エムケイシステム(3910)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて

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事業の状況や経営戦略など
事業などのリスク


エムケイシステム(3910)の株価チャート エムケイシステム(3910)の業績 沿革 役員の経歴や変遷

 

3 【事業の内容】

エムケイシステムグループは、エムケイシステム(株式会社エムケイシステム)、株式会社ビジネスネットコーポレーションの2社で構成され、社労夢事業とCuBe事業の2事業を営んでおります。 

 

各事業の内容は次のとおりであります。なお、セグメント情報の区分と同一であります。

 

(1) 社労夢事業

社労夢事業では、社会保険労務士事務所、労働保険事務組合(注1)及び一般法人における、社会保険(注2)、労働保険(注3)、給与計算等の手続きをサポートする業務支援ソフトウエアをASP方式により提供するサービスを行っています。
 社労夢事業の販売区分は大きく「クラウドサービス(注4)」、「システム商品販売」、「その他サービス」に区分できます。
 「クラウドサービス」は、ASPサービスの利用や各種サポート費用などの月額料金である「ASPサービス」と、サービス導入に至るまでの初期設定費用、カスタマイズ作業費、操作指導料などが含まれる「システム構築サービス」で構成されます。

また、システムに付随した商品や端末機器の販売、サプライ商品の販売を行う「システム商品販売」、これらに該当しない社会保険労務士や一般法人の人事総務部門に対して提供するサービスの「その他サービス」の3つに区分されます。

それぞれの販売区分におけるサービスの内容、主要なサービス及び商品は以下のとおりです。

販売区分

サービスの内容

主要なサービス及び商品

クラウドサービス

 

 

 

ASPサービス

社会保険、労働保険等に関して、関連した官公庁に申請する業務支援ソフトウエアをASP方式によりサービス提供しております。また、社会保険、労働保険に付随して、給与計算、就業管理、従業員台帳管理等の人事・勤怠に関する各種ソフトを提供しております。

① 社労夢ベーシックプラン
② 社労夢ハウスプラン
③ 社労夢ライトプラン
④ ネットde事務組合
⑤ 社労夢CompanyEdition

⑥ その他サテライト製品

 

システム構築
サービス

サービス導入に至るまでの初期設定作業や、システムに関連したカスタマイズの受託、操作指導などを行っております。

① 初期設定サービス

システム商品販売

システムに付随した商品や端末機器、サプライ商品の販売を行っております。

① 端末機器
② サプライ商品
 

その他サービス

エムケイシステムシステムを利用した手続きに係る運用を一括で請け負うサービスを行っております。

① 派遣

 

(注) 1.労働保険事務組合とは、中小事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた団体であります。

   2.社会保険とは、健康保険などの医療保険、厚生年金保険などの年金保険及び介護保険の総称であります。

3.労働保険とは、雇用保険及び労災保険の総称であります。

4.クラウドサービスとは、ネットワーク上にあるアプリケーションやサーバーなどのリソースをネットワーク経由で提供するサービスであります。

 

① ASPサービス

a. 社労夢ベーシックプラン

社会保険労務士事務所の主要業務の一つである、官公庁に申請を行う社会保険・労働保険等に関する業務支援システムであり、ASP方式によりサービスを提供しております。「社労夢ベーシックプラン」を利用することで、社会保険の資格取得・喪失届、月額算定基礎届、保険料変更通知等の機能を利用することが可能であり、労働保険では、保険関係成立届、概算・確定申告書、一括有期事業報告書、雇用保険関連の資格取得・喪失届等の機能を利用することが可能です。

また、社会保険労務士事務所と顧問先をインターネットで繋ぐ「ネットde顧問」をオプション機能として利用することが可能であり、利用人数に応じた従量制の課金としております。「ネットde顧問」は、人事・総務に関する複数の機能からなる総合システムであります。例えば、システムで打刻された顧問先社員のタイムカードデータを、インターネット経由で社会保険労務士事務所が取り込み、給与計算を行うなどの機能があります。

 

b. 社労夢ハウスプラン

「社労夢ベーシックプラン」の上位サービスとして社会保険労務士事務所と顧問先を結ぶ総合的な人事・労務業務支援ネットワークサービスであります。

サービス機能は「社労夢ベーシックプラン」の機能に加え、申請手続の進捗管理機能、「社労夢ベーシックプラン」でオプション機能である「ネットde顧問」が、「社労夢ハウスプラン」では一定の利用人数までは基本料金内で利用することが可能な点で相違しております。

