ヘッドウォータース(4011)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】ヘッドウォータースグループは、ヘッドウォータース及び連結子会社(株式会社ヘッドウォータースコンサルティング、株式会社ヘッドウォータースプロフェッショナルズ、DATA IMPACT JOINT STOCK COMPANY、株式会社LogTech)の計5社で構成されております。連結子会社の事業内容については「4 関係会社の状況」に記載しております。ヘッドウォータースグループは、創業以来基軸として「エンジニアからビジネスパーソンへ」を掲げ事業を推進してまいりました。業務を通じて培った業務コンサルティングや様々な業種業態の企業に対して提供してきたシステム開発の経験、ノウハウをもとに、AI(※1)をはじめとする新技術で経営課題を解決する提案、開発、サービス化を行っていくことで、企業の発展に貢献することを志向しております。創業時にはエンジニアの派遣や受託開発を行うことでシステム開発や業務のノウハウを取得し、幅広い技術領域に対応できる経験を積みました。2014年からPepperをはじめとする人型ロボット向けのアプリケーション開発をスタートしました。さらにロボットの高機能化を実現すべくAIの研究及びロボットへの実装をスタートさせたことで、他社に先駆けてAIソリューション開発の知見を得ることができました。現在は幅広いシステム開発や、営業や客先常駐を通じて培ってきた業務コンサルティングの経験と、AIソリューション開発の経験を組み合わせ、顧客の経営課題を解決することがヘッドウォータースグループのAIソリューション事業になります。AIを業務利用するためには、業務分析、データの活用・整備、回答精度の向上、実証実験、日々アップデートされていく技術の吸収にセキュリティをはじめとするシステム運用など幅広い知見と体制が必要なため、導入は簡単ではありません。顧客が思い描くAI導入後の姿と実際のAIで実現できる精度や機能的な限界にギャップが生じるほか、顧客が考えるAIの導入ポイントが必ずしも適切ではないといった事象が生じます。ヘッドウォータースグループでは業務コンサルティングによって業務を整理することでAI導入、DX推進に対してしっかりと費用対効果を得られるか導入プランを提示して、顧客との認識齟齬が発生しないよう努めております。顧客のデジタル化が遅れている場合は、まずデジタルトランスフォーメーション(DX)を計画的に行うことで、属人化を排除し省人化を進めます。企業内にあるノウハウをデータ化して、活用できるデータを正しく蓄積することがDX推進とその後のAI導入に対して重要なポイントとなります。また、AIを使用するためには、IoT(※2)のデバイス(※3)からデータを収集したり、WebシステムにAIを組み込んだりと、多岐にわたる周辺技術への理解も必要になります。新しい技術はどんどん生み出されており技術情報のアップデートも必要不可欠のものとなっています。ヘッドウォータースグループは、さまざまな新技術のノウハウを持ったうえで伴走型の支援を重視しており、顧客と共にオンサイトで発生する課題に対応することで、顧客事業の成功に向けて貢献しております。ヘッドウォータースグループが提供するAIソリューション事業は、以下の事業サービスに記載の通りです。なお、ヘッドウォータースグループは「AIソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 (1) 事業サービスヘッドウォータースグループが提供するAIソリューション事業は、X-Tech FDE(※4)を中心にAIデータプラットフォームをベースとした顧客伴走型の事業となっております。企業の経営課題に対してAIやDXを問わず、コンサルティング領域となる企画・提案などの上流工程からAIエージェントの実装・運用、データ基盤となるプラットフォーム基盤の構築やプロダクトまでシステムのライフサイクルに対して一気通貫でソリューションを提供するインテグレーションサービスとなります。インテグレーションサービスは、以下の3つのサービス区分に分類しております。 ① インテグレーションサービスa.AIインテグレーションサービスAIインテグレーションサービスとは、AI技術の導入に向けて顧客の業務・ビジネスに合わせて大きく3つ(「AIコンサルによる企画・提案」「AIエージェントの実装・運用」「AIデータプラットフォーム」)に分かれた工程をワンストップで行うサービスです。最初に行われる「AIコンサルによる企画・提案」では、AIコンサルタントが顧客の業務を分析して、AIの最適な活用部分を抽出します。AIの導入が効果的であるか、デジタル化(DX化)施策を先に行うべきかなど、顧客から業務をヒアリングする中で必要な施策を提案いたします。顧客がAIエージェントをはじめとする新技術に対する理解が浅い場合には、ワークショップを通じて技術の理解を深め、ハッカソンで顧客業務とAI利用の案だしを行ってもらうことでAIに対する理解を深めるだけでなく、過度な期待に対する期待値コントロールを行います。