住友化学(4005)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】住友化学グループは、住友化学及び関係会社214社から構成され、その主な事業内容と住友化学及び主な関係会社の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度における主な事業内容を記載しております。 (1) アグロ&ライフソリューション当セグメントにおいては、農薬、肥料、農業資材、家庭用・防疫用殺虫剤、熱帯感染症対策資材、飼料添加物等の製造・販売を行っております。[主な関係会社]スミトモ バイオラショナル カンパニー LLC、ベーラント バイオサイエンス LLC、ベーラント U.S.A. LLC、スミトモ ケミカル ブラジル インダストリア キミカ S.A.、スミトモ ケミカル チリ S.A.、スミトモ ケミカル インディア リミテッド (2) ICT&モビリティソリューション当セグメントにおいては、光学製品、半導体プロセス材料、化合物半導体材料、タッチセンサーパネル、高純度アルミニウム・アルミナ、化成品、添加剤、エンジニアリングプラスチックス、電池部材等の製造・販売を行っております。[主な関係会社]東友ファインケム㈱、スミカ セミコンダクター マテリアルズ テキサス インコーポレーテッド、SSLM㈱、住化電子材料科技(無錫)有限公司、住華科技股份有限公司、㈱田中化学研究所、田岡化学工業㈱ (3) アドバンストメディカルソリューション当セグメントにおいては、高度化低分子医薬分野、医療用オリゴ核酸分野、再生・細胞医薬分野のCDMO(製法開発、製造受託)事業等を行っております。[主な関係会社]広栄化学㈱ (4) エッセンシャル&グリーンマテリアルズ当セグメントにおいては、合成樹脂、合成繊維原料、各種工業薬品、メタアクリル、合成樹脂加工製品、普通アルミナ、合成ゴム等の製造・販売を行っております。[主な関係会社]日本シンガポール石油化学㈱、PCS(プライベート)リミテッド、ザ ポリオレフィン カンパニー(シンガポール)プライベート リミテッド、ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー、スミトモ ケミカル アメリカ インコーポレーテッド、スミカ ポリマーズ アメリカ コーポレーション、スミトモ ケミカル アジア プライベート リミテッド (5) 住友ファーマ当セグメントにおいては、低分子医薬品の製造・販売を行っております。[主な関係会社]住友ファーマ㈱、スミトモ ファーマ アメリカ インコーポレーテッド、スミトモ ファーマ スイス GmbH、ユーロバント サイエンシズ GmbH (6) その他上記5セグメント以外に、電力・蒸気の供給、運送・倉庫業務等を行っております。[主な関係会社]住友精化㈱
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において住友化学グループが判断したものであります。なお、業績見通し等の将来に関する記述は、住友化学が現時点で入手している情報や合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 (1) 長期的に目指す姿 住友化学は、創業以来、住友の事業精神「自利利他 公私一如」(住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない)のもと、自らの成長と社会への貢献を実現してきました。そして、この考え方を基に長期的に目指す企業像を「Innovative Solution Provider」と定めております。この目指す企業像に向け、住友化学が強みを持つ技術や事業のアセットから、取り組むべき社会課題を「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」に定めております。各課題に対応したそれぞれの事業部門において、これまで培ってきた住友化学固有の6つのコア技術と、そこから生まれた3領域(GX・DX・BX)を切り口とした重要アセットを活用することで、革新的なソリューションを生み出し、広く社会へ提供してまいります。そして、この先もグローバルに存在感のある会社であり続けるとともに、持続的な企業価値向上を目指してまいります。 (2) 2025-2027年度中期経営計画:全社方針住友化学グループは、2025年度を初年度とする中期経営計画に取り組んでおります。基本方針として、「新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化」、「構造改革の継続的な遂行による強靭化」、「財務・資本効率の改善」などの5つを掲げました。2027年度の財務目標に関しては、コア営業利益2,000億円、ROE8%、ROIC6%、D/Eレシオ0.8倍台としております。 (3) 中期経営計画の進捗基本方針01 新成長戦略による事業ポートフォリオ高度化住友化学の強みである有機合成技術をベースとした「勝ち筋」事業を軸に、セグメント横断での競争力強化及び事業ポートフォリオの高度化を推進するとともに、長年の技術蓄積により競争優位性を有する再生・細胞医薬事業を新たな成長事業として育成する方針に基づき、各種施策に取り組みました。 基本方針02 構造改革の継続的な遂行による強靭化ラービグ リファイニング アンド ペトロケミカル カンパニー(以下「ペトロ・ラービグ社」という。)