第一稀元素化学工業(4082)の事業内容、事業の状況や経営戦略、事業等のリスクについて
3 【事業の内容】第一稀元素化学工業グループは、第一稀元素化学工業と子会社5社及び関連会社3社で構成されており、酸化ジルコニウムを中心としたジルコニウム化合物を製造・販売しております。ジルコニウム化合物の精製には乾式製法(電融法など)と湿式製法の2種類があり、第一稀元素化学工業グループは両製法の設備を有し、目的に応じて製造方法を選択することができます。また、湿式製法にて鉱石から最終製品までの一貫生産システムを有するメーカーでもあります。第一稀元素化学工業グループは第一稀元素化学工業を中心に、高純度酸化ジルコニウム及びジルコニウム化合物を湿式製法にて製造し、関連会社から乾式製法(電融法)により精製した酸化ジルコニウムを購入することで、顧客からの多種多様な要望に対応できる販売体制を整えております。また、その生産技術・複合化技術を活かして、希土類化合物やセシウム化合物等その他元素の化合物についても製造・販売を行っております。ジルコニウム化合物は、この半世紀の間にその優れた物理化学特性が次々と解明され、現在では日常的に使用される多種多様な製品の原料として幅広く利用されております。具体的には撥水性(防水剤)に始まり、高屈折率(光学材料)、高耐熱性(耐火物)、圧電性(着火素子・ブザー・アクチュエーター)、イオン伝導性(酸素センサー)、誘電性(セラミックコンデンサ・電波フィルター)、高強度・高靭性(ファインセラミックス)、強酸性・耐薬品性(工業用触媒)など、ジルコニウム化合物は数多くの特性を持っております。第一稀元素化学工業グループの事業セグメントは、化学工業製品の製造販売事業の単一セグメントであり、事業部門に分類することが困難なため、特段の注記なき場合は第一稀元素化学工業グループ総計にて記載しております。なお、第一稀元素化学工業では用途セグメントとして、「戦略分野-半導体・エレクトロニクス」「戦略分野-エネルギー」「戦略分野-ヘルスケア」「自動車排ガス浄化触媒分野」「基盤分野」の5区分により記載しております。 第一稀元素化学工業製品の主要な用途 用途セグメント 主な用途戦略分野半導体・エレクトロニクス電子部品電子基板・フェルール光学半導体・積層セラミックコンデンサ・スマートフォンの筐体・イヤフォン、スピーカーのハウジング・ディスプレイ用反射防止フィルム・カメラレンズの屈折率調整・半導体研磨エネルギーエネルギー触媒二次電池SOFC/SOEC水素関連・CO改質触媒、メタネーション触媒・リチウムイオン電池の正極材の添加剤・固体電解質・水電解用部材ヘルスケア生体材料(歯科含む)医療機器抗菌剤・環境・歯科材料・画像診断装置・抗菌剤、吸着剤自動車排ガス浄化触媒分野自動車触媒酸素センサー・三元触媒、GPF、酸化触媒・固体電解質・スパークプラグ基盤分野工業用触媒構造部材耐火物ブレーキ材ブレージング表面処理 ・化学合成触媒・時計、装飾品・連続鋳造用ノズル・ブレーキパッド・アルミ配管ろう付・塗料・製紙用水溶性高分子の架橋剤 第一稀元素化学工業グループの当該事業における位置付けは次のとおりであります。
有価証券報告書(2026年3月決算)の情報です。
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、第一稀元素化学工業グループが判断したものであります。 (1)経営方針第一稀元素化学工業グループは、『世に価値あるものを供給し続けるには、価値ある人生を送るものの手によらねばならぬ。価値ある人生を送るためには、その大半を過ごす職場を価値あるものに創り上げていかねばなるまい。』という経営理念のもと、『稀な元素とともに、「100年企業」へ』をビジョンに掲げ、永続的に成長を続ける企業グループを目指します。 「価値あるもの」とは、社会課題の解決に貢献する独創的で付加価値の高い製品のことです。次に「価値ある人生」とは、自身の夢や理想の実現に向かって成長する公私ともに充実した生き方のことです。そして「価値ある職場」とは、ジルコニウムのトップメーカーの一員であることに誇りを持ち、「キゲンソらしさ」を体現する仲間がいる職場のことです。 (2)中長期的な会社の経営戦略第一稀元素化学工業グループは、2023年3月期(第67期)から2032年3月期(第76期)までの10年間を対象とする中期経営計画「DK-One Next」を推進しており、2026年3月期(第70期)は前期4カ年(第67期〜第70期)の最終年度にあたります。 前期4カ年においては、主力の自動車排ガス浄化触媒材料において成長の原資を確保しつつ、次世代の事業の柱を早期に育成するため、半導体・エレクトロニクス、エネルギー及びヘルスケア等の戦略分野への経営資源の重点配分を進めてまいりました。