 

c. 社労夢ライトプラン

「社労夢ベーシックプラン」の機能のうち、社会保険労務士事務所に必要な最小限の機能だけを抽出したサービスです。「社労夢ベーシックプラン」の機能性・使いやすさを維持しながら、低価格で同様のサービスを利用できることが特徴であり、比較的小規模な社会保険労務士事務所に適したサービスであります。

 

d. ネットde事務組合

労働保険事務組合向けのASPサービスであり、労働保険の年度更新、電子申請、雇用保険関連の手続き等を支援するシステムであります。

 

e. 社労夢CompanyEdition

一般事業会社の人事総務部門向けのASPサービスであり、「社労夢ベーシックプラン」の機能に加え、一般法人で必要性の高い、申請手続の進捗管理機能を追加したシステムであります。

 

f. その他

マイナボックス、DirectHR、eNEN、CloudPocketなどのサテライト製品があります。

 

② システム構築サービス

a. 初期設定サービス

システムを導入する際に必要となるユーザーごとのアプリケーション、データエリア、セキュリティ等の設定、ID・パスワードの発行等の初期設定を行うサービスであります。

 

③ システム商品販売

a. 端末機器

システム利用時に使用するカードリーダーなどのソフト及び端末機器であります。

 

b. サプライ商品

システム利用時に使用する給与明細書などの帳票を販売しております。

 

 

④ その他サービス

a. 派遣

エムケイシステムシステムを利用した手続きに係る運用を一括で請け負うサービスを行っております。

 

(2) CuBe事業

CuBe事業では、大手企業の人事総務部門向けに業務プロセスの効率化を目的として個社毎にカスタマイズしたフロントシステムの「受託開発パターンメイド」と、大手企業向け受託開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、中小企業での利便性を実現した「クラウドサービス」があります。

製品として受託開発パターンメイドには、「人財CuBe」、「就業CuBe」、「申請CuBe」、「精算CuBe」があり、クラウドサービスには、「GooooN」があります。

各製品の概要は以下のとおりです。

 

①  受託開発パターンメイド

a. 人財CuBe

企業などの人事総務部門などでは、人材の採用・育成の場面において、個々の従業員の目標管理や人事考課、キャリア形成過程でのキャリアプランの自己申告や研修などを通じたキャリア形成支援などを行っております。これら業務においては、従業員とその上長の間や従業員と人事総務部門との間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。人財CuBeでは、こうした業務プロセスをシステムにより効率化することを目的としております。加えて、個々の従業員に関するデータを一元化して、必要な情報を必要な時に必要な人が見やすく提供できる人材プロフィールにまとめることで、従業員間や従業員と会社とのコミュニケーションツールとしても活用できるようにしております。

 

b. 就業CuBe

企業などの人事総務部門では、適切な労務管理や行政手続のため、従業員の日々の勤怠管理や休日管理を行う必要があります。また、引越や扶養家族の増加など人事に関連する届出を従業員から受け付けたり、給与や賞与の明細を従業員に交付したりしております。これらの業務においては、従業員とその上長の間や従業員と人事総務部門との間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。就業CuBeでは、こうした業務をシステムによって効率化することを目的としていると共に、労務管理、内部統制などの視点でコンプライアンスを意識した情報提供ができるようにしております。

 

c. 申請CuBe

企業などでは、社内ルールに則した様々な稟議決裁や、部門間での報告書のやりとりなどを行っております。これらの業務では、従業員とその上長の間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。申請CuBeでは、こうした業務をシステムによって効率化することを目的としていると共に、内部統制への対応も実現しております。

 

d. 精算CuBe

企業などでは、従業員などが立て替えて支払った外出時の交通費、出張時の旅費、交際費、会議費などを精算したり、取引先への支払について上長の承認を得るなどのやり取りを行っております。これらの業務では、従業員とその上長の間や従業員と経理部門との間などで、様々な情報がやり取りされるため、煩雑な業務となっており、ミスが生じたり、非効率であったりしております。精算CuBeでは、こうした業務をシステムによって効率化することを目的とすると共に、内部統制への対応も実現しております。

 

 

②  クラウドサービス

a. GooooN

大企業で20年以上使われてきたノウハウを凝縮し、中小企業においても日々現場で活用できる人事評価・人財育成クラウドシステムであります。機能は、人材育成のための社員・評価者・人事部門のコミュニケーションツールとなる「目標管理・人事考課」、個々のキャリア形成をサポートすることを目的とした従業員と人事部門を直接つなぐツールである「自己申告・キャリアプラン」、タレントマネジメントとして必要な時に必要な情報を容易に参照できるツールである「人財プロフィール照会」の3モジュールから構成され、これらが有機的に連携し人材育成をサポートします。