に対する住友化学持分比率の15%への引き下げ、国内における既存エチレンプラントの運営最適化やポリオレフィン事業の統合に関する合意など、石油化学事業の構造改革を着実に推進しました。また、住友ファーマ株式会社(以下「住友ファーマ社」という。)は構造改革を経て業績が好転しました。今後の成長に必要な資金の確保と財務基盤の強化のため資本を増強しました。なお、住友ファーマ社に対する住友化学持分比率は低下しますが、連結子会社である点に変更は生じません。 基本方針03 財務・資本効率の改善ROIC志向経営の再徹底に向け、投資管理プロセスを強化しました。データに基づくリスクの定量化や外部知見の活用等により投資判断の客観性を高め、徹底したリスク管理のもとで投資判断を実施しました。さらに投資後のモニタリング体制を強化し、環境変化に機動的に対応することで、投資効率の最大化及びROIC向上に向けた取り組みを推進しました。 基本方針04 3つのXを基軸としたR&D戦略全社視点で研究開発効率を高め戦略的な投資を実現するため、研究体制を再編しました。全社研究戦略会議の新設による重点分野への戦略的アロケーション決定と全社のモニタリング強化、研究企画部の新設による全社横断的な構造改革のリード、並びに技術ロードマップ策定による機動的な研究開発の実現を狙いとしております。 基本方針05 新成長戦略を支える経営基盤の強化経営基盤強化の一環として、生成AIの活用促進と高度化を推進しました。活用状況のモニタリングや教育により利用定着を図るとともに、専門業務に応じて社内データ活用をカスタマイズできる機能を実装し社内ナレッジの活用を深化しました。全社員が日常的にAIを活用する環境を浸透させ、事業競争力の強化につなげております。 (4) 2025年度 各事業部門の取り組み アグロ&ライフソリューション部門農薬事業では、次世代のブロックバスターを目指す製品に関する取り組みが主要市場で前進しました。例えば、殺菌剤インディフリンは、南米の大豆用途に加え、インドで水稲向けに販売を開始しました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長に向け、北米で同事業を担うグループ会社を統合し、研究・製造・販売等の機能を一体運営するグローバル中核拠点として新体制を整備することとしました。一方、南米では足元の厳しい事業環境を踏まえ、主力製品の真の付加価値に根差したマーケティング方針のもと、流通チャネル別販売戦略強化と、適用拡大による使用場面の拡大等を通して、販売回復とプレミアム価格の維持を図ってまいります。 ICT&モビリティソリューション部門半導体関連事業では、台湾のアジア ユニオン エレクトロニック ケミカル コーポレーションの買収により、台湾・米国の半導体用ケミカル拠点を獲得しました。AI需要の急拡大に牽引される先端半導体市場の成長を捉え、経営資源を最大かつ効率的に投入し、先端材料の開発・拡販と安定供給体制の強化を進めてまいります。ディスプレイ関連事業では、大型LCD用偏光フィルムの構造改革を実施し、OLED・車載用など高機能分野へのシフトを推進しました。また、モビリティ関連事業では、耐熱セパレータの製造拠点を集約しました。これらの構造改革を通じ、ディスプレイ関連事業、モビリティ関連事業の収益最大化とさらなる拡大を目指してまいります。 アドバンストメディカルソリューション部門CDMO事業を成長の中核に位置づけ、開発から製造・品質までの総合対応力を活用し、事業拡大を推進しております。特に医療用オリゴ核酸では、米国拠点を活用した顧客対応体制を強化し、新規受注の拡大に取り組んでおります。再生・細胞医薬事業では、日本において、世界初のiPS細胞由来パーキンソン病治療用製品「アムシェプリ®」の条件及び期限付き承認を取得したことを踏まえ、本承認と米国承認に向けて開発・製造・品質・事業の各体制を強化してまいります。また、後続の眼科2製品、脊椎損傷治療用製品の治験、開発を進め、革新的治療法を患者様に届けるべく取り組みを進めてまいります。 エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門石油化学事業では、2025年10月よりペトロ・ラービグ社の住友化学持分比率を15%へ引き下げました。国内においては既存エチレンプラントの運営最適化及びポリオレフィン事業の統合に関して関係先と合意に至るなど構造改革を加速させました。また、他社との協働を通じてライセンス・触媒事業の基盤を強化し、主力事業への成長を図ります。環境負荷低減ソリューションの提供に向けては、ケミカルリサイクルに関するパイロット設備の建設を完了するなど、2030年代の事業化を見据え、環境負荷低減技術の開発を推進しております。 (5) 2025年度実績2025年度は、オルゴビクス拡販を中心とした住友ファーマ社の利益貢献、ペトロ・ラービグ社の持分譲渡や、ノンコア事業売却などの構造改革の成果が実を結び、コア営業利益は2,084億円となりました。このため、2025年度の年間配当は、2024年度の9円と比べ4.5円増配となる1株当たり13.5円といたしました。また、有利子負債の返済を進め、D/Eレシオは2024年度末の1.20倍から2025年度末は0.93倍となり、財務体質が改善しました。 (6) 2026年度以降の見通し2026年度の業績見通しについては、住友ファーマ社の収益改善並びにペトロ・ラービグ社の財務改善・持分変更等が全社業績に貢献し、コア営業利益2,150億円となる予想です。