次に行う「AIエージェントの実装・運用」では、実証実験をいくつかの機能単位に分けて、顧客とAI導入後の利用イメージやAIの精度について機能単位で確認した後、本番実装から運用までの一連の業務を遂行します。アジャイル開発(※5)によるAI駆動開発(※6)を行うことで高速開発を実現し、利用イメージに違いが発生する場合や精度が十分でない場合は、別の施策によって何度も「実証実験」を繰り返し、顧客とともに十分に業務で利用できるところまで精度向上に努めます。業務に十分耐えうる状態を確認した後に、本番実装や運用を支援しますが、AIははじめとする新技術は常に技術が更新されるため、セキュリティ上の問題や技術のアップデートなど運用業務の中で継続的な支援を行います。「AIデータプラットフォーム」は、既存システムで溜まったデータを整備・活用するためのプラットフォーム化や作成したAIエージェントをプラットフォームに格納して管理するための基盤として活用しております。 また、ヘッドウォータースグループはAIを業務で活用するために必要な業務ノウハウや業務システムの開発経験を幅広く積んでおります。業界に特化した形でAIのアルゴリズムを提供したり、月額課金型のAIサービスを提供している会社が増えたりとしておりますが、それだけでは業務の利用に完全に対応できるとは言えません。 ヘッドウォータースグループは、「X-Tech FDE」と言う形で顧客と一緒に現場で業務知識を蓄えながら、先端技術をはじめとするさまざまな技術を課題に合わせて組み合わせることで、先端技術の社会実装を支援しております。例えば、顧客が所有するデータをAIに学習させることで、高度な予測機能やリコメンド機能を顧客のサービスに付加したり、スマートスピーカーやドローンにAIを組み込む事で高度な作業を人の代わりに行わせたりと、顧客の事業にあわせて、AIの学習モデルはもとよりAIと連携する管理画面やWEBアプリケーションなどの周辺システムについても開発を行います。AIのアルゴリズム自体はMicrosoftやGoogleの様なAIプラットフォーマーが提供するサービスを活用することで開発期間やコストを抑え、顧客の要望に沿ってカスタマイズ開発を行います。 ヘッドウォータースグループは公開されている既存技術や、ヘッドウォータースグループが過去に生成した学習モデルなどを組み合わせて開発するため、顧客の業種範囲に関わらず広い分野でサービス提供が可能です。 b.DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス ヘッドウォータースグループは顧客企業のIT化を支援し、企業のデジタル化を推進しております。顧客企業のAI化に向けたファーストステップとして、業務やサービスをアナログからデジタルへ移行していくための対応や、オンプレミスからクラウドサービスへのシステム移行なども行っております。 今後国内企業が高い成長を目指すには、中堅・中小企業を含む各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は必須と考えられております。社会的な課題となっている生産労働人口の減少もあり、業務はより効率化を求められ、自動化やデータ連携、効率化に伴うソリューション提供の需要は増していく一方となっております。AI活用も普及期に入り、デジタルトランスフォーメーション(DX)からAI化への流れも加速するものと考えております。 ヘッドウォータースグループは顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)をワンストップで支援しております。部分的なデジタル化ではなく、顧客の業務全体に対するデジタル化を目指し、計画的にシステムの開発・導入やデータの蓄積を行います。業務分析をはじめ、デジタルトランスフォーメーション計画の策定、システム開発、AI活用を見越したデータの蓄積及び解析、これらのサービスを顧客の必要に応じて提供しております。 c.プロダクトサービス ヘッドウォータースグループが有するAIプロダクト「SyncLect」(※7)は汎用的に利用される機能をライブラリ化することで顧客に提供、もしくはカスタマイズすることによって顧客の経営課題を解決するサービスです。 ヘッドウォータースグループはAIソリューションの開発を短納期、低コストで行うためのAIプラットフォーム「SyncLect」を有しております。システム開発時に「SyncLect」を通して提供したAIの機能は、実装後にライセンス提供することもでき月額課金の安定した収益基盤となるサービスとして注力しております。加えて、ほぼすべての開発業務でクラウド開発を行っていることで、クラウド利用料が発生するため、クラウド利用による売上をプロダクトサービスとして計上しております。 ※1 AI(Artificial Intelligence 人工知能)とは、人工的にコンピュータ上等で人間と同様の知能を実現させようとする試み、あるいはその一連の基礎技術をいいます。