 

エムケイシステムグループの事業を事業系統図に示すと、以下のとおりです。

 

[事業系統図]

 


 

(注) OEM供給は、相手先のブランド名で、エムケイシステムがシステムを構築し、提供しているサービスであります。

 

 


有価証券報告書(2024年3月決算)の情報です。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、エムケイシステムグループが判断したものであります。

 

エムケイシステムグループは、「人にやさしいシステムの提供で社会に貢献する」を経営理念として掲げております。「人」はエムケイシステムサービスの利用者(社労士様、人事担当者様)のみでなくその先に居る関係者(企業従業員様やその家族の方々)を含み、「やさしいシステム」は、利用者が使いやすいシステムであることはもちろん、社会保障や人材育成に貢献することで社会基盤を支えるシステムを指します。また「人事労務領域総合サービスの提供」をグループの経営方針として掲げ、人事労務領域における手続き業務のみならず年末調整、経費精算、人材育成分野へとサービスの対応領域を拡げることにより、顧客となる社労士事務所や企業にお勤めの方々の業務を効率化し、生産性及び付加価値を上げることを目指しています。

国内の情報サービス業界及びエムケイシステムグループの関連する人事労務領域においては、ウィズコロナに向けた環境変化や働き方改革への取り組みなどを背景に、これらの解決に向けた企業のIT投資への関心はますます高まっております。また大企業のみならず中小企業でもクラウドの導入が拡がっており、オンプレミスからクラウドへの転換は企業にとってセキュリティ面やコスト面、業務効率化の観点からメリットがあることから、今後も拡大が見込まれます。

エムケイシステムグループでは、安定的成長モデルの構築を実現することを中長期のビジョンとし、各事業において提供している各種製品、サービスをより多くの方々に、より長期間にわたって提供することを目指し、安定的に事業を推進するために、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高と連結売上高営業利益率を重要な経営指標として位置付け、当該指標の向上に努めたいと考えております。また、企業価値と株主価値のバランスを図る観点から自己資本利益率(ROE)も重要な経営指標として位置付けております。

 

 (主な取り組み)
・ソフトウエアへの投資を拡大し、製品の安定供給を図ります。
・ロイヤルカスタマー戦略の推進と共に法人市場のシェア拡大を図り、サービスビジネスの成長を実現します。
・資本収益効率の向上のためにコスト競争力と利益成長力の強化を図ります。
・人的資本強化のための投資を拡大し、生産性向上を実現します。

 


事業等のリスク

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

また、必ずしもこのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。エムケイシステムグループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてエムケイシステムグループが判断したものであり、エムケイシステムグループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1) 法的規制等、事業環境に関するリスク

①  社会保険労務士の動向

エムケイシステムグループの主要顧客である社会保険労務士事務所は、社会保険労務士法に基づき専業業務として社会保険及び労働保険の手続き代行が認められておりますが、今後、この専業業務に規制緩和等が行われ、他士業が参入し、競合により社会保険労務士の業務量に変化が生じる場合や、情報技術の進展によって社会保険労務士の業務量に変化が生じる場合には、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  労働保険事務組合の動向

エムケイシステムグループの主要顧客である労働保険事務組合は、厚生労働大臣の認可を受け、労災保険と雇用保険に関し、事業主から委託を受け、これらの事務手続き及び保険料の納付を行っておりますが、今後、何らかの理由で政府からの認可数が減少する場合、労働保険事務組合向けサービスを提供するエムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  社会保険及び労働保険関連法令の改正

エムケイシステムグループがユーザーに提供しているシステムは、社会保険及び労働保険関連法令の改正の都度、タイムリーにシステム変更を行っていく必要があります。そのため、今後、大きな改正が行われる場合は、大規模なシステム変更を行う必要があり、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  電子申請の動向

エムケイシステムグループの社会保険、労働保険システムは、2004年8月から開始された厚生労働省と社会保険庁の電子申請届出システムに対応する電子申請機能を加え、サービス提供を行っております。また、2006年4月に電子政府の一環として新たに開始されたe-Gov電子申請システムに対して、エムケイシステムグループでは、運用開始時から電子申請機能が利用可能となるよう対応を図ってまいりました。現時点までは、e-Gov電子申請システムの機能改変について情報収集と調査を継続することで、途切れることなく最新の申請方式を取り入れてまいりました。