収益力が着実に改善し、実力ベースでの大きな伸長を見込んでおります。2027年度以降に向けては、先行投資の成果最大化を通じて成長ドライバーであるアグロ&ライフソリューション部門及びICT&モビリティソリューション部門による全社業績の牽引を図ります。あわせて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズ部門の収益力改善、アドバンストメディカルソリューション部門の早期育成に向けた取り組みを着実に進めます。 そして、中長期的にはROE10%以上、ROIC7%以上、D/Eレシオ0.7倍程度等の財務指標を安定的に達成することを目指します。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】事業等のリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると住友化学グループが認識している主要なリスクを以下に記載しております。ただし、投資家の判断に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、これらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において住友化学グループが判断したものであります。住友化学グループではこのようなリスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすためのリスク管理体制の整備・充実に努めております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 (ハ)リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。 1.経営戦略に関わるリスク(1) 短期的なリスク① 市場に係るリスク住友化学グループは、総合化学メーカーとして様々な事業を行っており、事業に関わるリスクは多種多様であります。事業に係る市場リスクについては、主に以下のようなものがあります。 (価格競争) 住友化学グループの事業は価格競争に晒されております。海外企業の国内市場参入、関税引き下げ等による輸入品の流入、ジェネリック品の台頭等、様々な理由により住友化学グループの製品群は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。住友化学グループはコストの低減に努めておりますが、価格競争を克服できない場合、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、住友化学グループの保有する有形固定資産等について減損損失が発生し、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 経営環境の著しい悪化等による将来の課税所得に関する予測・仮定の変更や税制改正による税率変更等により繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合、繰延税金資産は減額され、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (海外マーケット)住友化学グループの海外売上収益は売上収益の7割程度を占め、特にアジア市場での販売が多く、近年では南米等でも事業を拡大しております。そのため、特定の地域での経済情勢の悪化、あるいは顧客企業の業績状況の変化等による値下げ要求が発生した場合、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (アグロ&ライフソリューション) アグロ&ライフソリューションセグメントの農薬や家庭用殺虫剤の出荷は、世界各地域における異常気象等の理由による作物の生育状況や病害虫の発生状況に左右されます。また、飼料添加物は急激な価格変動を起こすことがあります。作物の生育状況が悪くなった場合、病害虫の発生が少なくなった場合、あるいは急激な価格変動が起こった場合、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (ICT&モビリティソリューション) ICT&モビリティソリューションセグメントの製品は、技術革新のスピードが速く、タイムリーに新製品を開発・提供していく必要があります。住友化学グループが顧客ニーズを満足させる新規製品を有効に開発できない場合、また他社において画期的な技術革新がなされた場合、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (アドバンストメディカルソリューション) アドバンストメディカルソリューションセグメントでは高度化低分子医薬原薬・中間体、医療用オリゴ核酸、並びに再生・細胞医薬に関する生産プロセスの開発や製造を受託するCDMO事業を行っています。顧客となる製薬企業のニーズに対応できず失注した場合、また顧客の経営環境の変化により新薬開発が延期ないし中止された場合、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (エッセンシャル&グリーンマテリアルズ) エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントの主要原料であるナフサは、中東地域の治安や世界の経済情勢に多大な影響を受け、時に急激な価格変動を起こすことがあります。