PCIソリューションズ(3918)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】PCIソリューションズグループは、純粋持株会社であるPCIソリューションズ(PCIホールディングス株式会社)並びに情報サービス事業を営む連結子会社6社(うち、孫会社3社)により構成されており、ソフトウェア及びハードウェア開発、自社ソリューションの開発・保守、半導体のテスト・設計等を主たる業務としております。純粋持株会社であるPCIソリューションズは、グループ経営戦略の策定、コーポレート・ガバナンスの構築、経営資源のグループ内最適配分及びグループ各社に対する経営全般における指導・管理等を行っております。PCIソリューションズグループの事業内容及びPCIソリューションズとグループ各社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一であります。なお、PCIソリューションズは、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 セグメント区分主な事業内容エンジニアリング事業自動車関連、情報家電、モバイル等の組込み制御系システムの設計・開発一般企業、金融機関、官公庁向けの業務システムの設計・開発及びITシステム構築、自社パッケージソフトウェア製品の企画・開発プロダクト/デバイス事業組込みPC、コントローラー等の開発・製造・販売半導体設計・テスト受託、LSIターンキーサービスICTソリューション事業組込制御技術、アプリケーション技術等のPCIソリューションズグループの強みを活かしたIoTソリューションの提供、顧客企業との共同開発AI活用ソリューション、IoTプラットフォーム、サービスインテグレーション [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 ※孫会社を除く
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在においてPCIソリューションズグループ(PCIソリューションズ及び連結子会社、以下同じ)が判断したものであります。(1) 経営方針PCIソリューションズグループは、企業理念として「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します。」を掲げ、以下の行動方針のもと、事業を展開しております。 (行動方針)・安定した事業成長を実現します・ユーザーに適したソリューションを提供します・応援して頂ける企業を目指します・積極的(Positively)に変化(Change)を求め、革新(Innovate)します・全てのステークホルダーに満足して頂ける企業を目指します (2) 目標とする経営指標PCIソリューションズグループは、収益の「質」向上の視点での「EBITDAマージン」、資本効率性の視点での「ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)」、市場評価の視点での「PBR(株価純資産倍率)」を重視いたします。これら指標の向上に向け、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ、収益力の強化と資本効率の最適化に向けた諸施策を推進してまいります。具体的には、ROE向上のために、収益の「質」向上への取組み及び適切な資本政策・株主還元を実施いたします。また、PBR向上に向けて、株主・投資家にPCIソリューションズグループの事業内容や成長性を理解していただくようIR活動を充実させることで改善を図ってまいります。 (3) 経営環境① 企業構造PCIソリューションズグループは、純粋持株会社であるPCIソリューションズを中心に、ソフトウェア開発、産業用PC設計・製造、自社ソリューションの開発・保守、半導体の設計・テスト等の情報サービス事業を営む連結子会社6社(うち、孫会社3社)により構成されております。各事業会社それぞれの文化と独自性を尊重しながら、グループ全体のシナジー効果を発揮し、市場環境の変化や多様化する社会ニーズに機動的かつ柔軟に対応することで、更なる企業価値の向上を図っております。 ② 市場環境国内においては雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気は緩やかな回復基調が続くものと期待されます。一方で、各国の通商政策の変化や地政学的リスクの長期化による供給網への影響、為替市場の変動がもたらす不透明感は依然として高く、景気の下振れリスクには引き続き警戒が必要です。また、物価上昇が定着する中で、実質賃金の動向が個人消費や企業の投資意欲に与える影響、さらには国内外の金利動向に伴う金融資本市場の変動リスクについても、注視が必要であると認識しております。このような環境下において、PCIソリューションズグループが属する情報サービス産業におきましては、生成AIの実装フェーズへの移行や、あらゆるデバイスがネットワークにつながるAIoTの進化を背景に、社会全体のデジタル化が新たな段階を迎えています。