Ubicomホールディングスグループ(Ubicomホールディングス及びUbicomホールディングスの関係会社)は、Ubicomホールディングス、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社で構成されており、『メディカル事業』と『テクノロジーコンサルティング事業』の2つのセグメントに分類されます。メディカル事業では、病院等の医療機関あるいは関連施設に関わる、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、医療データ分析及びコンサルテーションを行っております。テクノロジーコンサルティング事業は、日本及びフィリピンを中心拠点として戦略市場である医療・金融/公共・自動車(EV)・モバイル・不動産等の領域に向け、数々のITソリューションサービスを提供し続けております。
また、Ubicomホールディングスグループは、グローバル化や少子高齢化などの社会構造の変化などの社会変革、医療生命科学やロボット・人工知能の分野における技術革新を新規ビジネス創出のチャンスと捉え、戦略市場である医療・金融/公共・自動車(EV)・モバイル・不動産等の領域に向け、「3A」(「Automation(ソフトウエアテスト等の実行・管理の自動化)」「Analytics(ビッグデータと分析)」「AI(人工知能)」)を基に進化・発展させたコア・ソリューションを次世代型ソリューションと位置付け、事業モデルを展開しております。「金融領域」においては、金融機関向け案件を中心に、業務アプリケーションの開発やフィンテック時代に向けたシステム移行需要に係る開発を支援しております。「医療領域」においては、医療事業を担う中核としてレセプト点検ソフトウエア等を開発する株式会社エーアイエスを中心に、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、医療データ分析を中心としたビジネスモデル戦略を積極的に推進する体制を整えております。
Ubicomホールディングス及びUbicomホールディングスの関係会社の事業におけるUbicomホールディングス及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(1) メディカル事業
メディカル事業では、医療情報システムのソフトウエア商品の開発・販売、受託開発、コンサルテーションを中心に、医療機関の経営課題解決と医療DXの推進に資する事業を展開しております。
メディカル事業の中核を担う子会社である株式会社エーアイエスは、医師の働き方改革(2024年4月から適用)の課題となる残業時間削減、医療安全の推進、医療機関における経費削減、医療現場の業務効率を改善し、経営品質を高めるため、「Mighty」シリーズ製品としてソリューションシステムを開発、約21,000を超える医療機関の経営を支援しております。主力製品であるレセプト(注1)点検ソフト「MightyChecker®」及びオーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®」の引き合いは、医師の働き方改革および診療報酬改定を背景とした医療DX化の加速により引き続き順調に拡大しており、なかでも、「AI×サブスクモデル」を実現した次世代型レセプトチェックシステム「MightyChecker® EX」および進化版オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE® Hybrid」は、大手医療機関を中心に、引き続き高い需要を維持しております。
また、レセプト点検ソフトのリーディングカンパニーとして、Ubicomホールディングスグループの「3A」による次世代型ソリューションのうち、「Analytics(分析)」の領域の中心的な役割の1つを担っており、医療データ分析事業への本格展開を開始しております。具体的には、生損保向けソリューションの開発、その他データ分析(健保組合・学会等)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に展開し、「Mighty」シリーズに次ぐ「新たなサブスク型の収益源」の確立を進めています。これら新施策の一つである、医療データベースを活用した医療保険の支払査定支援システム「保険ナレッジプラットフォーム」は、既に4社の生命保険会社にて実装されています。今後は同プラットフォームにおける追加オプションの販売を推進すると同時に新たなサブスクリプション型メニューとして、保険業界全体へ向けた本プラットフォームの浸透を図ってまいります。また、新たなメニューとして、「MightyChecker® EX」と、医療クラウドサービス「SonaM」を搭載したレセプト点検プラットフォーム「遠隔サービスプラットフォーム」の提供を新たに開始いたしました。同プラットフォームは、医療機関とBPO拠点間における安全な情報連携を可能とし、「MightyChecker® EX」による高精度なレセプト点検を実現することで、業務効率化および査定・返戻率の改善を通じた収益向上に貢献しております。なお、本サービスは、大手医療人材派遣事業を展開する株式会社日本教育クリエイトとの業務提携により実現したものです。
メディカル事業は、引き続き、WEBを活用した営業・サポートへの移行により、直接販売(ダイレクトアカウント)の拡大、ソリューションの重ね売りによる顧客単価の向上、新価格体系への移行を推進してまいります。あわせて、すでに関係を構築している全国の販売代理店の買収による「M&A戦略」を推進し、販路の拡大および直接取引ルートの強化を通じて、販売効率のさらなる向上を図ってまいります。