ナフサの価格が急激に上昇した場合、製品価格への転嫁が遅れること等により、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ナフサやその他の原料品の一部については、特定の地域や購入先に依存しております。購入先を複数にする等、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、時に主要原料の不足が生じないという保証はありません。必要な主要原料が確保できない場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (住友ファーマ) 住友ファーマセグメントでは、新薬開発の難度が高まる中、開発が今後計画どおりに進み承認・発売に至るとは限らず、また、有効性や安全性の観点から開発が遅延または開発を中止しなければならない事態も起こり得ます。そのような事態が発生した場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 国内においては、少子高齢化の急速な進展等により国家財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や長期収載品の選定療養の導入、毎年の薬価改定などの薬剤費抑制策が図られ、あわせて医療制度改革の論議も続けられています。また、米国においては、先発医薬品の価格抑制に関する新たな規則や政策が提案されており、今後これらが実施される可能性があります。さらに、中国においては国家医療保険償還医薬品リスト収載による価格引き下げや集中購買制度による安価な後発医薬品の使用が推進されています。医薬品市場は各国の政策による様々な規制を受けており、これら各国の薬価・医療制度改革の方向性によっては、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (為替レート変動)住友化学グループは、国内で製造した製品を海外に輸出するとともに海外から原料品を輸入しておりますが、製品輸出高は原料品輸入高を上回っております。外国通貨に対して円高が進行した場合、海外で生産された製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額の減少が輸入支払額の減少を上回ることになります。さらに、近年では南米やインド等海外での事業活動の拡大とともに、それぞれの地域の通貨で米ドルやその他通貨に対する為替レートの変動影響も大きくなっています。このようなリスクに対し、為替予約等の通貨ヘッジ取引や、円建輸出取引を行うこと等により、為替レートの短期的な変動によるリスクを最小限にするように努めておりますが、中長期的な為替レートの変動によるリスク等を完全にヘッジすることはできないため、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の関係会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。為替レート変動がコア営業利益に与える影響は、米ドルに対して円が1円の円高となった場合、年間25億円程度の減益と試算しております。 (金利変動)住友化学グループは、資金需要に対してその内容や財政状態及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (株式相場変動)住友化学グループが保有する市場性のある有価証券の価格が、株式相場の変動により大幅に下落した場合、住友化学グループの財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 海外事業展開住友化学グループは、世界各国に生産・販売の拠点を持ち、海外売上比率は7割程度を占めております。そのため、貿易摩擦等による関税の引き上げ、地域紛争によるサプライチェーン分断等、地政学的問題が発生した場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外における事業活動には法律や規制の変更、労務環境の違いによる争議等の発生、人材の採用と確保の難しさ、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合は、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学とサウジアラビアン オイル カンパニー社(以下「サウジ・アラムコ社」という。)が共同で設立したペトロ・ラービグ社は、サウジアラビアのラービグにおいて、石油精製・石油化学の統合コンプレックス事業(「ラービグ第1期計画」及び「ラービグ第2期計画」)を運営しております。住友化学は、プロジェクト総投資額に対し、不測の事態による損害に備え、独立行政法人日本貿易保険(現:株式会社日本貿易保険)の規約に従い、海外投資保険等に加入しております。また、住友化学はペトロ・ラービグ社に対しA種普通株式及びB種普通株式による投資を行っているほか、同社の銀行借入の一部に対して債務保証を行っております。