特に自動車業界におけるSDV(Software Defined Vehicle)化の加速をはじめとしたソフトウェア開発投資は拡大傾向にあり、PCIソリューションズの強みである組込みソフトウェア技術への需要は堅調に推移するものと見込んでおります。加えて、深刻化するIT人材不足を背景とした業務効率化や自動化、高度なセキュリティ対策への投資意欲は、今後も持続的に高まっていくものと考えられます。 ③ 内部環境:PCIソリューションズグループの強みイ.技術力・組込みソフトウェア開発、組込みPCの設計・製造・保守、半導体の設計・テスト、AI画像解析をはじめとする豊富な実績のある技術ロ.リレーションシップ・自動車関連業界や半導体業界をはじめとした強固な顧客基盤・プラットフォーマー、パッケージベンダー、ソフトウェアハウス、エレクトロニクス商社等との幅広いパートナーネットワークハ.迅速性・高付加価値性・クラウドプラットフォームを活用した迅速なシステムインテグレーション・AI画像解析技術やクラウド技術を応用した自社商材 (4) 中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 各事業における基本戦略情報サービス産業は、技術革新の進展に伴い、市場ニーズが絶えず変化する経営環境にあります。この中で持続的な成長を目指すには、先を見据えた技術力の確保と事業の目利きが必要不可欠です。PCIソリューションズグループは、これまで培ってきた技術力をベースにお客様とのリレーションを深化させ、強みを持つ産業分野や技術分野をより強化してまいります。市場における競争優位性を高め、各領域において高い評価と信頼をいただける存在を目指し、以下の通りセグメント別の戦略を推進してまいります。 イ.エンジニアリング事業(安定コア事業)PCIソリューションズの収益の屋台骨であるため持続的な利益の創出を第一に考え、市場変化への対応力並びにそれを踏まえた技術対応力を磨き、“ゆらぎ”の少ない堅実な成長を目指す<競争力強化に向けた取組み項目>・事業分野の選択と集中を図り、収益力の高い分野への人財シフト・未来につながる技術力の確保(育成並びに先端的なスタートアップ企業との協業)・集中する事業・技術分野への技術者の知識・スキルの再構成 ロ.プロダクト/デバイス事業(安定コア事業)技術力を磨き続けることによって医療機器メーカーや半導体メーカーをはじめとする優良な顧客を基盤として持続的な成長を実現する。また、“モノ”にまつわるサービスを強化することにより包括的な価値提供による差別化・高付加価値化を図る<競争力強化に向けた取組み項目>・製品・サービスの組み合わせにより、顧客のバリューチェーンの複数の工程をカバーする包括的な価値を提供・製品開発能力や量産能力を活かしたIoT・Edge-AI分野等の新製品を開発・販売 ハ.ICTソリューション事業(成長ドライバー事業)AI関連やクラウド関連にフォーカスし、積極的に経営資源を投入し、迅速に高付加価値のソリューションを提供する<競争力強化に向けた取組み項目>・強みを有するサービスにフォーカスし、技術者リソースを集中投入・顧客に提供したソリューションをパッケージ化・製品化し、同様のニーズを有する顧客に拡販・顧客接点を通じたニーズの拡がりを常に捕捉し続け、新たなサービス領域の探索、必要技術の積極的な習得 ② 優先的に対処すべき課題PCIソリューションズグループは、事業環境の急速な変化を好機と捉え、中長期的な企業価値の最大化に向けた経営体制の刷新を進めております。収益性の向上と資本効率の改善を軸とした「質」の追求へと経営の舵を切り、親会社である株式会社レスターとの資本業務提携による強固な経営基盤のもと、具体的施策を迅速かつ着実に実行いたします。また、以下の課題に優先して取り組んでまいります。 イ.株式会社レスターとの連携による事業領域の拡大2024年秋の提携により、PCIソリューションズは株式会社レスターの連結子会社となりました。同グループが有する国内外の幅広い顧客ネットワークとPCIソリューションズのエンベデッド技術等を機能的に融合させ、付加価値の高いソリューションを提供いたします。上流プロセスからの参画を加速させ、ハード・ソフトを組み合わせた複合的な提案力を高めることで、単独では困難であった新たな事業領域の開拓と、飛躍的なシナジー創出を実現してまいります。 ロ.先端技術を牽引する人材の育成と確保IT人材の不足が深刻化する中、優秀なエンジニアの確保と育成は持続的成長における最重要課題です。高度化する技術水準に対応するため、PCIソリューションズは「人的資本経営」の理念のもと、採用力強化と既存社員のリスキリングに積極投資を行います。クラウドやAI、サイバーセキュリティ等の重点分野へのスキル転換を後押しし、健康経営や多様な働き方の整備を通じてエンゲージメントを向上させ、従業員が能力を最大限発揮できる組織風土を構築してまいります。 ハ.次世代技術領域における独自ブランドの確立受託開発への依存から脱却し、独自の付加価値を提供するブランドの確立に注力します。強みである組込みソフト開発の知見を活かし、自動車業界のSDVや自動運転領域へのリソース集中を図ります。また、生成AIを活用した自社プロダクト開発や、IoT領域の事業化を推進します。顧客課題を解決する「提案型・創出型」モデルへと進化し、安定的な収益基盤となる独自ブランドを確立することで、市場における競争優位性を揺るぎないものにします。 