当事業の主力製品であるMightyシリーズのラインアップは、下記のとおりであります。
① レセプト点検ソフト「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」
平成21年5月8日付平成21年厚生労働省令第110号「療養給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令の一部を改正する省令」により、一部例外を除き、医療機関はオンラインによるレセプトの請求が義務付けられるようになりました。審査支払機関における審査強化の動きも重なり、レセプトチェックの精度と効率を上げることは、医療機関において、経営上の重要な課題となりました。
「MightyChecker®」シリーズは、レセプト電算処理・レセプトオンライン請求が一般化された現在、医療機関にとって必須ツールであり、院内審査(注2)における査定・返戻対策用の機能に留まらず、その後の機能強化により請求漏れの可能性がある指導料や加算項目等の指摘を行うことを可能にし、また、グラフィック機能の搭載、査定金額順点検の実現、加えて、査定・返戻データの取り込みにより査定された該当レセプトの抽出、それに基づくスムーズなデータベース修正、集計分析機能なども追加し、業界の中でもユニークで先駆的製品として供給を続けております。
「MightyChecker®」の特徴については、下記のとおりであります。
② オーダリングチェックソフト「Mighty QUBE®(マイティーキューブ)」
2024年4月から施行された医師の働き方改革法案において、医師の過重労働が問題となる中、医師の時間外労働時間の上限は960時間と定められ、医療現場のDX化が急務となっております。「MightyChecker®(マイティーチェッカー)」のデータベースを活用し、疾患と診療行為・投薬の適応性、投与量・日数等を処方オーダー時に点検し、不適応のもの、病名が漏れているケースへエラーを出す仕組みとして、国立大学法人東京大学と共同開発したものであり、オーダリング時の人為的な誤入力・誤操作を防ぐことで、医療事故(ヒヤリ・ハット)や査定(減額)を防止、医師の残業時間削減、医療機関における経費削減を実現します。
(注1)レセプト
患者様が受けた診療について、医療機関が市町村や健康保険組合等の公的機関に対し、保険負担分の支払いを請求する医療診療の明細書。医科・歯科の場合には「診療報酬明細書」、薬局における調剤の場合には「調剤報酬明細書」と呼ばれる。
(注2)院内審査
医療機関自らが内部で実施する自己点検業務。
(注3)ORCA(オルカ)
日本医師会が会員のために開発・提供している無料レセプトソフト。2025年5月15日現在、 19,333施設で稼働している(出典:「ORCA PROJECT 日本医師会ORCA管理機構」ホームページ)。
(2) テクノロジーコンサルティング事業
テクノロジーコンサルティング事業は、主に国内外のグローバル企業を主要顧客に、Ubicomホールディングス海外子会社であるAdvanced World Systems, Inc.とAdvanced World Solutions, Inc.(以下「フィリピン子会社」という)及び北京愛維森科技有限公司(以下「中国子会社」という)並びに持分法適用関連会社であるAlsons/AWS Information Systems, Inc.を活用したシステム開発業務を行っており、システム開発業界の競合の激化、グローバル化という業界環境の流れの中で、低コスト、高品質を同時に実現すべくサービスを提供し続けています。特にフィリピン子会社は、2006年1月にUbicomホールディングスの子会社となる以前の、前身であるAPTi Philippines, Inc.が設立された1993年以来、約30年に渡る開発実績を積み上げております。
近年、IT製品開発は、国内から海外の事業者や海外子会社に委託する形態が広がりをみせております。従来の海外への開発委託は主として、労働集約型の業務を単価の安い海外へアウトソーシングすることにより、開発及び保守・運用コストの削減を目的としたものでございましたが、我が国における少子高齢化の影響によるIT人材不足を背景に、AI、IoT、ロボティクスといった最先端分野も含め、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において戦略的に海外の人材を活用することが必要な段階に差し掛かっております。
Ubicomホールディングスグループが主たる事業拠点としているフィリピン共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)の新興国として年5%程度の経済成長(2015~2024年の平均値)を続けています。2024年には前年比5.6%と政府が目標としていた6.0~6.5%を下回る成長率となったものの、フィリピン開発予算調整委員会(DBCC)は、2025年、2026年ともに、GDP成長率の目標を6.0~8.0%と設定しており、少なくとも6.0%に達するとの見通しとなっております(注1)。また、人口動態予測(注2)でも、消費者・就労者人口とも一貫して増え続ける予想となっております。Ubicomホールディングスグループは、ソフトウエアの設計・開発から製品保証まで、英語・日本語のバイリンガルな環境で広範なシステム開発のサービスを行っております。国内外を代表する大手製造業と協業をしている経験と実績を基に、信頼できる開発パートナーとして、確かな技術と品質を提供しております。また、日本のエンジニア不足は高齢化社会の進展に伴い加速し、IT人材需要との需給ギャップから、2030年には約79万人に拡大(注3)すると予測され、今後ますますUbicomホールディングスのバイリンガルかつジャパンクオリティのエンジニアの需要は高まると考えております。
