ビートレンド(4020)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3【事業の内容】ビートレンドは消費者向けビジネス(B to C)を展開する企業等に対して、顧客管理ツールとして多様な情報送受信の手段及び情報分析手段を有するCRMソフトウエアプラットフォーム「betrend」を、SaaS型で継続的に提供するとともに顧客ニーズに合わせた周辺サービスを提供しております。「betrend」としてのCRMサービス(下記①)は、顧客情報をベースとした機能をメール配信サービスに限定した「メールマーケティングサービス」と、「メールマーケティングサービス」機能に加え、顧客管理ツールも含めた「スマートCRMサービス」の2つのサービスに大別され、直販又は代理店販売により提供しております。これらのサービスは月額定額課金に加えて、会員数や通信料に応じた従量料金や店舗毎課金を組み合わせた年間契約で基本的にリカーリングレベニューを稼得するいわゆるストック型のビジネスモデルとなっております。このほか、サービス導入時の初期設定や導入企業の既存システムとの連携、導入企業毎のニーズに合わせたカスタマイズ開発(下記②)、スマートCRM周辺サービスとして都度手配されるその他サービス(下記③)があり、これらはワンショットレベニューを稼得するものとなります。ビートレンドは「betrend事業」の単一セグメントでありますが、サービスの種類別に、CRMサービス、カスタマイズサービス、その他サービスに区分しております。 ①CRMサービスa.スマートCRMサービス顧客は、主として飲食店、小売店、サービス提供店など実店舗を多店舗展開する企業となっています。顧客企業は、スマートCRMサービスを活用し、会員登録するユーザーの個人情報である氏名やメールアドレス、顧客ID、住所、性別、生年月日、職業などの属性データや、会員各位の来店回数、来店日付、ポイント数、クーポン利用回数、来店スタンプ数、購買商品、購買金額などの行動履歴や購買履歴情報など多くの情報を管理しております。情報送受信の手段には、会員登録フォーム、メール配信、空メール送信、アプリ・プッシュ通知、音声自動送受信(IVR)、ショートメッセージ(SMS)、DM配信指示、LINE連携などがあります。また、消費者の行動変更に合わせた、モバイルオーダー、テイクアウト・デリバリー等の機能があり、これらによって集められた情報をグラフなどでデータ分析できるダッシュボード機能や、他社の有力な分析ソフトへデータを移行できるツールや、顧客満足度調査・分析のためのサービス「betrendサーベイ」などを提供しております。b.メールマーケティングサービス情報送受信においてメール配信機能及びDMの配信指示機能に限定したサービスです。飲食店、小売店だけでなく、金融機関、学校、自治体など、大量高速のメール配信機能を活用する幅広い顧客層を有しております。c.コールセンター利用料スマートCRMのアプリに関する消費者(エンドユーザー)からのお問い合わせを直接一次受け対応する窓口を用意し、ヘルプデスクや技術部門との連携を密にし、より迅速かつ正確な対応をご提供しております。 ②カスタマイズサービスa.カスタマイズサービス導入時に顧客企業の既存システムとの連携、顧客ニーズに合わせたシステム構築などカスタマイズのためのシステム開発が伴うことがあり、それらの開発費と年間保守料を収受しております。※年間保守料金については、継続的な収益を得られることから、①CRMサービスの運用収益に計上しております。b.初期費用新規契約時や、既存顧客がオプションの導入時の初月のみに発生する費用を収受しております。c.SMS配信サービス会員登録時のユーザー認証等に利用するSMS(ショートメッセージ)配信については、配信通数での都度課金としております。※当サービスによる売上は年間契約の月額固定料金ではないため、カスタマイズサービスに計上しております。 ③その他サービスa.印刷・納品サービススマートCRM内の会員データ等を活用したDM配信機能により、はがき等の印刷を印刷会社に発注しております。b.決済紹介手数料プリペイド機能付きの会員カードや、決済機能を利用する顧客企業を決済会社に取り次ぐことにより、紹介手数料を収受しております。 (用語)CRM顧客関係管理を意味する用語です。betrendは顧客関係管理をするためのサービスであるため、CRMサービスと表現しております。ソフトウエアプラットフォーム基盤や土台を意味する用語です。betrendサービスは、betrendというソフトウエアプラットフォーム上に、メール配信やクーポン作成などのソフトウエアが搭載されております。アプリ・プッシュ通知顧客がインストールしたスマートフォンアプリに対して、メッセージを送信する機能です。