ニ.資本効率を重視した高収益体質への転換PCIソリューションズグループは、売上高が成長した一方で、資本効率(ROE・ROIC)が市場の期待に十分応えられていないことが課題です。各事業の採算性やリターンを的確に評価し、経営資源を成長領域へ重点配分するポートフォリオの最適化を断行します。同時に、不採算案件の撲滅に向けたプロジェクト管理の抜本的強化やコスト構造改革を進め、外部環境の変化に強い高収益体質への転換を急務として推進してまいります。 ホ.実効性の高いガバナンスとサステナビリティ経営PCIソリューションズは、上場子会社として、少数株主の皆様の利益を保護する重大な責務を負っております。親会社との連携によるシナジー追求と経営の独立性・客観性の確保を厳格に両立させ、独立社外役員を活用したガバナンス体制を強化し、利益相反の回避を徹底いたします。また、人的資本への投資やAIガバナンスの構築、情報セキュリティ体制の強化を柱としたサステナビリティ経営を深化させ、透明性の高い情報開示と建設的な対話を継続してまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてPCIソリューションズが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 事業環境について① 経済・市場環境による顧客の設備投資意欲等の影響についてPCIソリューションズグループの事業は、その業容上、国内企業によるソフトウェア・半導体等の設備投資動向に一定の影響を受けます。経済情勢の変化及び国内の景気低迷等により、市場における設備投資意欲が減少した場合は、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少、保守・運用契約の解約等により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループは市場の動向を先んじて的確に把握しながら、市場における競争優位性の確保を図っております。 ② グローバルな半導体需給の影響についてPCIソリューションズグループにおける半導体関連事業については、半導体メーカーとターンキーメーカー(※1)を主な顧客として、半導体設計の一端を担うと共に開発工程と量産工程で使用される良品・不良品の判別を行う検査プログラムの開発に携わっており、半導体を量産するために必要不可欠なテスト開発等を主とした半導体トータルソリューションビジネスを行っております。しかしながら半導体業界では近年グローバルな事業統合が活発化しており、今後、国内半導体メーカーの経営方針変更や国内半導体メーカーのコスト構造の見直しにより、開発委託先をアジア圏に代表される国外企業に発注を行う等、国内半導体開発市場の縮小が顕著となった場合には、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループは顧客の需要動向を常に把握し、事業ポートフォリオの最適化を推進しております。 ③ AIの利活用・技術革新による影響についてPCIソリューションズグループが属する情報サービス産業は、技術革新の速度及びその変化が著しい業界ですが、先進技術の積極的な利活用はPCIソリューションズグループの事業成長に向けた大きな機会であり、特にAI(機械学習・人工知能)は、その性能の進展に伴い、社会実装の範囲も予測・分類といった用途から、対話や生成といった人的業務の代行まで拡大を続けています。万が一、PCIソリューションズグループが変化するニーズや新しい技術に対応できなかった場合、あるいはPCIソリューションズグループが想定していない新技術、新サービスが普及した場合やAIの利活用の場面で安全性・正確性の確保や、倫理的配慮等について適切な対応ができない場合には、社会的信用やブランドイメージが低下し、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループは各事業に関わる技術の動向把握に努めながら、次世代技術の共同研究・他企業との共同開発等、技術革新への対応策を常に講じております。AIに関しては、AIがもたらす恩恵を最大化すると同時に、AIがもたらす倫理的・社会的な課題やリスクに適切に対応するために、「PCIグループAI倫理方針」を整備しました。この指針にもとづいたマネジメントを実現するために、AIリスクに関するマネジメントルールやAI利用のためのガイドラインを整備し、AIシステムの開発・運用・利活用を中心としたAIガバナンスの取り組みを拡大・継続していくことで、AIを扱う企業として、AI活用の恩恵を最大限に享受できるサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。 ④ 競合他社による影響についてPCIソリューションズグループは、市場動向を先んじて捉え、最先端の技術・サービスの開拓等に努めておりますが、PCIソリューションズグループが属する情報サービス業界では、大規模事業者から小規模事業者まで多数の事業者が存在しており、市場において当該事業者との競合が生じております。