※2 IoT(Internet of Things)とは、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され(単に繋がるだけでなく、モノがインターネットのように繋がる)、情報交換することにより相互に制御する仕組みをいいます。※3 デバイスとは、情報端末機のことをいいます。※4 X-Tech FDE(X-Tech Forward Deploy Engineering クロステック エフ・デー・イー)とは、エンジニアが顧客の業務現場に近い位置で協働し、顧客課題の把握からシステム設計、実装、運用定着までをさまざまな技術を組み合わせて一体的に支援するヘッドウォータース独自の開発手法のことをいいます。※5 アジャイル開発とは、短期間の開発サイクルを反復しながら、顧客や利用部門からのフィードバックを継続的に反映し、機能改善や追加を段階的に行う開発手法のことをいいます。※6 AI駆動開発とは、AIを活用して、要件整理、設計支援、コード生成、テスト及び改善提案等の開発プロセスを効率化・高度化する開発手法をいいます。開発生産性の向上、及び品質の安定化を図ることを目的としております。※7 SyncLectとは、ヘッドウォータースのAIソリューション開発用の社内向けプラットフォームです。SyncLectを活用することで、AIと各種デバイスを連動させ、WebシステムやスマートフォンアプリにAI機能を簡単に組み込むことが可能です。AmazonやMicrosoftなどがクラウド上で提供しているAIの機能を評価し、適切なものをスイッチングして顧客に提供する機能もあります。このプラットフォームを活用することで、コストと工期の削減が可能になります。 (2) 事業の特徴ヘッドウォータースグループのAIソリューション事業の特徴は下記の通りです。 ① 「X-Tech FDE」による顧客伴走型のAI社会実装 ヘッドウォータースグループが提供するAIソリューション事業は、技術を持ったエンジニアが現場に赴き、業務のプロである顧客担当者と協働することで業務ノウハウを身に着け、同時にさまざまな業務上の課題を理解します。技術とビジネスを現場で融合することで、横断的かつ実用的なシステム提供を特徴としております。 日々、クラウドプラットフォーマーから提供されるクラウドサービスはアップデートを繰り返しております。それらのサービス・技術を複合的に組み合わせることで、AIデータプラットフォーム上にデータが溜めることで、精度の高さや将来のAI化に向けたプラットフォーム作りを特徴としております。 ② 生産性向上を実現するワンストップのAI導入支援 AIソリューション事業の提供に際しては、AIによって何を解決するか顧客と共通認識を持つことが全ての始まりになります。そのためには顧客事業の業務分析やデジタル環境分析を行うことで当該顧客の業務を理解し、適切な課題抽出を行うことが重要です。ヘッドウォータースグループはAIコンサルティングチームを有しており、顧客の状況に合わせて、経営全般に関わるDXロードマップを作成するケースや、「HWS Agent Camp」(※1)というハッカソンと超高速AIエージェント開発体現プログラムをセットにしたサービス提供によって、適切なAIの選択や導入に関するイメージの共有を行うケースがあります。 DXのロードマップを作成する場合は、顧客業務を分析・把握した後に課題・改善点の抽出を行い、理想的な業務フローを検討します。具体的には、属人化の排除、業務効率の向上、AI導入を目論んだデータの蓄積などの施策を計画します。 AIの導入計画を支援する場合は、顧客の有するデータがAIエージェントの利用に適しているか、どの様なAIやサービスを使用し組み合わせることが適切か、実証実験から実業務に組み込み稼働させるまでにどの程度の期間とコストがかかるかの概要を計画します。また、ヘッドウォータースグループでは実証実験の数値的なレポートを顧客に提出するだけではなく、実際に顧客自身がAIを触って検証できる状態にして納品するため、AI導入へのイメージを顧客と共有することが可能です。 AIの実装・運用においては、実証実験から始まり、AI駆動開発やAIデータプラットフォームの構築、X-Tech FDEの活用により、カスタマーサクセスという形で顧客に伴走しながら、AIを利用したシステムがエコシステムとして循環型の開発プロセスが特徴となります。 ヘッドウォータースグループでは、創業期よりビジネスを意識した事業展開やエンジニアに対する教育を行っておりました。ヘッドウォータースグループのエンジニアは技術に長けているだけではなく、技術をどのようにビジネスに役立てるかを考えることができ、顧客が望んでいる成果を達成するために、どのような施策が必要かを提案できることができます。上流工程のコンサルティング領域から、現場伴走型の実装・運用までのこのプロセスをワンストップで提供できることが、ヘッドウォータースグループの特徴の一つになっております。 ヘッドウォータースグループにおけるAI導入のプロセスは、下記の通りです。 〔事業系統図〕ヘッドウォータースグループの事業系統図は、次の通りであります。 ※1 HWS Agent Camp(ヘッドウォータース エージェント キャンプ)とは、生成AI技術の活用・内製化を目指す企業向けに、ヘッドウォータースグループが専門家による伴走型ハッカソンを提供し、豊富な実績に基づくノウハウと環境をワンストップで提供することで、短期間にAIエージェントの実装スキル獲得を支援するサービスをいいます。 (3) 経営戦略ヘッドウォータースグループは、顧客の事業を変革し成長させるコアの技術をAIと定めて、あらゆる企業に対してワンストップでAIソリューションの提供を行っております。多くの企業にAIを活用したソリューションを使ってもらうためには、使いやすく、適切な金額でAI機能を提供することが必要となります。また、ヘッドウォータースグループは長期的に利用されるAI活用を目的として、そのファーストステップとなる顧客各社のデジタルトランスフォーメーションを支援いたします。これらの事業を推進するヘッドウォータースグループの取り組みは、以下の3つとなります。 ① 営業戦略ヘッドウォータースグループでは、営業戦略の1つとしてアライアンス戦略を実施しております。アライアンスを組む会社間で「共同営業×共同マーケティング×共同ソリューション」を行ってお互いの強みを活かしあうことで、各社が持つ顧客に対して自社だけではできなかったソリューションの提案を行うことが可能となっております。新規の顧客開拓においてもアライアンス先の営業リソースを活用できる一方、ヘッドウォータースグループはアライアンス先や顧客に対して新技術を利用したシステムの企画力・提案力に加えて、開発力まで一気通貫でソリューションを提供しております。その他、ヘッドウォータースグループでは案件実績や事例をIR活動の中で積極的に公開しており、新技術を利用したサービス化もコーポレートサイトを通じて公開しております。これらのSEO(※1)対策を行うことでwebマーケティングによるプル型営業(※2)が実行できており、営業工数を大幅に削減しております。削減できた工数を利用して企画作成を行うことで競合他社を上回る提案力を実現しております。 ② 技術的優位性 最新の技術やデバイスの研究開発を継続的に行っております。様々なAIを簡単に使うためにマルチAIプラットフォーム「SyncLect」を構築し短納期、高利益によるAI提供を実現しております。また豊富なロボット・アプリケーション開発の経験に基づいた、IoTデバイス、マルチクラウド(※3)、マルチAI(※4)を複合的に組み合わせたソリューション開発を目的とした研究開発にも取り組んでおります。 ③ 人材育成 ヘッドウォータースグループでは、様々な技術に習熟したITエンジニアに対しOJT及びOFFJTによるAI研修を行うことでAIエンジニアの育成に取り組んでおります。AIの知識だけではなく、顧客の業務や周辺技術の知識をベースに持つAIエンジニアを育成することで、他社が真似のできない顧客に寄り添ったAIソリューションの提供を実現します。 以上の活動から競争優位性を確保し、業績の最大化を目指すと共に、顧客に対して高付加価値なAIソリューションの提供を実現いたします。 ※1 SEO(Search Engine Optimizationの略)とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンからWebサイトに訪れる人を増やすことで、Webサイトの成果を向上させる施策のことをいいます。特定のキーワードによる検索結果で、自分のWebサイトを検索ページの上位に表示させることで、アクセス数を伸ばすことを目的とします。※2 プル型営業とは、製品・サービスに対して顧客が自発的に興味を持ち資料請求や問いあわせなどの行動を喚起する営業スタイルのことをいいます。対義語となるプッシュ営業は、逆に製品・サービスを売りたい会社から顧客に対して営業を仕掛けるスタイルを指します。※3 マルチクラウドとは、AWS(Amazon Web Service)やMicrosoft Azure、GCP(Google Cloud Platform)などの複数のクラウドサービスを組み合わせて利用することをいいます。※4 マルチAIとは、複数のAIエンジンを組み合わせて利用することをいいます。
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ヘッドウォータースグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてヘッドウォータースグループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針ヘッドウォータースグループは、「新技術の社会実装を通じて世界を変革する」ことをミッションに掲げております。創業以来、AI、データ活用、生成AI・AIエージェントをはじめとする先端技術をいち早く捉え、それらを実用的な形で企業活動や社会に実装することにより成長してまいりました。技術革新のスピードが加速する中においても、単なる技術開発や研究にとどまることなく、社会課題や企業課題の解決につながる形で価値を創出することを基本方針としております。