プッシュ通知が届くと、画面上部やロック画面などにポップアップが表示され、メッセージが届いたことを即座に知ることができます。音声自動送受信(IVR)顧客と自動音声で情報の送受信をするシステムです。一般的に知られているものとしては、運送会社の再配達受付サービスがあり、ガイダンスに従って電話のボタン操作により情報を送信することができます。LINE連携企業が開設したLINEのアカウントとbetrendを連携することで、LINEでは通常取得することができない顧客の属性情報(性別やよく利用する店舗など)を取得することができ、属性情報を元に絞り込んでメッセージを送ることができるようになります。メッセージの無駄打ちを防ぎ、配信費用の削減と退会防止につながります。SaaSクラウドで提供されるソフトウエアのことを指します。企業側にソフトウエアをインストールするのではなく、クラウドを通じてオンライン上でソフトウエアを利用することで、常に最新版のソフトウエアを利用することができます。ダッシュボード会員情報や入会数・クーポンの利用数など、日々発生する様々なデータを、予め決めた切り口で集計し、グラフ化して一覧表示するサービスです。店舗別入会数やクーポン別利用率などを確認することができます。年間経常収益(ARR:Annual Recurring Revenue)月額定額課金に加えて、会員数や通信料に応じた従量料金や店舗毎課金を組み合わせた年間契約で提供することで獲得する年間契約金額です。ビートレンドでは、以下の計算式で算出しております。期末ARR = 期末月のMRR × 12月間経常収益(MRR:Monthly Recurring Revenue)月額定額課金に加えて、会員数や通信料に応じた従量料金や店舗毎課金を組み合わせた年間契約で提供することで獲得する月間契約金額です。売上高のうちリカーリングの性質の売上高を月額で表した金額です。解約率既存の契約金額に占める、解約や減会員数・減アカウント・減機能に伴い減少した契約金額の割合です。 ビートレンドの事業系統図は以下のとおりであります。 [事業系統図]
有価証券報告書(2025年12月決算)の情報です。
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】ビートレンドの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在においてビートレンドが判断したものであります。(1)経営方針ビートレンドは、「私たちは、顧客価値を創造するプラットフォームを提供し続けることで、社会に貢献します。」を経営理念として掲げ、以下の特長を持つビジネスモデルの運営に取組んでおります。・SaaS型のサービス提供とし、共通のサービスを多くの会社に共有で格安に活用していただけるようにする・自社で企画・設計・開発・販売・サポートする体制を整え、日本市場特有のきめ細かい顧客管理ができる水準のソフトウエアにする・消費者が所有するモバイル環境を中心に事業を推進し、BtoBtoB向け(一般法人向け)のソフトウエアではカバーできていないBtoBtoC向け(主として実店舗をお持ちの法人向け)に最適な環境を提供する (2)経営戦略等ビートレンドの事業の中心であるスマートCRMサービスにおいては、現在まで導入実績が多い小売・飲食・サービス業等の大手企業を中心とした従来のターゲット領域(ラージ領域)への継続的な拡販を進めながら、今後はノーコード・ノンカスタマイズで提供可能な新ソリューション「betrend Lite」の投入により、ミッド/スモール領域にもアプローチを進めてまいります。販売展開においては、店舗DXの各分野のトップランナーとパートナーシップを締結し、「betrend connect」を通じてハード・システム・サービスの機能連携を深化させ、それぞれの強みを生かすことで、市場における優位性を確立するとともに、インサイドセールス等の強化も並行して行い、リード(見込み顧客)案件の獲得を加速させてまいります。スマートCRMサービスの中心となる機能は顧客データベース管理機能であり、当該機能周辺に付加価値を提供するソフトウエアを継続的に開発してまいります。プリペイド、POS連携、カード決済等の外部システムとの連携機能の開発投資を積極的に行うとともに、アンケートサービス「betrendサーベイ」やデータ分析ツールの提供、リテールメディアプラットフォームとの連携による広告収益化支援、生成AIの活用による新機能の実装を進め、クロスセル強化による顧客単価の向上を図ります。サービスの安定運用の要であるインフラに対しては、データベースサーバーのOracle Cloudへの移行など、将来の拡張性と安全性を確保するための投資を継続的に実施し、高品質なサービス環境を維持してまいります。