フィリピン子会社の活用形態は、①フィリピン国内における事業所において開発を行う(オフショア開発)、②フィリピン子会社の開発要員をUbicomホールディングスに出向させ、日本国内の顧客の開発拠点にて直接開発を行う(オンショア開発)の二形態があります。Ubicomホールディングスグループでは、顧客の個々の要望に応じてこれらの二形態の組み合わせを基礎として最適な開発形態を都度構築しております。昨今では、フィリピン子会社にて、日本国内顧客社員の出向を積極的に受け入れております。出向の受け入れにより、顧客自らが直接対面でフィリピンエンジニアに指示を出すことによる作業効率向上や顧客の幹部候補におけるオフショアでの開発経験の育成など双方におけるメリットがあります。また、フィリピンの人件費水準、及び現地従業員の英語力は、同業との競合において差別化を図れる重要な要素となっております。さらに国内においては、外部の人材についても積極的に活用することを目的として、Ubicomホールディングスが一般労働者派遣事業の免許を取得し、人材派遣業務を行っております。
フィリピン子会社の従業員はUbicomホールディングスグループの重要な経営資源であり、フィリピン及び日本において直接クライアントとのやり取りを通じ開発を実施することから、英語と日本語のバイリンガル能力に加え、高度なIT技術を有するエンジニアの育成が必要となります。そのため、フィリピン子会社においては、毎年計画的にフィリピン全国の理工学系専攻新卒者の上位成績者を中心に採用し、戦略的人材育成を行っております。具体的には、2003年4月に設立したフィリピンのマニラとセブそれぞれの施設内に所在する社内研修センター「AWS's Center for Technology Incubation(通称:ACTION)」を活用し、5~6ヶ月間の集中新人研修プログラムを行い、日本語環境下での高度なソフトウエア開発ができる人材を養成しております。
この社内研修センター「ACTION」ではIT分野の基礎技術・知識の教育に始まり、ソフトウエア開発に関わる最新技術、ビジネススキル、さらに日本人講師による日本語講座等の研修コースを設け、従業員の技術力向上を継続的に支援しております。フィリピン子会社では、高い技術力で長年、国際優良企業と協業してきた実績を基に、グローバルな市場で評価されるソリューションを創造・提供し続けた結果、Ubicomホールディングスフィリピン子会社に在籍するエンジニア2名が、アジア版情報処理技術者試験「ITPECアジア共通統一試験」のトップ合格者の中でも特に優秀な人材として、「アジアトップガン2020」に選出されております。
中国においては、米中関係や中国経済の構造変化を踏まえ、Ubicomホールディングスも中国拠点の構造改革を進めております。具体的には、昆山事業所を縮小し、合肥事業所へ事業を集約することで、固定費の削減と収益構造の改善を図ります。これにより、主要顧客であるグローバル大手PCメーカーとの取引を維持しつつ、収益性の確保を目指してまいります。
(注1)GDP成長率
2023年の実質GDP成長率は、速報値で5.6%と発表していたが、確定値では5.5%に修正があった。
出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)「ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース世界貿易投資報告:フィリピン編」他
(注2)人口動態予測
出典:総務省統計局「世界の統計2023」2-2 世界人口・年齢構成の推移(1950~2050年)
(注3)IT人材需要の変化
出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」
事業の系統図は、次のとおりであります。
なお、Ubicom U.S.A., Inc. については、量的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
Ubicomホールディングスの経営方針の内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてUbicomホールディングスグループが判断したものであります。
(1) 経営理念
① Unique beyond comparison
時代の先を見据え、社会課題の解決に資するITソリューションを創造する、唯一無二のビジネスイノベーションカンパニーであり続けます。
② Go Global
Ubicomグループのビジネススキームを、米国及びアジア各国を中心にグローバルに展開していきます。
③ Win-Win
お客様、協業先、そして全てのステークホルダーの皆様との相互発展を通じて、Ubicomグループの「仲間」を増やしてまいります。
(2) 事業展開方針
Ubicomホールディングスグループは、以下の事業展開の方針のもと、顧客との持続発展的な関係を構築し、収益基盤の構築と収益力の向上を図ってまいります。
① 常に他社に先駆けてマーケットを創造
グループ各企業の特性を最大限に活かし、その力を自在に統合し、時代の変化を先取りした新たなマーケットを創造する企業集団であり続けます。
② ニッチNo.1のポジションを構築