あわせて、「100年企業の基盤の確立」を目指し、「新規事業の創出」「収益構造の改革」「革新的なものづくりの実現」「成果を出し続ける組織づくりの実践」「キゲンソらしさの更なる醸成」「サステナビリティへの取り組み」の6つの柱に基づく体質強化を並行して推進してまいりました。 前期4カ年における主な成果としては、第一に、研究開発から事業化までの推進体制を整備し、用途起点での開発及び顧客提案を進めることで、戦略分野における事業展開に向けた開発・営業基盤を構築しました。一方で、これらの取組みを売上の伸長に確実に結び付けることは、引き続き重要な課題として認識しております。第二に、成長投資の前提となる「安定供給」自体を競争力と位置付け、主原料サプライチェーンの強化に取り組んだ結果、2025年7月にベトナム子会社工場が本格稼働し、オキシ塩化ジルコニウム(ZOC)の供給体制の多様化及び特定地域への依存リスクの低減を通じて、供給安定性の向上とコスト競争力の強化が実行段階に入りました。 一方、前期4カ年における課題としては、戦略分野における売上高は伸長したものの、主力の自動車排ガス浄化触媒材料への依存度は依然として高く、事業ポートフォリオの転換という観点では、売上構成比の大きな変化には至りませんでした。この背景には、電動化の進展局面における需要の変動や顧客の在庫調整等により、一部用途において当初想定していた需要の立上がりが後ろ倒しとなったことがあります。また、ベトナム事業については、立上げの遅れや稼働移行期における費用増等により、収益面に影響を及ぼした局面もありました。 これらの成果と課題を踏まえ、2027年3月期(第71期)から2029年3月期(第73期)までの中期においては、戦略分野における売上の伸長を最重要課題として位置付け、重点領域における施策の実行と案件の積み上げを通じて、事業ポートフォリオの転換を着実に進めてまいります。あわせて、前期に整備した開発・事業化体制を売上に確実に結び付けるとともに、2025年7月に本格稼働したベトナム子会社工場の稼働拡大及び安定操業並びに原価低減のさらなる推進を通じて、ベトナム事業の伸長を収益性の改善に接続し、中期における成長加速の土台としてまいります。 (3)目標とする経営指標第一稀元素化学工業グループは、中期経営計画「DK-One Next」において、持続的な企業価値の向上を実現することを経営の基本方針としております。2027年3月期(第71期)から2029年3月期(第73期)までの中期においては、戦略分野における売上の伸長を最重要課題として位置付け、事業ポートフォリオの転換を着実に進めることで収益基盤の強化を図ってまいります。その先の2030年3月期(第74期)から2032年3月期(第76期)までの後期においては、売上成長の果実を収益性・資本効率の向上に結び付け、ROICスプレッド(ROIC-WACC)の最大化を通じた資本コストを上回る収益の創出を目指してまいります。 目標とする主要な経営指標は以下のとおりであります。 経営目標(連結) 第70期2026年3月期第73期2029年3月期*カッコ内は2025年設定第76期2032年3月期実績目標目標売上高357億円410億円500億円以上営業利益34億円40億円(30億円)75億円以上EBITDA67億円75億円(70億円)105億円以上ROIC4.7%5%(4%)9%以上ROE6.6%6%(5%)11%以上DOE1.9%1.8%以上1.8%以上配当性向27.0%30%30% (注)第73期の営業利益目標は、ベトナム事業における原価低減の進展を踏まえ、従来目標から引き上げております。ただし、第一稀元素化学工業グループが目指す中期的な企業価値向上は、原価低減のみによって実現するものではなく、戦略分野における売上伸長を伴う事業ポートフォリオ転換が不可欠であると認識しております。 第70期においては、ROIC及びROEが2025年設定の第73期目標水準に到達しましたが、売上高は第73期目標に達しておらず、戦略分野の伸長にも課題が残りました。このため、第73期及び第76期の売上高目標は変更せず、売上成長と収益性改善を一体的に進めてまいります。株主還元については、DOE1.8%を下限とし、業績の改善に応じて配当性向30%を目標とすることで、成長投資と安定的な株主還元の両立を図ってまいります。 (4)優先的に対処すべき課題 第一稀元素化学工業グループは、中期経営計画の前期4カ年(第67期〜第70期)において戦略分野への経営資源の重点配分と主原料サプライチェーンの複線化を進め、2025年7月にはベトナム子会社工場が本格稼働するなど、次の成長に向けた基盤整備を進めてまいりました。