しかしながら、今後、e-Gov電子申請システムの改訂内容や仕様について正確な情報を収集し、迅速に電子申請機能への対応を行うことができない場合、競合他社に遅れを取り、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) サービス提供に関するリスク

①  外部からのインターネットデータセンターへの攻撃

エムケイシステムグループはインターネットを活用したサービス提供を行っておりますが、インターネット上のサーバー攻撃は高度化かつ日常化しており、エムケイシステムグループの事業の遂行において大きな脅威となっており、エムケイシステムグループのサーバーが外部からのDoS攻撃(注1)の対象となった際は、エムケイシステムグループのサービス提供へ影響が及ぶことがあります。

2023年6月5日に発生したエムケイシステムグループにおけるデータセンター内のサーバーに対するランサムウェアによる第三者からの不正アクセスに対しては、原因究明のための徹底した事実調査を実施し、被害の拡散防止に努めるとともに、再発防止策を実施するなど必要な措置を継続しております。

しかしながら、デジタル技術の浸透や、情報セキュリティシステムへの攻撃の高度化かつ巧妙化により、エムケイシステムグループの対策が十分に機能せず外部からの不正アクセスを防止できなかった場合、エムケイシステムグループの主力製品であるインターネット・サービスが提供できなくなる可能性があります。

 

②  情報システムの故障・不具合

エムケイシステムグループでは、ハードウエアは故障するものとの前提に立ったインフラ構築の方針のもと、積極的に冗長化(注3)システムを採用するなどし、ハードウエアの故障が直ちにサービス停止に結び付かないよう設備を整えております。しかしながら、冗長化システムには、「実際の障害検知に遅れが生ずる」、「想定したとおりの待機系への切替えに失敗する」、「複雑さが増したがため、障害箇所の特定が困難になる」という不確実性もあり、完璧なシステムはありえないのが現実であります。

また、オペレーティングシステムなどの基本ソフトウエアにも多くの不具合が内包されており、セキュリティに直結するものについてはパッチ(注4)の適用をせざるを得ない状況にあります。ベンダーから提供されるネットワーク機器、ストレージ機器、サーバー機器等のファームウエア(注5)についても、ベンダーから推奨されるパッチ適用に対して、想定される様々なリスク等を勘案し、適用の要否を慎重に判断しておりますが、それでも不具合が生じた場合、エムケイシステムグループの主力製品であるASPサービスが提供できなくなる可能性があります。

 

③  個人情報管理

エムケイシステムグループのサービスでは、人事情報、社会保険、労働保険、給与計算等において多くの個人情報が受託管理されております。また、マイナンバー制度の開始と共にそれらの個人情報の中には、特定個人情報も含まれております。これらの個人情報の流出が発生した場合には、エムケイシステムグループ及びエムケイシステムグループの提供するサービスの信頼性の失墜に繋がり、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、外部からの攻撃対策、提供システムでの不具合対策、社内からのアクセス制限など、システム的に最大限の努力を重ねても、個人情報流出を完璧に抑止することは困難であります。特にエムケイシステムグループの従業員及び開発協力会社による多量のデータ流失は、エムケイシステムグループの事業遂行上の危険性もあるため、当該対策としてエムケイシステム及び株式会社ビジネスネットコーポレーションではプライバシーマークを取得し個人情報管理を徹底しておりますが、万一、情報の漏洩があった場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜により、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システム障害について

エムケイシステムグループのサービスは、Amazon Web Services, Inc.が提供しているクラウドコンピューティングサービス「AWS」(Amazon Web Services)を主な基盤として運営しています。そのため、AWSの安定的な稼働がエムケイシステムグループの事業運営上、重要な事項となっております。エムケイシステムグループではAWSにおいて必要な機能を冗長化構成とした上で継続的に稼働しているかを常時監視しており、障害の発生又はその予兆を検知した場合には、エムケイシステムグループの役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整えております。なお、各事業は個別のAWSテナントを利用しており、有事の際にも独立した事業継続ができるようになっております。

しかしながら、大規模なプログラム不良や大規模な自然災害の発生、想定を大幅に上回るアクセスの集中等により開発業務やシステム設備等に重大な被害が発生した場合、その他何らかの理由によりシステム障害等が発生した場合には、エムケイシステムグループの事業活動に支障が生じる可能性があります。そのような支障が長期にわたった場合、エムケイシステムグループの顧客や利用者との信頼関係に悪影響を及ぼし、賠償責任の発生等によって、エムケイシステムグループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  知的財産権について