大手企業への導入の際に要望される独自機能の構築に関しては、ノーコードツールの活用や、これまで個別にカスタマイズ対応していた機能の標準オプション化を推進することで、顧客のニーズに迅速に対応し、生産性の改善と導入から売上計上までの案件期間(納期)短縮を図ってまいります。同時に、将来の事業基盤を支えるエンジニアの採用やアプリサポートチームの増員、社内業務へのAI活用による全社的な業務生産性の向上など、組織体制の強化にも積極的に投資を行っていく予定です。さらに、今後の経済成長に伴いチェーン店の拡大が見込まれるベトナムを中心としたアジア地域において、「Zalo」や「LINEミニアプリ」での展開を本格化させるとともに、GX(脱炭素)領域の新規事業であるエコテックサービス(企業間ESG連携クラウドサービス「wezero」)の展開等、既存のCRM領域にとどまらない事業拡大にも挑戦してまいります。 (3)経営環境ビートレンドが提供する「CRMサービス」は、大きな区分として「CRM市場」に属しております。CRMとは、「顧客満足度」の向上を軸足において、顧客情報を中心とする情報に対してITツールを使い、有機的に連携・活用し、最終的には導入企業の収益を向上させることをいい、ビートレンドは、これらを実現する機能を消費者に対してより的確な情報や利便性を提供する企業向けに提供しております。CRMソフトウエアは、導入企業が独自のシステムとして構築し保有するオンプレミス型と、自社ではシステムを保有せずアプリケーションサービス事業者が提供するクラウド型に区分されます。ビートレンドが提供する「CRMサービス」はクラウド型CRMの市場に属しており、その市場規模は、2024年度は前年比114.9%の5,990億円、2025年度は前年比113.4%の6,793億円、2029年度には1.2兆円超に達すると言われる一方、オンプレミス型CRMの市場規模は減少する傾向にあり、CRM市場が従来型のオンプレミス型からクラウド型へと変遷が加速しております。(デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社「マーテック市場の現状と展望2025年度版<クラウド型CRM市場編> 2025年11月」)。また、昨今では人口減少や少子高齢化に伴う深刻な人手不足を背景に、実店舗を展開する流通・小売・飲食業界等において、ITツールを活用した業務効率化や「店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進が急務となっており、顧客データを活用したマーケティングソリューションに対する需要はますます高まっております。対象となる消費者が保有するモバイル機器の技術の変化の速さや嗜好の多様性に対応することが求められるため、提供する機能の追加・改修及び市場で要求される高いセキュリティ水準に合わせるためのシステムの改変等、自社で構築するオンプレミス型CRMでは、これらに多額の投資をせざるを得ない傾向があります。一方、クラウド型CRMでは専門の事業者により顧客の要望に応じて柔軟で難易度の高いサービスを提供することが可能であることから、ビートレンドの属するクラウド型CRMサービスは順調に拡大していくものと認識しております。さらに近年は生成AIなどの技術が著しい進化を遂げており、これら新技術とビートレンドの強みである顧客データベースを組み合わせることで、情報分析やプロモーションの高度化といった新たな付加価値の創出が期待されています。このような環境下において、ビートレンドは従来の主要ターゲットであった大手企業(ラージ領域)に加え、ノーコード・ノンカスタマイズで提供可能な簡易型サービス(「betrend Lite」)の投入により、ミッド/スモール領域の企業へと対象市場を拡大しております。これにより、ビートレンドがアプローチ可能な市場規模(TAM)は拡大傾向にあり、今後のさらなる事業成長の基盤となっております。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等ビートレンドは、持続的な利益成長を目指し、継続的に事業拡大をさせるため、事業の成長性や収益性の向上に取り組んでいることから、売上高、営業利益及び経常利益等損益計算書上の指標に加え、ARRやMRRの対前事業年度成長率などを重要な経営指標としております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題ビートレンドは、2024年から2026年の3年間を対象とした中期経営計画において、「変わりゆく社会において顧客と共に成長するため、これまで培ってきた経験と実績にさらに磨きをかけ、より大きなバリューを提供する。」ことをBetrend VISIONと定めております。この基本方針のもと、2025年2月に一部修正を行った中期経営計画では、2026年度にARR16.1億円を達成目標としておりましたが、2025年12月期において、営業体制再構築期間に伴う販売パートナーからのリード(見込み顧客)案件不足という課題が顕在化いたしました。