国内企業のIT化推進等に伴い、業界全体における開発需要は堅調であるものの、一部で価格競争等による競合激化が生じているため、開発需要の減少や新規参入増加等により更に競争が激化した場合、あるいは競合他社の技術力やサービス力の向上によりPCIソリューションズのサービス力が相対的に低下した場合には、受注減少、保守・運用契約の解約等により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクの対応策として、競合他社の動向を把握し、市場における競争優位性の確保を図ってまいります。 ⑤ 部品調達についてPCIソリューションズグループにおける一部の事業分野では、海外より部品調達を行っております。調達部品の仕入れ価格は、為替相場に大きく左右されることから、為替相場の大きな変動がある場合には、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループでは、徹底したコスト管理を通じてコストダウンに努めると共に、変動リスクを回避する目的で為替予約等によるリスクヘッジを行っております。 (2) 事業内容について① 見積違い及び納期遅延等の発生可能性についてPCIソリューションズグループにおけるソフトウェア開発業務及び半導体のテスト・設計等については、作業工程等に基づき発生コストを予測し見積りを行っておりますが、すべてのコストを正確に見積もることは困難であり、実績額が見積額を超えた場合には、低採算又は採算割れとなる可能性があります。また、PCIソリューションズが顧客との間であらかじめ定めた期日までに作業を完了・納品できなかった場合には遅延損害金、最終的に作業完了・納品できなかった場合には損害賠償責任が発生し、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、赤字プロジェクトの発生を未然に防止するため、見積段階でのリスク洗い出しと対策の徹底を図り、受注時には、一定額以上の大型案件については事業会社毎に然るべき会議体に諮り見積りの適正性を検討しております。また、受注後にはプロジェクト進捗状況のモニタリングを徹底しております。加えて、プロジェクトマネジメント力の向上を図るための教育を実施しております。 ② 納品後の不具合についてPCIソリューションズグループにおけるソフトウェア開発業務等については、顧客への納品時に様々なテストを行いますが、システムの運用段階に至ってから不具合等が発見される場合があります。当連結会計年度末現在において、システムの不具合に関して顧客から訴訟等の損害賠償を請求された事実はありません。しかしながら、PCIソリューションズの過失によるシステムの不具合が顧客に損害を与えた場合には、損害賠償負担及びPCIソリューションズグループの社会的信用の失墜により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループはサービスの品質・信頼性に係るリスク管理とその対応を行うための体制を構築・運用し、顧客に提供するサービスの品質向上に取り組んでおります。 (3) 事業体制について① 人材の確保と育成についてPCIソリューションズグループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、高度な専門知識や技術を有するIT人材の確保・育成が不可欠です。また、激変する経営環境において迅速な意思決定を下し、事業戦略の実効性を担保するためには、次世代の経営幹部や後継者を中長期的に育成していくことが極めて重要となります。これら高度IT人材や経営体制の持続性を支える人材の確保・育成が十分に進行しない場合、優秀な人材の流出等による事業競争力の低下や意思決定の遅延を招き、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループは、技術・キャリアアップを支援する各種研修制度の充実や多様な採用チャネルの活用による優秀な人材の獲得に努めております。さらに、安定した経営体制の維持と戦略の着実な実行に向けて、指名・報酬委員会等のガバナンス枠組みを通じて経営幹部候補の選定や次世代リーダーの育成プログラムを計画的に推進し、不確実な環境下でも機動的かつ的確に決断できる組織基盤の強化に取り組んでおります。 ② 協力会社の確保及び連携体制についてPCIソリューションズグループにおけるソフトウェア開発業務等については、開発業務の効率化、受託開発業務における受注量拡大及びコスト低減等を目的として、また多種多様な顧客ニーズに対応するため、開発業務等の一部についてPCIソリューションズ社員の管理統括のもと、パートナーと位置付ける協力会社への外部委託を活用しております。PCIソリューションズグループが事業拡大を図る上で、協力会社活用の重要性は一層高まるものと認識しており、協力会社の確保及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針であります。しかしながら、協力会社から十分な開発人員を確保できない場合、あるいは協力会社における問題等に起因してのプロジェクトの品質低下、開発遅延又は不具合等が発生した場合には、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、定期的に協力会社との情報交換会を実施している他、中核的な協力会社に対してはコアパートナー制度として中長期的な契約を締結する等、協力会社との良好な関係構築に努めております。 ③ 従業員の安全衛生及び労務管理についてPCIソリューションズグループの持続的成長には優秀な人材の確保・定着とエンゲージメント向上が不可欠です。しかし、プロジェクトの繁忙や勤務環境に起因する長時間労働、過労、メンタルヘルス不調、あるいは職場内での各種ハラスメントや不適切な労務管理が発生するリスクが潜在しています。これらが顕在化した場合、従業員の離職や組織活力の低下、社会的信用の失墜を招き、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。PCIソリューションズグループでは、本リスクを人的資本経営における重要課題と位置づけ、以下の対策を講じています。(ⅰ)労務管理と健康ケア:グループ健康経営基本方針を定め、これに基づく施策の一環として、労働時間管理の徹底、定期健康診断やストレスチェック、産業医との連携によるメンタルヘルス不調の予防と早期発見など、労働安全衛生法その他法令や通達の遵守等の安全衛生管理に努めております。また、内部監査を通じて、過度な超過勤務が認められる事業会社に対しては注意喚起を行っております。(ⅱ)心理的安全性向上と体制整備: お互いを尊重し合う職場環境づくりのため「リスペクト・トレーニング」等のエンゲージメント向上施策を継続的に実施し、心理的安全性の確保に努めています。また、社内外に独立した相談窓口・内部通報制度を整備し、問題の早期解決を図っております。 (4) 法的規制等について① 労働者派遣における法的規制等についてPCIソリューションズグループが展開する事業の一部において、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づく労働者派遣事業許可、並びに「職業安定法」に基づく有料職業紹介事業許可を取得して事業を運営しております。PCIソリューションズグループは法令遵守を徹底し、当該法的規制等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後何らかの理由により派遣元事業主としての欠格事由及び当該許可の取消事由に該当し、業務の全部もしくは一部の停止処分を受けた場合、又は法的な規制が変更になった場合等には、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、顧問弁護士及び法務部門による関係部署に対する労働基準法等の指導に努めると共に、法律の改正や新規制定を確認しながら、法令遵守に努めております。 ② 知的財産権の対応についてPCIソリューションズグループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう、第三者の知的財産権との抵触の有無について可能な限り確認し、その権利を侵害しないよう留意しております。当連結会計年度末現在において、過去に第三者から知的財産権の侵害訴訟を提起された事実はありません。しかしながら、PCIソリューションズグループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や、PCIソリューションズグループの事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、PCIソリューションズグループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、過失によりPCIソリューションズグループの役員あるいは従業員が第三者の知的財産権を侵害する事態が発生した場合には、PCIソリューションズグループが損害賠償を含む法的責任を負う可能性がある他、PCIソリューションズグループの社会的信用の失墜により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、新たに知的財産権の取得を行う際には適切な契約の締結・管理を行い、第三者の知的財産権を侵害する恐れがある場合には、事前に専門家による情報収集・調査等を行い、他社の知的財産権を侵害しないよう十分に配慮しております。 ③ 情報管理についてPCIソリューションズグループは業務に関連して機密情報や個人情報を保有しているため、当該情報について社内規程に基づく厳格な管理を行っております。本書発表日現在において、過去にPCIソリューションズグループより機密情報あるいは個人情報の重大な漏洩やこれに起因する損害賠償請求を受けた事実はありません。しかしながら、近年多様化・巧妙化する標的型サイバー攻撃やランサムウェア感染、DDoS攻撃等のサイバーセキュリティ脅威により、万が一、情報漏洩や自社・顧客向け提供サービスの大規模なシステム停止(事業中断)が発生した場合、あるいは生成AIをはじめとする先端技術の不適切な利活用に伴う情報漏洩や権利侵害等が発生した場合には、社会的信用の失墜や法的責任の追及、復旧コストの発生等により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループのうち個人情報を取り扱う事業会社についてはプライバシーマークを取得しております。