将来の不確実な経済条件の変動の結果によって、投資の回収可能価額が大きく減少した場合及び債務保証が履行された場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 企業買収・資本提携住友化学グループは、事業拡大や競争力強化等を目的として、国内外において企業買収・資本提携等を実施しておりますが、住友化学グループ及び出資先企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していたシナジー等の買収効果を得られない可能性があります。事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合、あるいは適用される割引率が高くなった場合にはのれん等の減損損失が発生し、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 技術・研究開発住友化学グループは、需要家のニーズに合わせた新技術・新製品をスピーディーに上市するため、積極的に研究開発を行っております。住友化学グループの研究開発は、次世代事業の創生のための探索研究を含んでいるため研究開発期間が長期間にわたる場合があり、また、研究開発テーマが実用化されず、新製品の開発が著しく遅延または断念される場合には、競争力が低下し、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学グループは、研究開発現場へのAI/MIの実装とその徹底活用、アカデミアやスタートアップとの連携(オープンイノベーション)強化により研究開発を推進してまいります。 ⑤ DXによる事業環境の急変住友化学グループでは、DXによる「事業の競争力強化」及び「新たな価値創造」を加速させております。しかしながら、住友化学において、デジタル技術の適用が著しく遅延した場合や、他社がデジタル技術を活用して生産性や競争力を向上させる、あるいは新たなビジネスモデルを創造するなど事業環境の急変により、住友化学グループの競争力が相対的に低下することで経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 中長期的なリスク① 気候変動問題住友化学グループは、気候変動問題を社会が直面する重要課題の一つと捉えており、その解決に向け、総合化学企業として培ってきた技術力を活かし、住友化学グループの温室効果ガス(GHG)排出量をゼロに近づけるという「責務」と住友化学グループの製品・技術を通じて、世界のGHGを削減するという「貢献」の両面から積極的に取り組んでおります。この問題に適切な対応ができない場合、住友化学グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学グループは、地球規模で私たちの生活に大きな影響を及ぼしている気候変動問題の解決に向け、引き続き「責務」と「貢献」の両面から取り組んでまいります。 ② プラスチック廃棄物問題プラスチックは、自動車や航空機から電子機器、生活用品、各種包装材に至るまで、様々な用途に用いられる素材として人々の生活を支えていますが、使用後の適切な処理・再利用が十分に行われていないために環境汚染を引き起こしているという問題があります。この問題に適切な対応ができない場合、住友化学グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学グループは、技術開発等を通じて、プラスチックを含む炭素資源循環の実現に取り組むことで、循環社会実現後のプラスチック市場において有利な地位に立つ可能性があります。 2.事業継続の基盤に関わるリスク① 事故・災害 住友化学グループは、製造設備等に起因する事故・災害の潜在的なリスクを最小化するため、関係法令への対応は勿論のこと、リスクに基づいて、設備の定期的な点検や安全諸施策を実施しております。しかしながら、リスクは常に一定ではなく、台風や地震等の自然災害による影響を含め、製造設備等で発生する事故・災害を完全に防止・軽減できる保証はありません。事故・災害により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや住友化学グループの評価に重大な影響を与え、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学グループは、事故・災害に至る可能性のあるリスクについて、適宜情報共有を図り、対応事項の改善見直しを実施しております。 ② 製品の品質住友化学グループは、国際的な規格・基準に準拠した品質管理体制の下、各種製品を製造しております。しかしながら、すべての製品について欠陥を完全に排除すること並びに将来にわたり製品事故やリコールの発生を防止することを保証するものではありません。特に大規模な製品事故が発生した場合には、多額のコストが発生するほか、住友化学グループの評価に重大な影響を与え、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、農薬や医薬品等の製品は、各国の厳格な審査を経て承認されておりますが、科学技術の進歩や市販後の知見の蓄積により、新たな問題や副作用が判明する場合があります。上市後に予期せぬ問題や副作用が発見された場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を与える可能性があります。