また、技術とビジネスの双方を理解し、事業創造や課題解決を担うビジネスエンジニアの育成・輩出を通じて、新技術の社会実装を推進するとともに、持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標ヘッドウォータースグループにおいては、受注生産方式による売上計上が中心であるため、生産性を向上させ、効果的に外注の協力を得ること、安価かつパフォーマンスの高いサービスを仕入れることにより原価を抑えつつ、売上高を上げていくことが重要になってきます。そのため、売上総利益率が重要な経営指針になると認識し、これを最も重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境ヘッドウォータースグループの主軸事業分野である情報通信産業は、生成AIのような新しい技術が加速度的に進化しており、特にAIに関する分野は大きな成長が見込まれる状況にあります。株式会社富士キメラ総研が実施した国内AIビジネス市場の調査によると、2024年度の国内AIビジネス市場は1兆6,080億円となる見通しで、年平均9.3%の成長によって2027年度に1兆9,357億円まで拡大すると予測されております。国内AIビジネス市場は、3つの市場(AIプラットフォーム市場、AIアプリケーション市場、AIサービス市場)に分類されており、いずれの市場でも今後拡大見込みとなっております。少子高齢化による労働人口の減少は、各企業にデジタル化・AI化の導入に向けたトリガーともなっており、企業はさらなる成長のため、経済状況が不透明な中であっても業界によってAI投資を優先的に行い、将来に向けた準備へいち早く取り組んでおります。ヘッドウォータースグループがターゲットとするAIサービス市場は年平均8.9%の成長を予測、2027年度には1兆428億円と予測されております。また同様にターゲットとなるAIプラットフォーム市場も年平均10.1%の成長が予測され、2027年度には6,723億円と高い成長ポテンシャルを示しております。 (4) 対処すべき課題ヘッドウォータースグループは、以下の事項を対処すべき主要課題と捉えております。 ① 先端技術の業務フィットに対する課題AI技術の急速な進歩により、近年AI市場の規模拡大は著しいものがあります。進化を続けるIT技術を積極的に活用し、いかに現場で利用できる形へフィットさせることができるかが、AIソリューション事業の重要な成功の鍵と考えております。技術だけが先行しても、実際の業務で活用されないとAIは研究開発分野の1つでしかありません。そのような環境の中で、顧客がAIに抱く期待値と技術的な限界のギャップが現場の大きな課題となっております。そのギャップを既存の技術や運用方法、アーキテクトなどで埋め合わせながら、顧客と併走して事業課題に取り組むことで、ヘッドウォータースの顧客事業に対する理解と顧客のIT技術に対する理解を双方で行い、その結果が顧客の進めるデジタル化や内製化に繋がっております。ヘッドウォータースグループは常に最新の技術にアンテナを張りながら検証を行い、その業務用途を構想することで、どのような業種・業態に対して、どのような技術の活用方法があるかを探求しております。この技術のキャッチアップ力と柔軟な思考力、適用力がヘッドウォータースの強みであると考えております。重点分野は、「生成AI」を最重要分野と捉え、その他、画像認識、自然言語解析、機械学習などによる「マルチモーダルAI」、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(混合現実)などの「XRソリューション開発」となります。 ② LTV(Life Time Value)と収益性の向上ヘッドウォータースグループが展開するAIソリューション事業は、年間で30%前後の新規顧客を毎年獲得できている一方で、新しい技術に取り組むため一定のリスクを織り込みながら案件を実施しております。その結果、収益性の低い案件が一定数発生する可能性や、案件が単発で終わってLTVが向上しないといった課題が顕在化しております。近年推し進めているロイヤルクライアント化によって顧客の最適化を行い、顧客に寄り添ったプロジェクト進行を行うことで顧客満足度を上げて顧客の離反を防ぎLTVの向上へ繋げるよう努めております。また、フロー型ビジネスが売上の大半を占めており、エンジニア単価や契約条件が収益に大きな影響を与えます。ヘッドウォータースの強みを付加価値として単価にしっかりと跳ね返し、案件管理の徹底によって効率化を計ることで、収益の向上を図ってまいります。 ③ 優秀な人材の確保・育成ヘッドウォータースグループは、今後も事業を永続的に行っていくためには、新卒採用、キャリア採用において優秀な人材を確保し、育成することが重要な課題であると認識しております。人材の定着率を上げるために福利厚生制度の見直しや給与制度の改善を行い、併せて採用人材の戦力化と先端技術の習得に向けたリスキリングなどの人材開発に注力しております。