イビデン株式会社(イビデン)の企業集団は、子会社29社及び関連会社1社であり、事業内容は、電子、セラミック、建設、建材、樹脂、食品等の製造・販売を主に、設備工事関係、保守、サービス等を行っているほか、グループ製品・原材料等の運送業務を営んでおります。
イビデングループの事業内容と当該事業における位置付けは、次のとおりであります。
上記の企業集団等の状況について、事業系統図を示すと次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、イビデングループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 経営の基本方針
イビデンは、「私たちは、人と地球環境を大切にし、革新的な技術で、豊かな社会の発展に貢献します」という企業理念の実現のために、「共有すべき行動精神」として「誠実」「和」「積極性」及び「イビテクノの進化」を掲げ、全役職員の行動の柱としております。この方針に基づき、社会に有用な技術・製品の開発・提供を行うとともに、全てのステークホルダーから信頼・評価される企業経営に努めております。
② 中期経営計画と活動の柱
イビデングループでは、次の飛躍に向け、2023年度より始動する5か年の新たな中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」(略称:MNS115Plan)を策定いたしました。新中期経営計画におきましては、5本の活動の柱(強化していく力)を軸に、事業環境変化に対応し、持続可能な成長の実現に向けて全社グループ一丸となって取り組んでまいります。
活動の柱及び重点実施項目は以下のとおりであります。
活動の柱1. 事業の競争力強化 “稼ぐ力”
〔重点実施項目〕
1) 既存の価値・ビジネスモデルを常態とせず、革新に挑戦するマインドの継続
2) 競争力を維持する高い商品力と契約で担保された確かなビジネスモデルの実践
3) 全社一体型システムの展開によるグローバル経営の強化
活動の柱2. 新規製品の事業化 “伸ばす力”
〔重点実施項目〕
1) 市場変化・顧客ニーズ・利便性に基づく新製品を、独創性あるビジネスモデルで事業化
2) 関連会社も参画した新製品・新事業開発によるグループ連結での成長を実現
活動の柱3. モノづくりの改革 “継続する力”
〔重点実施項目〕
1) 「改善と維持」の継続的な実践によるナレッジワーカーの育成で、現場力を強化
2) 国内・海外工場の一体運営を可能にするOne Factory構想の実現
3) データ(DX)とメカニズム(基礎技術)解析による技能の継承と外部の知見の効率的活用
活動の柱4. 企業文化の改革 “変える力”
〔重点実施項目〕
1) 人的資本経営を、「経営」の視点と「従業員(ウェルビーイング)」の視点で実践
2) 目的意識を持った自立型人財と柔軟な組織編成による変化への対応
活動の柱5. ESG経営の推進 “永続する力”
〔重点実施項目〕
1) エネルギーマネジメント・環境経営によるGX推進でCO2排出削減目標を達成
2) SDGsの事業への紐づけによる活動の活性化と定着
3) 高度化する外部要求への対応を通じた業界トップ水準のガバナンス体制の構築
(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後の世界経済の見通しにつきましては、緩やかな景気の拡大局面の継続が期待される一方で、地政学リスクの継続や中国における経済成長鈍化の長期化など、不安定かつ不確実な状況が継続すると見込んでおります。イビデングループにおきましては、事業環境変化に強いビジネスモデルの構築と最新のデジタル技術の導入・展開による歩留り・生産性改善を進め、競争力強化を図るとともに、市場の変化に対し、グローバルで生産体制を機動的かつ柔軟に運営することで、事業への影響を最小限に留めてまいります。
①電子事業
電子事業の市場におきましては、足下は、生成AI用サーバー向けの需要は引続き堅調に推移しておりますが、パソコン及び汎用サーバー向けの需要は厳しい状況が継続しております。しかしながら、2024年度の下期以降は、AI分野の更なる成長に加えてハイパースケーラーの投資回復により、汎用サーバー向けを含む高機能ICパッケージ基板全体の需要回復が見込まれます。イビデンにおきましては、大野事業場の建設を計画通りに遂行するとともに、市場回復後の再成長に向け、デジタル技術の活用による高効率・高品質なモノづくりを目指したOne Factory構想に基づくグローバルでの品質力強化と匠(たくみ)人材の育成による現場力の強化を進めてまいります。
②セラミック事業
セラミック事業におきましては、DPF・AFP事業の市場については、先進国を中心とした乗用車市場の電動化への急激な流れからの揺り戻しが当面は継続することが想定されるものの、中長期的には、内燃機関向け製品の需要は減少すると見込んでおります。イビデンにおきましては、伸びる中国・新興国市場の産業用車両(トラック・建機など)向けの需要を確実に取り込むとともに、乗用車市場における電動化の進展を睨んだ電動車向けバッテリー用安全部材の拡販を強化してまいります。また、FGM事業においては、SiCパワー半導体を含む中長期的な半導体向け需要の伸びに対し、積極的な設備投資を行うことで、事業を拡大してまいります。