また、2026年12月期においても、リード案件獲得から売上計上までの期間を踏まえると成長の後ろ倒しが避けられないこと、さらにGX事業のターゲット市場を超大手企業へと再定義したことにより、当初想定していた受注件数を見直したことから、2026年2月に、2026年12月期のARR目標を11.0億円へと修正いたしました。こうした事業環境と足元の状況を踏まえ、将来の収益成長を確実なものとするため、以下の重点施策に取り組んでまいります。イ.リード数アップ パートナー協業強化・販促費の増強ロ.案件期間短縮・受注率アップ ノーコードツールで生産性を大きく改善、アプリ構築チームの増員ハ.客単価アップ・クロスセル アンケートサービス「betrendサーベイ」ニ.販売地域拡大 海外展開への準備ホ.新規事業 GX領域へのチャレンジ(企業間ESG連携クラウドサービス「wezero」) ① サービスの販売強化ビートレンドのCRMサービスと連携することでより付加価値が高まるシステム事業者とパートナープログラム「betrend connect」を通じてシステム連携・販売連携共に促進してまいります。特に、流通業(特にスーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター等の量販店やアパレル等の専門店)や飲食・サービス業に多数の取引先を有するPOSベンダーやECカートベンダー等の有力代理店との関係強化を図ってまいります。また、ノーコードツールをスマートフォンアプリやLINEミニアプリに本格的に対応させることで生産性の改善を図ると共に、「betrend connect」の2次フェーズとして様々な連携サービスをビートレンドのアプリ内の一つの機能として提供することで、わかりやすさと利便性の向上に努めてまいります。 ② 顧客基盤の拡大現在ビートレンドの顧客は、主として小売店、飲食店、サービス提供店等、実店舗を多店舗展開する企業が多数を占めております。同業種の国内のマーケット規模は大きく、ビートレンドは前項に記載のとおり、引き続き同業種への販売強化を推進すると同時に、他業種・業態への販売推進も図ってまいります。その施策の一つとしてEC(eコマース)に多数の取引先を有する代理店とシステム連携・販売連携を行っており、当分野を強化してまいります。また、ノーコードツールの活用や、「betrend connect」の推進により、ミッド/スモール領域への進出を図ってまいります。 ③ 海外向けサービスの提供人口減少や少子高齢化による国内市場全体の減衰や円安の長期化で日本企業の海外進出が活発化していることや、東南アジア市場の急成長を見据えて、海外対応版の開発・販売・サポート体制の整備を徐々に進め、将来の市場拡大へ向けての準備を行ってまいります。 ④ 内部管理体制の強化ビートレンドは成長段階にあり、業務運営の更なる効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。また、経営の公平性や透明性を確保するため、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいります。 ⑤ システム信頼性の継続的な維持や品質の向上、設備環境の強化ビートレンドのCRMサービスは、企業経営の肝である顧客情報(顧客台帳)を中核とするアプリケーションをプラットフォーム提供しており、顧客企業とそのお客様が24時間365日、安心してサービスを利用していただくために、システム稼働の安定化が重要な課題であると認識しております。セキュリティ・開発・保守管理体制の整備は不可欠であり、また、大型案件の増加によるアクセス数の増加はサーバーに負荷を与えるため、設備の増強や負荷分散、冗長化等の対策も必要となります。技術の進歩に合わせたシステムやネットワークへの投資は必要不可欠であり、現在進めておりますデータベースサーバー群のOracleCloudへの移行を含め、当事業年度以降もサービスの品質向上のため継続的な投資を行ってまいります。 ⑥ 事業基盤の強化ビートレンドは、事業基盤強化と今後の成長に向け、ソフトウエア開発・サービス運用のための効率的な体制、また顧客企業への販売においても、販売活動及び手厚い顧客サポートを可能とする効率的な営業・サポート体制の構築が必要であると認識しております。これらの課題に対処するため技術・営業の人材採用を進めると同時に、既存社員の教育・育成に注力してまいります。 ⑦ 技術革新への対応ビートレンドの事業を取り巻く外部環境は、技術の進展が極めて速く、これらの技術革新に適切に対応できない場合、あるいは対応に想定以上の費用を要した場合には、ビートレンドの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対処するため、注視すべき市場動向やテクノロジーの進化を的確に捉え、開発すべき領域を明確化したうえで、効率的かつ戦略的な投資を行ってまいります。とりわけ、近年著しい進化を遂げ、今後も加速度的な発展が見込まれるAI分野については、ビートレンドの強みである「顧客情報データベース」を中核とした店舗・顧客に関する一次情報の収集・保管・管理機能を一層強化してまいります。これにより、情報の二次加工や分析・予測を得意とするAIとの最適な組み合わせを実現し、より高度で競争力のあるシステムサービス基盤の構築を目指してまいります。 ⑧ 競合の激化ビートレンドの事業領域であるマーケティング分野におけるSaaS事業においては、更なる競合の激化が予想されます。これに対してビートレンドは、BtoBtoC向けCRM領域における一定の競争力と市場認知度を生かしながら、技術変化に対応したサービスの提供や、他事業者とのサービス連携などにより差別化を図ってまいります。
事業等のリスク
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在においてビートレンドが判断したものであります。また、ここで記載する各リスクの発生頻度及びそれらが顕在化した場合の影響度については、合理的に算出することができないため、記載しておりません。 (1)事業環境及び事業内容に関するリスクについて①技術変化についてビートレンドはインターネット・モバイル関連サービス及びスマートフォン上でのサービスを主力事業としており、ビートレンドの事業が継続的に拡大・発展していくためには、日進月歩で進化するインターネット・スマートフォン環境を支える技術の変化や技術革新の動向に注視し、その方向性を予測し開発投資を継続する必要があります。特に、持続的成長のためには生成AIや高速通信等の最新インフラへの適応が不可欠となっております。ビートレンドがこのような技術革新に適時に対応できない場合、又はその対応に想定以上の費用がかかる場合には、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。ビートレンドは、インターネット・スマートフォン環境でのCRM事業に焦点を絞り、対象とするマーケットを中期的にはBtoC企業とし、注視すべき市場やテクノロジーの動向、開発すべき技術を明確にすることにより効率的に投資を行っております。また、サービスに必要な技術を全て自社で開発するのではなく、ビートレンドの強みを生かせる領域及び技術的なライフサイクルが長期に及ぶものを開発投資の対象とし、それ以外については外部の開発資産や生成AI等を柔軟に活用することで、技術革新への迅速な対応と投資効率の最大化を両立させ、技術変化に対応したサービスの提供を行うことを可能としてまいります。 ②経営環境の変化についてビートレンドのビジネスは、企業を主たる顧客としており、これまでにおいては顧客企業のIT投資及びマーケティング活動への投資マインドの上昇を背景として、事業を拡大してまいりました。しかしながら、今後、ウクライナ紛争その他の影響による国内外の経済情勢や景気動向等の理由に加え、人口減少や少子高齢化による国内市場全体の減衰、円安の長期化等により、顧客企業の投資マインドが減退するような場合には、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの受注減少等、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③競合についてビートレンドは、マーケティング分野におけるSaaS事業を事業領域としておりますが、当該分野においては他企業も事業展開をしており、競合が激しい状況にあります。しかしながら、当事業領域は、参入企業がターゲットとする業種、市場領域、又は提供する機能等は細分化されており、ビートレンドが提供するサービスは、ビートレンドが得意とするBtoBtoC向けCRMの領域では一定の競争力と市場認知度を得ております。SaaS業態の構造上、それを構築するための費用や運用費用も大きく発生することから、事業開始後の一定期間の事業利益はマイナスが継続するため新規参入が難しい市場であると考えております。しかしながら、新規の参入企業が、独自のAI技術や革新的なアイデアをもってBtoBtoC向けCRM領域に参入する等による競争激化や、価格競争等が発生し、十分な差別化が図られなかった場合、ビートレンドの事業及び業績に影響を与える可能性があります。ビートレンドは、競合企業との差別化を行うため、顧客ニーズに即した機能改善・追加の投資を継続し、既存の市場認知度を活かした顧客基盤の深耕を図っております。