一方で、事業ポートフォリオの転換はなお途上にあり、2027年3月期(第71期)からの中期においては、戦略分野の売上伸長による収益構造の転換を最重要課題として位置付けるとともに、ベトナム事業の安定操業と収益性の改善を通じて成長加速の土台を固めてまいります。この認識のもと、次の課題に優先的に取り組んでまいります。 ①新規事業の創出・戦略分野の開発活動の強化第一稀元素化学工業グループは、自動車排ガス浄化触媒向け製品への依存度を低減し、収益構造の多様化を図るため、半導体・エレクトロニクス、エネルギー及びヘルスケアの各戦略分野において、用途開発及び顧客基盤の拡大を継続して推進してまいります。中期経営計画の前期4カ年を通じて、用途起点での開発・顧客提案体制を整備し、提案型ビジネスに向けた取り組みを進めてまいりました。一方で、一部用途では市場環境や顧客の投資判断の変化により需要の立上がりが想定を下回ったことに加え、重点市場の選定、顧客開拓及び量産化までの事業化プロセスに改善余地があると認識しております。今後は、対象市場及び重点顧客の見直しに加え、開発テーマごとの事業化可能性、量産化時期及び収益性をより厳格に管理し、戦略分野の売上構成比の引上げに取り組んでまいります。また、レアアースフリー材料の開発については技術基盤の強化という観点から取り組みを進め、素材としての注目度は上がっており、検討いただいている顧客数は増加しております。一方で現時点において具体的な販売計画は未定であり、今後の事業展開に向けた選択肢の一つとして位置付けております。 ②主原料調達のサプライチェーンの強化 第一稀元素化学工業グループは、主要原料の安定調達を事業継続の根幹と位置付け、サプライチェーンの強化を継続的に推進してまいります。オキシ塩化ジルコニウム(ZOC)については、2025年7月にベトナム子会社工場が本格稼働したことにより、供給体制の多様化が実現し、特定地域への依存リスクの低減と原価低減の推進が実行段階に入りました。一方、イットリウム及び中重希土類については中国による輸出規制の影響が継続しており、調達先の複線化、備蓄水準の見直し及び政府関係機関との連携を通じた安定調達体制の構築に取り組んでまいります。あわせて、原料調達における制約の影響を低減するため、使用原料の多様化や代替技術の検討を中長期的な課題として推進してまいります。また、事業継続計画(BCP)の見直し及び設備保全の推進を通じて、不測の事態における事業継続体制の維持に取り組んでまいります。 ③キャッシュ創出力の強化と収益性の改善 第一稀元素化学工業グループは、資産効率の改善及び原価低減活動を継続して推進しております。棚卸資産については増加しており、その圧縮は引き続き重要な課題であります。第70期においては、売上高の増加及びベトナム事業における変動費削減の進捗を背景として、ROIC及びROEは第73期目標水準に達しております。あわせて、ベトナム事業に関連する借入残高の圧縮による金利負担の軽減及び為替差損益の管理を重要な財務課題として推進してまいります。今後の中期においては、戦略分野の売上伸長により、ROIC及びROEの持続的な改善を図ってまいります。 ④温室効果ガスの排出削減への対応 第一稀元素化学工業グループは、温室効果ガスの排出削減目標を設定し、削減ロードマップに基づく取り組みを継続的に推進するとともに、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指しております。省エネルギー設備の導入及び運転条件の最適化によるScope1排出量の削減を継続するとともに、ベトナム子会社工場においてはバイオマス(もみ殻)由来の熱源を生産に活用しております。Scope2については各生産拠点における再生可能エネルギーの導入拡大を推進し、Scope3については第70期においてサプライチェーン全体の排出量算定に着手しており、次期以降の削減ロードマップの策定・開示に向けた取り組みを進めております。あわせて、炭素価格の導入・強化、排出規制の強化及び顧客の脱炭素化要請といった移行リスクへの対応を重要課題として認識し、環境規制の動向を継続的に注視しながら必要な対応を機動的に講じてまいります。 ⑤多様な人材が活躍できる基盤づくり 第一稀元素化学工業グループは、事業ポートフォリオの転換及びベトナム事業の安定稼働の実現に向けて、経営課題の解決に直結する人的資本戦略の再構築に取り組んでおります。多様性については、性別や国籍にとどまらず、知識・経験・視座を含む広い定義のもと、環境変化への対応力と成長機会を捉える経営能力の強化として位置付けております。この認識のもと、人事制度全般の見直しを進めるとともに、人材開発投資を拡充し、全従業員の能力開発に努めてまいります。また、ベトナム子会社を含む海外拠点における現地人材の育成にも継続して取り組んでまいります。 ⑥成長を続けるための組織力強化と人材育成 第一稀元素化学工業グループは、前期4カ年を通じて新任管理職育成プログラムをはじめとする教育体制を整備し、管理職の実践力の向上に取り組んでまいりました。今後の中期においては、経営課題の解決を担うマネジメント人材の育成を強化するとともに、高度な専門性を有する人材の確保・育成を推進してまいります。また、開発・製造・営業が一体となって目標をやり切る組織力の強化に向け、戦略の優先順位の明確化と定期的な進捗レビューによる実行サイクルの確立及び組織横断的な連携体制の強化に取り組んでまいります。