エムケイシステムグループは、ソフトウエアの開発を自社で行っております。エムケイシステムで開発されたソフトウエアにかかる知的財産権について、これまで、第三者より侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウエアに関する技術革新の顕著な進展により、エムケイシステムグループのソフトウエアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。また、エムケイシステムグループの業務分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止めの訴えや、当該訴えに対する法的手続き諸費用の発生等により、エムケイシステムグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  ライセンス契約について

エムケイシステムグループでは、一部サービス提供にあたり他社ソフトウエアを利用しており、提供元とライセンスに関する契約を締結しております。本ライセンスについて契約内容の変更が発生した場合や、提供停止により代替ソフトウエアが必要となるような場合には、代替手段の入手や自社開発などに相応の期間や費用が発生するなど、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) システム開発に関するリスク

①  クラウドサービスにて提供するシステムの開発投資について

エムケイシステムグループのクラウドサービスにて提供するシステムの開発コストは、ソフトウエアとして資産化され、リリース後にソフトウエア償却費として複数年に亘り計上される予定ですが、開発投資が想定より多額となる場合、また、対応するシステム利用料が計画通り増加しない場合は、エムケイシステムグループの業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  受託開発にて提供するシステムの開発投資について

エムケイシステムグループは顧客企業の各種情報システムに関する受託開発業務を行っております。開発の大型化、短納期化するシステム開発においては、計画通りの品質を確保できない場合や開発期間内に完了しないことにより、費用が想定以上に増大化する可能性があります。また、システム開発にあたっては、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のために業務の一部を外部に委託しておりますが、生産性や品質が期待に満たないおそれがあります。これらにより、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  技術革新に関するリスク

エムケイシステムグループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、エムケイシステムグループが現在保有する技術・技能・ノウハウなどが陳腐化する可能性があります。また、エムケイシステムグループの提供する製品やサービスが業界の技術標準の急速な変化に対応することができないことにより、その技術優位性あるいは価格優位性を失う可能性があります。エムケイシステムグループが業界の技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、予測しえても適切に対応できない場合には、エムケイシステムグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 人材及び組織に関するリスク

①  代表取締役社長  三宅 登への依存について

エムケイシステム及びエムケイシステムの連結子会社の代表取締役である三宅 登は、社会保険及び労働保険に関する豊富な知識と経験、同業界において豊富な人脈を有しており、エムケイシステムグループの事業運営にあたって重要な役割を果たしております。

現在、権限委譲を進め組織的な経営体制の構築途上ではありますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難となった場合には、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  人材の確保・育成について

エムケイシステムグループは、従業員数が118名(2024年3月末現在)と小規模な組織で運営しております。エムケイシステムグループの事業の継続的な発展及び急速な技術革新への対応には、優秀な技術者の確保が不可欠であります。現時点では、中途採用と計画的な新卒採用により、必要な人員は確保されておりますが、更なる今後の事業拡大に伴い、システム開発技術者を中心に優秀な人材の採用と育成の強化を進める方針であります。

しかしながら、人材獲得が計画どおりに進まなかった場合、また、重要な人材が社外流出した場合は、事業運営への障害、事業拡大への制約要因となり、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他のリスク

M&Aに伴うのれんについて

エムケイシステムグループは事業規模の拡大や営業基盤の拡大に伴い、収益性や競争力の向上を図るための資本提携を行っており、資本提携による連結子会社化の際の株式取得に伴って支払った対価と純資産価額との差額については、のれんとして資産に計上しております。のれんはその超過収益力の効果の発現する期間に渡って均等償却を実施しております。

しかしながら、のれん計上後の事業環境の変化により、のれんの超過収益力が著しく低下した場合には、減損損失が発生するなど、エムケイシステムグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(注) 1.DoS攻撃とは、相手のコンピュータやルータなどに大量のデータを送信して使用不能に陥らせたり、トラフィックを増大させて相手のネットワークを妨害したり、停止させる攻撃のことであります。

2.UTM(統合脅威管理アプライアンス)製品は、コンピュータウィルスやハッキングなどの脅威から、ネットワークを効率的かつ包括的に保護するものであります。

3.冗長化とは、システムの一部に何らかの障害が発生した場合に備えて、障害発生後でもシステム全体の機能を維持し続けられるように予備装置を平常時からバックアップとして配置し運用しておくことであります。

4.パッチとは、コンピュータにおいてプログラムの一部分を更新してバグ修正や機能変更を行なうためのデータのことであります。

5.ファームウエアとは、ハードウエアの基本的な制御を行うために機器に組み込まれたソフトウエアのことであります。

 




※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。

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