また、外部パートナーとのシステム連携による環境構築を進めることで、新規参入を寄せ付けない高いスイッチングコストと付加価値を提供し続け、競争力の向上を図っております。 ④法的規制についてビートレンドが営んでいるbetrend事業においては、各種法的規制を受けており、具体的には「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」等といった法的規制の対象となっております。そのためビートレンドでは、上記を含む各種法的規制に関して、運用するシステムへの投資、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行っております。ビートレンドでは、法的規制に関する事前の情報収集の徹底に努めるとともに、収集した情報がタイムリーに経営に共有される仕組みを構築し、法的規制対応に必要となる方策を検討、準備する十分な期間を確保することで、本リスクの低減に努めてまいります。しかしながら、今後インターネット関連事業者を対象として法的規制の制定又は改正がなされることで、ビートレンドの業務の一部が制約を受ける場合、又は新たな対応を余儀なくされる場合、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。⑤情報システムの障害及びセキュリティについてビートレンドサービスは、インターネットを介した24時間365日のサービスです。サービスを提供するソフトウエアは、自社開発を中心に状況に応じ外部導入も行っております。ハードウエアの運用は、外部委託先会社が管理するデータセンターをクラウドサービスにて利用しており、同社により24時間365日監視が行われ、災害や事故等の発生により通信ネットワークが切断された場合や、委託先データセンター内のビートレンドサーバーへの第三者による侵入があった場合等に対応できるようになっております。顧客数及び会員数の増加によりサーバーの増強等、随時リソースを最適化してシステムを運用すること、及びビートレンドが提供するサービスは常時ノンストップで稼働継続させる必要があることから、更なるシステム冗長化強化策として、常時運用しているデータセンターとは別系統にてフェイルオーバーによる冗長化を行っております。さらに、災害、事故等の発生によるネットワークの切断、システム障害等によりサービスが停止しないよう、複数のデータセンターに分散しフェイルオーバーによる冗長化を行い、大量のデータを安全かつ迅速に処理することができ、かつ一時的な過負荷や部分停止にもトラブルを回避できるようなサーバー構成を施しております。また、システム障害等の発生時には、障害の調査、復旧を行えるよう体制を強化し、速やかにサービスが再開できる体制となっております。セキュリティについては、「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」(ISO/IEC 27001)を取得し、また、個人情報保護については運用するシステムへの継続的な投資や、プライバシーマークを取得し、全ての役職員に対して定期的な教育を行い運用等行っております。また、外部委託先に対しても、高度なセキュリティ機能を有する委託先を選択しております。しかしながら、ハードウエア又はソフトウエア、又は外部委託先を起因とする予期せぬ不正アクセス・攻撃等が発生した場合、サービスの提供が停止又は遅延によりビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。近年では、AI等を用いた巧妙なサイバー攻撃やデータベースに対する不正アクセス、想定外のシステム障害等により、サービス停止や情報漏洩が生じるリスクが高まっております。これらが発生した場合、顧客の解約や事故対応コストの急増を招き、ビートレンドの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ビートレンドは、これまでのセキュリティ対策等に加え、最新のクラウド監視技術の導入や迅速なインシデント対応体制を強化することで、サービスの継続性と情報保護を両立させてまいります。 ⑥個人情報管理についてビートレンドは、顧客企業の会員に関する個人情報を取り扱っており、当該情報の漏洩を回避するため、2005年9月に「プライバシーマーク」の認証の取得、2014年3月には「情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)」(ISO/IEC 27001)を取得し、個人情報保護規程、業務マニュアル等のルールの整備充実に取り組み、社員教育の徹底等により、個人情報を保護する体制の維持に努めておりますが、万が一個人情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜や当該事象に起因する多額の経費発生等により、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦知的財産権の保護についてビートレンドは、特許権、商標権等の知的財産権の保護に努めており、当保護に当たってはビートレンドの管理部門及び弁理士等による事前調査を行っております。