事業等のリスク
3 【事業等のリスク】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、第一稀元素化学工業グループが判断したものであります。 (ベトナム事業について)第一稀元素化学工業グループは、ジルコニウム化合物の安定調達体制の強化を目的として、ベトナム現地法人における生産体制の整備を進めております。立上げ初期に比べ、製造条件の整備及び変動費の低減は進展しておりますが、長期安定稼働の定着に向けては、設備の損耗に応じた適切な保全対応や、現地従業員に対する継続的な教育・技能向上が必要となります。これらの対応が計画どおりに進まない場合には、生産効率の低下、追加的な費用の発生又は供給面への影響等により、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、設備保全の強化、操業状況の継続的なモニタリング及び現地人材の育成を通じて、安定稼働の定着と収益性の維持向上に努めております。 (戦略分野の進展について)第一稀元素化学工業グループは、特定用途向け製品への依存度の低減と収益構造の多様化を図るため、半導体・エレクトロニクス、エネルギー及びヘルスケアの各分野を戦略分野として取り組みを進めております。当期においては、戦略分野全体の売上高は前年に比べ増加したものの、分野別には進捗に差がみられ、売上構成比の面でも大きな変化には至っておりません。このため、戦略分野における用途開発、量産案件の立上げ又は顧客基盤の拡大が計画どおりに進まない場合には、事業ポートフォリオの転換が想定どおり進まず、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、開発・製造・営業の連携強化に加え、新規事業創出機能を通じて、顧客要望に基づく製品開発のみならず、自社の戦略的判断に基づく事業機会の探索及び事業化の推進を強化することにより、戦略分野の拡大と収益構造の転換に取り組んでおります。 (為替変動について)第一稀元素化学工業グループは、外貨建ての資産及び負債ならびにグループ内貸付等を有しており、為替相場の変動により、貸借対照表上の為替差損益が発生する可能性があります。特に、ベトナム事業に関連する資金取引については、ドル円相場に加え、ドルとベトナムドンとの為替変動の影響も受けることから、親会社及びベトナム子会社の双方において為替差損が生じる可能性があります。また、ベトナム事業に関連する借入残高が相応の水準にあることから、金利上昇局面においては金融費用が増加し、第一稀元素化学工業グループの経常利益を圧迫するおそれがあります。これらの影響が継続又は拡大した場合には、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、為替予約その他の対応策を講じ、為替変動による影響の抑制に努めておりますが、対応コスト等を踏まえると、すべてのリスクを回避することは困難であり、一定のリスクは残存します。このため、ベトナム事業の安定稼働及び収益性の向上を通じて借入依存度の低減を図ることが、当該リスクに対する重要な対応策であると認識しております。 (情報セキュリティについて)第一稀元素化学工業グループは、事業活動を通じて技術情報、営業情報、個人情報その他の重要情報を保有するとともに、情報システムを活用して事業運営を行っております。近年は、AI活用やクラウド利用の拡大等を背景として、サイバー攻撃の件数及び手法の高度化・巧妙化が進んでおり、情報漏えい、改ざん、消失又はシステム停止等が生じる可能性があります。また、内部不正又は委託先管理の不備等により、サイバー攻撃以外を起因とする情報漏えい等が発生する可能性もあります。これらの事象が顕在化し、被害が拡大した場合には、生産、受発注、物流その他の事業活動の停滞、復旧費用の発生、損害賠償責任又は社会的信用の低下等を通じて、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、情報セキュリティを重要な経営課題の一つと認識し、技術的対策の強化、各種規程及びマニュアルの整備、従業員に対する教育及び訓練、外部脅威動向の把握ならびにインシデント発生時の情報連携及び初動対応体制の整備を通じて、情報資産の保護及び情報セキュリティ水準の維持・向上に努めております。 (気候変動及び環境規制について)第一稀元素化学工業グループは、気候変動への対応及び環境負荷の低減を重要な経営課題の一つと認識しております。各国・地域における温室効果ガス排出規制、排出量取引制度、炭素価格の導入又は強化、環境報告義務の拡充その他の環境規制の強化が進行した場合には、エネルギー調達コストの上昇、省エネルギー投資、再生可能エネルギー調達又は設備更新等の追加的な対応が必要となる可能性があります。また、顧客における脱炭素化要請の高まりに十分に対応できない場合には、競争力の低下を招く可能性があります。これらの状況が継続又は拡大した場合には、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、温室効果ガス排出量の把握及び削減ロードマップの推進、継続的な省エネルギー活動、エネルギー効率化、再生可能エネルギーの活用ならびに各国・地域の環境規制に関する情報収集を通じて、気候変動及び環境規制に伴うリスクの低減に努めております。 (原料の仕入れについて)第一稀元素化学工業グループの事業に必要な原料の多くは海外からの調達に依存しており、原料の種類によっては供給地域又は供給者が限定されております。オキシ塩化ジルコニウム(ZOC)については、中国及びベトナム現地法人VRECの2拠点から調達する体制を整備しており、一定の供給リスク分散を図っておりますが、イットリウム及び中重希土類については、産出国が中国に偏在し、輸出規制の影響も継続していることから、これらを使用する製品の安定供給に支障が生じる可能性があります。前記の状況が継続し、必要量の確保が困難となった場合には、当該原料を使用する製品の供給制約又は販売数量の減少が生じ、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、調達先の複線化、在庫水準の適切な管理、供給動向に関する情報収集の強化等を通じて、重要原料の安定確保と供給リスクの低減に努めております。 (海外事業活動におけるカントリーリスクの影響について)第一稀元素化学工業グループは、日本及びベトナムに製造拠点を有し、中国、タイ、米国等にも販売拠点を展開しております。また、売上高は日本以外の地域にも一定程度分散しており、海外の政治・経済・通商環境の変化が事業活動に影響を及ぼし得る事業構造にあります。このため、海外事業活動においては、各国・地域における政情不安、貿易摩擦、通商制約、法規制・制度変更、輸出入規制の強化、米中対立の長期化その他の地政学的要因により、原材料調達、生産活動、物流、販売又は顧客対応等に支障が生じる可能性があります。特に、第一稀元素化学工業グループにおいては、原材料調達及びベトナム事業の安定稼働が重要な経営課題となっており、これらに対する国・地域要因の変化が顕在化した場合には、供給制約、調達コストの上昇、納期遅延又は販売機会の逸失等を通じて、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、各国・地域に関する情報収集及び社内共有の強化に加え、サプライチェーンの見直し及び再構築、規制対応力の向上ならびに必要に応じた調達・販売体制の見直しを進めることにより、当該リスクの低減に努めております。今後も、事業環境の変化を注視し、その影響の最小化を図ってまいります。 (自然災害・事故災害による影響について)第一稀元素化学工業グループは、日本及びベトナムに製造拠点を有し、国内外に販売・物流拠点を展開しております。このため、地震、台風、洪水、停電その他の自然災害や、火災、爆発、漏えい、設備故障その他の事故災害が発生した場合には、原材料の受入れ、生産活動、保管、物流又は顧客への製品供給に支障が生じる可能性があります。特に、製造拠点又は物流機能に重大な被害が発生した場合には、操業停止、供給遅延、代替輸送又は復旧対応費用の発生等を通じて、第一稀元素化学工業グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼすおそれがあります。 第一稀元素化学工業グループは、拠点分散、保険付保、BCPの策定及び見直しに加え、国内外拠点への在庫配置による供給継続体制の強化、設備保全ならびに安全衛生活動の推進を通じて、自然災害及び事故災害に伴うリスクの低減に努めております。
※金融庁に提出された有価証券報告書のデータを使用しています。
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