新たに創造したニッチマーケットにおいて、No.1の地位を築き、マーケットの成長とともにUbicomホールディングスグループも成長を目指します。
③ グローバル展開
常に世界目線で思考し続け、Ubicomホールディングスグループのビジネススキームを、アジア各国を中心にグローバルに展開しています。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
長期的な成長を目指し、収益基盤を一層強固なものにするために、Ubicomホールディングスグループの対処すべき課題としましては、特に以下の点について、重要課題として取り組んでおります。
① グローバル事業
グローバル事業については、Ubicomホールディングスが戦略的ドメインとして位置付ける顧客層(医療、金融/公共、自動車、 製造業及び流通/小売・サービス業等)に向け、次世代型ソリューションとして位置付ける「ソフトウエア テスト等の実行・管理の自動化(Automation)」「ビッグデータと分析(Analytics)」「人工知能(AI)」等のコア技術を活かして数々のソリューションを積極的に展開してまいります。今後は、ピラー顧客20社以上の立ち上げに向け、戦略的ドメインのリーディングカンパニーへの導入実績を皮切りに、次なるピラー顧客候補の獲得と顧客内における横展開を実施し、さらにはAI関連領域をはじめとするソリューションの横串的拡大を推進してまいります。加えて、業界を代表する大手顧客を中心に、戦略的パートナーシップに向けた関係構築を図ってまいります。また、Ubicomホールディングスグループのグローバルビジネスの中核であるフィリピン国内において、キャリア採用を含めた継続的な人員の確保・育成強化に加え、今後、資本・業務提携の推進に伴う大規模プロジェクトをリードできる人材の登用・育成、さらにフィリピン以外のアジアパシフィック地域を含めたグローバルリソースの獲得及びソリューションビジネス拡大に向けた先端技術や人材投資に係る戦略的取り組みを行ってまいります。
② メディカル事業
メディカル事業においては、「MightyChecker® EX」及び「MightyChecker® Cloud」、「Mighty QUBE® Hybrid」の販売に伴う『Mighty』シリーズの既存のストック型ビジネスの安定した拡大に加え、これまで培ってきたコア分析技術、知財及び医療データにアクセスできる有利なポジションを活かし、第2成長フェーズとして、さらなる高収益モデル・新規プラットフォームビジネスの創出を推進してまいります。具体的には、生命保険会社の業務効率化に資する「保険ナレッジプラットフォーム」の横展開・機能強化、健保組合・学会などの要請に応える「データ分析プラットフォーム」の強化、医療のDX化を推進する「遠隔サービスプラットフォーム」の構築、国民の健康増進に寄与する「マイナポータルプラットフォーム」「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)プラットフォーム」の開発などを進め、Mightyシリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の創出を図ってまいります。
③ 全社的な取り組み
Ubicomホールディングスは既存事業の成長に加え、「Ubicomホールディングス知財等を活用した新規事業の育成」及び「協業企業様との投資を介したWin-Winインベストメントモデル」を事業戦略に掲げており、それらの実現に向けたさらなる投資活動 の展開及びそれら投資効果の本格的な発現に向けた取り組みを強化してまいります。今後は、先端IT人材のさらなる育成やメディカル事業でのフィリピン人材の活用拡大などの人的投資を推進することにより、新たな収益ピラーの立ち上げ、新規事業モデルの創出に全社的に取り組み、引き続き「最高益達成」の実現を目指してまいります。また、Ubicomホールディングスは2022年4月よりプライム市場へ移行し、ガバナンス・経営成績・財政状態等の整備に向けて改善を実施しており、今後もより高い水準の経営体制に向け取り組んでまいります。
④ 協業・戦略的提携
UbicomホールディングスはこれまでWin-Winインベストメントモデルとして資本業務提携及び開発協業を実施しており、現在 も、進行・交渉段階にある国内外における複数の協業パイプライン(含むM&A)の早期実現及び新たな事業 ピラーの構築を目指し、継続的な成長戦略の実現を目指してまいります。今後もUbicomホールディングスグループは、提携先、Ubicomホールディングス共にWin-Winの関係を構築する協業・戦略的提携を不断に実行することにより、企業価値の継続的な向上を目指してまいります。
Ubicomホールディングスグループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク要因について、以下に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてUbicomホールディングスグループが判断したものであります。
(1) 経済動向による影響について
Ubicomホールディングスグループは、日本国内のほか、フィリピン、中国及び米国に事業拠点を設置し、事業を展開しており、またUbicomホールディングスグループの取引先についても、その多くが日本国内に留まらず海外にて事業を展開しております。このため、Ubicomホールディングスグループの事業活動は、日本や事業拠点のある現地の国々や地域に限らず、Ubicomホールディングスグループの取引先が事業展開を行っている国々や地域の経済環境や社会環境の変化及び景気動向の影響を受ける可能性があり、その結果、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) グローバル事業に係るリスク