③その他事業
その他事業におきましては、国内グループ各社の独自競争力を持つコア事業の拡大と併せて選択と集中を実施することで、安定した電力事業とともに、イビデングループの電子事業・セラミック事業に次ぐ「第3の収益の柱」としての位置づけを確かなものにしてまいります。
(3) 新たな環境変化への挑戦
イビデングループでは、2023年度より始動しております5ヵ年の中期経営計画「Moving on to our New Stage 115 Plan」で掲げている5本の活動の柱に基づき、事業環境変化に確実に対応するとともに、安定した成長の実現に向け、新たな経営体制のもと、全社グループ一丸となって取り組んでまいります。また、経営と従業員の視点による人的資本経営を実践し、自立型人財の育成とフレキシブルな組織体への変革を図るとともに、引き続き、経営の基盤としてのESG経営を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
イビデングループといたしましては、これらの経営課題・リスクに着実に対処することで、収益基盤を一層強固なものとし、中期経営計画の目標達成とともに、その先の永続的・安定的な成長を実現するための取り組みを継続してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてイビデングループが判断したものであります。
イビデングループの事業は、複数の事業セグメントから構成されており、その中でも主たる事業である電子部門は、主に半導体メーカー、携帯電話メーカー及び各種エレクトロニクス製品を製造するメーカーに、またセラミック部門は、主に自動車メーカーに製品を供給しております。
①電子部門の製品に関しては、イビデングループ製品が採用されているパソコン市場において製品ニーズが大きく変化する可能性があります。こうした市場の変化による影響を最小限にとどめるため、受注製品構成の変化に柔軟に対応できるリソース配分と生産体制の構築を図っております。
②セラミック部門の自動車関連製品に関しては、排気ガス関連規制の延期、EV・ハイブリッド車の普及加速などによるディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)需要の減少に備え、成長市場へ注力した生産・供給体制への移行とEV化対応の製品開発を図っております。
しかしながら、いずれも想定外の世界の経済情勢の悪化や製品市場の急激な変化により、イビデングループの製品の需要が大幅に落ち込んだ場合には、イビデングループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
イビデングループは、海外での販売比率が高く、また世界各国に事業を展開していることから、イビデングループの外貨建ての輸出入取引や子会社の現地通貨建ての収益、費用、資産、負債は連結財務諸表作成のために円換算されるため、為替相場の変動の影響を大きく受けることになります。
イビデングループにおいては、為替相場の変動リスクを縮小あるいはヘッジするための対策を講じておりますが、為替相場の変動による影響を完全に排除することは不可能であり、米ドル、ユーロ等の主要通貨及び現地通貨に対して、円高が急激かつ長期に進行した場合には、イビデングループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
イビデングループの製品については、国内外において厳しい競争下にあり、価格は、一部の新規製品を除き主たる競争要因となっております。電子部門及びセラミック部門のセグメントが属する市場においては、有力な日本企業に加え、電子部門の製品に関しては、台湾、韓国の競合メーカーの台頭もあり、競争は更に激化しております。
イビデングループは、常に新規製品・技術の開発、既存技術・製法の改良を進めることにより、単なる価格競争に陥らないよう努力を続けておりますが、価格下落の傾向が長期間にわたり継続し、コスト改善活動がこれに追いつかない場合や高付加価値製品の市場への安定的供給ができない場合には、イビデングループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
イビデングループは、顧客ニーズへの迅速な対応及び製品供給を行うために、販売・生産拠点の現地化を重要な企業戦略の一つとして、積極的に生産拠点の拡充を進めております。
従いまして、イビデングループの生産拠点がある特定地域の持つ政治的、社会的な緊張から来る、突然の制度、法規則の変更等による突発的な調達・出荷・操業等の停止がイビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対応してイビデングループは、グローバルな生産体制、ネットワークを活用した代替出荷や生産など、特定地域での突発事象の影響を緩和する柔軟な運用を図っております。