しかしながら、第三者によるビートレンドの権利に対する侵害等により、企業・ブランドイメージの低下、サービス運営への悪影響等を招いたり、その対応のために多額の費用が発生する可能性があります。また、万が一ビートレンドが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求や差止請求等を受ける可能性があります。こうした場合、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧品質管理についてビートレンドサービスの提供にあたっては、システムの安定稼働のため、社内での動作検証作業・テスト運用、システム稼働状況及びシステム資源の使用状況の定期検査等の品質管理を行っており、運用の信頼性・安全性を確保しておりますが、万が一何らかの障害により安定稼働に支障が生じた場合や、他社システム側の何らかの障害によりビートレンドサービスとの連携ソリューションの安定稼働に支障が生じた場合は、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨既存顧客企業の継続率及び取引額向上についてビートレンドのCRMサービスは、年度自動更新のストック型ビジネスモデルであることから、ビートレンドの継続的な成長には、新規顧客の獲得のみならず、既存顧客の維持及び取引額向上が欠かせません。当事業年度末現在においては特定の顧客企業への収益の依存度は高くなく、業績に大きな影響を与える事業運営状況の変化は想定しておりません。既存顧客の維持及び取引額向上については、顧客がCRMサービスから得られる会員の行動履歴データを活用し会員数増加を促進するためスマートCRMの機能の追加開発、更に、個別ニーズに合わせたカスタマイズやサポート等の対策等を講じております。しかしながら、既存顧客の事業が成長しない、又はビートレンドのサービスレベルが顧客の要求する水準に達しないこと等により、想定した維持率や取引拡大が実現しない場合、ビートレンドの事業及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑩販売代理店等との取引関係についてビートレンドの「betrend事業」のユーザー確保及び事業拡大を図るに当たって、販売代理店を活用しております。販売代理店とビートレンドとの関係は共同で顧客開拓を行うなど良好でありますが、今後販売代理店との契約解除など取引の継続が困難になった場合、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪資産の減損についてビートレンドは、システム開発に係わるコストについて、経理規程等のルールに従い費用化すべきものについては各事業年度において売上原価または販売費及び一般管理費として費用化し、資産性のあるものについては自社サービス用のソフトウエアとして無形固定資産に計上しております。また、本社の内装・備品等を有形固定資産として保有しております。そのため、今後、ビートレンド事業の事業収益が悪化した場合、減損会計の適用による減損処理が必要となる場合があり、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対してビートレンドは、ソフトウエアの機能改善等を通じた収益基盤の強化に取り組むとともに、費用対効果や将来キャッシュ・フローの見通しを慎重に検証し、ソフトウエアの固定資産計上を厳選することで、固定資産の適正な管理と将来的な減損リスクの抑制を図る方針であります。 ⑫中期経営計画についてビートレンドは、2026年12月期を最終年度とする中期経営計画を策定しております。当該計画の中で、人材・開発関連、インフラ関連、マーケティング分野における積極的な成長投資を計画しておりますが、今後、投資が計画通りに進捗しない場合または想定した投資効果が得られない場合、ビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬海外展開についてビートレンドは、今後の成長戦略の一環としてアジア地域を中心とした海外展開を推進しております。しかしながら、海外展開においては、日本と異なる法規制や商習慣、為替変動などがリスクとなる可能性があります。特に、各国の個人情報保護規制への対応に伴う費用増や、規制不適合による罰則等の恐れがあり、これらがビートレンドの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対してビートレンドは、進出先の有力パートナーと連携し、独自の法規制を事前の精査・反映に努めております。