① システム開発プロジェクトに関する採算性について
Ubicomホールディングスグループは、システム開発の受注活動の準備段階において、予め、顧客の要求する仕様・機能その他の顧客のニーズに応えるために必要な延べ作業時間(作業工数)の見積もりを出し、開発に要する費用を確定させて契約しております。しかしながら、特に請負の契約においては、その開発作業の過程において、仕様の変更や何らかのトラブル等の発生により、予め見積もっていた作業時間を超える作業が発生した際には、その費用をUbicomホールディングスグループが負担しなければならない場合があります。また、開発したシステムの顧客への検収完了後不具合が発生した場合においても、その解消をUbicomホールディングスグループの費用負担で行わなければならない場合があります。したがって、これらの事象が発生した場合には、予め見積もった費用を超える費用をUbicomホールディングスグループが負担し、システム開発案件の採算性が悪化することとなります。Ubicomホールディングスグループとしてはこのようなリスクを考慮し、品質向上の取り組みを強化するとともに、できる限り準委任もしくは派遣の契約を優先しておりますが、請負の契約の割合が高まり、かつ、上述のような事態が発生した場合、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 受託開発における実行予算の見積りに関するリスク
受託開発においては、請負業務に関する収益の計上に際して、一定の期間にわたり履行義務が充足される契約については、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、一定の期間にわたり収益を認識しております。当該収益認識に係る進捗度の見積り方法は、実行予算に対する実際原価の割合(インプット法)で算出しております。実行予算の見積りは、対象となる請負業務ごとに内容や工期が異なるため個別性が強く、また、進行途上において当初想定していなかった事象の発生により業務内容の変更が行われる等の特徴があるため、今後、想定していなかった状況の変化等により実行予算の見積りの見直しが改めて必要となった場合は、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
Ubicomホールディングスグループは、業務の進行途上において業務内容の変更等が行われる場合には、当該状況の変化に関する情報を適時に適切な部署・権限者に伝達し、当該情報をもとに適宜実行予算を見直すことにより、適切な収益認識となるように対応しております。
③ 海外での事業展開について
Ubicomホールディングスグループは、日本国内のほか、フィリピン、中国及び米国に事業拠点を設置し、事業を展開しております。海外での事業展開において適用を受ける関連法令・税制・政策の制定、改正又は廃止、並びに解釈の相違、政治経済情勢・外交関係の変化、電力・輸送・通信等のインフラの停止・遅延、法令・規制・商慣習の実務上の取扱いの変更、人件費の上昇、テロ、戦争、伝染病等が発生した場合や、日本との商習慣との違いから生じる取引先等との潜在的リスクが顕在化し、現地での事業活動に悪影響が生じる場合には、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 為替相場の変動、送金について
Ubicomホールディングスグループは、日本国内のほか、フィリピン、中国及び米国において製品開発及び販売を行っております。連結財務諸表を作成するにあたっては現地通貨を円換算する必要があり、換算時に使用する為替レートによってはUbicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。為替相場の変動は中長期的には平準化されるものと考え、為替予約等は行っておりません。また、これら4カ国間の送金が、それぞれの国の法規制や政策の変更、外交関係の大きな変化により、円滑に行い難い状況となった場合には、Ubicomホールディングスグループの業務に影響が生じ、その結果、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害等について
Ubicomホールディングスグループは、日本国内のほか、フィリピン、中国及び米国において事業を展開しており、地震・台風等の自然災害の影響を受ける可能性があります。特に、日本及びフィリピンにおいて大規模災害が発生し、Ubicomホールディングスグループや常駐先企業が人的及び物的被害を受けた場合には、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 競合状況及び競争政策(価格競争)について
Ubicomホールディングスグループは、フィリピンにおいて、長年に渡り日系企業との取引関係の実績を積み上げ、また、ノウハウを蓄積することにより、競合他社との差別化を図っておりますが、競合他社のフィリピン市場への参入やベトナム等他国における日系企業向けオフショア開発企業との競争等により、Ubicomホールディングスグループを取り巻く市場の競争環境がより一層激化し、コスト面や技術力等で競合他社に対し、競合優位性を確保することが困難となる場合には、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 国内の法規制について