イビデングループで生産・販売している主要製品のうち、セラミック部門の製品であります触媒担体保持・シール材に関して、中国で重要な生産拠点を保有し、同国の顧客へ販売しております。
しかしながら、同国にて突然の制度、法律又は規則の変更等の政治的要因、市場環境の急激かつ大幅な変化(悪化)等の経済的要因等に起因する予期し得ない事態が発生した場合には、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
イビデングループは、主に銀行や取引先等との関係構築・維持のための政策上の投資として株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落、又は株式保有先の財政状態の悪化や倒産等により、保有する株式の価額が著しく下落し、しかも回復可能性が認められない場合は、保有する株式の減損処理により、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
イビデングループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性に疑義が生じた場合、もしくは税率の変更等を含む各国の税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
イビデングループは、多数の外部の取引先から原材料及び部品等を購入しておりますが、イビデングループ製品の製造に必要とされる主要原材料・部品の中には、限られた供給元に依存しているものがあります。イビデングループは、継続して市場に製品を供給し続けるため、原材料・部品の長期安定供給及び低価格での供給を受けるための努力を行っておりますが、受け続けられるかどうかは、イビデングループが制御できないものを含め、需要の急増に伴う供給不足、供給先からの供給遅延及び供給停止等、多くの要因による影響を受けます。このような事態が発生した場合には、イビデングループの生産活動に影響を及ぼし、顧客への製品の納入や品質確保に支障をきたす可能性があります。また、原材料等の市場における需給バランスの変化等によりその価格が高騰した場合には、製造原価の上昇を招き、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
設備投資に関して、イビデングループは、電子部門及びセラミック部門の国内外での生産拠点整備のため、今後も設備投資を行う予定でおります。
設備投資について、当該設備を事業の用に供した時期に機械装置などの本勘定に振り替え、減価償却を開始しております。固定資産の取得に関して適切な会計処理が行われるように、資産計上予定表に基づき事業の用に供した時期の承認を行うなどの内部統制を構築しております。
投資にあたっては、将来の需要予測とイビデングループの競争力を基に、投資効率を勘案して決定しておりますが、競合他社の開発・市場参入動向、最終製品の需要動向の変化により、当初予想した受注量を確保できない場合には、イビデングループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(10) 特定の販売先への依存について
イビデングループは、半導体プラスチックパッケージ基板等の電子関連製品を米国のIntel Corp.(以下、インテル社)に販売しており、インテル社に対する販売実績の総販売実績に対する割合は、2023年3月期36.1%、2024年3月期30.9%と比較的高い水準にあります。
インテル社への売上高は、市場における電子部品等の需要動向の影響を受けるほか、同社製CPU(中央演算装置)が搭載されるパソコンやサーバー等の出荷動向及び同社製CPUの価格動向の影響を間接的に受ける可能性があります。
また、インテル社に対する半導体プラスチックパッケージ基板は、イビデングループのほか、複数の競合メーカーが供給しております。イビデングループは、独自技術の開発と既存技術の深耕を行い、次世代、次々世代の独自の製品を生み出すための研究開発を進めており、インテル社製CPUの世代交代に対しても、継続的な研究開発と設備投資を実施しておりますが、イビデングループの製品が継続してインテル社に採用される保証はありません。
(11) 製品の品質について
イビデングループは、事業展開している各国の生産拠点で所定の品質基準に基づき、各種製品を生産しております。イビデングループが提供する製品は、高い信頼性が求められるものが多いため、製品の品質には細心の注意を払っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にわたっても重大な品質問題を引き起こさないという保証はありません。万一、大規模な製造物責任賠償につながるような製品の欠陥及び品質不良が発生した場合には、製造物責任保険で賄いきれない賠償責任を負担する可能性があると同時に、信用の失墜による売上高の低下を招き、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 減損会計