日本国内においては生産年齢人口の減少問題は社会課題となっており、グローバル化への対応も鑑みて海外エンジニアについても同様に優秀な人材の確保と育成に力を注いでまいります。ヘッドウォータース従業員のみならずパートナー企業についても常に新規の協力会社を開拓しながら、既存の協力会社との協力体制も強化して、優秀なパートナーの安定的な調達を図ってまいります。 ④ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化ヘッドウォータースグループは、永続的に事業を展開し企業価値を高めるために、強固な内部管理体制の構築が重要な課題であると認識しております。ヘッドウォータースグループでは、内部統制の実効性向上に向けた環境・体制を整備し、会計監査人や顧問弁護士といった外部専門機関と連携を取り、コーポレート・ガバナンスの充実に繋げていくよう内部管理体制の強化に努めてまいります。 ⑤ M&A後の事業統合(PMI)における円滑な推進 ヘッドウォータースグループは、事業ポートフォリオの拡充や提供価値の高度化を図る手段の一つとして、M&Aや資本業務提携の活用が重要であると認識しております。その際、買収・提携の実行にとどまらず、グループ全体としての戦略やビジネスモデルとの整合を図りつつ、経営方針、組織文化、人事制度、業務プロセス及びシステム等を適切に統合し、シナジーを着実に発現させることが重要な課題であります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてヘッドウォータースグループが判断したものであり、ヘッドウォータースグループの事業等に関するリスクを網羅するものではございません。 (1) 事業環境に関するリスク(経済、市場の動向について)ヘッドウォータースグループのAIソリューション事業は、企業を主要顧客としております。従って、国内の景気及び顧客企業のシステム関連の設備投資動向が悪化した場合には、ヘッドウォータースグループの事業展開、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (競合、価格競争等について)ヘッドウォータースグループの属するAI関連の業界は、AIの普及による新規参入や他社との製品の差別化競争、価格競争が激化することが想定されます。ヘッドウォータースグループでは当業界での知名度を上げ、実績等を積み重ねることにより製品の差別化競争や価格競争に勝てるよう対応を講じておりますが、想定した単価で契約ができない場合は、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業内容に関するリスク(開発工数の増加について)ヘッドウォータースグループが、システム開発を請け負う場合、仕様の大幅な変更、不具合の発生等、当初想定通りの品質が確保できない場合など、予期し得ない事由の発生等により開発工数が増加することで、当初グループの納入予定日が変更となり、開発工数増加による採算性悪化や、売上及び利益の計上が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれする可能性があります。そのような採算性の悪化や期ずれが発生した場合、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (技術革新への対応について)ヘッドウォータースグループの事業領域であるAI関連の業界は、全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。ヘッドウォータースグループはそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに対応できない場合、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (外注先について)ヘッドウォータースグループにおけるシステム開発業務等については、人材の確保、開発業務の効率化、顧客要請への迅速な対応等を目的として、業務の一部について外注先への外部委託を活用しております。現時点では優秀な外注先との良好な連携体制を維持しており、今後も外注先の確保、及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針ではありますが、外注先から十分な人材を確保できない場合には、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (情報システムのトラブルについて)ヘッドウォータースグループは社内システムの大部分をクラウドサービスにすることで、システムに必要なメンテナンスや故障対応を外部に委託しております。データのバックアップ、故障発生時のデータ保全、システムの可用性などクラウドサービスで定義されたSLA(Service Level Agreement)を確認して、障害発生時にもヘッドウォータースグループの業務がいち早く復旧できるよう備えております。