Ubicomホールディングスの事業の遂行にあたっては、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)、職業安定法、出入国管理及び難民認定法(入管法)等の関連法令による規制の適用を受けております。Ubicomホールディングスでは、これらの関連法令の遵守に努めておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、当該法令の変更や新たな法令の施行等により事業上の制約を受けるような場合には、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 技術革新への対応について
Ubicomホールディングスグループが主力事業として展開するグローバル事業においては、技術革新のスピードが速く、新言語・新技術によるサービスの導入が加速しております。このような状況の中、技術革新への対応が遅れた場合、あるいは想定を上回る速度での技術革新や新技術が出現し普及した場合には、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 租税に係るリスクについて
フィリピン共和国においてUbicomホールディングス連結子会社Advanced World Systems, Inc.及びAdvanced World Solutions, Inc.(本項目において、以下、「当連結子会社」という。)は、付加価値税の還付請求権を有しております。当連結子会社は、同国の内国歳入庁に対し遅滞なく還付請求を行っておりますが、同庁による付加価値税の還付手続の遅延により、未だ9,579千フィリピン・ペソの付加価値税については還付されておらず、そのうち一部の請求については、同庁より還付の否認通知書を受領しております。当連結子会社は同否認通知書には重要な認識の誤りがあり不当であるとして、同国租税裁判所へ否認の取り消し及び還付の実施を求め提訴あるいは提訴の準備を進めております。
当連結子会社においては、引き続き、付加価値税の還付請求を行ってまいりますが、同庁と当連結子会社側の主張・見解と相違する結果となった場合には、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) メディカル事業に係るリスク
① 情報システムの障害について
Ubicomホールディングスグループがインターネットを通じて提供するクラウドサービスにおいては、患者様の既往歴・処方薬等の診療記録をはじめとする、医療機関よりお預かりした重要な個人情報を取り扱っております。情報システムの構築にあたっては、これらの重要情報についての改ざんや大規模盗難等の危険性を排除した万全の品質管理を徹底しておりますが、万が一、医療機関に提供した情報システムに予想し難い欠陥や不具合が生じた場合、あるいは個人情報が漏洩した場合には、Ubicomホールディングスグループの信用低下や、損害賠償責任の負担等を通じて、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定製品への依存について
Ubicomホールディングスグループが展開するメディカル事業において、レセプト点検ソフトMightyシリーズは、2024年3月期の連結売上高の約26%を占める主力製品となっております。当製品が想定外の事由により販売中止となった場合や、他社製品への乗替え等により売上高が大幅に減少した場合には、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 診療報酬の改定について
現行法上、診療報酬は2年に1度改定されており、この改定において診療報酬が引き下げられた場合、Ubicomホールディングスグループの販売先である医療機関の経営を圧迫する可能性があり、これに伴い当該医療機関の設備投資が縮小された場合には、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 代表取締役への依存
Ubicomホールディングス代表取締役社長青木正之は、Ubicomホールディングスグループの経営戦略の立案・決定や業務上の提携先及び取引先との交渉において中心的な役割を担うほか、実務レベルでの事業運営の推進においても重要な役割を果たしております。Ubicomホールディングスは、同氏に対して過度に依存しない経営体制の構築を目指し、人材の育成・強化に注力しておりますが、依然として同氏の経営判断、行動力、営業力及び人脈等に一定程度依存している傾向にあるため、同氏が何らかの理由により業務執行できない事態となった場合、Ubicomホールディングスグループの今後の事業展開及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
(5) 情報セキュリティについて(個人情報・機密情報の流出)
Ubicomホールディングスグループでは、事業遂行にあたり、顧客の企業情報や顧客が保有する個人情報等、様々な機密情報に接する機会があります。それらの情報管理やセキュリティ管理に対しては個人情報保護規程や企業機密管理規程を整備するとともに、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得し、情報の適正な取扱いと厳格な管理を的確に行っておりますが、万が一、これらの情報が外部に漏洩した場合には、Ubicomホールディングスグループの信用低下や損害賠償責任の負担等を通じて、Ubicomホールディングスグループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) コンピュータウイルス等について