イビデングループは、事業用の設備、不動産など様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、イビデングループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(13) 継続的な新製品開発力
イビデングループの製品は厳しい競争下にあるため、常に研究開発の継続による新製品の開発が求められております。そのため、イビデングループの収益動向に係わらず、高水準の新製品開発投資を継続して行う必要があります。
しかしながら、技術革新の目覚しい市場において、顧客のニーズを満足させる新技術を的確に予想することは容易ではなく、イビデングループが常に技術の変化に対応し、新製品をタイムリーに開発・供給できるとは限りません。その場合には、イビデングループの経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(14) 知的財産権について
技術開発型企業を志向するイビデングループは、独自開発した技術等について特許権等の産業財産権を取得するために出願を行っておりますが、特許庁の審査によっては、出願した内容の全てについて権利が付与されるとは限りません。また、権利を取得しても第三者から異議申し立て等により、取得した権利が取り消しや無効になってしまう可能性があります。
イビデングループ所有の知的財産権については、厳しく管理しており、第三者からの侵害にも注意を払っておりますが、万一、不正使用などが行われた場合には、本来得られるべき利益が失われる可能性があります。また、イビデングループが第三者の知的財産権を侵害したとして訴訟を提起された場合には、製造差止め請求に係る顧客への補償やこれらの係争に関連する損害賠償の発生、あるいは新たに実施許諾を受けるためのライセンス料等の支払いがイビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 情報セキュリティについて
イビデングループは、事業運営に関連する技術、営業、個人及び経営全般に関する情報等を多数保有しております。これらの情報管理には、社内規程の整備、従業員教育等の対策を講じておりますが、予見し難い状況の発生、又は故意、過失の如何に関係ない人為的な行為に起因する理由等によって、外部に情報が流出し、第三者が不正取得・使用する可能性があり、このような事態が生じた場合には、この対応のために生じる多額の費用負担や顧客等からの信頼の失墜が、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 自然災害・気候変動に関する影響
イビデングループは、国内外に多数の事業拠点を有しており、地震、洪水等大規模な自然災害が発生した場合には、自社工場の操業の停止、又はサプライチェーンの寸断等、イビデングループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小限にするため、自然災害による局所的な災害時の事業継続・復旧計画の策定を図ってまいります。
また、気候変動の加速を受けた気候変動関連の規制強化がエネルギー調達コストの上昇を招くリスクと捉え、発電効率の高い発電設備の増強などエネルギー効率の高い生産プロセスの実現・自社再生可能エネルギーの効率的な活用を図っております。
(17) 大規模な感染症拡大
イビデングループは、国内外に多数の事業拠点を有しており、感染症の拡大による各国操業制限や往来制限措置等、世界規模のサプライチェーン停滞などがイビデングループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
大規模な感染症拡大に際しては、社員・地域の安全を最優先に、企業存続に不可欠な事業継続レベルを維持し、業務再開・回復を計画的に進める運用を図っております。
(18) 人財の確保・育成
イビデングループでは技術を支えるのも事業を支えるのも人が根幹であり、人財育成をイビデングループの持続的成長の生命線と捉え取り組んでおります。しかしながら、日本国内で進む少子高齢化から来る労働人口の減少による人財の不足により人財の確保・育成が計画通りに遂行できなかった場合、イビデングループの事業戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、イビデンではデジタル技術(DX)の活用等で、効率性の向上と、多様性のある人財の活躍支援を図っております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
Copyright (c) 2014 かぶれん. All Rights Reserved. プライバシーポリシー