住友化学グループは、製品品質(製品安全を含む)を管理するための仕組み・体制を整備し、新製品開発時のリスク評価やリスク低減対策の実施、日々の品質管理の徹底、並びに製品の取扱いに関する指導等に継続的に取り組んでおります。今後もこれらの活動を通じて、製品事故や品質問題の未然防止に努めてまいります。 ③ サイバーセキュリティITの活用を通じて、業務の生産性向上や事業競争力の確保、新たなビジネスモデルの創出を目指すデジタル革新が加速する一方、サイバー攻撃の巧妙化等により情報システムに関するリスクは一層高まっており、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学グループは、情報、情報システム及び情報通信ネットワークを適切に管理し、情報の漏えい又は紛失を未然に防止するための対策並びにセキュリティインシデント発生時の影響を最小限に抑えるための対策を講じることで、サイバーセキュリティを経営上の重要課題として捉え、適切に対応してまいります。 ④ コンプライアンスに関するリスク住友化学グループでは、コンプライアンスを企業経営の根幹と位置づけ、住友化学コンプライアンス委員会の指導・監督の下、グループ全体でのコンプライアンス推進体制を構築・運用しております。また、住友化学コンプライアンス委員会傘下の地域法務・コンプライアンス統括(RLCO)からのグループ会社に対する指導・支援を強化する等、グループ全体でのコンプライアンスの徹底に注力しております。しかしながら、このような施策を講じても、コンプライアンス上のリスクを完全には排除することはできない可能性があり、国内外の法令等に抵触する等のコンプライアンス違反が発生した場合には、住友化学グループの社会的な信用が低下し、また損害賠償責任や罰金が課される等、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 規制変更住友化学グループは、事業展開する各国の規制に従い、業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈及びその他の政策変更並びにそれらによって発生する事態が、住友化学グループの業務遂行や経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。 ⑥ 人権問題住友化学グループは、人権尊重を事業継続のための基盤の一つと位置付けており、「住友化学グループ 人権の尊重に関する基本方針」を制定するとともに、推進体制として「人権尊重推進委員会」を設置し、人権デュー・デリジェンス等の人権尊重の取り組みをグループ一体となって行っております。しかしながら、このような施策を講じても、人権問題に関するリスクを完全には排除することができない可能性があり、住友化学グループのバリューチェーン上で人権問題が発生した場合、住友化学グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ ハラスメント住友化学グループでは、ハラスメントの発生に対し、社員教育の徹底、スピークアップ通報窓口の設置等により、リスクの低減に取り組んでおります。しかしながら、このような施策を講じても、ハラスメントリスクを完全には排除することができない可能性があり、ハラスメントに起因した、マスコミや労働局への告発による企業イメージの毀損、賠償責任等が発生した場合、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 知的財産住友化学グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきましたが、住友化学グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、厳正な管理を行っているものの、予期せぬ事態により外部に流出する可能性に加え、特定の地域ではこれらの知的財産の完全な保護が不可能なため、第三者が住友化学グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また、将来的に知的財産に係る紛争が生じ、住友化学グループに不利な判断がなされる可能性があります。そのような事態が生じた場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 感染症の蔓延 世界的な感染症の流行が発生した場合、住友化学グループの事業運営や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。住友化学グループはこのようなグループ全体に影響を及ぼすリスクに対し、リスク・クライシスマネジメント委員会を設置し、対処方針を審議しております。また、事業継続計画を策定し毎年見直しを行うとともに、新型コロナウイルスへの対応を踏まえて、感染状況の段階に応じた事業運営のあり方の見直しも実施し、将来起こり得る感染症危機に備えております。 ⑩ 訴訟住友化学グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、係争、その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には、住友化学グループの経営成績並びに財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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