また、運用の設計段階から各国の規制要件をシステムに実装することで、個人情報保護に伴うコスト増を最小化し、進出先の法改正にも即応できるガバナンスを構築してまいります。為替変動リスクに対しては、今後の海外展開の規模拡大に応じて、必要となる為替ヘッジ等の対策を適宜検討してまいります。 (2)事業運営体制に関するリスクについて①人材育成・確保についてビートレンドは、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人材の確保であると考えております。今後の事業展開を見据えて、営業及びシステム分野のスキルを有する人材の確保や育成、事業を拡大・成長させていくためのマネジメント能力を有する人材の確保に努めており、スポーツ奨励金、ヘルスアップ講座等、福利厚生を充実し人材の定着を図っております。しかしながら、ビートレンドが求める人材が十分に確保出来なかった場合や人材育成が円滑に進まない場合、各部門において中心的役割を担う特定の従業員が万が一社外に流出した場合、又はオフショアでの開発が何らかの事情で継続できなくなった場合、ビートレンドの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ②小規模組織であることについて当事業年度末現在におけるビートレンド組織は、取締役5名、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、従業員61名であり、現状の事業規模に応じた内部管理体制や業務執行体制となっております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、ビートレンドの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③代表取締役社長 井上英昭への依存について代表取締役社長である井上英昭は、ビートレンドの創業者でありソフトウエア業界で得た豊富な経験と知識を活かし、ビートレンドの代表として指揮をとっております。その知見や環境変化への対応ノウハウ等は経営幹部層に移植されてきており、運営実態に合わせた権限の見直し等、職務権限の最適化にも取り組んでおりますが、何らかの理由により同氏がビートレンドにおいて業務を継続することが困難となった場合、ビートレンドの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (3)その他①筆頭株主についてビートレンドの筆頭株主である永山隆昭氏は、当事業年度末現在で発行済株式総数(自己株式を除く)の47.40%のビートレンド株式を保有しております。同氏は、今後も一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、同氏は、IT業界での豊富なシステム関連の知見及び経営者としての経験をビートレンドの経営体制の強化につなげるため取締役に選任されており、ビートレンドとしては安定株主であるとの認識ですが、将来的に何らかの事情により同氏が保有するビートレンド株式が売却された場合には、ビートレンド株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。 ②配当政策についてビートレンドは、当面は株主への長期的な利益還元を実現するために、環境変化に対応した事業展開を行うとともに、成長投資のための内部留保の確保を優先する方針であり、設立以来、配当を実施しておりません。将来は、株主への利益還元と財務体質並びに内部留保の充実のバランスを考慮しながら、配当を検討する所存でおりますが、現時点においては配当実施の可能性及びその実施時期につきましては未定であります。なお、株主への利益還元の一環として、株主優待制度を導入しております。 ③新株予約権の行使による株式価値の希薄化についてビートレンドは、ビートレンドの役員及び従業員に対するインセンティブ等を目的とし、新株予約権を付与しております。新株予約権が権利行使された場合、ビートレンド株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は62,400株であり、発行済株式総数の2.84%に相当しております。また、ビートレンドは今後も優秀な人材確保のために同様のインセンティブプランを実施する可能性があり、将来付与したストック・オプションが行使された場合には、ビートレンドの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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