通常の通信回線とは別に副回線による冗長化も施しておりますが、大規模な地震や火災等の災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害等によるシステムトラブルが生じた場合、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 組織体制に関するリスク(人材の確保と育成について)ヘッドウォータースグループの基幹事業であるシステム開発は、知的労働集約型の業務であり、一定水準以上の専門技術や知識を有する技術者やそれを販売する営業部員の確保と育成並びにヘッドウォータースグループへの定着が重要であると認識しております。また、管理部門の人員についても、会社の重要な業務を担う部門であるため、人材の確保と定着が重要であると認識しております。現在、採用の強化や社内での教育の実施、福利厚生の充実など離職防止策の導入を実施しておりますが、ヘッドウォータースグループが必要とする人材が十分に確保できない場合には、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (情報管理体制について)ヘッドウォータースグループは、顧客の秘密情報及び顧客が保有する個人情報を知りうる場合があることから、当該情報を漏えいするリスクがあります。ヘッドウォータースグループはISO/IEC27001を取得するとともに、情報管理体制を構築し、情報管理の徹底を図っております。しかしながら、人為的ミス等により知り得た情報が漏えいした場合には、ヘッドウォータースグループの社会的信用の失墜等により、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法的規制及び知的財産等に関するリスク(法的規制等について)ヘッドウォータースグループは、事業者との間で業務委託契約を締結し、業務を委任しておりますが、「中小受託取引適正化法」(取適法)が適用される場合があります。ヘッドウォータースグループは、法令を遵守し事業運営を行っておりますが、運用の不備等により法令義務違反が発生した場合には、ヘッドウォータースグループの社会的信用の失墜等により、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (知的財産権について)ヘッドウォータースグループでは、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、ヘッドウォータースグループが認識していない第三者の知的財産権が既に成立している可能性や、使用しているフリーソフトウエアが第三者の知的財産権を侵害している可能性などから、ヘッドウォータースグループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差止請求及びロイヤリティの支払い請求等が発生した場合には、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 継続企業の前提に関する重要事象等 (継続企業の前提に関する重要事象等について)ヘッドウォータースグループでは、当連結会計年度末において、流動比率が63.4%となり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況を識別しておりますが、その主な原因は関係会社株式取得のための短期借入金1,900,000千円によるものであります。この短期借入金については、金融機関から借入の際に、1年後に長期借入金に借り換えをする前提で借入をしたものであるため、継続企業の前提に重要な不確実性はないと認識しております。しかしながら、この借り換えの前提は契約締結等確実に借り換えが約束されているものではないため、借り換えができなかった場合には、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) その他(新株予約権について)ヘッドウォータースグループは、ヘッドウォータースグループの役職員に対してインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在におけるストック・オプションは443個(354,400株)であり、発行済株式数の9.2%に相当します。これらストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。 (訴訟等について) ヘッドウォータースグループは、その事業活動の遂行過程において、取引先により提起される訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。これらの手続きは結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいてヘッドウォータースグループに不利な判断がなされた場合には、ヘッドウォータースグループの財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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