Ubicomホールディングス、国内子会社及びフィリピン子会社は、不正アクセスやコンピュータウイルスによる被害、内部不正者や外注先による情報漏洩等の脅威に備えるため、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しております。また、月1回定期的にISMS管理策チェックを行い、全ての役員・従業員に対する意識付けを組織的かつ継続的に行っております。しかしながら、万が一、不正アクセスやコンピュータウイルスによる被害等、不測の事態が生じた場合には、Ubicomホールディングスグループの信用低下等を通じて、Ubicomホールディングスグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 知的財産権について
Ubicomホールディングスグループは、事業活動において、第三者の特許権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう、常に注意を払うとともに、必要に応じてUbicomホールディングスグループの知的財産権の登録を申請することで、当該リスクの回避を図っております。しかしながら、Ubicomホールディングスグループの認識していない第三者の知的財産権が既に成立している可能性やUbicomホールディングスグループの事業分野で第三者の知的財産権が成立する可能性があること等から、Ubicomホールディングスグループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差止請求及びロイヤリティの支払い要求等が発生した場合には、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材の確保と育成について
Ubicomホールディングスグループの事業を推進していくためには、高度な専門知識、技能及び経験を有する人材の確保及び育成が不可欠であります。Ubicomホールディングスグループは、ストック・オプション等のインセンティブの付与や、人材育成に係るプログラムの強化、人事評価の適正の確保、福利厚生制度の拡充、ワークライフバランスの実現等により、優秀な人材の確保・育成及び流出防止に努めておりますが、予定していた人員の確保及び育成が計画どおり進まない場合や既存の人材の社外流出、また、賃金水準が急激に高騰した場合における人件費負担増等があった場合には、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 今後の事業展開について
Ubicomホールディングスグループでは今後も引き続き、企業価値の継続的な向上を目指し、Ubicomホールディングスグループのノウハウを活かした収益力の高い製品、サービスの創出及び協業・戦略的提携に積極的に取り組んでまいりますが、事前に十分な検討をしたにもかかわらず、期待した成果があがらない場合や予想困難なリスクの発生により当初の事業計画を達成できない場合には、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 投融資について
Ubicomホールディングスグループでは、今後の事業展開の過程において、出資、設備投資、アライアンス、M&A等の投融資の実施を目指しております。投融資については、投資リスクを十分に検討し、また、Ubicomホールディングスグループの財政状態等を総合的に勘案して決定してまいりますが、予定していた投融資が回収できない場合や、減損損失の対象となるような事象が生じた場合には、Ubicomホールディングスグループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
Ubicomホールディングスは、Ubicomホールディングスグループの役員、従業員ならびに社外協力者に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションによる新株予約権を付与しております。2024年5月31日現在、新株予約権による潜在株式数は393,040株となっており、発行済株式総数株の3.2%に相当します。
これらの新株予約権が行使された場合、既存株主が有する株式の価値及び議決権割合が一定程度希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材確保のために同様のインセンティブプランを継続して実施する可能性があります。
さらに、潜在株式の行使により取得した株式が市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、適正な株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 配当政策について
Ubicomホールディングスは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、事業成長と戦略的投資のバランスを見極めながら、安定した配当を継続的に実施していくことを基本方針としております。しかしながら、Ubicomホールディングスグループの業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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