また、情報漏洩、不正アクセスを防止するための環境整備、社内での定期的な情報セキュリティ研修を実施し、情報管理の徹底及びセキュリティ強化に努めております。また、近年より多様化・巧妙化するサイバーセキュリティ脅威に対して、コンピュータウィルス検知・除去システムの他、適切なサイバーセキュリティソフトをPCIソリューションズグループ全社で導入し、安全対策を行っております。さらに、AIツールの利用に関するガイドラインの策定や安全な利用環境の整備、リテラシー教育を継続的に実施することで、新技術の恩恵を安全に享受しつつ、情報漏洩や権利侵害の未然防止に努めております。 ④ 安全規格についてPCIソリューションズグループの一部事業においては、直流電源装置等の電気用品に属する製品には、これを利用する消費者の安全を確保する目的で制定された電気用品安全法による規制等を受けております。また、海外では、消費者及び公共の安全を目的とする安全規格に関する法的規制等を受け、米国ではULマークの認証取得などそれぞれの国において安全基準に適合することが要求されております。安全規格に関する法的規制等に関して、予期しない新設、改正、変更等が行われた場合は、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクの対応策として、PCIソリューションズグループは、各国の法的規制及び安全規格に関する法令及び規制の改正等について恒常的に情報を収集しながら法令遵守に努めております。 (5) その他① M&A等についてPCIソリューションズグループは、企業価値向上に向けた既存事業の拡大や有望市場への進出のため、事業戦略の一環としてM&Aや戦略的提携を推進していく方針であります。その実施に際しては、対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について、投資の規模やリスク等に応じて適切なデューデリジェンスを行ってリスクを回避するよう努めております。しかしながらデューデリジェンスにおいて未認識債務等を発見できなかった場合や、M&A等の実施後に当初期待した成果をあげられない場合には、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、M&A等の意思決定においては、社外専門家による法務面・財務面及び事業内容についてのデューデリジェンスの実施結果を踏まえ、機関決定の場で慎重に審議しております。M&A等の実施後は、事業計画に対する実績達成度のモニタリングを行い、適宜適切なリスク管理に努めております。 ② 保有投資有価証券及び貸付金についてPCIソリューションズグループでは、事業上の関係構築等を目的とした投資有価証券及び貸付金を保有しており、このような投融資等は今後も行う可能性があります。投資有価証券及び貸付金の評価は投融資先の財政状態や経営成績等の個別の事情又は株式市場等の動向に依存いたします。PCIソリューションズグループが保有する投資有価証券及び貸付金について、投融資先の企業価値が低下あるいは信用状態が悪化した場合、投資有価証券評価損あるいは貸倒引当金繰入の計上により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、当該投資有価証券及び貸付金については、投融資先の財務状況等に関する定期的なモニタリング並びにタイムリーな情報収集を行うことでリスク低減に努めております。また、政策保有の目的で保有する株式については、年に一度、取締役会において個別に保有の適否を判断するとともに、非上場株式等については、当該会社の純資産、投資時からの事業計画の進捗、将来見込み等を継続的に精査し、リスクを軽減する施策を講じております。 ③ 訴訟等についてPCIソリューションズグループの事業活動に関連して、前述の「(2)-① 見積違い及び納期遅延等の発生可能性について」、「(2)-② 納品後の不具合について」、「(4)-① 労働者派遣における法的規制等について」、「(4)-② 知的財産権の対応について」、「(4)-③ 情報管理について」において説明したリスク等により、当該第三者がPCIソリューションズグループに対して訴訟その他の請求を提起される可能性があります。これらの結果、訴訟等の内容及び結果によっては、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新たに発生したリスクあるいは今まで顕在していなかったビジネスリスクによって、現時点で想定されない訴訟等が提起される可能性があります。一方、PCIソリューションズグループが第三者に何らかの権利を侵害され、又は損害を被った場合に、訴訟等によるPCIソリューションズグループの権利保護のために多大な費用を要し、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループは法令遵守を徹底し、内部管理体制の構築及びコンプライアンス体制の充実に努めております。 ④ 自然災害等について地震、火災等の自然災害や、戦争、テロ、新型インフルエンザの流行等により、PCIソリューションズグループにおいて人的被害又は物的被害が生じた場合、又は、外部通信インフラ、コンピュータネットワークに障害が生じた場合等の事由によってPCIソリューションズグループの事業の継続に支障が生じた場合、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本リスクへの対応策として、PCIソリューションズグループは、自然災害に備えた自然災害対応マニュアルおよびBCP(事業継続計画)を策定、安否確認システムの導入、防災訓練、データセンターの分散等の災害発生時に損害を最小限に抑え、重要な業務の継続、早期復旧を図るべくリスクへの対応強化に努めております。 ⑤ 気候変動についてPCIソリューションズグループでは、気候変動への対応をサステナビリティ経営上の最重要課題の一つと認識しております。気候変動に起因する自然災害の激甚化により、事業所やサプライチェーンが被災した場合には、生産活動の停止による機会損失等により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動対策への取組みに関する社会的要請が高まる中、当該取組みが不十分であった場合やステークホルダーからの理解が十分に得られなかった場合には、社会的信用の低下等により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、気候変動対策に関連する新たな法令や規制の導入がなされた場合には、対応費用の増加により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。PCIソリューションズグループとしては、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に係るリスクと機会の事業への影響について、継続的に分析を行い、積極的な情報開示に努めてまいります。 ⑥ 人権侵害についてPCIソリューションズグループ内のみならず、取引先を含めたPCIソリューションズグループ事業に関わる事業領域全体で人権を侵害する行為が発生した場合、PCIソリューションズグループの社会的信用の失墜やブランド価値の毀損等が生じ、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。PCIソリューションズグループは、2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「PCIグループ人権方針」を定め、これを人権に関する最上位の方針として位置付けております。PCIソリューションズグループとしては、人権に関する社員教育や啓発、サステナビリティ委員会における定期的なモニタリング等を実施すると共に、社外仕入先等の取引先に対しては、「グループ購買方針」に従い、直接的に確認・調査を行う体制を整備する等、当リスクの適切な管理に努めてまいります。 ⑦ 各種感染症拡大について社会経済活動全般に大きな影響を及ぼす感染症が発生し、拡大かつ長期化した場合には、顧客のIT投資活動の抑制や製品開発計画の中止等により、受注が減少し、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員や協力会社社員等への感染が著しく拡大した場合、納期遅延や開発スケジュール遅れ等により、PCIソリューションズグループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。PCIソリューションズグループは、リモートワークやWeb会議システムの積極的活用等、効率的な事業運営を実施しておりますが、有事の際には感染拡大を防止するため、オフィス入室時の手洗い及び手指消毒、マスク着用等の衛生管理の徹底や時差出勤の推奨等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進いたします。 ⑧ 親会社グループとの関係についてPCIソリューションズの親会社は株式会社レスターであり、同社は、有価証券報告書提出日現在でPCIソリューションズ発行済株式総数における議決権の過半数を所有しております。また、連結総売上高において親会社グループに対する売上高が一定の割合で存在しておりますが、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保しております。しかしながら、将来において、親会社グループの経営方針や事業戦略等に変更が生じた場合には、PCIソリューションズの事業展開、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。PCIソリューションズグループとしては、親会社グループと一般株主との間に利益相反リスクがあることを踏まえ、上場子会社としての中長期的な企業価値向上に向けて独立した意思決定を担保するため、実効的なガバナンス体制の構築に努めてまいります。 (※1) ターンキーメーカー:半導体の設計から製造までの各工程を複数の専門企業に委託し、これらの開発工程全般につきコーディネートする企業のこと
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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