外市場への展開 アステリアグループは、創業当初より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指してまいりました。現在は「Artefacts」、「Gravio」、「Handbook X」を中心に積極的に海外展開を進めており、現地ニーズに対応した製品提供を強化しています。アステリアのソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語に対応しており、多言語展開の強みを活用し、今後の新規製品においても国際展開を戦略的に強化してまいります。 ⑤ 成長を支える人材基盤の強化 アステリア製品やサービスの顧客企業は年々増加しており、ターゲットとなる業種・業態も幅が大きく広がりを見せています。今後さらに、マルチプロダクト/サービス化、グローバル化を本格化させ、ソフトウェア・フィジカルAI・デジタル通貨領域での成長をより確固たるものにするためには、開発・マーケティング・営業・管理などのあらゆる職能において、優秀な人材を適切なタイミングで確保・育成することが重要です。アステリアは、こうした人材戦略を中核に据え、持続的な競争力の強化を図ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】以下において、アステリアグループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、アステリアグループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、本書に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてアステリアグループが入手可能な情報から判断したものであります。 ① 海外事業の展開についてアステリアグループは、経営方針に基づき積極的な海外展開を実施しております。これらの進出国において、法令、政治、経済の変化、文化や宗教影響等の様々なカントリーリスクを有しているため、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、アステリアグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、アステリアグループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成していますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動がアステリアグループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 新製品・新サービスについてアステリアグループでは、価値ある新しい製品や新しいサービスを世に送り出すことによる収益向上を図っており、魅力的な新製品・新サービスの開発による売上収益の増加が、企業の成長にとって重要な要素であると考えています。そのため、これまでにも、スマートデバイス技術、IoT関連技術、ブロックチェーン関連技術(ステーブルコイン等の電子決済手段や暗号資産に関連する技術を含む)、AI(人工知能)・ロボティクス関連技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に経営戦略の主題として取り組んでいます。しかしながら、ソフトウェア業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、アステリアグループが常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発できるとは限りません。アステリアグループの予測に見込み違いが生じ、技術革新や市場動向に遅れをとった場合、企業収益に大きな見込み違いが生じアステリアグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 訴訟リスク本書提出日現在において、アステリアグループが訴訟を提起されている事実はありません。一方で、アステリアグループの事業は知的財産権をその価値の根源とするという性格上並びに、アステリアグループが海外でも事業を展開しているため、予期しない訴訟が発生する可能性があります。アステリアグループでは、「コンプライアンス規程」の制定、リスクマネジメント委員会の設置及び社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しています。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、アステリアグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 投資・M&Aについてアステリアグループは、中長期的な成長および企業価値向上を目的として、M&Aやその他の資本参加等を通じた戦略的投資を実施しています。これらの投資に際しては、対象企業のビジネス、財務内容、法務、ガバナンス体制等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象が投資の実行後に発生又は判明する場合や、投資実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合はアステリアグループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、アステリアグループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 新製品/新バージョンの収益性についてアステリアグループでは、常に新製品や新バージョンの研究開発を行っています。これらの新製品や新バージョンは、今後大きく成長する市場を見込んで開発し提供を行っているものですが、当該市場が見込み通りに成長しなかったり、想定外の競合製品が出現したりすることによって、収益が計画通りに確保できない場合は、アステリアグループの業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 人材の確保についてアステリアグループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭で揃えることに注力しています。今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場環境を提供していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合には、アステリアグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ アステリアグループ提供のソフトウェアの不具合についてアステリアグループでは、アステリアグループの責めに帰すべき事由によるソフトウェアの不具合(誤作動、バグ等)を発生させないよう品質管理に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、そのような重大な不具合は発生していませんが、将来にわたってアステリアグループの責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生やアステリアグループに対する社会的信頼を喪失することにより、アステリアグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑧ 知的財産権についてのリスクアステリアグループは、本書提出日現在において、アステリアグループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また創業以来、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたりしたことはありません。しかしながら、将来のアステリアグループの事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、アステリアグループの事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、アステリアグループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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